きめ細やかな研修とソーシャルスタイルを活用したフィードバックで

Case
ケース
インターネットサービスプロバイダーのコンタクトセンター事例
きめ細やかな研修とソーシャルスタイルを活用したフィードバックで
セールス力を強化、インバウンドセールスを推進し獲得率・獲得数を向上
一般家庭へのインターネットの普及が進む中、市場が飽和に近づきつつあるインターネット接続市場。昨今、インターネットサービスプロバイダーにおいては会
員獲得競争が激化しており、収益をあげるためには接続サービスにとどまらない高付加価値サービスを提供していくことが課題となっています。今回は、このよ
うなインターネット接続市場において、顧客からの問い合わせの機会を生かして顧客を理解し、サービスを能動的に提案するインバウンドセールスを推進するこ
とで、獲得率・獲得数を伸ばした事例をご紹介します。
クロスセルを推進し、さらなるプロフィット化を目指す
大手インターネットサービスプロバイダーでは、インターネット関連技術の進歩や市場のニーズに合わせて、セキュリティやテクニカル
サポートなど付加価値の高いオプションサービスの提供に注力。入会申込受付センターでは、従来の入会申込受付だけでなく、オプシ
ョンサービスのクロスセルを行うことで、さらなるプロフィット化を目指していました。
セールススキルがなく、TSRごとに成果にバラツキが生じる
セールスを展開するといっても、インバウンド業務を担う入会申込受付センターにはセールススキルがありません。こうした状況の中で
セールスをはじめてはみたものの、TSRごとに成果にバラツキが生じたほか、セールスへのモチベーションが高まらないといった課題
が見られました。
TSRの育成・指導にソーシャルスタイルを活用して
インバウンドコンタクトセンターのTSRにセールススキルを身に付けさせる
体系化された研修カリキュラムにより、セールスに必要なスキルをひとつずつ身につけていくことでセールス力を強化。その結果、TSR
はすべての顧客に対してクロスセルの提案を行うことができるようになりました。
TSRに、エゴグラム(性格分析)とソーシャルスタイルを通して自身の対人
行動の特徴を考えていくことを説明。性格の良さや悪さではなく自分に対
する理解を深め、お客様とのコミュニケーションに役立てるために実施する
TSR自身の弱みと
強みを理解
旨を理解してもらった上で、エゴグラムとソーシャルスタイルを実施した。
スタイル別にお客様の特性を把握した上で、お客様の第一声、電話の向
こうから聞こえてくる音、居住地域、性別、利用している電話が携帯か固
定かといった情報からソーシャルスタイルを瞬時に判断。適切なコミュニ
お客様に合わせた
セールスを実施
ケーションを図った。
全TSRの獲得意識を統一するとともに、セールス力のバラツキを解消しつ
つ成果の底上げを図るために目標を明確化。さらに、常に目標や成果を
意識する環境を整備することで、セールスへのモチベーションを高めた。
TSRのソーシャルスタイルを知った上で適切なフィードバックを実施。月末
だけなく、中間でもチェックとフィードバックを行うことで、目標の再確認を
しつつ中だるみを防止し、効果的に目標達成をサポートした。
目標の明確化
セールスへの
モチベーション向上
目標の再確認
TSRとSVの
信頼関係構築
Voice
顧客を理解し、顧客に新たな価値を提案するインバウンドセールス
ボイス
インバウンドコンタクトセンターにセールススキルを持たせたことで、
獲得率・獲得件数が向上
センター全体の獲得率が約15%向上
獲得件数が約15%増加
出勤率が上昇しほぼ100%で推移
インターネットサービスプロバイダーのコンタクトセンター事例
Case
ケース
きめ細やかな研修とソーシャルスタイルを活用したフィードバックで
セールス力を強化、インバウンドセールスを推進し獲得率・獲得数を向上
Voice
ボイス
アクティブコンタクトの最前線で活躍しているTMJスタッフの生の声をお届けします。
顧客を理解し、顧客に新たな価値を提案するインバウンドセールス
インターネットサービスプロバイダー業界においては会員獲得競争が激化しており、収益をあげるためには接続サービスにとどまらない高付加価値サービスを提
供していくことが不可欠となっています。そこで、今回紹介する入会申込受付センターでも、お客様からの問い合わせの機会を活かして能動的にサービスを提案
するインバウンドセールスを展開することになりました。従来のインバウンド業務しか行っていなかったセンターにセールススキルをどのように持たせていったの
か。目標設定、育成体制の構築のほか、ソーシャルスタイルの活用がカギとなりました。
できるようになりました。
ています。
つい最近、ほかの業務を行っているセンター
ところが、それでも響かないお客様がいるこ
セールスとTSR育成にソーシャルスタイルを
から当センターにTSRを異動させたのですが、
とに気付きました。お客様は十人十色ですか
取り入れたことで、TSRごとにバラツキが生じ
そこでもソーシャルスタイルを活用して、イン
ら、当然のことだと思いました。そこで、何か対
ていた獲得率・獲得件数の底上げに成功しま
バウンドセールスに適したTSRを選抜しまし
策はないかと考えていた時、自分自身は相手
した。このほか、遅刻・欠勤・早退が少なくなる
た。ソーシャルスタイルはさまざまな場面で活
によって話し方や対応を変えていることに気付
とともに離職率も低下するという、想定外の効
用できるものなので、今後もセンター運営に役
いたのです。つまり、相手のソーシャルスタイ
果を得ることもできました。
立てていきたいと考えています。
ルによって話し方を変えているということです。
「ソーシャルスタイル」とは、産業心理学者で
ソーシャルスタイル
あるデビット・メリルの研究により提唱された行
ソーシャルスタイルを活用した
コミュニケーションを実践し
インバウンドコンタクトセンターに
セールス機能をプラス
動科学理論で、人の行動を観察することで見
えてくる行動傾向を「プロモーター」「コントロー
ラー」「ファシリテーター」「アナライザー」の4つ
ソーシャルスタイルとは、産業心理学者であるデビット・メリルの研究により提唱された行動科学
理論で、人の行動を観察することで見えてくる行動傾向を「プロモーター」「コントローラー」
「ファシリテーター」「アナライザー」の4つに類型化したもの。ソーシャルスタイルによって自
分の行動を理解することは、コミュニケーション能力を高めることにつながる。
に類型化したものです。さっそく、一部のTSR
にお客様のソーシャルスタイルに合わせたコミ
ュニケーションを行うよう指導したところ、手応
えを感じたので、センター全体で取り入れるこ
伊藤 慎
とにしました。
Ito Shin
獲得率・獲得件数の底上げに
成功したことに加え
勤務状況の改善や離職率の低下も実現
センター長
プロフィール
大手通信教育会社における受付業務のSVから、通信会社・カード会社・銀行(ネットバンキン
グ)、大手家電メーカーの窓口など様々な業界でのインバウンド運営実績を有し、
現在、同センターのセンター長を務める。
ソーシャルスタイルを活用するには、自分を
理解し、相手を理解し、そして相手のニーズに
合わせて自分自身のソーシャルスタイルを柔
軟に変化させていくことがポイントとなります。
新規会員の獲得が困難になる中
付加価値サービスのセールスが必須に
目標を定めることでモチベーションを
高め、きめ細かなフィードバックで
中だるみを防止
バックでは目標を確認し、中間のフィードバッ
クでは目標を再確認することで中だるみを防
ぐとともに、目標の達成度合いを見て、獲得件
数が少なければなぜ獲得できないのか、どう
ここ熊本センターでは、インターネットサービ
今でこそ、お電話をいただいたすべてのお客
スプロバイダーの入会申込受付を担う、イン
様にアップセルを展開できるようになりました
バウンドコンタクトセンターを運営しています。
が、もともとはインバウンドコンタクトセンターで
TSRたちは対応を終えたあと、その内容を振
開設当初は、インターネット接続サービスの入
すから、セールス開始当初はTSRたちの反発
り返る間もなく次のコールに対応するというこ
会申込受付業務のみ行っていました。しかし、
もありました。そのような状況の中では、お客
とを繰り返しています。そのため、フィードバッ
一般家庭でのインターネット利用が当たり前
様にオプションサービスをお勧めしようとする
クの回数を増やしたことは、これまでできなか
のことのように浸透してきた今日、インターネ
モチベーションが高まりません。その上、オプ
った振り返りを可能とし、自身の弱みを知り、
ット接続サービスの市場は飽和に近づきつつ
ションサービスに関する知識はあってもセール
克服するための方法を知る建設的な時間とな
あり、競合との価格競争が激化して新規会員
ススキルが十分にありませんから、同じセー
っているようです。そのためか、今では多くの
の獲得が難しくなってきています。これに加え
ルストークを展開しているにもかかわらずTSR
TSRがフィードバックを楽しみにするようになり
て、インターネット関連技術の進展に伴いさま
ごとに成果にバラツキが生じていました。
ました。
ざまなオプションサービスが登場してきたこと
から、クライアント企業からオプションサービス
のクロスセルも求められるようになってきまし
た。
したら獲得できるようになるかを話し合ってい
ます。
こうした課題の解決に向けてまず行ったの
が、「目標設定」と「育成体制の構築」です。
「目標設定」については、すべての入電に対し
てセールスを行うことは決めていましたが、
ソーシャルスタイルを活用して
お客様のスタイルに合わせた
コミュニケーションを実践
そこで、普段の自分を知るために、エゴグラム
(性格分析)で自分の性格を客観的に理解し
てから、ソーシャルスタイルに関する研修を実
施し、ソーシャルスタイルを活用した対応に
取り組みはじめました。また、TSRの育成に
も活用しており、TSRのソーシャルスタイルを
理解した上で効果的なフィードバックに努め
セールストークスクリプトの効果を最大限に発揮できるよう
お客様のソーシャルスタイルを瞬時に的確に判断する練習に注力
河野亜希
Aki Kawano
ソーシャルスタイルに合わせた
マジックフレーズを日々開発
セールストークスクリプトの作成に当たって
は、お客様に提案を受け入れていただけるよ
そこで、現在ではインバウンドコンタクトセン
TSR一人あたりの獲得目標は定めていなかっ
次に行ったのが、セールススキルを高める
う、さまざまな工夫を施しています。SVたちで
ターでありながらも、お客様から入会のお申
たため、TSRたちはセールスをする意識が薄
ための研修です。具体的には、サービスの利
お客様のタイプ別に響く言葉となるマジックフ
込みや、引越手続きでご連絡いただく機会を
れていたようだったのです。目標を設定して、
点を理解した上でお客様にとってのメリットを
レーズを研究しています。例えば、ファシリテ
活かして、セールスを展開するようになりまし
TSRたちにセールスを行う意味をより強く意識
見いだす「パーソナルメリット研修」、他社サー
ーターの方には「ほとんどの方がお申し込みさ
た。現在では、インターネット接続サービスの
付けることで、モチベーションアップを図りまし
ビスも含めてランニングコストを試算する「ラン
れます」「無料です」といったひと言がマジック
ほかに、セキュリティやテクニカルサポートな
た。
ニングコスト研修」、そして提案力を強化する
フレーズとなり、大きな成果を上げています。
SV(スーパーバイザー)
プロフィール
2005年5月同コンタクトセンターのTSRとして入社。2006年4月以降
SVとしてインターネットサービスプロバイダーの様々な業務を歴任。
現在は担当業務のチームリーダーを務める。
お客様のソーシャルスタイルを
瞬時に判断する練習を実施
断することが不可欠です。そこで、TSRがお客
様の第一声、電話の向こうから聞こえてくる
音、居住地域、性別、利用している電話が携帯
ど5種類の付加価値サービスのセールスを展
「育成体制の構築」については、TSRへのフ
「提案力研修」を行いました。こうしてひとつず
このほか、お客様のネガティブ反応に対するリ
お客様のタイプ別に用意したセールストーク
か固定かといったことでソーシャルスタイルを瞬
開し、クライアント企業のさらなる収益に貢献
ィードバックを月1回から2回に増やし、月初と
つ順を追ってスキルを習得していくことで、サ
バトルスクリプトも用意しており、すべてのスク
スクリプトの効果を十分に発揮させるには、お
時に読み取ることができるよう練習を行い、判
できるよう頑張っています。
中 間 に 行 う よ う に し ま し た 。 月 初 の フィード
ービスの良さとお客様のメリットを併せて提案
リプトをWebで共有しています。
客様のソーシャルスタイルを瞬時に的確に判
断の確度を高めるよう努めています。