[第1回]いまさら聞けない基本用語集・パート1

2008年
(平成20年)
1月17日<木>
Copyright (C) NNA All rights reserved.
2007号−2
源泉徴収率による影響を受けない。
税負担の平準化では、雇用者では
なく被雇用者が収入に対する全世界
での税金を支払う義務を負う。全世
界の課税額が日本における同等の収
入に対する課税額を超える場合、被
雇用者は申告により年度末に還付を
[第1回]
いまさら聞けない基本用語集・パート1
Greenback Alan LLP
Senior Tax Manager: Terance Pay(テランス・ペイ)
例え聞き慣れていても、実際
はよく分からないことも多い税
務用語。まして外国語の表記やそ
の国特有の概念に戸惑うのは当然
だろう。新シリーズ初回は所得に
関する基本用語に焦点を絞り、そ
れらをコンパクトに解説する。
Q:英国の税務でよく耳にする
「ドミサイル」の概念とは?
受けられる。日本での課税額より少な
い場合も通常は差額を支払う必要がな
く、被雇用者にとっては得となる。
NICsは大半の被雇用者(「クラ
ス1」
)
および自営業者
(
「クラス2」
と
Q : 確 定 申 告( P e r s o n a l T a x
「クラス4」
)
に課される。
「クラス1」 Returns)は必要?
A:英国の納税者
(海外に居住する
では、週100〜670ポンドの所得に
対する11%に加え、これを超える所
納税者を含む)で確定申告をする必
得に対してはさらに1%が上乗せさ
要があるのは
(1)自営業者
(2)企業
れる。雇用主も週100ポンド以上の
の役員
(3)不動産収入など収入の発
所得を受け取る全被雇用者について
生時点で課税を受けない所得がある
12.8%の負担率で保険料を支払う義務
人
(4)
所得税の最高税率
(現行40%)
がある。
の適用を受けている人で、投資収入
に対する税金納付義務がある人
(5)
A:英国の税法では居住地・居住
ただ日本人の被雇用者が、日本の
者とドミサイル
(永住地および永住者
雇用主
(または海外支社や海外関連会
課税年度中にキャピタルゲインが
/英国に定住する意思のある者)
は別
社)
の下で働くため5年未満の期間で
あった人
(6)
特別な請求をしたい人
個にとらえる。
英国に派遣される場合、被雇用者も
や、ノンドミサイルであることが課税
課税年度中に英国で183日以上滞
雇用主も英国のNICsを支払う義
年度中の納税額に影響を及ぼす場合に
在する場合は居住者となる。また数
務はなく、引き続き日本の社会保険
これの申し立てを希望する人。
年間にわたって定期的に英国を訪
制度に対して保険料を支払う。
れ、英国での滞在が毎年平均して91
日を超える場合も同様だ。
ドミサイルは通常の場合、出生国
書面での申告は課税年度末
(4月5
日)後の10月31日まで(2007/08年
Q : P A Y E( P a y - A s - Y o u Earn)とは?
度より)に歳入関税庁に提出する。
電子申告の期限は課税年度末後の1
月31日で、いずれの申告でもこの日
を指す。英国の居住者は世界中で得
A:源泉徴収のことで、雇用主が
た収入および利益に対して英国の税
英国内の被雇用者の給与所得に対す
金を支払う義務があるが、現在、ド
る税金を支払うための制度である。
ミサイルでない個人(ノンドミサイ
PAYEにより雇用主は被雇用者の
(以上の説明は、概要を示したもの
ル:非永住者/永住する意思のない
総所得から税金とNICsを差し引
で税務・経理アドバイスではありま
者)
は国外で得た収入や利益について
き、それらを原則として毎月、歳入
せん。個々の詳細などについては、
は英国に送金した場合にだけ課税さ
関税庁に納めなければならない。
会計士または税理士に直接お問い合
わせ下さい。)
れている。ただこの規則は4月6日か
ら変更され、ノンドミサイルに対する
が納税期限となる。
Q:駐在員は税負担の平準化
(Tax Equ al is ati on )や税負担の保
日系企業に強い会計事務所
護(Tax Protection)で得をする?
Greenback Alan LLP
Q:社会保険料(NICs:Na-
A:税負担の平準化では雇用主が
tional Insurance Contributions)は
毎月、日本で負担する税金と同等の
どう納める?
金額を被雇用者の所得から差し引い
皆様のニーズに合わせた多岐にわた
るサービスをご提供致します。
初回相談無料、日本人スタッフ(浦崎)
までお気軽にお問い合わせ下さい。
課税幅が広げられそうだ。
A:NICsは国民年金や福祉手
て税金の納付に充てる。このため英国
当、医療の費用を賄うための社会保
では雇用主にPAYEの義務が発生す
Tel:+44 (0)20 7403 5959 Fax:+44 (0)20 7403 3111
険税である。
るものの、被雇用者の税引き後給与は
Email:[email protected]
Web:www.greenback-alan.co.uk
11 Raven Wharf, Lafone Street, London, SE1 2LR