Resettlement to Japan 日本への第三国定住: よりよい保護と社会統合のもとへ 難民を迎える 2010年8月25日 東京にて 1 UNHCR’s Position on integration 社会統合についてのUNHCRの立場 難民の社会統合とはダイナミックであり、多面的 かつ相互的アプローチが必要であり、以下の過程 を含む: 自身の文化的アイデンティティーを失うことなく、受け入 れ先の社会習慣に適応する定住難民の心構え 難民を歓迎し、文化的多様性に対応しようとする受け入 れコミュニティーの積極性 2 A multi-dimensional process 多面的統合プロセス ¾ 法的側面:法的地位、市民的、政治的、経済的、社 会的、文化的権利への公平なアクセスと国籍への アクセス ¾ 社会・経済的側面:住居、就労、教育、職業訓練、 保健/医療 ¾ 社会・文化的側面:受け入れ国の言語、歴史、慣 習の習得と、社会参画 3 Main concerns of refugees being resettled 受け入れ対象となる難民の関心事項 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 雇用 教育 住宅 語学研修 家族の再統合 保健/医療 同じ民族集団/国籍に属する難民の存在 国籍取得可能性 4 Key Planning Considerations 計画立案における重要な考慮事項 難民の出身国における状況や経験 第一次庇護国における状況や経験 過去の経験が及ぼす影響 (心理的、個人的、物理的、社会的影響) 社会統合における長期的な目標 5 Past experiences to take into account 考慮すべき過去の経験 抑うつ状態、恐怖心、不安感 社会的・経済的依存 健康状態の悪化 教育の中断 職業能力の低下 社会およびコミュニティーによる支援の欠如/喪失 家族関係の破綻 6 Resettlement experience to take into account 考慮すべき第三国定住における経験 第三国定住に関わる実際的な課題と家族関係に 及ぼす影響 ジェンダー、社会的期待、児童福祉や子供のしつ けへのアプローチの違いによる緊張関係 第三国定住による家族との離別 世代間の葛藤 家庭内の役割分担の逆転 7 Integration Objectives 社会統合の目標 自分の身が安全であるという実感と政治的システ ムおよび制度への信頼を回復する 将来設計を立てる能力を促進する 歓迎と歓待の雰囲気に満ちたコミュニティーの発展 を支える状況を促進する 家族の生活/再統合を促進する 8 Key objectives of Reception Services 接受時のサービスの重要目標 空港での出迎え 難民の基本的ニーズの充足/特別なニーズの洗い出し 基本的な実践的オリエンテーション、登録手続き(身分証 明書、保険医療の提供機関、社会保障、銀行、教育への アクセスのため)そして基本的リソースやサービスへのア クセスの提供 受け入れ国社会への理解の促進 第三国定住難民と受け入れ国の機関やコミュニティーとの コミュニケーションやふれあいの促進 家族のつながりの強化と再統合の促進 9 Meeting basic needs 基本的ニーズの充足 個別の社会統合計画 9 語学研修 9 文化面の集中オリエンテーション 9 就労カウンセリング/研修/就職支援 9 住宅の確保と支援 9 子どもの就学 9 地域活動 9 家族再統合の手続き 9 10 Selected Country Examples 他の受け入れ国の事例 -フィンランド/ノルウェー/デンマーク/スウェーデン/英 国:地方自治体への直接受け入れ -アイルランド/ニュージーランド:個別の居住設備を備えた オリエンテーション・センター(初期滞在場所)での6~8週 間の滞在後、受け入れ先コミュニティーへの定住 -オランダ:中央受け入れセンターでの滞在(3~6ヶ月)/公 営住宅の空きがあるという前提のコミュニティーへの定住 -チェコ共和国:第三国定住難民のための受け入れ施設にお ける滞在(6~8ヶ月)その後、受け入れ可能な公営住宅の ある自治体への定住 11 Priority for temporary accommodations 一時的滞在場所における優先事項 ¾ 自立した生活(調理、衛生設備等)、プライバシ ーおよび家族のつながり ¾ 文化的/宗教的規範の尊重 ¾ 地元コミュニティーとのふれあい/同胞難民同 士のふれあい ¾ 受け入れ施設の運営に関する決定事項への参 画 12 Selecting the location of the permanent settlement: Key points 恒久的定住先の選定:重点項目 難民自身の希望と優先事項(コミュニティーの支援 、就学、就労) 出身国の社会的状況/第一避難国の社会的状況 /雇用‐教育レベル 特別ニーズ(各種サービスの利用可能状況) 居住施設の収容可能人数の充足 地元コミュニティーのコミットメント/地域における パートナーシップの可能性 13 Checklist for placement in the community 1 受け入れ先コミュニティーにおける 定住のためのチェックリスト1 • • • • • • 恒久的定住地選定のための明確なガイドラインおよび基 準 難民の受け入れ先となるコミュニティーの事前のアセスメ ントと受け入れ準備 難民の定住先候補のコミュニティーに関する十分な情報 の提供 定住に関わる幅広い選択肢の提供 第三国定住先コミュニティーでの進展についての継続的な モニタリング 難民到着前の長期的な住まいについての計画 14 Checklist for placement in the community 2 受け入れ先コミュニティーにおける 定住のためのチェックリスト2 意識啓発/関係者の関与:民間部門の大家、賃貸業者 、政府および地方自治体の住宅当局、NGO等の関係者 の関与 非公的支援の動員/ボランティア、非公式のネットワー ク 民間物件にかかる初期費用を賄うための家賃補助、助 成、償還融資の提供 住宅市場における第三国定住難民への差別に対抗する ための意識喚起や啓発 15 Health : Key Considerations 健康:重要事項 よくみられる精神衛生上の懸念事項:PTSD(心的 外傷後ストレス障害症候群)、抑うつ、不安感、悲 嘆、罪悪感等 よくみられる身体健康上の懸念事項:摂食不良に よる栄養欠乏症、腸内寄生虫疾患、感染症、慢性 疾患、子どもの発達(発育)、歯科・眼科・耳科関連 の問題、女性保健医療および家族計画 16 A healthy start checklist 健康的な新生活のためのチェックリスト 到着後の総合的な健康診断の実施 健康保険への加入 感染症や精神疾患の発生に備えた、保健医療専 門家の選定 健康相談のための通訳サービスの手配 実用的な情報と医療制度に関するオリエンテーシ ョンの提供 第三国定住難民の健康上の略歴に関する情報の 医療従事者への提供 17 Clear communication 明確なコミュニケーション 不安感の軽減、信頼関係と安心感の確立 公正なアクセスの保障と人権の尊重 各種サービスおよび資源へのアクセスの促進 第三国定住難民と受け入れ先コミュニティーとの相 互理解の増進 18 Easing communication checklist コミュニケーション促進のための チェックリスト • • • • • • 関連言語を話す通訳の手配 接受と社会統合に関わる人材に対する難民、特 定文化におけるコミュニケーション、及び秘密保 持に関する研修 難民の早期自立を促す語学研修 語学辞書の整備 言語支援の補助となるボランティアの募集と研修 社会統合上重要な書類(出生届、婚姻届、卒業 証明書、学位記、病歴)の翻訳 19 Language training and cultural orientation : Key factors 語学研修と文化オリエンテーション: 重要側面 難民の母語における識字能力水準 母語および外国語の堪能さ 年齢/ジェンダー/社会的に期待される役割 肉体的/精神的健康状態 家族の一員としての責任 20 Planning language program 3 examples 語学習得プログラムの三つの策定例 ¾ 米国:-時限的基礎プログラム-基本的な目的を 達成できるレベルに照準を合わせた言語スキル -就職後も並行して随時利用可能な語学研修 ¾ カナダ、オーストラリア、アイルランド、英国:所得支 援に併せた無料の語学研修 ¾ 北欧諸国:語学支援と社会保障に加え、個別支援 の提供 21 Income support: Key considerations 1 所得支援:重要考慮事項1 ¾ 所得支援金の給付期間は以下の条件を考慮: ¾過去のトラウマ体験や第三国定住に伴うストレスのレベ ル ¾職業的スキルと職歴 ¾個々の難民の状況(年齢/配偶者の有無/肉体的・精 神的健康状態) ¾就労の機会と就労支援プログラムの実効性 ¾文化オリエンテーションおよび語学研修の効果 22 Income support: Key considerations 2 所得支援:重要考慮事項2 期待できる支援についての明確な説明と経済的自 立への道筋 到着後、難民が新しい環境に慣れ、基礎的な言語 スキルを身に付け、十分なオリエンテーションを受 けるための一定期間に支給される所得支援 住宅・食糧・移動・教育に関わる基本的費用を十分 にまかなえる所得支援の額 23 Income support: The way to employment 3 所得支援:就労への道筋3 意識啓発、および公共部門・民間部門の雇用主、研修機 関、雇用斡旋機関と難民との接触 事業者団体、労働組合やボランティア組織などとの地域 的ネットワークの構築 海外で取得した資格や職歴の承認の促進 求職スキル、職種の選択肢、および労働市場に関する就 職カウンセリングの実施 就労に際しての実際的障壁(保育、移動手段)を克服する ための支援 仕事に並行して随時利用可能な語学研修 24 Monitoring of the integration Policy and Program 統合についての政策・プログラムのモニタリング UNHCRは、各国政府が以下を実施するための方 法論とツールを作成するように推奨している: モニタリング 評価 改善 UNHCR、NGO、地方自治体、他の関係者との緊 密な協力関係によって支えられるべき 25 Thank you ありがとうございます 26
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