平成28年度航空宇宙工業国際交流・広報事業(PDF/1.27MB)

トピックス
平成28年度航空宇宙工業国際交流・広報事業
(一社)日本航空宇宙工業会は、平成28年7月11日から17日に開催された、
「2016年ファ
ンボロー国際航空ショー」に参加し、我が国の航空宇宙工業に関する国際交流・広報活
動を実施した。その活動結果を次の通り報告する。
1.国際交流活動
技術の移転や関係強化を図っていく旨の呼び
1-1 会長レベルの交流
かけがあった。
(1)米国航空宇宙工業会(AIA)幹部との交流
開会式前日の7月10日(日)夜、米国航空
宇宙工業会(AIA)主催のレセプションがロ
ンドン市内のGrosvenor House Marriott Hotelで
開催された。米国以外の政府、企業、団体か
らの招待者を含めた総勢約300人規模の盛大
な も の で、SJAC は 吉 永 会 長、鯨 井 副 会 長、
永野国際委員長、今清水専務理事ほかが招待
された。
こ の 中 で、AIA の Marillyn Hewson 会 長
(Lockheed Martin 社 Chairman, President &
CEO)やDennis Muilenburg副会長(Boeing社
Chairman of the Board, President & CEO)、およ
びDavid Melcher専務とSJACの招待者間で和
やかに今後の協力関係を深める挨拶が行われ
た。Marillyn Hewson 会 長 に は 今 年 10 月 の
AIAレセプション会場にて
右から、AIA Marillyn Hewson会長、
SJAC吉永会長、SJAC永野国際委員長
(2)英国航空宇宙防衛セキュリティ工業会
(ADS)幹部との交流
JA2016に参加していただき基調講演をして
開催初日の7月11日(月)、ファンボローエ
いただけることになっているため、吉永会長
アショーの主催者である英国航空宇宙防衛セ
から謝意を伝え、再会を約した。
キュリティ工業会(ADS)によって、ADSシャ
ま た、AIA の 会 長、副 会 長、専 務 の 他、
レー(UK Partnership Pavilion)にて昼食会が
Penny Pritzker商務長官、Frank Kendall国防次
開催された。英国の政府・企業、海外の政府・
官、Charlie Bolden NASA長官、大使館から
団体などから100人弱を迎えた規模で執り行
Elizabeth Dibble 代 理 大 使 の 7 名 が 登 壇 し ス
われ、SJACからは吉永会長、永野国際委員長、
ピーチが行われた。この中でMarillyn Hewson
今 清 水 専 務 理 事 ほ か の 4 名 が 招 待 さ れ た。
会長からは、米国航空産業が今後も安全保障
SJAC会長以下のメンバーはADSのIan Watson
や貿易、経済など世界をリードして行く意思
国際委員長と同テーブルに着席し、昼食をと
が示され、エアショーは米国航空宇宙産業の
りながら、昨今の英国の話題や防衛を含む今
技術力を示す絶好の機会で、セキュリティな
後の両国航空宇宙産業の協力関係などについ
どの分野でも同盟国をはじめとする各国への
て話し、交流が図られた。
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平成28年8月 第752号
ADS昼食会にて
右から、SJAC吉永会長、ADS Ian Watson国際委員長、SJAC今清水専務理事、
SJAC永野国際委員長
1-2 SJAC会員企業を含めた、他国の航空宇
宙工業会との交流
(1)SJAC- カ ナ ダ 航 空 宇 宙 工 業 会(AIAC)
省産業振興局のCameron MacKay局長、カナ
ダ産業省航空宇宙防衛船舶局のAndre Bernier
局長のスピーチが行われた。SJAC今清水専
共催レセプション
務理事からは、三菱重工や住友精密工業がカ
開催日前日の7月10日(日)の午後、ロン
ナダで工場展開をしていること、多摩川精機
ドン市内のTrafalgar Squareに隣接するカナダ
ほかの企業によってBombardier製機体への部
ハウスにて、SJAC-AIAC共催のレセプション
品供給などの支援が行われていること、カナ
が開催され、日加双方から総勢80名弱が参加
ダのCAE社が三菱航空機にフライトシミュ
した。日本とカナダの工業会が毎年交代で会
レータを納入して訓練プログラムを支援して
場を用意して行っており、今回はカナダ側が
いること、さらに、ベルヘリコプター・カナ
エアショー会場から離れたカナダハウスをレ
ダが製造している民間ヘリコプターの機体を
セプション会場として準備した。ここは元来
ベースに富士重工が陸上自衛隊向けにUHX
カナダ高等弁務官事務所の文化交流、領事部
の共同開発をしていることなど、相互にサプ
門だったが、現在はいろいろな公共の目的に
ライチェーンの補完が行われており、今後も
供されており、高等弁務官の執務の他に、会
こういった関係を維持・発展させていくべき
議やレセプション、レクチャー、昼食会等の
である旨の挨拶が行われた。また、カナダ政
セレモニーにも使用されているという。今回
府からは、日本からの投資を支援する旨の挨
会場に使用したホールは最近改装されたとの
拶をいただいた。
ことで、歴史を感じる重厚なつくりの部屋で
あった。
AIACのJim Quick専務のスピーチに始まり、
SJAC今清水専務理事、カナダ外務国際貿易
その後、両国からの参加企業の自己紹介を
自発的に行い、それぞれ興味を持っている会
社同士の懇親や旧交を温める懇談などが和や
かに行われ、友好関係が深められた。
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トピックス
Manager)の挨拶が行われた。それぞれからは、
「日欧、日英の航空宇宙分野において今まで
も行われてきた産業間連携を今後も継続し、
かつ発展させるよう推し進めて行くことが重
要」という主旨の挨拶が行われ、また、ASD
のMauro Moretti会長には今年10月のJA2016で
特別講演をしていただけることから、吉永会
長から改めて感謝の意が伝えられた。
日欧関係強化に向けた取り組みや交流がい
SJAC-AIAC共催レセプションにて
挨拶を行うSJAC今清水専務理事、
右はAIAC Jim Quick専務
ろいろなレベルで積極的に進められているこ
とから、挨拶に引き続いで行われた懇親会で
は、新たなビジネス展開の端緒を得るべく企
業同士のネットワークづくりが活発に行われ
(2)SJAC-英国航空宇宙防衛セキュリティ工
た。なお、今年7月からMETIの航空機武器宇
業 会(ADS)- 欧 州 航 空 宇 宙 防 衛 工 業 会
宙産業課に着任された畑田浩之課長の参加も
(ASD)共催レセプション
初 日 の 7 月 11 日(月)午 後、SJAC、ADS、
あり、交流を深められていた。
レセプション直前に会場一帯は一時的な豪
ASD各会員企業と政府の方々合計150名弱を
雨に見舞われ、展示会場内の一部に雨水が侵
集め、ADSシャレーにて3団体共催で交流会を
入して停電が発生し、予定よりも早期に展示
開催した。ADSのPaul Kahn会長(Airbus UK
会場が閉鎖されて会場内の者が退出させられ
社President & CEO)の挨拶に始まり、次いで
るハプニングがあったが、幸いにもシャレー
SJACの吉永会長、そしてASDのMauro Moretti
棟は継続して使用可能であり、無事にレセプ
会長(Leonard-Finmeccanica社CEO & General
ションを執り行うことができた。
SJAC-ADS-ASD共催レセプションにて
左からADS Paul Kahn会長、SJAC吉永会長、
ASD Mauro Moretti会長
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SJAC-ASD-ADSレセプションにて
挨拶をされるSJAC吉永会長
平成28年8月 第752号
SJAC-ADS-ASD共催レセプション 吉永会長の挨拶全文
Mr. Paul Kahn, President of ADS, Mr. Mauro Moretti, President of ASD, Distinguished guests,
ladies and gentlemen,
Good afternoon, I am Yasuyuki Yoshinaga, Chairman of the Society of Japanese Aerospace
Companies.
It is my great pleasure and honor to host a joint reception for UK, Europe and Japanese
aerospace industries on the opening day of Farnborough Air Show.
I assumed Chairman of SJAC in May this year, so this is my first job as the Chairman to
welcome you all.
As you may aware, Europe and Japan have developed close relationship in the aerospace
sector.
I’m quite confident that both industries have accomplished tremendous results in joint
development and production, and are contributing safer and affordable air transportation.
SJAC will organize ‘Japan International Aerospace Exhibition 2016’ at Tokyo Big Sight in
October. The Chairman of ASD, Mr. Mauro Moretti will come to this event and kindly make a
Special Speech to us in the first day of the exhibition. I appreciate your presence, Mr. Moretti
and I’m looking forward to welcoming many of you in Tokyo.
Finally, I wish the best success to all of you here.
Thank you.
1-3 その他の意見・情報交換会
改めて今後の検討事項等を調整した。
(1)フランス航空宇宙工業会(GIFAS)
初日7月11日(月)の午後、フランス航空
宇宙工業会のPierre Bourlot専務理事、Vincent
(2)台湾航空宇宙工業会(TAIA)
7月12日(火)の朝、TAIA Anson Liao会長
Gorry国際部長、SJAC今清水専務理事ほかで、
(AIDC 社 , CEO)、同 Tiehlin Yen 専 務 ほ か と
今年11月にGIFAS会長と国際委員長が来日す
SJAC国際部長で面談を行った。TAIAはSJAC
る予定に関して、その趣旨や概略日程につい
と比べ団体の規模としては小さいが、活動内
て意見交換や確認を行った。来日の趣旨は日
容などを学びたい、また、SJACとの交流も
仏間の貿易促進を更に拡大したいことであ
希望するとの要望が出された。台湾工業会へ
り、GIFAS会長は日本政府、SJAC会長ほか、
は、2012年に官民合同ミッションとして訪問
エアラインを含む企業のTOPとの会談を希望
し て か ら 約 4 年 が 経 過 し て い る。こ の た め
している。
TAIAからMETIに再度訪問して欲しい希望を
ここ10年の間では初めて会長が来日するこ
出してはどうかなどの意見交換を行い、今秋
とになり、SJACとしても有益な来日に向け
の JA2016 で 訪 日 す る 機 会 な ど を 利 用 し て
て支援していく。このため、事務方間で日を
METIにも働きかけていきたい旨を伺った。
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トピックス
1-4 米国輸出管理(宇宙機器)に関する情
を下図に示す。管理の厳しい国務省管轄の
報収集
USML(U.S. Munition List:米国軍需品リスト)
フ ァ ン ボ ロ ー エ ア シ ョ ー 期 間 中 に、AIA
から、より緩やかな管理の商務省管轄のCCL
(Aerospace Industries Association:米国航空宇
(Commerce Control List:商務省管轄リスト)
宙 工 業 会)及 び 米 国 商 務 省 BIS(Bureau of
に多くの物品が移管されていることが示され
Industry and Security:産業安全保障局)担当
て い る。(移 管 さ れ た の は、下 図 中 の New
者から米国の輸出管理(宇宙機器)に関し情
ECCN 9x515部分である。)
報収集する機会があった。その概要は次の通
(2)意見交換概要
り。
上記の改革施行から1年半が経過し、米国
(1)ECR(Export Control Reform:米国輸出
の輸出許可申請が簡素化されているかどう
管理改革)
か、その実態に関して当工業会とAIAが意見
2009年8月に米国のオバマ大統領は、「安全
交換を行った。ここには米国商務省のKevin
保障と産業競争力の向上、技術をめぐる環境
Wolf次官補(BIS担当)他1名とAIAのRemy
の変化に対応した輸出管理制度の改革」を目
Nathan国際部長及びSJACからは3名が参加し
指すと演説の中で述べた。これを受け、多く
た。
の専門家が検討を重ね、宇宙機のカテゴリで
は2014年3月に改革案がまとまり、2014年11
日本の主要5社からのアンケート結果を米
国側に伝え、懸案事項に関しての議論を行っ
月に施行された。
た。全体としては、輸出許可が簡素化されて
この宇宙機器カテゴリ(XV)の改革内容
良かったとのアンケート結果であるが、主な
BISパンフレットより
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日本側の懸案事項は下記2点である。
A-5(36か国:日本も含まれる)の許
①商務省のCCLリストに移管されたアイテ
可例外(License Exception)を適用す
ムのうち、当該品の管理番号(ECCN:
ることも可能である。これにより、結
Export Control Classification Number)が不
果として日本からの問い合わせのう
明確で、米国政府に問い合わせても、回
ち、99%は許可申請不要となっている。
答を得るのに時間がかかる。
従って、日本企業が自主的に判断する
②米国企業の見解が企業ごとに異なる場合
がある。
ことはお互いにメリットがあるとのこ
と。
ウ)上記の②に関しては、日本企業は自主
米 国 商 務 省BIS の 説 明 と し て は 下 記 の 通
判断に自信を持って米国企業と調整し
てもらいたいとのこと。
り。
ア)世界全体からの問い合わせのうち、第
エ)しかし、具体的な事例で不明な点があ
1位は日本であり、全体の90%を占め
れば、Wolf次官補自身がテレコンに応
ている。第2位以下は、英国、ドイツ、
じていただけることとなった。
韓国となっている。人手の少ないBIS
また、必要であれば、米国大使館など
としては、迅速な回答が困難なことを
と共同で米国輸出管理改革の説明会の
理解してもらいたいとのこと。
実施を検討するとのことであった。
イ)USMLとCCLの規定に従って判断すれ
ば、日本で管理番号の特定が可能であ
今年10月に開催されるJA2016の防衛セミ
り、輸出許可不要(NLR:No License
ナーで、Wolf次官補の部下に当たるMichel
Required)となる場合が多い。さらに、
Vaccaro氏が講演する予定であり、その来日
STA(Strategic Trade Authorization:戦
時を利用してミーティングをセットするなど
略取引の特例)、カントリーグループ
して懸案事項を再確認していきたい。
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トピックス
2.国際広報活動
2-1「2016年ファンボロー国際航空ショー」
の概要
・展示ブース:Hall 2/A88,A90 商談コーナー
を含めて261㎡
・三菱航空機㈱は個別にシャレーおよび別棟
・期日:平成28年7月11日(月)∼15日(金)
トレード・デー
15日(金)
フューチャーズ・デー、
*FABフライデー
のパビリオンを設けて、MRJの最新状況を
紹介し、販売活動および世界のメディアへ
の情報発信を行った。そして、欧州企業か
ら初となるMRJ90の購入に関する基本合意
などの嬉しい発表があった。
16日(土)∼17日(日)
パブリック・ウィークエンド
SJACは例年と同様に7月11日∼15日のト
レード・デーに出展した。
2-2 広報活動結果
(1)SJACブースの活動結果
・今回のSJACブースは、白地に赤のラインを
(*)Fabulous Friday
基調としたシャープなデザインを採用し来
・場所:ロンドン郊外 ファンボロー空港
場者の関心を集めるとともに、大型モニ
・出 展 会 社:(一 社)日 本 航 空 宇 宙 工 業 会
ターを用いて各出展会社の活動内容を常時
(SJAC)および会員企業9社が出展参加した。
紹介することで、多くの来場者を集客した。
㈱ IHI、川 崎 重 工 業 ㈱、㈱ 神 戸 製 鋼 所、
また、SJAC出展会社およびSJACの概要を
新明和工業㈱、ナブテスコ㈱、日本飛行
紹介する英文の冊子「SJAC出展ガイド」を
機㈱、富士重工業㈱、三菱重工業㈱、三
出展会社の協力のもと作成した。SJACブー
菱マテリアル㈱
スのPRに寄与するとともに来場者への説明
・2016年国際航空宇宙展(JA2016)プロモー
に活用した。
シ ョ ン:上 記 出 展 会 社 に 加 え て S J A C
JA2016事務局がブース内にPRコーナーを設
・主なご来客として、7月11日(月)に、経
けて、10月の開催をあらためて周知し、出
済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課
展および来場の働きかけを行った。
長 畑田浩之様、防衛省防衛装備庁防衛技監
経済産業省航空機武器宇宙産業課長
畑田浩之様ご視察
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防衛装備庁防衛技監 外園博一様ご視察
平成28年8月 第752号
愛知県知事 大村秀章様ご視察
中部経済連合会会長 豊田鐵郎様ご視察
在英国日本国大使館特命全権大使
鶴岡公二様ご視察
SJACブースを視察する吉永会長
外園博一様、12日(火)に、愛知県知事 大
・今回は商談コーナーとして5卓(4席/1卓,計
村秀章様、愛知県産業労働部長 吉澤 隆様、
20席)を用意。SJACブースのレイアウトと
中部経済連合会会長 豊田鐵郎様、名古屋商
スペースの関係で、前回2014年(6卓,24席)
工会議所副会頭 山本亜土様、経済産業省中
に対して若干狭めることとしたが、壁面で
部経済産業局長 波多野淳彦様ほかグレー
覆うことを避けたオープンで明るく開放的
ター・ナゴヤ・イニシアティブ協議会の皆
な雰囲気の会議室に仕上ることができた。
様、13日(水)に在英国日本国大使館特命
開催初日から出展会社および会員企業の皆
全権大使 鶴岡公二様にご視察頂いた。
様に有効に使っていただいた。
また、7月13日(水)には、出展会社によ
①SJACブースへの来場者等
る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 企 画「Japan
・SJACブースへの来場者数は、各社ブースに
Aerospace Workshop in Farnborough
1,447名、商談コーナーに202名、合計1,649
International Airshow 2016」とJA2016説明会
名であり、前回2014年を上回る多くの方に
などのプロモーション活動、および国際交
ご来場いただいた。
流の会場としても活用した。
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トピックス
今回初めて商談コーナーをオープンな空間
エンジン事業における幅広い取り組みと高
にしたが、会合などに支障を来すものでは
い技術力を紹介した。 なく、むしろイベントでの活用においては
集客に寄与することを実感した。
次回以降の計画においても、商談コーナー
の造作に工夫をこらし、より有効に活用で
きるよう、改善に努める。
SJACブース来場者数
区分
ブース
商談コーナー
計
来場者数
1,447名(1,226名)
202名(242名)
1,649名(1,468名)
㈱IHI
注.( )は前回2014年の実績
②SJACブース出展概要
・川崎重工業㈱は、既に海外での実機展示の
実績があり知名度の高いP-1固定翼哨戒機
模型、XC-2輸送機模型をもって国産大型機
の開発実績を紹介するとともに、YCX(C-2
輸出型機)模型、MCH-101掃海システム搭
載型模型、T-IDGトラクションドライブ、
CF34-8アクセサリギアボックスカットモデ
ルを展示。
川崎重工業の航空機システム取りまとめ能
力およびガスタービン事業における高い技
術力と活動内容と紹介した。
・㈱ IHI は、エ ア バ ス A320neo に 搭 載 さ れ る
PW1100G-JM 用 の CFRP フ ァ ン ケ ー ス に
CFRP構造案内翼を組込んだ形態で展示す
るとともに、これに動翼部とディスクを一
体化した低圧圧縮機IBRを組合わせて展示。
当該エンジンにおける軽量化への貢献と技
術を紹介。
他にも、V2500エンジンにおける整備実績
と IHI が 開 発 し た 燃 料 制 御 モ ー ド 切 替 弁
(FDRV)、GE90で採用されたコーティング
技術(MS Coating)などの展示をとおして、
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川崎重工業㈱
平成28年8月 第752号
・㈱神戸製鋼所は、今回が初出展。チタン鍛
ライ・バイ・ワイヤ・システム、グラス・コッ
造分野から、大型機のランディングギア用
クピット、与圧キャビンを採用した世界で
のチタン大型鍛造品を展示。従来はこのサ
最新の大型飛行艇であることをアピール。
イズの鍛造品を日本国内では製造できな
最先端の優れた性能には、世界から高い関
かったが、世界有数の5万トンプレスを保
心がよせられ、多くの来場者の注目を集め
有する日本エアロフォージの設立によって
た。
製造が可能となり、この分野に参画できる
ことになったことを紹介。
・ナブテスコ㈱は、世界のトップクラスの航
一方、アルミ分野は、長年実績のある複雑
空 機 装 備 品 メ ー カ ー と し て 777 Aileron
形状の鋳造品、大型鍛造品の製造ならびに
Actuator、747-8 Inboard Spoiler Actuatorを展
機械加工部門による完成品の一貫供給体制
示。
を紹介するなど、連日多くの注目を集めた。
777 Aileron Actuatorは、ボーイング社初の
フル・フライ・バイ・ワイヤ機向けにナブ
テスコが開発したものであり、高信頼性設
計、製造により同機の高定時発着率に貢献
していることを紹介。747-8 Inboard Spoiler
Actuatorにおいても777で蓄積された高信頼
性を実現している。
㈱神戸製鋼所
ナブテスコ㈱
・日本飛行機㈱は、宇宙機器として高剛性マ
ストモデルを展示。コイラブル伸展マスト
と同様に小さく収納した状態で打上げ、宇
新明和工業㈱
宙空間で大きく展開するという独自技術を
・新明和工業㈱は、飛行艇模型1/20モデルと、
航空機整備への取り組みとして、多機種に
金属接着加工パネルを展示。飛行艇は、フ
対する14,000機以上の整備実績をパネル展
実際に作動させて紹介した。
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トピックス
示で紹介するとともに、戦闘機用座席を展
MHICAの事業内容を映像およびパネルでわ
示し、整備への取り組み構想を紹介した。
かりやすく紹介。来場者が関心を示してい
た。
Tier 1事業としてボーイング777X模型およ
び787模型を展示し、主要構造の製造から
組立てまでを行う世界屈指の技術力をPR。
OEM事業としてMRJ模型を展示。MRJの優
れた燃費性能と大幅な騒音・排ガス削減な
どの環境性能をPR。
日本飛行機㈱
・富 士重工業㈱は、ヘリコプター模型UH-X
と 412EPI 発 展 型 機 を 初 め て 展 示 し た。
UH-1J の 後 継 と な る 新 型 多 用 途 ヘ リ コ プ
ターとUH-Xのプラットフォームとなる民
間型機の紹介は注目を集めた。
中央翼アクリル模型、787模型、無人ヘリ
三菱重工業㈱
模型を展示、紹介するなど、スバルブラン
ドの見学に連日多くの来場者が訪れた。
三菱マテリアル㈱
富士重工業㈱
・三菱マテリアル㈱は、航空機用各種切削工
具(チタン加工用、アルミ加工用、耐熱合
金加工用、CFRP加工用)を展示するとと
・三菱重工業㈱は、これまでの民間機事業の
もに、機械加工部品として航空機機体部品
歴 史 と、カ ナ ダ に お け る グ ル ー プ 会 社
アルミ合金Ribを紹介する理解しやすいよ
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平成28年8月 第752号
い展示であった。
出 展 ガ イ ド で の PR、お よ び 展 示 会 広 報 誌
併せて、航空機エンジン部品用の耐熱合金
「SHOW DAILY」、「FLIGHT DAILY NEWS」
を切削する軽量なセラミック製工具を展示
への広告掲載などの宣伝効果もあり、多くの
し、同社の幅広い技術を紹介した。
聴講者をお迎えし、盛況であった。
・SJAC JA2016事務局(SJAC JA2016東京
・JA2016説明会
ビッグサイト)は、共催者である㈱東京ビッ
7月13日(水)Japan Aerospace Workshop in
グサイトとともに、SJACブース内のPRコー
Farnborough International Airshow 2016に引き
ナーを拠点として2016年10月12日∼15日に
続き、JA2016説明会を行った。今清水専務
東京ビッグサイトで開催する「2016年国際
理事の挨拶の後、山北常務理事がJA2016の
航空宇宙展」のプロモーション活動を行っ
概況を説明し、あらためて10月開催の周知と、
た。
出展および来場のPRをした。終了後、来場
者およびJapan Aerospace Workshop関係者を交
えたレセプションを開催し、意見交換した。
SJAC JA2016事務局
③SJAC企画
・Japan Aerospace Workshop in Farnborough
International Airshow 2016
会 期 中 3 日 目 の 7 月 13 日(水)の 午 前 中、
SJACブースの商談コーナーにおいて、SJAC
出 展 会 社9社 に よ る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を
行った。各社のアテンダントが自社の活動状
況などを英語で自由に情報発信する場であ
り、各自準備の上臨んだ結果、総じて思いが
しっかりと伝わる良いプレゼンテーションで
あった。
本企画はJA2016事務局が所掌しており、関
係各方面への案内、ポスターの掲示、SJAC
(2)MRJ
・三菱航空機㈱は、個別にシャレー出展し、
別棟のパビリオンにて、MRJ実物大客室
モックアップを展示。加えて今回は、MRJ
初号機、および2号機の初飛行映像を含む、
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トピックス
ス ト ー リ ー 性 の あ る 最 新 映 像 を も っ て、
今回のロックトン社、および本年2月に締
MRJの着実な開発状況が示された。今後の
結したエアロリース社との基本合意がとも
MRJ事業に進展に期待する。
に確定すると、MRJの合計受注機数は447
機(確定243機、オプション180機、購入権
24機)となる。
・ま た、7 月 12 日(火)に、三 菱 航 空 機 が、
北米およびアジアにおけるMRJの機体MRO
(Maintenance, Repair and Overhaul:整備・
修 理・分 解 点 検)の パ ー ト ナ ー と し て、
HAECO Americas 社、Pemco World Air
Services社及びMRO Japan株式会社の3社を
選定し、サービス提供に向け協業していく
MRJ客室モックアップ見学
ことで基本合意したことが発表された。
(3)国内メディアへの事前説明と現地での取材
・今回の出展に先立ち7月1日、当工業会にて
国内メディアへの出展説明会をJA2016説明
会と併せて行った。出展説明会では各出展
会社より展示概要を説明し、質疑にお応え
した。本件に出席したメディアは以下のと
おり。
日本経済新聞社、朝日新聞社、共同ピー
アール、日本経済広告社、WING、
日刊航空、軍事研究、Jウイング、航空
MRJシャレー
情報、航空ニュース社、
航空ジャーナリスト 青木謙知氏、竹内
修氏、味岡浩二氏
・三菱航空機がスウェーデンの航空機リース
会社ロックトン社と、MRJ90 最大20機(確
・現地には、日本経済新聞社、日刊工業新聞
定10機、オプション10機)の購入に向けて
社、航空情報、航空ジャーナリスト青木謙
基本合意に至ったとの嬉しい発表が、エア
知氏などが取材に訪れた。
ショー初日の7月11日(月)にあった。
MRJの欧州企業との基本合意は今回が初め
てであり、航空機リース会社との基本
(4)パブリック・ウィークエンド
・7月15日(金)のトレード・デー最終日は
合意は今回2社目。ロックトン社への納入
フューチャーズ・デーと称して、周辺の学
は、2020年に開始する予定である。
校から生徒、学生を多数受け入れ、次世代
MRJはこれまでに407機を受注しており、
の青少年に航空宇宙産業を紹介していた。
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平成28年8月 第752号
7月16日(土)、17日(日)のパブリック・
ルとなった経緯があり、今回注目を集めて
ウィークエンドは、一部ボーイング社100
いた。
周年記念の展示などを除き、トレード期間
一通りの空中性能を示した後、多くの観衆
中屋内展示していた各ホールを閉館し、エ
の前で見事なホバリングを披露するなど、
プロン地区における実機等を展示する航空
期待通りの飛行展示であった。
ショーに様変わりする。
また、ファンボロー・デビューを果たした
好天に恵まれ、連日午後からの飛行展示に
ホンダジェットの地上展示では、美しい機
あわせて多くの家族連れや航空ファンなど
体に多くの人が目を奪われていた。
で賑わっていた。
・初日の7月11日(月)午後、ファンボロー
会場を集中豪雨が襲った。一部ホールが停
(5)トピックス
電となり、初日は3時過ぎに終了するとい
・F-35Bがファンボローでは初めての飛行展
うハプニングがあった。しかし、翌朝には
示を行った。前回2014年のファンボローへ
復旧しており、2日目以降は通常通り開催
の登場が予定されていたが直前にキャンセ
された。
フューチャーズ・デー
F-35B
パブリック・ウィークエンド
HondaJet
25
トピックス
各社出展品目;
2016 年 ファンボローエアショー SJAC 各社出展品目
会社名
出展品
(株)IHI
会社名
・複合材ファンケース/ファン構造案内翼,
低圧圧縮機 IBR(PW1100G-JM)
・装備品 FDRV カットモデル(V2500)
・MS Coating 低圧タービンブレード(GE90)
川崎重工業(株)
出展品
日本飛行機(株)
・P-1 固定翼哨戒機模型
・XC-2 次期輸送機模型
・YCX(C-2 輸出型機)模型
・MCH-101 掃海システム搭載型模型
・T-IDG トラクションドライブ
・MD900 メイントランスミッション
・CF34-8 アクセサリギアボックスカットモデル
(株)神戸製鋼所
・パイロット座席
・高剛性マスト
富士重工業(株)
・ヘリコプター模型(UH-X)
・ヘリコプター模型(412EPI 発展型機)
・中央翼アクリル模型
・787 模型
・無人ヘリ模型
三菱重工業(株)
・民間機事業と海外グループ会社の事業紹介パネル・映像
・777X 模型
・787 模型
・MRJ 模型
・チタン鍛造品
・展示パネル(アルミ鋳鍛品 3 枚、チタン鍛造品 3 枚)
新明和工業(株)
三菱マテリアル(株)
・各種切削工具
(チタン加工用、アルミ加工用、耐熱合金加工用)
・航空機機体部品アルミ合金 Rib
・航空機エンジン部品チタン合金 耐熱合金
・金属接着加工パネル
・飛行艇模型
ナブテスコ(株)
(ご参考:三菱航空機(株)は
個別にシャレー出展)
・777 Aileron Actuator
・747-8 Inboard Spoiler Actuator
・シャレー・パビリオンにてMRJ実物大客室モックアップを
展示し、エアライン、リース会社との面談などを通じMRJ
の販売活動を実施するとともに世界のメディアに対しM
RJのPRを行います。
SJAC出展会社アテンダントと関係者「お疲れさまでした。」
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平成28年8月 第752号
3.モデルロケット国際大会(IRC)
ファンボローエアショー期間中の7月14日
(木)、15 日(金)に、米・英・仏・日 の 4 ヶ
国の中高生によるモデルロケット国際大会
(IRC:International Rocketry Challenge)が開
催され、日本からは秋田北鷹高校が参加し
た。このIRC国際大会は米・英・仏の3ヶ国
の航空宇宙工業会が共同で主催しており、日
本は主催者から招待される形で競技に参加す
ることとなった。当工業会は日本モデルロ
ケット協会と共に日本チーム参加を支援し
オバマ大統領から声をかけられる
2012年米国優勝チーム©AIA
た。
2006年 に は 英 国 航 空 宇 宙 工 業 会(ADS:
3-1 IRC国際大会の経緯
Aerospace Defense Security Group)が参加して
2003 年 に 米 国 航 空 宇 宙 工 業 会(AIA:
英国内大会の勝者が米国の優勝チームと競う
Aerospace Industries Association)がライト兄
ことになり、2010年からはフランスの航空宇
弟の初飛行100周年を記念し、青少年育成の
宙工業会(GIFAS:Groupement des Industries
た め、米 国 内 で TARC(Team America
Francaises Aeronautiques et Spatiales)が参加し、
Rocketry Challenge:米国モデルロケット大会)
米・英・仏の3ヶ国の優勝チームが参加する
を開催した。
国際大会となった。開催は、ファンボローエ
これは、3名∼10名の中学・高校生が1チー
アショー(偶数年)とパリエアショー(奇数
ムとなり、自作のモデルロケット(紙・木材・
年)の期間中にエアショウ会場内の滑走路脇
プラスチックを使用)を製作し、ペイロード
の芝生地を使用して行われている。
部に生卵を搭載して打上げ、パラシュートで
回収する競技である。生卵が割れないことが
このIRC国際大会は、青少年に対する航空
必 須 で、目 標 到 達 高 度(約800ft)と 目 標 飛
宇 宙 分 野 及 び STEM(Science, Technology,
翔時間(約50秒)から遠ざかると減点される
Engineering and Mathematics:科学、技術、工学、
ルールである。
数学)教育に対する関心を引き出すことと国
際交流が目的とされている。
この記念イベントは好評であり、以降毎年
開催されることとなった。米国の国内大会
3-2 2016年国際大会
(TARC)は約800チーム(約5,000人)が参加
大会を主催する米・英・仏3ヶ国の航空宇
する大きな大会であり、上位チームには奨学
宙工業会から、日本に対して招待参加の連絡
金の支給があり、優勝チームはホワイトハウ
があったことから、当工業会として、日本の
スに招待される名誉もある。
学校チームの支援を行うこととした。
日本では、日本モデルロケット協会が日本
の中高生を対象に、2009年から同様のルール
27
トピックス
にてロケット甲子園大会を毎年開催してい
また、発表後には米・英・仏の審査員から
る。この2015年度優勝チームである秋田北鷹
簡単な質問が行われた。フランス及び日本は
高校(3年生の生徒3名(佐々木君、藤島君、
英語が母国語ではない不利な点があり、日本
畑山君)と東海林先生1名の合計4名)がファ
チームは質疑応答部分では日本語通訳の支援
ンボローでの2016年国際大会に参加すること
を受けたが、フランスチームは通訳を介さず
となった。また、日本モデルロケット協会か
英語で回答していた。
ら、和歌山大学の秋山教授がメンターとして
参加した。
主な質問項目は、機体の空力安定性(尾翼
の大きさの決定方法)、機体の直径の決定方
法、設計・製造・試験記録の有無及び教訓(来
国際大会は、1日目は自作のモデルロケッ
年参加するとしたら、今年してきたことの中
トの特徴やチームの役割分担を紹介するプレ
で何を行わないか)であった。高度計の作動
ゼンテーション、2日目はモデルロケット打
原理を尋ねるといった少し専門的な質問も
上げ及び結果発表(表彰)の日程で行われた。
あった。
このプレゼンテーションは得点の40%に評
(1)1日目(7月14日(木))の機体チェック
価され、打上げは60%に評価される。
(AIAシャレー)
各国から自作のモデルロケットを運び、輸
(3)航空機の地上展示見学(AIAシャレー付近)
送中の破損の有無などのチェックが安全担当
AIAシャレー付近の米国の地上展示航空機
の米国モデルロケット協会により実施され
(F-16、F/A-18、MH-60、C-27等)の乗員によ
た。日本チームのモデルロケットの尾翼1枚
る説明、MH-60、C-27の搭乗見学の時間があっ
の 取 り 付 け が 緩 ん で い る こ と が 指 摘 さ れ、
た。
テープによる補強が行われた。また、発射台
はロッド(円柱)ではなく、レール(四角柱)
であったので、急遽、ランチレール用ランチ
ラグの接着が行われた。
火薬を使用しているモデルロケットエンジ
ン(規格品)は主催者が米国から輸入してい
るものであり、この時点で各チームに配給さ
れた。
(2)プレゼンテーション(レイセオン社シャ
レー)
プレゼンテーションは、チーム全員(生徒
のみ)がプレゼンテーションに参加して、モ
F/A-18の前で持参したモデルロケットを
持つ日本チーム
デルロケットの特徴、製作で苦労した点、各
人の役割分担などを英語で発表するものであ
(4)夕食会(エアショー会場近くのHoliday
る。各国ともに実物及び模造紙や手元資料を
Innホテル)
使用して判りやすく発表していた。
チーム間の交流を目的とした夕食会が開催
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平成28年8月 第752号
され、各国のチームメンバは1人ずつ分かれ
尚、発射地点に入ることのできない、その
て着席して、お互いに自己紹介を行い、生徒
他のチームの生徒、先生などは会場側から(約
同士の交流をおこなった。
200m離れて)見学した。
各国、参加者の生徒全員に対して記念品を
配布しており、日本からはH-ⅡAペーパーク
ラフトと扇子を配布した。
(6)ブース展示会場見学
レイセオン社シャレーでの昼食後、各国
チームごとに分かれ、日本チームはSJACブー
(5)2日目(7月15日(金))のモデルロケッ
スを訪問し、出展会社9社の展示を見学した。
ト打上げ(滑走路脇)
モデルロケットの打上げは滑走路脇の芝生
地で行われた。打上げ場所は 会場側とは滑
(7)結果発表(プレスセンター)
エアショープレスセンターの中の約150名
走路を挟んだ反対側に設定されており、安全
収容の会場(Radlett Suite)を使用して、Tim
上・保安上の理由から、各チーム2名の生徒
Peaks宇宙飛行士とMichael of Kent王子を来賓
が実際の打上げに参加した。打上げ場所に入
として結果発表が行われた。プレゼンテー
るときには、滑走路付近に異物を落とさない
ションと打上げの合計で、1位米国、2位英国、
よう十分な注意が行われた。
3位フランス、4位日本の結果であった。
滑走路は絶えずエアショー飛行展示の航空
機の離着陸が行われているが、その離着陸を
10:20∼10:35の15分間中断して、4か国の
モデルロケットの打上げが行われた。このと
き機体に搭載された気圧高度計による到達高
度計測と、目視ストップウオッチによる飛翔
時間(打上から着地まで)計測が行われた。
また、モデルロケット回収後にペイロード搭
載部の生卵が割れていないことの確認も行わ
れた。
表彰式(日本チームは前列右側の3名)
日本チームのモデルロケットのパラシュート降下中(画面中央部分)
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トピックス
秋田北鷹高校の生徒3名は初めての海外渡
航であり、良い国際経験の機会であったと考
なく無事に打上げが行われ、天候に恵まれた
形となった。
える。
当工業会としては、青少年育成は重要と考
また、英国ロンドン付近の天気は変わりや
えており、航空宇宙分野及びSTEM(科学、
すく、エアショー前半期間の月曜日∼水曜日
技術、工学、数学)教育への興味促進ととも
は毎日、何度か雨に見舞われたが、木曜日と
に海外交流を行うことができるIRC国際大会
金曜日は曇り時々晴れの天気で雨が降ること
への参加支援を引き続き行っていきたい。
(一社)日本航空宇宙工業会 国際部部長 川平 浩司、
技術部(宇宙担当)部長 宇治 勝、
広報部長 高木 伸吾
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