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Citrix XenDesktop 7.5 & XenApp 7.5 Step by Step Guide
最新 XenDesktop7.5 を触ってみよう
ご注意
この資料は、シトリックス製品の動作検証や技術習得を支援するために作成されたものです。
本資料はシトリックス・システムズ・ジャパンの正式な技術サポート文書ではありません。そ
のため、この文書の記述に関して、弊社技術部⾨はお問い合わせをお受けかねますことを、予
めご了承ください。
本書に記載されている事柄は予告なく変更される場合があります。 操作や機能の詳細につきまし
ては、製品マニュアルをご覧下さい。
http://support.citrix.com/proddocs/topic/infocenter/nl/ja/ic-how-to-use.html?locale=ja
Page 2
目次
ご注意 .......................................................................................................................... 2
1
【Hyper-V 編】 .................................................................................................... 5
1.1
はじめに ............................................................................................................ 5
1.2
デスクトップ仮想化について ........................................................................................... 5
1.3
事前準備 ............................................................................................................ 6
1.4
Active Directory と DHCP サーバーについて .............................................................. 6
1.5
SCVMM で利用するアカウントについて ............................................................................. 7
1.6
仮想デスクトップを利用するアカウントについて ................................................................. 7
1.7
XenDesktop の重要なコンポーネントについて ............................................................ 7
1.8
構築する環境 ....................................................................................................... 10
1.9
Hyper-V ホストの準備........................................................................................... 11
1.10 SCVMM の準備 .................................................................................................... 12
1.11 仮想マシンの作成と OS のインストール ..................................................................... 25
2
【XenDesktop 7.5 インストール編】.......................................................................29
2.1
XenDesktop のインストール .................................................................................29
2.2
XenDesktop の初期構成 .......................................................................................33
2.3
占有型仮想デスクトップ環境の構築 .........................................................................40
2.4
VDA のインストール ............................................................................................44
2.5
マシンカタログの作成 .................................................................................................. 50
2.6
デリバリーグループの作成 ............................................................................................ 51
2.7
仮想デスクトップのユーザー割り当て ............................................................................. 60
2.8
仮想デスクトップへアクセス ......................................................................................... 62
2.9
MCS を使った仮想デスクトップの展開 ............................................................................ 66
2.10 MCS マスターイメージの構成 ........................................................................................ 67
2.11 マシンカタログの作成 .................................................................................................. 68
2.12 MCS マシンの追加 ...................................................................................................... 76
2.13 MCS コンピュータの確認 .............................................................................................. 77
2.14 デリバリーグループの作成 ............................................................................................ 78
2.15 仮想デスクトップへアクセス ......................................................................................... 82
3
【XenApp 7.5 インストール編】 .............................................................................84
3.1
Windows Server の準備 .......................................................................................86
Page 3
3.2
XenApp のインストール ........................................................................................87
3.3
カタログの作成 ...................................................................................................93
3.4
デリバリーグループの作成 ............................................................................................ 96
3.5
StoreFront サイトにログイン ........................................................................................ 100
Page 4
1. 【Hyper-V 編】
1 【Hyper-V 編】
1.1 はじめに
デスクトップ仮想化とは、これまで各クライアントに個別に用意していたデスクトップ環境をサ
ーバーに集中配置して運用するソリューションです。シトリックス社では、このデスクトップ仮
想化を実現する製品として大企業向けに「XenDesktop」、中堅中小企業向けに「VDI-In-a-Box」
を提供しています。
図 1 Windows8 クライアントから仮想デスクトップの Windows7 環境に接続
本稿では最新版の「XenDesktop 7.5」(以下 XenDesktop と表記)を動作させるためのセット
アップ、設定などをわかりやすく、順を追って説明したいと思います。
1.2 デスクトップ仮想化について
デスクトップ仮想化ソリューションは Citrix のほか多数のメーカーが展開していますが、Citrix
の XenDesktop は特定のハイパーバイザーに縛られることなく導入できる点が利点としてあげら
れます。シトリックス社が提供する XenServer だけでなく、VMware 社が提供するハイパーバイ
ザーである VMware vSphere、マイクロソフト社が提供する Hyper-V などユーザーニーズにあ
わせて選択することが可能です。そのため、対応するハイパーバイザーをすでに利用済みであれ
ば、デスクトップ仮想化基盤に適した構成にする必要があるものの、既存の仮想化基板にデスク
トップ仮想化を容易に導入できます。
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1. 【Hyper-V 編】
本稿では XenDesktop 環境を構築するに当たり、Windows Server 2012 を利用した Hyper-V
環境を選択した場合のセットアップや設定に関してご紹介いたします。以下の環境を想定してい
ます。
•
Citrix XenDesktop 7.5(以降 XenDesktop と表記)
•
Citrix XenApp 7.5(以降 XenApp と表記)
•
Microsoft System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager(以降 SCVMM と表記)
•
Windows Server 2012 R2
•
Hyper-V 2012 R2(以降 Hyper-V)
1.3 事前準備
XenDesktop の導入には Active Directory と DHCP サーバーが予め必要です。今回はクライアン
トと仮想デスクトップとして Windows 8.1 を利用しますので、Active Directory の機能レベル
は Windows Server 2012 以上で構いません。DHCP サーバーについては Windows Server に機
能追加するものでも、既存のルーターなどに内蔵されているものでもかまいませんので予め利用
できる環境を整えておいてください。
1.4 Active Directory と DHCP サーバーについて
今回の連載では Active Directory や DHCP サーバーの構築について触れませんので、本連載に従
って XenDesktop による仮想デスクトップ環境を構築する前にそれぞれのサーバーを準備してお
いてください。
また、それぞれのサーバーにソフトウェアのインストールを行う場合は、各 Windows を Active
Directory に参加した後、ドメイン管理者のアカウントを利用してインストールしています。例え
ば vdi.example.com というドメイン名で Active Directory を構築した場合、VDI\Administrator
(もしくは [email protected])がドメイン管理者のアカウントになります。
XenDesktop コンポーネントの実行時も同様です。
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1. 【Hyper-V 編】
1.5 SCVMM で利用するアカウントについて
仮想デスクトップに接続するユーザーは予め Active Directory のユーザーとコンピューターに 登
録しておいてください。本稿では XenDesktop7という名前の OU を作成して、xduser という連番
のユーザーを 1 から 10 まで作成し、XenDesktop7 というグループに所属させた例で説 明します。
1.6 仮想デスクトップを利用するアカウントについて
仮想デスクトップに接続するユーザーは予め Active Directory のユーザーとコンピューター
に登録しておいてください。本連載では XenDesktop75 という名前の OU を作成して、
xduser という連番のユーザーを 1 から 10 まで作成し、XenDesktop7 というグループに所
属させた例で説明します。
また、Active Directory に所属させたコンピューターアカウントが Computers ディレクト
リーに保管されていますので、この OU に移動してください。
図 2 OU とユーザーの構成
1.7 XenDesktop の重要なコンポーネントについて
XenDesktop は主に以下のようなコンポーネントで構成されています。
Delivery Controller
XenDesktop インフラストラクチャーの中⼼的な役割を担うものです。ユーザーへの仮想デスク
トップの配信のほか、ユーザー認証、VM 電源管理、ポリシーの決定など、仮想デスクトップの
アクセス制御などを行います。
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1. 【Hyper-V 編】
Citrix StoreFront
ユーザーがデスクトップやアプリケーションにアクセスするためのアクセスポイントです。アプ
リケーション、デスクトップ、またはその両方のリンクがユーザーに表示されます。
Provisioning Services
単⼀のシステムイメージを複数の仮想マシンに配信します。各仮想マシンは PXE サーバーにより
配信されたシステムイメージを使って、OS やアプリケーションを起動できます。大規模な仮想マ
シンの配備に適切です(今回は利用しません)。
Machine Creation Services
ハイパーバイザーのクローン機能を使って、マスターとなる単⼀の共有イメージ(以降マスター
イメージ)を複製して仮想デスクトップを展開する仕組みです。複製した仮想マシンには ID ディ
スクと差分ディスクという 2 つの仮想ディスクが割り当てられ、仮想マシン固有の情報、例えば
コンピューター名やドメインの SID が格納されており、仮想マシンの起動時にその情報が読み込
まれます。MCS で構築できる仮想デスクトップはプールタイプと専用タイプの二種類があります。
プールタイプの仮想デスクトップは再起動ごとに差分ディスクに書き込まれたデータがクリアさ
れるため、起動毎にマスターイメージが参照されるのでユーザー自ら OS の設定やアプリケーシ
ョンの追加、C ドライブへの書き込みは基本的には出来ないものの、マスターイメージと同様の
環境を維持することができるという利点があります。マスターイメージにパッチを適用しておけ
ば、各仮想デスクトップはセキュアな状態を維持できるということです。
専用タイプの仮想デスクトップは変更したデータは恒久的に保持されるため、ユーザー自ら OS
のカスタマイズなどを行うことができます。ユーザーはローカル PC を使うような感覚で仮想デス
クトップを利用できます。ただその反面、仮想デスクトップの展開後の管理は従来の PC の管理と
同様の手間暇が必要になります。
また、仮想デスクトップ環境の構築時に設定が必要ですが、Personal vDisk というものを使うこ
とで、機能を有効にした仮想デスクトップではユーザーには PC のハードディスクの⼀つとして見
えるようになり、ユーザープロファイルは書き換え可能な Personal vDisk 上に保存されるため、
仮想デスクトップ上の設定変更やドキュメントの保存を行うことが可能になります。
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1. 【Hyper-V 編】
図 3 Personal vDisk を有効にした仮想デスクトップ
図 3 のローカルディスク(C ドライブ)は配備した仮想デスクトップのマスターイメージで
あり、読み込みは可能ですが書き込みはできません。その他に表示されているドライブは、仮
想デスクトップにアクセスしているクライアントのローカルドライブが見えています。デフォ
ルトの設定ではクライアントのローカルドライブはこのように見えます。こちらのドライブも
仮想デスクトップのドライブと同様に利用可能であり、USB メモリーを接続すれば仮想デス
クトップ上でマウントして利用することができます。
これらは仮想デスクトップの利便性を向上させますが、ビジネス用途で考えるとクライアント上のドラ
イブを表示させたくない場合もあるかもしれません。その場合は Citrix Studio のポリシーを使って行い
ます。ポリシーではその他、使用帯域制御や仮想デスクトップのパフォーマンスチューニングなどを行
うことができます。
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1. 【Hyper-V 編】
図 4 ポリシーの設定
Citrix Studio のポリシーを使った XenDesktop のチューニングについては、過去の記事にはなりま
すが「デスクトップ仮想化のチューニング」を参考にしてください。
http://www.desktop2cloud.jp/technology/phase/build/xendesktop7-tuning.html
1.8 構築する環境
今回構築する環境は以下のとおりです。今回は XenDesktop の実行環境として Hyper-V を利
用します。ハイパーバイザーのインストール後、仮想マシンとしてそれぞれのサーバーをイン
ストールします。
(1)
Hyper-V ホスト(ホスト名:HV)

Windows Server 2012 R2

(2)
XenApp と VDI Desktop ホストとして利用
SCVMM/XenDesktop サーバー(ホスト名:SCVMM)

Windows Server 2012 R2

Windows ADK

Delivery Controller


XenDesktop のコントローラー

バックエンドは組込みの SQL Server 2012 Express を利用
Citrix Studio


XenDesktop の管理ツール
Citrix StoreFront

Web Interface の後継
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1. 【Hyper-V 編】
(3)
ユーザー占有型仮想デスクトップ 3 台

Windows 8.1
(4)
プール型仮想デスクトップ(MCS で展開)

Windows 8.1
XenDesktop 7.5 のインストールの前に Hyper-V ホストと SCVMM サーバーのインストールを行っ
ていきましょう。
1.9 Hyper-V ホストの準備
仮想マシンを実行する Hyper-V ホストサーバーには Windows Server 2012 R2 をインストールし、
Active Directory に参加した後、サーバーの役割として「Hyper-V」をインストールします。
Hyper-V の構成後、SCVMM でリモート操作可能にするために、Hyper-V ホストサーバーのファイ
アウォール設定で、仮想マシンの監視とリモート管理関連の通信を許可するように設定してください。
Hyper-V 環境の構築については以上です。
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1. 【Hyper-V 編】
1.10 SCVMM の準備
SCVMM インストール前の前準備
SCVMM を Windows Server 2012 R2 にインストールするには予め「Standard エディション以上
の SQL Server」、「Windows 8.1 用 Windows アセスメント & デプロイメントキット(ADK)」
および「SQL Server コマンドユーティリティ」のインストールが必要です。
SQL Server について
SCVMM の実行にはバックエンドのデータベースサーバーとして SQL Server Standard エディショ
ン(試用する場合は Evaluation ライセンスで可)が必要です。Windows ADK のインストール時に
SQL Server Express Edition をインストールせずに別途対応する SQL Server をインストールして
ください。
http://technet.microsoft.com/en-us/library/dn281933.aspx
SQL Server の機能のうち、必要なコンポーネントは「データベースエンジンサービス」と「管理ツ
ール」があれば充分です。その他、必要なコンポーネントがあれば選択した上で SQL Server のイン
ストールを行ってください。
「データベースエンジンの構成」画面では認証モードとして「Windows 認証モード」を選択し、
「現在のユーザーを追加」ボタンをクリックしてください。「SQL Server 管理者の指定」にドメイ
ンの管理ユーザー(本例では VDI\Administrator)が追加されたことを確認して「次へ」ボタンを
クリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
それ以外の項目はデフォルト設定のまま SQL Server のインストールを行います。
各種コンポーネントのインストールが終わったら、Windows Update を行い、SQL Server 2012 を
最新版に更新してください。再起動したら SCVMM のインストールを行います。
Windows ADK のインストール
Windows ADK は以下からダウンロードしたパッケージを実行してインストールします。システム要
件に合うバージョンの Windows ADK のインストールが必要です。今回の対象である Windows 8.1
および Windows Server 2012 R2 に対応したバージョンは以下からダウンロードできます。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=39982
インストーラーを実行したら、「Deployment Tools」と「Windows PE」を選択して「インストー
ル」ボタンをクリックしてください。
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1. 【Hyper-V 編】
Microsoft SQL Server 2012 SP1 コマンドラインユーティリティおよび Microsoft SQL
Server Native Client のインストール
SQL Server コマンドラインユーティリティおよび Native Client は Microsoft SQL Server 2012
SP1 用 Feature Pack に含まれます。ダウンロードしたパッケージを実行するだけでインストールで
きます。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=35580
ふたつのパッケージを⼀覧から選びダウンロードして、それぞれインストールしてください。
・JPN\x64\sqlncli.msi
・JPN\x86\SqlCmdLnUtils.msi
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1. 【Hyper-V 編】
SCVMM のインストール
SQL Server、Windows ADK、SQL Server コマンドユーティリティ、Native Client のインストー
ルが終わったら、次に SCVMM のインストールを行います。
(1)
SCVMM のアーカイブインストーラを実行します。
(2)
インストーラーの展開先フォルダーを指定します。
(3)
展開されたインストーラー(setup.exe)を実行します。
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1. 【Hyper-V 編】
(4)
メニューの「インストール」をクリックします。
(5)
機能を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(6)
ユーザー情報を入力して「次へ」ボタンをクリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
(7)
使用許諾に同意して「次へ」ボタンをクリックします。
(8)
CEIP はいずれかを選び「次へ」ボタンをクリックします。
(9)
インストール先を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(10)
データベースの構成」はサーバー名に SCVMM をインストールするコンピューター名(本例では
SCVMM)を入力し、その他の設定はデフォルトのまま「次へ」ボタンをクリックします。
(11)
サービスアカウントは「ドメインアカウント」を選択し、ドメイン管理者のアカウントを入力し
て「次へ」ボタンをクリックします。
(12)
「管理サーバーポートの構成」はデフォルトのまま「次へ」ボタンをクリックします。
(13)
「ライブラリの構成」は新しいライブラリを作成するを選択し、「次へ」ボタンをクリックしま
す。
(14)
「インストールの概要」でこれまでの設定を確認し、問題がなければ「インストール」ボタンを
クリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
(15)
SCVMM のインストール後、Microsoft Update を実行して SCVMM および SQL Server などの
アップデートを行います。
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1. 【Hyper-V 編】
SCVMM に接続
SCVMM をインストールしたサーバーのデスクトップに「Virtual Machine Manager コンソール」が
見つかると思います。これをダブルクリックして表示されるダイアログに接続先サーバー名とアカウ
ントを入力して「接続」ボタンをクリックします。
今回はドメイン管理者のアカウントを使って接続するため、「現在の Microsoft Windows セッショ
ン ID を使用する」と「これらの設定で自動的に接続する」を選択して「接続」ボタンをクリックす
ると、以降アカウントの入力を省略できて便利です。
SCVMM が起動します。
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1. 【Hyper-V 編】
次に SCVMM に Hyper-V ホストサーバーを登録しましょう。
SCVMM に Hyper-V ホストサーバーを登録
インストールした SCVMM に Hyper-V ホストサーバーを登録して SCVMM から Hyper-V を管理で
きるようにしましょう。
(1)
すべてのホストを「右クリック→Hyper-V ホストとクラスターの追加」をクリックします。
(2)
「リソースの追加ウィザード」が表示されます。
(3)
「Windows コンピューターの場所の選択」で「信頼された Active Directory ドメインの
Windows Server コンピューター」を選び「次へ」ボタンをクリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
(4)
「資格情報の指定」で SCVMM 用に作成したユーザーを入力して「次へ」ボタンをクリックしま
す。
(5)
「検出スコープ」では「Windows Server コンピューターを名前を使って指定する」を選択し、
コンピューター名欄に追加する Hyper-V サーバーのコンピューター名を入力します。入力が終
わったら「次へ」ボタンをクリックします。
(6)
エラーが表示される場合はコンピューター名に誤りがないか確認してください。該当のコンピュ
ーター名を持つ Windows Server が見つかると「ホストとして追加するコンピューターの選択」
の⼀覧に表示されます。追加する Hyper-V ホストを選択して「次へ」ボタンをクリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
(7)
追加するサーバーに Hyper-V 機能がインストールされていない場合は自動的に SCVMM が該当
サーバーに追加します。「OK」ボタンをクリックして続行します。
(8)
「ホストグループとホストのバーチャルマシン配置パスの指定」はデフォルト設定のままで「次
へ」ボタンをクリックします。
(9)
(10)
「サマリー」で設定内容を確認し、問題無ければ「完了」ボタンをクリックします。
サーバーの追加時のログは「ジョブ」に表示されます。エラーが表示された場合は適宜対処して
ください。
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1. 【Hyper-V 編】
以上で Hyper-V ホストサーバーを SCVMM 管理下に登録できました。追加したサーバーを「右クリ
ック→状態の表示」を実行して、ヘルス状態がすべて OK になっていることを確認してください。
Page 23
1. 【Hyper-V 編】
また、Hyper-V サーバーで複数の NIC を持つ場合はサーバーのアクセスに利用する「管理用」とデ
ータのやり取りを行う「配置用」のインターフェイスを予め設定してください。
以上で SCVMM サーバーのインストールと初期設定は終了です。
ライブラリサーバーに OS などの ISO イメージをコピーしたあと、OS のインストールを行ってくだ
さい。
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1. 【Hyper-V 編】
1.11 仮想マシンの作成と OS のインストール
SCVMM による仮想マシンの作成とインストール方法は、他のハイパーバイザーとほとんど変わりま
せん。仮想マシンを作成して仮想ハードウェアの構成を行い、仮想マシンを起動してマウントした
ISO イメージなどを使って OS をインストールするだけです。
図 1 SCVMM ホーム画面
仮想マシンの作成
SCVMM で Hyper-V 上に仮想マシンを作成するには以下の手順に従って操作してください。
(1)
SCVMM ホーム画面左下のメニューから「VM とサービス」をクリックします。
(2)
左上に「VM とサービス」メニューが表示されるので、「すべてのホスト→追加したホスト(本
例では hv)」をクリックします。
(3)
画面上のリボンインターフェイスから「バーチャルマシンの作成」をクリックします。
(4)
「バーチャルマシンの作成ウィザード」が表示されます。新しいバーチャルマシンのソースとし
て「空のバーチャルハードディスクを使用して新しいバーチャル仮想マシンを作成する」を選択
し、「次へ」ボタンをクリックします。
(5)
バーチャルマシン ID の指定」では仮想マシン名と仮想マシンについての説明を入力し、「次へ」
ボタンをクリックします。
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1. 【Hyper-V 編】
(6)
「ハードウェアの構成」では、仮想マシン上で実行する OS を想定したハードウェア構成を行い
ます。CPU、メモリー、ハードディスクサイズ、インストールメディア、ネットワークアダプタ
ーなどの設定を確認してください。
図 2 仮想マシンのハードウェアを構成
(7)
「保存先の選択」では「バーチャルマシンをホストに配置する」を選択し、「次へ」ボタンをク
リックします。
(8)
「ホストの選択」では仮想マシンを配置するホストを選択します。複数のホストがある場合は任
意のホストを選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
(9)
「バーチャルマシン設定の確認」では仮想マシンを保管するパスを設定し、「次へ」ボタンをク
リックします。
(10)
「ネットーワークの選択」では仮想マシンに割り当てる仮想スイッチを設定し、「次へ」ボタン
をクリックします。
(11)
「プロパティの追加」では OS の種類と仮想マシンの自動起動、停止方法について設定し、「次
へ」ボタンをクリックします。
(12)
「サマリー」ではこれまでの設定を確認し、問題がなければ「バーチャルマシンを展開後に起動
する」を選択して「作成」ボタンをクリックします。仮想マシンが作成されます。
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1. 【Hyper-V 編】
仮想マシンのコンソール表示とインストール
仮想マシンを作成したら仮想マシンを起動して OS のインストールを行いましょう。
•
コンソールの表示
仮想マシンのコンソールを開くには、任意の仮想マシンを⼀覧から選択した後、画面上のリボンイン
ターフェイスから「接続または表示→コンソール経由で接続」をクリックすると表示されます。
•
OS のインストール
OS のインストールは⼀般的な PC へのインストール手順と何ら変わりありません。画面の手順に従
ってインストールを行ってください。
Page 27
1. 【Hyper-V 編】
【コラム】仮想マシンを複製する場合の注意すべきポイント
SCVMM でも VM のクローンは簡単に行うことが出来ます。しかし、仮想マシンを何も考えずにク
ローンすると SID が同⼀の Windows 仮想マシンができてしまいます。
SID はコンピューターの識別などに利用されるため、重複した SID を持つ Windows が同じネット
ワーク上に存在する場合に特定のアプリケーションや Active Directory ドメイン認証などで問題が発
生する可能性があります。
図 7 SID は whoami /user コマンドで確認できる
従って、Windows 仮想マシンの展開時は SID の重複がないようにする必要があります。別々の SID
を持つ仮想マシンを作成する場合は、仮想マシンをテンプレート化してテンプレートから仮想マシン
をクローンするか、Sysprep を実行してから仮想マシンのクローンを実行する必要があります。SID
についての詳細は以下の Web サイトをご覧ください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/windows/mark_12.aspx
仮想マシンの作成と OS のインストールについては以上です。
Page 28
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2 【XenDesktop 7.5 インストール編】
環境を整えたら早速 XenDesktop 7.5(以降 XenDesktop)のインストールに移りたいと思います。
XenDesktop のインストール後、まずはベーシックな「ユ—ザー占有型」の仮想デスクトップ環境を作る
手順について解説します。後半は MCS(Machine Creation Service)を利用した仮想デスクトップの多数
展開についての手順を解説します。
2.1 XenDesktop のインストール
それでは早速 XenDesktop をインストールしましょう。Hyper-V 環境で Machine Creation
Service を利用して VM の多数展開を行うには、SCVMM 2012 以降のバージョンをインストー
ルした環境に Delivery Controller をインストールする必要があります。仮想マシンは別途構築
した Hyper-V ホスト上に展開します。
図 3 構築する構成
(1)
XenDesktop のインストールメディアを SCVMM をインストールしたサーバーに挿入します。
(2)
DVD をダブルクリックしてインストーラを実行します。
Page 29
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
XenDesktop のインストールを実行します。
(4)
インストール開始画面が表示されたら XenDesktop(2 番目)の「開始」ボタンをクリックします。
(5)
XenDesktop コンポーネントのインストール画面です。左の「Delivery Controller」をクリックし
ます。
Page 30
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(6)
「ソフトウェアライセンス契約」が表示されたら内容を確認し「同意する」を選び「次へ」ボタン
をクリックします。
(7)
「コアコンポーネント」の選択画面が表示されたら、インストールしたいコンポーネントを選択し
て「次へ」ボタンをクリックします。
Page 31
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(8)
SQL Server がインストールされている場合は追加インストールの画面はスキップされます。
今回は SCVMM サーバーの導入のさいに別途インストールした SQL Server を XenDesktop
でも利用します。
(9)
(10)
「ファイアウォールの設定」はデフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。
「概要」ではこれまでの設定を確認し、問題なければ「インストール」ボタンをクリックし
ます。XenDesktop 7.5 のインストールが始まります。インストール開始から終わりまでは
最大 60 分程度かかります。
以上でインストールは完了です。「完了」ボタンをクリックすると Desktop Studio を起動でき
ます。
次に Desktop Studio を使って、XenDesktop の環境を構成しましょう。
Page 32
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.2 XenDesktop の初期構成
XenDesktop のインストールが完了したら、仮想デスクトップの構成をするため、Citrix Studio
を起動してください。「Citrix Studio へようこそ」画面が表示されます。
(1)
ようこそメニューから「アプリケーションとデスクトップをユーザーに配信する」をクリッ
クします。
(2)
「サイトのセットアップ」ウィザードが起動します。「すべての構成を含む、実務環境用サ
イト(新規ユーザー向け)」を選択し、サイトの名称を入力して「次へ」ボタンをクリック
します。
Page 33
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
XenDesktop の構成データを格納するデータベースとデータベース名を入力して「接続テス
ト」ボタンをクリックします。
項目
設定内容
データベースサーバー
SQL Server がインストールされたサーバーを指定
の場所
(例)SCVMM
データベース名
データを格納するデータベース名を指定
(例)CitrixMyXenDesktop75
データベースは予め作成したものを
指定することもできますが、データ
ベースサーバーに指定したデータベ
ースがない場合、Citrix Studio の完
全展開ウィザードにより新しいデー
タベースが作成されます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(4)
データベースに接続できませんでした」というメッセージが表示されたら「OK」ボタンをク
リックします。「すべてのデータベース接続テストをパスしました」というダイアログが出
ることを確認します。
(5)
ライセンスサーバーの設定を行います。ライセンスの構成はあとから行うこともできますの
で、「信頼済みサーバーに接続しました」というメッセージが出ていることを確認して「次
へ」ボタンをクリックします。
Page 35
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(6)
ハイパーバイザーへの接続に関する設定を行い、「次へ」ボタンをクリックします。
入力項目
設定内容
接続の種類
Microsoft System Center Virtual Machine Manager
接続アドレス
FQDN で vCenter Server のフルコンピューター名を入力
(例)scvmm.vdi.example.com
ユーザー名
ドメインの管理者アカウントを指定
(例)VDI\Administrator
パスワード
上記アカウントのパスワード
接続名
識別できる接続名を設定
仮想マシンの作成ツール
Studio ツール(Machine Creation Services)
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(7)
「リソース」画面では XenDesktop のコントローラと接続するハイパーバイザーを識
別するリソースの名前とクラスターを選択します。ハイパーバイザーが⼀台のホストの
場合はホストを選択して「OK」ボタンをクリックします。
(8)
ホストを選択すると、ホストの仮想ネットワークが表示されますので、仮想マシンに割
り当てる仮想ネットワークを選んで「次へ」ボタンをクリックします。
Page 37
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(9)
「ストレージ」画面では、仮想マシンに割り当てるストレージと、Personal vDisk の
場所を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(10)
「APP-V 公開」画面は"いいえ"を選んで「次へ」ボタンをクリックします。
(11)
「概要」画面でこれまでの設定を確認して「完了」ボタンをクリックします。
Page 38
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
以上で初期構成は終了です。次に⼀旦 Citrix Studio から離れて、XenDesktop で利用する
仮想デスクトップ用の Windows 8.1 を準備します。
Page 39
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.3 占有型仮想デスクトップ環境の構築
Citrix Studio による初期構成が終了したら、早速 XenDesktop 7.5 で仮想デスクトップ環境にア
クセスするための仮想デスクトップを構成してみましょう。
XenDesktop 7.5 は仮想デスクトップとして Windows 7 や Windows 8、8.1 などのクライアン
ト OS だけではなく、Windows Server 2008 R2 SP1 や Windows Server 2012/2012 R2 など
のサーバー用 OS も対応しています。
今回は仮想デスクトップ環境として Windows 8.1 を利用し、以下の様なコンピューター名が設
定された仮想環境を例に、占有型仮想デスクトップ環境を XenDesktop で利用するまでの流れを
解説します。
AD ドメイン名
vdi.example.com
AD に参加後の
仮想デスクトップを
フルコンピューター名
割当てるユーザー
W8001
W8001.vdi.example.com
xduser1
W8002
W8002.vdi.example.com
xduser2
W8003
W8003.vdi.example.com
xduser3
コンピューター名
仮想デスクトップ用 Windows 8.1 のセットアップ
まず、Hyper-V サーバー上に先に決めたコンピューター名の Windows 8.1 をインストールしま
す。今回の例では 3 つの仮想マシンを作成して、それぞれ Windows 8.1 をインストールします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
仮想デスクトップ用 Windows を Active Directory に登録
Windows の用意ができたら、仮想デスクトップとして利用する Windows 仮想マシンをそれぞれ
Active Directory に登録します。
(1)
スタートボタンを右クリックして「システム」をクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(2)
「システムのプロパティ」が開きます。「コンピューター名、ドメインおよびワークグルー
プの設定」の「設定の変更」ボタンをクリックします。
(3)
「システムのプロパティ」が表示されたら「変更」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(4)
「コンピューター名/ドメイン名の変更」ウィンドウが表示されたら、所属するグループを選
択してドメインを入力します(本例では vdi.example.com を入力)。
(5)
「ドメインに参加するためのアクセス許可のあるアカウントの名前とパスワードを入力して
ください」と表示されるので、ドメイン管理者のアカウントを入力して「OK」ボタンをクリ
ックします。
(6)
Active Directory の参加の設定が終わったら、設定を反映させるために⼀旦再起動します。
占有型仮想デスクトップとして利用する Windows 仮想マシンが複数ある場合は同じように
それぞれのデスクトップに対して Active Directory の参加を行ってください。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.4 VDA のインストール
仮想デスクトップとする Windows 仮想マシンに VDA をインストールします。これは
XenDesktop の Delivery Controller と通信するために必要なエージェントプラグインです。
(1)
仮想デスクトップマシンにドメイン管理者(本例では Administrator@vdi.example.com)
でログインします。
(2)
XenDesktop 7.5 のインストールイメージ(ISO ファイル)をマウントして読み込んでくだ
さい。
Tips:
Windows 8 や Windows Server 2012 以降では、PowerShell を使って ISO イメージを直接マ
ウントすることができます。次のように実行すると ISO イメージが展開され、あたかも通常の
CD/DVD イメージのように利用できます。
PS C:\> Mount-DiskImage -ImagePath "c:\ISO\ISO-Image.iso"
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
インストールメディアの中の「AutoSelect.exe」をダブルクリックするとインストーラが起
動しますので、XenDesktop の「開始」ボタンをクリックします。
(4)
メニューの中から「Virtual Delivery Agent for Windows Desktop OS」をクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
VDA の導入ウィザードが表示されます。「リモート PC アクセスを有効にする」を選んで
「次へ」ボタンをクリックします。
(6)
HDX 3D Pro」は「いいえ、標準の VDA をインストールする」を選び、「次へ」ボタンをク
リックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(7)
「コアコンポーネント」はデフォルトのまま「次へ」ボタンをクリックします。
(8)
「Delivery Controller」は「手動で指定する」を選び、Delivery Controller のアドレスを
FQDN で入力してください。入力後「接続テスト」を実施してエラーが出ないことを確認し
ます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(9)
正しい Delivery Controller のアドレスを入力できたら「追加」ボタンをクリックし、「次へ」
ボタンをクリックします。
(10)
「機能」は「パフォーマンス最適化」「Windows リモートアシスタンス」「リアルタイム
オーディオ転送」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(11)
「ファイアウォール」はデフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。
(12)
最後に「概要」でこれまでの設定を確認して問題なければ「インストール」ボタンをクリッ
クします。VDA のインストールが始まります。
(13)
VDA のインストール後、⼀旦仮想デスクトップ用 Windows 8.1 は再起動します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.5 マシンカタログの作成
XenDesktop で用意した仮想デスクトップを利用するには、まず仮想デスクトップの種類を「マ
シンカタログ」で定義する必要があります。次の手順に従ってマシンカタログを作成します。
(1)
Citrix Studio のメニューからマシンカタログを選び、「右クリック→マシンカタログを作成」
を実行します。
(2)
「マシンカタログのセットアップ」ウィザードが表示されます。「次へ」ボタンをクリック
します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
「オペレーティングシステム」の選択は「リモート PC アクセス」を選択して「次へ」ボタ
ンをクリックします。
(4)
「マシンアカウント」は「マシンアカウントの追加」ボタンをまずクリックしてください。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
「コンピューターの選択」ウィンドウが表示されたら、仮想デスクトップとして利用する
Windows 仮想マシンを登録していきます(本例では W8001、W8002、W8003 の 3 台を
登録)。
(6)
すべてのマシンの追加が終わったら、「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(7)
「概要」ではマシンカタログ名、カタログの説明を入力したあと、「完了」ボタンをクリッ
クします。マシンカタログが作られます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.6 デリバリーグループの作成
マシンカタログの作成が終わったら、次にどのユーサーにどういった仮想デスクトップ、もしく
はアプリケーションを割り当てるか構成するために「デリバリーグループ」を定義する必要があ
ります。次の手順に従ってデリバリーグループを作成します。
(1)
Citrix Studio のメニューからデリバリーグループを選び、「右クリック→デリバリーグルー
プを作成」を実行します。
(2)
「デリバリーグループの作成」ウィザードが表示されます。「次へ」ボタンをクリックしま
す。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
「マシン」で割り当てるマシンカタログを指定します。
(4)
「ユーザー」でこのマシンカタログを利用許可するユーザーもしくはユーザーグループを指
定します。本例では xduser1-xduser10 が登録された XenDesktop75 というグループを指
定します。
Page 55
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
ユーザーグループの追加が終わったら「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(6)
StoreFront を構成します。「自動で...」を選択して「新規追加」ボタンをクリックします。
(7)
StoreFront の名前、説明、URL を入力します。URL は「https:// Delivery Controller の
FQDN」を入力します。この設定をベースに様々な設定が行われます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(8)
追加した URL を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(9)
「概要」ではデリバリーグループ名、表示名、デリバリーグループの説明を入力したあと、
「完了」ボタンをクリックします。デリバリーグループが作られます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(10)
SCVMM から仮想マシンを再起動します。
(11)
Cirix Studio でマシンカタログとデリバリーグループに登録したマシンが XenDesktop の仮
想デスクトップとして登録されたか確認します。
(12)
登録状態が「非登録」から「登録済み」になることを確認します。状態が変化するまで数分
かかることがあります。電源状態は「非管理」の状態でかまいません。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.7 仮想デスクトップのユーザー割り当て
作成した仮想デスクトップは占有型の仮想デスクトップです。仮想デスクトップに対してどのユ
ーザーにアクセスさせるか以下の手順に従って設定を行います。
(1)
「マシンを表示」を実行して、任意のマシンを選択します。
(2)
マシンを「右クリック→ユーザーを変更」をクリックします。
(3)
「ユーザー割り当ての編集」ウィンドウが表示されます。「追加」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(4)
仮想デスクトップのアクセスを許可するため、Active Directory に追加したユーザーのうち、
いずれかのユーザーを入力して「名前の確認」を実行します。エラーがなければ「OK」ボタ
ンをクリックします。
本例では以下のように Citrix Studio で登録したデスクトップ OS マシンを Active Directory の各
ユーザーに割り当てています。
(5)
デスクトップ OS マシン
割り当てるユーザー
[email protected]
xduser1
[email protected]
xduser2
[email protected]
xduser3
複数の占有型デスクトップがあればこれを繰り返します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.8 仮想デスクトップへアクセス
デリバリーグループの作成と占有型仮想デスクトップへのユーザー割り当てまで出来れば、仮想
デスクトップの利用まであと⼀息です。早速ブラウザでアクセスしてみましょう。本例では
Internet Explorer を利用していますが、デスクトップサイトへのアクセスはお好みのブラウザで
構いません。
(1)
ブラウザで StoreWeb にアクセスします。アドレスは、「Reciever for Web」を開くと確
認できます。デフォルトの構成は以下の様なアドレスになります。
フルコンピューター名 scvmm.vdi.example.com のサーバー
上で Citrix StoreFront を実行している場合
アクセスする URL アドレス
http://scvmm.vdi.example.com/Citrix/StoreWeb
(2)
初めて StoreFront サイトにアクセスすると、「Citrix Reciver」をインストールする必要が
あると表示されるので、「合意する」を選択して「インストール」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
画面の手順に従って、Citrix Reciver をインストールします。
(4)
正常にインストールされたら「完了」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
ユーザーとパスワードを入力して、「ログオン」ボタンをクリックします。まずは xduser1
ユーザーアカウントでログインしてみます。
(6)
仮想マシンが割り当てられているユーザーでアクセスすると、仮想デスクトップがログイン
後の画面に表示されます。
今回は仮想デスクトップ⼀つしか表示されませんが、XenApp が XenDesktop 7VDI システムに
組み込まれていると、公開アプリケーションなどもこの画面に表示されます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(7)
仮想デスクトップにログインできました。仮想デスクトップ上でアプリケーションを実行出
来ます。
以上で占有型仮想デスクトップの構築は終了です。ユーザー専用の仮想デスクトップにアクセス
できる環境が出来ました。
次回は Machine Creation Service を使った仮想デスクトップの多数配備の手順について説明し
ます。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.9 MCS を使った仮想デスクトップの展開
XenDesktop には仮想デスクトップの大規模展開を行うための仕組みとして Machine Creation
Services(MCS)を使う方法と、OS およびアプリケーションをテンプレート化した標準イメー
ジをネットワークブートする Provisioning Server(PVS)を使う方法があります。PVS のほう
が環境構築の難易度が高いですが、MCS による仮想デスクトップ展開と比べてストレージの大幅
な消費を抑えることが出来るため、大規模な展開に優れています。
今回は小、中規模の仮想デスクトップの展開に最適な、特別なサーバーの構築を必要とせずに利
用可能な MCS を使った仮想デスクトップ展開について解説します。
MCS による仮想デスクトップ展開の仕組み
MCS による仮想デスクトップ展開の仕組みは、展開する仮想デスクトップ環境をマスターイメー
ジとして、イメージを多数展開するという方式です。マスターイメージからクローンされた VM
イメージには ID ディスクと差分ディスクが付加されます。マスターイメージからクローンされた
イメージ+ID ディスク+差分ディスクの3つで構成されます。
構成される3つのディスクのうち、ID ディスクには第⼀回で触れたように仮想マシン固有の情報
(コンピューター名や SID など)が保管されます。これにより、同じイメージからクローンされ
たゲスト OS が別のシステムと認識されるというわけです。単純にハイパーバイザーの機能を使
ってクローンしただけの仮想マシンを同時に起動すると、IP アドレスや SID の重複などにより問
題が発生してしまいますが、MCS を使えばこういう⼼配をすることなく仮想デスクトップ環境を
展開することができます。
OS イメージが保管された領域に⼀時保管されたデータは、OS の再起動によって通常はリセット
されます。しかし、Personal vDisk が利用できる仮想デスクトップはプロファイルをこの領域に
保管するため、再起動を行っても保存したデータや個人設定などが消失することはありません。
ホームディレクトリ配下であればドキュメントの保存なども可能です。
図 4 Personal vDisk ありのイメージの展開
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.10 MCS マスターイメージの構成
マスターイメージとは
MCS による仮想デスクトップの展開を行うには、まず展開するマスターイメージを用意します。
今回は Windows 8.1 を仮想デスクトップとして利用するため、Windows 8.1 をインストール済
みの仮想マシンを用意してください。必要に応じてその他ソフトウェアを事前にインストールし
ておきます。マスターイメージは Active Directory にひも付けされたコンピューターアカウント
を元にマスターイメージである仮想マシンを識別するため、予めマスターイメージ用の Windows
仮想マシンも Active Directory の参加をしておく必要があります。
VDA のインストール
MCS によって展開するマスターイメージも VDA をインストールする必要があります。以下の手
順に従ってソフトウェアのインストールを行ってください。
(1)
仮想デスクトップとする Windows 仮想マシンで XenDesktop 7.5 のインストールイメージ
(ISO ファイル)をマウントして読み込んでください。
(2)
ダブルクリックするとインストーラが起動しますので、XenDesktop の「開始」ボタンをク
リックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
メニューの中から「Virtual Delivery Agent for Windows Desktop OS」をクリックします。
(4)
VDA の導入ウィザードが表示されます。「マスターイメージを作成する」を選んで「次へ」
ボタンをクリックします。
(5)
「HDX 3D Pro」は「いいえ、標準の VDA をインストールする」を選び、「次へ」ボタンを
クリックします。
(6)
「コアコンポーネント」はデフォルトのまま「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(7)
「Delivery Controller」は「手動で指定する」を選び、Delivery Controller のアドレスを
FQDN(本例では scvmm.vdi.example.com)で入力してください。入力後「接続テスト」
を実施してエラーが出ないことを確認します。
(8)
正しい Delivery Controller のアドレスを入力できたら「追加」ボタンをクリックし、「次へ」
ボタンをクリックします。
(9)
「機能」はすべてを選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(10)
「ファイアウォール」はデフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。
(11)
最後に「概要」でこれまでの設定を確認して問題なければ「インストール」をクリックしま
す。VDA のインストールが始まります。
(12)
VDA のインストール後、⼀旦再起動します。
(13)
VDA のインストール後に Windows が正常に起動することを確認したら、XenDesktop 7.5
のインストールイメージをアンマウントしてシャットダウンします。
Tips:
MCS 用のイメージはマシンカタログを作成する前に、必ずシャットダウンしてください。シャッ
トダウンしておかないとマシンカタログの作成に失敗します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.11 マシンカタログの作成
XenDesktop で用意した仮想デスクトップを利用するには、まず仮想デスクトップの種類を「マ
シンカタログ」で定義する必要があります。次の手順に従ってマシンカタログを作成します。
(1)
Citrix Studio のメニューからマシンカタログを選び、「右クリック→マシンカタログを作成」
を実行します。
(2)
「マシンカタログのセットアップ」ウィザードが表示されます。「次へ」ボタンをクリック
します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
「オペレーティングシステムハードウェア」は「Windows デスクトップオペレーティング
システム」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(4)
インフフラクチャは「電源管理されているマシン(仮想マシン、ブレード PC など)」、管
理するサービスは「MCS」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
「デスクトップエクスペリエンス」は「静的」、デスクトップ変更の保持は「はい、別の
Personal vDisk 上に変更を保存する」を選んで「次へ」ボタンをクリックします。
「ユーザーによるデスクトップへの変更を保存するか」を「いいえ」にした場合は設定の変更や
ディスクへの書き込みはログオフした段階で消去されます。
(6)
「マスターイメージ」の選択は展開するために作りこんだ仮想マシンを選択して「次へ」ボ
タンをクリックします(本例では W81MCS)。
Page 72
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
古いバージョンの VDA をインストールしたもしくは Windows XP などの OS イメージをマスタ
ーイメージとする場合は、「Windows XP または Windows Vista を使ってマスターイメージを
構築する」のチェックを入れてください。
(7)
「仮想マシン」は展開する仮想マシンのハードウェア構成を設定します。展開する仮想マシ
ン数と仮想マシンに割り当てる vCPU、メモリー、Personal vDisk の容量とドライブ文字列
を決定します。構成後、「次へ」ボタンをクリックします。
(8)
「Active Directory コンピュータアカウント」では「コンピュータアカウントを作成する」、
アカウントの作成場所は作成した OU(本例では XenDesktop75)を選択します。
Page 73
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
「アカウント名前付けスキーム」は前の手順で指定した数の仮想マシンをアカウント名前付けス
キームのルールを元にして展開します。この名前が仮想マシンのコンピューター名になります。
(9)
「概要」でこれまでの設定を確認して問題なければ、マシンカタログ名と説明を入力して
「完了」をクリックします。マシンカタログが作られます。
Page 74
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
Page 75
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.12 MCS マシンの追加
マシンカタログに追加した仮想マシンは後でさらに追加することができます。
マシンカタログを選択して「マシンの追加」を実行することで、仮想デスクトップを追加するこ
とができます。
Page 76
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.13 MCS コンピュータの確認
MCS によって作成したマシンが登録されているか、設定を継続する前に確認しましょう。
まず Citrix Studio のマシンカタログにマシンカタログがエラーなく登録されていることと、指定
した数のマシンが登録されていることを確認します。
次に SCVMM を確認します。「アカウント名前付けスキーム」で指定した名前の仮想マシンが生
成されていることを確認します。MCS により生成した仮想マシンは使用状況によって自動的に仮
想マシンの電源がオン/オフされます。すべての仮想マシンが実行中となっていなくても問題あり
ません。
最後に Active Directory にコンピューターが登録されていることを確認します。
「アカウント名前付けスキーム」に基づいたマシン名で指定した OU 上に登録されていることを
確認します。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.14 デリバリーグループの作成
マシンカタログの作成が終わったら、次にどのユーサーにどういった仮想デスクトップ、もしく
はアプリケーションを割り当てるか構成するために「デリバリーグループ」を定義する必要があ
ります。次の手順に従ってデリバリーグループを作成します。
(1)
Citrix Studio のメニューからデリバリーグループを選び、「右クリック→デリバリーグルー
プを作成」を実行します。
(2)
「デリバリーグループの作成」ウィザードが表示されます。「次へ」ボタンをクリックしま
す。
Page 78
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
「マシン」で割り当てるマシンカタログとして種類「VDI Machine Creation Services...」
のカタログを選び、追加する仮想デスクトップ数を入力します。設定が終わったら「次へ」
ボタンをクリックします。
(4)
「配信の種類」は「デスクトップ」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
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2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(5)
「ユーザー」でこのマシンカタログを利用許可するユーザーもしくはユーザーグループを指
定します。本例では xduser1-xduser10 が登録された XenDesktop75 というグループを指
定します。
(6)
ユーザー追加が終わったら「次へ」ボタンをクリックします。
(7)
「StoreFront」はすでに設定済みのものを選択して「次へ」ボタンをクリックします。
Page 80
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(8)
「概要」ではデリバリーグループ名、表示名、デリバリーグループの説明を入力したあと、
「完了」ボタンをクリックします。デリバリーグループが作られます。
(9)
デリバリーグループが作成できたことを確認します。
Page 81
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
2.15 仮想デスクトップへアクセス
早速ブラウザでアクセスしてみましょう。本例では Internet Explorer を利用していますが、ア
クセスはお好みのブラウザで構いません。
(1)
ブラウザで StoreWeb にアクセスします。アドレスは、「Reciever for Web」を開くと確
認できます。デフォルトの構成は以下の様なアドレスになります。
フルコンピューター名 scvmm.vdi.example.com のサーバー上
で Citrix StoreFront を実行している場合
アクセスする URL アドレス
http://scvmm.vdi.example.com/Citrix/StoreWeb
(2)
ユーザーとパスワードを入力して、「ログオン」ボタンをクリックします。
Page 82
2. 【XenDesktop 7.5 インストール編】
(3)
仮想マシンが割り当てられているユーザーでアクセスすると、仮想デスクトップがログイン
後の画面に表示されます。
(4)
「Windows81-MCSDesktop」を選択してみましょう。初回起動時は少々時間がかかります
が、仮想デスクトップにログインできるはずです。Personal vDisk を有効にした仮想デスク
トップではプロファイルが Personal vDisk 上に配置され、マイドキュメント上にコンテンツ
の保存も可能になります。
MCS による仮想デスクトップの展開方法は以上です。
Page 83
3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3 【XenApp7.5 インストール編】
XenApp の概要
Citrix XenApp は Windows 専用アプリケーションや Windows Server デスクトップを仮想化し
てクライアントに展開するというソリューションです。XenApp により配信されるアプリケーシ
ョンは Windows PC だけでなく、iPhone や Android などのスマートフォン、iPad や Android
タブレットなどから利用できます。
XenApp の利用シーン
XenApp を導入するメリットはなんでしょうか。その質問にはいくつかの回答をすることが出来
ると思います。
まず⼀点目としてセキュリティがあげられると思います。アプリケーションをクライアント側に
インストールせずに XenApp で管理することにより、アプリケーションがデータセンターで⼀元
管理されるので、企業の機密情報や個人情報を保護できるというメリットがあります。
二点目としてあげられるのは生産性向上です。アプリケーションは XenApp によって⼀元管理す
ることにより、クライアントに煩わしい様々なアプリケーションの導入や設定をする必要がなく、
Citrix Reciver プラグインをインストールするだけですぐに業務を開始できるというメリットが
あります。さらに、クライアントにはアプリケーションをインストールせず、サーバー管理者が
アプリケーションのパッチ適用をコントロールできるため、アプリケーション脆弱性への迅速な
対応が可能になります。
Page 84
3. 【XenApp 7.5 インストール編】
XenApp 7.5 の概要
これまで XenApp のメリットを説明してきました。次に最新の XenApp 7.5 について、今まで
のバージョンからの変更点を解説します。
クラウドへの対応
このバージョンの XenApp は Amazon Web Service や Cloud Platform(商用版 CloudStack)
を使って構築されたパブリックまたはプライベートクラウド上に、専用環境で構築された
XenApp と同様の管理ツールからアプリケーションの展開や管理を行うことができます。
StoreFront への対応
XenDesktop と同様、最新の StoreFront に対応しています。StoreFront を用いることで、ユー
ザーに余計な負担をかけることなく、仮想デスクトップとアプリケーションを 1 つの画面で提供
できます。
HDX テクノロジーへの対応
XenApp 7.5 は最新の HDX テクノロジーに対応しています。2D/3D グラフィックパフォーマン
スの強化や、動画、音声といったマルチメディアコンテンツのスムーズな再生、あらゆるネット
ワークからの安定したアクセスなどを強力にサポートします。
Page 85
3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3.1 Windows Server の準備
Windows Server のインストール
XenApp 7.5(以下 XenApp)をインストールするための Windows Server をインストールしま
す。XenApp の実行に必要な Windows のバージョンは Windows Server 2008 R2 以降のバー
ジョンでかまいませんが、今回は Windows Server 2012 R2 を利用します。
図 5 Windows Server 2012 R2 のデスクトップ画面
Windows Server の初期設定
Windows Server 2012 R2 をインストールしたあと、次の設定をそれぞれ行います。]
(1)
Windows Update の実施
(2)
IP アドレスの固定化
(3)
コンピュータ名の設定(本例では xenapp75)
(4)
Active Directory ドメインに参加
Active Directory ドメインに参加設定後、再起動したら次に XenApp のインストールを行います。
Page 86
3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3.2 XenApp のインストール
それでは早速、XenApp をインストールしましょう。これまでのインストールで XenDesktop
7.5 環境を構築できているので、この環境に XenApp を追加する流れで説明します。ユーザーは
XenDesktop による仮想デスクトップの提供を受けるだけでなく、XenApp サーバーにより転送
されたアプリケーションをクライアント上での実行、仮想デスクトップ上でアプリケーションを
実行することが出来るようになります。早速はじめてみましょう!
(1)
XenApp のインストールメディアを xenapp75 サーバーに挿入します。
(2)
DVD をダブルクリックしてインストーラを実行します。
(3)
XenApp のインストールを実行します。
(4)
インストール開始画面が表示されたら XenApp(1 番目)の「開始」ボタンをクリックしま
す。
Page 87
3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(5)
XenApp のインストーラが起動します。
(6)
「Virtual Delivery Agent for Windows Server OS」ボタンをクリックします。ここで
「Delivery Controller」を選択すると、XenApp 単体で利用するためのインストールと設定
を行うことができます。
(7)
「環境の構成」では「サーバーマシンへの接続を有効にする」を選択して「次へ」ボタンを
クリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(8)
「コアコンポーネント」はデフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。
(9)
「Delivery Controller」の指定を行います。「Controller アドレス」に構築済みの
Delivery Controller(本例では scvmm)を FQDN で記述して、「接続テスト」を実施して
ください。
(10)
エラーが出ないことを確認し「追加」ボタンをクリックしてサーバーを追加します。
(11)
Delivery Controller サーバーを追加したら「次へ」ボタンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(12)
「機能」はすべての項目が選択されている(デフォルト)ことを確認して「次へ」ボタンを
クリックします。
(13)
「ファイアウォールのポート設定」はデフォルトのまま、「ファイアウォールの構成」が
「自動」になっていることを確認して「次へ」ボタンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(14)
「概要」画面でインストール内容を確認して、「インストール」ボタンをクリックします。
インストール後、xenapp75 サーバーを再起動します。
(15)
再起動後、コンポーネントのインストールが続行されます。
(16)
XenApp インストールにはいくつかの Visual C++ランタイムライブラリが追加されるので、
インストール終了後に Windows Update を実施する必要があります。
(17)
XenApp のインストールが終わって再起動すると、右下に「リモートデスクトップライセン
スモードが構成されていません」と表示されます。実際の構築では、ここで適切な RDS
CAL ライセンスの登録を行います。今回は評価をおこなうため、このまま XenApp の設定
を続行します。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(18)
XenApp サーバーから離れて、SCVMM サーバーで Citrix Studio を起動します。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3.3 カタログの作成
XenApp 用サーバーを Citrix Studio を使って構成するため、まずはマシンカタログを登録しま
す。「マシンカタログ」構成ウィザードをつかってカタログの登録をしましょう。
(1)
サイドバーの「マシンカタログ」を右クリックして、「マシンカタログを作成」をクリック
します。
(2)
「マシンカタログのセットアップ - はじめに」が表示されます。「次へ」ボタンをクリック
します。
(3)
「オペレーティングシステム」では「Windows サーバーオペレーティングシステム」を選
択して「次へ」ボタンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(4)
「マシン管理」では次の項目を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
•
電源管理されていないマシン
•
ほかのサービスまたはテクノロジ
(5)
「マシンアカウントのインポート」では、xenapp75 サーバーを追加します。
(6)
xenapp75 サーバーを追加したら「次へ」ボタンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(7)
追加するカタログの名前を設定します。本例では「XenApp75 Windows 2012 R2」と設
定します。マシンカタログの説明は任意入力です。適宜入力して「完了」ボタンをクリック
します。
(8)
カタログの追加ができました。
カタログの追加が終わったら、次にデリバリーグループへの登録を行います。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3.4 デリバリーグループの作成
マシンカタログで追加したノードを実際に利用可能にするために、デリバリーグループを作成し、
マシンを登録します。「デリバリーグループ」構成ウィザードをつかってデリバリーグループへ
の登録をしましょう。
(1)
サイドバーの「デリバリーグループ」を右クリックして、「デリバリーグループの作成」を
クリックします。
(2)
「デリバリーグループの作成」が表示されます。「次へ」ボタンをクリックします。
(3)
「マシンカタログの選択」でカタログに追加した「XenApp75 Windows 2012 R2」を選
択し、追加するマシン(本例では 1)を入力して「次へ」ボタンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(4)
「配信の種類」では Windows Server デスクトップの公開のみ行う場合は「デスクトッ
プ」、アプリケーションの公開のみ行う場合は「アプリケーション」を設定することも出来
ます。本例では「デスクトップおよびアプリケーション」を選択して「次へ」ボタンをクリ
ックします。
(5)
「ユーザー」ではこのマシンカタログを利用許可するユーザーもしくはユーザーグループを
指定します。本例では xduser1-xduser10 が登録された XenDesktop75 というグループを
指定します。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(6)
アプリケーションの⼀覧が表示されます。これは XenApp サーバーにインストール済みの
アプリケーションの⼀覧が表示されます。今回は Wordpad と Paint を公開してみましょう。
⼀覧の中からそれぞれ選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(7)
「StoreFront」では既存の StoreFront(本例では http://scvmm.vdi.example.com)を
選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(8)
デリバリーグループ名、表示名、デリバリーグループの説明(任意)を設定して「完了」ボ
タンをクリックします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(9)
デリバリーグループに登録できました。デリバリーグループの「アプリケーション」タブを
クリックして、設定したアプリケーションが登録され、有効になっていることを確認します。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
3.5 StoreFront サイトにログイン
ブラウザで StoreFront に設定された URL にアクセスしてみましょう。本例では
http://scvmm.vdi.example.com/Citrix/StoreWeb という URL です。設定した URL は Citrix
Studio で確認できます。
(1)
ブラウザでアクセスして、任意のアカウントでログオンします。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(2)
XenDesktop のみインストールされた時と異なり、下部に「アプリケーション」と「デスク
トップ」タブが追加されていることが分かります。
(3)
「デスクトップ」タブの「XenApp75 on 2012 R2」アイコンをクリックすると、アプリケ
ーションサーバーにアクセスできます。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(4)
「アプリケーション」タブにアクセスすると、ブラウザから共有アプリケーションにアクセ
スできます。アプリケーションは ICA プロトコルを使って転送されてクライアント上に表
示されます。
(5)
Wordpad を起動してみましょう。
(6)
アプリケーションを起動できます。
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3. 【XenApp 7.5 インストール編】
(7)
共有アプリケーションの作業データはアクセスしているクライアント上や共有アプリケーシ
ョンサーバー(本例では xenapp75)上に保存できます。
設定によりローカルクライアント上に保存するのを禁止することも出来ます。
いかがだったでしょうか。XenApp 7.5 はこれまでのバージョンの XenApp と比べて非常に構築
しやすくなりました。また、XenDesktop 7.5 との組み合わせも簡単であることがご理解いただ
けたかと思います。
XenApp7.5 と XenDesktop 7.5 は 30 日試用可能です。早速ダウンロードいただき、最新のデ
スクトップ仮想化を体験してみてください!
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シトリックスについて
Citrix Systems, Inc. (NASDAQ: CTXS)は、クラウド時代における企業と IT 部⾨の業務、従業員のコラボレーションのあり方を変
革します。クラウ ド、コラボレーション、ネットワーキング、仮想化の分野で業界トップクラスのテクノロジーを擁するシトリックス
は、26 万を超える組織の複雑な エンタープライズ IT を簡素化し、アクセス性を向上させることで、モバイルワークスタイルとクラウ
ドサービスの発展に寄与しています。インター ネットユーザーの 75%が日々シトリックス製品を利用し、シトリックスは 100 以上の
国と地域で 1 万社を越えるパートナー企業と提携しています。
2011 年度の年間売上高は 22 億 1 千万ドルでした。詳細については www.citrix.co.jp をご覧ください。
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標はそれぞれの各社が所有権を有するものです。