「より良い会社」を目指した活動

「より良い会社」を目指した活動
私たちコマツグループは、成長を目指して様々な経営課題に取り組むと同時に、すべてのステークホルダーと共存し、
社会に対して開かれた会社であるための活動を展開しています。
自然と共存する商品・サービスの提供
コマツは、
「Ecology & Economy」をテーマに、環境負荷低減と経済性を高度なモノ作り技術で
両立させた商品開発に取り組んでいます。2003 年 9 月に発売した油圧ショベル PC400/450
は、従来機に比べ燃費当たり作業量の向上、大幅な騒音低減を実現しています。
<
油圧ショベル PC450
お客さまの環境活動へのソリューション提供
コマツは、お客さまや社会が抱える環境問題に対し、高品質で効率的なソリューション
(解決策)を提供します。自走式破砕機をはじめとするガラパゴスシリーズは、工事現場
で発生する建設副産物を現場内でリサイクルする「現場循環型工法」を実現する商品とし
て、新しい分野を切り開きました。
コマツ旧川崎工場跡地の解体工事現場で、「現場循環型工法セミナー」を開催。 >
多くの参加者を集めました。
事業活動における環境保全活動
コマツグループでは、2001 年 3 月末に、日本国内の建機メーカーで初の達成となった小山工場を皮切りに、コマ
ツの国内生産事業所すべてがゼロエミッション * を達成しています。また、グルーバルに展開する生産拠点のうち、
2004 年 3 月末現在、31 事業所が環境マネジメントの国際規格である ISO14001 の認証を取得しています。ま
た、生産現場だけでなく、営業・サービス部門や間接部門においても、業務実態に即した環境保全活動を行ってい
ます。
* リサイクル率(=リサイクル量÷廃棄物発生量)99%以上を、ゼロエミッションと定義しています。
環境を守る意識の醸成
コマツは、環境保全活動の担当部門だけでなく、グループ会社も含めたより広い範囲の社
員を対象に環境の基礎教育を実施しています。この教育は、コマツグループ社員が、社内
だけでなく地域住民としても環境保全への意識を高めることを目的としています。職場の
コンピュータで個々に受講ができるe-ラーニングの仕組みを用いて、社員一人ひとりが業
務状況に応じて、自分のペースで環境に対する意識の向上に取り組んでいます。
26
Annual Report 2004
「より良い会社」を目指した活動
ビジネス社会のルールの順守(コンプライアンス)
私たちが追求する「品質と信頼性」とは、商品・サービスに止まらず、全世
界のコマツグループの組織、事業、社員、そして経営のすべてに関わるも
のです。コマツは、グループの全社員が順守すべきビジネス社会のルール
として「コマツの行動基準」
(制定:1998 年 1 月、最新改訂:2003 年 2
月)を定め、コンプライアンスの徹底を図っています。
安全に働ける職場環境づくり
すべての社員が健康で安全に働ける職場環境は、重要な経営基盤の 1 つです。コマツ
は、生産工場だけでなく販売・サービス関連のグループ会社も参加する「コマツグル
ープ安全衛生大会」の継続開催や、各工場の職場環境を外部機関や他工場の安全管理
担当者が客観的に評価し、課題を水平展開する「安全診断」といった独自の取組みで、
グループ全体の安全管理レベル向上を図っています。
粟津工場での「安全診断」 >
< (財)日本花の会が全国自治体との
共催で毎年開催している
「全国さくらシンポジウム」
美しい地域環境づくりを支援
コマツが活動を支援する(財)日本花の会では、創立以来
40 年余りにわたり、国内外各地に桜など花木の苗木を寄
贈し、美しい地域環境づくりに貢献しています。また、全
国各地で地域住民に愛されている桜の保全活動や、老齢
化した桜の樹勢回復の研究等にも積極的に取り組んでい
ます。
コマツ本社ビルの屋上庭園では、 >
週に1度、一般開放を行っています。
27
Annual Report 2004
アフガニスタン向け対人地雷除去機2 機種を開発
アフガニスタンでは、20 年以上に及ぶ内戦中に、1 千万発以上の対人地雷が埋設されたといわれています。内戦終結後、1998 年から 2002 年に
かけて、約 26 万発の対人地雷が処理されました * が、すべての対人地雷の除去を完了するには、極めて危険な作業を、今後途方もない時間をかけて
継続しなくてはなりません。このような状況下、現地では多量の地雷をより安全で効率的に処理できる、対人地雷除去機の開発が望まれています。
* Mine Action Programme for Afghanistan (MAPA) 統計による
コマツは、2003 年 3 月の経済産業省と NEDO(新エネルギー・産業技術総
合開発機構)による開発助成金の公募に応じ、ブルドーザーならびに道路工事
で使用されるスタビライザーという2 種類の建設機械をベースマシンに使っ
て、対人地雷除去機の開発を開始しました。
建設機械をベースとすることによって、世界中の過酷な現場で培われた信頼
性、耐久性が活かされると同時に、製造コストも抑えることができ、その結果、
専用機に対して約 1.5 ∼ 2 倍のコストパフォーマンスが実現可能です。また
地雷除去が終了した後は、作業機を付け替えることにより通常の建設機械と
して土木作業や道路工事等の国土復興に活用することが可能です。
既に 2003 年末までに日本国内での実用試験を終了し、今夏には外務省と
JICS(日本国際協力システム)のプロジェクトによるアフガニスタン現地での実
証試験がスタートする予定です。これに先立ち、4 月にはアフガニスタンの
NGO 関係者や近隣のパキスタンにあるコマツの販売代理店の社員が来日し、
運転やメンテナンスの方法について、3 週間の研修を行いました。
Interview
本年 4 月、今回の地雷除去機開発にあたり、実際にアフガニスタンで実用試験を行う現地 NGO の
方たちが研修のため日本を訪れました。
私は 18 年間建設機械の運転に携わってきましたが、今回の日本での
研修で、コマツの教官から新たに多くのことを学びました。特に、ラジ
コン操作による作業の容易さと作業効率の高さには驚いています。
Matiullah さん
Shir Agha さん
私たちの団体では、カブールとジャララバードで 3 つの学校を建設
しています。コマツが開発した地雷除去機は、その建設作業の安全
確保に、そしてアフガニスタンの未来を担う子供たちの安全のため
に大いに貢献してくれることでしょう。
28
Annual Report 2004