No.68 2011 年 12 月 1 日 セザンヌの名画で日本に“希望の光”を届けます 日本製粉 2012 年カレンダー「ポール・セザンヌ作品集」制作 日本製粉(株)(会長兼社長 澤田 浩)は、印象派画家ポール・セザンヌの作品を用いた2012年カレ ンダー「ポール・セザンヌ作品集」を制作いたしました。 <光あふれる印象派の作品で、日本の復興に希望を> 光と色彩の表現に新しい地平を切り開いた「印象派」の作家たちは、そのすばらしい先進的な美 を創造することで、国を越え、時代を超えて人々に感動を与えてきました。“東日本大震災による 被災地の復興に力を尽くす方々の心を、印象派の美しい光で照らしたい”そんな想いを込めて、当 社は2012年カレンダーに、印象派のなかでも力強い作風によって「近代絵画の父」と呼ばれるセザ ンヌの作品を起用いたしました。 <見る人を元気にするセザンヌの力強い作品> セザンヌは現状に満足することなく、常に改革に挑戦しつづけた作家です。写実に始まり、印象 派の中核をなす絵画へ、そして後のフォービズムやキュービズムに影響を与えた野性的な画風へと 生涯を通じて美の探究をつづけました。また、堅ろうな構図、量感豊かなタッチ、深みのある色彩 がみごとに調和した作品は、印象派の作家の中でも群を抜く「力強さ」をそなえ、ゆるぎない存在 感を示しています。今回選んだ6点の作品は、セザンヌらしい力強い筆致を感じられるものばかり です。セザンヌ作品だからこそ感じることのできる「力強さ」が、見る人を励まし、挑戦する勇気 を与えます。 <これからも、未来への希望を発信していきます> 当社は、時を経てゆるぎなく、いっそう美しい輝きを放つセザンヌの作品のように、これからも 信頼と安心で、未来への希望を発信しつづけます。 ポール・セザンヌについて フランス、エクサン・プロヴァンスの富裕な家庭に生まれる。大学で法律を学ぶが、画家をめざす 意志が強く 1861 年以来 10 年ほどの間に、ピサロ、モネ、ルノワールなどと交流を深める。1874 年第 1 回印象派展、1877 年第 3 回印象派展に出品し、印象派の中核的なメンバーのひとりとなる。 第 3 回印象派展以降、制作の拠点を徐々にエクサン・プロヴァンスに移す。1895 年、パリで開かれ た初の個展で、新鮮で野性味あふれる作品が大きな反響を呼ぶ。生涯を通じて、美の探究に対する 厳しい姿勢を示しつづけた。 1 記 2012 年カレンダー「ポール・セザンヌ作品集」各月の構成 (解説:美術評論家 千足伸行氏) ■ 1 月-2 月 『サント=ヴィクトワール山』 1990 年 エルミタージュ美術館蔵 古代ローマ時代の故事にちなんで「聖なる勝利の山」と呼ばれる南仏の故 郷の山を描いたもの。近代の風景画にはめずらしく地平線を高く取り、山 と大地に大きなスペースをあたえている。実景にもとづいた眺めだが、青 みがかかった岩山など、色彩はセザンヌ独自の感覚にしたがって選ばれて いる、青と緑のクールな色調と、大地や家の暖かい褐色とが響き合う画面 である。 ■ 3 月-4 月 『チューリップと果物』 1890 年頃 シカゴ美術館蔵 セザンヌの花の静物はモネやルノワールのそれのような百花繚乱の華や かさにも、虹色の明るくはじけるような色彩にも乏しい。ある意味ではよ く出来た造花のようにも見えるが(実際セザンヌは造花も使った)、その分 自然の花の再現とは違った、セザンヌの花だけが持ちうる永続的な生命を たたえている。セザンヌの花に「花の命は短くて」は通用しないのである。 ■ 5 月-6 月 『マルヌ川の岸辺』 1888~1895 年 プーシキン美術館蔵 マルヌ川はパリ北東のセーヌ川の支流。画面前方は水面で、橋や家屋、岸 辺の樹木、空などが水に写っているが、モネのように揺れ動く感じは希薄 で、時間がとまったような静けさ、落ち着きが感じられる。全体的にも印 象派風の移ろいやすい光の効果ではなく、微妙な色彩の調和と入念な構図 による画面作りがなされている。 ■ 7 月-8 月 『大きな松と赤い大地』 1895~1897 年頃 エルミタージュ美術館蔵 複雑に枝分かれした松の木が前景に居座り、その向こうに赤い大地や建物 がのぞかれるが、この絵の木の幹と枝は人体で言えば骨格のような役割を 果たしている、色彩的にはクールな緑と暖かい褐色が対照されているが、 絵の周辺部に見えるタッチの積み重ねには自然を見た通りに再現しよう との意図はなく、半ば抽象画のようで、セザンヌらしさが一番よく出た部 分と言えよう。 ■ 9 月-10 月 『赤い肘掛け椅子のセザンヌ夫人』 1877 年頃 ボストン美術館蔵 元モデルのセザンヌ夫人オルタンス・フィケは、夫の仕事に理解のないい わゆる悪妻のように言われるが、他にモデルがいなかったのか、セザンヌ は彼女を繰り返し描いている。これもそのひとつで、胸の大きなリボン、 太いストライプのスカート、赤い椅子、装飾的な背景など、地味好みのセ ザンヌにしては「ゴージャス」な肖像である。 ■ 11 月-12 月 『リンゴとオレンジ』 1899 年頃 オルセー美術館蔵 生涯にセザンヌほどリンゴを描いた画家はいなかったと言われるが、誰も が食べたくなるようなリンゴを描くことが彼の目的ではなかった。彼にと ってのリンゴは将棋の駒のようなもので、絵が生きるも死ぬもリンゴの置 き方、並べ方次第だった。ここでは 20 個以上のリンゴが水差しや微妙な 色調の変化に富む布地に囲まれて、密度の高い充実した画面を構成してい る。 以上 この件に関するお問合せ先 日本製粉(株) 広報部 岩堀有津奈 TEL:03-3350-3900 FAX:03-3350-2329 2
© Copyright 2024 Paperzz