サリドマイド電話モニタリング協力依頼書

サリドマイド電話モニタリング協力依頼書
サリドマイド電話モニタリング
サリドマイドの
家庭での安全な使用の確認に
ご協力をお願いします
サリドマイド安全性確認センターからお電話いたします
電話するのは、次の 2 回です
①サリドマイドの服用を始めるとき(約 20 分)
②サリドマイドの服用が終了したとき(約 20 分)
お聞きする内容は、主に 2 点です
①ご自宅でのサリドマイドの管理
②避妊について(必要な方のみ)
サリドマイドを服用する患者さまへ
サリドマイド安全性確認センター代表
久保田 潔
*1
NPO 日本医薬品安全性研究ユニット 理事長
RHC USA Corporation 代表取締役 Yong Sa Lim
*1日本医薬品安全性研究ユニットは東京大学医学部薬剤疫学講座 助教授久保田潔ほか、医学部の教官が運営する医薬品の安
全性を向上させることを目的とする特定非営利活動法人(NPO)です。
○ 1950 年代後半から 60 年代前半にかけて、妊娠初期にサリドマイドを服
用された妊婦の方から手足が短いなどの子供が多数産まれ、
サリドマイドは
全世界で製造中止となりました。
最近になりサリドマイドは多発性骨髄腫な
どに対する有効性が明らかになり、再び使用されるようになりましたが、サ
リドマイドの悲劇を繰り返してはなりません。新たな被害が起これば、サリ
ドマイドは再び使用できなくなるかもしれません。
○ 被害を防ぐには、
・妊娠可能な女性患者:サリドマイド服用中は妊娠しない
避妊の徹底
・男性患者:パートナーを妊娠させない
・他の人にサリドマイドを飲ませない/触れさせない
管理の徹底
ことが必要です。
○ 避妊や家庭での管理が十分でなかったために事故がおこれば、ご家族・ご本
人が払わなければならない代償の大きさは計り知れません。
○ 「サリドマイド電話モニタリング」は、患者さまにサリドマイドの家庭での
安全管理が確実に実施されていることを確認させていただくものです。
○ 電話での確認後に「モニタリング実施証」をお送りします。
○ お伺いした内容に関しては、秘密を厳守します。
○ 強制ではありません。内容を十分納得した上、同意書に署名をお願いします。
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サリドマイド電話モニタリング協力依頼書
<サリドマイド電話モニタリングの概要>
Ⅰ. 電話モニタリングの目的
① サリドマイドを使用するご本人にご自宅でのサリドマイドの管理状況
や避妊などを確認し、サリドマイドによる事故(胎児への被害など)
の防止に役立てることを目的とします。
② 日本で患者さまに対する電話モニタリングが受け入れられるか、また
事故の防止に役立つかを探り、日本に適した安全管理プログラムは何かを
考える上で必要な事柄を明らかにすることを目的とします。
<米国などサリドマイドが既に承認されている国々の「S.T.E.P.S.(ステップス)」
(次ページ右下参照)と呼ばれる安全管理プログラムでは、患者さまの安全管理
状況を管理センターが直接モニターしています。>
Ⅱ.電話モニタリングを実施する者
RHC USA Corporation*2 と共同で日本医薬品安全性研究ユニット(サ
リドマイド安全性確認センター)*1 が実施します。
*1前ページの説明をご覧下さい。*2 RHC USA Corporation(http://www.rhc-net.com/) は、国内国公立大学病院など
1200 以上の医療機関、医師のみなさまのサリドマイドを中心とした国内未承認医薬品輸入をサポートしております。
Ⅲ.対象となる方
サリドマイドを自宅で服用する方が対象です(入院中の方は対象外です)。
Ⅳ.電話モニタリングの方法
ご自宅で患者さまご本人にお答えいただきます(体調不良などでご本人さ
まが回答出来ない場合は、代理の方にお答えいただくことも可能です)。
モニタリングは、サリドマイド服用開始時と終了時の 2 回行われます。
1 回の電話モニタリングにかかる時間は平均で約 20 分ですが、それより
長くかかる場合もあります。途中ご気分がすぐれないときなど、一旦中断す
ることも可能です。
Ⅴ.質問内容
性別、生年月日、診断名は RHC USA Corporation を通し*3、サリドマイド安全性確認
センターに報告されます
①治療開始時
・ 医師や薬剤師から受けた説明と同意について
− 妊娠検査と避妊の必要性
− 胎児に奇形を起こす作用(催奇形性)
− そのほかの副作用
・ ご家庭での管理と記録について
− 薬剤管理責任者のお名前
− 服薬記録簿への記入について
*3
RHC USA Corporation からサリドマイド安全性確認センターへ報告される情報は、個人情報保護法や関連ガイドラインを
遵守するなどプライバシー保護には万全を期し厳重に管理されます。いただいた情報は、本目的以外に使用したり、第三
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者に提供される事はありません。公表する場合には、匿名化され、あなた様と特定されることはありません。
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②治療終了(中止)後
・ 避妊の実施や妊娠の有無について
・ 服薬の記録について
・ 残薬の返却について
・ 薬の効果について
・ 治療中に起きた副作用について
Ⅵ.モニタリングへの参加のお願いと説明
1) このモニタリングへの参加は、強制的なものではありません。あなた様
のご協力の意思を確認した上で行われます。協力をお断りになっても、
あなた様に不都合となることは一切ありません。また、いったんお引き
受けされた後であっても、理由のいかんに関わらず、いつでもご協力を
お断りいただくことができます。
2) お答え下さいました内容は厳重に管理し、あなた様のお名前や個人的な
情報が外部に漏れることは一切ありません。
3) 今後のよりよい治療とサリドマイド管理のあり方を検討するため、あな
た様の承諾のもとに、主治医に回答内容を送ることが重要と考えていま
す。回答内容を主治医に送ってもよいかを同意書にご記入下さい。
4) ご回答を元に検討し、検討結果を公表して今後の日本におけるよりよい
サリドマイド管理のあり方を考える上での参考にしたいと考えています。
< S.T.E.P.S.(世界標準のサリドマイド管理プログラム)>
(System for Thalidomide Education and Prescribing Safety)
FDA はアメリカでサリドマイドを許可した時に、製薬企業(セルジ
ーン社)に対し「S.T.E.P.S.」という管理プログラムの実施を求めま
した。S.T.E.P.S.では以下の 3 点を実施することを、サリドマイド服
用開始と継続の条件としています。
① サリドマイド使用者全員を登録し、一元管理する。
② 医師・薬剤師は、処方ごとに患者と処方内容をセルジーン社に
報告する。
③ サリドマイド使用患者は、定期的に電話で避妊などの状況を直
接報告する。
この S.T.E.P.S.はアメリカだけではなく、サリドマイドが承認されて
いるオーストラリア、ニュージーランドなどでも実施されています。
ヨーロッパでは、サリドマイドの承認 申請のための準備とし て
S.T.E.P.S.と同様の安全管理プログラムの導入が検討されています。
このように、S.T.E.P.S.はサリドマイドの安全管理のための世界標準
のプログラムになりつつあります。
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Q. 男性も避妊が必要なのでしょうか?
A. はい、必要です。
ウサギを使った動物実験でも人間でも、服用したサリドマイドが精液の中
にも存在することが明らかになっています。
また、サリドマイドを長期間投与された雄ウサギと交配した雌から生まれた
赤ちゃんウサギに、異常が認められたとの報告があります。
精液中のサリドマイドの影響はヒトでは明らかではありませんが、可能性は
否定できないため十分配慮する必要があります。
<電話モニタリングのイメージ図>
サリドマイドによる治療
服用開始
服用終了
自宅でのサリドマイドの管理
避妊
きちんと管理されて
いますか?
服用開始時
モニタリング
服用終了時
モニタリング
サリドマイド安全性確認センター
サリドマイド安全性確認センターとは?
サリドマイド安全性確認センターは、医薬品の安全性向上のための事業を
製薬企業から独立して実施するために東京大学医学部の教員により設立された
「NPO 日本医薬品安全性研究ユニット」内に置かれています。
調査についての問い合わせ先
サリドマイド安全性確認センター
担当:渡邉、岡部
〒113-0034 東京都文京区湯島 1-2-13-4F
NPO 日本医薬品安全性研究ユニット内
TEL: 03-5297-7375 FAX:03-5297-5890
(業務時間:月∼金、10 時∼17 時)
ホームページ http://www.dsrujp.org/
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