学校での生物多様性保全への取組

岡山県総合教育センターだより
第 27 号
平成22年10月8日(金) 発行
岡山県総合教育センター
Tel (0866)56-9101 Fax (0866)56-9121
学校での生物多様性保全への取組
今月,18 日~29 日の予定で,愛知・名古屋で生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)が開
かれます。この条約は,ラムサール条約(水鳥の生息地の保護が主な目的)やワシントン条約(絶滅の
おそれのある野生動植物の商取引の規制が主な目的)などの特定の地域,種の保全の取組だけでは生物
多様性の保全を図ることができないとの認識から,国際的な取組によって生物の多様性を保全しようと
するものです。
小学校
中学校
改正教育基本法に示さ
○改正教育基本法
れたように,学校では環
平成18年12月に教育基本法が改正され,教育の目標の5つのうちの1つとして,環境教育の重要性に鑑み,
「生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと」が明記されています。
境教育を推進する必要が
あります。環境教育の中
道 徳 生 命尊 重,自然 愛,動植 物愛 護,環境 保全 など
道徳 自 然愛 護,自然 への 畏敬 など
で,生物多様性は大きな
動 植物 の飼
身 近な 自然 の観 察,季節 と生 物,植物
生 物と 環境 ,生 物の 観察 ,動 植物 の体 のつ
理科
理科
育 ・栽培 ,自然
の 発芽 ,成 長,結実 ,動 物の 誕生 など
くり と働 き,動 植物 の仲 間 など
生活
柱の一つです。生物多様
や ものを使 っ
た遊 び
我 が国 の国 土の 自然など の様 子,
世 界各 地の 人々 の生 活と 環境 ,日 本の
社会
社会
性にかかわる問題は総合
地 域的 特色 など
森 林資 源の 働き など
的な学習の時間をはじめ
音 楽 自 然を題 材にし た楽 曲,身の 回り の音 を使った音 遊び
音楽
自然や 四季 の美 しさ を感 じ取 れる歌 曲
右図のように,さまざま
図 画 身 近な自然 物の 形・色 などを基 にした造形 遊び ,材 料や 場所 な
美術 対 象の 形・ 色彩 ・美し さの 表現 ,美 術作 品の
工 作 ど の特 徴を基 にした造 形遊 び
中 の自 然,自然 や身 近な環境 の造 形美
な教科等で取り上げるこ
体 育 自 然と かか わりの 深い活 動(雪 遊び ,スキー,水辺 活動 など )
とができます。
特別
特別
遠 足・集 団宿 泊的 行事
旅 行・ 集団宿 泊的 行 事
活動
活動
また,生物多様性には
技術 ・ 生 物の 生育 環境 と育 成技 術・生 物育 成に関
次の①~③の三つのレベ
家庭 す る技術 を利 用し た栽 培又 は飼 育
ルがあります。それぞれ
のレベルについて,ポイ
図 新学習指導要領に基づく教科等での生物多様性にかかわる内容
ントを示します。
環境の保全に主体的に行動できる力をはぐくむため,生物多様性について学び,いのちの大切さを伝
え,地域の生き物とふれあう教育を進めていくことが大切です。
①生態系の多様性
②種の多様性
日光浴をする
ベニシジミ
さんごしょう
例)干潟,珊瑚礁,湿原,
里山,自然林など,各
地に色々なタイプの
自然があること
例)それぞれの環境に適応し
たいろいろな動物・植物が
生息・生育していること
谷間の棚田
学校の周辺の自然を活用しましょう。手
つかずの自然だけが豊かな自然ではありません。人
の営みによって維持されている里山などの自然も豊
かな自然の一つです。身近な自然だからこそ,そこ
に生きる生物の豊かさやつながりを学ぶことができ
ます。
林床に咲く
カタクリ
学校周辺の様々な環境に生息する生き物
を観察しましょう。この活動を通して,多くの生き
物が生活していることを実感を伴って理解するこ
とができます。
注意:外来生物法によって特定外来生物(ブラックバ
スなど)の運搬,飼育は禁じられています。詳
しくは,環境省自然環境局 Web ページまで。
③遺伝子の多様性
例)同じゲンジボタルでも東日本と西日本
で発光の周期が異なることなど,同じ種
でも個体毎に遺伝子に多様性があること
季節毎に変化する自然の観察や動植物の飼育,栽培を行い
ましょう。このような継続的な活動で観察力を伸ばすことができます。
注意:飼育した生物を自然界に放すことは,遺伝子の多様性を損なわせ
る可能性があります。最後まで責任を持って飼育しましょう。
(担当・教科教育部
【参考 Web ページ】
・環境省 授業に活かす環境教育 http://www.env.go.jp/policy/nerai/
・生物多様性 COP10 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/
・環境省自然環境局 「外来生物法」 http://www.env.go.jp/nature/intro/
【バックナンバー】http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/sougou/koho/
山田
裕史)