経営管理体制 経営執行体制 当JAは農業者により組織された協同組合であり、正組合員の代表者で構成される「総代会」の決定事項を踏 まえ、総代会において選出された理事により構成される「理事会」が業務執行を行っています。また、総代会で 選任された監事が理事会の決定や理事の業務執行全般の監査を行っています。 なお、信用事業については専任担当の理事を置くとともに、農業協同組合法第30条に規定する常勤監事及び 員外監事を設置し、ガバナンスの強化を図っています。 事業の概況(平成27年度) 全般的概要 平成27年度のわが国の経済は、安倍政権発足直後からデフレ脱却を目指すため大胆な金融政策を打ち出し、個 人消費や企業投資の活性化を目指しました。しかしながら、一時的な効果は認められたものの年度当初より個人 消費が伸び悩み、加えて原油価格の急落や中国経済の減速により政策効果も薄れ、逆に円高株安が進みました。 年度後半においては、日銀によるマイナス金利政策が導入され大きな衝撃を受けるとともに、金融機関等の資金 運用面についても大きな影響をもたらし、今後のJA経営にも影響が懸念されています。 農業面においては、生産者の皆さま方のご理解の下、主食用米から飼料用米等への転換を進めていただき民間 在庫が圧縮される中、米価について若干の上昇が認められました。今後も需給バランスによる適正な生産が課題 であると考えられます。 一方、当地域生産のコシヒカリについて、日本穀物検定協会の食味値検査で特Aの最高値を獲得できたこと 4 経営管理体制 事 ・業の概況︵平成 年度︶ 27 は、今後の販売拡大に繋がる好材料となりました。 また、平成27年度は、TPP問題、農協法の一部改正、JA改革の問題提起などJAにとって大きな環境変化 がもたらされ、これまで経験したことがない大転換期を迎えました。これにともない全国JA大会及び岐阜県J A大会において、JA自らの手で自己改革を進めることを決定し、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の 活性化を大きな柱としてJAグループとしての共通認識の下、全力で取り組むこととしました。 このような状況の下、当組合では第5次中期計画(平成25∼27年度)の総仕上げの最終年度として、計画達 成のため積極的な事業展開に取り組んでまいりました。 タック 営農指導事業では、専任TAC(担い手担当者)の配置により指導態勢を強化し、営農組織の法人化に向けた 取り組みを行いました。また、農地中間管理機構と連携し農地を担い手に集積するとともに、農家所得向上の取 り組みとして農業経営ドックの活用により経営支援も実施しました。主要農畜産物の園芸関係では、各生産部会 と連携し全地域で各チャレンジ塾を開催するなど新規就農者の拡大を図るとともに、畜産関係では、肥育区・種 牛区の交配に積極的に取り組みました。 販売事業について畜産物では、乳価値上げや乳質の規制緩和、子牛不足による肉牛出荷減少等の影響の中、堅 調な販売ができました。農産物については、主食用米から需要のある飼料用米への転換を推進し、一定の需給改 善と一応の米価回復ができました。また、園芸関係では、台風等の影響により収量は低下しましたが、販売単価 については前年を上回りました。 利用加工施設事業では、飼料用米に対応できる施設改修を行い、米のコンタミ(異品種混入)防止に努めると ともに、施設の長寿命化を図るため行政の支援を受け改修を行いました。 購買事業では、肥料農薬等の取り扱いについて、早期予約値引きや利用高に応じた大口予約奨励金により生産 者の生産コスト低減に取り組み、生活関連事業では、地域ごとに「ふれあい感謝祭」を開催し生活資材の提案活 動を行いました。 信用事業では、農業の活性化と地域に貢献する地域密着型金融機関を目指し、農業の担い手や集落営農組織へ の営農資金等の融資対応に取り組むとともに、相談機能の向上と利用者の組合員加入による顧客基盤の拡充、C S(顧客満足)の向上に努めました。 共済事業では、JA共済の理念である助け合いの精神を再認識し、組合員・利用者の皆さまの保障充足に努め JAへの信頼確保と地域の皆さまとの絆づくりに努めました。 組織活動については、女性部を中心として仲間づくりや組織づくりのため、ふれあいセミナー、おすすめ講 座、サークル等を開催するとともにJA食農リーダーを中心に、米等の栽培から加工までの体験活動や、「食」 と「農」と「JA」への理解を深めるため親子を対象とするアグリスクールを開催しました。 また、JAをより身近に感じ利用していただくため、支店、アグリセンターを中心とした「JAファンづくり 運動」にも取り組みました。 このような事業活動のもと、当期剰余金は、377,064千円と計画を上回る成果を挙げることができました。 事業成果 (単位:千円) 事 業 利 益 428,991 経 常 利 益 586,622 当 377,064 期 剰 余 金 信用事業 農業の活性化と地域に貢献する地域密着型金融機関を目指し、年金アドバイザー・窓口アドバイザーの充実を 図るとともに、相談機能の向上と組合員・利用者の皆さまの多様なニーズに応えるよう年金受給者、未取引者等 への取り組みを強化し、取引先の組合員化による顧客基盤の拡充とCS(顧客満足)の向上に努めました。 また、農業の担い手や集落営農組織への営農資金等融資対応に取り組み、ローンセンターにおいては、相談型 営業態勢の強化を図り、休日ローン相談会の開催や住宅建築業者との意見交換会を開催しました。 信用事業に係る事務の堅確性やリスク管理・健全性の確保への取り組みについては、不良債権比率の引き下げ に努めるとともに、支店に対しては、オンサイトモニタリング(実地検査)のため支店巡回を実施し、不祥事の 未然防止に努めました。 共済事業 JA共済の理念である助け合いの精神を再認識し、「地域に安心の輪を広げ、未来への絆をつくる」ことに取 り組み、組合員・利用者の皆さまの保障充足の拡大に努めました。 また、訪問活動を通じて、「加入状況点検」と「新規加入拡大」への取り組みを強化し、新たな仲間づくりと 共済加入世帯全戸訪問を実施し、JAへの信頼確保と地域住民の皆さまとの絆づくりに努めました。 1.訪問活動を通じた加入状況点検の取り組みを強化しました。 2.ニューパートナー(新規加入者)拡大への取り組みを強化しました。 3.LA (ライフアドバイザー)、スマイルサポーター(共済窓口担当者) 、共済代理店を中心とした普及活動を 強化しました。 4.安定した事業基盤維持のため保有高確保に努めました。 5.コンプライアンス態勢の強化に努めました。 事業の概況︵平成 年度︶ 1.組合員及び生活メイン利用者世帯の未取引先に対しては、通年キャンペーンや各季のキャンペーンを実施 するとともに、渉外担当者による訪問活動の中で、取引拡大活動や新規口座開設等の獲得に努めました。 2.年金受給者の皆さまへの対応については、無料相談会の開催や年金振込者への誕生日プレゼントの充実、 各種特典(金利優遇・やすらぎ会の特典サービス・交通事故見舞金制度・親睦旅行・ゲートボール大会・ゴ ルフ大会等)のアピールを行いました。また、年金アドバイザー4名及び各支店の渉外担当者による年金友 の会の会員増強、相談機能の強化に努めました。 3.働く若い世代への対応として、休日ローン相談会の開催や休日訪問活動、ローンセンターによる土・日営 業と、住宅建築業者等への説明会を開催し「マイホームの輪」の会員の増強に努めました。 4. 窓口セールスリーダーや融資渉外担当者の配置を行うことで、各種相談機能の充実を図り、また、各種 資格の取得による職員資質の向上を図り、CS(顧客満足)の向上に努めました。 5.不祥事の未然防止のため、事務の堅確性の向上とリスク管理の強化・厳格な資産査定の実施により健全性 の確保に努めました。 5 27 指導事業 営農指導 タック 平成27年度は、営農指導態勢を強化するため、本店に専任TAC(担い手担当者)を配置し、営農組織の法 人化に向けて重点地区(6ヵ所)での話し合いを延べ50回行いました。その結果、2地区において担い手法人 を設立することができました。 また、農地中間管理機構と連携し、13地区において180haを新規で担い手に集積するとともに、農家所得向 上の取り組みとして、農業経営ドックの活用により、15組織に対し経営支援を実施しました。 主要農畜産物の園芸関係では、各生産部会と連携し、全地域で各チャレンジ塾を開催し、新規就農者の拡大を 図るとともに、畜産関係では、第11回全国和牛能力共進会出品に向けて、肥育区・種牛区の交配に積極的に取 り組みました。また、子牛価格の高騰対策として預託上限価格の変更による資金繰り対策など優良素牛導入に努 めました。 1.各地区の担い手及び担い手法人に対して、農地中間管理事業を活用する中で、中間管理機構への再契約と 新たな農地のマッチング、契約交渉で集積・集約に取り組みました。(担い手28件 180ha) 2.東美濃地域農業振興ビジョンの達成に向け、生産農家の拡大を目的とした各チャレンジ塾を開催しました。 (チャレンジ塾の参加者:夏秋トマト10名、夏秋なす19名、栗32名、ちぢみほうれん草9名、産直40名) (平成28年産からの栽培者:夏秋トマト5名、夏秋なす1名、栗5名) 3.担い手の組織化が進んでいない地域においては、延べ50回の意見交換会を行いました。 (2地区で法人化、4地区で平成28年度法人化に向けた意見交換を実施しました。) 4.営農マネージャー資格を2名、営農アドバイザー資格については3名が資格取得し、営農指導員としての 資質の強化を図りました。 5.農産物の公正かつ円滑な取引と品質の改善を促進するため、新たに農産物検査員資格者を3名育成しまし た。 6 事業の概況︵平成 年度︶ 27 生活指導 JA食農リーダーを中心に、管内の保育園・幼稚園・小学校で、米・大豆・野菜などの播種から管理・収穫・ 加工の体験活動を実践するとともに、「食」と「農」と「JA」への理解を深めるため、親子を対象とするアグ リスクールを開催しました。 JA助けあい活動では、参加する会員の増加に取り組むとともに、各施設・病院へのボランティアや配食サー ビスなど高齢者支援活動の内容を充実し活動の場を提供しました。 女性部組織については、仲間づくりや組織づくりを図るため、ふれあいセミナー、おすすめ講座、サークル等 を開催し多くの方が参加されました。 また、生活習慣病健診を各地域で開催するなど、地域貢献活動を積極的に行いました。 1.食農教育活動として、食農リーダー等と連携して管内の保育園・幼稚園11園と小学校23校で稲作・大豆 栽培体験などを実施しました。 第11回ひがしみの農業祭の米消費拡大コーナーでは、女性連絡協議会役員が中心となり、 「太巻き寿司」 づくりを企画し、管内の親子約100名の方が体験されました。 2.親子を対象とするアグリスクールを開催し、「食」と「農」と「JA」への理解を深める活動を実施し、 45組135名の方が参加されました。 3.「JAにこにこ隊養成研修会」を修了した女性部員が中心となる各地域の助けあい組織(たんぽぽの会・ コスモスの会・わかば会・新つくしの会)が、当JA訪問介護センターや各病院・施設などへのボランティ ア、配食サービスなど高齢者福祉活動に取り組みました。 4.ふれあいセミナー、おすすめ講座、サークル活動、食農教育活動等には、延べ5,551名の方が参加されま した。 5.生活習慣病健診を東濃厚生病院と連携して行い、542名の方が受診されました。 組織広報 組合員の方々はもとより地域の皆さまが、JAをより身近に感じ、利用していただけるため、「JAファンづ くり運動」に取り組みました。 また、支店運営委員会等の会議開催を通じて、組合員・利用者の皆さまの「声」をJA運営に反映させるよう 取り組みました。 広報誌「ひがしみの」、日本農業新聞、地域コミュニティ紙、ホームページ等で「食」と「農」に関わる情報 を中心に、地域農業の振興と安全・安心な農畜産物のPR活動を展開しました。 1.支店等を中心とした「JAファンづくり運動」に取り組み、地域イベントへの参加や様々な活動を通じて 食農教育活動や地域貢献活動を実践し、食と農の理解促進やJAの認知度、理解度向上に取り組みました。 2.地域別総代会説明会や支店運営委員会を開催し、組合員・利用者の皆さまのご意見・ご要望等をJA運営 に反映させました。 3.広報誌「ひがしみの」やホームページ等を通して、農業・JAの取り組み等の情報発信活動を行いました。 販売事業 いま ずり 1.地産地消の強化として、 「今摺米」を新たに〝ひとなる〟と命名し、広く注文販売を実施するとともに、産 直販売の強化として、新たに米穀業者等に販売するなど、買取販売に取り組みました。 (販売量:3,078俵) 2.米価回復に向けて米需給調整を図るため、飼料用米を中心とした水田活用米穀の拡大を図りました。 (H26年:30ha → H27年:178ha) 3.生産者の所得向上のため、夏秋トマト・ぽろたん栗を中心とした市場相場に左右されない契約販売を積極 的に取り組みました。また、各種イベントでの試食販売の取り組みを行い、東美濃地域農産物のPRに努め ました。 4.東美濃ブランド飛騨牛率については、99.3%まで引き上げることができ、一層のブランド飛騨牛の販売 促進に努めました。また、季節限定の中津川産「栗旨豚」も9月から販売に努め、地域内外へPRするとと もに、テレビ他農業祭や各種イベント、大手販売店、首都圏のホテル等への営業販売に取り組みました。 ギャップ 5.安全・安心な農産物を生産するため、GAP(農産物生産工程管理)の内部監査を実施し、定期的な残留 農薬検査、残留放射性物質の検査に取り組みました。 6.消費者との産地交流会(田植え交流会・田んぼ観察会・稲刈り交流会、トマト・なす産地交流会)を開催 し、産地「ひがしみの」を理解していただくための活動を実施しました。 利用・加工施設事業 利用施設の良品生産、安全・安心の管理態勢を強化するため、飼料用米に対応できる施設改修を行い、米のコ ンタミ(異品種混入)防止に努めました。 また、乾燥調製施設については、長寿命化を図るため、国・県・市の支援を受け改修を行いました。 7 事業の概況︵平成 年度︶ 農畜産物の販売について、畜産関係では、乳価値上げや乳質の規制緩和、また、子牛不足による肉牛出荷減少 等の影響で、高値取引による堅調な販売ができました。 農産関係については、前年から続いた米余りの状況を受け、JAグループ及び国を挙げての米需給バランス改 善のため、主食用米から需要のある飼料用米への転換を推進しました。 その結果、一定の需給改善と米価については一応の回復はできましたが、在庫量は依然として高い水準に留ま っています。 また、トマト・なす・栗等では、8月下旬から9月上旬の台風の影響を受け、収量は低下しましたが、販売単 価は前年を上回ることができました。 27 介護保険事業 相互扶助の精神を基に、介護を必要とする高齢者とその家族がいつまでも住み慣れたこの地で、安心して暮ら せる訪問介護事業に取り組みました。 購買事業 生産資材関連では、大口農家・担い手農業者及び多様な農業者の皆さまに対して、肥料・農薬の予約注文推進 を行い、早期予約のメリットである予約値引きを実施するとともに、利用高に応じた大口予約奨励金を交付し、 生産者のコスト低減に取り組みました。また、肥料・農薬については市場価格調査を行い、グリーンセンターの 供給価格に反映させました。 生活関連事業では、Aコープ坂下店の改装など施設整備に取り組みました。また、各地域において支店を中心 とした「ふれあい感謝祭」を開催し、「ふれあい」を深めるとともに、各種キャンペーンを展開し、組合員及び 地域の皆さまに生活資材の提案活動を行いました。 1.肥料・農薬の予約値引き及び大口予約奨励金の交付により、生産者のコスト低減に取り組みました。 2.組合員・利用者の皆さまの要望により、Aコープ坂下店を改装し、快適な買い物ができる店づくりに取り 組みました。 3. 「ふれあい感謝祭」を地域ごとに4会場で開催し、それぞれの地域において組合員・地域の皆さまにJA 事業の周知と提案活動を行い、購買事業を通じたふれあい活動を行いました。 4.一部の生産資材(畔波板等)において大口一括仕入により、生産資材の安価供給に取り組みました。 5.組合員・利用者の皆さまの多様なニーズに応えるため、中古農機フェアを開催しました。 8 事業の概況︵平成 年度︶ 27 対処すべき重要な課題 政府が進める「農協改革」を受け、「農業者の所得増大」「地域の活性化」「経営基盤の確立」を自己改革の 最重要課題として捉え、組合員及び地域の皆さまの期待と信頼に応えられるよう、以下の事項を第6次中期計画 の実践計画に基づき進めてまいります。 農業者の所得増大と農業生産の拡大 1.農畜産物の付加価値の増大と消費者ニーズに基づく販売力の強化 2.新たな担い手の育成と支援 3.生産資材コスト低減と省力化資材の提案の強化 4.新規就農者への支援対策の強化 5.担い手等の経営体に対する専任担当者等による個別対応の強化 総合事業の展開による地域活性化 1.「食」と「農」を基軸とした地域コミュニティの活性化 2.支店・アグリセンター等を拠点としたJAファンづくり運動の展開 3.総合事業を活かした組合員・利用者ニーズに即した事業の展開 組織基盤・経営基盤の確立 1.JA利用者の組合員化促進 2.自己資本の充実 3.経済事業のさらなる収支改善
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