品種識別のための DNA マーカーの情報収集・開発

第 2 期中期計画期間における重点課題成果報告様式
1
重点課題名
品種識別のための DNA マーカーの情報収集・開発
担当者(協力者)
平成18年度
朝野
尚樹1
平成19年度
朝野
尚樹1
平成20年度
天野
克紀3,杉澤
武3
平成21年度
木村
鉄也3,杉澤
武3,池田
雄介3
平成22年度
池田
雄介3,杉澤
武3,森田
浩二3
(野口
健2,湯原
(木村
清3,八木
雅史4)
鉄也3)
(1 胆振農場,2 八岳農場,3つくば本所,4(独)農研機構
花き研究所,)
目的
栽培試験の効率化の加速及び育成者権の保護、種苗検査の純度検査の効率化
平成 18 年度
1)中課題名
DNA 多型を利用したばれいしょ品種識別
①
SSR マーカーによる国内産ばれいしょの品種識別
小課題名
材料及び方法
材料は国内産ばれいしょのべ 200 品種( 種苗管理センター生産 67 品種, 国内流通 10
品種(品種重複及び異名販売を含む),DNA 凍結保存 80 品種,遺伝資源由来 43 品種)を
供試した。
抽出 DNA をテンプレートとして,9 種類の SSR プライマーペア(M.Ghislain et al.
2004 Theor Appl Genet 108:881-890)をそれぞれ単独で用い PCR を行った。解析し
た SSR 座はそれぞれ独立の染色体上に存在する座で PIC(Polymorphic index content)
の高い方から9選定した(表1 STM0019 は2座を単独で増幅)。得られた増幅産
物(SSR 領域)を DNA シーケンサー 310 Genetic Analyzer(PE-ABI 社)で泳動分画後,
内部標準 DNA マーカー 500LIZ を指標に GeneScan(解析ソフト,PE-ABI 社)で解
析した。各品種,SSR 座毎の数値化された SSR マーカー型をデータベースソフト
に入力し,データベース構築を進めた(図1)。
結果及び考察
同一品種であれば,芽及び葉由来の抽出 DNA を使用しても同一の SSR マーカーパタ
ーンが得られた。
(独)種苗管理センターにおいて生産を行っている品種及び DNA 凍結保存品種につい
ては,5 種類の SSR 座から増幅された SSR マーカー(表1:No.太字)を用いることによ
り,全品種の識別が可能であった。 また, 国内で流通販売されている品種のうち, 食
用として異名販売を行っている品種についても, 品種名を特定することが可能であった
( 後日, 販売者に元品種名を確認)。
しかし,流通品種の内 ‘ アンデス赤 ’‘ ジャガキッズパープル ’ と ‘ タワラヨーデル ’,‘
メイホウ ’ と ‘ タワラムラサキ ’,‘ レッドムーン ’ と ‘ グラウンドペチカ ’ については9
種類の SSR
マーカーを用いても識別不可能であった。これらは原品種とプロトクローン
変異および変異株とされておりマーカー型の区別性が無かったものと推察される。これら
は,塊茎形状及び皮色がかなり異なっており, 形態上の識別は可能であるため, 品種特
性とマーカー型を組み合わせることにより今回供試した全国内流通品種の識別は可能であ
る。
突然変異等の微細な DNA の変化を識別するのは SSR マーカーではほぼ不可能とされ
ており妥当な結果と言える。 この特性により先に育成された品種のマーカー型と比較す
ることによって従属品種の判断が可能である。
遺伝資源由来の在来ばれいしょ品種については, 同一のマーカー型を示す異名同種の
推定が可能となった。また, 在来品種として近年育成された品種が登録されている事例
についても判定が可能となった(例:長崎黄としてセトユタカが登録)。
原原種生産ばれいしょすべての DNA 品種識別が可能となり,SSR マーカーデータベー
スに品種特性を補完することにより, 従属品種の判定も可能となった。また,遺伝資源在
来品種の異名同種の推定及び品種混入の判定が可能となった。
また,場所・人が異なっても同一の結果が得られるよう,「ばれいしょ SSR マーカーデ
ータベース」を補完する、「品種識別用マニュアル」を作成した。
図1
ばれいしょ SSR マーカーデータベース
一部抜粋(FileMarker Pro 版
男爵薯)
平成 19 年度
1)中課題名
DNA 多型を利用したばれいしょ品種識別
①
SSR マーカーによる在来ばれいしょの品種識別
小課題名
材料及び方法
材料として在来ばれいしょ19品種(種苗管理センター八岳農場)を供試した。
抽出 DNA をテンプレートとして,9 種類の SSR プライマーペア(M.Ghislain et al. 2004
Theor Appl Genet 108:881-890)をそれぞれ単独で用い PCR を行った。解析した SSR 座はそ
れぞれ独立の染色体上に存在する座で PIC (Polymorphic index content)の高い方から9選定
した(表1 STM0019 は2座を単独で増幅)。得られた増幅産物(SSR 領域)を DNA シ
ーケンサー 310 Genetic Analyzer (PE-ABI 社)で泳動分画後,内部標準 DNA マーカー
500LIZ を指標に GeneScan(解析ソフト,PE-ABI 社)で解析した。各品種,SSR 座毎の
数値化された SSR マーカー型をデータベースソフトに入力し,データベース拡充を進め
た。
結果及び考察
1)DNA 抽出
改変簡易 CTAB 法及び DNeasy Plant Minikit(QIAGEN 社)により、すべてのサンプルか
ら PCR に必要十分な DNA が抽出され,20ng/μl になるよう適時濃度調整を行った。
2)PCR 反応
PCR については PCR 後のネガティブコントロール全てに DNA のコンタミネーション
は認められなく,ポジティブコントロールとした男爵薯全ての SSR
マーカー型は安定し
ていた。
3)品種識別
各品種の SSR マーカー型について区別性が認められなかった品種は(表1),
「くだりいも」「水窪いも(白)」「昔いも」「清内路白芋」「下栗いも(白皮)」「ふじの
ねがた」「つやいも」「井川在来」「源平いも(白皮)」の9品種は「東祖谷在来(1)」「弘法
薯」(遺伝資源由来)。
「祖谷いも(白皮)」は「岩手 4 号」(遺伝資源由来)。
「源平いも(赤皮)」「落合いも」「下栗いも(赤皮)」の3品種は「東祖谷在来(2)」「金
時薯」「中津川いも」(遺伝資源由来)。
「平谷いも」「清内路黄いも」の2品種は「長崎在来 B」(遺伝資源由来)。
「井川紫」「売木紫」の2品種は「銀山紫」「日高在来」「紫いも」「長崎紫」「中留萌」
(遺伝資源由来)。
以上の品種は異名同種である可能性が示唆された。
「清内路黄いも(1回目)」は「メークイン」と SSR マーカー型において完全に一致し
ていたが,その後の調査で隣の「メークイン」を採取していたとのこと。
水窪いも(赤)」は,異株2反復の SSR マーカー型は9種類中7種類で一致せず,品種
内 DNA 多型が存在するものと推察される。再検を抽出 DNA を用いた PCR から行い同一
サンプルによる SSR マーカー型の安定を確認。SSR マーカー型の完全一致する品種は比
較した 181 品種中には存在せず。1系統は「落合いも」「下栗芋(赤皮)」「源平いも(赤
皮)」の3品種(調査品種)「中津川いも」「金時薯」「東祖谷在来(2)」の3品種(遺伝資
源由来)の計6品種からなるクラスターと非常に近く,遺伝的に近縁であると推察される。
1系統は「くだりいも」
「水窪いも(白)」
「昔いも」
「清内路白芋」
「下栗いも(白皮)」
「ふ
じのねがた」
「つやいも」
「井川在来」
「源平いも(白皮)」の9品種(調査品種)
「弘法薯」
「東祖谷在来(1)」の2品種(遺伝資源由来)の計11品種からなるクラスターと非常
に近く,遺伝的に近縁であると推察される。
表1:在来ばれいしょ19品種の SSR マーカー型(水窪いも(赤)は2系統)
(区別性の認められなかった品種及び遺伝的に近縁と思われる品種を含む)
SSR マーカー型完全一致
品種名
くだりいも
1)
1)
水窪いも(白)
昔いも
1)
清内路白芋
1)
2)
下栗いも(白皮)
2)
ふじのねがた
つやいも
2)
井川在来
2)
2)
源平いも(白皮)
弘法薯
3)
3)
東祖谷在来(2)
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210
147/164
164
143/169
184/192
181/195/236
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
上記グループと遺伝的に近縁と推察された
品種
品種名
1)
水窪いも(赤)-2
SSR マーカー型完全一致
品種名
清内路黄芋
平谷いも
1)
2)
3)
長崎在来 B
190/206/210/236 147/157/164
162/164/200 143/145
184/192/193
181/195/236
190/206/210/236 147/157/164
162/164/200 143/145
184/192/193
181/195/236
190/206/210/236 147/157/164
162/164/200 143/145
184/192/193
181/195/236
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
118/201/210
149/167
158/200
143
184/192/193
181/195
SSR マーカー型完全一致
品種名
落合いも
2)
2)
下栗いも(赤皮)
2)
源平いも(赤皮)
中津川いも
金時薯
3)
3)
3)
東祖谷在来(2)
上記グループと遺伝的に近縁と推察された
品種
品種名
1)
水窪いも(赤)-1
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210
147/167
158/200
143
184/192/193
181/195
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210
149/157/167
200
143/169
184/192
195
118/201/210
149/157/167
200
143/169
184/192
195
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
118/201/210/236 149/157/167
164
143/145
184/192/193
181/195
118/201/210/236 149/157/167
164
143/145
184/192/193
181/195
STM0019 a b
STM2013
STM1106
STM0030
STM1049
STM2022
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
190/206/236
147/159/164
200
145/164/169
184/192
181/195
SSR マーカー型完全一致
品種名
2)
祖谷いも(白皮)
岩手 4 号
3)
SSR マーカー型完全一致
品種名
清内路黄いも
2)
メークイン
SSR マーカー型完全一致
品種名
井川紫
2)
売木紫
2)
銀山紫
3)
日高在来
紫いも
3)
長崎紫
3)
中留萌
3)
3)
1):今回調査を行った品種
2):前回調査を行った品種
3):遺伝資源由来品種
2)中課題名
品種識別用データベースの作成
①
SSR マーカーを用いたカーネーション品種識別予備試験
小課題名
材料及び方法
材料として本所栽培試験課保有のカーネーション 68 品種を供試した。
① SSR マーカーの選択
10 種類の SSR 領域増幅プライマーペア(M.J.M Smulders et al. 2000 Genome43:208-210 ,
M.J.M Smulders et al. 2003 Theor Appl Genet 106:1191-1195)(表1)を選択。
② DNA 抽出方法の確立
市販の DNA 抽出キット(DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen 社))及び簡易 CTAB 法のよる抽出
DNA 確認とコスト比較。
③ DNA 抽出部位の決定
花弁・葉・茎毎に抽出した DNA を鋳型に PCR を行い増幅フラグメントの同一性を確
認。
④ SSR マーカーデータベースの作成
増幅フラグメント長をデータベースソフトに入力し,SSR
マーカーデータベースを作
成。
⑤品種同定
品種同定理論式(鵜飼 2005)は様々な限定条件が存在するが,ホモ型限定である部分
についてヘテロ型に拡張可能であるかの検討を行う。
UPOV においては類似度による判定も報告されており,Allilic phenotype による品種間
の類似度のマトリックスを作成し適用を検討する。
結果及び考察
1):DNA 抽出方法の確立
DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen 社)及び簡易 CTAB 法による DNA 抽出の検討を行った結
果,同等の結果が得られた。労力・時間に関しては DNesay が簡易短時間であるが,コス
トについてはキット約 ¥500,簡易 CTAB
法約 ¥90
であり,多検体を扱う場合には簡易
CTAB 法を用いることにより大幅なコスト低減が可能である。
2):DNA 抽出部位の決定
今回用いた品種に関し,同一品種であれば,花弁・葉・茎からの抽出 DNA を使用して
も同一の SSR マーカーパターンが得られた。このため簡便に DNA が抽出可能である葉
を抽出部位として選択。
3):SSR マーカーデータベースの作成
今回用いた 68 品種について SSR マーカーデータベースを作成した結果,原品種とその
枝変わり品種を除いた 58 品種の識別が可能であった。
4):品種同定理論の適用
SSR マーカーデータを元に推定 2 倍体(全てのローカスにおいて推定対立遺伝子の数が
2を超えない 63 品種)については対立遺伝子頻度を元にした品種同定理論の適用を試みた
結果,4 マーカーについてヘテロ型の対立遺伝子頻度による計算に拡張することにより適
用が可能。(識別不可能品種有り)(適用は鵜飼氏に確認済み)(表2)
Allelic phenotype を用いた Jaccard 係数は全品種に適用が可能であり、一致した Allele の
数により百分率として類似度が算出されるが,100%一致以外の品種に関しての同一性・
近縁性判定についてはさらなる検討が必要と推察される(表3)。
表1:SSR 領域増幅プライマーペア
N o.
SSR Marker
Repeat
Primer sequences(5'-3') foward (上段)-reverse (下段)
Annealing
Quality
Temperature(℃)
1
MS-DCAMCRBSY
(CAA)17
5'-CAA CAA TGA CAA CAA CAT CAG-3'
55 ℃
2
60 ℃
2
50 ℃
1
55 ℃
1
55 ℃
2
55 ℃
2
55 ℃
1
55 ℃
1
55 ℃
1
55 ℃
1
5'-TCT TCG ATT GTT GAA GCT AAG-3'
2
MS-DCDIA30
(TA)7-1
5'-CAC TGA CGA CAC AGC TGA TGT-3'
5'-ACT CGT CCA AAC ACA AAC GAC-3'
3
MS-DINCARACC
(TA)8
5'-GGT CTT AAT CTT TGT CAC TTT-3'
5'-ACC CAT CAA AGT ACT CCA AAT-3'
4
MS-DINMADSBOX
(TA)7
5'-ACG AGT GTC CAG GAT CG-3'
5'-CCC CTA TTG CAA ACT GC-3'
5
DCA221
(CT)35-1
5'-CAA CTG GTA TTG AGA AGT GTT G-3'
5'-AAC CTT GAA ATG GAT TTG G-3'
6
DCB109
(GT)24-1
5'-ATA ATT CAC TTA ACG GAA GGC-3'
5'-AAT TAA GGT CCA CTA CAT CCC-3'
7
DCD010
(CTT)24-2
5'-GCA TTC GTT TTT CCT TCT ACT-3'
5'-AAC AAC GTT CAG ACA ACC TAA-3'
8
DCD224
(CTT)10
5'-CGT CAC AAG CTC TAA ATC TTT-3'
5'-AAC CAA AAA CCC TTC TAA CAC-3'
9
DCE218
(T)67-11
5'-TTT CAT AGG AGA CTA ACA TAA ATC C-3'
5'-GGG TGA AAT TTA GGT AGA AA-3'
10
DCF115
(A)56-10
5'-TTT ACG AAC AAA CGA TCA TTT-3'
5'-CCT AAT CAA CAA CAA GTT TCT ATG-3'
No.1 ~ No.4 Quality 1,strong amplification ,no or weak stutter bands: 2,also,but relatively strong stutter bands
No.5 ~ No.10 Quality 1,No or weak stutter pesks,well scorable: 2,stutter peaks present, but product still scorable
表2:品種同定理論の適用
Locus
MS-DINCARACC
Allele
Allele_Frequenc
195
223
0.00794
0.16667
225
231
0.21429 0.61111
y
Locus
DCA221
Allele
Allele_Frequenc
125
142
0.15079
0.05556
144
153
155
157
159
161
163
0.00794 0.23016
0.15079
0.01587
0.01587
0.23016
0.14286
120
122
124
0.00794 0.51587
0.19048
0.05556
y
Locus
DCB109
Allele
Allele_Frequenc
103
111
0.00794
0.22222
112
y
Locus
DCF115
Allele
Allele_Frequenc
148
154
164
0.01587
0.69841
0.28571
y
対象品種と同じマーカー型の Allele_Frequency の幾何平
例
品種数 n=63
品種 A
locus
Allele
locus 数 k=4
均を p0 とすると
Allele_Frequency
p0=0.02731
MS-DINCARACC 195/231
0.00485
対象品種に対し、比較品種中に1品種以上の同一マーカ
DCA221
125/157
0.00239
ー型が偶然存在する確率を P1 とすると
DCB109
120/122
0.09826
P1=1-(1-p0k)n
DCF115
154/154
0.48778
P1=0.003505%
表3:Jaccard 係数による類似度の判定(一部抜粋)
Variety
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
Jxy
PKART
INGUGARETT
41%
HYBIS
43%
40%
PRADO
48%
53%
41%
ARISETTA
57%
65%
36%
48%
HILLROITES
30%
36%
28%
32%
45%
INGUGARETTEORENGE
41%
100%
40%
53%
65%
36%
EROUMOON
59%
50%
45%
50%
60%
48%
50%
WESTPRETTY
39%
50%
26%
50%
61%
48%
50%
48%
ZYAKOBIN
48%
44%
40%
53%
40%
20%
44%
43%
29%
INGUGARETTEYELLOW
41%
100%
40%
53%
65%
36%
100%
50%
50%
44%
NEWTEMPO
50%
65%
36%
63%
67%
33%
65%
45%
45%
56%
65%
FELIX
38%
65%
36%
63%
58%
45%
65%
52%
53%
40%
65%
58%
HILLBAROS
48%
44%
40%
53%
33%
20%
44%
36%
23%
53%
44%
47%
40%
HILLTESSHIN
30%
36%
28%
32%
45%
100%
36%
48%
48%
20%
36%
33%
45%
2)中課題名
品種識別用データベースの作成
②
DNA データベースからの SSR マーカー検索
小課題名
20%
材料及び方法
NBCI GenBank に登録されている Dianthus EST 387 配列を用いた。
第 114
回農林交流センターワークショップにて配布を受けたプログラミング言語 perl
にて記述された「multifasta2seq_win」及び「srchssr_win」を用いて FASTA
形式にてダウ
ンロードしたファイルより SSR 領域を検索,「primer3」を用いて SSR 領域を挟み込むよ
うにプライマーを設計し EST 由来の SSR マーカーを作成した。
結果及び考察
NCBI GenBank に登録されていた Dianthus 由来の EST 387 配列(2006.11 月現在)より
SSR 領域の検索を行った結果31配列に SSR 領域が発見され、内19配列についてプラ
イマーの設計が可能であった(表1)。
反復数の多い10マーカーについて,カーネーション DNA データベース予備試験で用
いた DNA による増幅及び多型の確認を行った結果8マーカーにおいて多型の確認がされ
た。
対象となる作物について DNA 塩基配列データの登録が多ければ大量のマーカーの検索
も可能であることが確認された。
連鎖地図の作成は当センターでは不可能であるため,花き研究所八木研究員にマーカー
情報を提供し,マッピングを行っていただいた。
結果,19 マーカー中4マーカーがマッピングされ,
DCEST-1 →連鎖群5
DCEST-4 → 3
DCEST-15,16 → 1
これらの連鎖群には現在使用しているマーカーもマッピングされているため,今後多型
性等の比較を行い,選抜する必要がある。
表1:EST-SSR マーカー
SSR マーカー
SSR モチーフ
DCEST-01
(ga)3a(ag)7
DCEST-02
(tgt)7
DCEST-03
(ac)3aaattgcg(ac)4
DCEST-04
(tat)4
DCEST-05
(taa)4
DCEST-06
(caa)4
DCEST-07
(cca)4
DCEST-08
(gga)4
DCEST-09
(tat)4
DCEST-10
(tca)3(tct)3
DCEST-11
(ac)3aaattgcg(ac)3
DCEST-12
(gt)3cgcaatt(tg)3
DCEST-13
(gt)3cgcaatt(tg)3
DCEST-14
(gt)3cgcaatt(tg)3
DCEST-15
(ta)3tcatatca(ta)3
DCEST-16
(ag)3aatgt(ga)3
DCEST-17
(att)3(ta)3
DCEST-18
(ta)3(aat)3
DCEST-19
(gt)3tgcaatt(tg)3
平成 20 年度
1)中課題名
①
小課題名
カーネーションの SSR マーカーの開発及び品種識別
材料及び方法
カーネーション品種 ‘ フランセスコ ’ 及び ‘ バーバラ ’ から、濃縮ゲノミックライブラリー法により
SSR クローンを抽出した。次に、 ABIPRISM 377DNA シーケンサー( ABI 社)を用いて塩基配列
を決定し、 OLIGO ver.6.0 (Molecular Biology Insight 社)を用いて、 SSR 領域を挟み込むように
プライマーを設計した。
カーネーション 41 品種を供試し、 DNeasy Plant Mini Kit (Qiagen 社)を用いて全ゲノム DNA
を抽出した。次に、片方のプライマーの 5‘ 末に蛍光ラベルして PCR を行い、 ABIPRISM
3100
DNA シーケンサー( ABI 社)で分画した。内部標準の蛍光ラベル DNA マーカー HD400ROX
( ABI 社)を指標に、 GENESCAN 解析ソフト( ABI 社)を用いて解析した。
結果及び考察
615 個のコロニーから 141 個のポジティブクローンを選抜した。このうち、7回以上の SSR 配
列が認められた 62 個のクローンを得た。この配列をもとに、 13 種類の SSR プライマーを設計し
た。これら 13 種類全てのプライマーにおいて、 ‘ フランセスコ ’ 及び ‘ バーバラ ’ 由来である目
的の DNA 断片長の増幅が確認でき、 13 種類の SSR マーカーを開発できた。
13 種類の SSR マーカーのうち、 10 種類の SSR マーカーでは、増幅されたバンドが2つ以下
であり単一遺伝子座由来と推定された。これらの SSR マーカーにおいて、各 SSR 遺伝子座の
対立遺伝子数は 1 ~9(平均 3.2 )本であり、ヘテロ接合度の観察値は0~ 0.59 (平均 0.30 )で
あった。 13 種類の SSR マーカーにおいて、品種識別能力(PD)は0~ 0.93 (平均 0.34 )であっ
た( Table 1)。
13 種類の SSR マーカーから得られた 32 種類の推定対立遺伝子及び 15 種類の多型バンド
を用いることで、 ‘ ウイリアムシム ’ の枝変わり品種である ‘ ユーコンシム ’ 及び ‘ ホワイトシム ’ を
除く全ての品種を識別することができた。
平成 21 年度
1)中課題名
品種識別データベースの作成と拡充
①
SSR マーカーによるなしデータベースの作成
小課題名
材料及び方法
農林水産省が品種登録ホームページ(http://www.hinsyu.maff.go.jp/)で公開している「SSR
マーカーによるニホンナシの品種識別技術」及び「DNA 分析による製茶品種の識別」に
従った。
(1)ニホンナシの解析には,(独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所から入手
した 27 品種を用い,各々の葉から DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen 社)を用いてゲノミック
DNA を抽出した。これらを鋳型に,作成した 17 種類の SSR プライマーを用いて PCR し
た。増幅産物は 310 型 DNA シーケンサー(ABI 社)で分画した。内部標準の蛍光ラベル DNA
マーカー(LIZ500,ABI 社)を指標に,GeneMapper 解析ソフト(ABI 社)を用いて解析した。
(2)ニホンナシ ‘ 豊水 ’ と ‘ あきづき ’ の葉及び果実(皮)から Genomic-tip 20/G と G2 バ
ッファーを用いて,ゲノミック DNA を抽出した。これらを鋳型に,上記同様に解析し,
葉と果実(皮)で同じ遺伝子型が得られるか確認した。
(3)茶品種 ‘ はるもえぎ ’ の材料は,宮崎県総合農業試験場及び(独)農業・食品産業技
術総合研究機構野菜茶業研究所から入手し,葉から DNeasy Plant Mini Kit (Qiagen 社)を用
いてゲノミック DNA を抽出した。これら鋳型を 6 種類のプライマーと 7 種類の制限酵素
で反応・処理した。制限酵素で消化された DNA 断片を 2%アガロースゲルで電気泳動・
分画後,エチジウムブロマイドで染色し,UV 照射下で写真撮影後分析した。
結果及び考察
(1)17 種類の SSR マーカーを用い,ニホンナシ 27 品種を解析した結果,65 種類の推定
対立遺伝子が得られた。これらを用いることで,突然変異品種を除くすべての品種の識別
が可能であった。次に得られた遺伝子型からニホンナシ 27 品種の DNA データベースを
作成した(表1)。作成したデータベースを農林水産省が公開している品種登録ホームペ
ージ中の「SSR マーカーによるニホンナシの品種識別技術」の表2「ニホンナシ 13 品種,
17SSR マーカーの遺伝子型」と比較した。SSR マーカー(BGT23b,NH004a,NH005b,
NH007b, NH009b,NH011b,NH025a,NB141b)の種類によっては約 1bp の長さの差が認
められたが,一般にポリマーや解析環境の違いによって生じることが報告されており,そ
れらに起因した誤差であった。作成したニホンナシのデータベースは品種判別に有効であ
ると考えられた。なお,SSR マーカー NH014a については,SSR 断片と異なるバンドも検
出されており,解析上熟練を要するため,利用に当たっては今後注意が必要である。
(2)‘ 豊水 ’ と ‘ あきづき ’ の果実(皮)からも DNA 抽出は可能であった。また,葉から
得られたゲノミック DNA と同じ遺伝子型が得られ,果実(皮)からも SSR 分析が可能で
あることがわかった。
(3)茶品種 ‘ はるもえぎ ’ の解析では,宮崎県総合農業試験場及び(独)農業・食品産業
技術総合研究機構野菜茶業研究所から材料を入手したが,両研究機関の「はるもえぎ」は
同じ遺伝子型を示した。今後,「茶品種のデータベース」に「はるもえぎ」の遺伝子型を
追加する。
表1. ニホンナシ27品種, 17SSRマーカーの遺伝子型
No. primer name
BGT23b KA14 NH004a NH005b
1
196/225 185/185 81/117 346/350
豊水
2
196/225 185/185 81/117 331/350
あきあかり
3
196/225 185/185 103/117 346/350
あきづき
4
196/206 185/185 81/111 350/350
愛宕
5
196/225 185/185 81/111 331/350
石井早生
6
196/229 185/185 103/117 331/331
王秋
7
196/225 185/185 111/117 331/331
晩三吉
8
196/225 185/185 103/117 331/350
おさゴールド
9
225/225 185/185 81/103 331/346
なつしずく
10 菊水
213/225 185/185 81/117 331/346
11 雲井
196/225 185/185 81/111 350/350
12 幸水
225/225 185/185 81/103 331/346
13 ゴールド二十世紀 196/225 185/185 103/117 331/350
14 秀玉
213/225 185/185 103/117 331/346
15 秋麗
225/225 185/185 81/103 331/346
16 新興
196/196 185/185 117/117 350/350
17 新水
213/225 185/185 81/81 346/350
18 新星
196/225 185/185 81/117 331/350
19 翠星
225/225 185/185 81/117 331/346
20 筑水
225/225 185/185 81/81 331/350
21 長十郎
196/206 185/185 103/111 331/350
22 南水
206/225 185/185 81/117 331/350
23 新高
196/206 185/185 103/117 331/350
24 二十世紀
196/225 185/185 103/117 331/350
25 八幸
225/225 185/185 81/117 331/346
26 豊月
225/225 185/185 117/117 331/331
27 八里
225/225 185/185 81/117 331/331
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
primer name
NB135a
154/154
豊水
154/154
あきあかり
154/154
あきづき
154/154
愛宕
154/154
石井早生
154/154
王秋
154/154
晩三吉
154/154
おさゴールド
154/154
なつしずく
154/154
菊水
154/154
雲井
154/154
幸水
ゴールド二十世紀 154/154
154/154
秀玉
154/154
秋麗
154/154
新興
154/154
新水
154/154
新星
154/154
翠星
154/154
筑水
154/154
長十郎
154/154
南水
154/154
新高
154/154
二十世紀
154/154
八幸
154/154
豊月
154/154
八里
NH007b
154/154
145/154
154/154
125/154
125/154
141/154
145/154
125/154
154/154
125/125
125/154
125/154
125/154
125/154
154/154
125/154
125/143
125/154
125/154
154/154
125/154
143/145
125/145
125/154
154/154
125/154
154/154
NH009b
164/164
164/164
164/164
160/164
164/164
145/164
145/160
164/164
164/164
164/164
164/164
164/164
164/164
164/164
164/164
160/164
145/164
164/164
164/164
164/164
164/164
164/164
151/164
164/164
164/164
145/164
164/164
NH011b NH014a NB114a
187/187 71/88 128/130
187/187 71/77 128/130
187/187 88/98 128/128
179/189 71/71 128/128
189/243 71/88 124/128
187/243 79/98 124/128
189/189 67/79 128/132
179/187 98/98 124/128
187/187 71/88 124/124
187/189 98/98 124/128
187/243 77/88 124/128
179/187 71/98 128/130
179/187 98/98 124/128
179/187 71/98 124/128
187/187 88/98 124/128
179/189 71/98 124/128
187/187 79/98 124/130
187/189 71/98 124/128
187/187 77/98 124/124
187/187 71/88 124/128
179/187 71/88 128/130
187/187 71/98 128/130
187/189 71/88 128/130
179/187 98/98 124/128
179/187 71/98 124/128
187/189 67/98 124/132
179/189 71/98 124/128
NB141b NB103a NH025a NH029a NH039a NH204a NH207a
130/130 81/81
82/98
81/81 118/129 127/137 164/164
130/130 81/81
98/98
81/81 118/118 125/127 164/164
130/130 81/81
98/98
81/81 118/118 125/127 164/164
130/134 81/95
76/82
81/89 118/129 127/137 162/162
130/134 95/97
82/94
79/81 118/129 127/127 164/164
130/134 81/95
94/98
81/81 118/122 125/125 164/164
128/149 95/97
82/94
79/89 118/118 125/127 164/170
130/134 81/81
68/98
81/81 118/118 125/137 164/164
130/130 81/81
68/94
81/81 118/129 127/137 164/164
128/130 81/81
80/80
81/81 118/118 125/127 164/164
130/130 81/95
82/94
79/81 118/129 127/127 164/164
130/130 81/81
68/98
81/81 118/118 125/127 164/164
130/134 81/81
68/98
81/81 118/118 125/137 164/164
128/130 81/81
68/98
81/81 118/118 125/127 164/164
130/130 81/81
82/98
81/81 118/129 125/137 164/166
128/134 81/95
82/98
81/89 118/128 125/125 162/164
130/149 81/99
68/98
79/81 118/118 125/127 164/166
128/134 81/81
94/98
81/89 118/128 125/127 164/166
128/130 81/81
94/98
81/81 118/118 125/127 164/166
128/130 81/81
82/94
81/81 118/129 137/137 164/166
130/134 81/95
76/94
81/81 118/118 127/137 162/164
130/130 81/95
76/98
81/81 118/118 125/137 164/170
130/130 81/95
76/82
81/89 118/128 125/137 164/170
130/134 81/81
68/98
81/81 118/118 125/137 164/164
128/130 81/81
94/98
81/81 118/118 125/137 164/166
128/130 81/97
82/98
79/81 118/118 125/125 164/170
130/130 81/81
68/94
81/81 118/118 125/137 164/166
平成 22 年度
1)中課題名
品種識別データベースの作成と拡充
①
各種作物の DNA マーカーに関する情報収集
小課題名
材料及び方法
農林水産省のプロジェクト研究「食品・農産物の表示の信頼性確保と機能性解析のため
の基盤技術の開発」等で開発された DNA 品種識別技術を情報収集した。ホームページに
掲載する情報は、各開発機関の了解で得られた「DNA 品種識別技術開発状況シート」を
基に種苗管理センターのホームページ(http://www.ncss.go.jp/)に「植物の DNA 分析によ
る品種識別情報(通称品種識別の窓)」を作成した。
なお、これまで公開してきた「DNA 分析提供機関情報」、
「DNA 分析キットの情報」、
「DNA
品種識別技術の妥当性確認のためのガイドライン」及び「登録品種等の標本・DNA 保存
情報」を「品種識別の窓」に移動し、新たに「品種保護 G メンの DNA 分析」を追加した。
結果及び考察
DNA 品種識別技術に関する情報を掲載したホームページを作成したことで、植物新品
種の育成者や利用者は育成者権侵害に対抗できる最新の技術情報を収集することが容易に
なった。
また、「DNA 分析提供機関情報」等 DNA 品種識別に関わる様々な情報を掲載したこと
で、育成者等の DNA 品種識別に対する理解を助ける内容になったと考えられる。
具体的なデータは「植物の DNA 分析による品種識別情報」
(http://www.ncss.go.jp/main/DNA/DNAinfonew.html)を参照。
2
業務への具体的利用状況
これまでに取り組んできた DNA 品種識別技術の開発等の情報をホームページで公開す
ることで、育成者権者等に侵害対策のための情報を提供している。
今後、ホームページを定期的に更新することにより、常に有用な情報を提供し続けるこ
とができる。
参考文献
M.Ghislain et al.2004 Theor Appl Genet 108:881-890
M.J.M Smulders et al. 2000 Genome 43:208-210
M.J.M Smulders et al. 2003 Theor Appl Genet 106:1191-1195
・Kimura T, Yagi M, Nishitani C, Onozaki T, Ban Y and Yamamoto T, Development of SSR
Markers in Carnation (Dianthus caryophyllus). J. Japan. Soc. Hort. Sci. 78 (1): 115?123.
2009.
・独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所、独立行政法人種苗管理セ
ンター:SSR マーカーによるニホンナシの DNA 品種識別技術
(http://www.hinsyu.maff.go.jp/)