地球科学実験1

スケジュール
A班・B班各5回半+試験
地球科学実験B
10月 6日
10月13日
10月27日
11月10日
11月17日
11月24日
12月 1日
12月 8日
12月15日
1月12日
1月19日
環境資源工学科
内田悦生
B班
A班
B班
A班
B班
A班
B班
A班
B班
A班
前半A班+後半B班
使用教科書
„
偏光顕微鏡と岩石鉱物 [第2版]
目的
共立出版
地球構成物質
黒田吉益・諏訪兼位 ¥5500
第一章
第二章
第三章
第四章
„
地殻>岩石>鉱物
地殻>岩石>鉱物((珪酸塩鉱物)
珪酸塩鉱物)
偏光顕微鏡の構造と調整
偏光顕微鏡下で観察できる鉱物の性質
偏光顕微鏡のための基礎的光学
主要な造岩鉱物
岩石学 I 偏光顕微鏡と造岩鉱物
鉱物を調べることで,岩石の形成条件や形成過程の
情報を得ることができる
共立全書
岩石・鉱物鑑定は地球科学の基礎中の基礎
都城秋穂・久城育
都城秋穂・久城育夫 ¥2520
偏光顕微鏡を用いて,組織,構造,光学特性な
どから岩石・鉱物の鑑定を行う
授業予定
„
„
„
„
„
偏光顕微鏡の点検・調整
偏光顕微鏡の使い方
・オルソスコープ 単ポーラー/直
ポーラー/直交ポーラー
・コノスコープ
主要造岩鉱物の鏡下での鑑定法
主要火成岩の観察
試験 (3/10点以下は不合格)
合計 5回半
偏光顕微鏡とは?
„
拡大するだけではなく,偏光
によって生じる結晶の
拡大するだけではなく,偏光によって生じる結晶の
様々な光学的性質
を観察.
様々な光学的性質を観察.
偏光:進行方向に直角な一つの方向に振動する光
光源からの光
偏光板(ポーラライザー)
薄片
*複屈折した偏光
偏光板(アナライザー)
*一部の偏光のみ通過
1
薄片のチェック
顕微鏡の点検
七種類の火成岩
„ オリンパス偏光顕微鏡
POS(鏡筒を上下させるタイプ,単眼)
POS(鏡筒を上下させるタイプ,単眼)
„ 干渉色図表と主要造岩鉱物鑑定表
深成岩
(持ち帰らぬこと!)
„ 薄片箱(7
薄片箱(7枚入り)
„ 顕微鏡用下敷き
火山岩
偏光顕微鏡備品のチェック
1.黒雲母花崗岩
2.石英閃緑岩
3.角閃石両輝石ハンレイ岩
4.ダンかんらん岩
5.流紋岩
6.紫蘇輝石普通輝石安山岩
7.かんらん石玄武岩
偏光顕微鏡各部名称
接眼レンズ(単眼)
接眼レンズ(単眼)
○対物レンズ用の箱(×
○対物レンズ用の箱(×4, ×10, ×40 )
○接眼レンズ用の箱(×
○接眼レンズ用の箱(×5, ×7, ×10, ピンホールキャップ )
・1/4波長検板(レタデーション
1/4)
)
1/4波長検板(レタデーション 147nm
147nm,, D光の
D光の1/4
・鋭敏色検板(レタデーション 530nm
)
530nm)
・クレンメル(薄片を押さえるもの
)
・クレンメル(薄片を押さえるもの)
・中心調整用のネジ(2
・中心調整用のネジ(2個)
粗動ハンドル
微動ハンドル
鏡筒
ベルトランレンズ
アーム(
アーム(屈曲可)
検板差込用穴
アナライザー
対物レンズ
ステージ(回転可)
オルソレンズ
絞り
フィルター
光源
偏光顕微鏡各部名称
(上部から下部へ)
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
„
接眼レンズ(単眼)
鏡筒
粗動ハンドル,
粗動ハンドル, 微動ハンドル
アーム(屈曲可能)
ベルトランレンズ挿脱ハンドル(コノスコープに使用)
アナライザー(偏光板)
検板差込用穴
対物レンズ
ステージ(目盛りつき,回転可能)
オルソレンズ(光を平行に入れる:通常はIN)
*コンデンサー(レンズ)(集光用)
絞り
ポーラライザー(偏光板:アナライザーとは直交方向)
フィルター(青)(光を白色光に近づける)
光源(鏡がついており光源が別のものもある)
ポーラライザー
中心調整
■接眼レンズ ×10(十字線入り)
10(十字線入り)
■対物レンズ ×10, ×40 (×4は調整不可)
■ベルトランレンズ・検板・アナライザー OUT
1.薄片をステージにのせる
2.側方からのぞきながら対物レンズを下げ,対物レン
ズを上げながらピントを調節
3.ステージを回転させ,回転の中心が十字線の交点
に一致するよう,ネジで調整
2
ポーラライザー・アナライザーの調整
へき開
■接眼レンズ ×10(十字線入り)
10(十字線入り)
■対物レンズ ×10
■ベルトランレンズ・検板 OUT
偏光顕微鏡による観察
„
オルソスコープ
(ベルトランレンズを除いた状態
)
(ベルトランレンズを除いた状態)
単ポーラー(アナライザーを除いた
状態)
)
ポーラー(アナライザーを除いた状態
下方ポーラーのみ open
直交ポーラー
)
直交ポーラー (アナライザーを入れた状態
(アナライザーを入れた状態)
下方および上方ポーラー
下方および上方ポーラー crossed
„
コノスコープ
(オルソレンズOUT
(or コンデンサーレンズIN
),
オルソレンズOUT(
コンデンサーレンズIN)
アナライザー,ベルトラン
,高倍率にした
アナライザー,ベルトランレンズIN
レンズIN,高倍率にした
状態)
状態)
黒雲母
1.アナライザーがOUT
であることを確認
1.アナライザーがOUTであることを確認
2.ポーラライザー
の目盛りを
2.ポーラライザーの
目盛りを 0°に合わせる
3.黒雲母(花崗岩)
を視野の中心に持ってくる
.黒雲母(花崗岩)を視野の中心に持ってくる
4.へき開が十字の縦線に一致したとき,色が最も濃くな
るようにポーラライザーを回転させて調整
5.薄片を抜き取る
6.アナライザーを IN
7. 視野が暗黒になるようアナライザーを回転させて調整
単ポーラーによる観察
1.形
自形
(半自形)
半自形)
他形
針状
柱状(長柱状,短柱状)
板状
立方体
粒状
自形の結晶
針状の斜長石
他形の結晶
単ポーラーによる観察
2.大きさ,粒度分布
■接眼マイクロメーター(×
■接眼マイクロメーター(×7 のみ)
■対物マイクロメーター(1
■対物マイクロメーター(1 mmを
mmを100等分した目盛り)
100等分した目盛り)
接眼マイクロメーター1
接眼マイクロメーター1目盛りの長さ
×
4
→ 39 μm
×
10
→ 15.6 μm
×
40
→ 3.9 μm
長柱状の角閃石
単ポーラーによる観察
3.組織 (一般に低倍率で観察)
班晶
石基
・組織→他の鉱物との関係
・どういう場所(固結深度)で生成したか,
・どういう順序で鉱物が晶出してきたか,を調べることができる
単ポーラーによる観察
3.組織
等粒状組織・・・同じサイズの結晶からなる
組織
等粒状組織・・・同じサイズの結晶からなる組織
(ex. ハンレイ岩)
斑状組織・・・斑晶鉱物の粒間を石基鉱物が埋める
斑状組織・・・斑晶鉱物の粒間を石基鉱物が埋める
(ex. 玄武岩)
ポイキリティック・・・大きな結晶に他の鉱物が取り込
ま
ポイキリティック・・・大きな結晶に他の鉱物が取り込ま
れた組織
(ex. 花崗岩)
れた組織
オフィティック・・・輝石中に斜長石が取り込まれた組織
オフィティック・・・輝石中に斜長石が取り込まれた組織
(ex. 玄武岩)
流理構造・・・マグマの流動を示す組織
構造・・・マグマの流動を示す組織
(ex. 流紋岩)
流紋岩)
3
主な火成岩の組織
単ポーラーによる観察
4.色
„
„
等粒状組織(かんらん岩)
肉眼で見える色とは異なる
色の見え方の違いは光の吸収により生じる
無色鉱物
有色鉱物
・石英
・黒雲母
・斜長石
・角閃石
・カリ長石 etc…
etc…
・輝石
・カンラン石 etc…
etc…
斑状組織(安山岩)
ポイキリティック組織(かんらん石ハンレイ岩)
流理構造(流紋岩)
単ポーラーによる観察
5.多色性 (光学的異方体のみ)
光学的等方体と異方体
光学的等方体
ステージを回転させたとき,鉱物の色や濃淡が変化
する現象(結晶学的方向によって吸収度が異なる)
する現象(結晶学的方向によって吸収度が異なる)
*直交ポーラー
での干渉色とは異なることに注意.
直交ポーラーでの干渉色とは異なることに注意.
物質の光に関する性質が、その物質内で方向にかか
物質の光に関する性質が、その物質内で方向にかか
わらず同じであるもの.光の速度はどの方向でも同じ.
わらず同じであるもの.光の速度はどの方向でも同じ.
(→多色性なし)
吸収軸(光学的弾性軸X,Y,Z
)の方向に振動する白色
吸収軸(光学的弾性軸X,Y,Z)の方向に振動する白色
偏光を通したときに見える色が基本的な色(軸色)
偏光を通したときに見える色が基本的な色(軸色)
非結晶質(ex.
非結晶質(ex. ガラス)
等軸晶系(ex.
等軸晶系(ex. ざくろ石)
ざくろ石)
光学的等方体と異方体
一軸性結晶
(図3.4
参照)
(図3.4参照)
光学的異方体
„
方向によって光の屈折率(速度)、屈折率、吸収など
の光学的性質にちがいがあるもの.ある方向に進む光
は速度の異なる2つの偏光に分かれて進む.
一軸性
二軸性
正方晶系(ex.
正方晶系(ex. ジルコン)
六方晶系(ex.
六方晶系(ex. 方解石)
斜方晶系(ex.
斜方晶系(ex. カンラン石)
単斜晶系(ex.
単斜晶系(ex. 普通輝石)
三斜晶系(ex.
三斜晶系(ex. 斜長石)
偏光板を通過した光は速度の異なる
2つの偏光に分かれる
偏光板を通過した光は速度の異なる2
通常光 O(ordinary light)・・・
C 軸(結晶軸)に垂直方向に振動
light)・・・C
(結晶軸)に垂直方向に振動
異常光 E(extraordinary light)・・・
light)・・・ C 軸に平行方向に振動
通常光,異常光の区別がつかなくなり,方向が一つだけある
(C 軸方向)
→この方向を光軸と呼ぶ(これが一本なので一軸性)
通常光の屈折率 ω
通常光の屈折率 ω
異常光の屈折率 ε
ω<ε → 正号結晶
ω>ε → 負号結晶
コノスコープ
異常光の屈折率 ε
4
二軸性結晶
単ポーラーによる観察
(図3.21,
(図3.21, 3.22参照)
3.22参照)
„
„
通過した光は
,互いに直交方向に振動する2
通過した光は,
互いに直交方向に振動する2本の異常光に分かれる
(通常光はない)
2つの方向だけ,屈折率と垂線速度が1つしかない方向がある
→この方向を光軸(これが二本なので二軸性)
光軸角(2V):光軸の交わる角度 (±0~90°で表す)
* 0°と90°の時は一軸性結晶と同じ
2VZ< 90°→ 正号結晶
2VX< 90°→ 負号結晶
光軸
主屈折率
α<β<γ
光軸面:二本の光軸を含む面.
光軸面で光軸角を二分する軸をX軸,Z軸
光軸面に直角な軸をY軸
光軸
光学的弾性軸
主屈折率・・・
6.へき
6.へき開,亀裂 (高倍率,絞りで調節しながら観察)
・無 石英
・有 黒雲母・・・
黒雲母・・・ 一方向(
一方向(0 0 1)
1)に発達
長石・・・ (0 0 1)(
0 1 0)
1)(0
0)だが,ほとんどみられない
普通輝石
・・・ (1 1 0)(
1 1 0)
普通輝石・・・
0)(1
0)に発達し,約
に発達し,約90°
90°で交わる
紫蘇輝石・・・
2 1 0)
紫蘇輝石・・・ (2 1 0)(
0)(2
0)に発達し,約
に発達し,約90°
90°で交わる
普通角閃石
・・・(1
1 1 0)(
1 1 0)
普通角閃石・・・(
0)(1
0)に発達し, 約56°
56°で交
わる
カンラン石・・・ (0 1 0)
顕著ではない
0)であるが,
であるが,顕著ではない
X軸方向はβとγ.
Y軸方向はαとγ.
Z軸方向はαと β.
光軸方向はβのみ.
„ へき開の観察
へき開の観察
普通角閃石
(石英閃緑岩,角閃石両輝石斑レイ岩)
黒雲母(黒雲母花崗岩)
一方向
約60°で交わる
紫蘇輝石(紫蘇輝石普通輝石安山岩,
角閃石両輝石斑レイ岩)
ほぼ直交する
ほぼ直交する
普通輝石(紫蘇輝石普通輝石安山岩,
角閃石両輝石斑レイ岩)
単ポーラーによる観察
ベッケ線
7.屈折率 (高倍率対物レンズ,絞りを絞って観察)
・鉱物の屈折率は約1.4
~3.2(一般には約
1.5~
~1.8)
・鉱物の屈折率は約1.4~
3.2(一般には約1.5
1.8)
・接着剤(一般には1.54
,石英にほぼ等しい)との比較
・接着剤(一般には1.54,石英にほぼ等しい)との比較
接着剤との差が大きい → 表面がざらざらした感じ
で,輪郭はくっきり
接着剤との差が小さい → なめらか
・ベッケ線(輝線)
対物レンズを遠ざける → 屈折率の大きい方へ移動
対物レンズを近づける → 屈折率の小さい方へ移動
焦点があった状態
距離大
距離小
•黒雲母と石英(もしくは長石)で確認
屈折率:黒雲母>石英(長石)
5
観察してみよう(単ポーラー)
„
„
„
„
„
形・・・自形 or 他形
組織・・・火山岩と深成岩の違い
色・多色性・・・どんな色をしているのか?回すとどう
なるのか?
へき開・・・
へき開・・・
・黒雲母:一方向(花崗岩)
・角閃石:60
°で交わる(閃緑岩)
・角閃石:60°
・普通輝石・紫蘇輝石:90
°で交わる(安山岩)
・普通輝石・紫蘇輝石:90°
屈折率・・・ベッケ線の確認(黒雲母と石英で確認)
観察してみよう(直交ポーラー)
„
„
„
„
干渉色・・・鉱物による違いは?
消光位と消光角・・・何度で消光するのか?
何回消光するのか?
双晶・・・斜長石,カリ長石,普通輝石
(花崗岩,安山岩,はんれい
岩で確認)
(花崗岩,安山岩,はんれい岩で確認)
直交ポーラーとは
„
アナライザー,ポーラライザーを両方入れた
状態(crossed
状態(crossed polars)
polars)
直交ポーラー
による観察
直交ポーラーによる観察
1.干渉色
直交ポーラー下で観察したときに見える色
→複屈折の大小によって色が異なる
*単ポーラー下での色や多色性とは異なる
詳しくは「レターデーション」の項で....
累帯構造・・・斜長石(安山岩で確認)
直交ポーラー
による観察
直交ポーラーによる観察
直交ポーラー
による観察
直交ポーラーによる観察
レターデーション
干渉色・・・消光位でないときに見られる。
2つの偏光の干渉現象
干渉色・・・消光位でないときに見られる。2
レターデーション R (速い光に対する遅い光の遅れ(差)を意味する
)
(速い光に対する遅い光の遅れ(差)を意味する)
R=λ0(d/λ2ーd/λ1)= d(λ0/λ2ーλ0/λ1) =d(n2-n1)
d=薄片の厚さ,
d=薄片の厚さ, n1=速い光の屈折率,
速い光の屈折率,n2=遅い光の屈折率
λ0=真空中における光の波長,
真空中における光の波長, λ1=速い光の波長,
速い光の波長, λ2=遅い光の波長
R
d
d/λ1回振動
d/λ2回振動
λ1, n1
λ2, n2
λ1>λ2
n1<n2
ν1=ν2
R/λ
R/λ0=0, 1, 2, 3…
3… → 最も暗い
R/λ
R/λ0=1/2, 3/2, 5/2…
5/2… → 最も明るい
λ0=光源の波長
レターデーション(R
レターデーション(R)と可視光線の波長との関係 → 図3.1
ミッシェル・レヴィーの干渉色図表 → 手元試料
1次
0~546 μm
2次
546~
546~1092 μm
3次
1092~
1092~1638 μm
※高次になるにつれて様々な色が混ざり合うため白色光に近くなる.
λ0, n0
6
ミッシュル・
レヴィーの干渉色図表
„ セロハンテープで実習
R=d(n2-n1)
○
(厚さの違いによるレターデーションの変化)
×
○
1.セロハンテープを重なるように貼る(→相加)
×
×
○
①セロテープ一枚の時
②セロテープ二枚の時
③セロテープ三枚の時
○
○
×
○
×
×
○
×
一枚 二枚
○
○
どう色が変化するか,そのとき
のRはどのくらいなのか,を観察
×
2.セロハンテープを直交に貼る(相減)
×
×
○
三枚
○
○
1.の時と比べて,Rはどうなる
のか観察
薄片の厚さ
0.03mm
可視光 390-760 nm
直交ポーラーによる観察
)
2.消光位と消光角(図3.6,
(図3.6, 3.11, 3.24参照
3.24参照)
消光:ステージを回転させると暗黒になる現象
消光:ステージを回転させると暗黒になる現象
„ 顕微鏡で観察(黒雲母)
暗くなるのは何回か?
・・・ 4回
暗くなるのは何度のときか?(へき
暗くなるのは何度のときか?(へき開に対し)
明るくなるのは何度のときか?(
明るくなるのは何度のときか?(へき開に対し)
開に対し)
直交ポーラーによる観察
2.消光位と消光角(図3.6,
(図3.6, 3.11, 3.24参照)
3.24参照)
消光位・・・結晶を通る2
消光位・・・結晶を通る2つの光の振動方向がポーララ
イザーの振動方向と一致.このとき像は暗黒となり
消光する.
→この時の角度を消光角という
直消光・・・消光位が結晶面の1
開の方向に一
一
直消光・・・消光位が結晶面の1つやへき
つやへき開の方向に
致する場合
致する場合
斜消光・・・直消光以外の場合
対角位・・・消光位から
45°
°回転させた位置.このとき
対角位・・・消光位から45
像は最も明るくなる.
※消光位と対角位
はそれぞれ90
90°
°ずつへだたっている.
消光位と対角位はそれぞれ
ずつへだたっている.
直交ポーラーによる観察
直交ポーラーによる観察
P
(結晶系と光学的方位および消光角との関係)
異常光1
„
„
A
„
異常光2
„
„
正方晶系および六方晶系(一軸性)・・・光軸はc
正方晶系および六方晶系(一軸性)・・・光軸はc軸に一致
c軸に伸びた結晶 → 長辺に対して直消光
底面の発達した結晶 → 底面の切断線に対して直消光
斜方晶系・・・光学的弾性軸は結晶軸に一致
結晶軸に平行または垂直な面に対して直消光
単斜晶系・・・光学的弾性軸の1
単斜晶系・・・光学的弾性軸の1つがb
つがb軸と一致
b軸に平行な面に対して
軸に平行な面に対して
等軸晶系・・・消光現象はない
三斜晶系・・・光学的弾性軸と結晶軸は一致しない→斜消光
7
曹長石の双晶
直交ポーラーによる観察
3.双晶
単ポーラーによる観察では,均質な
1つの結晶にみえ
ポーラーによる観察では,均質な1
る場合でも,直交ポーラー
では,干渉色の異なる2
2つ,
る場合でも,直交ポーラーでは,干渉色の異なる
もしくはそれ以上の部分に分かれていることがある.
ex. 斜長石(左)
・・・アルバイト双晶 双晶面(0
斜長石(左)・・・アルバイト双晶
双晶面(0 1 0)
0) 集片双晶
カリ長石(右)
・・・カールスバド双晶 双晶面 (0 1 0)
カリ長石(右)・・・カールスバド双晶
0) 単純双晶
水晶(石英):日本式双晶
普通輝石(単純双晶)
直交ポーラーによる観察
4.累帯構造
結晶の組成が中心と外側では異なる.このとき干渉色
の異なるいくつかの部分に分かれて見える.斜長石で
特徴的に見られる.
直交ポーラー
による観察
直交ポーラーによる観察
5.伸長の正負
検板
石膏検板(鋭敏色検板)
R=530 nm
雲母検板(4
雲母検板(4分の1
分の1波長検板) R=147.3 nm
くさび型検板 厚さが連続的に変化
※低次のものに対しては鋭敏色検板を,高次のものに対しては4
低次のものに対しては鋭敏色検板を,高次のものに対しては4分の1
分の1波長検
板を使用する.
速い光(偏光)の振動方向 → X’
遅い光(偏光)の振動方向 → Z’
相加・・・薄片の
X’が検板のX
相加・・・薄片のX
が検板のX’(長辺方向)に一致する場合
相減・・・薄片の
Z’が検板のX
相減・・・薄片のZ
が検板のX’(長辺方向)に一致する場合
伸長正・・
・結晶の伸長方向が偏光のZ’に一致する場合(相減)
伸長正・・・結晶の伸長方向が偏光のZ
伸長負・・・
結晶の伸長方向が偏光のX’に一致する場合(相加)
伸長負・・・結晶の伸長方向が偏光のX
„
検板で実習
1. 530nm,147nmの検板をそれぞれ差し込む
・・・Rの値は?
530nm → 紫
147nm → 灰
2.上に530nm,下に147nmの検板を,同じ方向に差し込む
・・・Rの値は?
677nm → 青 (相加)
3.上に530nm,下に147nmの検板を,直交方向に差し込む
・・・Rの値は?
383nm → 黄 (相減)
8
„
黒雲母で実習(伸長の正負)
コノスコープによる観察
1.黒雲母(単ポーラーで茶色の鉱物)を探す
„
2.黒雲母のR値を確認し,適当な検板を差し込む
3.へき開の方向と検板のX’方向を一致させて,伸長の
正負を調べる
コノスコープとは?
平行でない色々な方向の光を標本上に集め
そのいろいろな方向の光についての現象を
同時に観察.
一軸性と二軸性の識別
光軸角・光学性の観察
コノスコープの観察
„
コノスコープによる観察
コノスコープ像のでき方
顕微鏡のセットアップ
„
直交ポーラー
+
オルソレンズ OUT (いろいろな方向の光を入れる)
(コンデンサーの場合はIN
)
(コンデンサーの場合はIN)
+
ベルトランレンズ IN (コノスコープ像の拡大)
+
高倍率対物レンズ(×
高倍率対物レンズ(×40)
40)(開口数大)
対物レンズの開口数(1)
„
オルソレンズを外すことで,
光は平行光線から散乱光
光は平行光線から散乱光
線になる。
コノスコープ像の各点は,
一つの方向に対応してお
り,結晶のいろいろな方向
における光学的性質をコノ
スコープ像は示している.
O’
A’
コノスコープ像
O
後焦点面
A
レンズ
試料
光
対物レンズの開口数(2)
焦点
θ2
空気中 n2=1
(ウィキペディアより)
・開口数=n・sinθ
試料(鉱物) n1
n:媒体の屈折率(空気中ではn=1)
・40倍の対物レンズの開口数は0.65
θ1
n1/n2=sinθ2/sinθ1
⇒ θ=40.54°
・開口数の大きいレンズほど、試料に入射した広範囲の角度
の光を集めることができる。
n1=1.5、θ2=40.54の場合、
θ2=25.68°
9
アイソジャイヤー
等色線
コノスコープの観察
„
ベルトランレンズの役割
ベルトランレンズ OUT
+
ピンホールキャップ
で観察
*ベルトランレンズは拡大しているだけ.
R=d(n2-n1)
一軸性結晶のコノスコープ像
アイソジャイヤー
等色線
1.光軸に垂直な薄片の場合
(→石英を用いて実習)
→石英を用いて実習)
„
„
アイソジャイヤー(図
3.15参照)・・・中央を通る
参照)・・・中央を通る
アイソジャイヤー(図3.15
十字の暗黒線 (消光位に対応)
消光位に対応)
等色線(図
3.15参照)・・・同心円状の色のつい
参照)・・・同心円状の色のつい
等色線(図3.15
たリング(
たリング(干渉色に対応:
干渉色に対応:d(n2-n1))
一軸性結晶のコノスコープ像
正号結晶と負号結晶の同定(図
3.16参照)
参照)
正号結晶と負号結晶の同定(図3.16
○正号結晶
第1・3象限 相加
・・・薄片のX’が検板のX’(長辺
方向)に一致
第2・4象限 相減
・・・薄片のZ’が検板のX’(長辺
方向)に一致
1
2
正号結晶
短い方がX’,長い方がZ’
3
4
4
X’
3
1
2
Z’
●負号結晶
第1・3象限 相減
第2・4象限 相加
10
一軸性結晶の屈折率曲面
2.光軸に斜めな薄片の場合 → 図3.17-19, 338.4
一軸性負
一軸性負号結晶のコノスコープ像
530nmの検板挿入時
一軸性結晶のコノスコープ像
„
C軸に平行な場合
↓
フラッシュバー
(ステージを回転させると、視野
全体が一斉に暗くなったり明るく
なったりする)
石英(一軸性・正号)
←第1象限,第3象限が青(相加)になる
第2象限,第4象限が赤(相減)になる
• 黒雲母(二軸性(偽一軸性)・負号)
*できるだけ薄いところで
第1象限,第3象限が赤(相減)になる→
第2象限,第4象限が青(相加)になる
11
二軸性結晶のコノスコープ像
正号結晶
1.光学的弾性軸(X,
1.光学的弾性軸(X, Z)に垂直な薄片の場合
Z)に垂直な薄片の場合
(1)Z軸・X
軸・X軸に垂直に切った薄片→白雲母を用いて実習
軸に垂直に切った薄片→白雲母を用いて実習
図3.25(a)参照
3.25(a)参照
アイソジャイヤー
→中央を通る十字の暗黒線
等色線
→2つの光軸を中心とする同心円状
図3.25(b)参照
3.25(b)参照
アイソジャイヤー
→光軸の一方を通る2
→光軸の一方を通る2つの双曲線状の暗黒線
等色線
→2つの光軸を中心とする同心円状
コノスコープの視野の広さは80°前後なので、この様な双曲線
がはっきりと見えれば、コノスコープ像の中心は鋭等分線である。
光軸面
Z軸に垂直な場合
光軸
二軸性結晶のコノスコープ像
Z軸に垂直な場合→正号結晶
(2)Y軸に垂直に切った薄片
一軸性結晶のc軸に平行に
切った薄片と同様、ステージを
回転させると、視野全体が一
斉に暗くなったり明るくなったり
するフラッシュ・バーが見られる。
X軸に垂直な場合→負号結晶
二軸性結晶のコノスコープ像
二軸性結晶の屈折率曲面
2.光軸(A,
2.光軸(A, B)に垂直な薄片の場合
B)に垂直な薄片の場合 ニ軸性結晶の正負、大体の光軸角の
推定が可能
B
光軸面
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二軸性結晶のコノスコープ像
二軸性結晶のコノスコープ像
3.任意の方向に切った薄片
„
白雲母(二軸性)
正号 or 負号 ?
第1象限,第3象限が赤(相減)になる→
第2象限,第4象限が青(相加)になる
→ 負号
鉱物の光学的性質
鉱物の鑑定
岩石の観察
13