計算機数学第2回 (講義2)

計算機数学第2回 (講義2)
2013 年 4 月 17 日(水)
4月24日(水) 第 3 回
5月 1日(水) 第 4 回
5月 8日(水) 第 5 回
講義
講義
応数計算機室(20号館6階) パソコン実習
お話・・・
・李下に冠を正さず
・瓜田に履を納れず
講義は1時間 → 応数計算機室へ移動
応数計算機室・USBメモリ配布、入退室&自動ログインのための登録
ハレカ、ナナコ、福岡の地下鉄カード、ICOCA、Suica ・・・O.K.
チップが埋め込まれていそうなもの。。。
数について・・・数とは何だろうか?
自然数
1、2、3、4、・・・
数と数字は違うもの!
【まとまった数を表すもの】
数の少ないものを数えるには、石ころや棒きれや指で、数えようとしている物を単純に1対1の
対比でよいが、数が多くなると石ころや棒きれで数えるには、広い場所がいるようになるし、指で
は10本(足の指も加えると20本)が限界です。 そこで、
「まとまった数を表す」という概念が
生まれてきます。右の図のように、小石10個以上の数になると、10個を別の物(例えば、大き
めの石)1個に置き換えて、その1個に10の意味を持たせたのです。(十進法)ただ、10がひ
とかたまりとは限ってなかったようですが、人間の指の数が最も理解しやすく普及しやすかったの
です。
これが、位取りの概念の原点です。
このような考え方は、歴史的に突然ある地域で発生したものではなく、
世界各地で永い年月をかけ、別々の種族が別々の方法で考えだしたもので
す。
例えば、古代シュメール人やバビロニア人は、60をひとかたまりとし
た60進法を使用していた。ただし、それも10を一区切りとして数えて
いました。
ほかにも、古代マヤ人は、20進法を使っていました。
そして、簡単に計算するための道具が、いろんな地方でいろんな形で現れはじめたのです。
現在でも、3進数をつかっている部族があるという話もある。
【数字の歴史】
現在、世界的に最も使用されている数字は、言うまでもなくアラビア数字である。
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9
そうなるまでには、いろんな変遷がありました。
メソポタミア、エジプト、黄河、インダス文明など、それぞれの時代や地域でそれぞれの数字が発明され、
その地域で進化していきました。
1. メソポタミア・エジプト文明の影響を受けたギリシャ・ローマ時代を経たヨーロッ
パでは、ローマ数字が現在でも残っています。(Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ...)
2. 黄河文明の中国では、漢数字が残っています。(一.二.三...)
3. インダス文明のインドからは、アラビア数字が生まれ、後にこれが世界を制しました。ゼロの発見
もこの数字です。ゼロ以外の9つの数字は、西暦1世紀頃に完成されました。ゼロは、876年に
インドのクヴァリオルで碑文に初めて表れています。
アラビア数字が、ヨーロッパの書物に表れはじめたのは10世紀になってからです、それがローマ数字と並
行して使われたりしながら、徐々に広がっていったのです。そして、17世紀中頃以降ようやく、アラビア
数字がローマ数字に取って代わったのです。
【現代の数の表現(位取り記数法)】
現代の便利な数の表現は桁上がりの考えがある
からこそである。この桁上がりの考えは、ゼロが
発見されたので可能となった。このように桁上が
りの考えで、数を示すのが位取り記数 法(place
value system)である。10 進数は 9 の次で桁上が
りが生じ 10 となる。0~9 の数字を使って、数を
表すのである。この 10 を基数と,0~9 間での数
を底と言う。10 進数の他、いろいろの基数の数が
考えられるが、コンピュータ科学で使われるのは、
主に 2 進数と 16 進数である。
計算機数学第2回
【数の表現
(講義) 2013 年 4 月 17 日(水)
数の表現(位取り記数法)】
現代の数の表現は「桁上がり」の考えがあり、この桁上がりの考えは,ゼロが発見されたので可能となった。こ
のように桁上がりの考えで,数を示すのが位取り記数法である。10 進数は9 の次で桁上がりが生じ10 となる。
0~9 の数字を使って,数を表すのである。この10 を基数と,0~9 間での数を底と言う。10 進数の他,いろい
ろの基数の数が考えられる。計算機の場合は、主に2 進数と16 進数が使われる。それぞれの基数と底を以下の
表に示す。
-日常のなかのゼロ-
(1) 階数と0
日本の建物には0階がない。どんな建物であっても1階にはじまり、上に2階、3階・・・と続いていく。下へ
は、地下1階、地下2階・・・となっていて、つまりこれはマイナス1階、マイナス2階・・・ということを示
している。このつくりは、アメリカでも同様です。しかし、イギリスやフランスには0階があり、日本やアメリ
カの1階は、イギリス、フランスでは0階(Ground Floor などと呼ぶ)となる。つまり、地面から上のほうへ
1階、2階・・・となっているのである。
(2) 標高ゼロメートルと0
山の高さや海の深さは、海面をゼロメートルとして上下に測った長さである。毎日の海面の上昇下降は、月の引
力も手伝って、潮の流れ(干満)によるものであるが、平均的海面の高さをゼロメートルとしている。しかし、
オランダのある地方のように、海面より低いところに住んでいる人もいる。これらの地は「ゼロメートル地帯」
と呼ばれているが、本当は「マイナス地帯」というのが正しいのだろうか。英語では below sea level といい
「ゼロメートル地帯」とはいいません。
(3) 年齢と0
昔、日本では人間の歳つまり年齢を「数え年」でいっていた。これによると人は生まれた瞬間、既に1歳だった
ということである。生まれて1歳、翌年の正月になると2歳となる。したがって、12月末に生まれた子どもは
正月になるとすぐに2歳になるということになっていた。これは、昔からの習慣であった。しかし現在では、諸
外国同様、満年齢で数えるようになっていて、生まれれば0歳、第1回目の誕生日を迎えてはじめて1歳(満1
歳)となる。ここでは、ゼロの活躍が見られるように変わったのである。
(4) 零とゼロ
「明日の北陸地方の降水確率は0(零)%です」というように天気予報での降水確率0%は必ず零と読まれる。
これには、2通りの考え方がある。
①
零とゼロの意味の違い
「零」と「ゼロ」の違いは語源の違いというわけではなく、意味そのものに違いがある。つまり、「ゼロ」は全
くなし、無の意味で基数詞であるが、
「零」はその他にも「きわめて小さい」という意味があり、意味そのもの
が違うという見方である。
「零」には零細企業などの言葉にあるように「わずか」や「規模が小さい」などの意
味もあり、こうしたことから天気予報の降水確率を「零パーセント」と言うのは雨が降る確率が「わずかでもあ
る」ということを示していて、決して0(ゼロ)― 無ではないということを意味していると考える見方である。
②
外来語と漢語の違い
「零」という漢字には「わずか」という意味はあるが、数詞の「れい」にはそのような意味は
ない。降水確率の0%は当然のことながら、数詞の「れい」である。アナウンサーが「ゼロパ
ーセント」と読まないのは単に「ゼロ」が漢語以外の外来語だからだとする考え方もある。
零とゼロの区別ははっきりしておらず、習慣や発音の聞き取りやすさなどが影響している。
アナウンサーは大和言葉や漢語に統一しがちであるが、日常において0の読みはさまざまであることがいえる。
例えば、電話番号の0はゼロ、0点は零点などそれぞれの場合で習慣づいているとされる。
(5) 世紀とゼロ
米国の有力紙ワシントン・ポスト紙は1996年のミレニアムに関する記事の中で「イエスは紀元前4年に生ま
れたので、1996年はイエスが紀元前4年に生まれてから2000年目である」という記載をしました。
実はこの記事にはうっかりミスがあったのです。
これを説明しましょう。
現在、一般に使われている西暦ができた時には、まだゼロの概念が一般化していませんでした。
紀元前は西暦元年を基準として紀元前1年から紀元前2年、紀元前3年 ・ ・ ・ と年数を逆行させて記録
していきます。これは17世紀の神学者ドニ・プト(Denis Petau)による案であり、18世紀末に一般に広ま
りました。そこで問題となるのは紀元前と紀元後との連結が数学的な観点からは不自然になっていることです。
紀元前の年を負の数、紀元後の年を正の数で示すと次のようになります。
・ ・ ・
・ -4、-3、-2、-1、1、2、3、4、・ ・ ・ ・
記事の論理では
1996-(-4)=2000
となり、一見正しいようにみえますが、実は1999年でしかないのです。紀元前と紀元後すなはち上
図の-1と1の間にあるべきゼロがないために起きたことなのです。ですから、1997年こそ200
0年目にあたることになるのです。
1世紀=100年
ミレニアム
1世紀 1~100年、 2世紀 101年~201年、...、20世紀 1901年~2000年
(6)他・・・
日本の元号 平成元年=平成1年
一年の始めは、1月1日0時0分0秒からで、何で0月0日の0時0分0秒からではないのか?
位取り記数法
12,345
•つまり一万が一つ、千が二つ、百が三つ、十が四つ、一が五つ
•日本式に表現すれば、壱万二千三百四十五
•数字の位置が大きさも表している。位置が一つ移動すると数は10倍あるいは10分の1になる。
位取り記数法で指定された自然数
r を基数(きすう)といい、基数が r あるような位取り記数法を「 r 進法」
「 r 進記数法」という。 r 進法では、 r 種類の数字からなる記号列において、隣り合う上位の桁(けた)
に下位の桁の r 倍の意味を持たせる位取りによって数を表現する。
数を r 進法で表記することを「 r 進表記」という。また、r 進表記された数という意味で「 r 進
数」という呼称を使用することもある。
基数
底
r =10
← 基数は何時も10進数で書く
0,1,2,3,4,5,6,7,8,9
(2013)10  ( 2103  010 2 1101  3 100 )10