対サモア 事業展開計画

国別援助方針 別紙
対サモア 事業展開計画
2015年 4月 現在
基本方針
(大目標)
環境に配慮した持続的経済成長の達成と国民の生活水準の向上
重点分野1
(中目標)
環境・気候変動
【現状と課題】
同国では、生活の近代化に伴う廃棄物問題が顕在化し、ごみの減量化や適正処理が課題となっており、太平洋地域環
境計画(SPREP:The Secretariat of the Pacific Regional Environment Programme) によって策定された太平洋
地域廃棄物対策地域戦略(2010-2015)に沿った廃棄物管理改善の具体的な行動が求められている。
上水道に関しては、一部の地区において渓流を水源とする原水が未処理のまま配水されており、降雨時の濁水による
水道水質の悪化、水系感染症のリスク、高い漏水率などの問題がある。国家開発計画である「サモア開発戦略
(Strategy for the Development of Samoa (SDS) 2012–2016)」の中で、水供給を重点分野の一つとして掲げて、
安全な給水や水源管理などへの取り組みが必要とされている。
【開発課題への対応方針】
我が国支援によるタファイガタ処分場の改善(準好気性埋立方式を採用)及びその後継とな
る技プロ「太平洋廃棄物管理プロジェクト(2006-2010年)」の経験を活かし、廃棄物管理
の太平洋地域全体への普及を図る。また、3R、環境教育等の分野において、草の根技プロ、
研修員受入を通じて、島嶼における循環型社会形成を支援する。
水分野では、緩速濾過システムを用いた上水道管理にかかる技術支援を、草の根技協により
沖縄県宮古島モデルの導入を通じて実施された。2014年度より、無償資金協力で緩速濾過シ
ステムの導入による浄水場の建設、ならびに上水道の適切な管理に向けた技プロを沖縄県と
共同で実施中。
実施期間
協力プログラム名
協力プログラム概要
案件名
大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト
開発課題1-1
(小目標)
環境保全
サモアを中心とした大洋州における志布志市ごみ分別モデルの推進
環境教育分野のボランティア
廃棄物管理分野の研修
島嶼における循環型 廃棄物処分場整備、リサイクル推進、
社会形成支援プログ 環境教育等を展開し、広域への普及を 都市水道リハビリテーション計画
ラム
促進する。
都市水道改善計画
沖縄連携によるサモア水道公社維持管理能力強化プロジェクト
アラオア浄水場緩速濾過地(生物浄化法)改善への普及・実証事業
環境保全・水道事業分野の研修
スキーム
技プロ
2014
年度
以前
支援額
備考
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
(億円)
10.37
草の根技協
JOCV
課題別研修他
協準
無償
18.31
技プロ
3.20
民間提案型技協
課題別研修他
広域
【現状と課題】
同国では自然災害、とりわけサイクロンでの被害を受けてきた危機意識と気候変動への脅威から、災害リスクの軽減
を国家開発戦略に位置づけ、国家適応策の策定、災害管理法の制定を行っている。災害対策の前段として気象観測の
向上、早期警報体制の整備への取り組みが必要とされている。
【開発課題への対応方針】
無償のソフトコンポーネントにより気象観測の向上、早期警報体制の向上にかかる支援を実
施中。また、森林保全の取組に対する支援もソフトコンポーネント等を用いて行う。
気候変動については,包括的かつ長期的なアプローチによる支援を行っていく。
実施期間
協力プログラム名
案件名
自然災害による被害の最小限化を目的
に気象局を中心とした気象予報官の能 気候変動対策分野の研修
力強化のための研修と、コミュニティ
レベルの防災および災害対策能力を向
上させ、サイクロン・地震・津波等に 気候変動対策分野のボランティア
対する早期警戒網と対処体制の構築を
支援する。
開発課題1-2
(小目標)
気候変動対策
協力プログラム概要
防災プログラム
気象観測能力・災害対策能力向上計画
大洋州気候変動アドバイザー
発電による化石燃料の利用を削減することで
クリーンエネルギー導入 温室効果ガス排出の削減を実現し、気候変動
促進プログラム
の影響の緩和を図る。
スキーム
2014
年度
以前
支援額
備考
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
(億円)
課題別研修他
JOCV/SV
無償
7.45
個別専門家
太平洋気候変動センター計画準備調査
協準
サモア400kWp太陽光発電プロジェクト
無償
4百万USD
無償
3.00
森林保全に関連するサモア政府の取組
を支援する。また,アジア太平洋地域 森林保全計画
森林保全プログラ 間のREDD+Readinessの調整・協力を促
進し,サモアのREDD+Readinessの全般
ム
森林保全分野の研修
的な能力を高める。
課題別研修他
太平洋環境共同体
(PEC)基金
重点分野2
(中目標)
脆弱性の克服
【現状と課題】
【開発課題への対応方針】
同国では、乳幼児死亡率等の保健医療関連の指標は比較的良好であるが、フィラリア等の特定の感染症対策について 保健分野については,草の根無償、ボランティアおよび研修員受け入れを積極的に活用し、
は、現在の水準を維持・改善するため、予防接種体制の強化等が依然として必要である。また、感染症を含む各種疾 住民に近い地方部の医療体制の向上、生活指導等による予防保全を推進する。
病対策、保健衛生指導等を担う包括的な保健医療人材の継続的な育成が必要とされる。近年は、肥満による生活習慣
病が深刻になってきている。
開発課題2-1
(小目標)
保健医療サービス
の向上
実施期間
協力プログラム名
島嶼型保健医療プ
ログラム
協力プログラム概要
ボランティア派遣、研修員受入の広域案件を
有機的に組み合わせ、人材の育成及び質の高
い保健サービス提供に資する支援を行う。中
央病院及び地方保健センターにおける医療
サービスの強化及び改善を図る支援を検討す
る。
案件名
保健医療福祉分野のボランティア
2014
年度
以前
支援額
備考
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
医療保健分野の研修
課題別研修他
【開発課題への対応方針】
教育分野については,新教育政策2011-2015も踏まえ,理数科教育を中心に、コンピュータ
技術等の分野におけるプロジェクト型の支援を促進するとともに、現場の経験を生かした教
員養成プログラムを支援する。
実施期間
協力プログラム名
協力プログラム概要
案件名
スキーム
教育機能強化
特に理数科レベル格差が技術人材
育成の障害となっており、教育の
島嶼・遠隔地
教育支援プログラ 質の底上げを、ボランティアを中
心にスキームを組み合わせて支援
ム
する。
初等中等教育施設整備分野の無償資金協力
理数科教育等教育分野のボランティア
(億円)
JOCV/SV
【現状と課題】
同国では、政府の教育重視の政策により、ここ数年初等教育の就学率は95%以上を維持しているなど、開発途上国と
しては高い水準にある。一方、教育の質に関しては、教員の水準等の要因により、全体の基礎学力が低い傾向にある
ことから、国家開発戦略(SDS)2012-2016において、教育開発を重点項目に掲げ、教育省を中心として、教育の質の
改善に優先的に取り組んでいる。
開発課題2-2
(小目標)
スキーム
無償
JOCV/SV
2014
年度
以前
支援額
備考
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
(億円)
0.90
【現状と課題】
同国では、経済活動及び社会生活の基盤となる海運、電力供給施設等の経済インフラの適切な整備及び維持管理が課
題となっている。また、同国政府は、公共事業の公社化や民営化によるサービス改善に取り組んでいるが、各公社等
における人材不足から、資金面、技術面等において依然として改善の余地が大きい。
同国は民間セクター中心の経済成長を国家開発戦略の重点課題に掲げており、近年安定した経済成長に伴い、機械、
電気・電力、海運、通信等の産業が発展しつつある。また、同国では産業活動に占める水産業・農業の割合が依然と
して高く、これらの産業の持続可能な発展が課題となっていると共に、観光業等の育成による産業の多様化が必要で
ある。
【開発課題への対応方針】
我が国は有償資金協力「電力セクター拡張計画」を実施していることから、この進捗を見つ
つ、産業振興の基盤となり、村落開発に裨益の高いインフラ整備支援を図る。また、我が国
が過去に無償資金において供与したインフラの有効活用・最大効果発現という観点から、こ
れらインフラの維持管理能力を高める技術支援を積極的に検討する。
また、港や空港等の支援については、外貨収入の機会となる重要なインフラであることか
ら、ハード・ソフト両面からの支援を検討する。
実施期間
協力プログラム名
協力プログラム概要
案件名
インフラの脆弱性を克服し、村落部の
発展につながる整備を図るとともに、 電力セクター拡張事業
持続的なインフラの維持管理が図られ
る体制整備を支援する。
インフラ分野のボランティア
開発課題2-3
(小目標)
経済成長基盤
の強化
経済インフラ
整備・維持管理
能力強化プログラム
有償
協準
アピア港安全向上計画
無償
消防機能強化計画
農業・水産・観光分野では、ボラン
ティア派遣、研修員受け入れを通じた 貧困削減のための芳香性植物の持続的栽培計画
人材育成により、農業・水産業の振興
及び適切な観光開発を計画、誘導する
観光等分野のボランティア
行政機関の設置を支援する。
その他の産業分野では、農業、水産業
等、市場規模に応じた小規模産業開発
のための有効資源の発掘と技術開発を コミュニテイ開発・農業分野の課題別研修
進める。
国際漁業振興協力事業
2014
年度
以前
支援額
備考
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
(億円)
46.00
SV
アピア港安全向上計画準備調査
インフラ分野の課題別研修
産業振興
プログラム
スキーム
34.77
課題別研修他
無償
0.10
無償
0.10
JOCV/SV
課題別研修他
農林水産省技協
【凡例】 「協準」(=全ての協力準備調査)、「詳細設計」(=詳細設計)、「技プロ」(=技術協力プロジェクト)、「開発計画」(=開発計画調査型技術協力)、「個別専門家」、「個別機材」、「国別研修」、「課題別研修他」(=課題別研修及び青年研修)、「JOCV」(=青年海
外協力隊)、「SV」(=シニア海外ボランティア)、「第三国専門家」、「第三国研修」、「現地国内研修」、「科学技術」(=科学技術協力(技プロ型及び個別専門家型))、「草の根技協」(=草の根技術協力)、「○○省技協」(=外務省・JICA以外の省庁及び独立行政法人等が実
施している技術協力)、「民間提案型技協」(=開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業)、「無償」(=無償資金協力)、「有償」(=円借款、海外投融資)、「マルチ」(=国際機関等を通じた多国間協力スキーム)、「中小企業支援」(=中小企業海外展開支援事業
「ニーズ調査」、「案件化調査」及び「普及・実証事業」、並びに中小企業連携促進基礎調査)、実線「―――」(=実施期間)、破線「- - - -」(=実施予定期間)
※この凡例にない略語を使用する場合は凡例に当概略語を記載したうえで使用する。