磨耗 / 亀裂インジケーターについて リムの使用条件 リ ム

テクニカルマニュアル 0 6
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磨耗 / 亀裂インジケーターについて
マヴィックでは、一部のリムにブレーキ面の磨耗状態を示すインジケーターを組み込んでいます。
マヴィックのリムで使用されるインジケーターは次の 2 種類です。
インターナル
(内部)
タイプ:
構造:リムのブレーキ面の両サイドウォール内側にインジケーターが刻み込まれています。
原理:
リムの磨 耗が進んでくると、リムの左 右の各サイドウォール面に小さな穴が現れます。ブレーキパッドの調 整 状 態によっては、穴がサイドウォール面のどちらか一 方に
のみ現れる場 合もあります。いずれにしろ、少なくとも一 方のサイドウォール面に穴が 現れたら、サイドウォールが 薄くなっているため、リムを使用し続けると危 険で
ある可能性があります。
この場合は、
リムをできるだけ早く交換してください。
インジケーターの位置は、
リムのバルブ穴の反対側に貼ってあるステッカーに、2 つの黄色い矢印で示されています。
どのリムにこのインターナルタイプのインジケーターが組み込まれているかは、前出のチャートに記載されています。
エクスターナル
(外部)
タイプ:
構造:リムのサイドウォールにインジケーターがプロファイル
(削り出し)
されています。
原理: ブ レ-キングによりリムの表 面が 磨 耗するにつれ、溝が 次 第に浅くなってきます。リムのどちらか一 方の溝が 消えたら、ブレーキ面の厚みが 薄くなったため、リ
ムを使用し続けると危険である可能性があります。
この場合は、
リムをできるだけ早く交換してください。
どのリムにこのエクスターナルタイプのインジケーターが組み込まれているかは、前出のチャートに記載されています。
セラミック加工されたリムはブレーキ面の磨耗が少なくなりますが、
セラミック加工の磨耗がインジケーター機能を果たします。
リムの使用条件
マヴィックでは 、リムやホイールの設 計に革 新 的 なテクノロジ ーを使 用していますが 、リムは 、ライディングのタイプ、走 行する地 形 、ブレーキパッド、スポークのテ
ンション、
タイヤ、
タイヤ圧、気象条件などにより磨耗するため、永久に使用し続けることはできません。
各リムは、用 途 別(ロード、クロスカントリー 、ダウンヒル、ツーリングなど)に設 計されていますので、それ 以 外の使 用による故 障についてはユーザー 様の責 任とな
り、
マヴィックの保証の対象外となります。
ユーザー様には以下の注意点をお伝えください。
•
ライディングスタイルに適したモデルを選んでください。例えば、クロスカントリー用リムをフリーライド用、ダウンヒル用、デュアル用などのバイクのホイー
ルに使用しないでください。
• 適正タイヤ幅と空気圧については、
テクニカルマニュアルの数値を厳守してください
(p. 26 の表を参照)。
•ス
ポークのテンションには十分ご注意ください。
マヴィックではホーザンテンションメーターで 70 ~ 90 kg(フロントまたは
側)
のスポークテンションを推奨しています。不適当なスポークテンションは過剰なストレスを生じ、
リムの損傷の原因となります。
3
クロスのリアフリーホイール
• マヴィックソフトストーン
(M40410)
で、
リムのサイドウォールをクリーニングしてください。
• ブレーキパッドに付着しているゴミや金属の破片は取り除いてください。
• ブレーキパッドは適正な位置に戻してください。
•サ
イドウォールが 摩 耗していたり、アイレットが 外れているリムは、危 険ですので絶 対に使用しないでください。リムはブレーキパッド同 様に摩 耗するパーツで
すので、摩耗によりリムサイドが削られてきたり、歪みなどが生じた場合は、交換してください。
•磨
耗インジケーター(インターナルまたはエクスターナル)が 組み込まれたリムは、サイドウォールの少なくとも一 方でインジケーターが 現れた(インターナル
の場合)、
または消えた
(エクスターナルの場合)場合には、交換してください。
• 磨耗インジケーターが組み込まれていないリムは、深さゲージで両側のサイドウォールの厚みがいずれも 0.4 mm 以上あるかチェックしてください。
• リムは、自分で、またはショップで定 期 的に点 検するようにしてください。少なくとも、各シーズンの初めや苛 酷な条 件で使 用した後には、必ず 点 検を行ってく
ださい 。点 検 の 際 は 、リムの内 側(とくにリムテープの 下 )と外 側を確 認してください 。アイレット周 囲 のウォールの 破 損 や、ブレー キ面 が 破 損していないか 、
磨耗インジケーターが現れていないか
(インジケーターが組み込まれたリムの場合)
などを点検してください。
これらの警告に従うことにより、
リムの寿命が延びるだけでなく、最高の性能でライディングを楽しむことができます。
リム
ユーザー様に伝えるべきリムの使用条件
026
テクニカルマニュアル 0 6
適正タイヤ圧(表)
クロスカントリー/クロスマウンテン*
タイヤ幅
”
1.00
1.20
1.50
1.75
1.85
1.90
1.95
2.00
2.10
2.20
2.30
mm
25
30
38
45
47
48
50
51
53
56
58
最大空気圧
(bar)
7.70
7.00
6.00
5.20
4.80
4.70
4.50
4.30
4.00
3.70
3.30
ロード & トライアスロン*
タイヤ幅
(mm)
19
23
25
28
32
最大空気圧
(bar)
10.00
9.50
9.00
8.00
7.00
最大空気圧
(PSI)
113
103
88
76
71
69
66
63
59
55
49
最大空気圧
(PSI)
146
138
131
117
103
*p. 22 のレベル別プロダクトの分類を参照。
エキストリームマウンテンバイク*
タイヤ幅
”
2.10
2.20
2.30
2.40
2.50
2.60
2.70
2.80
2.90
3.00
mm
53
56
58
61
63
66
69
71
74
76
アスファルト*
タイヤ幅
(mm)
28
30
32
35
37
40
44
47
50
最大空気圧
(bar)
最大空気圧
(PSI)
最大空気圧
(bar)
最大空気圧
(PSI)
3.70
3.50
3.30
3.20
3.00
2.80
2.70
2.50
2.40
2.20
7.00
7.00
7.00
6.00
6.00
5.60
5.20
4.80
4.50
55
52
49
47
44
41
39
36
34
32
103
103
103
88
88
82
76
71
66
耐久性
リムにはタイヤを保持し、
ブレーキディスクの役割を果たすという 2 つの主な機能があります。
このブレーキディスクの役 割におけるブレーキ面となるため、リムは、とくに苛 酷な条 件 下や長 期 間の使用により、磨 耗します。リムが 磨 耗する原 因は、ブレーキパッ
ドに付 着した砂 利や泥 、またはブレーキパッドの磨 耗や調 整 不良など、さまざまです。これらの原 因により、リムのサイドウォールが 磨 耗または破 損していても、ユー
ザーが気づかない場合もあります。
したがって、
ブレーキパッドと同様にリムも定期的に交換する必要があることをユーザー様に必ず、知らせてください。
磨耗を軽減するために、
マヴィックのトップモデルリムにはセラミック加工が施されています。
リムが強い衝撃により大きく変形した場合は、
スポークに過度の負荷がかかったり、破損する恐れがありますので、速やかにリムを交換してください。
メンテナンス
リムとブレーキパッドは石 鹸と水で定 期 的に洗 浄してください。研 磨 物( 砂など)を使用すると、隙 間に詰まったり、リムのサイドウォールを磨 耗または破 損する恐れ
があります。
ブレー キ 面 の 洗 浄 が 不 十 分 な 場 合 は 、マヴィックソフトストーン( M 4 0 4 1 0 )を使 用してください 。ただし、ディスクブレー キ 専 用のリムには 使 用しないでくださ
い。
マヴィックソフトストーン、
スポンジ、布以外は使用しないでください。
リムにオイルが 付 着している場 合 は、リムを傷つけずに、溶 剤で取り除くことができます(ディーマックス用リムを除く)。ただし、ステッカーやタイヤの部 分 は劣 化
の恐れがありますので、溶剤を使用しないでください。