表3 - 日本機械学会関西支部

一般社団法人
シニア会
理科工作教室
日本機械学会
提供テーマ(Ver.3)
関西支部
平成 26 年 4 月 15 日作成
日本機械学会関西支部シニア会で運営するこの理科工作教室は、小学生を対象に開講している。
提供テーマは小学生理科(3年―6年)で勉強する“新しい理科”の内容を基にした作品を作り、
理科・工作、ものづくりを子どもたちに楽しんでもらえるように工夫している。なお、
(低学年向
き)、(高学年向き)の分類はテーマ内容の教科との対応ではなく、低学年でも工作が可能かどう
かで分けているので、実際の教室開催にあたって募集する学年は主催者の判断に任される。テー
マは順次追加していく予定である。テーマ内容に関するお問い合わせなどは、E-mail で(不可能
な場合は郵送か FAX でも可)下記にお願いします。
日本機械学会
関西支部 〒550-0004 大阪市西区靱本町 1-8-4 大阪科学技術センター6F
E-mail: [email protected]
FAX: (06) 6443-6049
Tel: (06) 6443-2073
1
色々な紙飛行機を飛ばそう-----飛行機は何故飛ぶのかな----- (低学年向き)
鳥や蝶やトンボがどのようにして飛んでいるのか不思議に思ったことはありませんか。昔の人
は、人間はどうすれば鳥のように空をとべるのかを考え飛行機を作りました。新聞のちらしなど
で飛行機をつくり、どうすれば良く飛ぶのかを調べ、つばさの形を考えます。つばさの模型で飛
行機が飛ぶ仕組みについて一緒に考えます。
2
ゴムの力で回る観覧車
大きな観覧車を小さな力でどうすれば回すことができるのでしょうか。これは、
‘理科6てこの
はたらき’で学ぶ仕組みをうまく使っています。 工作ではダンボールと厚紙で観覧車をつくりま
す。観覧車の大輪を、その下でゴムひもの力で回る駆動用小輪でゆっくりと回してその仕組みを
たしかめます。実際の機械装置では、このようなメカニズムを利用して装置を動かしているのを
学びます。
3
ヘロンの噴水の不思議 (高学年向き)
昔、ギリシャのヘロンが考えた噴水装置をペットボトルとストローを組合せて作ります。
‘理科
4 物の体積と力’では、空気と水を閉じこめた注射器のピストンの動きと力の関係を調べます。
ヘロンはこの作用をうまく使って水を吹き出すようにしました。この噴水の実験を通して、私た
ちの生活に水や空気の力がどのように利用されているかを学びます。
4
プロペラで走るレーシングカー (高学年向き)
発泡スチロール・トレイ、ボトルキャップなどで模型の車をつくり、これにモータでまわる
プロペラを取付け走らせます。
‘理科4 電気のはたらき’で学ぶ電池とモータを銅線でどのよ
うに結ぶと上手く、早く車が走るのかを確かめます。また、実際の自動車が走る仕組みや、公
害問題についても学びます。
5
地震に揺れない家のふしぎ (高学年向き)
‘理科5 ふりこのきまり’では、ふりこには糸の長さできまる一定の周期(ふりこが往復
する時間)があり、この周期で振るとふれが大きくなること(共振と呼ぶ)を学びます。ここ
ではコロと板で台車をつくり、これを地面にみたてた板の上で振動させます。重い台車の上に
家を建てれば地面のふれ周期とかけ離れた周期の家になります。板(地面)をゆすって振れの様
子を調べ、大きく振れる共振とはちがう地震に揺れない家の仕組みを学びます。
6 コマのふしぎ・・フィギュアスケートの高速スピンはなぜ (高学年向き)
‘理科4 月や星の動き’では、地球は自分で 1 日 1 回転(自転)、1年かけて太陽のまわり
を公転していることを学びます。また、
‘理科6’ではてこを傾ける働き(回転力)を学びます。
ここでは不用になったCDディスクとマジックペンでコマを作り、CDディスクの表面にナッ
トを8個取付け回転して、ナットの取付け位置とコマの回転時間の関係を調べます。この体験
を通して地球の回転やフィギュアスケートの高速スピンの理由を考えます。
7
パイプの蒸気で走る蒸気船 (高学年向き)
水は熱すると蒸気となり、その体積が大きくなることは‘理科4 水のすがたとゆくえ’で
学びます。アルミパイプを丸くまいて、牛乳パックの船にのせて紙蒸気船を作ります。丸くま
いたアルミパイプに水を入れその両はしを船といっしょに水面に沈めます。アルミパイプを加
熱すると水が蒸気となって吹き出し、船が走ることを体験します。私たちの社会生活で、この
ような蒸気力をつかって多くの機械を動かしていることを学びます。
8 浮沈子で遊ぶ・・浮いたり、沈んだり (低学年向き)
‘理科3 物の重さを比べよう’では物にはそれぞれ重さがあることを学び、
‘理科6 てこ
のはたらき’ではバネばかりで物の重さを測ります。いま、このバネばかりで物の重さを測っ
たまま水につけると重さは小さくなります。このとき、物が沈んだ体積の水の重さだけ軽くな
り、これを浮力と呼びます(パスカルの原理)。ここでは水を入れたペットボトルのなかに醤油
のタレ瓶とナットを重りとした浮沈子を浮かしたものを作ります。ペットボトルを手で握ると
浮沈子が上下したり、バネばかりで水の中にゴルフボールをつるして浮力の性質を学びます。
9
空気と水の理科実験 (低学年向き)
‘理科4 物の体積と温度’で勉強する物の性質を、ペットボトルでつくった各種の装置で
実験して、その不思議な性質を実験でしらべます。
10 モーター(電動機)を作って回そう (高学年向き)
‘理科5 電流がうみ出す力’では電磁石の働きについて学びます。ここでは、曲げ加工した
鉄板にエナメル線をまいて電機子(回転子)とし、固定子には永久磁石を使って直流2極モー
タを作ります。電池をつなぎ、作ったモータで回る方向など電磁石の働きについていくつかの
実験をします。最後にモータを何らかの方法で回すと発電することを確かめます(‘理科6’)。
11
上手に歩く2足歩行ロボット(高学年向き)
人間は足の関節と筋肉を使って上手に立って歩いていることを
‘理科4 動物のからだのつくりと運動’で学びます。ここでは、
手足を小型モータで動かし、人間と同じように立って歩く厚紙の
人形ロボットを作ります。ロボットを倒れずにうまく歩くようにす
るには、工作、組立て精度や全体のバランスが大切なことを体験し
ます。また、世の中で使われているロボットについても学びます。
ロボット相撲
12
果物電池と簡単モータ (高学年向き)
‘理科4 電気のはたらき’で、乾電池でモータがまわることおよび‘理科6 電気とくら
し’では電気はいろいろな方法で作ることができることを学びます。ここでは、まず、レモン、
リンゴなどが電池となることを体験し、これらの発電のしくみを学びます。さらに、永久磁石
の上にエナメル線のコイルを置き、これに電気を流すとエナメル線コイルが回転することを体
験し、これらを通して電気のはたらきを学びます。
果物電池
簡単モーター
13
ブラシの振動で走行するブラシカー (高学年向き)
‘理科4 電気のはたらき’では、電車や電気自動車は電気でモータを回し、これを車輪に
つたえ地面の上を動いていることを学びます。このブラシカーは、モータ軸の先に重り(偏心
回転体という)を取付けたモータを洗濯ブラシの背に貼り付けて作ります。電池でモータを回
すとブラシの毛が上下に振動して、車輪のないブラシカーが前進走行します。ブラシカーが振
動して前進する理由を一緒に考え、同時に作品を走行レーンで走らせて遊びます。
14
プラコプター(ヘリコプタ-)を作って飛ばそう (高学年向き)
‘理科4 物の体積と力’では、先を閉じた注射器のピストンを押し下げると、空気の体積
が小さくなり、元の体積に戻るようなピストンの押し上げ力がうまれることを学びます。これ
は「空気のばね作用」で、ゴムひもやコイルもばね作用をします。ここでは、ゴムひものばね
作用を使って回転するプロペラ装置とスチレンペーパー製の胴体を組合せてプラコプターをつ
くります。天井の高い建物内でゴムひもをねじり、ゴムひものばね作用でプロペラを回してプ
ラコプターを飛ばす体験をし、飛ぶ仕組みについて学びます。
プラコプター
(ヘリコプタ-)
15
水の力でモータを回し電気を作ろう (高学年向き)
‘理科5 電流がうみ出す力’では、モータに電気を流すとモータがまわることを学びます
(テーマ 10)。つぎに‘理科6 電気と私達のくらし’では、モータを水の流れで回すと電気が
作られることを学びます。ここでは、小型モータ軸に水車のバケットにみたてた歯車を取付け、
水道水のジェット水流をぶつける模型水力発電装置を作ります。モータをジェット水流で回し
て豆球を点灯させ、水力発電を体感して発電の仕組みについて学びます。
16 ゴムの力で回る回転ぶらんこ (低学年向き)
‘遊園地の回転ぶらんこ’は回り出すと天井からぶら下がっていた椅子が外の方に持ち上げら
れて回ります。‘理科6 てこのはたらき’では力の性質を学びます。椅子が持ち上がるのは回転
する椅子に遠心力と言う力が働き外方に引っ張るからです(詳しくは中学で学ぶ)。ここでは紙コ
ップ、紙のさらとこれを回す軸で回転ぶらんこを作り、この軸にゴムひもを巻きつけゴムの伸び
た力で天井の紙皿をまわします。ゴムひもに引っ張り力を与え、回転ぶらんこを実際に回してぶ
らんこ椅子に遠心力が働いて持ち上げられることを確かめます。
17
よし笛を作って合奏しよう(低学年向き)
楽器には大きく分けるとリコーダー、トランペットなどの口で息をふいて音がでる物とバイ
オリン、ギターなど箱と糸があって糸を振動させて音をだす物とがあります。音が出るしくみ
は小学校では学びませんが、楽器(リコーダー)で音楽の授業があります。ここでは、琵琶湖
畔のよしで、音色の異なる笛(ブーブー笛、うぐいす笛)の2つの笛を簡易のこぎりなどを使
って工作体験をします。よし笛で音が出る仕組みと音色が異なる理由を考え、最後に出来上が
った笛を使って皆で「かえるの歌」を合奏します。
材料のよし
うぐいす笛
弁
ブーブー笛
18
磁気浮上新幹線を作ろう (低学年向き)
‘理科3 じしゃくにつく物をさがそう’では、磁石の極の性質を調べ、同じ極では反発力が
働くことを学びます。この磁石の反発力を使い車体を浮かせて走行するリニア新幹線を作ります。
浮いているのですべるようになめらかに走行します。
19
リニアモーターを作ろう (高学年向き)
‘理科5 電流がうみ出す力’では電磁石の働きについて学びます。普通の電気モータではロ
ーターが回転しますが、リニアモーターでは走行子がレールの上をなめらかに走ります。レール
の間に敷き詰められた永久磁石は同じ向きに並んでいて、この磁力線*と走行子に流れる電流によ
り走行子が走ります。東海道リニア新幹線は仕組みは違いますが、同様な働きをするリニアモー
ターを使って車両を走らせます。
*永久磁石の上に紙を置き、上から砂鉄をま
くと、磁石の一つの極(N極)から他の極
(S極)に向かって一連の線が現れる。こ
れを磁力線という。
20
簡単モータを作ろう (高学年向き)
‘理科5、電流がうみ出す力’では、電磁石の性質とその働きについて学びます。まず磁石
と銅線と電気の関係について、その間の法則(フレミングの法則)-電気を通した場合と通さ
ない場合の銅線の動きとその方向-を簡単な実験で確認します。その後、エナメル線を巻いて
回転するコイルを作り、整流子とブラシの働きで回転コイルが回り続ける簡単モータを製作し、
その仕組みを理解します。
21 世界最速、リニア新幹線と同じ原理のモータを作ってみよう (高学年向き)
‘テーマ 10 電動機を作って回そう’では、直流モータを製作し動く仕組みについて学びまし
た。 そこでは整流子とブラシは不可欠のものでしたが、機械的な接触部分があるために、摩耗
や火花の発生などいくつかの欠点があり、そのためブラシの無いモータ(ブラシレスモータ)
が良く利用されます。ここでは、固定子は電磁石、回転子は永久磁石(直流モータとは逆の配
列)で、電流のON、OFFはリードスイッチで行うブラシレスモータの一種であるリングモ
ータを製作します。リング部分をまっすぐに伸ばせばリニア新幹線の走行原理になります。
スイッチ
固定子(電磁石)
回転子(永久磁石4個)
22
電流が生み出す力(フレミングの左手の法則)の確認実験装置の製作 (高学年向き)
‘理科5、電流がうみ出す力’では電磁石の性質とその応用として、直流モータを製作し動
く仕組みについて学びました。ここでは、その基礎となっている「フレミングの左手の法則」
を確認する実験装置を製作し、電流の流れをスイッチで切り替えることによって、導体の転が
る方向が変わることを実際に体験します。
導体
スイッチ
23
ミニブタレース (低学年向き)
床を振動させると、重い物が動きやすくなったり、動かそうとしなくても自然に動き出すこ
とがあります。これを利用して発砲スチロールで作ったミニブタを走らせる運動場を作り、競争
させてみましょう。運動場を支えている板を割りばしでたたいて振動させます。紙で作ったミニ
ブタの足の長さや傾き、たたく強さや速さを変えると走るスピードが変わります。
ミニブタ
ミニブタ
24
風車で発電し、赤・青の電気をともそう。アンコウの提灯やウサギの目にもなるよ!
(低学年向き)
‘理科6 電気と私達のくらし’では、電気が作られるしくみを学びます。近年特に環境に優
しく、持続可能なエネルギーである風力発電が注目されています。ここでは型紙から作った風車
に風をあてその力で発電し、LEDを点灯させます。風車を逆回転させることで電気の流れが変
わり、LEDの光が変わることなどを体験します。
LED
目 LED
アンコウ
25
ホーバークラフトを走らせよう (高学年向き)
‘理科4 物の体積と力’では空気の押し返す力の性質を学びました。この力を利用して船体
の重さを支え海や陸を走る電池駆動のホーバークラフトを作ります。浮上と走行のバランスを調
整して真っ直ぐに走るように工夫します。ホーバークラフトは平坦な面であれば、地上、水上、
雪上を自由に進めます。さらにこの原理が工場で重量物の運搬などに使われていることを知りま
す。
三井造船製
MV-PP10