4電 解 竹 4.1.B. 有機 溶媒 リチ ウム (イ ォ ン)電 池 の電解液 として提案 され,ま た使用 され て きた有機溶媒 の うち主要 な ものの 物性値 を表 lLaに 示す。 リチ ウム塩 を溶 解 して イォ ン伝 導性 を与 える こ と,お よび リチ ウム (あ るい はそれ と同等 の電位 を もつ化 合物 な ど)と 化学反応 しな いため には,溶 媒 は非 プロ トン で 性 ,か つ極 性 を有 す る必 要 が あ る 溶媒 の融点や沸点 は電 池 の作動温度範 囲 に直接関係 す る性質 であ るが,分 子 構 造 や分 子 FEl相 互 作 用 な ど溶媒分子 の物理 化学 を反 映 す るパ ラ メー ターで もあ る 室 温 か ら-20・ C あた りの温度範囲で液体状態 を保 つ ものが望 ましい。溶媒 の誘 電率 は電解質 のイオ ン 解離 と会合 に強 く関係 す るので,電 解 ltlの 伝導度 や電極反応挙動 その ものに も大 きな影響 を与え る 双極子 モー メ ン トも溶媒 の極性 を表わすパ ラ メー ターで あ るが,分 子の モル体積 を介 して比 誘電 率 と相関 して い る。 溶媒 の粘度 は電解液 中の イオ ンの移動度 に直接 の影響 を与 える.分 子量 や 密度 な どの性質 とも関係 す るので,溶 液 の微細構 造 に関 す る情報 を提供 す るパ ラメー ターで もあ る. ドナー数 とア クセプター数 はそれ ぞれ溶媒 の求核性 (塩 基性 )と 求電子・I(酸 性 )を 表 わすパ ラメー ーい タ で あ り,イ オ ンの溶媒和 を考 える うえで重 要な指標 となる. 優れ た電解 液 を得 るための溶媒 の条件 としては,電 池 の作動温 度範囲 の点 か ら,低 い融点 と高 い沸 点 ,お よび低 い蒸気圧が好 ましい. また,高 い電解液伝 導度 を るには い 得 高 誘電 率 と低 い粘度 を もつ 溶媒 が望 ましい。 これ らの条件 は原理的 に相反 す る もの もあ り ,す べ ての要求 を満足 す るこ とはで き な いので,実 用電 池 では異な る性質 を もつ溶媒 を組 合 わせた 多成分 系混合溶媒 が 用 い られ るこ とが 多 │ゝ 表 1 融点 溶媒 (略 号 ) ■な有機溶媒の物性lrt 沸 rt /C latn1/c latm ■ブ レン カー ボ ネー ト(Ec) プ ロ ピ レン カー ボ ネー ト(PC) 39-10 248 -19 2 241 7 ジ メチ ル カーボ ネー ト(Iハ I(]) ジ ■ ナ ル カー ボ ネー ト(1)EC) ()5 -13 エ チ ル メナル カー ボ ネー ト(EMC) 12ジ メ トキ シ Lタ ン (1)ヽ lE) テ トラ に ドロ フ ラ ン (Hi「 ) -55 -58 -lo8 5 2-メ チル テ トラ ヒ ドロ フラ ン (ヽ 1l II「 ) 13ジ ォ キ ソラ ン (I)OL) 95 1メ チル 13ジ オキ ソラ ン ID(,L) -125 ジエ チ ルェ ー テル (DEE) _1162 (卜 γ―ブ チ L・ ラ ク トン (BL) 3-メ チル オ キサ ゾ リン ノ ン (ヽ 42 10X) ギ酸 メチル (ヽ lr) スル iト ラ ン (S, ジ メチ ル スフ レホ キ シ ド(I)ヽ ISO) アセ トニ トリル (AN) 159 _99 2886 1842 _4572 a)at25C b)at31c c)at10C d)at 20 C 比誘電 響 89 6・ ) 64 1 9()ヽ -91 1 860 2 53 126 8 2 82 0 748 2 , ()65 65 80 , 2 ()455 24 1 71 20 6 24 0 224 118 192 1 751 412 6 79` 〕 ()58 (' 8 1 27 39 1 31 5 5 8''5° ' 287 3 42 5` ) 189 81 77 メ:蹴 了 18 3 ) 8 0 457 78 206 164 15 1 1 07 7 25'' 0 46` メ5 31 6 48 521 ア (, 59 101 81 7 数 TIIi卜 0 60 2 45 0 33 9 87'' 39 1 77 47 148 19 3 16 15 1 991 3 96 29 8 19 3 38 0 315 3 94 141 189 110 H 、 リチクノ 系二次電池 炭酸 エ ステル (カ ーボ ネー ト)類 は, リチ ウムー次電池開発 当初 か ら優 れ た電解液溶媒 として使 用 さ れて きた.プ ロ ピレンカー ボネー ト(PC)や エ チ レンカー ボネー ト(EC)の よ うな環状 エ ステル は高 い い 誘電率 を もつ反面,分 子 内の電荷 の偏 りが大 きいので,溶 媒分子間 の相 互作 用 が強 く働 き,高 粘性 ニル基 (>C=0) を示 す。 これ に対 し,ジ メチル カーボ ネー ト(DMC)な どの鎖状 エ ステ ルで はカル ボ に結合 したアル キル基の回転障壁 が小 さいた め,誘 電率 は低 くな る ものの溶媒 粘度 も低 くなる この い られ てい る.表 性質 によ り, リチ ウム イオ ン電 池 の電 解液 で は共溶媒 として ECな どに混合 して用 に示 した もの以外 に も新 しい溶媒 がい くつか提案 されて い る。 4.lC 電 解 質塩 ン しか つ 高 いイ 実用電池 では数種類 の リチ ウム塩 が使用 されて い る。有機溶媒 中 で容易 にイオ 解離 ムー 次電池 で は過塩 素酸 オ ン移動度 を もつためには,1価 のアニ オ ンか らなる塩 が好 ましい. リチ ウ にな るた め,化 学 的 に安 い 塩 (LiC101)が 用 い られ たが,二 次電 池 で は充電 プ ロセ スで強 酸化雰 囲気 い 販 の リチ ウム イ オ ン電 池 で は 定 な フ ッ化 物 ル イ ス酸 を ベ ー ス とす る塩 の ほ うが 適 して る.市 ベ ー ス とした無 ル ス LiBF4や LiI)F6な どが用 い られ て い る。 これ ら以外 に も,各 種 含 フ ッ素 イ 酸 を ミド塩 な どが提 案 され てい る (42節 参照 ). 機 系 の リチ ウム塩やパ ー フロロ化有機 スルホ ン酸塩 ,イ も異な る 熱的 お よび化学 的 な安定 電解液 の性質 は塩 の種類 に よ り大 き く異 な り,溶 媒 に対す る適性 。 にあた つて注意 すべ き点 は多 い 性 ,吸 湿 に よる分解 ,溶 液中 の不純物 との反応 な ど,使 用 41.D 電 解 液 の伝 導 度 ど 池性能 に直接関 わ るので実用 電解液 の イオ ン伝導度 は電池 の 内部抵抗 や 出力 (レ ー ト)特 性 な ,電 で もあ るの で, これ を詳細 に解析 す る こ 面 か らも重要で あ るが,溶 液 の イオ ン構造 を反映 す る物理量 とに よ り,優 れ た電解液設計 のた めの指針 が得 られ る ロ ピレンカー ボ ネ ー ト(1'C)と 1,2ジ メ 代 表的 な リチ ウムー 次電池 であ る Li/Mn02電 池 で は,プ が い られ た.こ の電 解 液 の伝 導 トキ シエ タ ン(DME)を 混合 した溶媒 に LiC10,を 溶解 した電解 液 用 PC+OME L 。 り 、︼雪 層 “ ヽ ヽ中 FO E ・ ● . ● ▽ ▽ ●・ ▽ ・ ● ● ?TT▽ ▽ ▽ V o ▽ 20 40 60 0MEま たは 'HF濃 30 100 度 ′vOl% い 図 1 1'C― Dヽ lEお よび PC I TlIF濃 合 溶 媒 を 用 た PC+THF. DME,` PC■ ● 伝 導度 「 l mOldm`LiC10.溶 液 のモル 4見 解 111 質 度 は,塩 の濃度や溶媒 の混 合割 合 に よって変 化 す る.図 1は ,1 0 mOldm 3 LiC104溶 液 のモル伝 導 度 m)を 溶媒混合組成 に対 して示 した もので ある 比較 のために,PCと テ トラ ヒ ドロ フラ ン(THF) を混 合 した溶媒 に 1 0 moldm 3の LiC10。 を含 む系 の伝 導度 も示 す5ヽ どち らの溶 媒 系 で も,DME また は THFが 約 60 vol%で 最大伝 導度 を与 える。 これ は,こ の よ うな混 合組 成 で は,PCの 高 い誘 電率 とエー テル類 の低 い粘度 が それぞれ電 解質塩 の イオ ン解離 とその移動 に都 合 が よい`0と い う こ とに基づ いてい る。 イオ ンー溶媒間 お よびイオ ン イオ ン間 の ミクロな相互作用 も伝 導度 に大 きな影 響 を 与え る。表 1に 示す ように,DMEと THFで は誘電率 や粘度 に大 きな違 い はな い。 しか しなが ら,伝 導度 は極 大値 15倍 ほ ども異 な る DMEや THFは ,分 子構 造 中 の O原 子 とカチ オ ン (Li+)と の 間 の 配 位結合 に よ リー種 の錯 イオ ンを形成 す る。 すなわ ち,PC‐ DME中 で は DMEが ,PC+THF中 で は 付近 で約 TH「 が選 択 的 に溶 媒 和 イオ ン を形 成 す る.分 光 学 的 な測 定 な どに よれ ば,ア ル カ リイ オ ン に は THFは 4分 子 が 配位 す る (Li (THF)1)の に対 し,DMEは 2分 子 が 配位 す る(Li(DME)2)図 に現 われ てい る PC+DMEと PC+TH「 1 での伝 導度 の違 い は,電 解液 中 を実 際 に移動 す る溶 媒和 イ オ ンのサ イズの違 い による ものであ る'ヽ 41.E. 有機 電解液 の イオ ン構造 リチ ウム イオ ン電池の特性 発現 に果たす電 解液 の役割 を系 的 に 統 理解 す るには,溶 液構造 を詳 llllに 把握す る必要が ある.IRお よび ラマ ン分光 な ど分子振動 に基 づ くェ ネル ギースペ ク トル は イォ ン構 造 の解析 に適 して い る.混 合 溶媒 を用 い た リチ ウム電 池用電解 液 の ラマ ンスペ ク トル に関 して は HyOd。 と okabavashP'の 先駆 的研 究の ほかに,Arocaら い による最近 の報 告が あ る。 図 2に は,l n101 dm'LiI)F,を 溶 解 した ECttDMC混 合 溶 媒 電 解 液 につ い て,ECお ょび DMC , それ ぞれ の ラマ ン散乱強度 か ら求 めた溶媒和 分 子数 船 媒和 数 :共 )の 溶媒組 成 に よる変化 を示 す。 これ は,カ ー ボ ネー トの CO単 結合仲縮 振動 に 帰属 され るラマ ン散乱 (約 900cm l)が Li+と の相 ノ I 作用 に よって よ り高波数側 ヘ シフ トす る ことを利 用 して求 めた ものであ るЮ)溶 媒組成 に応 じて それ ° : ■ ,. 。 。 札 “ ピ 轟早懸壇 0 。 0 0 20 8 0 ▽ ▽ ヽ 嘔 ▽ ▽ 40 60 80 1oo OMC演 度 ′Юl% 図 2 LiP「 `(l nlol dn1 3)/EC+Dヽ Ec, : DAIC, o EC+Dヽ lC Ic電 解 液 にお け る Liの 溶媒 和 数,へ ,の 変 化 112 H 、 リチツア 系二次電池 EC/DMC比 が「Dl1/徹 )に お い て は,ECお よ び DMCの 工 は それ ぞれ 約 3と 1で あ る. この こ とは,ECttDMC混 合 系 で は ECの ほ うが 幾分 I先 的 に Li十 と相 互作 用 す る こ とを意味 して い る. また ,溶 媒 中 の DMC比 が 低 い 系 で は じCと DMCの 溶 媒 和 数 の計 (八 Ta m)は 4∼ 5で あ る が ,DMC比 が 高 くな る と へ _は 3程 度 まで小 さ くな る. これ は,DMC比 が 高 い 系 ぞれ の 溶 媒 の 工 は 変化 す る l・ I。 で は溶 媒 誘 電 率 が 低 くな るた め に,イ オ ン 会 合 の 割 合 が 高 くな る こ とに 関 係 し て い る 工 iⅢ 実際 , ‖ が 顕 著 に 減 少 す る溶 媒 組 成 と電 解 液 の 最 大 イ オ ン伝 導 度 を与 え る溶 媒 組 成 (60∼ 70 vol% DMC)H)は ほぼ 一致 して い る . 電 解 液組 成 が電 池特性 に大 きな影 響 を及 ぼ す例 は数 多 くあ る その メカ ニ ズム は電 極 /電 解 質 の 組 に どの よ うに 合 わ せ に よ り多様 で あ る.有 機 電解 液 中 での イス ンの構 造 と動 的特性 が電 池 の 電極 特性 ころで あ る 関 わ つて い るか に つ い て は多大 な関 心 が 寄 せ られ てお り,今 後 の解 明 が 待 たれ る と 4.2.電 解 質 塩・ が用 い られ る 一般 リチ ウムー 次,二 次電池 にお い ては,当 然 なが ら非水溶 媒 か らな る有機電解液 に難溶性 で に よ く知 られて い る 1lX(Xは ハ ロゲ ン),Li011,LiN08お よび Li2CO、 な どは非水溶媒 ウム電 池 に は一 次 電 池 に つ い て あ り,有 機 電 解液 の電解 質 と して用 い られ な い。現 在 ,実 用 リチ い てい LiC104,LiCF3S03,お よび LiBF.,二 次電 池 に対 して は Lil)F`が 電解 質 と して主 に用 られ され注 目 されて る.最 近 ,イ ミド系 お よび メチ ド系 の含 フッ素 リチ ウム塩 な どが合成 い るが,詳 細 に つ いては後述 す る。 42.A. 熱 的安 定性 ― 、電池 にお ける重要 な リチ ウム塩 の熱 薫量 (T(〕 )曲 線 を図 3に 示 す 実 用 リチ ウノ これ ら リチ ウム 塩 の熱 的安 定性 の順 序 は 1lC10`>LiCF3SO`>LiN(CF,S02)2>I'N(C2F5S02)2>LiBF,>LiPF6で 室温 に が も悪 い Lil'「 あ り, リチ ウム イオ ンニ1次 電 池 に使 用 され て い る IJ l)F、 の熱的安 定性 最 `は llbJに 安 定 で あ るが,合 酸 素数 お いて も比較的容易 に 11「 と PF5に 分解 す る。 また,LiC104は 1威 も熱 ゞ ヽ0■颯W 0 図 ・佐 々木幸 大 3 loo 200 塩 の T(;耐 1線 リチ ウノ、 ヽuklll SAい N(東 京 工業大学 工学 nl.) 300 ・ 温度 ′C 400 500 昇温速 度 (人 気 中 )ilCn五 n tiヒ 解 113 r[ が 多 く,安 全 性 に 問題 が あ り,二 次電 池 に は用 い られ て い な い 4.2B. 電 気 化 学 的 安 定 性 4V級 の起 電 力 を有 す る リチ ウム イ オ ンニ 次 電 池 の 登 場 以 来 ,充 電 時 に お け る正 極 側 で の 高電 1[ (酸 化 )に 耐 え, 方で は リチ ウムの きわ めて 卑 な る電 位 に耐 え る,い わ ゆ る耐還 元性 に も優 れた 有機 電解液 の 開発 が 今後 ます ます重 要 にな る と考 え られ る。 耐 酸化性 と耐 還 元性 に優 れた 電解 液 はポ ラ ン シ ャル ウ ィ ン ドー (電 位 窓)が 広 くな り,実 用電 池 に対 して推奨 され る電 解液 で あ る。 電解 液 の 酸化 ・ 還 元分解 は,溶 媒 と電 解 質 の両 方 を 考慮 しな けれ ば な らな い。 フ ロ ピ レ ンカー ボ ネ ー ト(1)C)1:で の 電 解 質 の 耐 酸 化 性 の 順 ,FIま LiPF.>I´ iB「 (C2F5S02)′ `>Lバ 21:L とな る〕 >Li N(CF3S02)2>LiCF,S03>LiC104 一 方 ,耐 還 元性 につ い て は, リチ ウム イォ ンの 還 元 (析 出 )と 溶媒 の 還 元分解 の どち らが 先 に起 こ る か とい う こ とが 問題 にな る。 一般 に 金属 イオ ンの 還 元電 位 は溶媒 和 の 人小 に強 く影響 を受 け,金 属 イ オ ン に溶媒 和 す る溶 媒 の塩 基性 ,い わ ゆ る ドナー 数 の 大 きい溶 媒 中 ほ ど還 元電 位 は 負側 に シ フ トす る の で ,電 解 質 の 耐 還 元 性 は 使 用 す る溶 媒 に よ っ て 変 化 す る.テ トラ ヒ ド ロ フ ラ ン (THF)中 で は 6>LiAsF6>LiSbF6の 順 に耐還 元性 は減 少 す る と報 告 され て い る ヽ 図 4に ,0 1 moldm 3の 過塩 素酸 テ トラブ チ ル ア ンモ ニ ウム (l BAl))を LilD「 1・ 酸 化 ・ 耐 還 元 性 を検 討 した 結 果 15り 用 い て ,種 々 の溶 媒 の 耐 を示 す 。 測 定 に は,作 用 極 と して Pt電 極 ,参 照 極 に は Ag/Ag+ 電極 を用 い たが ,超 熱 力学 的仮 定 (extra thcrmodynamic assullnpuon)に 基 づ い て,電 位 の基 準 と し て電 気化 学 的 に可逆 を示 す フェ ロセ ンの酸 化 還 元電 位 を利 用 した .非 水 溶 液化学 で は従 来 よ り ,ア セ トニ トリル (AN),ジ メ チ ル スル ホ キ シ ド(DMSO),Ⅳ ,Ⅳ ジ メ チ ル ホ ル ム ア ミ ド(DMF)な どが 良 溶媒 と して 多用 され て い るが ,DMSOや DMFは 耐 酸 化性 に 劣 り,ま た ANは 電位 窓 も広 く,導 電 、と反 応 す るた め に リチ ウム 電 池 に は用 い られ て い な い 。 図 1に お い 性 に も優 れ て い るが , リチ ウノ て,エ ス テ ル 系溶媒 は耐 酸化性 に優 れ て い るが ,エ ー テ ル 系 や ア ミ ド系溶媒 で は耐 酸化性 に劣 る こ と E OくE ヽ 5m︲ 5●50﹁“5 2 ︲ ・ , F/ V ys. Li/Li' tr 1 TB.{Pft4i6&D i E ffi$*. TIIAP(EH*ffi7 t- /+tv|>+- it )niH,q:0I mot chn., fir,ril fflq:2DrVs'. I'C.lr:Xv >tu-'f,4--l, EC.:t,+v>h-,f ?.- t, y IlL.../ ./7 e 7 ? 1. ,/, DI\IC: i.iJ )vh-tr:l-- l,t',\lc. ).1 )v t+)rr-,t:i.:i. _ t-, I)OL : t,ll l.,DEC.. .) :t: ., tv , :i't+') i>, l F: t.i--i t toTt>, I)Nlll:I.2 iI t_+,).'>, N:\fi,; -,ti l lJ )v 2 E o)) i/ >, DNll:1,3 ttI)v2I:y"t\'. -. H 114 ● AN O NM ECO ● PC MF BC 一 γ ‖,;肝 DME W 枷 ・ ・ 0 1 1 1 1 1 3 ﹀り ヽ 慟ギ 饉 ︲ 1 一 一 >0 1■ ミ ヽ HO〓Oi 11 リアウ′、 系 ■次(ヒ 池 週 元 されに くい 一― ― ― ― ‐ -1 1 2 しUMOエ ネル ギーたV 5 溶 媒 と炭化水 素の HOヽ 101´ じMO相 関 図 ヽヽI:ニ トロメ タ ン,Aヽ :ア セ トニ トリル レ レホ ル メー ト,γ VL:γ パ レtlラ ク トン,MA:メ チ ツ BC iプ チ レン カー ボ ネー ト,MF:メ チ ツ 図 , ア セ テー ト がわか る 一 方 ,エ ステル系溶媒 は還 元側 で容易 に分解 され るが,ア ミド系や エーテル系溶媒 は還元分解 され に くい。 しか しなが ら,エ チ レン カー ボ ネー ト(EC)は 他 の エ ステル 系溶 媒 と1ヒ 較 して,耐 還元性 に も優 れ て い る.溶 媒 の耐酸化・ 耐遺 元性 は フロ ンテ ィア軌道理論 に よる最 高被 占分子 軌道 (highest occupicd n,olccular orbital HOMO)エ ネル ギー と最低 空分 子軌道 (lowest unoccupied nnolecular η orbital.LUMO)エ ネルギ ーか ら推定 す ることが 日∫能 で あ り,そ の結 果 を図 5に 示 す・.図 5か ら , エ ステル系溶媒 は HOMOエ ネル ギ ーが負 に大 きい,す なわち酸化 され に くく,一 方,エ ー テル 系溶 媒 で は LUMOエ ネル ギーが大 き くな る こ とか ら,耐 還元性 に優 れ てい る こ とがわか る.IX1 4と L/15 の結果 を比 較 す る と両者 には よい相 関 がみ られ る。 4.2.C. 導 電性 能 有機電解液 の導電性 は,電 池 の内部抵抗,放 電容量,エ ネル ギー密度 な どに密 接 に関係 し,電 池性 に大 きな影響 を及 ぼす.有 機 電 解液 の 711電 率 は水溶 液 よ りもか な り低 く,一 般 的 に水溶液 の 1/10 以下 であ る。導電性 の大小 は電解質 の解離 lrtゃ イオ ン移動速度 に左イiさ れ るので,比 誘 電率 が高 く つ 低粘性 の溶媒 が好 ましい.単 一 系 の溶 媒 では この ような条件 を満足す る ものが乏 し く,か 比誘 電率 , の高 い溶媒 は強 い極性 を有 す るため に粘性 が 高 くなる こ とか ら,実 ,Hリ チ ウム電 池 で は PCや ベ ー ス とす るエー テル 系や ジエ チ ル カー ボネー ト(DEC),ジ ECを メチ ル カー ボネー ト(1)MC),エ チ ル メ チ ル カー ボ ネー ト(EMC)な どの低粘性 エ ステ ル 系溶媒 との 2成 分 系,3成 分 系混 合溶 媒 が一 般 に用 い られ てい る ただ し,黒 鉛系炭素 を負極 とす る電 池 で は負極 上で PCの 分 解 が起 こ る こ とか ら , PC含 有混合溶媒 を用 いた リチ ウム イオ ンニ次電池 で は負極 に非黒鉛 系の炭素 が使 用 され る DME混 合溶 液 中 にお け る 0 5mddm.の リチ ウム塩 の比 導電 率 の変化 を示す。比導電 率 は,PCお よび ECへ DMEを 添加 して ゆ くと,最 初 は混 LK1 6に ,PC l.2ジ メ トキ シエ タ ン(I)ME),EC 合溶 媒 の粘 性率 の 低 下 の 影響 に よ り徐 々に増 加 し,あ る混 合 比 で極 大値 を示 す。 その後 さ らな る DMEの 添加 によ り,混 合溶媒 の粘性率 の減少 よ りも誘電率低 下 の ほ うが大 き く作用 し,そ の結果電 ・ 初期構造 の決定 は,ヽ lSI社 分子 シ ミュレー シ 1ン ソフ トI'()LY()RA「 を用 いて行 なわれ た ものであ る(1991年 ) 4電 解 質 r EO , ミ 、 10 χ ¨ 図 6 1'C DME系 ,EC― Dヽ lE系 の溶媒混合比 による リチ ウム塩 (05m01dm .:DMEの モル ′)率 LiC104. lJPF`, △ 1113F4,7 LiCF`SO。 X,、 ● IIN(C2F,S02)2, ▲ LiN(CFIS02)2 , りの比 導電率 の変化 (25C). ` Li:3Ph.(Ph: フ ェニル), 解質 の解 離度 が小 さ くな り,比 導電率 は減 少 し始 め る。 この よ うな導電 率 の変化 は高誘電率・高粘性 溶媒 と低誘電率・低粘性溶媒 を用 いた電 解液 で一般 に観測 され,導 電 率 の極大値 は溶媒 の混 合比 がお よそ 1:1(モ ル比 ,体 積比 )で 現 わ れ る。 図 6に お いて,Li N(CF3S02)2は 分子 量 が 大 き く,大 きな アニ オ ンを もつため に粘性率 が大 き くな り,そ の結果移動速度 の低 下 が起 こ り,導 電率が低 くな る と 推定 され るが,IIPF・ にほぼ等 しいか,ま た それ以上 の値 を示 す この原 因 は LiN(CF3S02)2内 に 強 い電子求 引性 の CF3基 を 2個 有 す るた めにアニ オ ンの非局在化 が 強 く起 こ り,図 7で 示 され る よ うな共鳴構造 を とって安定化 し,イ オ ン解離 が容 易 にな るため と考 え られ て い る0. 表 2に ,2成 分 お よび 3成 分混 合溶 媒 系 にお け る l mOldm 3の リチ ウム塩 に つ い ての溶 媒 組 成 (VOl%)と 温 度 に よ る比 導 電 率 の 変 化 を 示 す"Lた と え ば,20Cに お け る EC PC(1:1)と 2 McTIIF― EC― PC系 の 比 導 電 率 を比 較 す る と,LiCF3S03を 除 く電 解 質 で は EC PC系 よ り も 2 MeTHFを 含 む 3成 分系の ほ うが比 導電率 は高 くな り,IJCFlS03で は逆 に低 くな る。 この原因 は , LiPFぅ ,LiN(CFRS02)2お よび LiBF4は 解離度 が大 きい ため に 2 MeTHFを 加 えた こ とに よる混 合 溶媒 の誘 電 率 の低下 の影響 よ りも粘性 率 の 低 ドの ほ うが大 き く作用 し比 導電率 が 高 くな り,一 方, LiCF3S08で は解離度 が小 さいた めに粘性率 よ りも誘 電率 の低下 のほ うが イオ ン解離 によ り大 き く影 ON ゛ ∞ “ , 0卜 一¨ ﹁ 崎 ∞ 一0 ︻ NO C N0 0 ∞∞ 一 吟N 守 ︻゛ 一 ¨ ﹄ ¨ 一一 ︻ ︶ N一 〇 ヽO C O︻ 0 ﹂0 ︵ ■ l o崎 ︱ あ ︱ ︵ CN 0 0 ︼1 0N I ︵ N 一 卜0 0 ∞N 0 ・Eυ∽Eヽ袢P マョ ゛誉● ■ 6 し望実 燕 OC 卜 ヽ¨ い ︵ ︶ ∞ N ヽ0 二 0∞ ¨¨ C﹂ 0︻ 一“ ゛N ∝∞ 0︻ じ め︼ ”N 一︼ 0︼ 卜 一一 吟 一0 ” ¨ 卜∞ 卜 0﹁ 0 卜0 めヽ めヽ 一 匈 ∞0 0﹁ ∞0 一¨ 漱¨ 守 ∝守 いヽ OO ¨ N ∞め 卜︻ め¨ ”︻ 5︻ 0 い∞ ト ベヽ ゛ ︵ ´ 一 卜一 N ﹄ ∞ 0一 卜 ヽ︻ ∽ ∝N ゛ 0一 NO ﹃一 ¨゛ 0一 [ 0∞ ︵ ︶ い一 〇 ︻〇 一 o O﹁ ︱ ︵ N Oめ l c 1 00 1 00 1 , “ O NO ︵ ︶ ヽN ¨ 一∞ 0 い一 C 一 C N 卜︻ 守 卜∝ “ ¨ N“ 吟 め∞ ゛ ︶ C ︵ 一 ∞0 ︻ いO C 卜 C ︵ 一“ ︻ , 0一 ∝ 0一 N O” ニ “T N ¨ N ︵ 一 ∝N C い0 ︵ ︶ ︻0 0 ︶ ¨0 ︵ 崎 刹¨ ct ヽこ 蟻 塊 メ一 じ ヽ︻ 3ヽ ゝ︻ 償豪審 撻 “ N¨ ヽ●t 昼鯉 憲 撻 吟 N一 0 0 00 0000 曇目822 0 0ヽ き 史 蟻 鍵 0 蟹 0 口 い ヽ ヽ ¨Eo∽Fヽ絆 肥 幹蛍 ゛ヽ ■● 6 し出唱 や 一T O ∞∞ い一 ” ヽN N , ¨ C C一 卜0 0 Cヽ 卜 ∝∝ め ON ∞一 守 ︻¨ ∞ヽ → ¨守 ト , C∞ ” ¨ ∞ N ¨∞ N ∝卜 ﹁ 専 ︱ ^ ち 1 00 1 0 0︻ 1 0N 1 〇一 ︱ ︵ 眸” う一 わ0 一一 す O C︻ 00 C N¨ 一 0一 〇 ヽ0 ﹁ い0 一 口 0 ● ヽ ● 5 ∽F¨ 目■ ゛ ヽ 鴻 艘 袢〓 ヽなや 2 6 ︶ ︻´ ∝∞ 0一 一∞ ヽ︻ 崎0 ∝ 一O r 吟卜 0 0い に 0一 ¨一 “ , ト 一 NN O一 0一 や︻ 守0 ¨︻ N 一 , 0 1 ‘ ︱ ︵ ︵ ︶ ︵ ニ ー ︵ ヽ 一一 1 0゛ ︱ ︵ ¨ 0 梁ξ ¥肥 織〓 ゛さ や せ 6 し興単 ゛ ド、こ 、こ 番 ● F´ R383 ざ熙e → 日o■3 丼製 補ゴ 0“せ堅鴫 e爆眺艘き黎ぐ翼 0“ ゛雲 く ヽヽ 摯 N蘇 L〓↑留2ヽ 00 ︵ ︶︻ 0 ︻ ト ●“ ︲ 口 ︺4︵︼ い 0‘0 0い 0 一 C ︻ 0 ¨ 〇 ¨ 0 一 ロロ .L 工 一 TE●ち日ヽ ﹄〓いo口 N 0 ¨ ︵ ︶︻ 一日 ℃お日 ヽ ︵C r. LO ︶Z ¨ コ Oロ ︶一 ︵ ︵ ︶︻ コ〓 0 口 ︺イ0 ^ ︶¨ ︶¨ 一 L〓いo N , OL C ︻ ぃ 0 ∽. ● 0¨ ロ ・Eττ日ヽ Oロ 。 L ユ ﹁︼ ´日﹁τEヽ L ¨r ro〓 N 遂 ユ 2 螢 83R 、 リチ ウム系二 次電 池 11 4電 表 解 質 3 25Cに おける PCお よび γ―BL系 溶媒 中 の リチ ウム塩 の比 導電率ノmScm l リチ ウム塩 1'C γ BL /1 moldm。 PC/DME (1:lnぅ 〔〉1) BL/DME γ― (1:1]n(月 ) PC/MI'O (1:l mol) (lilnl。 Li:3F` 1,4 75 97 94 LiC101 109 139 15 0 1()9 15ヽ ) 1B t, 50 85 128 115 156 65 18 1 133 LiN(CF,S02)2 56 58 57 17 51 101, LiC.F,SO, 1 1 68 156 53 LiPr. LiAs「 t LiCF8S(), 43 94 33 134 51 PC/EMC 28 23 1) 33 88 92 17 71 13 a)フ ロ げ ´ ン 酸 メ チ ル 表 4 25 C Iこ お け る IC:DME(体 積 Lヒ 1:2)中 の 合 フ ッ素 リチ ウム 41“ )1 moldmり の比 導電率 リチ ウム塩 比導電率/n]s cln' 分子景 LiC「 ,C02 04 120 Li N(Cr,Co)2 0 8 215 1Jcr,so` IJC.I',SO` 23 23 306 ,SO, 1 1 254 19 40 38 35 30 31 32 30 30 29 31 36 27 14 506 LiC・ 「 LiC,Fけ SO, LiN(CF,S02)2 1■ N(C2F6S02)2 LiN(C.F,S02)(CFIS02) I.iN(FS02QF.)(CF,S02) lJ N(「 S02C● F`)(Cr3so2)可 IJヽ (C,F,SO′ )(C「 ,S02) LiN(CF,CH20S02)2 1■ ヽ (C「 Liヽ `CF2CH20S02)2 (HCF2CF2CH2oS02)2 LiN((CF,)2CHOS02)2 :JC(CF,S02), LiT「 PBい I.IPF` a)IJヽ (C、 F、 SO=)(CF● 01)θ)混 合物 b)I"1,IC.F,(CF。 156 287 387 137 347 347 637 347 447 111 183 118 870 152 )′ 35L 響 を与 えるため と考 えられ る.表 3に ,PCお よび γ―BL系 溶媒 中 の リチ ウム塩 (lm。 ldm 3)の 比 導 電率 を示 す20.こ こで,LiAs「 6は LiPF6に ほぼ等 しいかそれ以上 の比 導電率 を示 すが,毒 性 のた め 実用 リチ ウム電池用電解質 として は用 い られて いな い . H 42.D. り ´ウ 2、 系 二 次電 池 新 しい電 解 質 リチ ウム イオ ンニ 次電 池 には導電率 の 高 い Li P「 6が 主 に用 い られ てい るが ,す で に述 べ た よ うに しil'F`は 熱的安定性 に劣 り,室 温 で も分解 しやす い欠点 を もって い る。 この よ うな LiPF6に 対 し , 熱的安 定性 や耐酸化性 に優 れ,高 い導電性 を有す る新 しい電解質 の 開発 が望 まれ て い る.最 近 ,表 、 に示す 多 くの含 ツ ッ素有機 リチ ウノ 塩 !い 4 や Lil PF`(C2H5)3]2η な どが提案 され た。 また,ア ニ オ ンの 中心 にホウ素 や リン を有 す るキ レー ト型 リチ ウノ、塩 ,Ithilm bisll,2 benzenediolatO(2)0,0′ b()rate, lithiunl bis[2,3-naphthalenediolato(2)0,rl′ rate23 2旬 ] ]borate, lithiunl bisisalicylato(2)]bo― や l■ hium ths[1,2 ben2enediolato(2)00]phosphate30が 報告 され注 目 され て い る. これ らの キ レー ト型 リチウム塩 は熱的安定性 に非常 に優れ てい る.今 後 も熱的 ,電 気化学 的特性 に優 に行 なわれ てゆ くであ ろ う れた電解質 の開発 に関 す る研究が盛 ス′ 4.3.高 分 子 ゲ ル 電 解 質 拿 リチ ウムニ 次電池 に適用 され るポ リマ ー電解質 と呼 ばれて い る もの は,有 機系電解液 をポ リマー に 合有 させたポ リマー ゲ ル電解 質 と支持塩 をポ リマ ー に溶解 させ た完 全同体 高分子電解質 とに大 き く分 類 され る.ど ち らの タイプの電解質 も占 くか ら研究 され て きた。 完 全同体 系電 解質 につ いて は,1975年 に Wightに よって,ポ リエ チ レ ンオ キ シ ド(PEO)中 をア ル カ リ金 属 イオ ンが伝導 す る こ とが 見出 され て以 来・1ヽ PEOお よびその誘 導体 を中心 に数 多 くの研 究 が な されて い る。 しか しなが ら,同 体電解質 にお い て は イオ ン伝 導 度が 10 3scm lの 壁 をい まだ 越 える ことがで きず,常 温以下 で は実用化 レベ ル にや ってい な い。 そ こで最近 では,イ オ ン伝 導性 の ‐ ポ リマー ゲル電解質が 注 目を集 め,一 部 で は実用化 に まで及 んで い る ポ リマー ゲル電解質開発 lい 3η につ いて は,Feuilladcら に よって研 究報告 され た 1975年 の報 文 を原点 と して あ げ る こ とが で き る.ゲ ル は固体 ポ リマー に支持電解液 を力Hえ た もので,イ オ ン伝導度 は液体 系 と同程度 である。安 全 面 について も,液 体 系 と比 べ て液漏 れがな く, また電解質 の柔軟性 が増 し,各 電極 との接触性 が増 す 3・ 3つ 。現在 ,代 表 的 な物理 架橋 ゲ うえに3■ 34,電 池設計 において形状 な どに対す る 自由度 が大 き くな る ル電解質 で ある フ ッ化 ビニ リデ ン…ヘ キサ フルオ ロプロ ピレン共重 合体 [ポ リ(VDF― HFP)]多 孔性 ポ (CH2 CH2 0> (a)ポ リエ チ レンオ キサ イ ド (b)ボ リメチ ル メタ ク リレー ト (C H2♀ H> CN (c)ボ リシロキサ ン CF, 図 8 (e)ボ リフ ッ化 ビニ リデ ン 代 表的 な高分子電 解質 ヽ、(東 京Jし :i大 学 E学 部 ヽobOru Oヽ ヽ ) ― 咋 R (CH2 CF2XCF2,) (d)ポ リア ク リロ ニ トリル ・月、日 昇 (卓 (CH,│) COOCH= 4電 解 質 リマー ゲル電解質 を用 いた製混]が 発売 され,さ らに化 学 架橋 ゲル電解 質 であ る PEO系 ゲル電解 質 の 製品 もその後発売 されてい る. 図 8に ,代 表的 なゲ ル系高分子電 解質 に用 い られ るポ リマーの主骨格 を示す このほか に も,ボ リ 塩化 ビニ ル,ポ リビニ ル メチ ルェ ー テル,エ ポ キ シ系 ポ リマ ー,ポ リスル ホ ンな どが 検討 され て き た。 43A. 構 造 とイオ ン伝 導 完全固体 系電解質 について は詳 しい記述が後 にあ るが,ゲ ル 系 との違 い をllB確 にす るために少 し述 1)EO系 ポ リマ ーで は,ェ チ レ ンオ キ シ ド(EO)鎖 は ドナー性 の高 い骨 格 で あ り,酸 素部 分 に Liイ ォ ンが 配位 す る こ とがで きる.す なわ ち,イ ォ ンは高分子 に よ り溶媒和 され た 状 態 にな って い ここで る。 ,ガ ラス転移 温度 (71)以 との温度 に な る と PEO鎖 の熱運動 に よ り Liイ オ ンが 移動 し べる , イオ ン伝導 の特性 を発現 す る.的 .一 般 に物 質 は,η 以上 にな る と無機 ガ ラスで み られ るよ うに同体 か ら液体 に な り流動 す る。 しか しなが ら,高 分子の場 合,架 橋構造 ,高 分 子鎖 の絡 み合 い,結 晶領域 の存在 な どに よ り,71以 卜にな って も, ミク ロ状 態 で は液体 とな り動 い て い るが ,マ ク ロ的 に は静 ‖1状 態 を維持 す る したが って,ィ ォ ンはアモ ル フ ァス領域 を通 って移動す る. 一 方,ゲ ル系 ポ リマ ー電解 質 は,重 量比 で 80∼ 90%の 電解 液 (lMの 支持 塩 を含 む)と 10∼ 20%の ポ リマーか ら構成 され てお り,ポ リマ ーが,化 学結合 ,水 素結合,静 電 的相互作用 , または結品化 や 分 rの 絡 み合 いな どによ り二 次元的 な網 H構 造 を有 し,か つ主骨格 お よび 側 鎖分子 の囲 いに溶媒分子 をユニ ッ ト当た り数個 ∼ 数 1個 保持 した膨潤体 となってぃ る.イ オ ンは を介 して 液 移動 し,ポ リマ ー 自体 はグル全体 の機械 的補強体 また は保液体 の役割 を担 ってい る. したが って ,ゲ ル系電解質 の イオ ン伝導度 は液体 のそれ に近 く,完 全同体 系 と比 べ 格段 に高 い.グ ル系電解質 は,ポ リマー を有機 溶媒 系電解液で 日 塑化 した もの とみ なす ことが で きる。 ポ リマー鎖 が分子状 態で均一 に ∫ 液相 に分布 した系 か ら,分 子 が凝集 して多孔体 を形成 した もの まで あ る. 4.3.B. 構 造 と要 求特性 グル の簡 単 なつ くり方 か ら紹 介す る。電解液溶媒 ,支 持塩 (リ チ ウム 塩 ),お よびポ リマ ーの粉 末 (重 量比 で数 %か ら 20%)を 温度 を上 げて均 一 溶液 に し ,そ の液 をステ ンレス板 の よ うな平板 の上 に のせ,そ の後冷却 す る とグル電解質 薄膜 が で きあが る ポ リア ク リロニ トリル (I)AN)系 ゲル は こ う して簡単 につ くる こ と力 きる3".ポ リメチル メタ ク リレー ト(PMMA)や 塩 化 ビニ ル 系 ゲル もこの 'で 方法 で作製 で きる.ポ リフッ化 ビニ リデ ン(PVdF)系 では,PVdF共 重 合体 を相溶 す るジプ テル フタ レー ト(DBP),Ⅳ ―メチル 2-ピ ロ リジノ ン(NMP),ア セ トンな どと 混 合 し,溶 解 させ,そ の液 を塗 布 し,希 釈斉」を蒸 発 させ,均 一 なゲル膜 を生成 させ る 次 に,メ タノール, ジェ チル エ ー テルな どに 浸漬 し,DBPな どを抽 出 した後乾燥 させ る と,脱 溶剤 に よ り孔 が 形成 され る その後 ,電 解液 を含 浸 させ る とグル電解質がで きあが る. この ような手法 で作製 され た もの は 高分子鎖 の絡 み合 いや結晶 化 によ り架橋点 が形成 され,物 理架橋 ゲル と呼 ばれ る(図 9(a)). また,モ ノマー,電 解液,お よび重 合開始剤 を含 む均―溶 液 を加 熱,あ るいは紫外線 や電 子線 を照 射 す る ことに よ リゲル を作 製 で きる. この場合 ,ジ ア ク リレー ト系の 2官 能性 モ ノマー を共存 させ る と,直 鎖状 の高分 子の重 合反応 と分 子間架橋 反応が 同時 に進行 し ,ゲ ル化合物 とな る。生成物 は化学 il リチ ウム系■次電池 (a)物 理架橋グル (b)イ し学架橋ゲル (c)擬 似架 格型 グ ル 高分子鎖問相互作用 目 0 ポ リアク リ ロニ トリル系 グ ルマ トリック ス エテ レン グ リコー ル 誘導 体 で架橋 した ア ク リレー ト系 ゲル マ トリック ス PMMAの 化学架橋グル 「応用例」:PAN PVdFの 物理ゲル 図 架橋 ゲ ル と呼 ばれ る (図 9(b))。 橋構 造 を有 してい るために,で 9 PAN,PEO.PMMA系 の架 橋 グ ル ゲ ル の構 造模 式 渕 この 方法 で得 られ るポ リマー は化学 (共 有 )結 合 で結 ばれた二 次元架 きあが った ポ リマー を溶解 した り,再 成 型 す る ことは困難 で あ る こ い て一定 の厚 み にセ ッ ト ペ ー の方法 で薄膜状 のグ ル膜 を得 るため には,反 応前 の溶 液 を,ス ーサ を用 ペ かわ りにオ レフ ィン系の薄 い不織 した うえで,重 合・ ゲ ル化反応 を行 な う必要が あ る.ス ーサーの ル す る こともで きる. この方 布 に反応溶液 を含浸 させ,そ れ を紫外線 照射 法 で反応 させ てゲ 膜 を作製 C)で あ り,実 用 的 な電 法 で得 られ た厚 さ 50∼ 100 μmの ゲル膜 の イ オ ン伝 導度 は 2∼ 4 mS crn l(20・ 池用材料 とな る. に この方法 は,乾 燥 した粉末 ポ リマーか らゲ ル を作製 す る方法 に比 べ る と,製 造工程 が大幅 簡略化 モ ノマーや で きる。 しか し,ゲ ル化 と薄膜化 が同時 に起 こるので,作 製 したゲ ル中 に残存 した未反応 マーや反応触媒 残澄 はイ 反応触蝶 残澄 を除去 す る ことが容 易 で はない とい う欠点 もあ る.未 反応 モ ノ で溶液重合 オ ン伝導性 をllJげ た り,安 定性 を低 ドさせ る場合 が多 い.そ の改良 は,ま ず非 水系溶剤中 これ に多官能 モ ノマ を行 な い, このポ リマー溶液 か ら未反応 モ ノマー を減圧下 で除去 した後,改 めて │■ 表 (a)高 い イオ ン伝導性 lb)強 5 解 質 121 高分子 グル電解質 に要求 され る特性 ●均質 ′ ドリマ ーの合成 ●構成 モ ノマーの 1つ に,ア クセフ ター数 の大 きい材料 ●ホ リマーの構成 モ ノマーの 1つ に, ジア ク リコイル を 使用 し立体架橋構造 ●不織 布 を川体電解 質 (sOhd polynler dcct“ ハ te)の 芯材 とし,強 度 の パ ックア ップ ●構成 モ ノマーの 1つ に,溶 媒 との親和 力 の い 強 材料 い機械 的強度 (C)長 期安定性 ●沸点の高 い可塑 l●l ●立体 架橋構造 (d)耐 熱安 定性 ●溶媒 への強 い親和力 ●沸点の高 い可逆斉│ (C,難 II性 (f,広 い電位 窓 ●炭イ ヒ反応 に よる虻燃 (塩 ,溶 媒 の沸点 な ど) ●自己消火性 ・ ル い l障 花 官 鷲 tr帥 クス反応 蝋 刊 2∼ … ‐ り … "私 金 ― をカロえた溶液状 の調合物 を電池用 のセル に 注入 し, これ を加 熱 してゲル化 す る. この 方法 を用 い る と,低 沸点 の モ ノマーが ゲル中 に残存 する こと もな く,良 好 なゲル膜 が得 られ る。 このゲル は三 次元 架橋構 造 のグルの中 に直 鎖状 のポ リマーが絡 み った 合 状 態で あ り,化 学 ゲル と物理 グル の中間 の構造 を有 して い る。 この よ うな構造 の ゲル を 擬似 架橋 ゲ ル と仮称 す る (fk1 9(c)).物 理 ゲル では 分 子量が 10万 以 Lの PA N系 ポ リマ ー を用 い て も ,80C以 11に 加 熱 す る と溶液状 態 に戻 った り,一 部溶 液 が 相分離 した りす る。 しか し,こ の擬似架 橋 ゲル の 場 合 は,分 子 量が 1万 以 ドのポ リマ ー で も ,120・ C に加 熱 して もゲル状態 を維持 してぉ り ,実 用 的 な耐熱性 は十分 であ る この 方法の利 点 は,正 極 や負極材 料 また はセパ レー ター な どと電解 質 を溶液 中で接触 させ た後 ,各 材料 の界面の濡れ性 を保持 した まま,電 解竹 をグル化 (固 定化)さ せ るこ とがで きるこ とで ぁ る。 その 結果,各 材卜│と の界 面接着性 に優 れ ,界 面抵 lLの 低 い電池 の作製が可能 とな る. ポ リマ ー電解 質 に要求 され る特性 は ,表 5に 示 す よ ぅに,イ ォ ン伝 導 性 ,機 械 的強 度 ,長 期安 定 性 ,耐 熱性 ,難 燃性 お よび広 い電位窓 特性 の 6つ が あげ られ る. イォ ン伝 導性 を上 げるため には,ア クセフター数の大 きい材料 を使 用 す る .機 械 的強度 が弱 け才ιば,支 持体 を入れ て強化 す る方 法や網 を つ くるな どして構造体 として 強化 す る方法があ る.長 期 的 に安定化 させ るために は,溶 剤 のガラ ス転 移温度 と沸点 を意識 してつ くる必 要があ る .耐 熱 1■ をljめ るた めには,高 温 にな る と溶剤 を放 出 して しまわ な い よ ぅに,沸 点 の 高 い溶媒 に 対 して強 ぃ親和力 を もつ物質 を使用 す る .難 燃性 にす るた めに は,使 ナ Hす る塩 や溶媒 に まで注意 し,高 温 になって も炭化反応 が な く燃 ぇに くい物 質 を選 ぶ 必 要が あ る . 4.3C. 代表 的 なポ リマー 以 下 に,グ ル電解 質 を形成す るい くつかの 代表的 なポ リマー a)ポ リフ ッ化 ビニ リデ ン(PvdF) について概説 す る. PVdFと ヘ キサ フル オ ロプ「lピ レン (IIFI))の 共 章 合体 で あ るポ リ(VDF HFP)を 用 い た ポ リマー 電解 質 は す で に 数 年前 に 市販 リチ ウノ、ィォ ンニ 次 電 池 に川 い られ た3'38L共 重 合体 全体 に対 す る HFPュ ニ ッ トの重量比 が 8∼ 25%で あ るエル フア トヶム社の Kynar Flcx` が 代表的化 合物 で あ る. 122 11 リチウム系二次電池 HFP側 鎖 は,PVdFの 結 晶性 を低 減 し,電 解 質 の 浸 透・ 吸 収 性 を高 め,液 の保 持 性・ 耐 熱安 定性 に 1の LiPFGの 電解 液 寄与 して い る。 ポ リ(PVdF HFP)は ,そ の ■ が -35・ C付 近 に あ り,さ らに 1ヽ が く,か つ を 20∼ 70%含 有 し,イ オン伝導度 も室温 で 10 3scm lを 示す. この膜 は比 較的膨潤性 高 シー トを作 製 す る こ と もで き 微 子L形 成 がで き,液 とイオ ンが動 きや す い構造 とな って お り,多 孔質 150・ Cで あ る。 高温 でゲ ル る.融 点 (鑑 )は 重合 方法 (乳 化重合 ,懸 濁 重合 な ど)に よ り異 な り,140∼ て い る3“ Oヽ デ ン が流動 す るの を防 ぐため,シ リカ粒子 を混ぜて強度 を保持 す る工夫 な ども行 なわれ のみな らず, リチ ウム箔 ドライ トの生成 を抑制 で きるので,他 のポ リマ ーゲル電解 質 と同様 ,炭 素系 を負極 として用 い ることも可能 であ る。 b)ポ リエチ レンオキサ イ ド(EO) につ い て は詳 し く後述 され るので,ゲ ル 系 に ついてのみ記述 が きわ めて高 いので,重 量比 で 2∼ 5倍 量 の す る.一 般 にエ チ レンオ キサ イ ド鎖 は電 解液 との相溶性 マー を架 ポ リマーマ トリックスに EO成 分 を有す るモ ノ 電解液 をポ リマー に加 えてゲル化 す る。 また 4“ 〕に優 れた膜 を形 成 で きる この場 った液保 持性 と耐 熱性 橋 す る ことで,適 切 な機械 的強度 を も 461. とな り,液 系 に近 い伝 導度 を得 る ことがで きる ン 合 ,室 温 で 10 3SCm lオ ーダーの イオ 伝 導度 この化合物 系 の全国体 型電解 質 4〕 4つ c)ポ リア ク リロニ トリル (PAN) した後 ,こ れ を 100・ C PAN系 ゲル電解質 について は,ポ リマー の乾 燥粉 末 と非 水系溶 剤 とを混 合 であつ ことで ゲル化 させ た物 理 ゲル と称 され る ものが 主体 程 度 で加熱溶 解 し,こ の溶液 を冷却 す る ・9∼ 5° . この 系 で は CN基 と水 との され て い る が た`740. これ まで数 多 くのテ ス トセルでその特性 評価 59.こ の物 理 ゲル は,温 度 に対 にす るの は容 易 で はな い 結合 力 が強 いた め に,水 分 を 100 ppm以 下 に る とい う欠点 を有 してい る。 この欠点 を克服 して可逆性 があ り,温 度 が上昇 す る と再 び溶液状態 戻 。 の させた化学 ゲルが提案 され て い る . で す るた め,ポ リマー分子 を交互 に共有結合 架橋 スペ ク トルで調 べ られ て い PANの 電解質 に対 しては,C N基 と金属陽 イオ ン との相 互作 用が赤外 N基 の伸縮振 動 に基 づ く2240cm lの ピー クが る.C‐ Nδ と金属陽 イオ ン との相互作 用 に よ り,C・ al吸 収 ピー クの シフ トの程度 は,そ の金属 の電 気陰性 度 に依存 し,ア ルカ リ金属 の中で シフ トす る は Kく Naく Liの 順 に大 きい . に い ニ ル (VAc)共 重合体 も,LiPF6を 支持 電解質 として用 た場 合 ア ク リロニ トリル (AN)酢 酸 ビ 高 い イオ ン伝 導度 を示す は,20・ Cで 4 mScm l,-20・ Cで も 0 7mScm lの d)ポ リメチル メタク リレー ト(PMMA) フ アイパ ー, PMMAは ,非 品質高分子 として高 い透明性 を有 してい る こ とか ら,光 コンタ ク トレ の グラ としての適用 は ドライタ イプの PEO系 電解質 ンズな どの材料 として用 い られ て きた。電解質 6° そ の後 ベ ー ス ポ リマ ー としての応 用例 が 報 告 され た 6り フ ト鎖 として ,ま た グ ル状 電 解 質 の か して,全 固体 型 エ レ ク トロ ク ロ ミッ PMMA系 電解質 は,そ の透明性 お よび電気化 学的安 定性 を活 6]や スー パ ー キ ヤパ ン タ6Dの 6‐ 6り ,ま た ポ リマー リチ ウ ムニ次電 池 クデ ィスプ レイの電解質 として について の種類 とベー スポ リマー,可 塑剤 との相互作 用 電解質 として開発 が進 め られ て い る.支 持塩 が あ る。PMMA系 の化学 ゲ ルは 6・ 70ぉ ょび NMR'い を用 いた研究 についての報告 は,各 種分光 法 エ チル ア ク リ モ ノマ ー との共重合体 であ る。 ジメチル ア ミノ その 多 くが ジア ク リレー ト系 の 2官 能性 レ よび メ トキ ン(EO).モ ノメタ ク リ レー ト(DMMA)と ANと の共重合 体 ,お よび DMMA,ANお ン ずれ も 4mSCm l(20・ C)の イオ 伝 導度 り ー トな どの 3者 共重合体 のゲ ル膜 についての報告 もあ ,い , , 4電 解 123 質 0 次 1一 高 図 細 C 子 オ クテル本 (12 nm)添 加 に よるグル膜 の イオ ン伝 導度 , レオ ロジーお よび微 値 が報告 され て い る。 e)そ の他 前記 の いずれのゲ ル電解質 において も,負 極 に金属 リチ ウム箔 を用 いた場合 に充電時 に問題 とな る デ ン ドライ トの生成 が抑 えられ る ことが 見出 され て い る。 上記以外 の材料 で は,ポ リンロキサ ンをベ ースポ リマー あるい は架橋剤 とした ものや,新 しい透明 性 オ ンフ ィン系 ポ リマ ー をベ ースに した グル電解質 の 開発 も行 なわれ て い る。 それぞれの役割 を もっ 72、 1番 目の モ ノマ ー は た 3種 類 の モ ノマーか ら形成 された架橋構 造 ネ ッ トワー クゲ ル の報 告 もあ る 2つ の アク リロ イル基 を有 す る もの で,立 体 網 目構 造 を形成 し,ゲ ルの機械 的強度 を高 め る.2番 目 は 1個 のア ク リロイル基 を有 し,か つカーボネー ト基 や シア ノ基 の よ うな強 い極性基 を有す る もので あ り, これ らの官能基 は電解 質 の イオ ン伝 導度 を高め る。3番 目の モ ノマ ー は 1個 の ア ク リロイル基 を有 し,か つ オ リゴオキ シエ チ レンを有 す る もの で,ポ リマ ーに可撓性 を もた せイオ ンの動 きをよ く し,さ らに形成 されたポ リマー に可塑性 を もたせ る とい うもの で あ る。3種 の モ ノマー の混 合比 を変 える ことに よつて きまざまな特性 の ゲルが得 られ る。 今後 ,各 種化 合物 rH3の ナノお よび分子 レベ ルでの複合化 によ り, さらに高性能 のグ ル電解質 が 出現 す るに違 いな い.た とえば,ナ ノ超微粒 子を添加 し,グ ル電解質 の動粘性 を変 える研 究 な どが最近 の トピックス としてあげ られ て い る (図 10). 4.4.固 体 電 解 質 44.A リチ ウ ム 系非 品質超 イオ ン伝 導体・ 近年, リチ ウム系二 次電池 の全 国体化 が強 く望 まれてお り,そ のため に同体電解質材料 の探 索研究 が盛 んに行 なわれて い る。 この ような中,不 燃性 の無機非品質 系固体電解質材料 は,導 電率 が高 く, また シ ングル イオ ン伝 導体 であ るため, リチ ウムニ 次電池 の安全性・ 信頼性 を飛躍 的 に高 め るた めの 究極 の材料 といわれて い る.本 項 で は,酸 化物 系 お よび硫化物 系 ガ ラスを中心 とす る リチ ウム系非晶 ・辰 巳砂 昌弘 Masahiro l` ATSUヽ 卜A∞ 大学 ) (大 阪府立大学大学院 工学研究科 ),南 努 TsutOmu Mド AMI(大 阪府立 124 H 、 リブツア 系 1次 電池 質超 イオ ン伝 導体 について,そ の研 究動 向 を概 説 す る。 a)リ チ ウムイオ ンを高濃度 で含 む酸化物 系超 急冷ガ ラス ガ ラスの Li+イ ォ ン伝 導性 を高め るには,通 常 ,ガ ラス中 の Li+イ オ ン濃度 を高 める ことが必要で あ る.融 液 を極端 に大 きな速 度 で急冷 す る双 ロー ラー超 急冷法 を用 いてガラス化域 を拡大す る ことに よ り,高 い イオ ン伝 導性 を示 す ガ ラスが さまざ まな系で作製 され た7● 74、 Li― イオ ン濃度 の極端 に高 い酸化物 系超 急冷 ガ ラスは,通 常 の ガラスにみ られ るような二 次元網 目構造 を とらず,孤 ●したオキ ソ酸 ア ニ オ ン と Li+イ オ ンか らな り,500Kで の 導電 率 が 10`∼ 10`Scm lと い う高 い値 を示 す こ とが報告 され て い る'`ヽ また,2種 のオ キ ソ酸 リチ ウム を組 合わ せ た擬 2成 分 系超 急冷 ガ ラスは,オ キ ソ酸 アニ オ ンの混合 に よ り導電率 が極大値 を示す. この ような現 象は「混合 アニ オ ン効果 Jと 呼 ば コ,導 電率 の いガ ラス れてお リア 高 材料 を設計 す る うえで重 要であ る. b)硫 化物 をベ ース とす るオキシスル フ ィ ド系超 イオ ン伝 導 ガラス 前項 で示 した ように,酸 化物 系 は高温 では比 較的 高 い導電率 を もつ ものの,室 温 での値 は リチ ウム ニ 次電池の電解質 としては不十分 であ る。 そ こで,酸 化物 イオ ンよ り分極率の大 きな硫化 イオ ンを 物 用 い た Li2S― P2S5系 ,Li2S(,cS2系 ,LLS― B2SI系 な どをベ ー ス とす る硫 化物 系 ガ ラスが 開発 され た7o.と りわ け Li2S SiS2系 をベ ー ス とす る系 は室 温 で 103∼ 10 4scm lの 高 い導電 率 を もちなが ら,封 管 中 で合成 す る必 要 の な い こ とか ら,電 池 用電 解 質 と して最 も大 きな期 待 が 寄 せ られ て い る777助 .こ の系 に さらに LiIを 加 える と,導 電 率 は い っそ う向 │:す るが,熱 的安定性 の低 下 や リチ ウ ム金属 との反応性増大が 問題 となる7切 . 一 方,Li2S― SiS2系 にオル トオ キ ソ酸 リチ ウム を少量加 えた系 が,ベ ー スガ ラス よ りも高 い伝 導性 を有 し, しか も結晶化 に対 す る安定性 が高 くなる こ とが示 され た8Qm、 図 11に ,Li2S― SiS2 LixMO. (Liχ MOy=LioSiO`,Li3P04)系 オキシスル フ ィ ドガラスに対 す る,25'Cに お ける導電 率 の組成依 存性 を示す.結 晶化 に対するガラスの安定性 は,ガ ラス転移温度 η と結品化温度 ■ の差 η ―■ を 1 つの 目安 として評価できるので,こ の値 も図中にあわせて示 す.5 mol%の オル トオキソ酸 リチウム の添加 により,室 温での導電率 は 10 3s cm〕 オーダーの高 い値 を示す と同時 に,η ―■ の値 も極 大値 をとってお り,伝 導性 が向上する組成 で結品化に対する安定性 も改善 されている。 この ような導 10 20 00 40 ︶ヽピ ード 。 5 ∞ 0 50 MO%Ll MO′ 図 11(100-2)(0 6 Li2S・ 0 4 SiS2)・ zIム ヽ10,(Iム MO、 二LitSiO`,LiIPO.)系 オ キ シスルフィドガラスのま温における導it率 および ■―■ の組1成 依存ヤL 4 it 解 質 電 率 や結 品化 の挙動 を理解 す るた め,ガ ラ スの構造解析 が さまざ まな分光 学的手 法 に よ り行 なわれ NMRお た;コ .同 体 高分解能 よび X線 光電 子 分光 法 よ り,1つ の ケ イ素 に 3つ の非 架橋硫 黄 と 1つ の架橋酸素 の配位 した構造単位 が,ガ ラス中 には主 として存在 す る ことが示 された.結 品化合物 中 に は存在 しない この よ うなガ ラス特有 の構造単位 が,結 品化 に対 す る安定性 向上 と伝 導性 の増大 を もた らした もの と考 え らオじる8詢 . 一 方,オ キシスル フ ィ ドガ ラスを電 解 質 とす る 3V級 お よび 4V級 の全同体 リチ ウムニ 次電 池 が 試作 された8■ 日.こ れ らの電池 における充放電効 率 は 99%以 上 であ り,単 一 キ ャ リヤーのみが移動 す るため,副 反応 がほ とん ど起 こらな い とい う,全 固体 系特有 の良好 な充放電 サ イクル特Itを 示す こ と が報告 されて い る。 c)リ チ ウム系超 イオ ン伝 導 ガラスの メカ ノケ ミカル合成 融液超 急 冷 に よ り得 られ る Li2S SiS2-Liχ MO夕 系 オ キ シスル フ ィ ドガ ラス は, リチ ウムニ 次電 池 用固体電解質 として有用 な材料 であ る こ とが示 されたが,実 際 の固体 電池 として用 い る場合 には,い ったん粉砕 して微粒 子 とし,こ れ を電極活物質 と混合 して良好 な界面 コンタク トを得 る必要があ る. その よ うな同体電解質微粒子 を,高 温 の融液 を経ず に直接合成 す る手段 として,オ キ シスル フ ィ ド系 非晶体 の メカ ノケ ミカル合成 が 試 み られた。 LizS結 晶 お よび SiS2結 品 を出発原料 として Rlい ,遊 星型 ボー ル ミル に よる約 20時 間 の メカ ニ カ ル ミリング (MM)を 行 な うことに よ り, この 2成 分系 にお ける非品質化 が報告 され て い る80 得 られ た非品質材料 は,Li2S― SiS2系 超 急 冷 ガ ラスの粉 木試料 と同様 な 10“ Scm lオ ー ダーの高 い導電 率 80. を有 し, リチ ウム イオ ン輸率 がほぼ 1で あ る ことが報告 された また,オ ル トオキ ソ酸 リチ ウム を少量 含 むオキ シスル フ ィ ド系試料 に対 して も,非 品質化 が なされ つ これ らの試料 の 1体 高分解能 NMRよ り,わ ず か 1時 間 の MMで SiS2結 品 はほぼ消失 す る と た° 「 ともに,稜 共 有 を もたな い SiSl構 造 が増加 し,10時 間以 上の MMに よ り融 液 急冷 ガ ラ ス と非常 に 類似 した局所構造 が形成 され る こ とが示 された 8η MMに . よ り得 られ たオ キ シスル フ ィ ド系非 品質団体 電解質 を用 い,Inぉ よび LiC002を それ ぞれ 負極,正 極 とす る全団体 リチ ウムニ 次電池 が試作 された。 この電池 は,サ イ クル初期 に若十 の容 量低 下 がみ られ る ものの,充 放電効率 はサ イ クル を重 ね て も 99%以 上 で あ り,二 次電 池 として十分機 能 3'L す る ことが示 され た 以 卜, リチ ウノ、系非吊質超 イオ ン伝 導体 の研 究開発動 向 につ い て述 べ た 融液超 急冷法や MMに よ り得 られ るオキ シスル フ ィ ド系非品質同体 電解質材料 は,Li‐ イオ ンの シ ングル イオ ン伝導体 で あ るばか りでな く, リチ ウムに対 して 10V以 上 の きわ め て広 い電位 窓 を有 す る。 したが って,溶 液 系 では実現 が困難 な 6V級 ,7V級 の高電圧 リチ ウムニ 次電池 を構築で きるn」 能性 を秘 めてお り,今 後 い っそ うの発展 が期待 され る. 4.4.B. 高 分子 を溶 媒 に用 い た固体 電解 質・ 電気化学系 は,電 子移動反応 を通 して,化 学 エ ネル ギー と電気 エ ネル ギーの相 互変換 の場 として , ・渡邊正義 、ABE(横 浜 LI立 大学大学院工学研究院 ) ヽlasaメ ,shi WAl‐ 、 11 (a)溶 液 を用 いた リチ ウ′、 系 二次 電 池 (b)高 分 子修 飾電 極 を 用 いた電気 化 学系 電気 化 学系 (c)高 分子固体電解質 し学系 を用いた電気イ 図 12 高分子を用いた電気化学研究の進展 また化 学情報 と電気信号 の相互変換 の場 として,人 工 系 そ して生体 系で重 要 な役割 を担 ってい る。 こ の電気化学系 を構 築す るため には電子移動反応場 を提供 す るイオ ン伝導性 の媒体 が必 要 で あ り, これ まで水 あ るい は有機溶媒 な どの液体溶液 が用 い られ て きた。 しか し近 年 ,同 体状 態で イオ ンを高速 に かつ選択 的 に伝 導 で きる高分 子 の研 究 が進 み,こ の状 況 に変化 が み られ る (図 12).固 体状 態 で イオ ン伝 導性 の高 い物質 は固体電解質 と呼 ばれ,従 来 は無機化合物 の独壇場 であ ったが,イ ォ ン伝導性 高 分子 を一種 の溶媒 に用 いた高分子 同体電解 買 (polymer elcctrolyte)が 開発 され, この状 況 は現在 急 速 に変 化 して きて い る89 9¨ 特 に,高 分 子同体電解 質 は次世代 リチ ウムニ 次電 池 用電解 質 としての 期待が大 き く,世 界的 にその基礎 お よび応用研 究 が展開 され てい る. 本項 で は, これ まで イオ ン伝 導性媒体 として用 い られ て きた電 解質溶液 の溶媒 のかわ りに高分子 を 用 いた ときに (図 12(c)),伺 が起 こ り,何 がわか り,何 がで きるか とい う観点 か ら進 めて きた筆 者 ら の研 究 を中心 に,そ の一端 を紹介 した い. a)ポ リエーテル を溶媒 に用 いた高分子 固体 電解 質 多 くの 高分 子同体 電解質 が 高 イオ ン伝 導性 を示 す の はガ ラス転移 温度 (■ )以 上 の温 度域 で あ り, そ こで は高分子 の力学的性 質 を決 め る緩和時間 は,化 学的架橋構造 や,高 分子鎖 どうしの絡 み合 いな どに よる架橋効 果 に依存 して い て,イ ォ ン伝 導 に関与 す る局 所 的緩和時 間 とは基 本 的 に独立 して い る. これ は,高 分子化合物 だ けが もつ特徴 であ り,高 分子化合物 をf■J体 電解質 に応 用す る最 も重 要な 利点 であ る'ヽ 現在 Lに 研究が進 め られ て い る高分子 固体電解 質 は,オ キ シエチ レン構造 を有 す るポ リエー テル 系高分 子を高分子溶媒 とし電解質塩 を この 中 に同溶 した系 であ り, ここではポ リエー テル 系高分子 固体電解質 につい て述 べ る。 ポ リエ ー テル系高分子 中 で,イ オ ンの移動 は高分子鎖 の局所運動 とシンクロナ イズ して起 こる こと が広 く認 め られ て い る。 そ こで室温付近 (30C)で の高分子 中 の イオ ン伝導 の実際 を少 し具体 的 に して み る 無定形 高分子 中 の イオ ンの二次元拡散 が酔歩 モ デルで表 わ され る とす る と,′ を一歩 の長 さ, 2と ンを単位時間 当た りの歩数 とした とき,拡 散係数 (D)は ,D=(1/6)ν ′ な る。高分子 のセ グメ ン ト 運 動 の 緩 和 時 間 を τと した と き ν=τ lで 表 わ され,か つ τの 温 度 変 化 が WLF式 :log[τ (7)/ τ(■ )]=-174(T― ■)/[516+(T-71)lに 従 うとす る ここで, 4に おけるτ=103s, T= C(=η +80C)と すると,7=25× 108sと なる.′ としては 1∼ loÅ 程度であろうが, ここでは 5Å とするとD=17× 10 8cm2s lを 得る.Dと イオン導電率 (σ )の 関係は,Ncrnst Einsteinの 式 :σ =″ 92つ /力 Tで 表 わ され る。 ″の 値 を lm(月 71に 導 入 され た 電 解 質 の 10%が キ ヤ リヤ ー イオ ン と して働 く,す な わ ち 100° cm Sと した と き,σ =10× 10 6Scm lと な る。 この 値 は,現 在 まで 30・ 4電 解 127 質 に得 られて い る導電 率が比較的高 い高分子同体電解 質の それ に一致 す る それで は, よ り高 い導電率 を実現 す るためには, どの ような方法論 が あるだ ろうか。 もしイオ ン移 動 と高分子鎖 のセ グメ ン ト運動 が協同的 でか つ WLF式 に従 って変化 すれば,イ オ ン移動度 を増 大 さ せ るには ■ を低 ドさせ る しか方法 はな くな るが, これ には化学構造 との兼 ね 合 い で限度 が あ る.よ り高 い イオ ン移動度 を示 す高分子同体 電解質 を開発 す るためには,側 鎖緩和 な どよ り速 い分子運動 と イオ ン移動 が共役 で きるような高分子 や, よ り解離度 の高 い電解 質 の設 計 が必 要 であ ろう。 その 1つ の試 み として,筆 者 らは,1∼ 4に 構造 を示 す よ うな,多 分岐型 で 自由木端側 鎖 を多 数 もつ よ うな ボ リエ ー テル 系高分子 を合成 した9". 1お よび 2は 分子 量 10。 に達 す る高分子量体 で,電 解質塩 とと もに共通溶媒 に溶 解 しキ ャス ト法 で 製膜 す る ことがで きる また 3お よび 4の マ クロモ ノマ ー では,電 解質塩 が これ らマ クロモ ノマー に 直接溶解 す るため, これ をキ ャス ト後熱重合 あるい は光重 合 で重 合架橋 させ る ことに よって固体電解 質 が得 られ る 図 13に ,1に Li(CF]S02)2N(LiTFSI)を 溶解 した固体 電解質 の イオ ン導電率 の共重 合体 組 成 依 存性 を示 す。 この 高分 子 固体 電 解 質 の 導 電 率 は 30Cで 3X10(Scm l,60Cで 103s cm lと ,こ れ まで検討 された ポ リエ ーテル 系高分 子固体電 解質 の 中 で は最 も高 い イオ ン導電 率 を示 す こ とを見 出 した'4,5、 しか し,■ は一般 の ポ リエ ー テル系高分子 団体電解 質 と比 べ て特 に低 い値 ではない。 また,3の マ クロモ ノマー架橋体 で は,マ クロモ ノマー の分 子量 に対応 す る樹枝 状側 鎖長 の変 化 に対 して,■ は一 定 で あ るに もかか わ らず,イ オ ン導電 率 に極 大 が現 わ れ る現 象 を見 し 出 た90.こ の ように,■ に は反映 しな い高分 子鎖 の局所 的 なダイナ ミックスが 高速 イオ ン輸 送 に影 響 す ることを示 した。 また,イ オ ン伝導性高分子 中の 自由体積 の大 きさや その分布 の解析 に,陽 電子消 滅法 の適用 の可能性 を検 討 してい る9η . ポ リエ ー テル系の固体 電解 質 は, リチ ウムの還元電位 まで は安定であ り電位 窓 も広 い .ま た現 在 , ‐ CH2♀ H° XCHκ H′ 叫 喘 CH′ O― CH,CH「 0-cH2CHrO― CH3 1 ‐ CLiH 味 ;樹 繋 蹴 iO→ 所c跳 CH2-O― cH CH′ 0-(CH,cH「 O― 鳩CH, CH2-9H ム 2 .c、 ♀H oЖ c喝 CH′ の 高 CLOヽ o CLCH′ O“ L CH2-0-cH2cH,-0-CH,CH′ O― CH。 ‖ リアウノ、 系 二次電池 0 0 ︲ FEOのヽ■P■ ヽヽ ヽ 010203040∞ 共重合体組成 x/mo% 13 ポ リエー テル系高分子 (1)に 11(C「 3S02)2` を溶解 した 川体電 解質 ([Li1/[Ol― 006)の イオ ン導電 率 の共重合体綿成依存性 図 リチウム をは じめ とす る電極活物質 との界面 での電子移動 反応 の可逆 llに ついての検討 も進 め られて い る.液 体溶液 と比較 して この電気化学界面 の安 定性 は高 く,さ らに電子移動 反応速度 に も高分子構 造 が影響 を与 える ことを見出 して い る 9り 今後 ,次 世代 リチ ウムニ 次電池用 の電解質 として広 く用 い られ るためには,導 電率 の 向上 ,迅速 電 子移動 を可能 とす る電気化学界面 の構 築 輸 率 の制御 mの 90, リチウム イオ ン ヵ,必 要であ ろう . b)高 分子 を電子移動 反応場 に用 い た固体電気化 学 以上述 べ て きた ようなイオ ン伝 導性 高分子 の研 究 を進 め る過 程 で, これ を溶媒 に用 いた固体電気化 しか し,研 究初期 に はイオ ン伝 導体 中 “ の電圧 降下 (tヽ わ ゆ る ′ ドロ ップ)が 大 き く,得 られ る電気化学 応答 が定量 的 な議論 に耐 え うる もの で はなか った 馴ヽ その後,そ の大 きさが μmオ ー ダー であ る微小電極 を用 い る ことに よ り,こ の 間 Ю 題 点 を克 服 す る こ とが で きた 上 高分 子を溶媒 とす る同体電 気化学 測定 を実現 す る こ とに よって 105ヽ さらに こ 高分 子中 の レ ドックス活性 分 子の拡 散係 数 を電気化学 的 に求 め る こ とが可能 にな った 学 系 が実現 で きるので はな いか と着想 した (図 12(c))Ю LЮ , の方法 は,オ リゴマー程度 の分子量 であれば高分 子溶融体 中の 高分子鎖 の拡散係数測定 に も適 用可能 であ った mO. イオ ン伝導性 高分子 を用 いた電気化学 にお い て も最 も特徴 的 な点 は,被 反応種 である レ ドックス分 子 の拡散係数が著 し く小 さい点 であ る レ ドックス分 子を高分 子鎖 に修飾 して固定化 した場合 には , その物理 的拡散 は無視 で きる.物 理 的拡散 が著 し く抑制 された状 況 では,電 気化学反応 にお ける電荷 10〕 輸 送過程 での電 子交換 反応 (電 子 ホ ッピング)の 重 要性 が増 大 す る .ま た,電 子 移動媒体 で あ る高 分子 は,温 度変化 や電解質濃度変化 に よって,そ の ダイナ ミックスを大 き く変化 させ る. この ような 高分 子媒体 中 での電 子移動反応 の特徴 を明 らか にす るために,5,6に 示 す よ うな イオ ン伝 導性 モ ノ マ ー とン ドックス活性 モ ノマーか らな る共市合体 を用 い,レ ドックス分子 間 の電 子移 動 反応 に及 ぼ す,レ ドックスの分子 の濃度,自 己電 子交換速度定数,電 解質濃度 お よび温度変化 に よつて誘起 され ユ]0'L る高分子鎖 の ダイナ ミックス変化 の影響 を検討 した 1。 これ ら共重合体 を溶媒 に用 いた電気化学系 は,低 分 子溶媒 が系中 に存在 しな い点,こ れ ら共重合体 ■ t tt Fl 129 自身が溶媒 かつ溶質 として働 いて い る点, さらに溶質 が 高分 子鎖 に固定 され てい るため巨視的 な拡 散 がで きない点 な どで,従 来 系 とは まった く異な る特 異な系であ る その結果 , これ ら共重合体 中 で は レ ドックス分子 の物理的拡 散 は無視 で きるに もかかわ らず, レ ドックス分子間の電子交換反応 に よる 電荷輸送 に よって 可逆 的 な電気化学応答 を示 す ことを見出 した。 また,all定 され る見か けの1[子 の拡 散係数 か らレ ドックス分 子間 の電子移動反応速度 を求め ることがで きた。 さらに, この 高分 rバ ル ク 中 での電子移動速度 は,高 分子 中の レ ドックス分子 の濃度 ,そ の 自己電 子交換速度定数,反 応媒体 で あ る高分子 の ダイナ ミックスに影響 を受 け,東 縛拡散 モ デルで説 IIIで きる ことを明 らか に した 4.5.新 しい 電 解 質 と して の 常 温 溶 融 塩 = 電解 質溶液 は,解 離 して イォ ンを発生 させ る塩 とイオ ンが伝 導 す る場 を与 え る溶媒 か らつ くられ る 固体 の塩 その もので はイオ ン移動 が不可能 なので イオ ン伝導性 はない 一 方,塩 は 高温 にす る と 融解 す る この溶融状態 にあ る塩 は溶媒 が な いの に もかかわ らず,高 い ィオ ン伝導度 を示 す この よ . うな状態 の塩 を溶融塩 と呼 び,一 般 の溶 媒 が 蒸発・ 分解 して しまうよ うな高温 で も安定 なため ,高 温 電気化学の分野 で活躍 してい る。 日常 の温度 で も塩 が液状 になれ ば多方面での利用 が期待 され るが , 無機塩 では実現 で きなか った.と ころが,室 温 で溶 融状 態 にな る塩 は い まか ら 50年 も前 か ら知 られ て い た1川 .塩 化 アル ミニ ウム を成分 とす るオ ニ ウム塩 であ る。 これ らは無機 系 と区別 す るた め に 有 機常 温溶融塩 と呼 ばれ る N― ェ チル ピ リジニ ウム プ ロマ イ ドと塩化 ア ル ミニ ウム を混 合 す る と , 1:2の モル比 の ときに融点 は -2()C以 ドとなる!Ю ヽ これ らは空気 中 で は水 分 と反応 す るな ど,取 り 扱 い に注意 が必 要であ る.塩 化 アル ミニ ウムにかわ るア ニオ ンを探 索 した結 果,ヽ Vilkesら は,イ ミ ドア ニ オ ンや メチ ドア ニ オ ン(カ ルバ ニ オ ン)を 使 う と安 定 な常温溶融 塩 とな る こ とを 見出 した HD. 広 い温度域 で本気圧 が 0で あるため,蒸 発 せず に燃 える こともな い とい う優 れ た溶媒 としての 側面 もあ り,楽 しみな材料 である。近 年で は, イォ ン性 液体 (lonic lkluid)と も呼 ばれ る ll・ 4.5_A 有機 常温溶 融塩 ジアル キル イ ミダ ゾ リウム塩 の アニ オ ン種 を TFSI― や BF4 な どに交換 す る と ,融 点 は 著し く低 ドす る.ア ル キル基の種類 や位 i酎 な どに依存す る こ とはわか って ぃ る力ヽ まだ特 ‖iと 構造 の相 関 が き れ いに整即 され てい ない 用 い られてい るカチ オ ン もジアル キル イ ミダゾ リウノ、系 (I),ア ル キル ビ リジニ ウム系 (H),テ トラアル キル ア ンモニ ウノ、系 (Ⅱ l)が 主体 で ある。解析 が思 うようにlllま な い一 因 は 合成 ,精 製 の難 しさであ る.特 に,得 られたオ ニ ウム塩 の ア ■オ ン交換 が難 しい.銀 塩 を用 いて ・ 人野 弘十 H■ 0,uki o[べ o(東 京 農 J:大 学 11ア 部 ) H 、 リチウノ 系二次電池 ︿ ︲ ︲ ︲ ︶ N ︲ R 0 /に ¬ `ヾク R × I X ・ ` N、 R R/` R R (Ili) (11) ハ ロゲ ンイオ ンを除 いた り11‖ ,他 の塩 との組 合 わせ で溶 解 度差 を利 用 して分離 す るのが一般 的 であ るが,多 くの系で純 度 を高 め るの は難 しい。一 方,TFSI を有 す る溶融塩 は水 に不溶 で あ るた め副 11の 生成塩 を水洗浄 で除 くこ とが で きる ので,広 く検 討 され るよ うにな って きた。 また,3級 ア ミン と有機酸 の 中和反応 (下 式参照 )に よ り,常 温溶融塩 を得 る試 み /¬N ク R/N、 ィ + HX ま っ た くな い の で ,塩 の 単 離 は容 易 で あ る 1lJも あ る この方法 で は副生成物 が . /¬ R/N\ X τク N.H 多 くの 系 で オ ニ ウ ム 塩 系 の 常 温 溶 融 塩 とfnl等 の 性 質 を示 す ことがわ か つて きてお り,溶 融塩 のモ デル として物性 n「 lに 利 用 で きそ うで あ る 4.5.B. 有機 常温 溶 融塩 の イオ ン伝 導 度 イオ ン伝 導度 は,系 内 の キャ リヤー イオ ンの数 とそれ らの移動度 の積 で表わす ことがで きる.常 温 に比 溶融塩 の イオ ン伝 導度 は著し く高 い。 これ はイオ ンのみか らな る液体 なので,一 般 の電解質溶液 く 般の 較 して キ ャ リヤーイオ ン数 が 10∼ 1,000倍 も大 きい ことと,溶 液粘性 が それ ほ ど大 き くな ,一 ム の イオ 電解質溶液 と同程 度 のイオ ン移 動度 が確保 されて い るた めで あ る 図 14に イ ミダ ゾ リウ 塩 ン伝 導度 の温度依存性 を示 した。 アニ オ ン種依存性 が ここで もみ られ,ア ニ オ ンの選択 が きわめて重 ン わ せ て も良 要 で あ る こ とがわ か る。 多 くの検 討 か ら,TFSI や BF, な どは多 くの カチ オ と組 合 1り ことが 経験 的 に知 られ て い る. ∫ 能性 が高 い 好 な常温溶融塩 を形成 す る 口 しか し,運 ぶ ことので きるイオ ン種 が重要 な応 用分野 もあ る い うまで もな く,常 温溶融塩 はオニ つ ウム カチ オ ン と有 機酸 アニ オ ンか ら構 成 され るので, これ らが キ ャ リヤ ー イオ ン とな る. したが て とえば リチ ウム イオ ン伝導体 を設計 す る ときに,イ オ ン伝 導度 が優 れて い るか らとの理 山で常 ,た い には,常 温溶 温溶融塩 を用 いた として も, リチ ウム カチオ ンの輸率 が 10に な るわ けで はな .一 般 ラ 融塩 に多量 の リチ ウム塩 を単純 に添加 して リチ ウン、イオ ン伝導体 を得 よう とす る と,融 点上昇 ,ガ 。 2 。 3 ¨ ¨ ´∈ooヽ姜齋い、、 、 一 一 一 一 -60 図 14 アニ オ ン種 の異 なるエ チル イ ミダブ リウム塩 の イオ ン伝 導度 の温度依存性 4電 解 rf 131 ス転移 温 度 の上 昇 ,粘 性 増 大 ,そ して それ らの rL・ 果 として イオ ン伝 導度 の 低 ドが 起 こる。 4.5C. 選 択的 イオ ン移動 と高分 子化 日的 とす るイオ ンだ けが 高速移動 す る常温溶融塩 が合成 で きれば,応 用展開 が格段 に進 む と 予測 さ れ る。 しか しなが ら,残 念 な こ とに,た とえば リチ ウムカチォ ン と組合 せ て常温溶融塩 になるよ うな アニオ ン種 は知 られ て いない。 そ こで,現 存 す る系 を改良 して 目的の イオ ンのみ を運搬 す る系 を作製 す ることにな る 最 も容易 な方法 は,目 的以外 の イオ ンを場 に固定 す るこ とであ る。 これ には高分子 化 が有効 で あ る日■ 低分 子常 温溶融塩 の うち,カ チオ ン席 を高分 子化 す る と,系 を移動 で きるの は ア ニ オ ンのみ とな る.逆 に,ア ニ オ ンを高分子 鎖上 に固定 す る と,カ チ ォ ン伝 導体 とな る ところ が,片 方の構成 イオ ン種 を固定 す る とキ ャ リヤーイォ ン数 が半減 し, しか もイオ ン 移動 を抑止 す るよ うに系 が硬 くなる。 その結果 ,イ オ ン伝 導度 は激減 す る。高分子化 に伴 うセグメ ン ト運動 の 低 下 をで きるだけ抑 えるために,高 分子主鎖 と常温溶融塩 を形成 す るイオ ン席 を フレキ シブル なスベ ーサー で 結 ぶ試 みが あ る。 これ は,PEOォ リゴマー の両端 にそれ ぞれ メタ ク リル酸 とイ ミダ ゾ リウム カチオ ン を結 合 させたモ ノマー をラ ジカル重 合 して得 られ る1“ ヽ このモ ノマー は粘性液体 で あ り,室 温 で 10 3Scm l程 度 のイオ ン伝 導度 を示 す.重 合後 の イオ ン伝 導度 は 1桁 低 す る 卜 程度 で あ り,常 温溶 融塩 サイ トの「1由 度 を上 げる こ とが 高分子化後の イオ ン伝導度 を高 く つ うえで 保 有用 である ことを示 す. イオニ クスデバ ィ スの小型化・ 軽量化 を意図 した応用 を考 える 場 合,多 くはデバ イスの固体化 が不 可欠であ る.常 温溶融塩 も液状 か ら団体 ドメインヘ の展開が期待 され てい る.本 来 固体 であ った塩 を 液状化 し,そ れ をまた固体 にす る とい うの は矛盾 す るこ とで もな く ,退 歩で もな い。 」体状 態の塩 は イオ ン伝導性 を示 さないため,電 解質膜 として利 用す る ことはで きない 常温溶融塩 とい う液状塩 を 経 て,高 い イォ ン伝導性 を もつ団体 フ ィルム を得 る こ とは きゎめて 意義 のあ るこ とで あ る.常 温溶融 塩 は従来 にない特性 を有 してお り‖υ,新 しい「 ィォ ン場」 として 期待 が もて る物質群 で あ る。 文 献 1)GE B10mgrcn “ Lithiunl Batteries CabanO (cd) Acadcmic Prcs Nc、 (1983)Ch 2 p]3 JP YOrk 松 LE好 晴 , 日化 ,19891 ヽ Cutmann 「 hc DonOr― Acceptor Approarch toヽ 101ecular lnteractiOns1 1)icnum Press, Ncヽ ヽ()「 k(1978),Chap 2 4)百 田邦 尭 ,電 池 技術 ,8108(1996) 5)Y ヽlatsuda, ヽ1 ヽ1()rita and K KO望 ka ルマ ィツ′ η で〃 ,,こ `力 ヽ1 卜IOrita aIぅ d ll()(1983) 6)Y ヽlatsuda ′ 130101(1983):Yヽ latsuda K KOsaka つで″た′K(ぇ8″ 々r 51 H ヽakashn11.n.ヽ l MOrita and Y Takaド u′ ″れ ′ ″ s″ `ル `,〃 `1 128,2552(1981) 7) ヽ 卜Iatsuda,ヽ 1 ヽ10rita and F Tachihara B=`′ ′ C‐/1ζ ′ ″ Sθこ ル ,7 59 1967(1986) 8)S H,OdO and K Okabayashl Eta′ 7″ ′ ′ 2 ■ ″ `/1′ `′ 34 1551(1989):S II,Odo a1ld K Okabavashi Elc(力 η `71′ ″ ■ `″ 34 1557(1989) 9)B Klassen R Ar()ca M Nazri and c A Nazri 71B1021795(1998) ノ abs c‐ 77′ ′ 1())M ヽ10rita Y AsaL ヽ YOshimotO, and ヽ1 1shika、 a ノ C力 α ″ ,た E2た ″● T″ ″ゞ 94 3451(1998):森 田 ::行 ,石 川 正 司,電 池 技術 , 12 56 (200()) 11) 12) 13) 11) ヽ1 lshika、 a 卜1 、10rita, M Asao :ind ヽ ヽlatsuda′ んソ ′ ″′ η ′ 〃 ,,`1 141 11()5(1991) `″ 小柴信 ヶ ,池 畠敏彦 ,高 :Π 賢 ―,ハ17′ わ″α′7を `カ ″ “ρ 7.37 641(1991) '`r77R“ 佐 々木 十人 他,米 発表 デー タ C Nanjudiah Ji´ G01dnlan i.A Donlincy,and `,′ V R Koch′ ″′ 15) 16) 17) l`7r t,た 絲 r.1352914(1988) 田 “稔 ,小 林 義和 ,佐 々木 十夫,電 化 ,第 63大 会 要,集 ,p101(1996) ' Sasaki N Yそ tnlazaki and ヽl Handa Ma′ ヽ 7・ 1崎 信■ ,半 R6 &ll ,り ″″ ′ う り ` 4961,7(1998) ■多房次,第 3611電 イ ヒセ ミナー,“ 電池材料 開発 の最 先端 ",p45(1996) H 132 、 リブウン 系二次it池 1ゆ Aヽ ヽ̀cbbcrノ υ ピ ″′ (ル θ″ …1382586(1991) 19)]Γ l)u〔 1lc, I)1) ヽVi kil〕 '″tl (, 1 1lon〕 a、 :て Lcva( S ヽヽo(凛 II I'lo:1〕 C IIo「 vat11 ヽ1ヽ V 11) ヽII, An〕 ald Jヽ 4 Chal,ag[〕 `ツ (1979) p 131 42)ヽ l Cauthicr ′ ヽ, 35 50 (1991) R Da1ln, た /う ′ r`', ヽθ `,7て ′ ルリ, 1″ ′ ″″● 16 ル 37々 ,ハ &ル ′ 20)M tc 3(,2 (1997) “ L 多 ″;次 ,川 909 (1999) 22)M Schmidt tj Jtli〕 '(′ Kapfer S Ricard C ヽasゝ )rt ヽl Arlnand J Y Sanche/ and L Krause ′ /b7tマ ′''“ ″ 54 ■eider A Kuhnor IR oc● enヽ 1 41)S IzuChi S Ochi`li and K Takeuchi′ ル ,′ Vtlhr R I'uで 、 trich and ll J ヽ1 ヽ ,, So( 142 2527 (1995) ,′ `r17,`ル 1433572(1996) (′ ′ ズ ′ ″〔 ')で ヽl Scl,Inidt く 26)I 13arthel R"〃 13ucstrich ll J 'orcs '々 1 144 3866 andヽ 1 ヽヽhrノ F々 て77″ rlll `ん (1997) I:arth〔 :l ヽl Schmidt and ,IJ ('oreヽ ア ヤχ l15 1´ 17(1998) ll″ ル (リ ツ ト `′ ー ィ リ ′ 28)ヽ I IIanda S 「 ukuaa and Y Sasaki ノ E′ `イ ′ 27)J E″ 144 L235(1997) 29)Y Sasaki S Scki、 a ヽ1 llal〕 da and K ビsa:1li (り `′ 7319(19'5) 32)(: FeuilladC al,d l) 1)crchc ,″ 5 63 (1975) `ll● 33) 「 Tそ ttSt n〕 a ヽl l aguchi Sotonll11■ and` ()、 ``′ '`, ヽl Iヽヽ ・tktl I ″″′C′ 7`′ ,7 a nlaノ ″′ `(″ `,″ ′ ケ llll, “ホ リヽ ― バ ツテ リー の 11=i技 術 ■ ー(i9t18),p 131 分 r学 会編 ,・ ソ フ トエ ネル ギ ー 分 野 を支 え る ",「 ヌ・ テ ィー・ Jス 分 子 材 料 の 活 川l最 前 線 シー 35)高 高 Lノ 、シ (21)()())p 13(3 '′ N(■ r、 ヽ1● 6312(1985) ltZ 」`l Trasco1l AS 37)C Scllll〕 ι ヽ Varr(■ 〕 1'rO[ ElectroChCnl SoC (1(1/dz I)C .ol ` `)1 28 )95) 38)AS(:o%dz Cヽ J `I I` arascon tlilrl l'C ヽヽarrcn じ S Patcntう 118091(191)5) Sch]lヽ utz 31))AS(〕 ozdz,I ヽl Tarascone C` SChtunutz P C ヽ ヽ.t rrcil()S (lebizlioglu and 「 Shok00hi l)rOc Ann Batter、 C(】 ]F Appli A(lv● (1995) p 3()1 10)」 `/1'′ (1992) 51)「 Croce F (lcracc (' 1)atttzcmberg S l'a、 sc riI〕 I' Appctccchi and 13 Scrosati ど″ ″′ i(〕 `′ ■ : 39 2187 (1991) `々 `ル 52)N Oyanla l Tatsunla T Sato and T Soto11lt ra, 1` ″′ ″ 8713 598 (1995) ,て ツ 53)(iI芍 ドtOia A Anい nini and C` ang′ P〃 イ ,,′ てハ ,58 139(1996) 51)13 11uang, Z ` nag L Chcn R ヽue and「 `l Tそ :ia、 c ol]A S Cozd% C SChnltlt′ 10th F 〃S=ィ tた ′,″ ルヽ Varrc]1 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l Abrahanl andヽ l Alamgir′ E′ ′′′だル “ ` 'だ 60(1999) `、 163(1995) Lithitlm 21)J llarthel R Buestrich E Carl,and 1l J(:orCS ■kれ りll'″ 1433565(1996) ′ ″々て′ 25)J 13a:thel R Bucstrich E Carl an(1 1l J(}oreS `ル ヽa ssor[ A ヽl Chabagno ヽltlller P Riga■ ld ヽI B Arnland and D り ピlll,,( 1321333(]985) Dcr(x)ノ Eた ′ `ル 13)ヽ 1 (:atithier A Bclanger l' 13ouc1lard B 2000 Abstractヽ o23(2()0()) (10res た77〔 D I'auteux (} icr D gilitz ヽ lg]latё 、, and l' Sartori l()th intcr 23)J Barthel Shelo、 ((,ds) EIseヽ 13eiHllgcr ヽI I)u、 aL l' Ric()ltx J 章,1劇 il高 りJ,電 気 化 学 ,65, nati()n`11ヽ le(ltinH on L thitlm Battcries・ 時iui,dv and (】 K ヽ Juzk(,w B I)cnis P Juric P Aghakian and J 21)喜 o and ヽlJ l)uclol, Fast lol,l ra1lsport in Solid・・ I)ヽ ashishta T s(〕 ′ ″ : スで 43(1011)1193(1998) 59)松 村 康 夫 ,荒 井 康 二郎 ,メ L山 閾 男 ,二 友 宏 志 :繊 維 学 会 誌 ,52117(1996) 日国 男,lrt本 史朗 :特 願 平 11110597 │:「 [業 材 米斗, 48 32(2()00) 卜山 夕 61)メ し1回 ワ), ′ 62)D J 13anniSter G R Davies I M` `ard and J E 60)丸 ″ ヽlcintゝ rc,′ わみ′ `, 25 1600(1981) た ind ヽ Eda D(り ′ tlChi ′ 63)T Ininla v To,0“ ' κ″マαtlr 53 611)(1985) ,η 61)S Passerini R Pileggi alld i3 SCrosat El(で ′ ′ ′ ′ ′4″ α 37 1703(1992) `力 65)II Inabaヽ 1 1ヽ aku K ヽakasc H Yastlkawa 40227 て だんル″ ■ I Seo and N()▼ llna F/て '`′ ′ `々 (11,95) 66)ヽ l KitagaWa ヽl lwaku and N Oyama,′ わ `ll: 1,じ 解 〔 “ .lr/1 aて , 6211(1991) 67)(}B AppetocchL「 ″′ ,っ で 力′ ′ ″ ■で′ “ 68)S I'a:ler(、 `′ CrOcて ヽa ll〔 l l' Scrosati 40991(1995) `ι E S:)ila and 13 ScrOsati ノ Fl(`′ ,っ ″″″′c71″ ′ ″ 396 385 (1995) 69)E Cttzzane1li()ヽ I[lriOtto(11, Al)pcteCChi「 Crocc a:ld 13 ScrO、 ati ′ ″ ″,`ん l1 1`47 40 ,′ ``′ 2379 (19t15) `′ ガ″″,7ル C/1`り ′ ′J/r7′ 1 ι′ 1 5 1268 (1993) inH Sull l'CT Int Appl VFO(,7 16 2()7 72)1´ uゝ (1997) 73)Aヽ 1(Has K ヽa、 au and l J Ncgran 4″ ′′も 、 49お 18(19,D ′ ´ ア1)ヽ I l atstlmisago al〕 d´ 1 ヽlina11,i ■′ ″′ で ,1 こ々(り ,? ′ ¬ ヽ… 181(198つ 75),([11少 11弘 , i 努 ,化 学 ,43314(1988) 76)ヽ 1 ヽlcnctner A II(ガ j`lji C Es10unles alld A Tachez J ル″ ヽ′ ″′ ( ル,″ ル、,48 325 (1991)iヽ I 、Ialtlgal〕 i lR ヽlccrcier and (, Ro l)crt ′ ゎlr7 14 181 (1981) I´ i、 a、 s(,l S`′ ,7)J II Kenned、 1`″ たり,Cル ′′ 力 ,、 ヽ 2329(1989) `=た cヵ (′ ″ d Z Zllang S()′ lr7 80)S KOndO K iakada andヽ S′ ′ ″り、 23 St(`々 ′θ′ ′ た、 Yanlainura ,,′ ,17 ′〃′ ル、 53 56 1183(11)92) 81)ヽ 1 l atsulnisagO K IIirai l Minanli K l ak`1 da and S KOnao′ こ′,マ ,″ S″ ● /r,′ 101,1315 (1993) 82) K Ilirai ヽ1 ・ago ヽ1 1` akahashi and I ヽllllalni′ ′lll C〔 りそ ″〃 ヽり ′ 79349(1996) 83)A Halash ヽI Tatsun■ 、′ iЯ 0 1 Minann and ヽ ヽliura ′Ⅲ 、C7(り ″ `,″ srs 39,115(1998) 81)K Iヽ a11〕 OtO ヽ A(■ ani K l` akada alld S KOilcl(■ (ヵ ル′ヽ′ ″′ ll,(、 70 71 65ヽ (1991) 1レ ltsullli・ /″ 85)K Illan10tO N `AOtalH K T.lkada and S θ/1r/Si`=々 ′,,〃 (、 79 288(1995) 86)II ヽlo「 inl()10 11 ヽamashita ヽ1 l atsunlisago そ ぃdT ヽlinam]ノ ■′ ″ Cll″ ″ ヽ 82 1352 KOnd(■ ,ゞ `た (1999) ヽ uruya T 「 ヽ Vata l:lbc alld ヽ1 ヽ ヽata labc 171`′ ),,7`サ ′ ι(″ ′ て “ 32 151] (199`)) 1)7)A じcdO110 S Iそ liliga、 a rヽ ヽishil1101o andヽ 1 ヽ atanabcノ ′うなり ″ ゝ ′ ′´″ お ル,ハ リ 〃 Prl、 86 191tl(1998) 98)ヽ [ K(I10 E Ha,ashL and ヽ1 ヽ atanabe ノ 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Ji義 .熱 測 定 ,力 12(1997) 92)波 月l Hi義 ,■ 気 化学 ,65920(1997) 93)西 本 淳 ,渡 遺 正 義 ,Ij分 子 ,17829(1998) C々 ご ′ 〃 113)ヽ I 35 116ド (1096) IIi「 aO K ItO and lI OhnO EIttヵ 7′ ,′ `771'′ ・1`々 ′ 15 1291(21,10) 111)1)Iく ヽlcrar anで I stHl J()(nding l, 、lcakin 〔 til(1 `I I'Or、 、 tl] ″7(ィ ′ ′ 7,`ん わ ′ ′ 4(/ 45 1271 (2(,()1)) 115)Ir()hilo a]ld K I(o c72`′ ″ ι[″ 1998 751 116) ヽ1 ヽ(,shiza、 va Hlld l1 0hnO C,,(り ″ ι ′ 1999 `′ ヽ89 117)た 野 ■、 , l:業 材料 ,483r00oO):ペ トロテ ッ 「 ク, 2i)556 (201)()) 5. セパ レー ターおよびバ イ ンダー 5.1.セ パ レー ター材料 の機 能―― 特 性 と製 法・ た リチウムイオン電池用 い 本節 では,携 帯 型電子情報機器 の電源 として,最 近 めざまし 発展 を遂げ べ のセパレー ターについて,そ の機能 と特性 および製造技術 の概要 を述 る。 51A. セパ レー ターの機能 と特性 どの電池 にも共通なセパ レーターの基本機能 は,IF極 と負極 の間 に介在 して こと ① 正負両極 を隔離 して活物質 の接触 に伴 う短絡 を防止 する を形成 する こと 電池反応 に必 要な電解液 を保持 し,イ オ ンが移動 するための通路 にある。一 方,電 池 の種類や設計 に応 じた固有の機能 の例 としては ツケル水素電池) ① 正極 で発生 した酸素 ガスが負極 に抜 ける通路を形成する(ニ ン ム ② 特定の温度で閉孔 して電流を遮断する(リ チウ イオ 電池) や 械的耐久性 も重要 な どがあげられる また,電 池部材 としての実用面 か らは,化 学的 な安定性 ,機 をはじめとして,非 水 め となる. さらに, リチウム系電池の場合は,有 機溶剤 を使用す るた ,安 全性 ② , 系電池 とは異なる下記の要求特性 もある ① 化学安定性 耐有機溶剤性 のある材料 が用 い られる . ② 薄膜化 有機電解液 のイオ ン伝導性 が低 いため,大 面積 が必要 とな り,薄 膜化 して多層 に 重ねて巻 く必要がある . ③ 高強度 ④ 電流遮断 る 薄膜化,電 池組立て工程性,短 絡防上のために高強度 が求められ (120∼ 140・ 電池温度の異常上昇 に伴 う危険 を回避す るために,熱 暴走開始温度域 . C)で 開孔 して,電 流 を遮断す る機能 が要求 される リマー電池)で は,電 解質 の含浸性 ⑤ 電解液保持 特 に,最 近竜場 したポリマー電解質系電池 (ポ と保持性 のため に,電 解液 との親和性 が求め られる。 5.lB. セパ レー ター と電池性能 の関係を示す 図 1に , リチウムイオン電池の特徴 とセパ レー ター要求特性 ① 電池組立て性 ・丹 治博 1l H■ OShi TA、 ■(旭 化成 工業 (株 )機 能膜事業部 ) 5 セパ レー ター お よびバ イ ン グー セパレー ター要求特性 0高 電圧 0高 エネル ギー密度 Lイ オ ンの使 用 低 イオン導電辛 図 1 リチウムイォン電池 (LI B)の 特徴 としパ レーター 要求特性 電 池 の 捲 同組 立 て工 程 での セ パ レ ー タ ー の 破 断 は,]1程 不 良 や短 絡 不 を生 じるの 良 で,適 正 な 強 度 ,弾 性 率 や 摩 擦 特性 , さらに は膜 厚 の 高度 な均 一 性 が 必 要 とな る. ② 充放電 特性 レー ト特性 やサ イ クル特性 には,電 極 /セ パ レー ター 界 画 や セパ レー ター 内の イオ ン移動 が重 要 であ る.セ パ レー ターの 多孔構造 ,活 物 質や バ イ ンダー ,電 解液 な どが複雑 に影響 し合 うので,電 池 設計 に応 じた適切 な子L構 造 の選択 が必 要 とな る. 一 般 には,大 子L径 ,高 空孔 率 の ほ うが透 過 性 は 高 い.ま た,電 池 の 高容量化 に伴 い,セ パ レー ターの 薄膜 化 (従 来 の膜 厚 は 25∼ 35″ m)の 要 求 が ます ます高 まって きてぃ る. ③ 安全性 リチウム イォ ン電池 の安全性 を確保 す るための対 策 の 1つ として ,高 温下 でのセパ レー ターの閉 孔 による電流遮 断 が ある.ポ リマー設計 や多孔構造 を 最適化 す る こ とで実現 され る。 5.lC セ パ レー ター 材料 主 な電池 の構成材料 を表 1に 示す. リチ ウム イォ ン電池用で は,高 強度薄膜化 ,電 解液 へ の化学 的 耐性 や電 流遮 断特性 の観点 か らポ リエ テ レン系 の微 多孔膜 が主 流 で あ る 一 。 方,ポ リマー電 池 用 で は,ポ リフ ッ化 ビニ リデ ン,ポ リエ チ レンオキサ ィ ド,ポ リア ク リレー ト,ポ リア ク リロニ トリル な どに電解液 を含浸 したゲル化 シー トを用 い る もの もあ る。 5.1.D リチ ウム イオ ン電 池 用 セ パ レー ターの 製 法 微 多孔性 シー トの製 法 は「本 Π分離 法 」 と「延 伸 開孔法 Jに 大別 され るり,相 分 離法 は,高 分子 と溶 媒 の混合物 の 高温均一 溶液 か ら熱誘起 ミク ロ相分離 を用 いて,多 孔形 成 す る.実 際 には,ポ リマ ー と 溶剤 を高温で溶融混合 した後 ,冷 却 ,シ ー ト化 し,別 の揮発 性溶 剤で溶 剤 を抽 出除去 して多孔性 シー トを得 る.抽 出の 前後 で延仲 や熱処理 を施 して膜厚 ,強 度 ,多 孔構造 な どを調整 す る.ポ リマ ー と溶 剤 の組 合 わせ や20,第 3成 分 の配 合,延 仲 や後 処理 で もfL構 造 が 変化 し,多 様 な 孔構 造 が 可能 で あ 、系 ●次電池 リチウノ II 表 1 各種 電池 の構 成材 料 セ パ レ ー ター 物質 電池 の種類 電解液 正極 要求性能 材質 負極 次電 池 マ ンガ ン乾電 池 ヽln02 Zn アル カ リ乾電 池 Mn02 Zn ZnC12 0r Nll,Cl KOH(ZnO) クラ フ ト紙 電 解液 合浸性 不織 布 耐 アル カ リ (ビ ニ ロ ン トパ ル プ) 酸化銀電池 Ag20 Zn KOH(ZnO), 空気」L鉛 電池 02(酸 素 ) Zn KOIl(ZnO), ヽa()H(ZnO) NaOH(ZnO) 水銀電池 IIgO(+Mn02) Zn リチ ウム電池 MnO, Li (CF) Li Pb02 Pb PEグ ラ フ ト膜 Zn到 達 防 止,耐 ア ル カ リ ,セ ロハ ン I)E微 多孔膜 溶 H:Ag2の . 酸 素 ガ スIll lL性 セ rlハ ン KOH(ZnO), PEグ ラ フ ト膜 711ア ヽaOH(Zno) LiBF./BL 1'P不 織 布 耐 電解 液 (有 機 溶 剤)性 PP微 多孔膜 短絡 防 lLttl L PEイ 驚 耐酸性 LiC101/PC ルカリ 二 次電 池 鉛畜電池 l12SO、 ni, ガ ラ スマ ッ ト N100H ニ ッカ ド電池 Cd KOH ポ リア ヽ ド不織 布 電 解 液保持 性 ボ リオ レフ ィ ン不織 布 ニ ッケル水素電池 NiC10H MH KOII PP不 織 布 親 水性 ,ガ ス透 過性 , 自己放 電 防止 リチ ウム イオ ン電 池 LiCoO` 炭 素 有機電解 液 膜 ポ リオ レ フ ィン微 多了し 耐 電解 液 (有 機 溶 刑)庄 電 流通 断性 , , 高強 度 薄膜 リチ ウム イオ ン電池 (ボ リマー電解質 LiCo02 炭素 ) 徊解液 含浸 ゲ ルポ リマー 同 i+電 解 液 含 浸性 (1'VDI), PAN, PE()) 電解 質 ポ リマー +ボ リ│レ フィン微多孔瞑 L E B P ロニ トリル,1'C:プ ロヒ レンカー ボネー ト γ―ブチ ロ ラ ク トン,ヽ 1:水 素吸 蔵合 金,PAN:iド リア ク リ ポ リエチ レン,PE():ポ リエチ レンオキサ イド,PI':ポ リプ ロ ピ レン , に配 向 した た る°.延 伸開孔 法 は,溶 融 ポ リマー を高伸長比 で引 き取 つた シー トを熱処 理 して得 高度 マーの結晶性 や配 向性 が重要 積 層 ラメラ構造 を延伸 して,結 品界 面 を剥離 させ て多子L形 成 す る.ポ リ つ る シー トを溶媒 最近 ,超 高分 子量 ポ リエ チ レンか ら成型 され た高結 晶性 か 面配 向 を有 す 。 マ ー電 池用 の電 解質 シー トは,微 中 で熱処理 して多孔形成 す る方法 が提 案 され てい る . また,ポ リ マー (プ レポ リマー)と 電解液 の 多fL性 シー トに電解液 を含浸 し,膨 潤 や架橋 な どで円定 した り,ポ リ jヽ であ る 配 合組成物 をシー ト化 して成型 す る。 いな リチウム系二 次電池 は,IT革 命 の キーデバ イ ス として, さらに高性能 化 に向 か うこ とは間違 い。電池 の進歩 と多様化 に伴 う種 々の要求 に対応 しうる多機能性 が セパ レー ター に も求 め られ る.ま が た,性 能・ コス トの両面 で,セ パ レー ター も含 めた トー タル システム としての電池設計 の最適化 今後 ます ます重要 になる と考 え られ る. , 5 5.2 52A. セパ レー ター お よび バ イ ン ダー リチ ウ ム ポ リマ ー電 池 用 バ イ ン ダ ー。* リチ ウ ム イオ ン電 池 と リチ ウムポ リマー電 池 '0 負極 に炭素 ,正 極 に LiCo02な ど複合酸化物 リチ ウ′、 塩 を使 用す る リチ ウム イオ ンニ 次電 池 は, L 市後 5年 た らずで二次電池の相 当の部分 を占め るに至 った。 そのFH5に ,正 ,負 極 の活物 質 の性能向 : と電解液 ,セ パ レー ター,バ イ ンダー`9な ど関連 材料技術 の大 きな 進歩 が あ った。 一 方,以 前 か ら 研 究 が行 なわれ て きていたボ リマー電池 もこの成功 に束」 激 され,あ るい は電気 自動車 用 な ど,独 自の 用途分野 を目指 して開発が活発化 して い る.本 節 は この剰iし い 電池の要素技術 であ るバ イ ンダー につ いて扱 うが,そ の前 に「 リチ ウム ポ リマ ー 電池Jの 整理 を してお く必 要が あろ う 新 しい二 次電池 は リチウムが イォ ン種 として入 る こ とはほぼ2、 然的 で あ るが,ポ リマー につ いては 必 ず しも考 えて い る ことが一致 しない場合 も多い。筆者 は電 池の研究 者 で はないの で,文 献 な どを頼 りに分類 す る と,① lt池 の活物′[と してポ リマーが使 用 され る もの 10,② 高分 子固体 (非 液体 )電 解 質 H'を 使用 した リチウノ 、(イ ォ ン)電 池,③ キャパ シタな どその他 ,に 分 けられる.① はポ リアセチ レン,ポ リチオフェンな ど p型 高分 子やポ リアニ リン,ポ リピロール な ど n型 高分子 であ り,酸 化 還元で扱える電気容 量が大 きければ高性能なポ リマー電池が 可能なものである . 一方,② のL4J体 (ブ F液 体あるいはゲル)電 解質は渡遡口)の 分類によれば,O sJt in pdymer,⑥ pdynner in sJt,o sdu● On h]pdymcr ttd)に 分類される.④ ∼oの 場合は活物質は必ずしも一 定 ではな く,金 属 リチ ウム を負極 に,複 合酸化 リチ 物 ウム塩 を正極 に した もの (研 究的事例 は多 い ), 炭素 を負極 に,複 合酸化物 リチウム塩 を正極 に し 有機溶 媒電解液 を (ポ リマー ト 有機溶媒 )で 置 き換 え た リチ ウム イ ォ ン電 池 のな ど多 くの 組 わ せ が 合 研 究 され て い る.二 次 電 池 の 電 解 液 が 水 系 (Nicd,NiMIIな ど)か ら非水 系 に移 った こ とは リチ ウム をイオン 種 として使用 す る とい う必 然性 が あ つたが,活 物質 な い し電解液 をポ リマ ー にする こ とは,無 機 系物 質 との比較 で大 きなメ リッ トを 見 出せ るこ とが ポ リマー電 池の存在 の 前提 にな ろ う , ポ リマ ー全般 の特徴 として は,軽 ぃ (金 属缶 が 省略 で きる場 合 も含 め),形 状 が 自由であ る (フ ィル ム,シ ー ト,不 定形 ),生 産性 が 高 い (連 続 プ ロセ ス),安 全性 が 高 い (た だ し,無 機物 とは別 の意味 の 配慮 が必 要),な どが あげ られ,電 池 としての応 用範 が 囲 拡大 する f能 性 が魅 力で ある。 この 中 には, 現在 の有機溶媒電 解液 の 欠点 であ る44火 性 や缶 の破損 の 時 液漏れ を と りあえず,非 流動性 ,難 燃 性 `) の グル状 電解液 の使用 で解決 しよ うとす る 方法 も含 まれ てい る 現時点 で, リチ ウム を含 むポ リマー 電池が工 業製品 として きゎ めて限 られた範 囲 で しか 使用 されて な い こ とを考 える と,本 格的 な工 業化 研究 は これか らで あ り,特 にバ イ ンダーは電池 の量産技 との 術 関連 で その性能が評価 され る ものだ け に,現 在 は準備段階 とい え る状 態 であ ろ う。 5.2B バ ィ ンダーの 必 要性 と多機 能化 リチ ウム イォ ン電池 に限 らず,二 次電 池の バ インダー は 以 下の 4つ の役 割 が基本 的 に求め られ るで あろう ① 活物質(粉 状が多い)の 相互「結着」 ,② 集電IIRへ の活物質層の ・七原秀― Shulchi St c.、 、ARA(三 徳化学工 業 (株 ).lt画 開発部 ) 1接 着J,③ 充放電過程で II リチ ノ、系 二次電池 .ン _バ (a)点 で結薔 インダー 面で結■ 集電板 (c)電 導 の口 害 活物質 集電板 図 2 活物 7trの 結着模 式 P ベース ト状 の もの を形成 す る,な どである.図 2 の①② の保持,④ 製造段階 において塗工 ので きる のイオ ン伝導 と電子伝導 (活 物質相 互 の電気 はバ インダーを模 式的 に描 いた ものであ るが,活 物質層 のような構造体 (実 際 は巻 き込 みや積 り 的接続 )を 継続 的 に維持 するのがバ イ ンダーの役割 であ ,こ は大 きい. この うちでポ リマー電池 では活物 バ 層)を 歩止 まりよく生産する段階 で も イ ンダーの役割 エ リマーでは可能性 が高 い),ゲ ル電解質 ではそれ自 質 自体 が結着,接 着性 を有す る場合や (リ アなポ が必ず しもすべて必要 とはされないこともある 体が粘欄 な物質 であることがあ り, LttЭ ∼④ 1。 ore社 の技術 Dを 基礎 とした も のポ リマ ー リチ ウム イオ ン電 池 として,Belに . 現在 ,工 業化段 階 これ を併 用 (後 工程 で抽 出除去)し てお り, の は,ゲ ル に可塑 剤 として ジブチル フタ レー ト(DBP)1り リカ を構造材 として添加 してお り,上 記 の③ が工程 でのバ イ ンダーの役 目を果 た して い る。 また,シ フ ポ マーが (ポ リフ ッ化 ビニ リデ ン(PVDF)/六 ッ の役割 を果た してい るようであ る. この電池で は リ べ るように,電 解液 で溶 解 ない し強 く膨 潤 され た状 化 プ ロ ピレン(HFP))共 重合体 であ り,次 項 で述 ロセスでは イ ンダー を別 に用意す る必 要 は現行 のプ 態 でバ イ ンダー を兼 ねた働 きを して い るので,バ ″)で は活物 パ レー ター を中間 に使 用 して は い るが,特 許 の図 ない模様 で あ る。 また,こ の例 で はセ を大 された状態 で セパ レー ター として使用 され てい る (電 解液 質 を含 まな い PVDF層 が電解液 で溶解 いいがた い力). パ ー 量 に保持 す る作用 か らは,セ レー タ とは の行 なわ れて い る電池 の 中 では,極 層 の構 造 この ように,ポ リマー電解質 とセパ レー ター は充放電 ン ピー た して い る場合 が あ る.PVDFの 多孔質膜 が低 イ 保持 の意味 で バ イ ンダー と類似 の機能 を果 お)と して有効 で あ り,か つハ イ レー トで の放電 とサ イ クル 寿命 向上 が可 能 で ダ ンスのセパ レー ター い バ は従 来の リテ ウム イオ ン電池 の範囲 をあ ま り出 て あ る こ とは よい例 で あろう 以上 の イ ンダー論 ム るに従 って,高 分子 L■l体 電解質 と負極 リチ ウ ない ところにあ るが,今 後 ポ リマー電池 が実用化 され `い な ど「機能性 を もつた バ ム ン ドライ トの抑制 との間 1つ の電気化学 的界面特性 の保 持 や リチ ウ デ イ ンダー作 用Jが 求 め られ るようになろ う . 5.2C. バ イ ンダー に求 め られ る物理 化 学的特 性 マ や電 解液 に対す る溶解 ,膨 潤 な どを含 リチ ウム イオ ン電池 に関す る この問題 は,ポ リ ーの耐熱性 139 5 セパレーターおよびバインダー めて,成 書 を参考 に して いただ きた い20 化 学的 には酸 化性 の あ る正 極活物質 (酸 素 を多 く含 む複 合 酸化物 )と 還元性 の強 い負極 (リ チウム をイ ンター カ レン トした炭素,あ るい は リチ ウム金属 )に 対 し て化学 的 に安定 であ る ことが必須 条件 であ る.正 極 との問題 はむ しろ,電 解液 が 当面解決 を迫 られ て い るこ とであ り,バ イ ンダー は負極 での還 元 が明確 にな っていなか った点 が あ る。実際 に,Li/C電 PVDFを それ ぞれバ イ ンダー に使用 して充放 電 した 後 にポ リマ ー 表画 を X線 電 子 分光 で測 定 す る と PTFEは 不 定形 炭 素 まで還 元 され て い るが PVDFは 脱 HFし た ポ リエ ン構 造 で停止 してお り,自 ら不 動態化 す る こ とに よって安 定 なバ イ ン ダ 池 系 で ポ リテ トラフル オ ロエ チ レン (PTFE)と 21ヽ , ー として使用可能 であ る といわ れて い る 分子軌道 計算2の で求 めた レ ドックスウ ィン ドー か らは,PVDFは 他 の ポ リオ レフ ィ ンあ るい は フ ッ素樹脂 と比較 す る と,I極 ,負 極 の広 い範囲 で安定 に使用可能 であ る.以 上 の説明 の中 で ,非 水 系 バ インダー を前提 としていたが,PTFEあ るいはスチ レンープ タジェ ンゴム (SBR)の 水系 ラテ ックス が工程上 の使 いやす さか ら今後 とも検 討 され るであ ろ う。 しか しなが ら ,ポ リマー系活物質 の構造 を み る と,い ずれ もヘ テ ロ原 子を活性点 としたポ リマーで あ り,水 の存在 (微 量 の 残留 も)は 原則的 には 許 され な い ものであ ろう したが って,ぃ ずれ非水 系バ インダー に完全 に移行 す る と予 され 想 る。 5.2.D. PVDFお ょ び フ ッ素樹 月旨バ イ ンダ ー 現在市販 され てい る リチ ウム イォ ン電 池 の多 くに PVD「 が バ ィ ンダー と して使用 され てお り,ま た試験生産 中の 2,3の ポ リマー電池 1● PVDFが 主 に検討 されているの で, (カ ー ド型 ,コ ィ ン型 キャパ シター)の バ イ ンダー に も 高分子量 PVDFは NMP(Ⅳ メチル 2-ピ ロ リ ド ン)な どの極性溶媒 には 12 wt%程 度 まで溶 解 す るが ,溶 媒 を除去 して乾 燥 (結 品化 )後 は図 3の よ う これ を中心 に述 べ た い な結 晶状 態 を示 し,多 くの有機 電 解 液 に対 して,膨 潤 はす るが溶 解 は しない 特 性 を有 して い る (図 4)し か しなが ら,フ ッ素樹脂一般 の特性 として接着剤的効果 は低 く,接 着性 を強 く求 め る場 合 はマ レイン酸成 分 との共重 合体 PVDF2η が 使 用 され て い る .バ イ ンダー としての活 物 質 (こ の場 合 は黒 鉛 )と の結若 は結晶端 面 での PVDFの 結品化2つ で な され て い るよ うに 推定 され ,ま た 2,3の モ デ ル 実験 2の か らも同様 に結晶化過程 で結着が行 なわれてい る と考 え られ る . PVDFが リチ ウム塩 を含 む有機電 解液 中 で 高 い イォ ン伝 導性 を示 す こ とは早 くか ら注 日 され てお り2o,パ ィ ンダー として も電池 の 中で イオ ンの流 れ を阻害 しない効 果 は め られ 認 るで あ ろ う。一 方 図 3 PVDFの 球晶 (NMP溶 液か ら生成 ) , H 140 リチ ウノ、 系 二次電 池 ¨ ― 「 ―― ¨ 0 5 ¨ ヽ中回 9ooO、■興塗 12 │ ^_7,72謁 70融 4 ¨ 口 EP ヽ 4P DEC EGDM DMC DEC DEC IEC DEC +PC PC +γ B[ γBL 有機電解液 図 4 KFポ リマ ー 11lα )の 有機 電 解 液 に対 ,る 膨 潤 率 ン グ リコール ジ メデ ルエ ー テ ル ECDヽ 1:■ チ レ PTFEや ポ リエ チ レ ン を バ イ ンダー に した場 合 は,電 解液 に は まっ た く膨 lさ れ な い の で,完 全 な いが イオ ンの 流れ を阻害 す る因 子 に 電 気絶縁体 でか つ 非 イオ ン伝 導体 で あ り,膨 lと 溶解 の 心 配 はな f・ f・ な る. で ポ リマ ー なお ,最 近 の 研 究 で ,有 機 電 解 液 を 多 く合 む (ボ リマ ー/plasucizer(電 解 液 )/Li塩 )系 動 はポ リ と して PAN(ポ リア ク リ ロニ トリル ),PVC(塩 ビ)と I'VI)「 を比 較 す る と,電 気 化 学 的 挙 い マ ー の 性 質 よ りも,多 量 に存 在 す る有機 電 解 液 の 特性 に依 存 して い る との デ ー タが 出 て るの で PVDFの 特 異的 な効 果 (た とえば誘 電 率 が 高 い)で あ る こ との確 認 は さ らに検 討 が 必 要 で あ ろ う.実 溶 解 した場 合 際 の製 造面 で は,PVDFは 各種 の重合度 の ポ リマ ーが 製造 され てお り,溶 媒 (NMP)に 20,工 業的 に使 用 で きるパ イ ンダー 系 で あ る に広 範 囲 な粘 度 が選 択 可能 で あ り , . 5.2E.(PVDF/電 解液 )系 の 特性 せ つた も L述 の よ うに,今 後 のパ イ ンダーは同体 (ゲ ル)電 解液 やセパ レー ター との機能 を もあわ も そ こで問題 になるのは,ま ず イオ ン導電率 の向 Lと 広範囲 な温度 での機械 か)で 流れ て しま うの は 的物性 の 平坦化 であ る.低 温 です ぐ同化 す る ものや,高 温 (最 高 で llll)C程 度 て い る点 で あ り,PVD「 と 使 用上好 ま しくな い。 この点 は先 の Bencore社 の電池 で も特 に注意 され 20(HFPと の共重合体 )が 採用 されて い る.lX1 5 して ELF Atochem社 (現 Atonna社 )の KynarFlex● マ じ は,構 造 パ ラメー ター (異 種結 合 %+HFP%)の 異 な る市販 の PVDFホ モ ポ リ ー (図 の左端 )と 司 の E′ く市販 の H Fl)と の コポ リマー を有機電解液 に溶 解 (166%)し た ものの ■ 転 移 温度 (昇 温過程 の として期待 されて い る 変化 ,図 6の ビー ク温度 すなわち溶 け始 め)と ,昇 温 して行 な って 80・ Cで の ど をプ ロ ッ トした もの であ る この図 か ら,1'VDFは ホモ ポ リマ ーで -13・ C,コ ポ リマ ー で は -30・ C付 近 まで (い ず れ も昇温 4C min で測定 )使 用 で きる可能性 が あ る。 な お冷却 (同 )で は,ホ モ,コ ポ リと もに -38∼ -44Cで 固 この試料 の DSC(示 差 熱量分析 )を み る と,図 7の よ うにゲ ル つて お り,ホ モ ポ リマ べ 状態 の L(昇 温 10 C min l)は ポ リマー単独 の τn(同 )に 比 てか な り低 くな 27、 化 し著 しい過 冷却現 象 が み られ る 5 セパ レー ター お よび バ イ ン ダー oヽ﹁冊J議 . ド Ц霜 い鰤 pヽ 0 -5 -10 ・ ■転移温度 (昇 温) ・ ε Pa exp5080℃ 線 (ε Pa exp5080℃ ) ■●パラメーター ONV+II P)ん 図 "!% 5 PVDFの 構造特性 と PVDF/有 機電解液 ゲルの 温度特性 2 00oo 1 5111Xl O C● 10000 05000 0000 ♂。 赫 ・赫 δ 柿 … … 温度ノ℃ 図 6 粘 弾 性 スペ ク トロ メー ター モ ー ド :圧 縮 ,正 弦 渡 l Hz.昇 温速 度 :4 C min t PvI)Fグ ル サ ンプル 3.PVDFパ IFI'グ ル :サ ンプル 8,9,lo. : pヽ ヽ︱● ツ6︶“頭薔黎 200′ ― 1801 160 140 12o '00 80 6o 40 PVOF12F, PvDF12F 6Fla PVDF 2F 6F,o Pvof゛ Flc =、 10C min I Il r.(Me[r I i--{cet) 図 7 1'VDFの 溶融温度 (ポ リマーおよびゲルのカロ 熱過程の DSC測 定). ― (図 の左端 )で Cで あ る.先 の図 6の Eは ほぼ この 端 か ら低 下が まってお 始 り,ゲ ル の特性評 価 に DSc測 定 は有効 で あ る.ゲ ルヘ の構造 保持 のバ イ ン ダー として は 高重合 度 の ホモ ポ リマー 80・ (サ ンプル 3)が ここで は最 も有効 で あ る PVDFは この よ うに コポ リマ ー組成 でか な り大 。 きな特性 の調 整が可能 であ り,今 後 の実用化 が期待 され る. 142 H 、 リチウノ 系二次電池 ポ リマー (プ ラスチ ック)の よさは,射 出成形 ,押 出成形 な どの方法で効率 よ く製品が生産 で きる こ とであ る ポ リマー電池が射 出成形機 か ら次 々 と出 て くる よ うにはなか なか な らないで あ ろうが,押 出成形 で部材 を連続 的 に構成 し,巻 き取 り(あ るい は積層 )し てポ リマー電池 ので き上が りにな るのは そ う遠 くない時期 に実現 す るであ ろ う.寿 命 が尽 きた電池 を再 び成型機 に入れ て再 生で きるようにで もなれ ば,環 境 負荷 の低減 に もな り,そ の よ うな電池 の出現 を期待 した い 5。 3.導 電性添加剤 * 5.3.A. 導 電性 添加剤 に要 求 され る特 性 には,電 子伝 導体 リチ ウム系二 次電池 の活物質 ,特 に コバル ト酸 リチウム に代表 され る正極活物質 であ る。導電剤 として は一般 に天 としての役割 を担 う導電性添加 剤 (以 下導電 剤 と記述 す る)が 不可 欠 が れ らには主 として以下 の特性 が要求 さ 然黒鉛 やカー ボ ンプラ ックな どの炭素粉末 が用 い られ る ,そ れ る。 ・ 少量 の添加 で導電性 を発現 し,電 池 の充放 電 に悪影響 を及 ぼす不純物 い ・ カー ボ ング リッ トな どの層雑物 が少 な く,分 散性 ,成 膜性 が よ . ・ 電解液 に対 して安定 である こ と。 た とえば官能基 の多 い炭素材 料 が少 ない。 で は電解液 と化学 反応 を起 こす 可能性 があ る ― ンプラ ックであ り, とりわ けアセチ レンブラ ックが広 導電 剤 として― 般的 に用 い られ るのが カーボ した り20,極 端 に高 い比表面積 を有 す る高吸 く使 用 されてい る。 また,結 晶性 の高 い人造黒鉛 を使 用 29こ とで,電 池 の性能 をFOl上 させ る こ とも試 み られ て い 油量 の導電性 カー ボ ンプ ラ ックを使 用 す る い ことも行 なわれ てい るようであ るが.導 電剤 の具 る.さ らには 2種類 以 上 の導電剤 を混合 して用 る ノウハ ウに属 し,あ ま りおおや け にされて いないのが実状 体 的配 合 や使 用方法 は電池 メー カー各社 の であ る 5.3B アセチ レンプ ラ ックの特性・ 3° ) 池の導電剤 として用 い られ て いる代 アセ チ レンプ ラックは,マ ンガ ン乾電池 や各種 の一次,二 次電 レンは炭化 水素 の中 で も最 も生成 エ ンタル ピーが大 き く,自 表的 な カーボ ンブ ラ ックで ある。 ア セチ レンプラ ックを生成す る。断熱下 における理論分解温度 は 己発熱 に よ り連続的 に熱分解 されてアセチ い となって,他 の カーボ ンプラ ックにはみ られ な 約 2.600・ Cに 達 し, この高 い反応温度 が主 た る要因 した凝集形 態 (ス トラクチ ヤー と称 さる),表 面官能 特徴 を発現 す る.具 体 的 には,高 い結 晶性 ,発 達 い こと,な どが あげ られ る.不 純物 が少 ない こと 基 や カーボ ング リッ トといつた不純物 が著 し く少 な レンガスを原料 として い る ことと,高 度 な不純物 除 は重要 な特性 であ るが, これ は純度 の高 いアセチ レンプラ ックの主た る用途 は,電 カ ケー プルや導電 去 プ ロセスに よるものであ る。電池以外 のアセチ この分野 にお いて は高純 度 が 要求 され るので,工 業 め 性 ゴム な どの電気・ 電子関連 が大部分 を占 る。 32∼ 3.L の除去 を 目的 と した工 夫 が な され て い る 的 なア セチ レンプラ ックの製 法 にお いては,不 純物 るア セチ レンプラ ックでは,そ の特性 が あ る程 度限 ら 単 な るアセチ レンの熱分解 のみ に よつて得 られ ・ 石塚芳 己 Yo● imi I゛ HZt Kヽ (電 気化学工 業株 式会社 ) 5 表 2 セパ レー ターおよびバ イングー アセ チ レ ンプ ラ ックの特性 (電 気化 学 ]:業 測 定 に よる) 市販 アセチレンプラ ック特性範囲 他種 導電 カーボン特性範囲 く一次粒子,疑 集形態〉 一 次粒子径 25-50 nm 140m2g-1 130∼ 260 ml(100g)' 比表 面積 35‐ DBPn吸 収量 か さ密度 0 03-0 3gcm-3 l;-60 nm 40-l,000 m'zg tU.L 150-500 ml (100 c) ' {) l-0 6gcm l く 結品性 〉 2 5∼ 3 黒鉛性結 晶層平均厚 み 黒鉛性結品 層面間距離 8nm -2.0 0 35nm nnr 0.35-0.37 nm く 純度因子〉 l-100″ gm-2 表面酸素 濃度 ∼ 01% 押 発分 a) 粗粒 分 (45μ nl L) -l ppm イオ ン性 不純物 レベル -10 ppm I lj-l ,00019 m-, a.2-'2% & ppm-&Fi ppm &tr ppm-&l-ppm t7t'w7tv-t. 図 8 れた もの とな って しま うので,不 完全燃焼 を利 用 した も,L業 的 に生産 され ている町 0. 高比表面積品や 冷却 ガス を用 い た低比 表面積 品 表 2は ,ア セチ レ ンプラ ックの特徴 をカーボ ンプ ラ ックの 特性 値 として ま とめた もので あ る。表 2 には,他 の導電性 カー ボ ンプ ラ ックの特性値 の範 囲 も示 してい るので,ア セチ レンプ ラ ックの特徴 が 理解 い ただ けると思 う. また,EX1 8,9は ァセチ レンプ ラ ックの 電子顕 微鏡写 真 であ る.発 達 した ス トラクチ ャー と結晶子 の様子 が よ くうかが ぇる. この ス トラクチ ャー は弾性 に富 んで い るため,活 物 質 の充放電 に よる体積膨 張 ,収 縮 に追随 して導電経路 を維持 す る 役割 を果た してい る もの と考 え られ る。 実験室 レベル での活物質 の性能評価 法 として,ァ セチ レンプラ ック とポ リテ トラフルオ ロェ チ レ ン(PTFE)を 予 め複 合化 した導電性 バ イ ンダー を使 用 す る こ と も提 案 され てお り3'ヽ 市販 され て い H リチ ウン、系 二次 電 池 図 10 ン 、イオ ンニ次電池分野 にお い て工業的 に使 用lさ れ て い るアセチ レンプラ ックは,マ ンガ る. リチ ウノ であ るが,造 粒 された形態 の粒状 乾電 池 用 に用 い られ る もの と同 じ く粉状 の形態 を した もの が一般 的 か さ密度 も高 く,粉 状 の も ア セチ レンプラ ックも使用 され てい る.粒 状 アセチ レンプ ラ ックは比較的 つつ あ る. の よ リハ ン ドリングが容易 であ る ことか ら,最 近 その比 率 は徐 々 に高 ま り 5.3C.他 の導 電性 カー ポ ンプ ラ ック の形成 が その要因 とな っ アセチ レンプ ラ ックの導電性 は主 として一 次粒 子の運 な りに よる導電経路 があ る。 導電性 カー ボ ンプラ て い るので,配 合時 の機械 的 ス トレスの影響 を受 けやす い とい う難 しさ トリックス中での 1旨 積率 を ックの形態設計 において は,一 次粒子 の小粒径 化 や中空構造化 に よ り,マ カー ボ ンプ ラ ックが,重 質油 ガ ス 自め る こ とも有効 な方法 である. この考 え方 による代 表的 な導電性 いが,重 質油 のガ ス化 プ ロセスにお いて副生 す る 化 プ ロセスの副生 カー ボ ンであ る。詳 し くは触 れ な を有 す る高比 表 カーボ ンは,高 温 の酸素や水蒸気 に よつて浸食 を受 けて賦活 され,そ の結 果中空構造 に よる導電性 カー ボ ンプラ ック,ケ ツチ 面積 の カーボ ンプ ラ ック とな る.図 10は ,こ の よ うな製法 の空 隙 が発達 ェン EC(ケ ッチ エ ンプラ ックイ ンター ナ シ ョナ ル製 )の 電子顕 微鏡写真 で あ る.粒 子 内 レー ドで は 1,200n12glに 達 す る。 して い る様子 が わか る。 その比表 面積 は約 800m2g',特 殊 グ カー ボ ンプラ ック として用 い ヶ ッチ ェンプラ ックは,ア セチ レンプラ ック と並んで代表的 な導電性 が行 なわ れ て い る.少 の られ てお り,現 在 では この カー ボ ンを製造 す る ことを目的 として重質油 改質 ような高比表面積 品が,高 純度 を要 量の添加 で導電性 を発現 させた い用途 にはケ ッチ エンプ ラックの のが一般的 で あ る。 求 され る分野 にはア セチ レンプ ラ ックが用 い られ る It r) t5a\4,l;8 19689fgt*, f.!r\s!i 16 l0ll9 fi. 2) f) R. Loyd, S.S Kim. artd K E Kit\zar. -l tni.. 64. 1 (1991). llt tut lhr' DR Loyd KE Kinzer. and H S Tseng ,2み 「 Jム リ ′`ゞ 特開 1直 . 52 239 (1990) `′ ` 7521050,Fl平 ′ 5222236,Fl平 5222237 5 セパ レー ターお よびパ イ ンダー 5)R T Chen、 CK Saw,M G JamleЮ n,TR Aversa,and R W Canahan,′ ′′′′ル 711JI S″ 22)永 井愛作 ,栗 原 あづ さ,第 39回 電 池討論会 ,3C09 . 53, 471(1994) 6) 特開平 11268118,同 平 11302436. 7) 菅原秀 ― ,工 業材料,47(2),65(1999) 7a) 小 山 昇 ,化 学工 学 ,61.127.(1997) 8) 菅原秀一 ,機 能材料 ,17(12)5(1997) 9) 菅原秀 ― ,“ 高密度 リチ ウムニ 次電池 ",竹 原 善一 郎編 ,(株 )テ クノンステム (1998),第 8章 10) 逢坂 哲 ,門 間 之 ,高 分子 ,“ (2).64(1995) 11) 渡邊lE義 ,電 気化学 ,No ll,920 12) U S Patent 5.296318(Be1lcore) 13) 明石寛 之,第 5 Fulコ ロィ ド・ 界面実用講座 ,p99 (1997) 14)植 谷 慶 雄 ,第 5回 コ ロ イ ド・ 界 面 実 用 講 座 ,p l12 (1997) “Advances in Bencore s Plastic Li― ion Battery.' 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