遠隔授業を可能にする通信機器の活用

遠隔授業を可能にする通信機器の活用
学校 LAN 環境内にある PC 間では通信が可能
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はじめに
学校 PC:ホスト
本校に在籍する児童生徒は,学校に登校し授業を受ける登校クラス,病棟内で授業を受ける病棟クラスからなる。
各教室 PC
各病棟 PC
校内有線LAN
学習活動や行事等を含む活動全般に同時中継,双方向通信システムを使い,学校の様子を病棟に画像送信したり,
無線 LAN
チャットで文字通信を行うなどし,情報の共有化や学習内容を膨らませることで学習の充実を図っている。
アクセスポイント
現在,通信の機能,使いやすさ,メンテナンス等を考慮し,主に,[i Chat(アイチャット)]双方向通信システ
IP アドレス
ムを活用している。今回は,実際に学校現場で使う場面を想定し, OS:Macintosh-ichat(アイチャット)の双方
学校サーバー
向通信について紹介したい。
OS:Macintosh
2
Windows
ねらい
① 学校と病棟とを結び,情報の共有,学習内容の充実を図る。
※校内も ipad の環境づくりに伴い、無線 LAN 環境になった。
(H24~)
② 遠隔にいても,少集団の学習活動が展開できるようにする。
双方向通信の説明
③ 自立・HR・総合・行事など幅広い場面での活用を通して,関わり(友だちの顔,会話)をもたせる。
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システムについて
課題:今後、地デジ化に対応したシステムに
(1) 仕組み
同時中継
家庭で TV 視聴するイメージです。
どう移行していくか?
学校(ホスト)の画像(3本ケーブル:赤・黄・白)を変換して TV ケーブル線で教室,
OS
Macintosh(マッキントッシュ)
ソフト
Mac ソフト( i‐Chat)
回線
・1対3(Bonjour:校内 LAN のみ)
病棟等に配信する。但し,学校からの1方向のみの通信になる。
・AIM を有料で使うと LAN 外(校外)でも使用可
各病棟」アクセスポイントへ
通話
3軸ケーブル
インターネット(IP アドレス)
利用
・文字チャットの場合、複数通信も可能
・ichat は,MacPC 内に常駐のテレビ会議システムで,初期設定しておけ
ば,簡単に操作ができやすい。トラブル時もチェック箇所がわかりやす
TV ケーブル
い。
(現在:3チャンネル)
※チャンネル周波数を設定し受信
変換機
学校内ポイントへ
必要
※アナログに変換し
機器
TV 受信する。
MacBook
双方向システム
操作
PC,Web カメラ,スピーカーを使い,テレビ会議を行う。
:Mac(ichat)
-IP の利用
別
説明
紙
参
照
① HR 内での活用(学校 HR-病棟)
必要に応じて文字チャットを使い学校-病棟間の双方向通信が可能になる。
(※インターネット回線を利用:病棟内はアクセスポイントを利用し無線 LAN)
スピーカー
有線・無線 LAN 環境:インターネットを介して通信
※1:DVD ビデオカメラに使用されるケーブル(赤・白・黄)
※2:TV からアンテナチャックにつなぐケーブル
Web カメラ
活用
②
学部活動(総合学習の発表会など)
方法
③
教科指導(音楽)
④
行事(入学式,卒業式,始・終業式,文化祭,生徒会活動など
(2)双方向通信機器の使用方法及び管理について(ichat:12 台)
本校には,ichat のできる PC が 12 台あり,3 グループ(野球・バスケット・サッカー)に区分し利用して
(3) 同時中継・双方向通信の変遷
いる。
◇1 利用方法
平成 17 年以前は,病棟-学校間を有線(100m)または八木アンテナを使い通信を行っていました。平成
17 年 7 月以降は,移転に伴ない,無線 LAN(アクセスポイント)やケーブルの配線(変換機)の設置で中
継システムが充実しました。
学校側で設定された PC(パソコン)
:ホスト
野球(ホスト)
バスケット(ホス
サッカー(ホスト)
チャトラン・同時中継
スカイプ・同時中継
i チャット/同時中継
Windows2000・XP 以降
Macintosh の導入
ト)
Windows95~2000
※1 同時中継については,平成23年7月の地デジに伴い,現在調整中
野球2
野球3
野球 4
バスケ2 バスケ3 バスケ4
サッカー2
サッカー3
※2 PC のバージョンアップや OS の関係で,使用できるテレビ会議システムソフト等の対応が急がれて
サッカ
きた。
病棟や保健室など端末側として設定された PC(パソコン)
ー4
また,活用する環境確保(多容量のデータ送受信:画像や音声)が求められ,現在は,同時中継と
基本的に,ホストに決めた PC を学校側で利用し,病棟には各ブループの2~4の PC をクライアント(端
末)に使います。常に,学校 PC(ホスト)から画像チャットの送信を受けます。文字チャットについては,
学校(PC)
,病棟 PC(端末)どちらからでも送信ができます。また、病棟間でも同様に通信はできます。
※学校 PC をホストにする理由:ホストを決めることにより画像の切り替えが混乱しない。
双方向通信を合わせ活用することで対応している。
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活用の様子
病棟内学習の友だちとテレビ会議システムを使い,話し合い活動をしています。学級活動や教科学
習に,また,文化祭,始業式といった学校行事にも活用しています。
◇2 利用および管理
教科学習(HR 病棟内,音楽、始業式)で
双方向通信で病棟の友だちと合同授業をしています。
①
職員室掲示板に
利用希望予定を記入す
②PC 機器管理ケースグ
ループ別に整理
③ケース扉には,グループ
が表示されている。
る。
生徒会執行部
文化祭の話し合い
プロムの話し合い
同時中継と双方向通信で話し合いをしています。
④ケース内には,充電され
た PC を持ち出す。
⑥使用後は,ケース内に充
⑤利用の際,キャーリング
電ケーブルに繋げ納め
バッグに入れ持ち出しす
る。
る。
活用例(ichat)
Web カメラからの画像+チャットによる通信(1対1)
お互いの PC 画面に表示される映像
Ⅰ図
画像や音声での通信
Ⅱ図
チャットでの文字通信
チャット通信の際、
表示される画像
PC 画面上には,音声+画像または,
チャット+画像で通信ができる。
双方向通信をしている
複数の文字チャット
PC 画面には,Ⅰ図のような
Ⅱ図には,文字チャットウィンドが5つ表示される。
3画像が表示される。
※音声も使えるが,回線を増やすとノイズになり易
い。
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成 果
・病棟内授業の学習,教育内容をふくらませることができた。
・1対1授業形態から集団(異集団)の学習が展開できた。
・双方向,中継からの友だちの動き・音声にも反応を示し,興味関心が高まるとともに
教員の働きかけも増えた。
・学校-病棟間での利用に止まらず,時には病棟間でも活用され今後も幅広い活用が考
えられる。
・リアルタイムの活動ができ,情報の共有化が実現できる。
・病棟内学習の児童生徒に対して最新の情報やDV情報を提供することで,新たな体験
をすることができる。
・HR,自立,総合的な学習の時間,そして行事など多目的に活用でき,友だち同士のつ
Web カメラからの画像+チャットによる通信(1対3)複数
ながりが膨らんだ。