愛 媛 県 の 地 震 2016 年(平成 28 年)9月 目 次 1 1. 愛媛県周辺の震央分布図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.9月の地震概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 3.9月に愛媛県で震度1以上を観測した地震・・・・・・・・・・・・・・・・2 4.9月に愛媛県で震度1以上を観測した地震 2 の震度分布図・・・・・・・・・・・・・・・3 5. 地震一口メモ 南海地震の愛媛県の被害と宇和島の津波の記録・・・・・・・・・・・・3 本資料に記載した震源要素(緯度、経度、深さ、マグニチュード)は、暫 定値です。これらは、後日、再調査のうえ修正することがあります。 本資料は、国立研究開発法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、 東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、高知大学、九州大学、鹿児島 大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国土地理院、国立研究開発法 人海洋研究開発機構、青森県、東京都、静岡県、神奈川県温泉地学研究所及 び気象庁のデータを用いて作成しています。 また、2016年熊本地震緊急観測グループのオンライン臨時観測点(河原、 熊野座)、米国大学間地震学研究連合(IRIS)の観測点(台北、玉峰、寧安 橋、玉里、台東)のデータを用いて作成しています。 松山地方気象台 1.愛媛県周辺の震央分布図[2016 年9月1日~9月 30 日] マグニ チュード 深さ 注 :図中の注釈は、愛媛県で震度1 以上を観測した地震です 左上:震央分布図 右上:平面図の全ての地震を南北に投影 した図 左下:平面図の全ての地震を東西に投影 した図 N :地震回数を示す 震央分布図は地震が発生した場所を地図上でプロットしたものです。地震は地下で発生しますのでシンボルマーク の形を深さに応じて変えています。○より◇の方が深い場所で発生した地震です。 また、シンボルマークの大きさで地震の規模(マグニチュード)を表現しています。 2.9月の地震概況 今期間に、上図の震央分布図内の領域で決定したM2.0 以上の地震の回数は 154 回(先月は 190 回)で した。 1 日 06 時 33 分 熊本県熊本地方の地震(M4.8、深さ 12km)により、熊本県宇城市・熊本市西区・熊本市 南区・上天草市で震度4を観測したほか、中国・四国・九州地方で震度3~1を観測しました。 19 日 15 時 52 分 愛媛県中予の地震(M3.5、深さ 39km)により、岡山県浅口市、広島県三原市・尾道市、 愛媛県今治市・西条市・宇和島市・内子町・松野町・西予市・愛南町、高知県いの町・宿毛市・黒潮町、 山口県柳井市・周防大島町で震度1を観測しました。 1 3.9月に愛媛県で震度1以上を観測した地震 9月1日 06 時 33 分 熊本県熊本地方 北緯 32 度 43.6 分、東経 130 度 37.0 分、深さ 12km、マグニチュード 4.8、最大震度 4 各地の震度(愛媛県内のみ掲載) 震度 1 : 八幡浜市保内町*,伊方町湊浦*,西予市明浜町* 9月 19 日 15 時 52 分 愛媛県中予 北緯 33 度 30.5 分、東経 132 度 55.9 分、深さ 39km、マグニチュード 3.5、最大震度 1 各地の震度(愛媛県内のみ掲載) 震度 1 : 今治市上浦町*,今治市大三島町*,西条市丹原町鞍瀬,宇和島市丸穂*,宇和島市三間町* 内子町平岡*,松野町松丸*,西予市明浜町*,愛南町柏* 注:*印は地方公共団体または国立研究開発法人防災科学技術研究所の震度観測点です。 4.9月に愛媛県で震度1以上を観測した地震の震度分布図 ×は震央 ×は震央 地点別震度 地点別震度 9月 19 日 15 時 52 分 愛媛県中予 9月1日 06 時 33 分 熊本県熊本地方 2 5.地震一口メモ 南海地震の愛媛県の被害と宇和島の津波の記録 1946 年(昭和 21 年)12 月 21 日 04 時 19 分、四国沖から紀伊半島沖にかけての沿岸部を含んだ南海トラ フ沿いの地域を震源域としてプレート間地震(南海地震)が発生し、和歌山市、串本町、徳島市、高知市、 津市、彦根市などで震度5が観測されました(図1)※1。津波は房総半島から九州に至る沿岸を襲い、特に 徳島県、高知県の沿岸で津波の高さは4~6mに達しました(図2)※1。愛媛県では、松山と宇和島で震度 4を観測し、津波の高さは、宇和島 1.3m、八幡浜 0.4m、三崎 0.6mでした※2。 愛媛県内の被害は、死者 26 名、負傷者 32 名、住家全壊 155 棟、非住家全壊 147 棟、津波により三瓶で床 下浸水 120 戸、宇和島の九島と東宇和郡玉津村(現在の宇和島市吉田町法花津)で浸水家屋が相当有り、他 には南宇和郡東外海村深浦(現在の南宇和郡愛南町深浦) 、八幡浜、川之石等で軽微な被害を受けました※3。 宇和島検潮所の自記記録を見ると、津波の第一波到達時刻は地震発生から約 1 時間後の 05 時 20 分、最大 波観測時刻は第一波到達時刻から約2時間後の 07 時 12 分、津波の高さが1m未満に減衰した時刻は第一波 観測から約4時間 30 分後の 09 時 48 分、20cm未満に減衰した時刻は第一波観測から約 13 時間後の 18 時 36 分であったことが分かります(図3) 。 図2 南海地震の各地の津波の高さ 図1 南海地震の震度分布 図3 南海地震の宇和島検潮所の自記記録 ※1 日本の地震活動‐被害地震からみた地域別の特徴‐<第2版>:地震調査研究推進本部地震調査委員会編 ※2 日本被害津波総覧:渡辺偉夫、東京大学出版会 ※3 愛媛県地域防災計画(資料編) :愛媛県防災会議 3
© Copyright 2024 Paperzz