循環器内科 不整脈によっても 目の見えにくさが生じる 循環器内科医員 小正 晃裕 不整脈が原因となることもある 目が見えにくいという症状は心臓の疾患によってもあらわれます。この場合の見えにくさは、 視力の低下ではなく、目の前が真っ暗になって一時的に意識が遠のく、眼前暗黒感といわ れるもの。脳への血流が不足して起こるめまいの一種です。この眼前暗黒感が生じる病気 の代表が不整脈です。不整脈とは、心臓の筋肉を動かす機能に異常をきたし、心臓のリズ ムが変則的になることで脈拍に異常が生じる病気です。 頻脈性不整脈は動悸や胸の不快感などの随伴症状により自覚できることも多いです。一 方、徐脈性不整脈はなかなか自覚しにくいのですが、めまいやふらつきなどを自覚したり、徐 脈の期間が長くなると、体を動かすときに息切れがするなど、全身倦怠感があらわれることが 目安になります。 脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因にも 不整脈の原因は、先天的な心臓病や過去に発症した心筋梗塞、ほかに高血圧や慢性 閉塞性肺疾患、甲状腺の異常、加齢やストレス、睡眠不足によっても発症します。そのた め原疾患の治療はもちろんのこと、体調管理にも注意が必要です。 不整脈は放置すると心臓が弱って突然停止する恐れがあるほか、心房細動(不規則な 脈)状態が続くと、心臓のなかに血液が滞留して血栓ができ、脳梗塞を引き起こす原因に もなります。動悸や息切れ、体がだるいなどの症状があるので、その際、自分で脈を測ってお かしいと感じたら(安静時の正常な脈拍の目安は 60~100 回/分)、医療機関に受診 してください。 不整脈の検査では、身体診察に加えて心電図検査を行ないますが、一度の検査で発見 は困難です。そこで、ホルター心電図検査(小さな心電計を一日中体につけ変化を調べる) や運動負荷心エコー検査(運動によって不整脈が出るか調べる)、電気生理学的検査 (電極のついたカテーテルで心臓の反応を調べる)などを行ない、不整脈の有無や重症度 を調べます。 当病院では、当科の医師監修によって開発された最高水準の検査機器を用い、心臓検 査に積極的に取り組んでおり、こうした院内環境の充実が心臓疾患の早期発見、早期治 療につながるものと考えます。心臓は生命を維持するための要となる臓器です。心臓の健康 を守るために、不安をお持ちの場合は、ぜひ早めに医師にご相談ください。 <目が見えにくい・循環器内科でわかるおもな病気> 頻脈性不整脈 徐脈性不整脈
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