学校事務とは 事務職員がかかわる学校事務

大磯町立国府中学校
事務主査
小林哲功
学校事務とは
担任の先生が出席簿をつける、学級通信を発行する、学習指導案を作成する、研修報告書を作成す
る、などといったことも、広い意味では「学校事務」と考えられます。それぞれの立場でなければ担
えない固有の事務があるので、それらは学校に勤務する教職員が協働し、分担して処理しています。
学校事務職員の仕事は、学校がスムーズに機能していくための「学校運営・学校経営」に関わる、広
範な学校事務の一部を事務職員が担当しているということになります。
ただし、小中学校の事務職員の職務内容は、条例規則等で定められているわけではないので、事務
職員の年齢・経験・人数や校種などによってそれぞれの学校で異なっていることがあります。そのよ
うなことから、大磯町では町立学校事務連携組織を設置し、そのなかで大磯町小中学校4校の事務職
員と教育委員会事務局職員とが協働して事務処理をおこない、各学校で大きな差異のない事務を提供
しています。
事務職員がかかわる学校事務
財 務 事 務 ・・ ・公 立 学 校 は 、 そ の 運 営 を 主 に 税 金 で 賄 っ て い ま す 。 電 気 ・ 水 道 代 か ら チ
ョークの購入まで、ほとんどが地方自治体からの配当予算で支出することになり
ます。お金をどのように使うのか、購入の契約、支出手続き等々、児童生徒の学
習環境に密接に結びつく分野ですので、事務職員の仕事の中でも重要なウエイト
を占めているものです。多くの自治体で学校と役所は財務会計オンラインシステ
ム で 結 ば れ て い ま す の で 、財 務 端 末 機 を 操 作 し て さ ま ざ ま な 処 理 を お こ な い ま す 。
給 与 事 務 ・・ ・市 立 (町 立 ) 学 校 の 教 職 員 の 給 与 は 神 奈 川 県 か ら 支 給 さ れ ま す 。教 職 員 一
人ひとりの給与データを県に報告し、正しく支給されるようにします。教職員の
権利を保障するという意味で、大事な仕事の一つです。
旅 費 事 務 ・・ ・教 職 員 が 出 張 し た 場 合 に は 、交 通 費 が 同 じ く 神 奈 川 県 か ら 支 給 さ れ ま す 。
月ごとに、何月何日だれがどこへ出かけたということをとりまとめて、県に請求
します。
福 利 厚 生 事 務 ・・ ・教 職 員 の 健 康 保 険 の こ と 、 厚 生 活 動 の こ と 、 貸 付 金 の こ と な ど に つ
いて、情報提供や書類の記入依頼と県への提出などが主になります。
文 書 事 務 ・・ ・学 校 に は さ ま ざ ま な 文 書 が 届 き ま す の で 、そ れ ら を 文 書 処 理 規 程 に し た
が っ て 適 切 か つ 迅 速 に 処 理 し ま す 。《 学 校 に よ っ て は 教 頭 が 中 心 に な っ て い ま す 》
証 明 書 発 行 事 務 ・・・ 在 学 証 明 書 や 卒 業 証 明 書 、中 学 校 で は 学 割 証 な ど の 発 行 事 務 が あ
ります。
備 品 管 理 事 務 ・・ ・学 校 に あ る 備 品 は 、 市 (町 ) の 財 産 と い う こ と に な り ま す の で 、 管 理
を的確におこなう必要があります。備品台帳の整備・台帳と現物の照合・不用物
品の処理などをおこないます。
施 設 管 理 事 務 ・・ ・同 じ く 学 校 の 施 設 も 市 (町 )の 財 産 で す 。 特 に 施 設 の 不 具 合 は 、 児 童
生徒の安全面などへの支障となるので、早期に対応することが必要となります。
教 科 書 事 務 ・・・ 義 務 教 育 の 教 科 書 は 無 償 で す 。必 要 数 の 報 告 を は じ め 受 領 し た 児 童 生
徒名簿の作成報告、転出入時の処理など、納入業者・教育委員会と漏れのない連
絡をおこないます。
就 学 援 助 事 務 ・・ ・経 済 的 理 由 に よ り 就 学 が 困 難 な 家 庭 に 対 し 、国 や 自 治 体 か ら 援 助 費
が支給されます。その認定申請や支給手続きについての仕事です。
学 校 経 営 支 援 事 務 ・・ ・学 校 運 営 や 経 営 を 支 援 す る た め 、組 織 マ ネ ジ メ ン ト を 中 心 と し
た「開かれた学校づくり」にむけた事務処理をおこないます。
事務職員は学校での唯一の行政職員です。教育職員が大多数の職場のなかで、違った角度から学校
運営に関わっていくことが求められています。同じ仕事をしている人がいないので、困難も多々あり
ますが、学校事務職員を経験してきた者としての思いは次のとおりです。
子どもたちにとって快適な学習環境を提供してあげることと、そこで働く教職員にとって過ごしや
すい職場環境を提供してあげること。そしてそれを具現化するため、心に留めているのは次のことば
です。
『 一 人 ひ と り が 単 な る 事 務 処 理 の 枠 を 超 え て 、学 校 現 場 の 実 態 に 即 し た 創 造 的 な 仕
事 を す る こ と が で き る と い う の は 、学 校 事 務 職 員 と い う 職 の 最 大 の 魅 力 だ と 思 い ま す 。
ま た 、私 た ち に は 、そ の よ う な 仕 事 を 可 能 に す る た め の 自 律 性 も 十 分 に 与 え ら れ て い
るのです。』