解説 薬局等構造設備規則における化粧品等への適用

解説
薬局等構造設備規則における化粧品等への適用
本解説は、化粧品等の製造業者が薬事法第13条の規定に基づく「薬局等構
造設備規則 (昭和36年2月1日厚生省令第2号)」を遵守するにあたり、化粧
品等の特性等を考慮してこれを判り易く解説したものである。
原料、製品等の保管においては、関係法令(注1)に留意し、当該条件に従
って適正に取り扱うこと。
1.薬局等構造設備規則
1−1 一般区分の医薬部外品製造所関係条文(該当箇所のみ)
(一般区分の医薬部外品製造業者等の製造所の構造設備)
第12条 施行規則第26条第3項第2号の区分及び施行規則第36条第3
第2号の区分の製造業者等の製造所の構造設備の基準は、次のとおりとす
る。
一 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。
二
作業所は、次に定めるところに適合するものであること。
イ 照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
ニ 防じん、防虫及び防そのための設備を有すること。
ホ 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
ト 作業員の消毒のための設備を有すること。
チ 製造品目により有毒ガスを発生する場合には、その処理に要する設備
を有すること。
三 作業所のうち、原料の秤量作業、医薬部外品の調製作業、充てん作業又
は閉そく作業を行う作業室は、次に定めるところに適合するものであるこ
と。
イ 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のな
いものであること。
ロ 作業員以外の者の通路とならないように造られていること。ただし、
当該作業室の作業員以外の者による医薬部外品への汚染のおそれがな
い場合は、この限りでない。
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ハ 出入口及び窓は、閉鎖することができるものであること。
ニ 天井は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであり、かつ、
ごみの落ちるおそれのないように張られていること。
ホ 床は、表面がなめらかですき間のないコンクリート、タイル、モルタ
ル、板張り又はこれらのものと同じ程度に汚れを取ることができるも
のであること。
ヘ 室内のパイプ、ダクト等の設備は、その表面にごみがたまらないよう
な構造のものであること。ただし、清掃が容易である場合は、この限
りでない。
四 原料、資材及び製品を衛生的かつ安全に貯蔵するために必要な設備を有
すること。
五 製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。た
だし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用し
て自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認
められるときは、この限りでない。
1−2 包装等区分の医薬部外品製造所関係条文(全文)
(包装等区分の医薬部外品製造業者等の製造所の構造設備)
第12条の3 施行規則第26条第3項第3号の区分及び施行規則第36条
第3項第3号の区分の製造業者等の製造所の構造設備の基準については、
第10条の規定を準用する。
1−3 一般区分の化粧品製造所関係条文(全文)
(一般区分の化粧品製造業者の製造所の構造設備)
第13条 施行規則第26条第4項第1号の区分の製造業者の製造所の構造
設備の基準は、次のとおりとする。
一 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。
二 作業所は、次に定めるところに適合するものであること。
イ 換気が適切であり、かつ、清潔であること。
ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
ニ 防じん、防虫及び防そのための構造又は設備を有すること。
ホ 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
三 製品、原料及び資材を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設
備を有すること。
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四
製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。た
だし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用し
て自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認
められるときは、この限りでない。
1−3 包装等区分の化粧品製造所関係条文(全文)
(包装等区分の化粧品製造業者の製造所の構造設備)
第13条の2 施行規則第26条第4項第2号の区分の製造業者の製造所の
構造設備の基準については、第10条の規定を準用する。この場合におい
て、第10条第3号中「製造業者等」とあるのは「製造業者」と読み替え
るものとする。
2.製造所の各作業室の運用
(1)秤量作業室
一 原料の秤量作業室は、他の作業室と区画し、清掃が容易であること。
ただし、秤量原料等により、他の作業室が汚染されずに清潔を保つ
事が可能であれば、調製、充てん作業室と一緒でも差し支えない。
二 原料は、外装を清潔にしてから搬入すること。
三 使用する容器、器具、機械設備は清潔な状態にあり、かつ品質が保
持されるものを使用すること。
四 秤量残余分は品質が保持されるよう保管すること。
五 秤量原料や残余分は、原料名等の必要な事項の表示を行うこと。
六 計量器の調整は、定期的に行うこと。
七 作業終了後は、各使用器具の洗浄を行い、清浄な状態に保つこと。
(2)調製作業室
一 調製作業室は、他の作業室と区画し、清掃が容易であること。だだ
し、他の作業からの汚染の恐れが無く清潔を保つ事が可能であれば、
秤量、充てん作業室と一緒でも差し支えない。
二 作業前には、各使用器具が清浄な状態である事を確認すること。
三 作業終了後は、各使用器具の洗浄を行い、清浄な状態に保つこと。
四 製造運搬に使用する容器、器具、機械は品質の低下をおこさず、洗
浄等容易なものを使用すること。
五 中間製品は、調製室に明瞭に表示し、区別されていれば一時保管し
ても差し支えない。この場合、衛生及び品質が低下しないように配
慮すること。
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(3)充てん作業室
一 充てん及び装てん作業室は、他の作業室と区画し、清掃が容易であ
ること。ただし、他の作業から汚染されずに清潔を保つ事が可能で
あれば、秤量、調製、包装作業室と一緒でも差し支えない。
二 作業前には、各使用器具が清浄な状態であることを確認すること。
三 作業終了後は、各使用器具の洗浄を行い、清浄な状態に保つこと。
四 充てん又は装てん前後の中間製品は充てん作業室に、明瞭に表示し、
区別されていれば一時保管しても差し支えない。この場合、衛生及
び品質が低下しないように配慮すること。
五 エアゾール類の充てん作業に関しては薬事法の他関係法令に従うこ
と
(4)包装作業室
一 包装作業室は、他の作業室と区画し、清掃が容易であること。ただ
し、他の作業から汚染されずに清潔を保つことが可能であれば、充
て作業室と一緒でも差し支えない。
二 他の製品のラベル等表示資材が混在しないように配慮すること。
3.原料、資材、製品の保管
(1)原料、資材の保管
一 原料、資材は区分し、安全で衛生的に貯蔵保管できる設備を有する
こと。
二 原料は、試験前か試験後かわかるように明瞭に表示し、区別して保
管すること。
三 原料は、資材、包装資材及び製品の保管場所と明確に区分された場
所に保管すること。
四 原料の保管には衛生的に、かつ品質保持に適した設備を有すること。
五 不要になったり、破損した資材等使用できない資材は速やかに廃棄
すること。
(2)中間製品及び最終製品の保管
一 品質保持に支障のない場所に保管すること。
二 最終製品は、試験前か、試験後かわかるように、明瞭に表示し、区
別して保管すること。
三 先入れ、先出しができる在庫管理を行うよう配慮すること。
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四
試験の結果、不適と判定された製品は、他の製品と明確に区分され
た場所に保管し、速やかに処理すること。
4.製品容器の洗浄
一 製品容器の洗浄が必要な場合には、清潔な場所で行い、洗浄済の容
器は、その清潔を保てる室に保存すること。
二 容器の洗浄は、製品の品質に支障のないよう行うこと。
注1:関係法令とは、下記のものなどをいう。
一 消防法
二 高圧ガス保安法
三 環境基本法
四 労働安全衛生法
五 毒物及び劇物取締法
六 その他
以上
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