2012年12月8日 (社)日本知財学会 第10回年次学術研究発表会 シンポジウム 東レの研究・技術開発戦略及び知財戦略 東レ株式会社 専務取締役 技術センター所長(CTO) 知的財産部門・情報システム部門・地球環境事業戦略推進室統括 阿部晃一※ ※JAXA( JAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構) 独立行政法人宇宙航空研究開発機構) 国際宇宙ステーション・きぼう 利用推進委員会委員 国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会委員 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 1 Ⅰ.日本の製造業は大丈夫か? -「ものづくり」の次は何か?- Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 2 日本の貿易収支(2011年度) 2011 2010 2009 2008 2007 2006 品目別貿易収支 (年度) 31年ぶり の赤字 (兆円) 2005 15 10 5 0.7 3.6 2.7 0 -5 -10 -0.4 -5.5 -4.3 -15 -20 その他 輸送用機器 電気機器 一般機械 -5 0 5 10 15 貿易収支 (兆円) 原料別製品 2001 化学製品 2002 -20.6 鉱物性燃料 2003 原料品 -25 食料品及び動物 2004 12.3 8.8 データ出所:財務省「貿易統計」 2011年度(確定値)等より東レ作成 国土が狭く資源に乏しいわが国は、国際競争力の高い製造業の輸出によって外貨を獲得し、生活に 国土が狭く資源に乏しいわが国は、国際競争力の高い製造業の輸出によって外貨を獲得し、生活に 欠かせない食料や燃料、原材料などで年間約30兆円も輸入する貿易立国が基本構造である。 欠かせない食料や燃料、原材料などで年間約30兆円も輸入する貿易立国が基本構造である。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 3 日本の貿易収支(2011年度) 2011 2010 2009日本の製造業 2008 2007 2006 2005 5 0.7 3.6 2.7 0 -5 -10 -0.4 -5.5 -4.3 その他 輸送用機器 電気機器 一般機械 原料別製品 6重苦(円高、高い法人税、貿易自由化の遅れ、労働規制、 -15 (兆円) 温室効果ガス抑制策、電力不足) -20 -20.6 -25 天災(東日本大震災、タイの洪水・・・) →サプライチェーンの断絶、設備被害 化学製品 2001 10 鉱物性燃料 2002 12.3 8.8 原料品 2003 15 食料品及び動物 2004 ・厳しい経営環境 品目別貿易収支 (年度) 31年ぶり の赤字 ・組み立て産業:すり合わせの「デジタル化」 -5 0 5→新興国の追撃が容易 10 15 貿易収支 (兆円) データ出所:財務省「貿易統計」 2011年度(確定値)等より東レ作成 ・素材産業:継続的な先端材料の創出がポイント 国土が狭く資源に乏しいわが国は、国際競争力の高い製造業の輸出によって外貨を獲得し、生活に 国土が狭く資源に乏しいわが国は、国際競争力の高い製造業の輸出によって外貨を獲得し、生活に 出所:日本経済新聞記事(2012年3月12日夕刊)をベースに東レ作成 欠かせない食料や燃料、原材料などで年間約30兆円も輸入する貿易立国が基本構造である。 欠かせない食料や燃料、原材料などで年間約30兆円も輸入する貿易立国が基本構造である。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 4 次世代の産業の創造 大学発ベンチャーの設立及び廃業等の推移 データ出所:平成23年度版科学技術白書(文部科学省)より東レ作成 300 (社) 252 250 200 廃業等 設立 231 230 188 181 162 国内ベンチャーキャピタルの投融資の推移 データ出所:「2011年ベンチャーキャピタル等投資動向調査」 (ベンチャーエンタープライズセンター)より東レ作成 3000 (億) (社) 投融資額 投融資社数 3000 2500 2500 2000 2000 1500 1500 1000 1000 150 94 100 63 47 50 4 12 9 54 15 500 0 1 2 3 4 5 6 7 ’02 ’03 ’04 ’05 ’06 ’07 ’08 (年度) 500 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 (年度) シリコンバレーの真似をしても上手くはいかない。 シリコンバレーの真似をしても上手くはいかない。 産業界が明確な国家感を踏まえて牽引することが必要。 産業界が明確な国家感を踏まえて牽引することが必要。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 5 我が国主要産業の国際競争ポジション -日本には技術があり、特に素材・部品が強い (「ジャパン・インサイド」)- 1000兆 1000 【 電子機器 】 (22% 22%、25兆円) 25兆円) 【医薬】 医薬】 (11% 11%、8.9兆円) 8.9兆円) 【自動車】 自動車】 (32% % 32 、54兆円) 54兆円) 主要先端製品・部材の売上高と 世界シェア(2007年) 【電子部品・デバイス】 電子部品・デバイス】 (29% 29%、19兆円) 19兆円) 100兆 最終製品 世界市場規模 【電子部品】 電子部品】 (43% 43%、9.4兆円) 9.4兆円) 10兆 成長 【半導体】 半導体】 (22% 22%、6.4兆円) 6.4兆円) 素材・部品 【偏光板】 偏光板】 (64% % 64 、4,730億円) 4,730億円) 1兆 (円) 【リチウムイオン電池/ リチウムイオン電池/正極・負極材】 正極・負極材】 (78% 78%、1378億円) 1378億円) 環境・エネルギー分野 (素材・部品) 1000億 【水処理分離膜】 (60%、1000億円) 【炭素繊維】 (81%、1250億円) ・バブルの大きさ:日系企業の売上額の大きさ 【化合物半導体】 化合物半導体】 (84% 84%、497億円) 497億円) ・数字:日本企業の世界シェア・、売上額 100億 0% 20% 40% 60% 80% 100% 日本企業の世界シェア データ出所:経済産業省・平成20年度産業技術調査委託調査費「日本企業の国際競争ポジションの定量的調査事業」調査結果(委託先: キメラ総研)、JEITA「電子情報産業の世界生産見通し」等より東レ作成。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 6 世界の先端産業を支える日本の部品・部材 - 携帯電話の事例 - 携帯電話の世界シェア 携帯電話の世界シェア 携帯電話に使われる電子部品・部材の世界シェア 携帯電話に使われる電子部品・部材の世界シェア 2012年1-3月期 三星電子 その他 ノキア LG電子 ZTE Apple 日本 50% 中小型液晶ディスプレー 日本 86% セラミックコンデンサー その他7% 日本 77% 出所:米調査会社Gartner社公表データより東レ作成 リチウムイオン電池 中国 18% 韓国 日本 40% 68% 日本 35% 水晶部品 * 2011年度 *テクノ・リサーチ発表 出所:電子部品:日経新聞2008.1.1 データより東レ作成 米ディスプレイサーチより東レ作成 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 7 世界の先端産業を支える日本の部品・部材 -海水淡水化プラントの事例 - 海水淡水化プラントの世界シェア 海水淡水化プラントの世界シェア Others Doosan 海水淡水化プラント に使われる 海水淡水化プラントに使われる 部品・部材の世界シェア 部品・部材の世界シェア Veolia IDE ACS GE Biwater 海水淡水化用逆浸透膜 Hyflux Abengoa 日本 70% Suez Acciona 出所: 出所: IDA Desalination Yearbook 20092009-2010 Desal Data com 日本 40% 海水淡水化用高圧ポンプ 出所: 出所: AMST Survey 2010 Daiwa Security Capital Markets 写真提供:Hyflux社 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 8 先端材料が先端産業を創出する 金属 無機材料 ~19世紀 天然物 鉄・鋼 20世紀 新材料の創出と発展 ステンレス鋼 アルミ 21世紀 先端材料 高張力鋼 ジュラルミン ガラス 無アルカリガラス 半導体 ゲルマニウム シリコン 化合物半導体 炭素材料 CFRP ナノカーボン C60 有機・無機ハイブリッド材料 樹木、天然繊維 有機材料 合成ポリマー 合成繊維 エンジニアリングプラスチック 光学機能材料 CNT 非石化ポリマー 精密高分子 光機能材料 光画像性有機材料 生体適合性材料 エレクトロニクス 自動車・航空機 真空管 航空機 トランジスタ 合成ゴムタイヤ ライフサイエンス Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved LSI LCD PDP 電子ペーパー ハイブリッドカー 燃料電池車 次世代航空機 コンタクトレンズ 人工腎臓 カテーテル DDS バイオツール 9 継続的な研究・開発が競争力の源泉 -基礎研究が世界を変えた(炭素繊維)- 炭素繊維本格研究開始(1961) (千トン/年) 1961年 100 大工試*・進藤博士がPAN系 炭素繊維製造の基本原理を発表 1970年 炭 東レ、大工試・進藤博士の 80 素 特許実施許諾を取得 繊 維 の 世 界 市 場 *大阪工業試験所(現産業技術総合研究所関西センター) 炭素繊維使用量:7トン/機 (東レ推定) ボーイング 777 ボーイング777一次構造材 の認定(1990) 60 炭素繊維使用量:30トン/機 (東レ推定) オール コンポジット ボーイング787 ボーイング787プロジェクト 開始(2003) ボーイング737二次構造材の採用(1975) 40 20 本格商業生産開始(大工試法)(1971) 釣り竿の採用(1972) ゴルフクラブの採用(1973) 産業 航空宇宙 スポーツ 0 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 (年) 東レは炭素繊維の世界シェアの約40%を占める(2010年度:当社推定)。 東レは炭素繊維の世界シェアの約40%を占める(2010年度:当社推定)。 日本メーカー(東レ・東邦テナックス・三菱レイヨン)で世界シェアの約70%を占める(同上)。 日本メーカー(東レ・東邦テナックス・三菱レイヨン)で世界シェアの約70%を占める(同上)。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 10 Vision & Work Hard 10 現在でも 最高強度 ナノスケール表面像(STM) 「強さ」 8 ナノ サイズ欠陥 6 4 GPa 2 サブミクロン サイズ欠陥 ミクロン サイズ欠陥 0 1970 1980 nm 1990 2000 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 2010 11 「世界有力企業が夢に挑戦」→「日本企業が世界を制覇」 <PAN系レギュラートゥ*・タイプ> 炭素繊維メーカー 炭素繊維メーカー の消長 の消長 参入企業 1970年 1975 1980 1985 1990 1995 東レ 東レ 日 東邦レーヨン 本 三菱レイヨン 東邦テナックス 三菱レイヨン 日本カーボン/旭化成 X Hercules(米) その他 東レ 台湾プラスチック Cytec Hexcel 三菱レイヨン 東邦テナックス <高性能炭素繊維市場> 日本メーカー:シェア70% (2010年度:東レ推定) 現社名 2000 Hexcel(米) ▼ Great Lakers/Akzo(米) X X Celanese(米)/BASF(独) 欧 UCC/BP Amoco(米) 米 Grafil(米) X Courtaulds(英) X ▼ Sigri/Hoechst(独) Enka(独)/Akzo(蘭) ▼ Cytec(米) SGL Carbon(独) X ▼ :買収による規模縮小 X :撤退または売却 *単糸が24,000本以下の糸束(トゥ)のこと。 日本企業が世界を 日本企業が世界を 制覇した理由 制覇した理由 1.欧米企業は技術革新競争で脱落 -航空機メーカーの高度な性能向上要求への対応- 2.長期間に亘る研究・技術開発投資を継続 -経営の強固な意志- 3.日本政府からの継続的な支援 -20年以上に渡る研究・技術開発支援- Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 12 炭素繊維に長年開発投資を行えた理由 1.素材価値を見抜く力と研究・技術開発を継続する経営の強固な意志 →市場創出を仕掛けた積極的な先行投資 2.アクリル原糸から複合材料まで垂直統合した研究・技術開発と生産技術 →原糸、焼成、樹脂、プリプレグ、成形の一貫した技術競争力(コスト、品位) 3.航空機メーカーの高度な性能向上要求へのタイムリーな対応 →参入障壁の高い航空機構造材分野での新技術による認定取得 4.研究・技術開発に対する日本政府からの継続的な支援 →大阪工業試験所の基礎研究、NEDO等の国家プロジェクトによる基礎技術確立 787 A380 TAK(韓) [’12.12稼動予定] CFE(仏) [’85.10稼動] TCA(米) [’94.5稼動] 東レ(日) [’71.8稼動] CFA(米) [’99.4稼動] 世界4極(日・米・仏・韓)で炭素繊維・プリプレグを生産 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 13 継続的な研究・開発が競争力の源泉 -基礎研究が世界を変えた(逆浸透膜:RO膜)- 水量換算年間出荷量( 世界市場) (万トン/日) 4000 4000 東レ自製膜でレーヨン排水処理開始(1933) 3000 3000 RO膜のコンセプト発表[米国](1953) 故ケネディ米大統領 スピーチ*(1960) スレビア(クウェート) その他 下廃水再利用 RO膜モジュール 写真提供:GE-Ionics社(米国) 超純水 など 研究開始(1968) 世界最大の下水再利用 プラントへ納入 (2004) 本格生産開始(超純水プラント)(1980) 2000 2000 大型かん水淡水化 プラントへ納入 (1996) 1000 1000 大型海水淡水化 プラントへ納入 (2001) 00 かん水 淡水化 海水 淡水化 (年) 1930 1935 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 かん水:塩分を含んだ地下水など *1960年、J.F.ケネディ上院議員(当時)が演説 (翌1961年、海水淡水化に国家事業として取り組む法案に、大統領として署名) 東レ・東洋紡・日東電工でRO膜世界シェア~65% 東レ・東洋紡・日東電工でRO膜世界シェア~65% Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 14 東レのRO膜事業のグローバル展開 海水淡水化 RO膜 <トリニダード> <アルジェリア> <トリニダード> <アルジェリア> 3 136,000 136,000 m m3/日 /日 200,000 200,000 m m33/日 /日 <アルジェリア> <アルジェリア> 500,000m 500,000m33/日 /日 <KSA> <KSA> 150,000m 150,000m33/日 /日 <UAE <クエート> <UAE >> <クエート> 3 3 136,000 m /日 136,000 136,000 m /日 136,000 m m33/日 /日 <バーレーン> <シンガポール> <バーレーン> <シンガポール> 3 3 218,000m 319,000 /日 319,000 m m3/日 /日 218,000m3/日 下廃水再利用 RO膜 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ●● ● ●● ● ●●● ● かん水淡水化 RO膜 <韓国> <韓国> 126,000 126,000 m m33/日 /日 ● ● ●● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● <クウェート> <クウェート> 320,000 320,000 m m33/日 /日 <シンガポール> <シンガポール> 228,000 228,000 33/日 /日 ● ● <中国 <中国 >> 78,000 78,000 m m33/日 /日 ● <KSA> <イラン> <イラン> <KSA> 3 3 3 120,000 m /日 120,000 m /日 100,000 100,000 m m3//日 日 受注プラント代表例 受注プラント代表例 【2012年3月末出荷ベース】 【2012年3月末出荷ベース】 RO膜の全出荷量(水量換算):2,570 RO膜の全出荷量(水量換算):2,570 万m 万m33/日(10,300万人の生活用水) /日(10,300万人の生活用水) Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 15 持続的成長を可能にするサイクル 長 用創出) 成 的 持続 事業創出・雇 ・新 大 拡 事業 存 既 ( 研究・技術開発 先端材料 研究・技術開発 先端材料 利益 コモディティ化 研究・技術開発 利益 先端材料 利益 コモディティ化 国内 コモディティ化 海外 (グローバル・オペレーション) 現在 5年後 10年後 研究・技術開発(科学技術力)で創出した先端材料は国内(マザー工場)で生産/輸出 研究・技術開発(科学技術力)で創出した先端材料は国内(マザー工場)で生産/輸出 コモディティ化した製品は海外で生産(グローバル・オペレーション)、日本に投資 コモディティ化した製品は海外で生産(グローバル・オペレーション)、日本に投資 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 16 「ものづくり」の次は新「ものづくり」 新「日本力」の創出 日本流 フロンティア開拓 政府が意識すべきポイント 1.日本の高コスト構造の是正:法人税、支援策導入 2.プロアクティブな為替政策 3.戦略的な通商政策:EU・日中韓FTA、TPP参加 4.電力問題:エネルギー基本政策 5.日本の科学技術力の強化 東レの考える方向性 ・第4期科学技術基本計画(25兆円=GDP比1%規模) ・研究・技術開発促進税制 ・時流に迎合しない継続的支援 1.既存産業の「内なる」フロンティア開拓 (1)長期視点の研究・技術開発を軸にした経営(基礎研究・創造的研究) (2)次世代コア技術 (3)自由裁量(アングラ研究)・加点主義・専門職処遇、「深は新なり」=「極限追求」 (4)異分野・異文化融合の組織 2.バトンゾーン:公的研究機関をハブとしたコンソーシアム形成 3.グローバル知財戦略(他社参入障壁の構築) Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 17 R&D 研究開発 東レグループは科学技術に立脚した基礎素材メーカーとして、 独創性の高い先端材料・先端技術の研究開発に 取り組んでいます。 Ⅱ.東レの研究・技術開発戦略 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 18 東レグループの概要 “有機合成化学”、“高分子化学” “有機合成化学”、“高分子化学” 、、 “バイオテクノロジー”、“ナノテクノロジー”、 “バイオテクノロジー”、“ナノテクノロジー”、 をコア技術にして をコア技術にして “先端材料”を開発し、グローバルに事業展開する総合化学企業 “先端材料”を開発し、グローバルに事業展開する総合化学企業 連結売上高:1兆5,886億円 連結売上高:1兆5,886億円 連結営業利益:1,077億円 連結営業利益:1,077億円 重点育成・拡大事業 (2012年3月期実績) (2012年3月期実績) ライフサイエンスその他 4% 環境・エンニアリング 11% 基幹事業 繊維 40% 戦略的拡大事業 創立:1926年4月16日 創立:1926年4月16日 連結:世界23の国・地域で事業 連結:世界23の国・地域で事業 展開、従業員約4万人 展開、従業員約4万人 研究・技術開発資源 研究・技術開発資源: : 要員数:約3,500名 要員数:約3,500名 研究・技術開発費:約560億円 研究・技術開発費:約560億円 プラスチック・ケミカル 25% 炭素繊維複合材料 4% 情報通信材料・機器 15% 連結売上高 連結売上高 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 先端融合研究所 (設立:2003年5月) 19 東レの研究・技術開発組織(技術センター) 技術センター 電子情報機材事業本部 関連事業本部 海外統括会社 エンジニアリング部門 水処理・環境事業本部 A&Aセンター ・開発センター( 2部署) 医薬・医療事業本部 新事業開発部門(事業化推進PJ) 経営企画室 本社スタッフ 複合材料事業本部 研究本部 経営戦略会議 常務会 フィルム事業本部 技術関係部署 会長 社長 副社長 樹脂・ケミカル事業本部 生産本部 生産関係部署 取締役会 繊維事業本部 研究・技術開発の全社的戦略や重要プロジェクトの立案を担う技術センター 研究・技術開発の全社的戦略や重要プロジェクトの立案を担う技術センター を核とする を核とする 「分断されていない研究・技術開発体制」 「分断されていない研究・技術開発体制」 で推進。 で推進。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 20 技術センターの組織 事 業 本 部 工 場 生 産 部 生 産 課 生 産 本 部 工 場 製 造 部 生 産 課 技 術 部 技術室(課) スタッフ部署 技術室(課) :本部・部門 :部・課・室 技術センターの権限が及ぶ範囲 技 術 部 技 術 セ ン タ ー 企 画 室 E 直 轄 部 署 技 術 セ ン タ ー & E セ ン タ ー 環 境 エ ネ ル ギ ー 開 発 セ ン タ ー フィルム加工製品開発センター G P 開 発 室 技 術 開 発 推 進 室 アドバンストコンポジットセンター(ACC) A & A セ ン オートモーティブセンター(AMC) タ ー 新 事 業 開 発 部 門 エンジニアリング部門 研 究 本 部 工務1・2部、エンジニアリング開発C、E管理室 繊維研、F研、化成品研、複材研、電情材研、地球環境研、 医薬研、先端融合研、先端材料研、研開企画部 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved (2012年12月1日現在) 21 研究・技術開発費/要員の推移(連結) 515 500 500 500 458 462 466 423 400 400 397 300 300 200 200 100 100 00 研究・ 技術開発要員(人 ) 研究・ 技術開発費( 億円) 600 600 4000 4000 3500 3500 3000 3000 2500 2500 2000 2000 1500 1500 1000 1000 500 500 ’05 ’06 1 2 ’07 3 ’08 4 ’09 5 ’10 6 ’117 年度 00 1 2 3 4 5 6 7 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 年度 2012年度計画:研究・技術開発費560億円 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 22 グローバル事業展開とグローバル研究・技術開発拠点 TTEL TIUK ACE EACC TIEU TCEP TTCE TFE CFE AK PEN TMBD TITP <タイ> TMEU ALCANTARA TIIT <中国(華南)> TSCH THK Apparel TPCH(TPSZ) RKH(RKZ) TFH(TFZ) THK TAFK TTH TTTM TTS LUCKYTEX TPRC TIID <マレーシア> TML PENFIBRE PENFABRIC TPM TBPR 東レグループ (2012/3末現在) 海外拠点数 海外連結対象会社 TAK STECO STEMCO DPC 22カ国・地域 131社 海外売上高 7,124億円 海外従業員数 22,948名 VTF TISP <インドネシア> TIN ITS OST ISTEM ACTEM CENTEX EASTERNTEX TPJ PNR TIIN Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 海外研究・技術開発拠点(13拠点) TREC TFA CFA <中国(華東)> TCH TFNL TSD TPN TFRC TJQ TFCC YTP TBMC TMQ TICH TARC TPA TCA TAM (西海岸) TMUS TIAM TAM TCAM TORUS 繊維 樹脂・ケミカル TMB フィルム 電子情報材料 炭素繊維・複合材料 商事 医薬・医療 その他 水処理 地域統括会社 (2012 2012年3月末主要会社のみ) 23 グローバル研究体制の構築 欧州 欧州 複合材料 韓国 韓国 IT用フィルム 電情材 など 複材研究拠点 複材研究拠点 尖端材料研究センター 尖端材料研究センター (AMRC) (AMRC) ・エアバス、自動 車メーカー向け 研究・開発 2008年7月設立、TAK内 2008年7月設立、TAK内 ・三星、LG 向け研究・開発 ・先端材料研究 ・研究初期からの有力顧客との連携 ・各国の優秀研究者の活用 ・異分野・異文化融合による新たな発想 日本 日本 ソウル圏・亀尾 中国 中国 繊維、樹脂・ケミカル、 フィルム、複材、電情材、 水処理 など 南通・上海 TFRC TFRC 2002年 2002年 3月南通に設立 3月南通に設立 2004年10月上海に設立 2004年10月上海に設立 TARC TARC 2011年 2011年 1月上海に設立 1月上海に設立 ・繊維研究・開発 ・先端材料研究所とのリンク ・中国ニーズを考慮した研究 ・中国研究者との共同研究 シアトル サンフランシスコ (西海岸拠点) 東レ (研究本部) 米国 米国 シンガポール 複合材料、 先端技術調査・研究 など 複材研分所 複材研分所 2007年10月設立 2007年10月設立 TCA内 TCA内 シンガポール シンガポール 水処理技術 ・ボーイング向け研究・開発 ・米国研究者との連携 地球環境研分所(TSWRC) 地球環境研分所(TSWRC) 2009年9月設立 2009年9月設立 TISP内 TISP内 ・水処理研究・開発インフラ の活用、共同研究 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 米国情報拠点 米国情報拠点 TAM内 TAM内 ・成長分野 ベンチャー技術の 発掘、研究・ビジネス提携 24 東レの研究・技術開発の特徴・強み 1.革新技術を生み出す土壌・歴史 : 基礎研究の重視 2.先端材料・極限追求への長期に亘る粘り強い取り組み 3.多くの分野の専門家集団 4.分断されていない研究・技術開発組織 技術融合 5.産官学連携研究の積極的取り組み 6.業界リーダーとの戦略的パートナーシップ 7.高い分析・解析力 : TRC Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 25 基礎研究の重視・粘り強い取り組み 極限の追求によるイノベーション 社会の要請 ““深は新なり” 深は新なり” 技術の極限追求 科学技術的 価値の創造 高強度化 微細化 高耐熱性 高感度化 革新性 普遍性 汎用性 新分野創設 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved など 新技術・ 新商品の事業化 環境問題 食糧不足 エネルギー枯渇 健康・医療 イノベーション イノベーション 社会的 価値の増大 経済的 価値の増大 フィードバック 26 基礎研究の重視・粘り強い取り組み 極限追求 (フィルム) 100nm 10nm 1nm ナノ積層フィルム フィルムの表面形成 高精度多層積層技術 5nm 記録テープ用フィルム 表面粗度制御 (10~20nm) 新技術 新技術 300nm 300nm 10~20nm 断面写真 厚 み 方 向 ナノレベルの多層積層技術 PET 共重合PET 革新フィルム創出・用途拡大 走行性・記録特性両立 高屈折率ポリマー 高性能反射フィルム 低屈折率ポリマー オレフィンを 超微分散化 オレフィンをPET中に PET中に超微分散化 耐引裂強度向上 LCD用 反射フィルム 傾斜多層積層 世界最高レベル の輝度実現 2μm Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved ガラス保護フィルム 金属光沢調フィルム 27 技術融合の重要性 先端融合研究所:「融合研究」の拠点 設立:2003年5月 基本方針: 基本方針: (1)新たな「価値創造領域」創出のための (1)新たな「価値創造領域」創出のための 本質的・先導的研究 本質的・先導的研究 (2)外部との連携による研究の視野拡大 (2)外部との連携による研究の視野拡大 (異分野融合と自前主義脱却) (異分野融合と自前主義脱却) (3)自由な発想での研究推進 (3)自由な発想での研究推進 先端融合研究所(鎌倉) 要素技術の融合 PT 専門分野の融合 工学系 生物系 化学系 物理系 居室の融合 大部屋化による研究者の交流促進 大部屋化による研究者の交流促進 (ポリマー) BT NT (バイオ) IT (ナノ) Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 28 技術融合の重要性 膜利用バイオプロセス バイオ技術 + 水処理膜技術 → Innovation バイオマス (セルロース) バイオケミカルズ 糖 R 合成・重合・ポリマー加工 H O - (CH2)n - O H 糖化 H 2 N -(CH2)n- N H 2 膜利用発酵プロセス 膜利用糖化プロセス 糖精製・濃縮、酵素回収 高品質な糖の提供 菌体分離 生産性向上 糖 糖化酵素 UF膜 RO膜 発酵液 発酵液 MF膜 膜利用精製プロセス 不純物除去・物質濃縮 高純度化・省エネルギー 微生物 糖 MF膜 COOH 精製 発酵 バイオマス 繊維、フィルム、樹脂 ケミ カル NF膜 RO膜 不純物 水 バイオマス由来のポリマー原料製造に膜利用バイオプロセスを適用できる。 バイオマス由来のポリマー原料製造に膜利用バイオプロセスを適用できる。 従来方に比べ、発酵効果の飛躍的向上(長期連続発酵と発酵速度アップ) 従来方に比べ、発酵効果の飛躍的向上(長期連続発酵と発酵速度アップ) および精製エネルギー節減(不純物除去および濃縮プロセス)を実現。 および精製エネルギー節減(不純物除去および濃縮プロセス)を実現。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 29 技術融合の重要性 分断されていない研究・技術開発組織 事業ネットワーク 基礎化学素材 ・そのための技術 研究本部 革新ポリマー 繊維 ナノアロイ® ナノアロイ® 樹脂・ケミカル 新事業開発部門 開発センター エンジニアリング部門 生産本部/技術部 フィルム コア技術 ナノ構造制御 有機合成化学 有機合成化学 高純度CNT 電情材 高分子化学 高分子化学 炭素繊維複合材料 医薬・医療 バイオテクノロジー バイオテクノロジー 膜利用バイオプロセス ナノテクノロジー ナノテクノロジー ・ ・ ・ 複合材料 水処理・環境 環境・ 水・ エネルギー ライフサイエンス 自動車・ 航空機 情報・ 通信・ エレクトロニクス 技術センター 関連 など 分断されていない研究・技術開発組織からは、技術の融合による新技術が 分断されていない研究・技術開発組織からは、技術の融合による新技術が 生まれやすい。→脳のヒラメキの回路と類似 生まれやすい。→脳のヒラメキの回路と類似 さまざまな固有技術、基礎化学素材(もともとは他の分野のために創られた さまざまな固有技術、基礎化学素材(もともとは他の分野のために創られた ものも含めて)が、複数の事業に大いに貢献する。 ものも含めて)が、複数の事業に大いに貢献する。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 30 技術融合の重要性 ひらめきの科学 ・ ・ ・ ・ ひらめき脳 -茂木健一郎氏- 学習→側頭葉に記憶や体験のアーカイヴ 側頭葉での記憶の編集←→前頭葉 ・・・→ひらめき 「記憶すること」「学習すること」と「創造的であること」は逆のベクトルではない (=無からひらめきは生まれない) ・ 私のことー高校の物理・化学の授業(ほとんどが実験) ・ Chance Favors the Prepared Mind ・ 脳のひらめきの仕組みを、東レは1箇所に集めた R&D組織(=技術センター)が担っている ・ 多くの専門家(知識)集団が1パッケージ Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 31 産官学連携研究 公的研究機関をハブとした重要施策の推進 (狙い) (狙い) 公的研究機関をハブとし、企業を含む研究ネットワークを組織 公的研究機関をハブとし、企業を含む研究ネットワークを組織 日本としての国際貢献を目に見える形で示せる重要課題を推進 日本としての国際貢献を目に見える形で示せる重要課題を推進 (内容) (内容) 1.アカデミア、企業(垂直連携)をネットワーク化し、日本として 1.アカデミア、企業(垂直連携)をネットワーク化し、日本として の強みを作るための研究を推進[例:環境・水] の強みを作るための研究を推進[例:環境・水] 2.公的研究機関がハブとなって全体をオーガナイズ、テーマや 2.公的研究機関がハブとなって全体をオーガナイズ、テーマや 参加組織の入れ替えを行い、成果の最大化を図る 参加組織の入れ替えを行い、成果の最大化を図る 3.テーマ評価制度 3.テーマ評価制度 企業A 公的研究機関 大学A Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved ハブ拠点 大学B 企業B 32 戦略的パートナーシップ ユニクロ×東レの「戦略的パートナーシップ」① 第1回パートナーシップ締結 : 2006年6月 屋外の防寒と 技術コンセプト 技術コンセプト 暖房の効いた屋内に移動した時の 発汗によるべたつき感を抑える 第2回パートナーシップ締結 : 2010年7月 発熱・保温・吸汗速乾 超目玉商品(フリース、ヒートテック® 、ウルトラライトダウン ®等)を開発し、新市場、新顧客を創出する。 [単位:万枚] 高 「ヒートテック®」製品枚数 「ヒートテック®」製品枚数 機能 汗 吸汗速乾 12500 10000 8,000万枚 7500 5000 2500 5,000万枚 衣服内温度 1億枚 暖かい 水蒸気 2,800万枚 2,000万枚 1,200万枚 450万枚 暑い、 ムレ感 屋内 (暖房) 吸湿発熱 + 保温 寒い 屋外 0 '05年 '06年 '07年 '08年 '09年 '10年 '11年 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 低 ヒートテック®、ウルトラライトダウン®は株式会社ファーストリティニング社の商標です。 33 戦略的パートナーシップ ユニクロ×東レの「戦略的パートナーシップ」② 「発熱・保温・吸汗速乾」 機能を支える技術 保温機能 発熱機能 水蒸気吸着→ 吸汗速乾機能 発熱 レーヨン 異型断面ポリエステル 肌 レーヨン繊維が体から蒸発する水蒸気を 官能基で吸着し、水分子の運動エネルギー を熱エネルギーに変換し発熱(湿潤熱) マイクロアクリルのエアポケット 星型繊維で表面積増、水分を吸収、 拡散し、肌面の不快なべとつき感を軽減 短繊維の混合体 ポリウレタン弾性繊維 ヒートテック®の編地構造 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 34 高い分析・解析力 東レリサーチセンター(TRC) 企業理念: 企業理念:高度 高度の の技術 技術で社会に貢献する で社会に貢献する モットー モットー :: 信頼性の高い技術 信頼性の高い技術を提供させていただくこと を提供させていただくこと 機密保持 機密保持を厳守すること を厳守すること ((Technology Technology&&Trust Trust)) 業務内容: 業務内容:分析・物性評価の受託、試験研究受託、 分析・物性評価の受託、試験研究受託、 調査研究、研究開発受託 調査研究、研究開発受託 設立: 設立: 1978 1978年 年66月(要員数:416名( 月(要員数:416名(2012.3末 2012.3末)) )) 研究・開発・生産を 支援するTRCの総合力 構造解析 表面分析 形態観察 材料物性 有機分析 無機分析 医薬・ライフサイエンス 環境・エネルギー 研究開発受託 調査研究/出版 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 35 Toray’s IP Strategy Ⅲ.東レの知的財産活動と戦略 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 36 国内・海外特許保有件数*(2011年度概要) 2012年3月末国内特許保有件数 *東レ単体と国内・海外関連会社40社の合計。 ※実施中が1,808件(41.5%)、将来実施予定が1,879件。 2012年3月末海外特許保有件数 ※フィルム、炭素繊維複合材料、ライフサイエンスの比率が国内保有特許件数と比較して相対的に 高いことは、これら事業分野のグローバルな事業拡大を目指していることの表れである。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved (データ出所:東レ知的財産報告書2011) 37 国内・海外特許出願件数*(2011年度概要) 2011年度国内特許出願件数 *東レ単体と国内・海外関連会社40社の合計。 ※フィルム、炭素繊維複合材料、ライフサイエンス、水処理の比率が国内特許保有件数と比較して 相対的に高いことは、東レグループが戦略的拡大・育成事業分野への積極的な出願の表れである。 2011年度海外特許出願件数 ※ライフサイエンス、水処理の比率が国内特許出願件数と比較して相対的に高いことは、これら事 業分野のグローバルな事業拡大を目指していることの表れである。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved (データ出所:東レ知的財産報告書2011) 38 東レの事業本部・部門と組織図 技術センター 社長直轄 知的財産部門 グローバル研究拠点 知的財産部 (株)東レ知的財産センター Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 39 知的財産の取得・管理、営業秘密管理および 技術流出防止に関する方針 「特許管理規程」 「特許管理規準」 「商号・社章・営業登録商標管理規程」 「商標管理規程」 「商標管理規準」 「特許会議」 「ブランド会議」 「秘密情報管理規程」 「電子セキュリティ規準」 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 40 出願戦略・防衛戦略・権利活用戦略の連動 実現のための 実現のための 方策と戦略 方策と戦略 基本方針 特許表彰制度 防衛戦略 出願戦略 権利活用戦略 特許補償制度 Aランクプロジェクト 基盤強化(OA化) 質の向上 特許ポジションの正確な把握 質の向上策 調査機能・能力の向上 特許知識の習得 知財教育の充実 特許マインドの向上 特許マインドの向上 知財戦略会議等 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 41 出願の質・数の両立(特許の質の向上) 特許の質の向上策と質の評価スキーム 発明 発明相談メモ 発明相談メモ 先行技術との対比表 先行技術との対比表 出願 出願の質の評価 出願の質の評価 国内優先権チェックリスト 国内優先権チェックリスト 審査請求要否判断基準 審査請求要否判断基準 審査 質の の評 評価 価 質 質の の向 向上 上策 策 質 質の向上チェックリスト 質の向上チェックリスト 補正・分割の活用 補正・分割の活用 特許 権利維持・放棄判断基準 権利維持・放棄判断基準 実績補償査定基準 実績補償査定基準 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 42 重点化(Aランクプロジェクト) Aランクプロジェクト 選択と集中を図る重点化施策として、特許実務上の最重要課題をAランクプロ 選択と集中を図る重点化施策として、特許実務上の最重要課題をAランクプロ ジェクトに認定し、リーダーと担当役員を設定し、技術系役員会において定期的に ジェクトに認定し、リーダーと担当役員を設定し、技術系役員会において定期的に フォロー。先端材料に代表される重要な分野においては、多くのテーマが、いずれか フォロー。先端材料に代表される重要な分野においては、多くのテーマが、いずれか のAランクプロジェクトに設定。 のAランクプロジェクトに設定。 Aランク権利化プロジェクト 新規の技術及びその周辺技術に関する特許網を、出願行為及び権利化のための行 新規の技術及びその周辺技術に関する特許網を、出願行為及び権利化のための行 為を通じて構築。 為を通じて構築。 Aランク防衛プロジェクト 重要な研究・技術開発について他社権利との関係を早期に明確化するとともに、 重要な研究・技術開発について他社権利との関係を早期に明確化するとともに、 重要な影響を持つ他社特許に対しては、その対応策を早期に明確化 重要な影響を持つ他社特許に対しては、その対応策を早期に明確化。 。 Aランク権利活用プロジェクト 当社権利に対する他社の侵害に対して正当に当社権利を主張し、他社を牽制し、他 当社権利に対する他社の侵害に対して正当に当社権利を主張し、他社を牽制し、他 社の当社権利の実施に対しては正当な対価を取得し、当社事業に大きく貢献。 社の当社権利の実施に対しては正当な対価を取得し、当社事業に大きく貢献。 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 43 特許グローバル戦略(ケーススタディ) 技術内容 <1992年> 磁気テープ用ベースフィルムとして事業化。 <1996年> 大河内記念生産特賞 受賞。 PETフィルム 不 良 従来技術 0.4 ↑ 摩 走 擦 行 係 0.3 性 数 新技術 300nm 10~20nm ↓ 新技術 従来技術 0.2 良 10 15 20 25 表面粗度 (nm) 良 ← 記録特性 → 不良 SEM 写真(フィルム断面) 表面粗度を10~20nmのオーダーで制御 「走行性」と「記録特性」のトレードオフを解決 展開 ・東レフィルムの標準タイプとして全世界で生産・販売中。 磁気記録媒体 磁気記録媒体 セラミック離型 セラミック離型 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 偏光板離型 偏光板離型 44 特許グローバル戦略(ケーススタディ) 表層に粒子偏在 突起高さ均一 t:積層厚さ d:粒子径 必然的な特徴 +用途限定 +必須条件 積層厚さ均一 薄膜積層 3層積層 中間層に粒子 各種用途 基本登録特許 +構成要件 (t≦3μm) t/d≦10 +品質達成要件 表層に特定粒子 突起個数、強度等 全世界で強い特許網を構築 全世界で強い特許網を構築 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 45 技術革新による先端材料の持続的創出 グローバル知財戦略 グローバル知財戦略 新技術 極限追求 ユニークな特性 組み合せ 先端材料の創出 現場・現物 具体論 Innovation Innovation 新しい価値の創造 新しい価値の創造 人財 顧客満足度 ビジネスモデル マーケットニーズ 社会の要請 ストーリー性 垂直連携 材料の革新なくしては本質的なソリューション・魅力ある新製品は生まれてこない 材料の革新なくしては本質的なソリューション・魅力ある新製品は生まれてこない Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 46 Copyright 2012 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved 47
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