会報 - NHK名古屋ビデオクラブ

NHK名古屋ビデオクラブ
CKVC
所在地 〒461‑8725 NHK名古屋放送局事業部内
NHK名古屋ビデオクラブのホームページ
会報
2010年10月
(9月30日発行)
発行責任:役員会
編集:坂
好治
http://ckvc.web.infoseek.co.jp
クラブ役員会は、9月12日の役員会で、秋のクラブイベントとして10月、11月の2回の例会日に
「編集なし撮影会」「テーマ作品会」をそれぞれ開くことを決めた。
いずれも、当日の講師による講評を受けたあと、優秀作品には賞品を贈呈するほか参加賞も準備、
多数の参加を呼びかけている。
10月は「編集なし撮影会」 午 前 中 に 撮 影 ⇒ 午 後 の 例 会 で 発 表
C
K
V
C
秋 のイベン ト案 内
日時:10月17日午前中
この「編集なし撮影会」は、撮影素材を後刻編集するのではなく、作品作
会場:大須界隈
りを念頭に置きながら撮影しなければならない点で、普段の作品作りとは
尺 :3分以内
異なる。通常は、予め絵コンテを描いたり構成をイメージした上で現場に
出向き、必要な素材を探して撮影、その素材を自宅などで(パソコンを使
例会:同日13時半から
ったりして)編集、作品を作り上げる。その段階でタイトルを入れ、ナレ
会場:NHKビル901号室
ーションやテロップ、BGM等を貼り付ける。
しかし、この「編集なし…」は、「集めた素材を持ち帰って自宅で編集」という工程が割愛される。
このため、編集しながら撮影す
る、つまり、どんなカットをど
んなサイズやアングルで、どれ
くらいの時間で、どう繋いでい
くか…を考えながら撮影しなけ
ればならない。
しかも作品の尺は3分以内。
同時録音は可能かも知れないが
全編を通したナレーションの貼
り付け、テロップやBGMも無理…
としたら、現場での音を生かす
配慮も必要になる。
何よりも大事なのは、会場内の
なにに焦点を絞るか、そこから
なにを伝えるか、作品の狙いを
事前にキチンと決めることが重
要になる。
そのためには、会場のロケハン
赤線の枠内が撮影会場です
は必須。当日になって現場で手
当たり次第に…ということは、
単なる素材集めになりかねない。
難しいと言えば難しいかも。それだけに、こうした「編集なし撮影」は、作品作りのための有効な訓練の場とも
言われるゆえんです。毎年2回は開かれるこの撮影会、ぜひチャレンジを。
10月例会日午前中の「撮影会」作品は、同日午後の例会鑑賞会に出品ください。テープの頭だしをお忘れなく。
HD撮影のほか、DVD、HDD、メモリーカードなどの記録媒体を使用の方は、カメラを
TVモニターに接続して再生しますので、必要なコード類を必ず持参してください。
11月は「テーマ作品会」
テーマは
あいちトリエンナーレ
11月例会の鑑賞会は、「あいちトリエンナーレ2010」をテーマにした作品に
限定したテーマ作品会。
トリエンナーレは、「都市とアートが響きあう」をテーマに、2010年8月21
日から10月31日までの期間に、愛知県内各地で随時開かれる都市の祝祭。愛
知県が今年度から3年ごとに開く。
11月の例会は、このトリエンナーレを題材にした作品会。アートなまちづくりの姿やイベントなど、あなたのア
ートな視点で切り取り、5分以内の作品に仕上げてください。
但し、会場やアート作品によっては撮影禁止の場合があります。現場では必ず確認してから撮影してください。
日時:11月14日13時半〜
会場:NHKビル901号室
内容:テーマ作品鑑賞会
尺=5分以内
ニュースの第一報はNHKへ
TEL052‑952‑7233
スクープ君アドレス s30002‑[email protected]
―1―
話題の映像は
「ほっとイブニング」へ
フォトギャラリー
AKKO
撮影 石 本 晶 子 さん
NHK名古屋 事業部
木曽馬
9月の連休で、長野県で木曽馬に乗って来ました。
天気もよく、とても気持ちがよかったです。
馬をうまく撮るのは、なかなか難しかったです。
うまだけに…(?)
(9月19日 長野県開田高原にて)
9月例会
出席29人、出品15作品
CKクラブの9月例会は、12日午後1時半からNHKビル
901号室で開かれた。
会員29人が出席、作品鑑賞会に出品された15作品
について、講師のNHK名古屋局報道部映像取材・後
藤哲史デスクから講評を受けた。
この中で後藤講師からは、非油圧式三脚の使い方
のコツや、ドリー(移動)撮影の注意点などにつ
いてアドバイスがあった。
【写真】上:9月の例会風景
下:講評中の後藤講師
見やすいビデオ映像であるための最大のポイント
■雲台を持って安定した動きを■ は、映像が安定していること。そのためには、カ
(非油圧式三脚の操作)
メラを支える三脚もドッシリしていなければなら
スムーズなパンやティルトをする
には︑雲台を持って操作すると安
定しやすい︒
画:後藤講師︶
ない。足元がぐらついたのではカメラの安定もおぼつかない。三脚はカメラの重量より重
いものを…と言われるゆえんでもある。更に、パンやティルトなどでも滑らかな画を撮る
ためには三脚(雲台)部分がスムーズに動くものの方がいい。それを可能にするのが油圧式
といわれる雲台。だが、アマチュアの場合は、価格面の問題もあって非油圧式雲台の三脚
を使っているケースが多い。
こうした非油圧式三脚の場合、パン棒で雲台を操作すると
どうしても動きが不安定になり、映像もガクガクしたりし
やすい。これを出来るだけ少なくする方法は、雲台を手で
直接持って動かすと良い。(右図参照)
一度試してみてはいかが?
■画を意識しながら歩く■ 映像はフィックスが基本。とは言え、ドリーは撮り方
次第で作品の面白み、厚みを増す。
(ドリー撮影の注意点) 例えば、旅行ビデオ。移動の際のドリー映像はシーン
とシーンのつなぎ役を果たし、場所移動がわかり易くなる。広い空間では、様子をつぶや
きながらのドリーも面白い。問題は、ドリー撮影の意味を誤解しないこと。
つまり「単に歩きながら撮影する」ことではなく、「画を意識しそれを歩きながら撮る」
ことで、被写体を表現するための一手法。構図やアングルを考えなければならない。
(
9月 の 鑑 賞 会 作 品
サファイア・プリンセスを見学
講評:後藤 哲史 映像取材デスク
4:54
青山 富美男
ドリーが安定している。
ドリーは歩きながら撮るのではなく、ファインダーの画を意識し
ながら歩くのが本筋。
但し、安全にはくれぐれも注意が必要。
湯ノ山温泉と紅葉のロープウェイ
2:56
岩谷 久行
タイトルで「紅葉とロープウェイ」を謳うなら、そんなカットが
欲しい。
ロープウェイから眺めた動きのあるカットも欲しい。
―2―
門司港レトロ
5:00
大谷
和子
夕刻の景色は、日暮れ10分前からが一番きれい。室内のWBにし
て撮ると、抜けの空とライトアップがきれいに撮れる。
バナナの叩き売りのような場面は、臨場感を出すために手持ち
撮影も。
3次元のアート展
3:54
細井
豊
人の反応が面白いが、客の表情あっぷが見たかった。
編集は起承転結で構成を。破天荒というリズムもある。
はてな?と思わせて答えへ導くか、答えを見せておいて人の反
応を見せるか。
外堀に大きなまきわら舟
3:30
川村
晴江
全体像(主役+見てる人+現場の規模)がわかるカットが欲しい。
FIXでまきわらのフレームインからフレームアウトまでを見せて
も良いのでは?
最初に、一番きれいなカットを見せる手もある。
鳥取砂丘
3:15
近藤
あい子
広い砂丘。歩くのも大変、靴には砂が入り込む、はだしで歩けば熱い。
そんな様子を、歩きながら、つぶやきながら、自分の声をを生かして撮る
のも面白い。
そんな情報をスーパーで補完しても良いかも。
煙袋斜街散策
4:33
高木
萬里子
現地での音を意識し、その音を受けて、関連した被写体を撮っ
ているのもいい。
導入部分では、バスの中の映像があっても良かったのでは?
下呂市小坂の200滝
4:30
柏尾
克時
200滝と言うからには、もっと滝が見たかった。
滝にまつわる伝説などがあれば紹介したい。
滝(とか川)は、水の流れに沿った(上から下へ)撮影が自然。
編集では、カット残りに注意。
フィジー、子ども達とのふれあい…一人旅
人との触れ合いは、心温まって良い。
長い道程が撮れれば面白かった。
マンゴーのシーンは見ていて面白く判りやすい。
―3―
4:53
山下 猛
ローマの古代遺跡 フォロロマーノ
4:45
犬飼
三郎
観光地をあれこれ紹介するのではなく、自分が何を見せたいのか…それを
自分の中で決めて作品を構成することが大事。
一番見せたいものを頭にして解きほぐすか、そこへ導くためのお膳立てを
しながら最後にドンと見せるか。
無錫寸描
3:16
辻井
政治
異文化は良く伝わってきたが、無錫という街自体がどんなところか
どんな場所かなど、もっと知りたかった。
そのためには、スーパー情報にも工夫が必要か。
ミコノス島
5:00
関沢
清見
旅行ビデオではA点からB点への移動を表現するインサートカット
が大事だが、これはワンカットで十分。
ペリカンの場面では、カメラを回し続けたことでハプニングが拾え
た。そんなハプニングカットが作品を面白くする。
見ている人の表情も欲しかった。
真夏の馬篭宿と妻籠宿
4:30
桜井
高義
風景の構図は決まっているが、なにを見せたいか、なにを知っても
らいたいか。
そのためには、もっとアップが欲しい。何をアップで撮るかによっ
て焦点が絞り込まれる。
手持ちドリーを使うことで厚みも増す。
奥美濃ユリ園
5:00
車谷
忠雄
空抜きのロングは、遠景の広がりが判る。
スキー場のゲレンデを活用した花園という空間を生かしたさまざま
なアングルのカットが面白い。
見ている人のカット、ユリの種類・名前などの情報が欲しい。
竹伐採十字軍
4:57
友松
一雄
ニュース的な話題にチャレンジしているのが良い。
作品にメッセージを持たせることが出来るし、映像の世界がドンド
ン広がるはず。
作品構成は起(イントロ)⇒承(全体像)⇒転(シーンA、シーンB…)⇒
結(まとめ)が基本。
【編集後記】会報を編集しながら毎回思うことがある●鑑賞会に出品された作品の講評のこと●講師に書いていただ
いた講評メモと会場での録音を元に要約して掲載している●出品者にしてみれば、恐らく、もっと褒められたはず…
という思いが強いだろう●でも掲載文では殆どそのことに触れていない●それどころか問題点の指摘が主体になって
いる●出品者はもとより例会出席者は、個々の映像を見て、それに対する講評を聞いているのだから、全体像が理解
できているはず●だが、例会欠席者には映像の中味はわからない●講評でなにを語られたかも判らない●だとしたら
「お褒めの言葉」よりも、講評の中で講師が伝える「映像作りに参考になること」を伝えることの方が大事ではない
か●出品者には恨まれるかもしれないが、それが会報の役目ではないか●そう自問しながら毎号の編集をしている●
折りしも秋●次第に夜も長くなって虫の声も盛ん●猛暑だった今年は木々の葉の色合成も活発で素晴らしい紅葉が見
られそうとか●年末頃の例会鑑賞会では見事な紅葉が見られる?●美しいものをより美しく…さて、どう撮る?(坂)
―4―