Ⅷ 教育機関 日 立 市 教 育 研 究 所 Ⅰ 運営方針 日立市の学校教育の充実・発展に寄与するため、教育課題についての先導的・実践 的な調査研究、教職員の資質向上のための研修、教育相談、教育情報の収集・提供等 を行う。 Ⅱ 重点事項 ○ 学校教育に関する専門的・技術的な事項の調査研究の充実 ○ 教育専門職としての資質向上のための教員研修の充実 ○ 幼児・児童生徒支援のための教育相談の充実 ○ 教育情報の収集・提供の充実 Ⅲ 事業内容 1 調査研究に関する事業 今日的な教育課題に関する調査研究を実施し、学校の教育活動がより円滑に推進できるよ う成果の普及に努める。 ⑴ 教育課題解決のための専門的・技術的な調査研究 ⑵ 児童生徒の学習・生活に関する意識や実態についての調査研究 ⑶ 児童生徒理解のための教育的資料の作成や教育情報の収集と提供 ⑷ 教育課題調査研究会議の設置 ・調査研究員に委嘱した教員による今日的な教育課題についての実態調査 ・本市教育の充実・発展を図る調査研究と報告書による学校や保護者への啓発 2 教職員の研修に関する事業 本市教育の充実・発展をめざして、教育実践上の課題解決のための研修と教育専門職と質・ 職能の向上を図る研修を実施する。 研 修 の 種 類 主 な 研 修 会 ・初任者研修 ・転入教員研修 ・経験年数別教員研修 ・児童生徒理解研修 職層や経験に応じた研修 ・特別支援学級担当者研修 教職員研修 ・特別支援コーディネーター研修 ・新任講師研修 ・授業力向上研修 ・学級経営研修 専門性を高める研修 ・各教科学習指導研修 ・水泳指導研修 ・不登校問題対策研修 ・教育相談研修 ・教育セミナーⅠ,Ⅱ ・幼稚園教育研修 特別研修 ・教育講演会 ・一般教養講演会 ・教師力パワーアップ講座(各種教育課題対応) - 31 - その他 共催研修(市立幼稚園) ・幼稚園学級経営研修 ・幼稚園実技研修 保護者対象研修 ・不登校に関する研修 ・発達障害に関する研修 3 教育相談に関する事業 様々な悩みや心に問題をもつ幼児・児童生徒、保護者及び関係教職員に対する教育相談を 実施するとともに、不登校解消のための児童生徒への支援活動を行う。 ⑴ 教育相談 ア 学校訪問相談 … 市内小中学校に教育相談員が訪問する相談 イ 所内相談 … 研究所内の相談室で教育相談員が対応する相談 ウ 電話相談 … 専用電話で教育相談員が対応する相談 ⑵ 適応指導教室「ちゃれんじくらぶ」の運営 ア 設置目的 … 不登校になっている児童生徒に対して、仲間とのふれあいを通 して自立心や適応力を養い、学校生活への復帰や社会生活への 自立を支援する。 イ 活動内容 … 不登校児童生徒を集団生活へ適応させるため、情緒の安定、基 礎学力の補充を図り、基本的生活習慣の改善等のための相談や 適応指導を行う。 ウ 設置場所 … 教育会館4F エ 開級時間 … 月曜日 午後1:00~午後3:00 火・木・金曜日 午前9:30~午後3:00 ※水曜日閉級(学校ちゃれんじデー) ⑶ 不登校対策支援 ア 体験活動の実施(栽培、製作、調理、野外活動、市内遠足等) イ 保護者への支援(教育相談、家庭訪問、保護者の集い等) ウ 不登校に関する研修会 4 こども発達相談センターに関する事業 発達障害に関わる悩み相談、心理検査、小集団によるスキル指導、医療相談、幼稚園・保 育園への巡回相談、理解啓発のためのリーフレットの配布及び研修会等を実施する。 ⑴ 所内相談 … 研究所内の相談室で教育相談員が対応する面接相談・電話相談 ⑵ 巡回相談 … 保育園・幼稚園に教育相談員が訪問する相談 ⑶ 医療相談 … 研究所内の相談室で小児科・心療内科等の医師が対応する相談 ⑷ 心理検査 … WISC-Ⅲ等の心理検査を実施 ⑸ 小集団指導 … 少人数によるSST(なかよし教室)を実施 ⑹ 各種研修会 … 教諭・保育士・保護者・市民対象の発達障害に関する研修会の実施 5 広報活動 ⑴ 広報紙「りさーち」の発行 ⑵ ホームページによる情報提供 (http://www.city.hitachi.ibaraki.jp/index.html?id=63) 6 刊行物・配布物 ⑴ 調査研究と教育相談活動に関する報告書 ⑵ 教育相談案内ちらし ⑶ 特別支援に関するリーフレット ※心理検査器具、これまでの報告書、参考図書等については、貸し出しも行っておりま すので、お問い合わせください。 - 32 - 日 立 の 教 職 員 研 修 教員に求められる資質能力 あるべき教師像 <教育職員養成審議会答申より> ◆いつの時代にも求められる資質能力<不易の部分> ⑴ 職務の基礎・基本に関するもの ⑵ 教職経験年数に応じて求められるもの ① 教員としての使命感や人権意識 ② 人間の成長・発達についての深い理解 ③ 子どもに対する教育的愛情 ④ 職能に応じた専門的知識・技能 ⑤ 実践的指導力とマネジメント能力 <中央教育審議会答申より> ■教職に対する強い情熱 ・教師の仕事に対する使命感や誇り ・子どもに対する愛情や責任感 ・常に学び続ける向上心 ◆社会の変化に応じて求められる資質能力<流行の部分> ⑴ 社会の変化に対応して求められるもの ⑵ ニーズや習熟度に応じた知識・技能に関するもの ① 社会人としての幅広く豊かな教養 ② 現代的な教育問題に関する専門的知識・技能 ③ 教育メディアの操作・活用等に関する知識・技能 ④ 望ましい人間関係づくり等に関する知識・技能 ⑤ 得意分野を構築できる能力 ■教育の専門家としての確かな力量 ・「教師は授業で勝負する」 ・子ども理解力と指導力 ・学級づくりの力 ・学習指導・授業づくりの力 ・教材解釈の力 ■総合的な人間力 ・豊かな人間性や社会性 ・常識と教養 ・礼儀作法をはじめ対人関係能力 ・コミュニケーション能力 □■ 日立市の教職員研修が目指すもの ■□ ~ 教職員一人一人が主役!~ Ⅰ 教育専門職の実力を備え、信頼される教職員 (専門能力・知識の開発) [Professional] Ⅱ 協調し、協働する教職員 (対人関係能力、協調性、協同性の開発) [Partnership] Ⅲ 学校経営参画意識を持つ教職員 (マネジメント能力の開発) [Management] Ⅳ 創造し、挑戦する教職員 (企画力、実践力、変革能力の開発) [Challenge] Ⅴ 意欲に満ち、活力ある教職員 (機動性、柔軟性、積極性の開発) [Vitality] 教職員研修の充実 ~与えられた研修から求める研修へ~ 校内研修 <校内研修を充実させるための4つの視点> 教職員の資質能力は日々の教育実践を通して習得されるものであり、教職員自らが修練を積 み重ねることにより高まる。その基盤は校内研修であり、組織的・計画的に推進しなければな らない。 ⑴ 外部講師を活用した課題解決のための研修(研修センター指導主事&市教委指導主事等) ⑵ 児童生徒の実態と変容に視点をあてた研修(生徒指導、特別支援教育&発達障害等) ⑶ 教科指導の理論研修と実践研修のバランス ⑷ 計画的な授業研究の実践と研究協議 - 33 - 経験年数に応じた自己研修 <より良い教師生活のために ~採用から退職まで~> 教職員一人ひとりの研修は、個人の生き方の問題でもある。教職員は生涯教育として、常に 研修を続けなければならない。研修意欲の持続のための方策として、次のことが重要になる。 ⑴ 教師生活の節目に、教育実践上の課題への意識づけを自ら行う。 ⑵ 一挙に解決することなく、研修を積み上げていくことを心がける。 ⑶ 学級・学年・教科・校務分掌等の自分の役割からの課題を常に自覚する。 ⑷ 課題についての研修成果を発表できる場を持つ。(実践発表や教育論文のまとめ等) ⑸ 常に、情報収集に心がけ、新しい教育の方向に目を向ける。 1 4段階の経験年数に応じた自己研修の在り方 <経験年数が5年以下> 教師の出発 2 ≪年代課題≫教師としての基礎的基本的な資質・力量を育成する。 『努力目標』職場への適応、学習指導・生徒指導の充実を図る。 【研修課題】教師の心構え、教育への自覚をもつ。 ・教育課題~学習指導、地域理解、人権教育、キャリア教育、学級PTA ・経営課題~教育目標、学級経営、校務分掌、校内文書作成、 ・生徒指導~生活指導、教育相談、生徒理解、道徳指導、集団指導、進路指導、教育評 価 ・人間形成~礼儀、社会人としての常識、教育愛、人間性、人間関係、向上意欲 <経験年数が6年~20年> 資質向上期 3 ≪年代課題≫学校の中堅として活動し、教師として力量を高める。 『努力目標』教科経営・学年経営的視野を広める。 【研修課題】教科指導・生徒指導の深化を図る。 ・教育課題~国際理解教育、特別支援教育、地域との連携、情報管理 ・経営課題~学級・学年経営、教科経営、対外文書作成、コンピュータ等の情報教育の 充実 ・生徒指導~個に応じた指導の充実、生徒指導の協働体制 ・人間形成~教育委員会、関係各機関との対応 <経験年数が21年以上> 資質充実期 4 ≪年代課題≫学年・学校のリーダーとしての自覚をもつ。 『努力目標』教育の本質に立った視野の拡大、指導的役割の自覚、経営の推進を図る。 【研修課題】学校の動向を見つめ、学年経営に努め、学校経営参画意識を高める。 ・教育課題~学年PTAの運営、学校としての教育課題の改善、地域参加の在り方 ・経営課題~各種計画立案と実施、モラールの高揚、学校運営の企画力・調整力、学校 経営的視野 ・生徒指導~生徒指導体制の確立、教員へのアドバイザー、指導のリーダーシップ ・人間形成~職員相互啓発、教育哲学の確立 <40代後半からの研修(学校管理・経営を含む)> 資質円熟期 ≪基本課題≫学校経営に参画する意欲及び学校管理及び責任者としての自覚をもつ。 『努力目標』学校のリーダーとしての役割を自覚し、教育活動に専念するとともに、自 ら学校経営に参画する意欲をもつ。また、教頭・校長はその職務を自覚し、 教育課程の趣旨を生かした学校管理・学校経営に尽力する。 【研修課題】教育理念の確立を図る。学校運営、学校管理の実践を図る。 ・教育課題~教育の実態と教育の動向、教育課程の編成・実施、児童生徒の安心・安全 ・経営課題~特色ある学校経営、学校評価、教員評価、組織作り、教育課程の管理、危 機管理 ・生徒指導~集会等の講話、生徒指導体制確立と総括指導、関係各機関との連絡・調整 ・人間形成~信頼と責任感、広い教養と柔軟性・寛容性、未来を志向する先見性、企画 ・運営能力 - 34 -
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