ダチョウ飼育・販売・観光牧場の運営

常南グリーンシステム株式会社
ダチョウ飼育・販売・観光牧場の運営
リフォーム・リニューアル
常南グリーンシステム株式会社(茨城県石岡市)
No.03-08-01 / 0058
狂牛病に揺れる欧州で牛肉に代わる食材として脚光を集めていることを知るや即刻、事業化に踏み切ったのが石
岡市を拠点とする常南グリーンシステム㈱。低脂肪・低コレステロールの健康食材、革製品の販売のほか、アルパカ
などの珍しい動物とのふれあいコーナーや酵素風呂等も設置され、観光牧場としても大変な賑わいとなっている。平
成 17 年には袖ヶ浦市に第 2 牧場がオープン。テーマパークとは一味違う施設として、今後に注目が集まっている。
環 境 分 野
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取組の概要
背景・きっかけ
平成 6 年ごろより本業の先行きに不安を感じていたが、平
成 8 年暮れにたまたまテレビでダチョウを見て、素晴らしい食
農林水産業
材であること、生産効率が高いということ、肉だけでなく皮も
オーストリッチ製品として関心を集めていることなどから事業
化を決断した。
事業化に当たっては、日本国内では、飼育のノウハウを企
業秘密と称して開示してくれないことに苦労した。結局アメリ
カに行って学んだ。初期投資は牧場の柵造りなどだが、本業
の造園業の延長にあり、作業員の手の空いたときに行ってい
ダチョウの放牧
たので、目に見える出費が少なくて済んだ。
福祉・介護
取組の概要
事業内容は、ダチョウの有精卵・食用卵・ヒナ∼成鳥、飼料、
肉、羽根、オーストリッチ製品(バッグ・小物)などの販売、ダチョ
ウ飼育関連設備・器具販売及び施工。国内唯一のダチョウ観
光牧場の運営である。飼育は糞尿の処理が不要のためエサや
りだけでよく、現在 1,300 羽を管理。ダチョウは手間がかからな
いだけでなく、捨てるところがないのも魅力。肉は健康への関
個人の注文にも応じている。平成3年には牧場に隣接して観光
そ の 他
心の高まりと共に、高級レストランなどを中心に固定客が増え
BBQコーナーでの食事風景
SHOPをオープン。国内唯一のダチョウ観光牧場として週末は
家族連れで賑わい全国からの視察も多い。ダチョウ肉バーベキューが食べられる他、ダチョウ肉加工品・
食卵・オーストリッチ製品などのお土産品を販売。ダチョウ以外にもエミュー・ロバ・鹿・ヤギ・羊・孔雀・ア
ヒルなど様々な動物に餌付け体験が出来るほか、直になでたりとふれあうことが出来る。肉はレストラン
などと特約で販売している。需要はあるが、供給が追いつかない状態である。
差別化のポイントは日本国内ではダチョウの屠殺場が3カ所しかない。当社の強味は自社で屠殺場
を持っていること。また、肉だけでなく皮など総合的に利用して無駄のないことも強みになっている。
新分野進出事例集
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ダチョウ飼育・販売・観光牧場の運営
リフォーム・リニューアル
低脂肪・低カロリーのダチョウ肉
お土産のダチョウ肉入りレトルトカレー
実施体制
環 境 分 野
社長の役割は、ダチョウ飼育の可能性の調査を国内では沖縄、海外にはアメリカ(カリフォルニア、ア
リゾナ)に行き、数週間滞在して実施した。その後社員を派遣し研修させた。
本業の社員をダチョウ飼育に振り替えている。全社員の 22 名のうち専従は 15 名。パートタイマーを 7
名専属に採用した。事業発展に伴い、新規採用も行う予定である。
情報収集や相談先は、国内の組織はフランチャイズ方式で閉鎖的なので入っていない(日本オースト
リッチ協会「沖縄」、日本オーストリッチ協議会「東京」)。栄養素の分析などは女子栄養大学に頼んでい
農林
林水
水産
産業
業
農
る。農水省ではダチョウを家畜として認めていないので相談の窓口がない。
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2.ここ2年間の状況
平成 9 年より平成 14 年までは売上高 5,000 万円/年で推移したが、平成 14 年にようやく1億円に
なって、造園業の売り上げを上回った。
飼育頭数に大きな増加はないが、飼育から屠殺までの効率性の向上により、屠殺頭数は増加し、供
給量も年々増加している。平成 15 年春には石岡ファームにおいて、動物ふれあい広場「南のまきば」を
福祉・介護
オープンした。また平成 16 年夏より新施設「王国セラピー 酵素風
呂」をオープンして好評となっている。さらに、平成 17 年 3 月に、千葉
県袖ヶ浦市に、第 2 牧場「ダチョウ王国袖ヶ浦ファーム」を設立した。
広さ約 7ha の牧場内には店舗、BBQハウスなどが配置されている。ダ
チョウの飼育頭数は約 100 羽で、第 2 の観光牧場としてスタートした。
石岡ファームの売上げは年々30%の伸びを示しており、「南のまき
ば」「酵素風呂」などの観光施設の充実による入場者数の増加等が
売上げ増加を牽引している。
そ の 他
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アルパカなど珍しい動物も見られる
取組の成果、本業への影響
新分野に参入できたことが大きな成果である。また知名度が非常にアップしたことも成果である。本
業への影響は直接的には見られないが、本業で失った売上げボリュームをカバーしており、本業に比べ
ると更なる伸びも期待できる第 2 事業として成長した。お中元やお歳暮にダチョウ関連商品が大変好
評となっている。
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財団法人建設業振興基金
常南グリーンシステム株式会社
リフォーム・リニューアル
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現在の課題と今後の展望
平成 17 年夏より、牧場内での無農薬・有機野菜のもぎ取り体験を始めた。各イベントへの参加など
による知名度アップにも積極的に取り組んでおり、今後は各ファームでの自社イベント企画を進めたい
と考えている。
K
環 境 分 野
農林水産業
福祉・介護
そ の 他
新分野進出事例集
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ダチョウ飼育・販売・観光牧場の運営
事業者プロフィール
会社概要
リフォーム・リニューアル
環 境 分 野
会社名(団体名)
常南グリーンシステム株式会社
代表者名
矢口隆文(58 歳)
所在地
茨城県石岡市鹿の子 2-3-22
会社創業時期
−
業 種
■総合工事業(土木)
■建設関連業(その他)
■その他(造園)
主要受注先
−
建設業許可番号
茨城県知事許可 08-005686 号
役職員数
22 人(うち建設業従事 約 6 人)
資本金額
10 百万円
直近年度の売上高
186 百万円(平成 15 年度)
新分野・新市場への取組又は先進的な取組の概要
農林水産業
取組分野
■農林水産業
取組の類型
■既存技術の応用
■既存人材の有効活用
事業の段階
■事業展開段階(既に展開している)
取組体制
■自社単独
工業所有権の有無
−
問い合せ先
福祉・介護
会社名(団体名)
常南グリーンシステム株式会社
担当者氏名(役職)
矢口宗平
所在地
茨城県石岡市鹿の子 2-3-22
電 話
0299-23-2244
eメール
[email protected]
URL
http://www.dacho.co.jp
平成 17 年 9 月 16 日現在
そ の 他
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財団法人建設業振興基金