喫煙習慣者の割合(男性) 喫煙習慣者の割合(女性)

平成26年 5月号
5月は身体的にも精神的にも疲れが溜まりやすい時期だと言われていますが、皆さまどのようにお過ごしでしょうか。
精神的なイライラや疲れを解消する方法は人により様々ですが、中にはタバコを吸って解消するという人もいるかと思
います。
「最近喫煙所が減ってきたなぁ。」「タバコの値段も上がってきたし、そろそろ辞め時かな。」 と考えている人もいるで
しょう。
今月、5月31日は“世界禁煙デー”です。この機会にタバコについて今一度考えてみませんか?
タバコというと肺がんのイメージが強いですが、その悪影響は肺だけでなく全身
に及びます。
そのリスクを知っておきましょう。
★学業や仕事への影響
★肌・髪の毛
脳の酸素供給量や血流量が減り、勉強や仕
事の能率が下がります。ニコチン切れにより
イライラしたり、何度も作業を中断したりする
ことも。
ニコチンや一酸化炭素の影響で毛細血管が
収縮し血行が悪くなるため、健康な肌や髪の
毛を保つための栄養が不足します。結果、肌
の老化や薄毛が目立つようになりがちです。
★呼吸器
★歯
タバコの煙は呼吸を通して体内に取り込まれ
ることから、肺や気管支などに大ダメージを与
え、COPD、ぜんそくなどの呼吸器系疾患を引
き起こします。
血流が悪くなることにより歯ぐきが黒ずむほ
か、歯周病のリスクが上がります。タールなど
により、歯そのものも変色します。
※COPDに関しては、ちょっとよかばいコラムvol.2
をご参照ください。
★血管
★感染症
★胃腸
ニコチンの作用で血管が収縮し、血圧
が上がり心臓に負担がかかります。ま
た活性酵素などにより動脈硬化が促進
され、高血圧、心臓病、脳卒中などのリ
スクが上がります。
気管支粘膜が傷つけられる上、免疫力
が低下しかぜやインフルエンザなどに
かかりやすく、また重症化しやすくなりま
す。
タバコを吸うと、胃腸の粘膜の血流が悪
くなる上、粘膜を傷つけ、胃潰瘍、十二
指腸潰瘍が起こりやすくなります。
データ参照
全国:厚生労働省「国民健康・栄養調査」
佐世保市:佐世保市民の健康に関する実態調査(平成23年度)
喫煙習慣者の割合(男性)
%
50
40
40.2 38.6
39.2
31.5
34
喫煙習慣者の割合(女性)
%
20
43.9
16.6
37.3
34.2
15
29.3
30
22.8
12.8
10.8
16.5
14.4
13.5
10.2
10
7.8
20
6.4
3.9
5
10
0
0
20歳代
30歳代
40歳代
全国
50歳代
60歳代
佐世保
男性は、どの年代を見ても全国より佐世保市民のほうが喫煙
者の割合は低いですが、全国が30歳代を頂点に山形になって
いるのに対し、佐世保市では40歳代を頂点に山形になってい
ます。
また、40歳代、50歳代は全国との差も少なく、喫煙者の多い年
代でもあります。
20歳代
30歳代
40歳代
全国
50歳代
60歳代
佐世保
女性は、50歳代で最も喫煙者が多くなっていることが分かりま
す。
次いで全国平均と比較しては少ないものの、妊娠・出産期にあ
たる20歳代、30歳代の喫煙率が高くなっており、胎児・乳幼児
への影響も考えられます。
下記のグラフを見てもわかる通り、喫煙者のうち男性約6割、女性約8割の人が
「タバコを辞めたい!」と思っても辞めることが出来ていないことがわかります。
禁煙したいと思ったことがある者(男性)
.
禁煙したいと思ったことがある者(女性) .
23.1
39.3
60.7%
76.9%
76.9
60.7
データ参照
佐世保市民の健康に関する実態調査(平成23年度)
「絶対にやめる!」という強い意気込みでも、「とりあえずお試しで」と軽い気持ちでも、とにかく
「やめてみようかな」と思うことが最初の一歩。今は禁煙外来や禁煙グッズなどもあります。
上手に活用してください。
禁煙外来で!
薬を用いてお医者さんのサポートを受けながら禁煙する方法。禁煙の成功率が大きく上がると言われています。
一定の条件を満たせば、健康保険が適用されます。お医者さんから自分に合ったアドバイスを受けられるので、
依存度の高い人や以前禁煙にトライしたもののあえなく再喫煙してしまった人などにはおすすめです。
※詳しい条件は ちょっとよかばいコラムvol.2をご参照ください。
佐世保市内の禁煙外来を行っている医療機関は、ちょっとよかばいコラム トップページ下記のダウンロードに記載しています。
禁煙補助剤で!
禁煙外来に行くのは気が引けるが、自力ではちょっと自信がない・・・という人は、禁煙補助剤を活用してみるのは
いかがでしょうか。薬局ではニコチンガムとパッチが購入できます。
ガムやパッチからニコチンを吸収し、吸いたい気持ちを和らげることができると言われています。
※妊娠中・授乳中の人や持病のある人が薬剤を使う場合は、必ず事前に医師や薬剤師にご相談ください。
自力で頑張る!
自分の気持ち一つで始められる従来通りの禁煙法。いつでもどこでも何度でも、気軽にトライできます。
禁煙日記をつけたり、誰かと一緒に取り組んだりすると継続しやすいようです。
「吸いたい!」という気持ちが続くのは、わずか3分間と言われています。吸いたい気持ちをかわす
方法を知り、マイペースで禁煙に取り組みましょう。
タバコを辞めると、すぐに効果が現れ始めます。期間が長くなれば、効果も大きくなってきます。
体に現れるさまざまな変化に耳を傾けて、「タバコをやめる」という決断がいかに正しかったかを
実感してください。
●2~5年後
●20分後
脳卒中のリスクが非喫煙者のレベルまで下がる。
脈拍や血圧が正常近くまで下がる。手の体温が上がる。
●12時間後
血液中の一酸化炭素濃度が正常値まで下がる。
●2週間~3か月後
心機能・肺機能が改善する。
●1~9か月後
せき・息切れが減少する。
●1年後
上昇していた冠動脈心疾患のリスクが半減する。
●5年後
口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がんのリスクが半減する。
子宮頸がんのリスクが非喫煙者のレベルまで下がる。
●10年後
肺がんで死亡するリスクが喫煙者の半分になる。
●15年後
冠動脈心疾患のリスクが非喫煙者と
同じレベルになる。