ロボティクスとプロテオミクス: バイオマーカーを発見するための 前途有望

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P ROTEI N S C I ENC E
and don’t forget
ロボティクスとプロテオミクス:
バイオマーカーを発見するための
前途有望なパートナーシップ
Robotics and
フランスの研究者らは、ハイスループットのプロテオミクスを実現するため、Tecan のシステムを利
用して患者サンプルからバイオマーカーを発見するためのサンプル調製プロトコルを自動化した。
Te-Stack を搭載した Freedom EVO 100
MultiChannel Arm によるピペッティング
Tecan Journal 3/2008
新しい疾患バイオマーカーの探索が現在
Ducoroy 博士は品質管理の重要性を強く
進められている。
それにより最終的にはさま
信じており、着実な再現性が得られるような
ざまな癌、糖尿病、
あらゆる代謝疾患を含む
標 準 化され た 手 順を達 成 するには、
数多くの疾患に対して、
これまでより個々の
Freedom EVOプラットフォームが不可欠
患者に応じた個人的な治療アプローチが
であると考えている。Freedom EVO 200
可 能 に な る。Patrick Ducoroy 博 士 は
は試験管からサンプルを吸引する8チップ
Clinical Innovation Proteomic Platのリキッドハンドリングアームを備えている。
form(CLIPP、
フランスのディジョンとブザ
臨床試験では、
タイプの異なる様々な試験
ンソンを本拠地とする)
のマネージャーであ
管が Freedom EVO 200に持ち込まれ、
り、同 社 の 保 健 部 門 は ディジョン の
こ れ をFreedom EVO 100 の MultiHospital and Cancer Centerを拠点とし
Channel ArmTM96で 処 理できるように
96ウェルマイクロプレートに分注される。
タ
ている。Ducoroy 博 士のような研 究 者に
ンパク質とペプチドの 精 製はTecanの
とって、
サンプル数の多さとスループットの
Freedom EVO 100で行われ、
さらに下
高さは優れた結果を得るうえで不可欠な要
素である。Ducoroy 博士はこう説明した。 流の解析も可能となっている。Ducoroy 博
士 はこう付 け 加 えた。
「Freedom EVO
「有用で確かなバイオマーカーを見つける
200とFreedom EVO 100はど ちらも
為の研究には、
こうしたことが極めて重要で
37℃のインキュベーターを備えていますの
す。
また、手順やサンプルの処理を標準化
で、精製後すぐにタンパク質の分解が行わ
することも非常に大切なことですし、
このよ
れ、
ペプチドが回収されます。」
うな探索の初期段階においては厳密な品
質管理を必ず行う必要があります。
自動化
は、
まさにこれら全ての目的を達成するため 「この Tecanシステムの主な利点は、患者
96 例分の処理を併行して1 時間で行うこ
の必須条件です。」
とができる能力です。処理には、
サンプルの
試験管を1つ目のワークテーブルに置く最
このため、Ducoroy 博士の研究室では用
初のステップから、血漿の分離、
ペプチドの
途の広いFreedom EVO リキッドハンドリ
精製、
そしてペプチドを標的のマトリックス
ングプラットフォームを2 台使用して、患者
上に置いて質量分析ができるようにするま
の血液から精製したタンパク質サンプルを
でのステップが含まれます。
このように迅速
展開し、長期間の保管や、質量分析による
に処理を行うことにより、優れた再現性を達
さらに下流の解析に利用している。
「われわ
成することができます。
この器械の再現性
れの Tecanのロボットは2 台が一体化され
について時間をかけて分析した結果、
とて
ており、両者は完全な互換性を持っていま
も良好な結果が得られました。1 週間のうち
す。
オペレーションには同じソフトウェアが使
に非常に多くの患者のサンプルの処理が
用されていますので、
サンプル調製時のピ
できることは極めて重要なことです。
われわ
ペッティングの手順が最大限に自動化およ
れは最終的には1,000 例を目指していま
び標準化されています。」
とDucoroy 博士
すが、Tecanの技術はこの目標を達成する
は述べた。
うえで最も重要です。」
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proteomics
もうひとつ重要なことは、
患者サンプルの間
で交差汚染が生じるのを最小限に抑えるこ
とである。Freedom EVOの場合、使い捨
てのチップに切り替えることで、
この懸念は
解決される。
サンプルごとにチップを取り替
えることが、交差汚染を防止する鍵になる。
ま た、T e c a n の P o s I DTM( P o s i t i v e
Identification System)
を使用することに
より元の試験管と分注先のプレートが全て
バーコードで特定される。
同社のチームは、分離されたタンパク質の
解析や同定を行う場合や、
臨床試験でプロ
ファイリングの比較により新たなバイオマー
カーを探 索する場 合にMatrix Assisted
Laser Desorption Ionization(MALDI)質
量分析法を使用している。
この方法では、
イ
オン化されたタンパク質サンプルが解析
チャンバー
(真空または飛行管)
を通して加
速され、
その質量電荷比に応じた分子に分
離する。時間飛行(TOF)分析装置により
飛行管内で検出器に到達するまでにかか
る時間に基づいてペプチドの質量が決定さ
れる。
その後、得られたデータを各種の統計
ツールにより、
処理および解析する。
興味深
いことに、同チームはインフォマティクス・ソ
フトウェア・ソリューションを得るために現在
Tecanと共同で開発を行っており、
うまくい
けば、
これによりFreedom EVOのソフト
ウェアと質量分析計のソフトウェアとの間で
優れた工程管理が可能になる。
これは科学器械であり、
ヒトの臨床診断
または in vitro 診断にはご利用いただけ
ません。
Clinical Innovation Proteomic Platform (CLIPP、
フランス、
ディジョン)
の研究チーム
このプロジェクトを成功させるにはTecanの
技 術 者によるサポートが不可欠である。
Ducoroy 博士はこう付け加えた。
「Tecan
のサポートは非常に素晴らしく、
特に自動化
ワークステーションに関してさまざまなパラ
メーターを変更する場合にサポートしていた
だいています。
われわれが必要とするスルー
プットやこのような優れた結果の再現性が
達成できたのはそのおかげだと私は確信し
ています。
」
TecanのProtein Scienceソリューション
の詳細については
www.tecan.com/proteinscienceの サイ
トをご覧ください。
■この記事は2008年9月発行 Tecan Journal 3/2008
に掲載されているユーザーストーリーを抜粋、翻訳し
たものです。ご質問、ご要望は下記までお願いします。
「Tecan の技術はこの目標を達成するうえで最も重要です。」
キャリアーやラボウェアを搭載ワークテーブル
Te-VacS TM バキュームセパレーションモジュールの組み込み
Tecan Journal 3/2008
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