「主よ、お話しください。僕は聞いております」

1
ガイドライン2016-2017年、9月分
「主よ、お話しください。僕は聞いております」
2
今月のことば
それはシロでの夜のことでした。祭司エリは床に就いて横になり、眠りに落ちようとし
ていたまさにその時、少年サムエルが駆け込んできたのです。しかしエリは、「わたしは呼
んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、サムエルは戻って寝ます(サムエル上3章
5節)
。その子どもは戻って、また横になります。同じことが2度、3度、起こりましたの
でエリは、主が少年を呼んでおられると悟りました。それでエリはサムエルに、
「戻って寝
なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話ください。僕は聞いております』と言い
なさい」と言われました。
それでサムエルは戻って、自分の場所で寝ました。主が来てそこに立たれ、これまでと
同じように呼ばれました。
「サムエル、サムエル」。サムエルは答えます。「どうぞお話しく
ださい。僕は聞いております」。
こうしてサムエルは、主の預言者になりました。サウルをイスラエルの、初代の王に奉
じたのもこの主でしたし、また兄弟たちのいる前で、油のいっぱい入った角でダビデに油
を注がれたのも、この主でした。
少年サムエルは主によって選ばれましたが、この選択は人間の計画とは異なるものでし
た。エリの息子たちが父親の後継者と目されていたのですが、息子たちは呼ばれませんで
した。
サムエルの子どもたちではなく、サウルが選ばれたのは、イスラエルがアンモン人との
戦争中で、サウルのような人を必要としていたからです。
年上の兄弟たちではなく、ダビデが選ばれたのは、サムエルが主の言われた言葉に、よ
く耳を傾けていたからです。「立って彼に油を注ぎなさい。これがその人だ」
。
私たちにいつも計画があることによって私たちの共同体は、生き生きとしていることが
できます。私たちは若者たちが来て、私たちを助けてくれるものと期待しています。そし
ていつの日か、その若者たちが灯火を掲げ、他の若者や家族に声をかけ続けてくれると期
待しています。
私たちにいつも計画があることによって「信仰と光」は、可能な限り、長続きします。
そして私たちは、コーディネーターとして使命を遂行しているすべての人々に寄り添い、
養成し、励ますのに忙しくしています。
3
すべてがよいもので必要なことですが、私たちは共同体や運動のために、イエスの呼び
かけに注意を払っているでしょうか。リトリートは、奨励されるべきで、少し立ち止まり、
私たちの原点に立ち帰り、そしてもっとイエスに信頼するよう沈黙するために不可欠です。
イエスは私たちにメッセージを与え続けておられます。私たちは心が沈黙のうちにあると
きにのみ、イエスのメッセージを聞くことができます。将来、いつの日か私たちの共同体
や運動を導いてくれるすべての幼いサムエルたちを、無視しないようにしましょう。これ
は私たちが何もせず、完全に運命に委ねるべきであると言っているのではありません。し
かしながら識別作業は、神の選択に立ち帰るために、絶対に必要です。そうすることで、
コーディネーターは共同体や「信仰と光」という舟の舵取り役になります。つまりその人
は、定められた目標や現在の状態からして、最高の人材ということになるのです。しばし
ば言われていることですが、模範は天からのものです。ジャン・バニエやマリーエレン・
マチューは、自分たちの後継者を指名するようなことは、決してなさいませんでした。こ
の二人は識別を全面的に信頼し、聖霊の行われる召命の働きにおまかせしました。「信仰と
光」の祈りが私たちに「イエスよ、あなたは私たちが『信仰と光』において、あなたに従
うようにと私たちを呼ばれました。私たちは『はい』と申し上げたいと思います」 と言っ
ているのは、すべてをコントロールする必要がないからであり、少年サムエルが主に呼ば
れていることを疑いもしなかったエリのように、私たちも驚かされてもいいようにしてお
く必要があるからです。
主よ、お話しください。私たち皆が、今年、聞いています。
今月のテーマに焦点を当てる
神は私たちが幸いを見つけられるところへ私たちを呼び集められる。
どうしてこのテーマなのでしょうか。誰かあるいは何かの大切さを測る計器、またそのよ
うなものが私たちにとっていかに貴いものであるかを測る計器が、私たちの心の中にあり
ますので、神は「幸いなるかな」を見つけるために私たちを呼び集められます。私たちの
最大の宝物は、私たちが最も愛するものです。
「あなたの富のあるところに、あなたの心も
あるのだ」(マタイ福音書6章21節)。こういう訳ですから、神は私たちの幸いに無関心
ではいられないのです。なぜなら神にとって私たちは、とても大切な宝物であると言って
おられるからです。この一年間を通して多くの人々が、自分の宝物を見つけます。「信仰と
光」共同体における友情です。真の友情は、命を含めすばらしいものを造り出します。
鍵となる考え:神が私たちを呼んでおられます。神に心を開きましょう。共同体は他者に
対して、自分の心を開くことのできる場所です。
4
聖書の参考箇所:
-出エジプト記4章10-12節:モーセは、自分が神の言葉を告げるのに相応しくない
人間だと思っています。
-ルカ福音書5章1-11節:ペトロもまた、自分がそのような立派な人間ではないと思
っており、自分と距離をおくようにイエスにお願いします。
-1ペトロ4章10-11節:皆が、それぞれの分かち合える賜物を持っています。私は
誰と私の賜物を分かち合うのでしょうか。
■歓迎と再会
コーディネ―ティング・チームの2人のメンバーが、共同体のメンバーを歓迎します。コ
ーディネ―ティング・チームの2人のメンバーは、
「共同体で神に仕えるようにと、あなた
は神に呼ばれています」と言いながら、共同体のメンバーと抱き合います。神さまが私た
ちを、祝福してくださいましたので、私たち全員が、冠を受けます(付属の宝箱参照)。
■分かち合い
◍皆でいっしょに:サムエルへの主の呼びかけをマイムで再現する。
サムエル上3章1-21節
あなたが私を呼ばれました。私はここにおります。主よ、お話しください。あなたの僕は
聞いています。
◍小さなグループになって
-私はすでに神からの呼びかけを聞いたことがあるでしょうか。
-主は、どのように私を「信仰と光」に導いてくださったのでしょうか。
-私は自分のどのような賜物を、この共同体で献げ、活用しているでしょうか。
■芸術家の工房
楽器:ホルン
ホルンを作ります(付属の宝箱参照)。人々を呼び集めるために、以前、この楽器を使っ
たことがあります。
5
■祈り
到着時に共同体のメンバーを歓迎したコーディネ―ティング・チームの2人が、皆を祈り
のコーナーへ呼ぶのにホルンを吹きます。
◍耳を傾けてください
耳を傾け、神の声を聞いてください。喉の渇いている神に耳を傾けてください。神はご自
身をあらわされます。
あなたの中のすべてを静まらせて耳を傾けてください。
あなたの中のすべてを落ち着かせて耳を傾けてください。
そしてあなたの神が話しかけられるとき、耳を傾けてください。
あなたの心配をそこに置いて、耳を傾けてください。
言葉は静まり、涙はおさまります。耳を傾けてください。
神はたゆむことなく種をまかれます。
神のみ言葉は、私たちを満たすパンです。
耳を傾けてください。神はあなたを荒れ野へ招いておられます。
心の沈黙へ、永遠の泉へと招いておられます。
耳を傾けてください。神が戸口に立ち、戸を叩いておられます。
その戸を開ける人は幸いです。
耳を傾けてください。神はあなたのすぐそばを通り過ぎて行かれます。
そよ風の中を、聖霊の風の中を。
耳を傾けてください。あなたは神に愛されています。
あなたは神に選ばれた人。神はあなたに生きる力を与えたいと望んでおられます。
(「ケミン・ノイフ」共同体の詩より)
◍貧しい人の祈り
イエスよ、私に話してください。私は聞いています。
■お祝い
◍ダンス
冠をつけたままで、ダンスをします。ゲームのリーダーが何らかの動きをしますので、
皆がそれをまねします。踊っている間、かぶっている冠が落ちないように、注意してい
なければなりません。冠を落とした人が、次のゲーム・リーダーになります。
6
◍ゲーム:それは誰でしょうか。
輪になって座ります。ゲームのリーダーは、密かに共同体のメンバーの1人を選び、そ
の人の賜物のひとつを、パントマイムで披露します。優しさ、注意深さ、寛大さ、言葉
や歌の賜物などです。それがいったい誰なのかを1番に正解した人が、次のゲーム・リ
ーダーになります。
エキュメニズムを生きる
連邦の断食(スイス)
1619年、ドルトレヒト・シノドスに従い、プロテスタントの州が初めていっしょに断
食する日を決めました。1639年、プロテスタント議会で年間の断食日を制定しました。
1643年、カトリック議会も同じようにしました。
そして1796年9月8日、スイス全国で、初めての連邦断食が祝われました。この日は、
今もスイス共和国の仲裁法と復興法に残されています。1832年に制定された連邦の断
食は、1848年に誕生した、新しい連邦州においては、宗教や社会の平和を強化するこ
とによって、重要な役割を果たすことになりました。