特集 3 使い方と インストール 方法を解説 主要ウイルス対策 ソフト 種 4 VG A ! t s a v a mAV a l C T O F-PR 不要と思われがちな Linux のウイルス対 策。だが、知らぬ間にウイルスの送り手に なっているとも限らない。万が一に備え て、自分のパソコンを定期的にチェック する環境は整えておくべきだ。フリーのウ イルス対策ソフトであっても、製品版と 同じエンジンや定義ファイルを使ってい るため、最新のウイルスを検知できる。ま ずは主要 4 ソフトの一つでもパソコンに インストールしておこう。 (加藤 康信) Nikkei Linux 2010.6 69 主な機能 USBメモリー フリー ファイルの リアルタイム・ スキャン コピー 送受信 メールの リアルタイム・ スキャン 送受信 製品版 別モジュール が必要 ランドのFrisk Software International 社が開発した「F-PROT Antivirus for 一部製品のみ 標準実装 Linux Workstations」がある。 このうちClamAVを除く3 つには製 品版もある。フリーは、家庭での非商 T AR ST 14:00 新種 15:00 新種 スキャンの 定期実行 チェック 更新 ・・・ 定義 定義ファイル ファイル の自動更新 用に限って利用できる。検知できるウ 主にカーネルの 機能を利用 イルスの数や種類は、フリーと製品版 で違いはない。 国内で AVG Anti-Virusの販売を手 主にカーネルの 機能を利用 掛けるコージェンメディア営業企画部マ ネージャーの石川諭氏は、 「検索エンジ ンと定義ファイルはいずれも、有償で GUIの実装 ? サポート ベンダー ? ? 一部製品のみ 標準実装 ベンダーの サポート 提供しているWindows 版と同じものを 実装している」と話す。 フリーが製品版と異なるのは、手動 検索機能以上の機能を持たないことに ある(図1) 。 例えば、USBメモリーからファイルを ユーザー 図1 ウイルス対策ソフトのフリーと製品版の違い コピーしたり、Webサイトからファイル をダウンロードしたりする場合、製品版 Windowsをターゲットにしたウイル リーを通じて被害が拡大してしまうの であればダウンロードしたファイルをリ スは日々発生している。ウイルスの定 を防ぐ手立ては必要だろう。まずはフ アルタイムにスキャンできる。フリーで 義ファイルは、数十分から2 時間といっ リーのウイルス対策ソフトを導入し、自 も別のモジュールを追加して実現でき た非常に短いサイクルで更新されてい 分のパソコンが安全であることを確認 るソフトがあるが、基本的にリアルタイ るほどだ。 しておきたい。 ム・スキャンはできない。送受信メール 短時間に発生するとはいえ、これら のリアルタイム・スキャンも同じだ。 のウイルスが Linuxに被害をもたらす 製品版と同じエンジンを実装 スキャンを定期的に実行したり、定 ことはない。だが、インターネットや外 今回は、パソコンのウイルス対策を目 義ファイルを定期的に更新したりする 部メモリーが普及し、Windowsとデー 的として手軽に導入できるフリーのウ 機能も持たない。ほとんどのソフトは、 タをやり取りする機会は増えている。 イルス対策ソフトを取り上げる。 カーネルが持つジョブ管理機能のcron ウイルスに感染したファイルを受け取 主なフリーソフトとしては、チェコ共 を活用して、スケジュールを手動で登 るリスクは、確実に高まっている。知 和国のALWIL Software a.s. 社が開発 録する方法で対応している。 らない間にウイルス感染したファイルを した「avast! Linux Home Edition」 、オ 当然だがメーカーのサポートは受けら メールに添付し、Windows ユーザーに ランダのAVG Technologies, N.V. 社が れない。ベンダー各社はユーザー同士 送信してしまう可能性は高い。 開発した「AVG Anti-Virus Free Editi がサポートし合うコミュニティ・サイトを 自分のパソコンに被害をもたらすこ on 8 . 5 for Linux」 、オープンソースの 開設している。使い方や設定で分から とはなくても、ネットワークや外部メモ 「ClamAntiVirus(ClamAV) 」 、アイル ないことがあれば、コミュニティ・サイト 70 2010.6 Nikkei Linux
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