2009.11.27更新 【1】 オーディオ類 3 1 2 ※1=スピーカー TANNOY AUTOGRAPH 1964年製 1964年製、部品まで完全オリジナルです。 4 前年の1963年、新聞社の招待でヨーロッパに出かけた五味氏が、イギリスで タンノイ社に発注し、翌年船便で到着した、氏のオーディオの象徴的な存在です。 高さは約150センチ、大型家具のようなこの機器は、「英国の気品」とも称され、家庭 用スピーカーとしては名品の誉れ高い製品です。タンノイ・オートグラフを日本に初め て輸入したのは五味康祐氏だと言われています。 当初白木だったそうですが、今は時代がついて飴色になっています。 主を失って30年近く経過し、練馬区に来たときには音色は失われていましたが、 「音で洗う」ことで次第に回復し、ひとつの部品も取り替えずに、レコードコンサー トできるまでになってきました。中はレッドのモニターが入っています。 五味氏がこよなく愛したタンノイ・オートグラフ。氏の思い出に溢れた姿で、 佇んでいます。 ・2009 年夏、ウーハーが鳴らず、修理の ため初めてタンノイを開けることになり ました。 【左:前面を外したところ/右:さらに 上半分を開けたところ】 黴もなにもなく、非常にきれいな状態でした。不良箇所は、接続部分。専門家に磨いていただ き、もとに戻すと、トラブルは収まりました。 レッドのモニターです。 ※2=プレーヤー、プリアンプ、メインアンプのセット。 LP レコードプレーヤー EMT930ST/カートリッジ プリアンプ McⅠntosh C-22/メインアンプ EMT TSD-15 McⅠntosh MC-275 ※3=ハイファイ電蓄 Telefunken(テレフンケン)Opus S8コンソール ドイツ製のコンソール(アンプ・プレーヤー・スピーカー一体型)の電気蓄音機です。 幅は180センチあまり、高さは70センチほど、超重量級の製品です。 方々が壊れていて、今は鳴らない状態ですが、氏がコレクションした当時は、どんな 音色だったのか、想像がふくらみます。昭和30年代前半のものかと思われます。 ※4=プレーヤーの本体。区が受領した当時の姿。公開にあたって、サスペンション(振動な どを防止し、安定した状態に保つホルダー)をつけました。 【2】昭和28年、自作の「LP 百選」 遺品を整理の中で、自作の「LP 百選」が発見されました。 「1953年3月8日作成」と記されており、市販の電話帳を使って、1ページ1曲ずつ記され ています。1953年3月といえば、2月の芥川賞受賞直後、ようやく小説家として世に出たとき ですが、その晴れがましさと安堵の反面、自分が志した純文学の方向とは異なる「剣豪小説 家」のレッテルを貼られたことに当惑した氏は、しばらく時代小説の執筆依頼を断り続けます。 従って受賞したからと言ってすぐに生活が豊かになることもなく、相変わらず生計は新潮社の 社外校正員の給料で細々とつなぎ、もっぱら頻繁に編集長である齋藤十一氏の家を訪ね、レ コードを聴かせてもらう生活でした。ということは、この LP 百選は想像上のもの、ということか もしれません。 (斎藤十一氏・・「週間新潮」編集長、のち新潮社役員。「フォーカス」の創始者でもある。 五味康祐無名時代に、偶然から斎藤氏の知遇を得るが、文学、クラシック音楽、オーディオ の分野で常に五味康祐の師というべき人物となった。斎藤氏なくして五味康祐は世に出なか ったと言ってもよいだろう。斎藤編集長率いる「週間新潮」は、昭和30年代の「週刊誌の時 代」を形成し、五味康祐の『柳生武芸帳』、柴田錬三郎の『眠狂四郎無頼控』の連載で巷の話 題をさらった。) ともあれ、100曲を選ぶ楽しさに満ちたこの1冊のうち、当時の氏のお気に入りの20曲を ご紹介します。写真はその一部です。 LP百選(電話帳を広げたところ) NO.4と53 第 1 位。「魔笛」。カラヤン。 NO.29(モーツァルト・交響曲第 40 番ト短調 クライバー) 53=ブラームス、クラリネ と78(モーツァルト・ピアノ四重奏曲第 1 番K478 ブダペ ット三重奏曲 スト四重奏団) レジナル ド・ケル (紙の表裏に記されています。) 順位 作曲者 曲名 記号番号 演奏者 1 モーツァルト 魔笛 SL-115 カラヤン 2 ドビュッシー ペレアスとメリザンド ML-2186 アンセルメ 3 バッハ 平均律クラヴィーア曲集 JM-1017 ランドフスカ チェロソナタ第1番、第2番 ML-4349 カザルス 4 (空欄) 5 バッハ 6 (空欄) 7 バッハ 三つのピアノのためのコンチェルト ML-2196 カサドジュ 8 ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲 WL-5049 ペーター・レイヤー 9 フォーレ ノクターン第6番 PL-7520 エンマ・ボワネ 10 モーツァルト フィガロの結婚 SL-114 カラヤン 11 バッハ ゴールドベルグ変奏曲 LM-1080 ランドフスカ 12 ミヨー 子供と母のカンタータ ML-4305 ミヨー 14 ベートーヴェン ピアノソナタ第30番 作品109 LL-266 バックハウス 15 バッハ パルティータ 16 モーツァルト 弦楽四重奏曲第19番「不協和 13 (空欄) ランドフスカ AL-86 クロル四重奏団 音」、17番「狩」 17 ハイドン 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」 AL-58 クロル四重奏団 18 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 LL-417 バックハウス 19 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲二長調 ML-4371 フランチェスカッテ ィ 20 シベリウス ヴァイオリン協奏曲二短調 Pー8175 カミラ・ヴィックス (実物はすべて原語表記) 【2】脇差 びぜんおさふねさこんのたいふもろみつ 脇差 銘「備前長船左近大夫師光」 銘文「応永七年二月■日」 (南北朝、1400年か) 白鞘、拵(こしらえ)なし、 全長44cm ☆時代小説作家らしい、遺品です。 ☆実物の公開は、今しばらくお待ちください。
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