グリーンサービサイジング事業報告書

<表紙>
平成 20 年度
グリーン・サービサイジング実証事業
事業名
アーバングリーンカルチャーサービス
〜環境に配慮した循環型生産緑化システム〜
事業者名
株式会社プラネット
調査報告書
<目次>
1.事業の背景と目的
1.
1
事業の背景
1.
2
事業の目的
2.事業の概要
2.
1
実施概要
2.
2
成果概要
3.事業の実施内容と結果
3.
1
事業のスケジュール
3.
2
実施体制
3.
3
事業の内容
3.
4
事業の実施結果
4.事業の成果と課題
4.
1
事業の成果
4.
2
事業推進上の課題
5.今後の事業展開
5.
1
今後の事業展開の方向性
5.
2
事業の内容
5.
3
事業の体制
5.
4
事業のスケジュール
5.
5
事業の効果
5.
6
収支計画
-1-
1.事業の背景と目的
1.
1
事業の背景
弊社は約 20 年前より、ハイドロカルチャー植物の生産を、愛知県豊橋市南大清水町を
生産拠点に始めました。ハイドロカルチャーとは、土を使わない栽培方法で、水耕栽培
の総称であり、 清潔
軽量
管理が簡単 という特徴があります。弊社はこの
ハイドロカルチャーを、消費者に広めるため、小売店への卸販売、メンテナンス付きの
観葉植物のレンタル等と事業展開を行ってきました。また、それに加えハイドロカルチ
ャーの特徴を生かした、自社オリジナルのプランターシステムや、屋上緑化システム、
壁面緑化システムの開発も進めてきました。
現在では、植物の生産においては、ハイドロカルチャー植物を中心に家庭向けの小さ
な植物から、緑化向けの5mを越す植物の生産まで行い、小売店への卸販売も全国を対
象に行っています。ハイドロカルチャー植物のレンタルサービスにおいては、東京、埼
玉、大阪、名古屋、沖縄に直営の営業・施工・メンテナンス拠点を置き、サービスを展
開しています。また、全国の同業者(貸植木業者)ネットワークを関連会社の株式会社
グリーンネットにて構築し、全国で自社直営同様の緑化サービスを行うことが出来る体
制を整えました。顧客は、法人企業を中心に大小様々な企業様とお取引させていただい
ております。
弊社のサービスのひとつとして、商業施設や百貨店への植栽工事、装飾工事がありま
す。これは、室内へ大掛かりに植物を導入するのですが、華やかさを出し、集客力を高
める為に良く採用されます。しかし、一般的なサービス方法は、郊外の農場から植物を
導入場所へ運び、短期的に季節の草花を室内に入れ、室内では草花は長くは持ちません
ので、それらをまた農場へ運び戻し、温室にて管理するもしくは、廃棄する、という方
法で、移動による排ガス、廃熱、また廃棄による廃棄物の量がとても多いサービス方法
です。自社だけでなく、業界全体でこのようなサービスを行っています。また、単純に
観葉植物をレンタルする方法では、植物が枯れているわけでもないのですが、定期的(多
いところでは毎月)にトラックを走らせて、植物を入れ替える、ということを行ってい
ます。排気ガス、排熱による環境汚染、空気汚染を助長しています。私たちは、まずこ
の定期交換に疑問を持ち、10年以上前から傷み交換という方式でのサービスを始めま
した。これは、植物が枯れそうになるまでは同じ場所に置いておくことで、植物に対し
ては環境の変化が減り、植物が長持ちし、また、メンテナンスを行う際には、交換用の
植物を持っていく必要が無いので、トラックを使用する必要が減り、環境への負荷を減
らす方法です。一般的な植物レンタルサービスは、今でもずっと定期交換主流で行われ
ていますが、弊社のハイドロカルチャー植物レンタルサービスは、定期交換しない分の
付加価値を商品力で補い、極力定期交換ではなく、この傷み交換方式でサービスを進め
てきました。さらには、通常1.8mの植物を大鉢という商品カテゴリーで提供するの
ですが、弊社は、高さのある(70cmほど)ハイポットプランターを使い、その分植
物の高さを抑え、1.2mの植物と合わせることで、合計1.8mを超える商品を提供
してきました。これも、物を運ぶ時のことを考え、なるべくトラックを使わずに、ワゴ
-2-
ン車などを使って納品出来るように、このようなサービスを進めてきました。
また、弊社はハイドロカルチャーの特徴を生かした屋上緑化、壁面緑化の事業も行っ
てきました。屋上緑化、壁面緑化は、CO2、NOxの吸収、ヒートアイランド現象の緩和等
環境改善効果が高く、全国的に普及、啓発が行われています。しかし、日本の気候はヨ
ーロッパと違い、春は一時で、梅雨の長雨、真夏の猛暑、台風等があり過酷な環境条件
であります。このような条件で屋上、壁面緑化での植物を継続して良好な状態に維持す
るには、メンテナンス技術を持った人員によるかなりの作業時間を必要とします。この
ことによりランニングコストが高くなり、屋上、壁面緑化の普及がなかなか進まないの
が現状です。
弊社は、生産を行ってきた視点、室内緑化を行ってきた視点、また、ハイドロカルチ
ャーの特性を活かした視点から、屋上、壁面の緑化活用を考えました。いかに環境に与
える負荷を減らし、室内外問わず、緑化サービスを提供出来るかを考えたときに、今回
行った、『アーバングリーンカルチャーサービス』のビジネスモデルが構想されました。
また、家庭でのベランダ菜園は、従来土を運んで行うことから、土の廃棄の問題や、
なかなかうまく管理が出来ずに、プランター等の廃棄も多く出しているという問題があ
ります。うまく管理が出来ないことから、ベランダ菜園を諦めてしまう人も多いです。
地産地消という共通の観点から、家庭版の『アーバングリーンカルチャーサービス』と
して、『ベジタクル』という家庭菜園サービスのビジネスモデルも構想されました。
1.
2
事業の目的
上記背景を踏まえて、弊社は、
『アーバングリーンカルチャーサービス』というビジネ
スモデルと『ベジタクル』というビジネスモデルを構築しました。
『アーバングリーンカ
ルチャーサービス』の大きな目的としては、
『従来のサービスと比べ、環境に負荷を与え
ることが少なく、また、緑化を十二分に楽しむことの出来るサービスであり、植物を通
じて、地域コミュニティが出来、環境貢献かつ社会貢献が行えるサービス』を提供する
ことです。そのためには、以下8点の内容をクリアする必要があると考えました。
① 建築物の屋上、壁面での植物栽培を可能にし、植物を生産できるシステムを設置する
ことにより、メンテナンスが価値を生み、コスト削減になること。
② 屋上で生産される樹木の苗は、地域の植樹に生かされ、緑被率が向上し、光合成によ
る CO2 削減や、葉の蒸散による気化熱を奪いヒートアイランド緩和に役立つこと。
③ 屋上で生産される花苗は、ビル内外の花飾りに使えること。
④ 壁面で蔓物植物を生産することにより、その地域で使われる長尺蔓植物の生産拠点に
なること。
⑤ 屋上で作られた庭の花木等を鑑賞適期に集客の高いビル内外に移動させ、鑑賞適期が
終わると養生を兼ねて屋上に戻し、植物を循環させることで、通常の植物レンタル、
装飾で行われるディーゼルトラックでの植物移動が減り、CO2、NOxガソリンコスト、
駐停車違反及び人件費の低減が図れること。
-3-
⑥ 潅水に使う水は、雨水とエアコンの室外機の排水を利用できるシステムであり、給水
ポンプの駆動はソーラー電源を使うため、天然資源を有効に利用できること。
⑦ 地域に生活する園芸好きの主婦、高齢者、障害者の働き場所として生かせること。
⑧ 現状の植物レンタルおよび販売方式に比べ、リユース、リデュースされ環境改善の図
れるグリーンサービスであること。などを事業としてまとめ、全国に広めることで事
業者、顧客及びその地域の住民と地球環境全ての間に WIN・WIN の関係が生まれる緑
化サービスシステムとなること
弊社は、2004年より、東京丸の内オアゾの屋上と隣接するビルとで循環型緑化を
行っており、メンテナンスはNPO法人エコグリーン協会が運営するグリーンネットス
クールを卒業した女性が担当するというビジネスモデルを行ってきました。これをベー
スにして、さらに事業者、顧客及びその地域住民と地球環境にとってのメリット・デメ
リットを明確化し、事業者、顧客が導入しやすいパッケージを構築し、全国展開への導
入を積極的に行っていく体制を整えることを事業の目的としました。その上で、3件の
受注を確定させることを具体的な成果目標と定めました。
また、
『ベジタクル』は、ハイドロカルチャーの特性を活かした、底面潅水方式のプラ
ンターセットを顧客へレンタルし、さらに年間でプランを組んでいただき、そのプラン
に合わせて野菜苗もレンタルするという、リレー栽培方式でのサービスを構築しました。
マンションのディベロッパー等企業への提案や、一般顧客への提供開始を目標としまし
た。
2.事業の概要
2.
1
実施概要
『アーバングリーンカルチャーサービス』
『ベジタクル』において、実施した内容(概
要)は以下のとおりです。
● エコビルド展、不動産ソリューションフェア、ガーデンEXPO、エコプロダクツ2
008、ビジネスフェアに出展、またセミナーを開催し、広報宣伝活動、営業活動を
行いました。
● 豊橋技術科学大学へ、CO2、廃棄物、水量等のLCA、緑化システムの耐熱、断熱
効果、植物のVOC吸収等室内環境改善効果を数値的に実証するため、研究委託を行
いました。
● 香川大学へ、植物種類毎のCO2吸収量を数値化するために、研究委託を行いました
● 関連会社の株式会社グリーンネットが本部を行うプランツネットワークグループ(P
NG)への営業活動、普及活動を行うため、全国研修会議及びブロック会議を行いま
した。
● 各種販売促進物(カタログ、ウェブ等)を作成しました。
● 案件管理レベルの向上による顧客満足度のアップを図るため、既存のメンテナンスデ
-4-
ータベースサイトを改修しました。
● 各種広告媒体(不動産ソリューションブック、ex ぷらっとなど)に広告掲載しまし
た。
● 内部体制を整えるため、各プロジェクトチームを結成しました。
● メンテナンススタッフ雇用に向けて、NPO法人エコグリーン協会への事業の説明を
行いました。
● リース会社とのリース取引に関する商談を行いました。
-5-
2.
2
成果概要
『アーバングリーンカルチャーサービス』
『ベジタクル』において、得た成果は以下の
とおりです。
● 展示会への出展、セミナーの開催により、潜在顧客約400社を獲得しました。また、
そのうちの 3 社とは具体的な話が進み、2 社取引が始まりました(アーバングリーン
カルチャーサービス導入を含む)
。
● 豊橋技術科学大学への研究委託の結果、『アーバングリーンカルチャーサービス』の
LCA効果、耐熱効果、植物別環境効果が具体的に数値化されました(詳細を下に記
載)。
● 香川大学への研究委託の結果、植物 20 種のCO2吸収量が数値化されました(詳細を
下に記載)。
● プランツネットワークグループの会議を行い、メンバーへの事業の浸透、普及が出来
ました。
● 各種販売促進物(カタログ、ウェブ等)を作成し、PNGメンバー、お客様に配布す
ることが出来ました。
● メンテナンスデータベースサイトの改修により、ユーザビリティの向上、屋上緑化、
壁面緑化への対応が可能になりました。また、使用説明書(マニュアル)が出来まし
た。
● 各種広告媒体(不動産ソリューションブック、ex ぷらっとなど)への広告掲載によ
り、事業のPRが出来ました。
● 各プロジェクトチームの結成により、内部体制の強化が始まりました。
● 2008 年度グッドデザインプレゼンテーションにおいて『ベジタクル』を出展し、グ
ッドデザイン賞(新領域部門)を受賞しました。
● サービスのリースでの取引が可能となりました。
また、
『アーバングリーンカルチャーサービス』においての課題・今後の展望は以下のと
おりです。
● 価格がまだ高く、導入時に障害となっています。仕入コスト、流通コストを下げ、価
格の見直しを図ります。
● 循環させる植物のデータベース化が不十分です。随時循環テストを行い、循環植物の
データベース化を行っていきます。
● 営業代理店構築のためのパッケージが出来ていません。規格、マニュアルをまとめ、
代理店構築を進めます。
● LCAの評価結果として、定期的に植物を交換する場合(土物定期交換型)が最も環
境負荷およびコスト面に悪影響を与え、次いで枯れた場合に交換する場合(ハイドロ
-6-
傷み交換型)となり、屋上を植物の養生場所として利用し、室内とで循環させる場合
(GS 型:グリーン・サービサイジング型)が最も好影響となりました。今後の課題
として、サービス事業だけでなく、植物、資材等の生産・製造および流通を含めたト
ータルでの評価が必要になります。
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
GS型
輸送
費用(人件費
二酸化炭素
を含む)
(t-CO 2 /鉢)
(円/鉢)
5.599
6,390
0.036
3,940
0.011
1,955
生産、廃棄
二酸化炭素
水
(t-CO2 /鉢)
(L/鉢)
5.05
384
4.19
232
0.03
358
費用(人件費
を含む)
(L/鉢)
(円/鉢)
1,278
22,414
245
14,056
111
9,215
廃棄物量
● 植物別環境効果調査は、観葉植物(下記の表の上から 7 種類)は CO2 吸収量が多く、
屋外用植物(残りの 6 種類)は吸収量が少ない結果となりました。特にローズマリー、
ディアスシア、パンダスミレについては、CO2 の吸収量よりも放出量が多かったです。
このことについては、屋外用植物はあまり暖房しない無加温の場所で管理していたた
め、
植物の生育が活発に行われず、
その結果 CO2 吸収量が少なかったと考えられます。
植物
サンスベリア
パキラ
モンステ ラ
エバーフレッシュ
ポトス
ベンジャミナ・プリンセス
ウンベラータ
パンドレア
ローズマリー
シマトネリコ
ハゴロモジャスミン
ディアスシア
パンダスミレ
二酸化炭 素
トルエン除去 量
吸収量
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆
★
☆☆☆☆
☆
★
★
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆
蒸 散量
☆☆
☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆ ☆☆
二酸化炭素 トルエン除去
蒸散量(g)
吸収量(ppm) 量(μg/? )
1000以上
1000以上
20以上
☆☆☆ ☆
800〜1000
800〜1000
15〜20
☆☆☆
500〜800
500〜800
10〜15
☆☆
200〜500
200〜500
5〜10
☆
0〜200
0〜200
0〜5
★
-
0以下
0以下
未測定
0以下
評価ランク
また、ほとんどの種類でトルエン除去の効果がありました。今後の課題として、生育
が盛んな春から秋に調査を行い、植物が本来もつ環境負荷軽減効果を調査する必要が
あります。屋外用植物であるシマトネリコの CO2 吸収量が多かった理由についても今
後調査する必要があります。また、今回はハイドロカルチャー植物で調査を行いまし
たが、土植の場合との比較も考慮する必要があります。
● 屋上緑化の断熱・遮熱効果における調査の測定結果を以下に示します。緑なしモデル
(コンクリート構造のみ)では、内部温度が 35℃となっているのに対し、ハイドロ
緑化屋根モデル(当社ハイドロカルチャー工法)の平均内部温度が 17.8℃、土物緑
化屋根モデル(軽量土壌を用いた緑化工法)の平均内部温度が 17.0℃でした。また、
人工光源からの光の放射角度を補正した緑化屋根モデルの内部温度と表面温度との
差は、ハイドロ緑化屋根で 22.7℃、土物緑化屋根で 22.5℃となり、ハイドロ緑化屋
根モデルの方が温度差が大きく、断熱性が高い結果となりました。
-7-
なお、今後の課題として、今回の実験では屋根モデルの材料をスチレンボードと
合板で作成しましたが、より現実的なコンクリートボードに換えて実験を行う必要
があります。
温度測定点
250
500mm
40mm スチレンボード
CH8
5.5mm 合板
レカトン
プランター
CH13
400
CH3
CH2
CH5
CH1
CH4
(a) 緑なし屋根モデル
CH9
(b) ハイドロ緑化屋根モデル
(c) 土物緑化屋根モデル
CH1:緑なしモデル内
部
CH3:緑なしモデル屋
根表面
CH4:レカトンモデル内
部
CH8:レカトンモデル屋
根表面
CH9:土物モデル内部
50
45
40
TEMP (℃ )
土
35
30
25
CH13:土物モデル表
面
CH14:周囲温度
20
15
10
9:36
12:00
14:24
16:48
19:12
表面温度−内部温
度差(レカトン)
表面温度−内部温
度差(土もの)
TIME
●
植物の CO2 吸収量の測定結果を下の表に示します。PPFD とは、光合成有効光量子
束密度といい、植物が光合成に利用する光エネルギーを表します。この値の約 57
倍が一般的に呼ばれているルクス(lux)になります。ほとんどの植物は PPFD の
値が 20 以上(≒1140lux)あれば光合成により発生する CO2 の量が呼吸による吸収
の量を上回ります。また、室内にくらべ屋外の強い照度に相当する PPFD 値が増す
ほど、光合成は盛んになります。一般的に室内(オフィス内)の照度は 500〜1000lux
といわれているため、室内に置かれた植物が光合成を行うのに必要な光は、十分
とはいえません。光合成の盛んな光が強い屋外で植物を生育、養生させ、光の弱
い室内に一時期だけ移動させるという、このサービスの特性を考慮すれば、これ
らの植物は、十分適用可能と考えられます。
今後の課題として、植物生育環境要因(温度、湿度、光等)が異なる、季節ご
とにおける CO2 吸収量の違いの検証が必要です。
-8-
各植物の個葉光合成速度(μmol CO 2 m-2 s-1)
PPFD*
レッドロビン
タケ
ビンカ・マジョール
パンドレア
ハツユキカヅラ
アベリア
ナンテン
テイカカヅラ
パンダスミレ
カラミンサ
パキラ
0
-0.87
-0.474
-2.32
-2.07
-1.06
-0.935
-0.659
-1.23
-0.617
-0.292
-0.386
20
0.384
0.643
-0.338
0.479
0.0966
0.0668
0.354
0.449
0.889
1.57
0.615
40
1.2
2.08
0.318
2
0.732
1.03
1.19
0.793
2.07
2.76
1.76
60
1.99
2.81
0.874
3.4
1.8
1.67
1.74
2.14
3.18
4.56
2.82
100
3.23
3.47
1.91
5.62
3.22
2.82
2.99
3.25
4.44
7.04
3.94
200
4.49
4.03
3.63
8.9
4.27
6.1
4.01
4.98
5.18
10.6
6.12
300
4.96
4.35
4.5
9.79
5.18
8.27
4.62
6.2
6.97
12.1
6.97
500
5.81
3.84
6.4
11.4
6.08
10.1
5.01
6.64
8.02
13.4
7.7
750
6.19
3.68
6.77
12.1
6.04
11
5.09
7.55
8.76
13.9
8.13
1000
5.6
3.83
7.65
12.9
6.59
10.9
5.2
7.99
9.23
14.1
8.51
* μmol m -2 s-1
『ベジタクル』においての課題・今後の展望は以下のとおりです。
● アンケートに基づいた値ごろ感のある価格での提供をめざすためにコストの削減を
行います。
● 身近で便利なサービスを提供するための窓口の確保をします。
● 品種毎の顧客ニーズを把握し、品質の向上を図ります。
3.事業の実施内容と結果
3.
1
事業のスケジュール
営業活動
LCA等調査
(7月中旬)委託契約締結
(7月14日)豊橋技術科学大学とLCA
に関する打合せ①
7月
(7月28日)愛媛大学仁科教授とCO2
吸収、緑化システムに関する打合せ
グッドデザイン用『ベジタクル』カタログ等作成
8月
(8月22〜24日)
グッドデザインプレゼンテーション
に出展
豊橋技術科学大学とLCA
フローチャートの作成・確認
(9月4日)豊橋技術科学大学にLCA
調査及び植物別環境調査を依頼
9月
(9月22〜24日)
PNG全国研修会を実施
(9月8日〜10)愛媛大学のシンポジウム
アーバングリーンカルチャーサービス に参加。環境調査方法など情報収集し、
の説明と各種緑化システムの紹介
仁科教授とCO2吸収、緑化システムに
関する打合せ
エコビルド展用『アーバングリーンカルチャーサービス』カタログ等作成
-9-
(10月1〜3日)
エコビルド展に出展
10月
(10月21〜22日)
不動産ソリューションフェアに出展
(10月8日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査に関する打合せ②
(10月9日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査に関する打合せ③
不動産ソリューションブック・週刊ビル経営に広告掲載
(10月30日〜11月1日)
ガーデンEXPOに出展
(11月8日)
PNG九州・四国・中国ブロック会議
を開催。アーバングリーンカルチャー
サービスの説明と各種緑化システム
の浸透
11月
(11月8日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査に関する打合せ④
(11月10日)GS実証事業 地方会議
(11月18日)
サンフロンティア不動産にアーバン
グリーンカルチャーサービスを導入
(11月18日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査に関する打合せ⑤
(11月21日)GS実証事業 中間報告会
12月
(12月11〜13日)
エコプロダクツ2008に出展
(12月18日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査、耐熱断熱効果に
関する打合せ⑥
- 10 -
アーバングリーンカルチャーサービス緑化システムカタログ作成
アーバングリーンカルチャーサービス専用HPの公開
メンテナンスデータベースサイトの改修
1月
(1月14日)
旭化成ホームズ大宮北展示場に
アーバングリーンカルチャー
サービスを導入
(1月20〜22日)
ビジネスフェア経済産業省ブース
に出展
(1月6日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査、耐熱断熱効果に
関する打合せに関する打合せ⑦
(1月6日)香川大学田中教授と
植物のCO2吸収調査に関する打合せ①
(1月24日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査、耐熱断熱効果に
関する打合せに関する打合せ⑧
(1月23日)
PNG関西・中部会議を開催。
アーバングリーンカルチャーサービス
の説明と各種緑化システムの浸透
リース会社との取引商談・取引
条件の確定
(1月29日)北九州市立大学の松本教授
とLCA等に関する打合せ
exぷらっとへ広告掲載
アーバングリーンカルチャーサービス環境負荷低減効果のカタログ(雛形)作成
(2月6日)豊橋技術科学大学とLCA
、植物別環境調査、耐熱断熱効果に
関する打合せに関する打合せ⑨
2月
(2月24日)
エコッツェリアにて、アーバングリーン
カルチャーサービスセミナーを開催
(2月23日)香川大学田中教授と
植物のCO2吸収調査に関する打合せ②
(2月28日)豊橋技術科学大学からLCA
、植物別環境調査、耐熱断熱効果に
関する打合せに関するに関する最終報告
(2月28日)香川大学からCO2吸収調査
に関する最終報告
(3月11日)GS実証事業 最終報告
3月
3.
2
実施体制
実施にあたり、
『アーバングリーンカルチャーサービス』プロジェクトチームを結成し
- 11 -
ました。チーム内部門は以下のとおりです。
事業総責任者
統括リーダー
大林社長
プロジェクト全般
儀間
営業
沼達・小林直子・小林寛利(PNG)
生産・資材管理
泉
リーダー
緑化システム開発
彦坂・森下
(担当責任者)
LCA
彦坂・久留
基礎環境負荷低減効果
彦坂・久留
販促資料作成
粕谷/岡田(正)
オアゾ担当
システム試験担当
岡部・小林直子
大阪事務所屋上担当
沖縄リモトビル屋上担当
坂
金ヶ江
【営業】
マーケティング・・・各種展示会への出展。アンケート収集及びその分析。
営業活動・・・既存取引先、新規取引先への営業活動。
PNG(プランツネットワークグループ)他代理店への研修、事業の浸
透及び営業活動。
アーバングリーンカルチャーサービスセミナーの開催。
リース会社との取り組み・・・リース会社との取引体系の確立。
広告宣伝・・・不動産ソリューションブック、週刊ビル経営、ex ぷらっとへの広告掲載。
【生産・資材管理】
在庫管理・・・植物、資材の必要在庫数を確保。
輸送方法・・・輸送コストの削減を図る。
回収方法・・・解約になった際の資材、植物回収コストの削減を図る。
【緑化システム開発】
緑化試験・・・どの植物がシステムに順応し、循環、生産として適切か、随時検証
耐震、耐熱、耐風、荷重・・・耐震、耐熱、耐風、荷重の数値化。
施工マニュアル、メンテナンスマニュアル・・・営業、施工代理店向け資料の作成。
【LCA、環境負荷低減効果】
LCA・・・豊橋技術科学大学と連携し、数値化
愛媛大学仁科教授にも助言をもらう。
- 12 -
VOC吸収・・・豊橋技術科学大学と連携し、数値化。
CO2吸収・・・豊橋技術科学大学及び香川大学と連携し、数値化。
【販売促進】
パネル等・・・各展示会用パネルの作成
各種カタログ・・・基本カタログ、パイプ緑化、コンポ、室内緑化カタログ、環境負荷
低減効果カタログの作成。
専用サイトの作成・・・アーバングリーンカルチャーサービス専用オリジナルサイトの
作成。
SEO、リスティング・・・アーバングリーンカルチャーサービス専用オリジナルサイ
トのSEOを実施。
メンテナンスサイトの改修・・・既存のメンテナンスサイトのユーザビリティを上げ
屋上緑化、壁面緑化にも対応出来るように改修。
また、
『ベジタクル』に関しても、プロジェクトチームを結成しました。チーム内部門
は以下のとおりです。
事業総責任者
統括リーダー
リーダー
(担当責任者)
大林社長
プロジェクト全般
濱田
企画・営業
濱田・成田・岡田
生産・資材管理
泉・久留
モニターテスト
濱田・成田
物流
望月
販促資料作成
粕谷・岡田
【企画・営業】
マーケティング・・・グッドデザイン賞はじめ、各種展示会への出展。アンケート収集
及び商品のデザイン・価格・商流・物流の分析。
営業活動・・・既存取引先、新規取引先への営業活動。
試験販売による、マーケティング調査。
PNG(プランツネットワークグループ)への事業の浸透及び営業活動。
【生産・資材管理】
生産管理・・・システムに利用できる植物、資材の必要在庫数を確保。受注生産により、
見込み生産によるロス・環境負荷の低減を図る。
- 13 -
【モニターテスト】
テスト・・・試食を行い、市販品との味の差異確認。
実際のベランダでの、育成状況確認。
【物流】
輸送方法・・・共同購入や窓口一括配送等、輸送コストの削減を図る。
回収方法・・・解約になった際の資材、植物回収方法を決め、回収コストの削減を図る。
【販売促進】
パネル等・・・各展示会用パネルの作成。
各種カタログ・・・ベジタクルパンフレット作成。
専用サイトの作成・・・ベジタクルドットコムサイトの立ち上げ。
3.
3
事業の内容
『アーバングリーンカルチャーサービス』の事業は2つのパターンに分けられます。1
つは、室内植栽、装飾で使用する植物を屋上緑化で養生する、循環型『アーバングリー
ンカルチャーサービス』
、2つ目は、屋上を使って野菜や苗木、花苗を生産する生産型『ア
ーバングリーンカルチャーサービス』です。2つの事業内容をまとめた図が以下になり
ます。
- 14 -
ビル所有者は、屋上、壁面に弊社の提供する緑化システムを導入します。導入された
- 15 -
緑化システムは、弊社及び近隣に住む女性、高齢者、障害者が行う管理(メンテナンス)
により、養生、生産され、室内植栽、装飾に使われたり、近隣の環境イベント、植樹に
使われたりと、さまざまな用途に使われます。メンテナンスを行う女性、高齢者、障害
者へのメンテナンス技術の指導は、NPO法人エコグリーン協会が運営するグリーンネ
ットスクールで行います。また、このサービスを行うことで期待できる環境負荷低減効
果を大学(豊橋技術科学大学、香川大学、愛媛大学)と組んで数値化します。
ビル所有者は、
『アーバングリーンカルチャーサービス』を導入することで、社会貢献、
環境貢献出来ます。また、
『アーバングリーンカルチャーサービス』は、環境への負荷=
無駄を抑えたビジネスモデルですので、メンテナンスが生み出す価値分のコストを、通
常行う場合より削減することが出来ます。
『アーバングリーンカルチャーサービス』は、従来のサービスよりも、その地域の雇
用につながり、ディーゼル車の利用率が減り、ガソリン代、駐車違反も減り、さらに関
わる事業者がWIN‑WINで行うことが出来るサービスであり、環境、社会に貢献した、
収益性のある事業になると考えております。
次に『ベジタクル』の事業内容を以下にまとめました。
『ベジタクル』は、家庭向けのハイドロカルチャー植物栽培キットのレンタルサービ
スです。年間でプランを組み、それに合わせて弊社農場及び提携農場で苗を生産します。
そのプランに合わせて、お客様のもとに苗をお届けし、ハイドロカルチャー植物の栽培
キットを使ってご家庭で育てていただきます。収穫出来る大きさになるまで、ご家庭で
楽しく育てていただき、収穫したらもちろん食べていただけます。不必要になった植え
込み材と内容器は再使用するので、弊社に送り返していただきます。また、植物栽培の
サポート役にベジタクルサイト(SNSサイト)を運営します。サイト内には、植物種
類ごとの育て方を見たり、弊社生産部に聞いたり出来ます。ユーザー同士のコミュニケ
ーションも出来るようになっています。サービスは月額のサービス費用で運営します。
- 16 -
廃棄物を減らし、家庭園芸を手軽に楽しむことの出来るサービスです。
3.
4
事業の実施結果
【営業活動の実施結果】
8 月 21 日〜23 日のグッドデザインプレゼンテーションでは、新領域部門に『ベジタク
ル』を出展しました。合計 41,092 人が来場しました。弊社の展示ブースでは、ベジタク
ルカタログの配布、アンケートの収集(アンケート記入者へはノベルティとしてハイド
ロカルチャー植物の配布を実施)をしました。デザイン関連の仕事をしている方の来場
が多く、また、ビジネスとしてではなく、一般の来場者も多数いました。アンケートに
は、サービス内容、商品のデザイン、価格に関する設問を作りました。アンケートは合
計 528 枚回収しました。サービス内容に関しては、9 割近くが『良い』と回答しました。
プランターのデザイン、ハイドロカルチャーについては 7 割が『良い』と回答しました。
しかし、価格については 40%以上が『高い』と回答しました。最終的に、このサービス
を『使ってみたい』が 50%を切っており、価格について『高い』と感じることが影響し
ていると思われました。コストを見直し、価格を抑える努力が必要という結果です。
9 月 22 日〜24 日に愛知県豊橋市南大清水町の弊社農場近くで開催したPNG全国研修
会では、関連会社の㈱グリーンネットが本部を行うPNGメンバー(同業者)約 70 社が
参加しました。PNGは、緑化の施工、管理(メンテナンス)を中心に、レンタル、小
売に関する営業代理店になります。ここでは、今後、環境緑化へのニーズが高まること
を強く伝え、具体的に『アーバングリーンカルチャーサービス』の内容の説明を行いま
した。今回参加した方々は、主に通常の土もの定期交換を行っている会社ですので、こ
の点について否定的な内容も兼ねる提案になりますが、概ね賛同の声が多く、代理店希
望のアンケートでも、約半数が代理店を希望し、40%近くが検討するという回答になり
ました。最終日には、代理店希望社のみ集めて、弊社農場で研修を行いました。実際の
植物、商品等を見てもらい、触ってもらうことで、有意義なご意見、ご要望、ご提案を
頂くことに繋がりました。
10 月 1 日〜3 日に、エコビルド展に出展しました。来場者は、合計 10,623 人。建築土
木関連の仕事をしている人、営業販売と研究開発部門の来場者が多く、来場の目的とし
ては、一般的な情報収集に来る人が多かったようです。ここでは、
『アーバングリーンカ
ルチャーサービス』のカタログ配布とアンケートの収集を行いました。各種緑化システ
ム、循環型『アーバングリーンカルチャーサービス』
、生産型『アーバングリーンカルチ
ャーサービス』の評価はいずれも 80%以上が『良い』と回答しました。また、今回契約
形態について、一括購入とレンタル、リースのどちらを希望するかの評価に対して、40%
の未記入がある中で、約 50%の方がレンタル及びリース契約を選びました。
10 月 21 日〜22 日に、不動産ソリューションフェアに出展しました。不動産ソリュー
ションフェアは、ビルオーナーを中心に 16,989 人が来場しました。不動産業界は不況と
言うことで、出展者も少なく、全体的に活気の無い展示会になりました。弊社は、
『アー
バングリーンカルチャーサービス』カタログの配布に加え、不動産ソリューションブッ
- 17 -
ク・週刊ビル経営への広告掲載、また、今回プレゼンテーションルームにてプレゼンテ
ーションの時間があり、30 名ほどの聴講者に対してプレゼンテーションを行いました。
『アーバングリーンカルチャーサービス』は、ビルオーナーが最良のターゲットになる
ため、この展示会で、何社か具体的に話を聞きたいというところがあり、ある不動産関
連会社とは、具体的に話が進み、11 月 18 日に東京都田町のオフィスビルの屋上の手すり
に緑化を行い室内との循環サービスを導入しました。
10 月 30 日〜11 月 1 日には、ガーデンEXPOに出展しました。ガーデンEXPOで
は、今年初めて、環境緑化フェアというブースが設置されそこでの出展となります。来
場者は、合計 31,891 名でした。ここでは『アーバングリーンカルチャーサービス』と『ベ
ジタクル』のカタログの配布及びアンケートの収集、ノベルティの配布を行いました。
アンケートは、
『アーバングリーンカルチャーサービス』と『ベジタクル』とを分けたア
ンケートを実施しました。一般のお客様で特に主婦の方々が多く、ノベルティ欲しさに
アンケートの記入をするという方が多く、集計内容に信頼性があまり持てない形で終わ
ってしまいました。
11 月 8 日に、PNGの九州・中国・四国ブロック会議を行いました。PNGの全国研
修会に比べ、参加人数が少ないためメンバーの意見が多く聞ける貴重な場です。ここで、
『アーバングリーンカルチャーサービス』の更なる浸透を目的とし、事業の説明と進捗
を発表しました。地方では、まだまだ環境緑化に対する意識が低いところがありますが、
今後、環境緑化に対する意識が必要であるという思いは持っているようです。
『アーバン
グリーンカルチャーサービス』は室内との連携が重要なサービスであり、またメンテナ
ンスが価値を生む事業なのでメンバーにとっても今後地方でこれを展開していくにあた
り、事業としての魅力を感じてもらえたようです。
12 月 11 日〜13 日に、エコプロダクツ2008に出展しました。エコプロダクツ展は、
一般のお客様が多く、PR的な要素が強いだろうということで、今回ノベルティの配布
は辞め、ビジネス的な要素を求めていらっしゃる方への営業活動に専念しました。成果
としては、某ショッピングセンターへの提案が進んでいます。まずは室内緑化の提案と
なりましたが、室内で、花や野菜が楽しめることへの魅力を強く感じていただいていま
す。現在関係を持っている部署が内装やインテリアを担当する部署ですが、屋上緑化に
ついての取り組みも違う部署で行っているということで、今後、提案を進めていきます。
このショッピングセンターへの室内への植物の導入は 3 月下旬に決まり、これからも積
極的に提案を進めていきたいと考えています。また、某ハウスメーカーとも以前から話
が進んでおり、そこの担当者にも来場していただきました。具体的に話が進み、1 月 14
日に埼玉県大宮の住宅展示場のベランダと室内との循環での納品が決まり、導入しまし
た。
1 月に『アーバングリーンカルチャーサービス』の専用サイトを公開しました。また、
今まで室内緑化のメンテナンス管理で使用していた、メンテナンスデータベースサイト
の改修を行いました。今まで使い勝手が悪く、汎用性の低い部分を改善し、さらに屋上
緑化、壁面緑化の管理に対応出来るような改修を行いました。今後、
『アーバングリーン
- 18 -
カルチャーサービス』のサービス導入による顧客管理を当サイトで行い、顧客満足度を
高めるツールとして使用していきます。
1 月 20 日〜22 日に、大阪で行われたビジネスフェアの経済産業省ブースに出展させて
いただきました。ここでは、『アーバングリーンカルチャーサービス』『ベジタクル』の
カタログに加えて、各種緑化システム(コンポガーデン、パイプ緑化、室内緑化)のカ
タログを配布しました。今回『アーバングリーンカルチャーサービス』について、初め
ての関西での出展でしたので、関西に本社を構える企業様の来場が多く、潜在顧客との
新たな繋がりが出来た展示会となりました。
2 月に入って、造園専門CADのリックが運営するエクステリア、ガーデン、建築情報
サイトへの広告掲載を行いました。
『アーバングリーンカルチャーサービス』のカテゴリ
ーと各種緑化(コンポガーデン、パイプ緑化、室内緑化)のカテゴリーでの掲載を行い
ました。
2 月 24 日に、東京駅新丸の内ビルのエコッツェリアにて、
『アーバングリーンカルチャ
ーサービス』のセミナーを開催しました。三菱総合研究所の柴様よりグリーン・サービ
サイジングの講演をしていただき、その後、弊社より『アーバングリーンサービス』の
講演を行いました。その後、更に深く認識を深めていただくために、NPO法人屋上開
発研究会の藤田様、
『アーバングリーンカルチャーサービス』のLCAなどの効果を数値
化していただいている豊橋技術科学大学の松本教授、三菱総合研究所の柴様、㈱プラネ
ット代表をパネラーとして、パネルディスカッション形式での講演を行いました。コー
ディネーターは、先端起業科学研究所の竹内様にお願いしました。エコッツェリアでの
講演の後には、実際に『アーバングリーンカルチャーサービス』を導入している丸の内
オアゾでの現場見学を行っていただきました。雨が若干降っていましたので、見られな
かった方もいましたが、室内の屋上から循環された植物は見学していただけました。当
日はアンケートも実施しましたので、今後フォロー営業を進めていきます。既に、お客
様からご連絡をいただき、商談の打合せもいくつか入っております。
その他の活動として、リース会社との取り組み体制の構築も行いました。レンタルに
て提供する際に、屋上緑化システムは高額であり、初期投資が嵩みます。リース会社と
のタイアップを実現することで、弊社にも、お客様にもメリットが出てきます。植物の
メンテナンスをリース価格に組み込みことはまだ出来ておりませんが、まずは資材(プ
ランター等)に関して、リースにて提供出来る体制を構築しました。
【LCA評価、環境負荷低減効果の実施結果】
①LCA評価
7 月 14 日に豊橋技術科学大学建築環境工学研究室の松本博教授、大学院生 2 名とLC
A評価について第 1 回目の打ち合わせを行いました。植物の生産(苗輸入から農場生産
まで)から植物レンタル業への保管養生温室へ、その後、レンタルを行う上での植物定
期交換方式、メンテナンス方式、ビル屋上循環方式のそれぞれの場合における CO2 排出等
環境負荷の洗い出しを行う計画について打ち合わせました。前述にある 3 種類の業務内
- 19 -
容の違いによる二酸化炭素の排出に関して、どこまで具体的に計測するかが課題となり
ました。
2 回目の打ち合わせ(2008 年 8 月 4 日)で、上記の課題事項については、2000 年の産
業連関表を使用している環境庁
国立環境研究所のデータベースを用いることになりま
した。これは、本 LCA 評価を行うために必要な原単位を調べるためです。
3 回目の打ち合わせ(2008 年 9 月 4 日)では、CO2、廃棄物、水の排出量および費用を
計算するために、以下の項目の量、金額の調査をすることになりました。植物の大きさ
を大鉢、中鉢、小鉢の 3 パターンに分け算出することも決まりました。
・1 鉢あたりの植物ゴミの量
・温室で管理する上での 1 鉢あたりに使用する水の量
・レカトンや内容器のリサイクルの回数
・重油の使用量(過去 3 年間における単位面積あたりの使用量)
それぞれに応じての数量を出すことで、ビル屋上循環方式と土物植物での定期交換型や
枯れ交換におけるメンテナンス型とのより細かい比較評価ができる可能性が出てきまし
た。
10 月 9 日、11 月 8 日、11 月 18 日にも入力項目の内容確認など打ち合わせを行いまし
た。
12 月 19 日に豊橋技術科学大学と打ち合わせを行いました。前述にある植物の生産(苗
輸入から農場生産まで)から植物レンタル業への保管養生温室へという項目をやめ、レ
ンタル業社の保管養生温室から評価を行うようにしました。これにより、生産とレンタ
ルという分野が混在するのを防ぎ、サービス事業自体としての評価をより詳しく調査す
ることができます。
また、植物定期交換方式、メンテナンス方式、ビル屋上循環方式のそれぞれの場合で
の移動距離、時間、使用する植物および資材の重量などを表にまとめ、自動計算方式で
評価が出来るようにしました。こうすることで、あらゆるモデルケースに対応できる上、
営業ツールとして利用可能となりました。
1 月 29 日に北九州市立大学松本教授、三菱総合研究所鵜飼様との打ち合わせを行いま
した。その時点で出来上がっている LCA 評価について確認して頂いたところ、以下の指
摘を頂きました。
・㎡あたりで評価を行っているが、室内においては㎡あたりでの考えはあまりないこ
とから、1 鉢あたりでの再考が必要ではないか
・輸送については、積載率を考慮した改正トンキロ法の係数を使うべき
・土物定期交換については、
「交換サイクル=寿命(半年としている)
」となっていな
いので、交換された後に提供するサービス分についても考慮する必要がある→生産
時の負荷を1/48 とするイメージか
LCA 評価をビジネスモデルとして使用可能にするためには、上記指摘事項を考慮した設定
条件での LCA 評価を再度行うことになりました。
- 20 -
②植物別環境調査
10 月 8 日に当社、生産物流センターにて、豊橋技術科学大学と植物別環境調査につい
て打ち合わせを行い、調査項目の確認、植物の種類・サイズの検討を行いました。これ
により、10 月から 11 月に観葉植物 3 種類(サンスベリア、パキラ、フィカス・ウンベラ
ータ)を調査した結果、全ての植物でトルエン除去効果が示されました。
また、照度を 500lux で設定していましたが、この照度では光合成よりも呼吸が活発に
行われていたため、植物の光合成速度を上げるために照度を 1000lux に上げました。ま
た、デシケータ(植物を入れる箱)を密閉して植物が吸収しているトルエン、CO2 の量を
確認する方法に改良しました。
③屋上緑化の断熱・遮熱効果における調査
1 月 6 日に豊橋技術科学大学で打ち合わせを行いました。3 種類の異なる屋上(通常の
コンクリート屋根構造のみ、軽量土壌を用いた緑化工法、弊社ハイドロカルチャー工法)
モデルを作成し、それぞれの場合において、
8 階建て事務所ビル,屋根面積 24.6m×24.6m,
天井高 2.6m、コンクリート 15cm,断熱材 5cm,外気温 35℃,室温 26℃という統一された
条件でそれぞれの表面温度,風速,日射量,日射反射率,内部温度,蒸発・蒸散および
保水効果などの水収支の測定を行うことになりました。条件を統一することで、緑化を
行った場合、さらには土とハイドロカルチャーのより精度の高い比較を行うことが出来
ます。1 月 31 日より実験開始としました。
④「アーバングリーンカルチャーサービス」に適用する植物の CO2 吸収量の測定
1 月 6 日に香川大学農学部田中道男教授と表記の打ち合わせを当社、生産物流センター
にて行いました。植物の CO2 吸収量を高機能光合成蒸散測定装置を用いて測定します。植
物本体を箱に入れ、箱を密閉して CO2 濃度の低下を測定する方法ではなく、今回の測定は、
2cm×3cm 以上の大きさの葉があれば計測が可能です。これにより、土壌などを含めた植
物全体の CO2 吸収量ではなく、葉による CO2 吸収量がより正確に測定できます。1 月 20 日
から 2 月 28 日までの間に、香川大学で 20 種類の植物について CO2 吸収測定を行うこと
で合意しました。
2 月 23 日に田中教授と弊社生産物流センターで打ち合わせを行いました。弊社の農場
にある植物を実際に見ていただき、栽培環境、品種の特性を考慮して、品種選定を行い
ました。
4.事業の成果と課題
4.
1
事業の成果
【グリーン・サービサイジングビジネスの横展開・高度化】
まず、具体的な成果として、2件の受注がありました。1件は東京都田町のオフィ
スビルの屋上の手すり部分にプランターを設置し、そこに花や野菜のハイドロカルチャ
ー植物を入れました。室内に、既存のプランターがいくつかあり、そのプランターのサ
- 21 -
イズが弊社の規格に合ったので、そのプランターを使い屋上から室内に植物を持ってく
る循環型としました。
もう1件は埼玉県大宮の住宅展示場モデルルームのベランダにパイプ緑化を入れまし
た。パイプ緑化には、花を入れました。室内にも鉢を導入し、その鉢とベランダの植物
との循環型としました。
今後の横展開に向けた成果として、PNGメンバーへの事業紹介と事業の浸透が出来
ました。PNGは、室内緑化、造園を行っている同業者ネットワークですが、PNGメ
ンバーは、屋上緑化、壁面緑化への参入はまだまだこれからです。しかし、世界的な不
況と言われる中で、室内緑化はコスト削減の対象となり、景気に左右されやすい商品で
あります。しかし、環境緑化は環境改善要素が強く、国や自治体も義務化を進めており、
今後成長すると予想されるマーケットです。さらにPNGメンバーはそれぞれの地場に
土地を持ち、温室があり、植物を保管できます。また、お客様のところをメンテナンス
で回るのが日常の仕事であり、地元業者としてお客様に良いサービスを出来る体制の整
った企業です。
『アーバングリーンカルチャーサービス』は、PNGメンバーにとって今
後取り扱いたいサービスであり、弊社としては、タイアップするのに一番良い企業であ
ると考えています。弊社は、PNGメンバーに対して、今後ますますメーカー営業とし
て、事業の浸透を図っていきます。
その他には、
『アーバングリーンカルチャーサービス』の販促物が一式整いました。
『ア
ーバングリーンカルチャーサービス』
『ベジタクル』
『コンポガーデン』
『パイプ緑化』
『室
内緑化』『環境負荷低減効果の説明』のカタログが出来ました。また、『アーバングリー
ンカルチャーサービス』の専用サイトも公開出来ました。カタログは、PNGメンバー
やお客様に配布しました。専用サイトはセミナー集客時に内部SEOを整え、リスティ
ングの広告を行いました。その後は順調にアクセス数も増えていますので、今後アクセ
ス解析をしっかり行い、ウェブ営業力の強化を積極的に行っていきます。
『ベジタクル』については、具体的な成果がまだ出ていない状況ですが、ある大手マ
ンションディベロッパーへの提案では、大変興味を持っていただきました。サービス自
体へのニーズは、アンケートや営業活動を通じて感じ取られました。サービスのインフ
ラの構築と営業体系の構築を今後進めていきます。
【環境負荷低減効果の評価・分析】
①LCA 評価
まず輸送と生産・廃棄という 2 項目に分け、
輸送については CO2 排出量と費用の 2 項目、
生産・廃棄については CO2 排出量、水消費量、廃棄物量、費用の 4 項目に分けて考えまし
た(下図参照)
。
サービス事業別に見たCO2排出量(輸送)
サービス事業別に見た費用(輸送)
7,000
6,000
5
38.3%
5,000
4
3
99.3%
99.8%
2
費用(円/鉢)
CO2排出量(kg-CO2/鉢)
6
4,000
69.4%
3,000
2,000
1
- 22 -
1,000
0
0
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
GS型
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
GS型
輸送については、CO2 排出量は土物定期交換に比べてハイドロ傷み交換型は約 99.3%、
GS 型(グリーン・サービサイジング型)は 99.8%の削減効果が示されました。CO2 排出量
の削減効果が非常に大きい理由として、トラックを使用することによる植物の交換回数
の差による影響が大きいためと考えられます。また、費用は土物定期交換型に比べてハ
イドロ傷み交換型は約 38.3%、GS 型は約 69.4%の削減効果が示されました。
サービス事業別に見たCO2排出量(生産、廃棄)
サービス事業別に見た水消費量
400
6
39.4%
17.0%
300
4
3
99.4%
2
水消費量(L/鉢)
CO2排出量(kg-CO2/鉢)
6.8%
5
200
100
1
0
0
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
土物定期交換型
GS型
25,000
1,200
20,000
37.3%
900
80.8%
600
GS型
サービス事業別に見た費用(生産、廃棄)
1,500
91.3%
300
費用(円/鉢)
廃棄物重量(L/鉢)
サービス事業別に見た廃棄物の量
ハイドロ傷み交換型
58.9%
15,000
10,000
5,000
0
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
GS型
0
土物定期交換型
ハイドロ傷み交換型
GS型
生産・廃棄については、CO2 排出量は土物定期交換型に比べ、ハイドロ傷み交換型は約
17.0%、GS 型は 99.4%削減効果が示されました。水消費量の削減効果は、ハイドロ傷み
交換型は約 39.4%、GS 型は約 6.8%でした。室内におけるレンタル用植物が一般的には
観葉植物であり、温室及び室内を養生場所にするのに対し、GS 型の場合は、観葉植物で
はなく、屋外でも順応性の高い樹木(屋外用植物)を対象とし、屋外及び屋上を養生場
所とします。屋外及び屋上は、温度(高温)
、湿度(乾燥)
、照度(高照度)、風(強風)
の環境要因が水消費量の増加に大きく関係し、屋外用植物は観葉植物よりも水を多く必
要とするため GS 型の水使用量の削減効果が低い理由と考えられます。また、廃棄物量の
削減効果はハイドロ傷み交換型は 80.8%、
GS 型は 91.3%でした。
費用はそれぞれ 37.3%、
58.9%でした。
以上により総合評価として屋上を植物の養生場所として利用し、室内とで循環させる
場合(GS 型)が最も環境負荷低減効果があることが示されました。
- 23 -
②植物別環境調査
二酸化炭 素
トルエン除去 量
吸収量
植物
サンスベリア
パキラ
モンステ ラ
エバーフレッシュ
ポトス
ベンジャミナ・プリンセス
ウンベラータ
パンドレア
ローズマリー
シマトネリコ
ハゴロモジャスミン
ディアスシア
パンダスミレ
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆
★
☆☆☆☆
☆
★
★
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆
☆☆☆ ☆☆
二酸化炭素 トルエン除去
蒸散量(g)
吸収量(ppm) 量(μg/? )
1000以上
1000以上
20以上
☆☆☆ ☆
800〜1000
800〜1000
15〜20
☆☆☆
500〜800
500〜800
10〜15
☆☆
200〜500
200〜500
5〜10
☆
0〜200
0〜200
0〜5
★
-
0以下
0以下
未測定
0以下
蒸 散量
評価ランク
☆☆
☆☆
☆☆☆☆
☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆☆☆
☆☆☆☆
観葉植物(表の上から 7 種類)と屋外用植物(残りの 6 種類)とに分けて評価を行い
ました。
観葉植物については、CO2 吸収量はサンスベリアとポトス以外の全てにおいて 24 時間
で 200ppm 以上の CO2 吸収量がありました。また、トルエン除去量においても同様に、500
μg/m3 以上の除去量がありました。なお、サンスベリアとポトスの測定値がないのは、
測定機器の故障により測定不可能になったためです。蒸散量は全てにおいて 10g以上で
した。このことから、観葉植物に関しては、トルエンの除去にかなり効果が期待でき、
室内環境の改善につながると考えられます。
屋外用植物については、観葉植物よりも蒸散量が多く、全ての種類において 10g以上
を示しています。蒸散量が多いほど周囲の熱をより吸収することから、ヒートアイラン
ド現象の緩和効果が期待できると考えられます。
③屋上緑化の断熱・遮熱効果における調査
温度測定点
400
250
500mm
40mm スチレンボード
CH8
5.5mm 合板
レカトン
プランター
CH13
土
CH3
CH2
CH5
CH1
CH4
(a) 緑なし屋根モデル
(b) ハイドロ緑化屋根モデル
CH9
(c) 土物緑化屋根モデル
- 24 -
CH1:緑なしモデル内
部
CH3:緑なしモデル屋
根表面
CH4:レカトンモデル内
部
CH8:レカトンモデル屋
根表面
CH9:土物モデル内部
50
45
TEMP (℃ )
40
35
30
25
CH13:土物モデル表
面
CH14:周囲温度
20
15
10
9:36
12:00
14:24
16:48
19:12
表面温度−内部温
度差(レカトン)
表面温度−内部温
度差(土もの)
TIME
上記の表に示すように、緑なしモデル(コンクリート構造のみ)では、内部温度が 35℃
となっているのに対し、ハイドロ緑化屋根モデル(弊社ハイドロカルチャー工法)の平
均内部温度が 17.8℃、土物緑化屋根モデル(軽量土壌を用いた緑化工法)の平均内部温
度が 17.0℃となりました。実験方法の制約上,人工光源からの光の放射角度にやや偏よ
りが見られたので、これを補正するため、それぞれの緑化屋根モデルの内部温度と表面
温度との差を調べた結果、ハイドロ緑化屋根で 22.7℃、土物緑化屋根で 22.5℃となり、
ハイドロ緑化屋根モデルの方が温度差が大きく、断熱性が高い結果となりました。なお、
今回の実験では、植物からの蒸散はごくわずかと推測され、蒸発潜熱による放熱はほと
んどないものと考えられます。
以上のことから屋上緑化を行うことが断熱作用を生むことが明らかになりました。こ
れにより、冷暖房の使用による環境負荷軽減効果に繋がると考えられます。
④「アーバングリーンカルチャーサービス」に適用する植物の CO2 吸収量の測定
測定結果を次頁の表に示します。PPFD とは、光合成有効光量子束密度といい、植物が
光合成に利用する光エネルギーを表します。この値の約 57 倍が一般的に呼ばれているル
クス(lux)になります。
ほとんどの植物は PPFD の値が 20 以上(≒1140lux)あれば光合成により発生する CO2
の量が呼吸による吸収の量を上回ります。また、室内にくらべ屋外の強い照度に相当す
る PPFD 値が増すほど、光合成は盛んになります。
一般的に室内(オフィス内)の照度は 500〜1000lux といわれているため、室内に置か
れた植物が光合成を行うために必要な光は、若干不足しており、十分とはいえません。
しかし、
『屋上で作られた庭の花木等を鑑賞適期に集客の高いビル内外に移動させ、鑑賞
- 25 -
適期が終わると養生を兼ねて屋上に戻し植物を循環させる』つまり、光合成の盛んな光
が強い屋外で植物を生育・養生させ、光の弱い室内に一時期だけ移動させるという、こ
のサービスの特性を考慮すれば、これらの植物は、十分適用可能と考えられます。
-2 -1
各植物の個葉光合成速度(μmol CO 2 m s )
*
PPFD
レッドロビン
タケ
ハゴロモジャスミン
パンドレア
テイカカヅラ
ビンカ・マジョール
ハツユキカヅラ
アベリア
シャリンバイ
シラカシ
ナンテン
パンダスミレ
カラミンサ
フィカス・ウンベラータ
パキラ
* μmol m
4.
2
-2
0
-0.87
-0.474
-2.04
-2.07
-1.23
-2.32
-1.06
-0.935
-1.5
-0.352
-0.659
-0.617
-0.292
-0.3616
-0.386
20
0.384
0.643
-0.303
0.479
0.449
-0.338
0.0966
0.0668
-0.327
0.382
0.354
0.889
1.57
0.848
0.615
40
1.2
2.08
1.24
2
0.793
0.318
0.732
1.03
0.793
1.31
1.19
2.07
2.76
2
1.76
60
1.99
2.81
1.33
3.4
2.14
0.874
1.8
1.67
1.69
1.69
1.74
3.18
4.56
3.06
2.82
100
3.23
3.47
3.12
5.62
3.25
1.91
3.22
2.82
2.97
2.53
2.99
4.44
7.04
4.9
3.94
200
4.49
4.03
4.17
8.9
4.98
3.63
4.27
6.1
4.54
3.7
4.01
5.18
10.6
7.63
6.12
300
4.96
4.35
4.39
9.79
6.2
4.5
5.18
8.27
5.83
4.02
4.62
6.97
12.1
9.12
6.97
500
5.81
3.84
5.08
11.4
6.64
6.4
6.08
10.1
5.94
4.81
5.01
8.02
13.4
10.4
7.7
750
6.19
3.68
5.36
12.1
7.55
6.77
6.04
11
6.22
4.72
5.09
8.76
13.9
11.6
8.13
1000
5.6
3.83
5.38
12.9
7.99
7.65
6.59
10.9
6.75
5.14
5.2
9.23
14.1
12.4
8.51
-1
s
事業推進上の課題
『アーバングリーンカルチャーサービス』は、植物の循環を行うため、上手に植物を
選び循環させることで環境負荷低減効果やコストメリットを得られますが、その植物の
選定と循環が適正かどうかを見分ける業務スキルとノウハウが必要です。弊社では、2
004年より丸の内オアゾで植物の循環を実施してきましたが、営業的にお客様に説明
出来るデータベースに基づいた情報が無く、どうしても経験と勘に頼った、口頭での説
明になってしまっていました。今回、新たに『アーバングリーンカルチャーサービス』
のプロジェクトチームを立ち上げ、生産と販売を絡めた会議を定期的に行うようにしま
した。商品・サービスとしてのパッケージ化を行い、植物や資材の在庫管理、提案資料
の作成など、事業内部の体制強化を目的としました。関東、中部、関西、沖縄の営業所
の協力を得て、各地で導入されている緑化システムを使って、植物の循環実験も改めて
始めました。植物ごとの生育状態等の経過を長期的に記録として取っていきます。時間
軸で室内にある時期、屋外にある時期、選定した時期、花の咲いた時期など記録してい
きます。どの植物がどれだけの期間室内に入れられて、その後屋上でどのように養生さ
れるかをデータベースにしていきます。植物に何か変化のあったときには、随時写真を
撮り、記録していきます。営業は、お客様に安心していただけるような提案が出来るよ
う、この実証結果を資料の中にも組み込んでいきます。生産・在庫・販売会議にて、今
後営業目標の設定と在庫の確保を具体的に進めていきます。
PNGメンバーの営業的な販売ルートの拡大ついては、都市圏のメンバーは、環境緑
化分野への意識は高いのですが、地方のメンバーの意識は低いのが現状でした。すぐに
積極的に動いてもらうことは難しく、今後も意識付けの強化から始めて行く必要があり
ます。また、メーカーとして、各地で実績を作り、PNGメンバーに対し、こまめに事
- 26 -
業報告、進捗情報の伝達を行い、販売ルート拡大の意識を強化していきます。また、実
際に施工を行ってもらう機会を多く作り、研修となる活動を続けていきます。
『アーバングリーンカルチャーサービス』は付加価値の大きい商品であると評価を得
ていますが、価格面での競争力が弱く、資材やサービス提供にかかるコストの見直しも
今後拡販するにあたり必要であると考えています。
LCA評価について、今回は、最終的な評価を数値化する上で、植物やそれに関わる
資材、サービス内容に伴う行動内容や物の流れ等の基本的なデータベースが非常に乏し
いことが問題として挙げられます。今後の課題は、植物、資材、行動内容など一つ一つ
の正確な把握から始まり、具体的な項目の列挙および数値化をより詳細にし、データベ
ース化することで、精度の高い評価が得られるようにすることです。
植物別環境調査について、植物の高さや生育環境が統一されていないことと、有害物
質に関する調査がトルエンのみで他の物質の調査が行えなかったことが今後の課題です。
植物については、高さや生育の環境条件をもっと揃えることで、植物の種類による環境
負荷軽減効果の差が明らかになり、より正確な評価を得るようになります。室内環境の
改善をより詳しく検証するためには、例えば住宅の建材に含まれているとされるホルム
アルデヒド、洗浄剤・溶剤などに含まれるトリクロロエチレンなど様々な有害物質の調
査が必要となります。また、ヒートアイランド現象緩和効果をより詳しく検証するには、
今回調査した植物は直径 9cm の鉢に植えられた植物ですが、より大きい植物(具体的に
は鉢の直径 20cm 程度)で行うことも考えなければなりません。
屋上緑化の断熱・遮熱効果における調査について、調査時期が 2009 年 2 月でした。冬
季は日射量が少なく、屋上緑化の日射遮蔽効果を調べるのは困難であったため、室内で
調査を行いました。日射量が多くなる 5 月ごろから屋上で実験を開始する必要がありま
す。また、室内での調査のため、雨量については気象台データ利用とし、土壌の水分デ
ータは取りませんでした。今後、上述にある屋上設置の際には正確な雨量および土壌の
水分データの測定を行います。
『アーバングリーンカルチャーサービス』に適用する植物の CO2 吸収量の測定につい
て、調査時期が 2009 年 1 月から 2 月でした。この時期は植物の生育が緩慢で植物が本来
持っている CO2 吸収力でない可能性があります。今後、季節ごとに調査を行い、年間を
通じてどのような変化があり、どの植物が環境負荷軽減に貢献可能かを検証する必要が
あります。
『ベジタクル』においては、展示会で好評を博しましたが、アンケートの結果、弊社
が想定しているよりも安い価格が値ごろであることが見えてきました。プランターは、
耐久性、補修可能というリユースの機能を有しており、本サービスの場合、環境的な負
荷が少ないと考えておりました。また、既存のプランターとは一線を画す直線的なデザ
インも好評であるひとつの要因であると考えられます。しかし、その一方で、大量生産
できない半ば手作り商品であるため、一般的なプランターに比べ、高い商品コストが掛
- 27 -
かります。レンタルサービスにした場合、コスト・環境負荷低減には、個口数をまとめ
て一括対応できる窓口が必要になり、当初、コンセプトを気に入って頂きました大手マ
ンションディベロッパー様との取り組みを進めていました。しかしながら恐らくは急激
な景気悪化の要因が強いのだと思いますが、プレゼンを経て、先方の社内会議に掛けて
いただきましたが、数度の進捗確認を行ったところ、検討中ということで、ストップし
てしまい、現在それに変わる有力な窓口候補が不在の状態です。窓口を自社で行う場合、
顧客の与信管理や集金に関する新しいインフラの整備、返送コスト等が非常に高いコス
ト構造になります。運送会社には、お客様宅への引き取りサービスについて打診を行い
ましたが、提示された見積は高く、また需要見込みがまだはっきり出来ないことから、
現時点では本部からの決済をとることが出来ていません。コンセプトとして、確かな支
持が得られると確信が持てますが、商品企画・サービスの提供方法は見直しが必要です。
5.今後の事業展開
5.
1
今後の事業展開の方向性
『アーバングリーンカルチャーサービス』における事業展開の方向性を以下のように
考えています。
この事業を展開するには、都市環境向上に向けた環境緑化への行政の取り組み、企業
のCSRの観点からの取り組みに期待するところが大きいと言えます。この事業は、ヒ
ートアイランド現象の緩和、都市景観向上という屋上、壁面緑化の普及による環境面の
向上だけでなく、生産緑化サービスという、都市の中の建築物に植物の生産機能を持た
せ、積極的に植物を生産し、地産地消するシステムであるため、輸送面の二酸化炭素、
NOxの削減という環境負荷軽減になります。また、日本における屋外建築緑化での植
物の生育環境は、梅雨、真夏の猛暑、台風等、過酷な条件が多く植物メンテナンスが不
可欠で経費がかかります。したがって、単なる植栽の維持だけが目的のメンテナンスで
はなく、生産緑化サービスという付加価値を持たせられるこの事業は、生産した植物を
他の用途に利用、販売することで、コストパフォーマンスが高くなります。ビル所有者
が環境緑化を取り入れるには、社会貢献と共に、ビルの付加価値がいかにもたらせるこ
とが出来るかも重要な要件になります。ビル利用者のメリットも含めた費用対効果をい
かに出せるかになりますが、その点でも普及させる可能性が高いサービスと言えます。
したがって、ビル所有者に対してこのサービスの各種メリットを普及、啓発させ、成功
事例を着実に作って行くことが重要となります。
『ベジタクル』における事業展開の方向性は、最初のターゲットとしては、マンショ
ンという庭の無い住宅で容易に植物栽培が出来、また廃棄物を出さない環境に配慮した
サービスとして展開をして行きます。マンションは高層ビルが多く、ヒートアイランド
現象の原因になっているため、ベランダで植物栽培が普及することにより、壁面緑化に
なり、環境貢献、景観向上に役立つことになります。現在は、家庭菜園ブームですが、
園芸のことを良く理解し、取り組みが出来る園芸消費者は30%を切っています。今後、
家庭菜園を普及・啓発するには、リレー栽培という、生産農家と家庭菜園消費者とがタ
- 28 -
イアップした事業展開が不可欠です。当サービスは、容易に家庭菜園が年間通して楽し
め、家庭菜園消費者はベジタクルサイトによって栽培サポートを受けられ、廃棄物を出
さないシステムであるため、マンションにお住まいの園芸素人消費者をターゲットにし
た展開をすることによって大きなマーケットの確立が出来ます。
5.
2
事業の内容
まずは、
『アーバングリーンカルチャーサービス』を提供する内部体制を早急に構築し
ます。自社直営の機能での提供であれば、提供可能なレベルでありますが、営業、施工、
メンテナンスの代理店を使った流通を行うにあたっての在庫管理、流通経路の整備が不
十分な状態です。商品の規格、植物の種類の選定等を整理し、代理店が取り扱いやすい
環境を作ります。メンテナンスのマニュアルや、施工のマニュアルを平行して作成して
いきます。営業部門、生産部門、緑化システム部門が協力して、2009 年 5 月までを目標
に構築します。
価格の見直しと生産、物流コストの削減が必要です。植物の仕入れ、プランターの製
造工程を見直します。営業側で他社比較、値ごろから目標販売価格を算出し、それに向
けた原価目標を定めます。これも、営業部門、生産部門、緑化システム部門で協力し、
よりお客様が導入しやすい環境を作ります。販売価格の見直しに関して、今回LCAに
関連して算出した、循環させることでのコストメリットを分析し、それを反映した値引
き試算のスタンダードを決めます。顧客にとってのコスト面でのメリットを明確に提示
できるようにします。これも 2009 年 5 月までを目標に進めます。
緑化システムの荷重、耐風耐震能力も明確に数値化していきます。
LCAについては、今回の測定したプロセスをまとめ、営業段階でシュミレーション
としてどれほどの環境負荷低減効果が得られるかを提案出来るフォーマットを作成しま
す。これをシステム化して、ウェブ上などで、施工場所、施工環境、施工内容を入力す
るだけで、既存サービスと比較してどれだけの効果が得られるかがすぐに分かるような
ウェブシステムを『アーバングリーンカルチャーサービス』専用サイトに組み込みます。
営業活動として、販売促進物の見直し、改善を随時行っていきます。また、リックC
ADとのタイアップを進めます。リックCADは今まで造園専門CADソフトを提供し
てきましたが、今回共同で室内緑化、屋上緑化、壁面緑化のソフト開発を行うことにな
りました。造園分野では、どの植物をどの場所に植えると、何年後にはどれだけのCO2
を吸収するかなどデータベース化されています。そのような観点を参考にして、室内緑
化をどれだけ行うことで、VOCをどれだけ吸収するか、どれだけCO2を吸収するか、
どれだけ空気浄化するかなどをデータベース化し、CADで設計するだけで自動的に数
値を算出できるような構想を考えています。屋上緑化、壁面緑化に関しても、同様に設
計段階から数値化されるようなシステムを開発します。これを共同開発することで、弊
社からは情報を提供しますが、弊社の商品、サービスがすべてCADソフトの付属デー
タとして商品情報が組み込まれるようになります。つまり、リックCADを使うことで、
自動的にシステムが提案されるようになりますので、とても大きな営業武器になるので、
- 29 -
今後力を入れて取り組んでいきます。
PNGから全国へサービスを拡販するため、PNGメンバーへの技術研修会も行いま
す。
ビジネスモデルにはリース会社との取り組みが加わります。リース会社とのタイアッ
プにより、投資負担が減り、サービスの拡販を思い切って出来るようになります。また、
リース会社のネットワークを通じた営業活動も有効に活用していきます。
事業の横展開として、海外への進出も 3 年後には構想に入れています。まずは、中国
への展開を行います。室内、壁面、屋上等の環境緑化や、ベジタクルを行うための関連
資材は、中国から主に輸入しています。今後更にシステム開発、商品開発をする上でも、
日本向けだけでなく、中国の都市緑化にも展開することにより、スケールメリットが生
まれ、安価な商品導入が図れるようになります。また、日本で開発し当サービスを中国
の各都市に普及させ、次のステップは、アセアン地域に広げ、その後、アメリカまで広
げられる事業として更に内容を充実、発展させたいと思っております。
『ベジタクル』における今後の事業内容は、園芸店をはじめとした、店舗の店頭窓口で
募集期間を決めた定期的な受注活動を行い、商品をいったん店舗に納品した後、お客様
店舗に引き取りに来て頂く方法を検討しています。これにより、お客様は、レンタルに
必要な契約手続きなどを経ずに、気軽に購入することが出来ます。店舗にとっては、使
用後、店舗を返却窓口として利用することで、お客様の来店頻度が増え、ストアロイヤ
リティー向上に役立ちます。店舗での一括受注、一括返却にすることにより、環境負荷
低減になり、また、商品コスト低減に繋がります。既に試験販売のお申し出を頂いてい
る店舗があるため、そこから試験販売を行い、来年の本生産・出荷を目指します。また、
本商品企画から派生した、ベビーリーフ(発芽から約 1 ヶ月の野菜・栄養価が高い)の
取扱いを推進します。手のひらサイズの大きさで、室内のキッチンなどに気軽に置け、
育てて食べて楽しめる商品です。ハイドロカルチャーであることから、土植えと比べ室
内でも大変清潔です。
『ベジタクルプチ』という商品名で販売を計画しており、店頭小売
価格の目標を198円に定め、通常のカットされたベビーリーフとの価格競争力を維持
しつつ、鮮度はそれ以上の活きた野菜を提供します。スーパーでの不特定多数のお客様
にご提案できる機会を得て、食に対する普及啓蒙に繋げます。また、ベビーリーフもベ
ジタクル同様に、使用後の資材を回収し、環境負荷低減を図ります。
5.
3
事業の体制
『アーバングリーンカルチャーサービス』における今後の事業体制は以下のとおりで
す。
事業総責任者
統括リーダー
大林社長
プロジェクト全般
儀間
- 30 -
営業
沼達・小林寛利(PNG)
生産・資材管理
泉
リーダー
緑化システム開発
彦坂・森下
(担当責任者)
LCA
彦坂・久留
基礎環境負荷低減効果
彦坂・久留
販促資料作成
粕谷
オアゾ担当
システム試験担当
大阪事務所屋上担当
外部
岡部
坂
沖縄リモトビル屋上担当
金ヶ江
NPO法人エコグリーン協会
コスギ
CAD(リック)
山内
【営業】
フォロー営業・・・2009 年 2 月までに行ってきた営業活動において、得た潜在顧客に対
して、フォロー営業を行う
ウェブ営業・・・
『アーバングリーンカルチャーサービス』の専用サイト、PNGサイト
を戦略的に広報し、問い合わせを増やす
新規営業・・・ビルオーナー、建築事務所、官公庁等、ターゲットに対してのプッシュ
営業を行う。セミナーの運営等。
【生産・資材管理】
在庫管理・・・植物、資材の必要在庫数を確保
輸送方法・・・輸送コストの削減を図る
回収方法・・・解約になった際の資材、植物回収コストの削減を図る
【緑化システム開発】
緑化試験・・・どの植物がシステムに順応し、循環、生産として適切か、随時検証
(システム試験担当と協力)
耐震、耐熱、耐風、荷重・・・耐震、耐熱、耐風、荷重の数値化
施工マニュアル、メンテナンスマニュアル・・・営業、施工代理店向け資料の作成
【LCA、環境負荷低減効果】
シュミレーション提案・・・シュミレーションにより簡易的に数値化できるシステムを
構築する
【販売促進】
- 31 -
販促物の改善・・・ウェブの改善、カタログの改善等
【NPO法人エコグリーン協会】
地域雇用者の創出・・・スクールの運営により、地域雇用可能者の創出を行う
【CAD(リック)
】
リックCADへのソフト開発・・・リックCADへ、室内緑化、屋上緑化、壁面緑化の
システム開発を共同で行う
『ベジタクル』における今後の事業体制は、以下のとおりです。
事業総責任者
統括リーダー
リーダー
(担当責任者)
大林社長
プロジェクト全般
濱田
企画・営業
濱田・成田・岡田
生産・資材管理
泉・久留
モニターテスト
濱田・成田
物流
望月
販促資料作成
粕谷・岡田
【企画・営業】
マーケティング・・・新型プランターの企画・試験販売による品種毎の需要把握。
試験販売店舗の順次拡大。
営業活動・・・既存取引先への企画進捗報告、新規取引先への営業活動。
【生産・資材管理】
生産管理・・・システムに利用できる植物、資材の必要在庫数を確保。受注生産により、
見込み生産によるロス・環境負荷の低減を図る。
生産成果向上の為の生産インフラの見直し。
味・食感の向上。
【モニターテスト】
テスト・・・試食を行い、市販品との味の差異確認。
実際のベランダでの、育成状況確認。
【物流】
輸送方法・・・共同購入や窓口一括配送等、輸送コストの削減を図る。
- 32 -
回収方法・・・植物回収方法を具体的に決めたマニュアルの作成。
回収コストの削減を図る
【販売促進】
パネル等・・・店頭向け提案 POP の作成
パッケージ・・・商品ラベル等
専用サイトの作成・・・ベジタクルドットコムサイトの立ち上げ。
売場で詳細情報が手に入るように QR コードに対応した携帯サイ
トを追加。
5.
4
事業のスケジュール
【アーバングリーンカルチャーサービス】
2009 年
月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
① 植物の循環実験
② 価格の見直し(コスト
ダウン)
③ 施工メンテナンスマ
ニュアルの作成
④ CAD開発
⑤ LCA算出システム
開発
⑥ PNG技術研修会
⑦ ウェブ営業
2010 年
月
① 植物の循環実験
② PNGブロック会議
- 33 -
③ ウェブ営業
④ 海外展開営業
2011 年
月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
① 植物の循環実験
② PNGブロック会議
③ ウェブ営業
④ 海外展開営業
事業
構築
【ベジタクル】
2009 年
月
① マーケティング
② 営業活動
③ モニターテスト
④ 価格の見直し(コスト
ダウン)
⑤ ベジタクルドットコ
ムサイトの作成
⑥ 生産インフラの構築
2010 年
- 34 -
月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
1 月―3 月
4 月―6 月
7 月―9 月
10 月―12 月
① 営業活動
② 商品パッケージの構
築
③ PNGでの販売経路
構築
④ ウェブ営業
⑤ 新しい野菜の生産テ
スト
生産拡大
2011 年
月
① 営業活動
② ウェブ営業
③ 新しい野菜の生産テ
スト
生産拡大
5.
5
事業の効果
『アーバングリーンカルチャーサービス』における今後の事業展開により想定される
効果としては、以下のことが考えられます。
地産地消型の生産緑化サービスである本サービスは、LCA調査からも従来のグリー
ンサービス(貸し植木業)に比べ、大きな環境負荷の削減に繋がり、また、環境改善効
果も植物別環境調査の結果により確かなデータが出たことから、環境貢献が大いに期待
できるサービスであることがわかりました。また、当サービスは屋上緑化を行う上で、
ビル所有者とビル管理会社、ビルテナントがメリットを受けるビジネスモデルです。そ
れは、環境貢献だけでなく、ビルの省エネ効果、ビルテナントが屋上を植物の再生・生
産の場所として利用できる付加価値を持ち、各種有効利用が出来ることからメンテナン
ス費の負担が軽減できることです。
地元地域に住む主婦、高齢者、障害者がメンテナンス等の作業に容易に参加できるこ
とから、積極的な雇用の創出になります。そして、その活動は、環境保全活動への参加、
地域・職場環境の向上、地域コミュニティの形成、醸成への貢献に繋がることが期待で
- 35 -
きます。
『ベジタクル』における今後の事業展開により想定される効果は、家庭の園芸に取り組
む消費者の増加により、植物の効用である室内外の空気浄化、ヒートアイランド現象の
緩和等環境改善効果や園芸療法など健康面の効用の理解が深まります。また、野菜の生
長過程を観察し、安全、安心の野菜を食することが出来、子供の情操教育に繋がる
育
食
として、また食文化への意識向上に繋がり、これらの考えの普及発展が大いに期待
できます。
5.
6
収支計画
<収支計画>
平成 21 年度
平成 22 年度
売上
売上
55,800 千円
223,200 千円
仕入
仕入
44,640 千円
178,560 千円
11,160 千円
44,640 千円
システム構築費
3,000 千円
3,000 千円
広告宣伝費
3,000 千円
3,000 千円
会議費
1,000 千円
1,000 千円
売上総利益
経費
2,000 千円
海外事業展開経費
その他経費
利益
2,790 千円
11,160 千円
1,370 千円
24,480 千円
平成 23 年度
平成 24 年度
売上
売上
558,000 千円
1,116,000 千円
仕入
仕入
446,400 千円
892,800 千円
111,600 千円
223,200 千円
売上総利益
経費
システム構築費
3,000 千円
広告宣伝費
5,000 千円
10,000 千円
会議費
1,000 千円
1,000 千円
海外事業展開経費
5,000 千円
30,000 千円
27,900 千円
55,800 千円
69,700 千円
126,400 千円
その他経費
利益
- 36 -
【積算根拠】
屋上緑化100㎡
壁面緑化50㎡
室内緑化30鉢
屋上緑化月額単価3,000円/㎡
壁面緑化1,500円/㎡
室内緑化3,000
円/鉢
つまり、1件あたりの月額リース価格が、
465,000円/件
レンタル営業利益率20%
上記水準の案件を
平成21年度
10件/年施工(20 年度末施工を想定)
平成22年度
30件/年施工(21 年度末施工を想定)
平成23年度
60件/年施工(22 年度末施工を想定)
平成24年度
100件/年施工(23 年度末施工を想定)
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