血清鉄、鉄結合能、トランスフェリン飽和率、フェリチンレベルの日内変動. JC Dale et al. Am J Clin Pathol 2002;117:802-808 血清鉄レベルは1日を通して変動する。通常、朝のレベルは午後または夕方レベルより高 いとされている。我々は、血清鉄のための採血を朝に限定することが必要かどうかを検討 した。ボランティア20名から、1日目の午前8時、正午、午後4時、2日目の午前8時に血液 を採取して血清鉄、鉄結合能、トランスフェリン飽和率、フェリチンレベルを測定した。 採取時間の平均値の間の統計学的有意差は鉄、鉄結合能と対数変換したフェリチンで観察 されたが、一貫した日内変動は認められなかった。朝の鉄レベルが午後のレベルより高 かったのは被験者の半数だけであった。4つの分析項目すべてにおいて、日間変動と日内 変動は同等であった。我々の結論は、鉄測定のための検体採取を1日のうちの特定の時刻 に限定することは試験結果の信頼性を向上させないということである。 2011年2月9日 大学院博士後期課程1年 藤井嵩子 2010年10月20日のLab Newsで、マウスでは内臓の鉄含量には日内変動があるがヘモグ ロビンとヘマトクリットには日内変動はないという論文を紹介した。今日の論文は、血中 の鉄の指標にはヒトでも日内変動がないことを示している(岡村浩嗣)。
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