中学校保健体育科「武道」の授業づくり

岡山県総合教育センターだより
第41号
平成24年1月20日(金) 発行
岡山県総合教育センター
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中学校保健体育科「武道」の授業づくり
「武道」は,武技,武術などから発生した我が国固有の文化で,伝統的な考え方を理解し,相手を
尊重して練習や試合ができるようにすることを重視する運動です。また,「武道」は,新学習指導要
領の全面実施により,中学校で初めて学習する内容でもあり,全ての生徒に履修させることとなった
ため,これまで以上に安全の確保に留意することが必要です。「武道」の授業づくりと授業における
安全確認において大切にしていただきたいポイントを示しますので,今後,「武道」の授業を進めて
いく上での参考としてください。
◇「武道」の授業づくりのポイント
○生徒の興味・関心を引きつけ,確実に技能を身に付けさせるために,基本動作の反復練習だけ
でなく,基本となる技に早い段階から取り組ませる。
○相手の動きに応じて攻防を展開するという「武道」の特性にふれさせるために,基本となる技
を用いて自由練習やルールを簡略化した簡単な試合を取り入れる。
○楽しみながら自然に技能を身に付けさせるために,ゲームの要素を練習に取り入れたり,基本
となる技の要素を準備運動に取り入れたりする。
○生徒が安全に,そして効果的に学習を進めることができるように,投げ込み用マット等の教具,
学習カードやDVD等の補助教材,ビデオカメラとDVDデッキによる遅延機能を活用する。
◇「武道」の授業における安全確認のポイント
□活動場所の温度,湿度や換気の状態は適切ですか。
(熱中症対策はできていますか。
)
□活動場所やその周辺に危険な物や不要な物が置かれていませんか。
□活動前後,活動中における生徒の観察をしていますか。
(健康観察等)
□武道の特性や考え方を理解させ,相手を尊重したり,安全への意識を高めさせる指導を徹底していますか。
□生徒同士がぶつからないように配慮するなど,一度に活動させる人数は適切ですか。
□運動経験,技能レベル,体重,体格,性差に配慮した指導を徹底していますか。
□緊急時の対応について,
「事故防止マニュアル」などの具体策が準備されていますか。
【次の事項を生徒に指導していますか。
】
□危険な動作や禁じ技を用いないようにすること。
□発生しやすいけがや事故について,理解を図ること。
□体調の変化があったときに,すぐ申し出るようにすること。
「武道」の授業づくりでは,安全に留意し,ねらいや指導内容を明確にした上で,生徒や学校の実
態,施設や環境などを考慮し,生徒に「武道」の特性を知らせ,楽しさを味わわせるために,学習内
容を柔軟に工夫することが求められます。
「武道」の参考となる資料を紹介します。学校における「武道」の授業づくりに活用ください。
・
『学校体育実技指導資料 第二集 柔道の手引(二訂版)』(文部科学省)
・新しい学習指導要領に基づく剣道指導に向けて(『学校体育実技指導資料第一集「剣道指導の手引」参考資
料)(文部科学省) ※アドレス http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/jyujitsu/index.htm
・
『学校体育実技指導資料 武道指導の手引(柔道・剣道)』(岡山県教育委員会)
・
『中学校武道必修化に向けた 柔道指導資料』(岡山県教育庁保健体育課)
・
『柔道 授業づくり教本 中学校武道必修化のために』(財団法人全日本柔道連盟)
(担当・教科教育部
植月
【バックナンバー】http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/sougou/koho/
愼二)