廃木材及び廃プラスチックを原料とした 熱可塑性木質複合材の製造・販売

カムイ・エンジニアリング株式会社
廃木材及び廃プラスチックを原料とした
熱可塑性木質複合材の製造・販売
リフォーム・リニューアル
カムイ・エンジニアリング株式会社(北海道川上郡標茶町)
No.02-01-03 / 0004
ラムサール条約に登録される釧路湿原の環境を守りながら、地域産業を発展させていくことを願って設立されたカ
ムイ・エンジニアリング㈱。地元標茶町の建設業者らが中心となっているという側面のほかに、釧路公立大学発の環
境ベンチャー企業という性格も有する。生産工場も完成し、営業活動を全開。ANAの機内誌での販売や東急ハンズで
の展示など、精力的に営業展開している。売上げも平成 16 年度には 2 億円に達し、わずか 2 年間で倍増している。
環 境 分 野
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取組の概要
背景・きっかけ
2000 年に標茶町内の建設・土木関係の会社社長らが釧路
公立大学地域経済研究センターに集まり、地域リサイクル研究
農林水産業
会を立上げ、2001 年には「しべちゃゼロエミッション 21 研究会」
を発足した。目的は町内で大量に投棄される間伐材、農業用廃
プラスチック、家畜糞尿などと生ごみのリサイクル方法について
の研究を行なうものであった。さらに従来の公共事業依存型か
ら脱却して、「地域で発生する廃棄物は地元でリサイクルする」
事業を始めたいとの思いから同センターの小磯修二教授の指
導のもと、北海道型新規産業創出を目指した大学発ベンチャ
新潟薬科大学のデッキ、ベンチに利用
ー企業を設立した(平成 14 年 4 月)。
福祉・介護
当該事業の事業化への取組みは、研究会として色々なところを視察し勉強したが、アイン・エンジニ
アリング㈱と出会い、地域の資源・環境は地域で守るという理念でアインと共感できたことが契機とな
っている。本州の技術開発メーカーであるアイン・エンジニアリング㈱と技術提携し、新技術開発及び実
証実験を実施している。
取組の概要
この製品(商品名:カムイウッド)は、地元の産業廃棄物としてその処理が課題となっている農業用の
廃ビニール、カラマツ間伐材及び廃木材を資源として活用することが特徴で、ガーデニング製品・エクス
そ の 他
テリア製品として道内ホームセンターなどでの販売を予定している。平成15年春からの本格的事業展開
を目指し、工場建設の準備中(面積 1,750 ㎡、生産量 1,600t 平成 15 年 8 月に完成)。また、家畜糞尿
や生活廃水などで汚染された湖や川の水を、廃ビニールを利用した網状の構造体と植物の根による吸
収浄化の相乗効果により、効率良く水質を浄化できるシステムも研究開発中。そのほか、海の藻場再
生のため、ブロックに先程の網状構造体を取り付け、その中心に鋳鉄を埋め込み、網状構造体の中から
海草に必要な鉄イオンを供給するブロックを海底に沈める方法について実証実験を実施中。
当該事業の主な顧客としては、全日空商事、岡村製作所(アイン・エンジニアリング担当)や無印良
品、三菱商事(ホーマック担当、H15 年度)、及び標茶町である。
リサイクルウッドは、地域から排出された廃棄物を活用し、商品となってからも腐らず、色落ちしない点
新分野進出事例集
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廃木材及び廃プラスチックを原料とした熱可塑性木質複合材の製造・販売
が、従来の木質製品との差別化のポイントである。また、再度リサイクルが可能であることも重要であ
る。
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環
環 境
境 分
分 野
野
十勝エコロジーパークのコテージの外壁に利用
帯広農業高校柔剣道場の外壁に利用
農林水産業
愛知万博電力館のフェンスに利用
全日空オリジナルフラワーボックスに利用
福祉・介護
実施体制
実施体制、各役員の役割は以下の通り。
大越社長(丸越産業)業務全般
熊谷取締役(ライフクリエイトくまがい)営業担当
佐藤取締役(星工務店)技術担当
藤原取締役(藤原組)経理担当
斉藤取締役(常勤)業務全般
そ の 他
小石川取締役(非常勤)役所等
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2.ここ2年間の状況
平成 15 年 8 月に標茶工場(川上郡標茶町字榮 214-3)が完成して本格稼働すると同時に、各方面
への営業を展開した。紹介を受けた全日空商事㈱には会社の理念が通じ、パートナーとして業務提携
することができた。「カムイウッド・フラワーボックス」は ANA のオリジナル商品として機内通販紙を通じて
販売されている。さらに平成 17 年には北海道認定リサイクル商品として認定されたこともあり、外壁材、
デッキやフェンス部材として、道内外で利用され始めている(北海道立十勝エコロジーパーク内コテージ、
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財団法人建設業振興基金
カムイ・エンジニアリング株式会社
斜里高校等の公共施設や新潟薬科大学等の民間施設への納入も実現した)。さらに愛知万博のワン
ダーサーカス電力館のフェンスにも利用されているが、このカムイウッドは十勝管内のダムに溜まった流
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木を利用したものである。
売上に関しては初年度(平成 15 年)は約 1 億円で、2 年目の平成 16 年には倍増の 2 億円に達して
いる。
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取組の成果、本業への影響
経済産業局の補助事業で、木質の材料を植物に替え研究中。強度を必要としないものに使用できる
可能性あり。また網状リーフ構造培地を利用した昆布の藻場の形成実証試験も継続しており、北海道
環 境 分 野
開発局への提案も行なっている。
カムイ・エンジニアリング㈱自体は大学発ベンチャーのエンジニアリング会社との認識があるので、本
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業への影響はほとんど無いものと考える。
現在の課題と今後の展望
工場建設に当たっては工場建設資金の確保が課題であったが、無事に完成することが出来た。今後
は第二、第三工場を道東以外、例えば道南などに建設していきたいと考えている。また新たなことにチャ
農林水産業
レンジする姿勢も継続していきたい。
K
福祉・介護
そ の 他
新分野進出事例集
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廃木材及び廃プラスチックを原料とした熱可塑性木質複合材の製造・販売
事業者プロフィール
会社概要
リフォーム・リニューアル
会社名(団体名)
カムイ・エンジニアリング株式会社
代表者名
大越武彦(54 才)
所在地
北海道川上郡標茶町
会社創業時期
2002 年 4 月 23 日
業 種
■その他(環境事業)
主要受注先
■国、公団等の国の機関
■市町村及びその機関
■民間発注者
環 境 分 野
建設業許可番号
建設業許可番号:なし
役職員数
25 人(うち建設業従事 約−人)
資本金額
20 百万円
直近年度の売上高
200 百万円(平成 16 年度)
新分野・新市場への取組又は先進的な取組の概要
農林水産業
福祉・介護
そ の 他
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取組分野
■環境分野(廃棄物処理、リサイクル、その他)
■物品販売
取組の類型
■新製品の開発
■新技術・工法の開発
■販路の開拓
事業の段階
■事業展開段階(既に展開している)
取組体制
■共同出資会社の設立
■異業種連携
■産学連携
工業所有権の有無
■取得は考えていない
問い合せ先
会社名(団体名)
カムイ・エンジニアリング株式会社
担当者氏名(役職)
斉藤貴博(取締役)
所在地
北海道上川郡標茶町旭1丁目
電 話
01548-5-5820
eメール
[email protected]
URL
http://www.cameui.jp/
平成 17 年 8 月 12 日現在
財団法人建設業振興基金