員と同等の給与水準であると して比較を試みたからです。 この表からわかる

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第
第 2 章 高 石市
Ⅱ部 乖 離分析 による都市財政分析
員 と同等 の給与水準 である と して比較 を試 み たか らで す。 この 表か らわか る
ことは、人ロー 人あた りの 人件費の多 い ところは人ロー 人あた りの賃金 が少 な
正解」があるわけではあ りません。
ます。全国一律 の 「
く、人 ロー 人あた り人件費 の少 ない ところは人ロー 人あた りの賃金が少 ない傾
5.民
生費
向があ り、人件費 十賃金 ×4 に よる各市 の順位 は、人件費 の みによる順位 とか
な り異 な つていることです。「
行政改革」 によ り、正 規職員 を減 らし、 そ の分
非正規職員 でカバ ー してい る実態が ここに現 れて い る よ うに思 われ ます1 2 ) 。
民 生 費 ( 経常 ) の 乖 離 は 、 決 算 一 般 財 源 に お い て1 4 億2 , 0 6 4 万円 の 不 足 と
な って い ます 。 こ こで は、 これ まで も しば しば問題 に な つて きた保 育 所 運 営 費
に つ い てみ る こ とに します。
( 3 ) 給 与費の単価差 について
給与費の単価差 は、平均年齢 の違 いが大 きく影響 してい るもの と思われます1 3 ) 。
H I と ってい
るの に対 して、高石市 の職員
標準 団体 の給与費単価 は6 9 7 万円
な
一 人あた りの 人件費 は8 5 5 万円 とな ってい ます。高石 の 人件 費単価 の
市
方が、
( 1 ) 保 育所 運 営費 の乖 離 につ いて
1 7 ) と つて い の
る
な
高 石 市 の 保 育所 運 営 費 は 、基 準財 政 需 要 額 が2 億9 0 1 1 万円
一
に対 して、決算 般 財 源 は9 億 1 , 0 0 3 万円 とな っ てお り、6 億 1 , 9 9 2 万円 もの不 足
が生 じて い ます。 この 主 な原 因 は 、基 準 財 政需 要額 の 積算 の 基礎 とな る 給 与 費
基準財政需要額 の給与費単価 よ りも1 5 8 万円高 くな ります。 この1 5 8 万円 に高石
い
市 の総務費に係 る職 員数 1 3 1 人を乗 じる と2 億6 9 8 万円 とな ります。高石市 の
2 0 0 4 年4 月 1 日 におけるラスパ イ レス指数1 6 1 は
9 7 . 1 で国家 公務員 の給与水準
単価 にお い て 想定 して い る保 育士 の 年齢 と実 際 の 高 石 市 の 保 育 士 の 年齢 との 差
を下回 って い ます。 したが って、給与 費の単価差 は、2 0 0 4 年4 月 1 日 現在 の平
2 つ と考 え られ ます。
に よる もの 、 国基準 よ りも低 額 に抑 えて い る高 石市 の 保 育料 水 準 に よる もの の
均年齢が4 8 歳とい う高石市 の職員構成 の高齢化 の影響 と考 え られ ます。
( 2 ) 保 育 所 運 営費 につ いて
のまとめ
( 4 ) 総 務費のH T L 離
職員構成 の高齢化 と退職者 の増大 は、退職手当を含 む人件 費の増大 をもた ら
保 育 所 運 営 費 の 財 源 は、公 立 の 場 合 は、 一 般 財 源 、延 長 保 育 な どの 特 別 保
一
育 の 補 助 金 及 び 保 育 料 で 、 私 立 の 場 合 は、 般 財 源 、 国庫 負 担 金 、 都 道 府 県
職員構成 の傾向は、全国の 自治体 に共通す る問題 であ り、基準財政需要額 の積
負 担 金 、 延 長 保 育 な ど特 別 保 育 の 補 助 金 及 び 保 育 料 とな って い ます 。 特 別 保
一 般財 源、
育 を除 く保 育 所 運 営 費 の 負 担 割 合 の 基 準 は、公 立 の 場 合 は 、5 0 % が
5 0 % が 保 育料 とな り、私 立 の 場 合 は、1 2 . 5 % が 一 般 財 源 、2 5 % が 国庫 負 担 金 、
算 にお いては、給与費 の単価 を職 員 の高齢化 にあわせて改善 した り、団塊 の世
1 2 . 5 % が 都 道 府 県負 担 金 、5 0 % が 保 育 料 とな っ て い て、 基 準 財 政 需 要 額 も こ
代 の退 職 を考 えた退職手当の単価 の 見直 しが必要 と思われ ます。
の 基 準 に基 づ い て 積 算 され て い ます が 、基 準 財 政 需 要 額 の 単 位 費 用 に は 保 育
また、職員数 は、 それぞれ の 自治体が抱 える地域 の課題 とそれに対応す る施
策、設置 してい る公 共施設 の規模 ・数 ・運営方法、直営 ・委託等 の事務執行 の
料 が 反 映 され て い ませ ん の で 、保 育所 運 営 費 の 総 額 は、 基 準 財 政 需 要 額 に 国
した が っ
基 準 で 算 定 した保 育 料 を加 え た もの に な ります ( 図表 正- 2 - 9 ) D 。
方法、職員体制 な どによ り大 きく左右 されるため 各市 の比較 は容易 ではあ りま
て 、標 準 団体 にお け る保 育所 運 営 費 の 総 額 は 、負 担 金 補 助 及 び 交 付 金 3 1 万 円、
しますが、 これは、 日本 の年齢別 の 人口構成 を反映 した もので あ り、かつ 、高
度成長期 の 人口の増大 に合 わせて職員 を大量 に採用 した結果です。 この よ うな
せんが、地域 の課題 に対応す る施策 を立案 し、それ をどの よ うな方法、体制 で
実施するか は、それぞれの 自治体 の 自治 である ことを確認 してお く必要 があ り
保 育 所 一 般 分 等 6 億9 , 2 8 2 万円、 保 育 所 特 別 保 育 分 9 , 1 0 6 万円 の 合 計 7 億8 , 4 1 9 万
191に
円
国基 準 に よる保 育 料 を加 算 した もの に な ります 。 こ れ を高 石 市 に 当 て
第 工部 乖 離分析による都市財政分析
図表 正 - 2 - 9 特
第 2 章 高 石市
別保 育 を除 く国 基 準 に よ る保 育 所 運 営 費 の 負担 割 合
ダ
7
2〕
24)で
168円です 。高石市職員全体 の平均年齢 は48歳
ぁ り、基準財政需要額 が
前提 とした保育士 の平均年齢 とお そ ら く20歳近 い差が ある と思われ、 この 差が
乖離額 に反映 されて い る もの と考 えられ ます。仮 に、保育単価 で積算 され て い
公 立保 育 所
田 一 般 財源
口 国庫 負担 金
口 都 道府 県 負担 金
田 保 吉料
私 立保 育 所
る給与費単価 と高石市 の 人件費単価 に15万円の差があ るとす る と、15万円 ×89
狗
人 ×16.4カ月 =2億 1,894万円 もの差が生 じます。
保育士 が経験 を積 み、熟練 を増す ことによって保育 の 質 は向上 す る と考 え ら
れ ます。あ ま りに低 い年齢 を想定 した給与費では、保育士が長期 に勤務す るこ
とを難 しくさせ 、保育士 の経験や熟練 に基 づ く保育 の 質 の 向上 を困難 に させ る
おそれがあ ります。 また、事実上、若年 で退職す る ことを前提 とす るよ うな基
はめ て 保 育 所 運 営 費 を計 算 す る と抑)、負 担 金 補 助 及 び 交 付 金22万 円、保 育 所
一 般 分 4億9,131万
等
円及 び保 育 所 特 別保 育 事 業 分6,457万円 の 合 計 5億5,610万
準財政需要額 の積算 は、保育士 の労働 の あ り方 と して も問題である とい わな け
円 に国基 準 に よる 保 育 料 2億9,129万 円 を加 え た 合 計 8億4,739万 円 に な ります
なお、私立保育所 の保育士の平均年齢 は公立保育所 よ りもかな り低 い と思 わ
(図表 正-2-10)2コ 。 ところが 、高 石 市 の 保 育所 運営 費 の 決算 は13億2,091万円
れ、保育単価の給与費 の影響 は、主 に公立保育所お い て現 れる もの と考 え られ
26)。
ます
に もの ぼ ってい ます。
ればな りませ ん。
乖離 の第二の理由は、保育料徴収金基準 が国基 準 よ りも低 く抑 え られて い る
で は、 なぜ この よ うな乖 離 が生 じた の で しょうか。
第 一 の 理 由 は、 保 育所 運営 費 の 7割 か ら 8害Jを占 め る とい わ れ る人件 費が 、
保育単価 の積 算 にお い て極 め て低 い 単価 に設定 され て い る こ とで す。
ことです。国基準 は所得 に応 じた 7段 階 で、 3歳 児未満 が 0円 か ら8万円 まで 、
3歳 児 以上が 0円 か ら7万7,000円まで となって い ます。 一 方、高石市基準 は13
段階 で 、 3歳 児が 0円 か ら5万8,000円まで、 3歳 児 以上が 0円 か ら2万8,000円
基 準財 政需 要額 の 保 育所 運営 費 は 、保 育単価 に園 児 数 を乗 じた支 弁額 に基 づ
まで となって い て、全 体 で 国基準 の66%程 度 の 額 となって い ます。 したが っ
い て計算 され て い ます が、そ の保 育単価 の積 算 の 基礎 とな る保 育士等 の 本俸 基
て、保育料 の基準が国基 準 どお りで あれ ば、保育料収入 は、1億8,478万円か ら
準額 は、2004年度 は 、所 長 で26万1,800円、主任 保 育 士 で23万1,948円、保 育 士
9,519万円増 えて2億7,997万円になる と推計 され ます。
で19万3,698円、調理 員等 で16万4,700円 と所 長 で30歳 代 半 ば 、保 育士 で20歳 代
22。
半 ば に相 当す る単価 にな ってい ます
一 方 、高 石 の
市 保 育所 職 員 一 人 あ た りの 給 料 (本俸 に相 当 します 。)は 34万
図表正-2-10 高
石市の国基準に基づいて基準財政需要額から計算 した保育所運営費
(万円)
合計
84,739
負担 金補助 及 び交付 金
保 育所 一 般分等
保 育所特 別分等
保育料
49,131
6.457
29,129
国基準 に よる保育料 を徴収 して い る自治体 は、全 国 で10.6%(175自 治体 )
に とど ま り、独 自に保育料徴 収基準 を設 定 して い る市 町村 は87.7%(1,443自
治体)に ものぼってい ます。階層 区分 も平均で11.2階層 と国基準 の 7区 分 よ り
抑
も細 か く、同 じ所得水準 で も保育料 を低 くして い ます 。 これ らの ことは、保
育料 の 国基準 が、保護者 の所得水準や負担能力 か ら見 て妥当な水準か ど うか検
討 されるべ きで ある ことを示 して い るよ うに思われ ます。
8
デ
第
工部 乖離分析による都市財政分析
第2 章 高石市
( 3 ) 保 育所 運営費の乖離 の ま とめ
( 1 ) 公 債 費 の乖 離 につ いて
高石市 で は、公立 保育所 が 5 カ 所 で5 5 7 人、私立 保 育所 が 3 カ 所 で3 6 8 人、合
衛 生 費 の 決算 には、泉 北 環境 整 備 施 設 組 合
ダ
2"(以
9
下 、 「泉 北 環 境 組 合 」) 分 担
計 8 カ 所 で9 2 5 人の子 ど もを保 育 して い ます ( 2 0 0 4 年度 ) 。公 立 保 育所 で は 、保
1、
2ぷ
所 長 5 人 、保 育 ±6 6 人、保健 師 ・
育 士 の 配 置基準 を国 よ りもや や手 厚 くし
2 , 2 8 9 万円 あ ります 。 土 木 費 に は 、 同様 に泉 北 環 境 組 合 分 担 金 が6 億7 , 1 7 9 万円
看護 師 5 人 、栄 養 ± 2 人 、調理 員 1 1 人の合 計 8 9 人の正規 職 員 が 保 育 にあ た って
あ ります 。 また、土 木 費 に は公 共 下 水 道 事 業 特 別 会 計 繰 出 金 が8 億7 , 0 9 1 万円
い ますが 、保育士 は定 数 に2 1 人 ( 5 歳 児障害 児加 配分 、 2 歳 児定 数拡大 分 を含
あ ります。 泉 北 環 境 組 合 会 計 、墓 地 組 合 会 計 及 び公 共 下 水 道 事 業 特 別 会 計 に
む。) 不 足 し、 臨時保 育 士 に よ り対 応 して い ます 。 この 他 、延 長保 育等 に対 応
す るため 多 くの パ ー ト保育士 を配 置 して い ます。 正規 保 育 士 の 配置 の現状 は 回
は 、 それ ぞれ公債 費 が あ ります ので 、決 算 統 計 に よ り泉 北 環 境 組 合 分 担 金 中 の
金 が 1 1 億9 , 0 4 1 万円、 高 石 市 泉 大 津 市 墓 地組 合 ( 以下 、「墓 地組 合 」) 分 担 金 が
基準 を下 回 って い ます が 、それで も基準 財政需要 額 と決算 一 般財 源 の 乖離 が大
公 債 費分 、墓 地組 合 分担 金 中 の 公債 費 分 及 び公 共 下水 道事 業 特 別 会 計 繰 出金 中
の 公 債 費分 をみ てみ る と、 そ れ ぞ れ、3 億5 , 3 4 4 万円2 9 1 、
2 7 9 万円 、1 3 億4 , 6 6 3 万
き く、保 育単価 の積 算 内容 や 国 が 定 め て い る保 育 料 の 基 準 の 見直 しは重要 な課
円 とな つてい ます。 つ ま り、衛生 費 の 乖 離 額 と土 木 費 の 乖 離 額 を合 計 した2 8 億
題 で す。
1 , 5 9 4 万円の うち半分 以上の1 7 億2 8 6 万円が公債費分 とい うこ とにな ります。 し
公立 保育所 の 運営経 費 が 一 般 財源化 されて以 降 、基準 財政 需要額 の 単 位 費用
( 経常 ) は 図表 H - 2 - 1 1 の よ う に 見直 され て きて い ます が 、本稿 で み て きた と
お り、 なお、不十分 と思 われ ます 。
図表 正- 2 - 1 1 社
2004台1月
竜
2005Fiを
,支
仕上会ヤ高為115空
11,100
12,094
児章措置 費
4,142
4,946
1 9 9 0 年代以 降、国 は公共事業 を積極 的に推進 して きま した。その方針 に従 っ
2006々i十
支
14,500
注)児 童措置 費 の大半 は保 育所 連f考費 です 。
6.衛
万 円に、泉北環境組合分、墓地組合分 及 び公共下水道事 業特 別会計分 を加 えた
2 0 億1 5 6 万円 とな り、 きわめて大 きな額が決算 一 般財源 にお い て不足 して い る
こ とにな ります3 1 , 。
会福祉費 における基準財政需要額 の単位費用 ( 経常)
(111)
項 日
たが って、実質的な公債費 の乖離額 は、 もともとの公 債費 の乖離額 2 億 9 , 8 7 0
生 費 、土木 費 、公債 費
衛生費 ( 経常) は 、決算 一 般財源 にお い て1 0 億7 6 7 万円 の不足、土木費 ( 経
常) は 、決算 一般財源 にお い て1 8 億8 2 8 万円の不足、公債 費 は決算 一般財源 に
お いて2 億9 , 8 7 0 万
円の不足 と、いずれ も大 きな乖離 が発生 してい ます。
図表 正-2-12 高
石市 の 普通建設 事業 費等 の 推移
(万円)
歳
年度
市税収 入
入
歳 出
積 立金
現在高
地 方債
現 在高
336.369
1,600,330
1,042,399
1,400,452
繰 入金
地方債
公債 費
普通建 設
事業費
70,900
1996
1,528,388
94,583
219,310
1997
1,519,323
146,575
404,590
88,354
796,312
1.589,636
1,466,931
292,958
485,010
102.249
1,018,021
1,428,646
1,829,840
1999
1,448,294
230,070
328,010
182,683
752,845
1,330,292
2.040 500
1.098,682
2,404,592
953,448
2.562,485
676.058
3 074 565
584,875
3,094,343
557,830
3,062,015
2000
1,332,840
238,868
450,820
142,250
846,376
2001
1,291,484
250,605
266,400
167,997
626
2002
1.216,087
407,353
632.100
180,270
2003
1,095,810
282,570
163,970
206,460
2004
1,051.563
182,435
116,810
208,909
※積 立金現 在高 には、繰番運用分が含 まれて い ます。
1,126,675
92,434