学生の活発なディベートを目指す TurningPoint ®を活用した授業

【TurningPoint を活用した授業】
学生の活発なディベートを目指す TurningPoint ®を活用した授業
日時:2011 年 7 月 7 日(16:30~17:30)
場所:獨協大学
授業科目:外国語学部
高橋 雄一郎
交流文化学科
トランスナショナル文化論
2 年生
教授
教育現場でのテクノロジーが急速に普及している現在、獨協大学ではいち早くオーディ
エンス・レスポンス・システムに注目。外国語学部では新しく誕生した交流文化学科への
TurningPoint ®の導入を行った。
学生各個人がクリッカーを持ち、ボタンを押すことにより、ノートパソコンにデータが
送られ、そのデータがパワーポイントでスクリーンに映し出される教育を支援するテクノ
ロジーである。
その TurningPoint ®を大いに活用して授業を行っている高橋先生を訪ねた。
大教室の参加型授業
今回授業が行われる交流文化学科では、国境を越えたトランスナショナルな文化の流れ
について学ぶということで、TurningPoint ®が、この授業でどのように使用されるのかが、
注目すべき点であった。
TurningPoint ®は比較的、医学系の大学で使用されることが多く、理系の授業では、各
先生が工夫を凝らし、有効な使用方法を編み出しているようであるが、獨協大学のような
文系の大学においては、今後の授業での工夫が大いに期待されるだろう。
200 人以上の収容を持つ大教室での「トランスナショナル文化論」の講義では約100人
程の学生に、キーパッドのレスポンス・カードがそれぞれ手渡され、机の上に置いていた。
大教室では後方の学生もスクリーンが見られるように教室の丁度中間の左右にスクリーン
があり、前方、後方、左右で合計4台のスクリーンが設置されている。
外国語学部ということもあり、女子学生が多く、のびやかな雰囲気で、高橋先生の授業
が始まった。
最初は先週の授業からの続きとして、岡本太郎さんの壁画の改変に関しての内容から講
義がスタートし、高橋先生の質問が次々とテンポよく生徒たちに出題された。
クリッカーを使用した授業では、先生の質問に答えるときには、一応に真剣なまなざし
でボタンを押し、中には、電波を良く飛ばしたいという気持ちの現れなのか、クリッカー
を持つ腕を持ち上げて前方に向かって、ボタンを押す姿も見られた。
結果は、すぐ4台の巨大スクリーンに映し出され、一番後方の学生でも、しっかりとデ
ータを確認できるようになっている。
授業内容にマッチした自由自在なコンテンツの利用
トランスナショナル文化論の授業ならではの「移民」に対する問題も取り上げられ、
「二
重国籍に関して」
「故郷愛と愛国心は」
「1869 年に起こったこと」
「大陸間鉄道建設に従事し
たのは」
「日系人が働いていたのは」「日本人はなぜ海を渡ったか」「移民法改正の背景は」
「日系人が日本で働くことは」など、クリッカーを使用した回答が必要となってくる問題
が多く出題されていた。
時折、高橋先生の冗談なども交えながら、写真や質問がスクリーンに映し出され、次々
と出題される間、授業は活気に溢れて、学生側もそれを楽しんでいるように見受けられた。
また、高橋先生が作成したパワーポイントの資料から、YouTube へアクセスし、移民に歌
われた民謡が紹介され、大教室ならではの臨場感あふれた内容となった。
「最終的には学生がディベートを行うところまで、授業を持っていきたい。
」と、高橋先生。
先生から出題され、自分たちが出した答えの結果が、映し出されたグラフと数字の結果
によっては、学生各個人が受ける印象や考えは違ってくる。学生たちは、TurningPoint ®
で投影されたデータの結果を見ることによって、自分が出した答えを再度熟考できる良い
チャンスを授業の中で与えられた。その考えを持ち寄り、話し合うことによって、学習へ
のさらなる意欲へとつながっていく活気ある授業となっている。
自分の意見を持ち、発言できることも国際人の大切なポイントでもある。これから、高橋
先生の授業から多くの国際人が育っていき、今後のグローバルな平和を考えることができ
る人間として、きっと社会で活躍してくれるに違いない。
*このレポートの「キーパッド」とは、TurningPoint
る
オーディエンス・レスポンス・システムで使用す
ResponseCard RF と呼ばれるレスポンス用カードのことで、
「クリッカー」や「アナライザー」などと
も呼ばれている。