インターネットと情報教育の現状と課題 ―情報倫理教育とはー 97UA049 池田依子 97UA182 三宅千絵 1. 研究目的 2001年までに、全国の公立小中学校にインターネットへの接続がなされる。それに よって、初等教育現場においても、同様に情報通信ネットワークに参画する頻度は高まる ことと考えられる。 小学校では特に、情報活用の実戦力の育成を主眼に、コンピュータに慣れることを目標と されているが、同時に、高等教育現場で起きている諸問題や、人の倫理観の形成を考える と、早期から情報倫理教育を徹底する必要があると考える。 そこで、これからの社会を構成する「人」としてよりよく生きることができるように、イ ンターネット社会・情報教育の中の根本問題として「情報倫理」の視点・あり方を考えた い。 また、今、女性向けの雑誌をはじめ、多くの雑誌でも特集されている「出会い 系サイト」 に実際アクセスし、登録をして実態を調べた。 「出会い系のサイト」はインターネットや携帯電話を使って手軽に多くの地域や国境を越 えたグローバルな出会いがあるというところから利用者は増える一方である。 しかし、実際出会い系サイトで知り合った人と会い、事件に巻き込まれたいう話も少なく ない。顔の知らない人とメールのやりとりだけで、会うとういう行為を提供するサイトと は、健全なサイトとは言えないのではないだろうか。 そこで、本研究では * 高度情報通信社会の中で知るべきことを文献、インターネット上より調査 * 実際に「出会い系のサイト」に参加して実態を調査する 以上、2点を調査した。 2. 調査方法 * 文献調査からインターネットについての主な内容や、インターネット、コンピュータ を取り入れた学校での現状、課題等を調査する。 * インターネット上で取り上げられている情報倫理やネチケットについての意見を調査 する。 * インターネット上の「出会い系サイト」に直接参加して、実態を調査する 3 .「 出 会 い 系 サ イ ト 」 調 査 結 果 出会い系サイトに直接参加して調べた結果は、 *簡単な登録だけで、何十人もの人と知り合う事ができる。 *届いたメールのほとんどは男性からであった。 *年齢は 18 歳∼47 歳までと幅広い年齢層であった。 送られてきたメールの内容は「メールフレンドになりませんか」というものから「不倫 希望」、「E ビジネスをしませんか」というものまであった。 このような出会いを提供しているサイトは有害サイトになるのではないかという事が今後 の課題となることが明らかになった。 4.まとめ 現場の教員の意識もまだ多様であり、情報通信ネットワーク経験にも差が見られ、校内 研修等で積極的に研修を行い、情報倫理教育に対する共通理解を図らなくてはならない。 さらに、校内だけでは情報倫理観の育成は難しいと思われる。コンピュータをはじめと する情報通信機器の家庭への普及を考えると、学校から家庭への啓蒙や協力要請が必須と 考えられる。 子どもたちがこれから作り上げていく情報通信ネットワーク社会において、自己を守り、 他を尊重し、より良く生きていく力を育てることが、教師に求められている。そしてその 力をもとに、人や自然とのつながりを深め、心豊かな人間性を子どもたち自らに育んで欲 しいと願っている。
© Copyright 2024 Paperzz