~アートカードについて~ 岡本太郎作品の中で代表的な物を、油彩、彫刻、版画、レリーフ、インダストリアルの中から 24作品選び、ラミネート加工してカードにしたものです。小、中、高、特殊教育諸学校での図 画工作、美術鑑賞教育等に役立つよう貸し出しを行っています。カードの表には作品名と制 作年が記載されております。 《アートカードゲーム》 アートカードを使って、遊びながら楽しんで作品を鑑賞することができます。作品に親しみなが ら作品の細部までよく見る力がつきます。また作品を通してコミュニケーション能力を高めたり、 言語能力を高めたりするのにも効果的です。 川崎市の小学校図画工作科実技研修会で考えられた遊び方を引用し、アートカードゲーム 遊び方例(①~⑤)として提示しました。アートカードゲームの遊び方はこの限りではないので、 カードの遊び方を子どもたち自身で考えるところから活用するのも良いでしょう。 図画工作、美術鑑賞教育において作品鑑賞の手助けになることを期待するとともに、アート カードを活用してみての感想、授業実践事例等、当館にお知らせしていただくと幸いに存じま す。 川崎市岡本太郎美術館 教育普及担当 アートカードゲーム遊び方例① 《マッチングゲーム》 対象:小学校中学年~中学校 人数:4,5人のグループ 時間:45分~50分 特徴:2つの作品について、共通点をさがすゲームです。作品の細かい所をよく見る習慣が身 に付くとともに、個人の鑑賞の視点をお互いに認め合うゲームです。 活動の流れ:ルール説明(5分)、カード鑑賞(5~10分)、 ゲーム(25~30分)、振り返り(5分~10分) ~ルール~ ① グループに1組ずつアートカードを配り、カードを裏にしてばらばらに並べる。 ② プレイヤーはカードのまわりを囲むように座り、じゃんけんで順にカードを2枚ずつめくる。 ③ カードにのっている2つの作品の共通点を見つけ、他のプレイヤーに説明する。他のプレイ ヤーが全員納得し拍手したら、カードをもらうことができる。 〈例〉「どちらにも顔がある」、「どちらも立体作品である」 など *共通点は作品の色、形、素材、種類(絵画、彫刻・・・)など、どんな事がらについてでも構 わない。しかし、1度誰かが見つけた共通点は使うことができない。 ④ どうしても共通点を見つけられなかった場合はパスをして、カードをもとのように裏にし、次 のプレイヤーからはじめる。 ⑤ すべてのカードがなくなったらゲーム終了。 ⑥ 最後に今日のゲームについて振り返りを行う。 アートカードゲーム遊び方例② 《一言連想ゲーム》 対象:小学校低学年~ 人数:4.5人のグループ 時間:45分 特徴:作品についての特徴やイメージを一言で表すというゲームです。同じ作品でも見る人に よって、受ける印象はさまざまであることを意識できます。 ~ルール~ ① グループに1組ずつアートカード を配り、カードを表にしてばらば らに並べる。 ② プレイヤーはカードのまわりを囲 むように座り、じゃんけんで順に 親を決める。 ③ 親は心の中で作品を一つ選び、 その作品について一言ヒント (イメージ)を言う。 〈例〉「とげとげしている」、「『おはよう』とあいさつしているみたい」 など ④ 他のプレイヤーはどの作品についてのヒントなのかを連想し、親の「いっせーのせっ!」とい う合図で一斉にカードを指さす。 ⑤ 親の決めたカードと当たっていたら、カードがもらえる。複数の人で同時にあてた場合はじ ゃんけんをする。 *一言だけではヒントが難しいという場合は二言、三言など、児童の実態に合わせて遊ぶ。 《タイトル当てゲーム》 対象:小学校中学年~ 特徴:一言連想ゲームより少し難易度の高いゲームです。作品に自分自身でタイトルをつける ので、あらかじめカードに印字してある作品名をシールなどで隠しておきます。 アートカードゲーム遊び方例③ 《一言連想ゲーム~展示パネルバージョン~》 対象:小学校高学年~中学校 人数:グループ~クラス全員 時間:45~50分 使用する教材:アートカード(24枚の内19枚)、パネル(A3サイズ 36枚) 特徴:親は作品を自由に選ぶのではなく、ランダムにカードを引くので、少し難易度が高いです。 アートカードと展示パネルを連動して使います。少人数グループだけではなく、クラス全員 で一斉に作品を鑑賞するときに効果的です。 活動の流れ:展示パネルを自由に鑑賞(10分)、ルール説明(5分)、 ゲーム(25分)、振り返り(5~10分) ~ルール~ ① ラミネート加工されたパネル(36作品)をあらか じめ展示しておく。パネルと同じ作品(19作品) をカードから選んでおいて、裏にして並べる。 ② 親が1枚カードを引き、他のプレイヤーにはカード を見せないようにして、作品の特徴やイメージな どを一言でいう。 ③ 他のプレイヤーはどの作品についての特徴やイ メージなのかを連想して展示パネルの中から探し当てる。 ④ 正解した時点で、親から作品についてタイトルや、なぜそのようなイメージがわいたのかな どを発表してもらう。 ⑤ 最後に今日のゲームについて振り返りを行う。 ~ラミネート加工パネルとアートカード共通作品~ 〈油彩〉・空間・傷ましき腕・夜・重工業・森の掟・海辺の肖像・マラソン 〈彫刻〉・午後の日・誇り・若い時計台・樹人・太陽の塔・ひらく肖像・こどもの樹 ・光る彫刻・顔 〈インダストリアル〉・顔のグラス・坐ることを拒否する椅子・夢の鳥 以上19点 アートカードゲーム遊び方例④ 《イエス・ノーゲーム》 対象:小学校低学年~ 人数:4~6人グループ 時間:45~50分 特徴:作品について質問をしてどの作品なのかを当てるゲームです。必ず一人一回は質問をし なければならないので、個人の鑑賞のポイントを共有するとともに、作品を通してコミュニ ケーションを図るのに効果的です。 ~ルール~ ① グループに一組ずつアートカードを配り、カードを表にしてばらばらにならべる。 ② プレイヤーはカードのまわりを囲むように座り、じゃんけんで順に親を決める。 ③ 親はお気に入りの作品を一つ心の中で決めておく。 ④ 他のプレイヤーは、作品について順番に一人一回「はい」、「いいえ」で答えられる質問を 親にする。 〈例〉「その作品には顔がありますか?」 親「いいえ」 *質問は作品の色、形、素材、種類(絵画、彫刻・・・)など、どんな事がらについてでも構わ ない。しかし、質問の中に作品名を使うことと、1回のゲームの中で同じ質問をすることは できない。 ⑤ 一通り質問が終わったらどの作品なのかを各自で連想し、親の「いっせーのせっ!」という 合図で一斉にカードを指さす。 ⑥ 親の決めたカードと当たっていたら、カードがもらえる。複数の人で同時にあてた場合はじ ゃんけんをする。 ⑦ グループで親が一巡したらゲーム終了。 アートカードゲーム遊び方例⑤ 《4コマまんがゲーム》 対象:小学校高学年~中学校 人数:2人~5人グループ 時間:45分~50分 特徴:作品を使ってお話作りをするゲームです。少し難易度が高いですが、 作品に対するイマジネーションを豊かにするとともに言語能力を身につけることもできま す。 活動の流れ:カード鑑賞(5分~10分)、ルール説明(5分)、ゲーム(25分~30分)、発表会 (10分) ~ルール~ ① グループごとに円を描くようにして座る。 ② カードを一人4枚ずつ手札として配り、余ったカードは裏にして中央に重ねておく。 ③ プレイヤーは手持ちのカードを使って4コマまんがのように、起承転結のお話を作る。 *どうしても思い浮かばない場合は、手持ちのカードを1枚ずつ中央に重ねてあるカードと交 換できる。 ④ お互いに自分たちで作ったお話を発表し合い、グループの中で一番おもしろかったお話、 気に入ったお話など、代表を一つ決めておく。 ⑤ 最後にクラス全体で、グループごとのお話発表会をする。 *個人でお話を考えるのが難しい場合は、グループで4枚のカードを使い、 一つのお話を作る。その後、グループ対抗でお話会をするのも良い。
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