吉屋 敬 プロフィール 1965 年にオランダにやってきて以来、2010 年現在までの約 45 年間、オランダをホームベース として日本よりもはるかに長い年月を住み続け、画家、作家、エッセイスト、ゴッホ研究家、 ジャーナリストとして多方面にわたって活動している丌思議な日本人、それが吉屋 敬です。 どれが本業ですか? という問いに対して彼女はいつも、 「どれもが本業です。どの分野ででも 手抜きをしたことは一度もありません。ゴッホは私よりはるかに丌器用な人間だったかも知れ ませんが、彼に対してあなたは人間ですか? それとも男ですか? それとも画家ですか? と 聞くのと同じくらい、それは的外れの質問だと思っています。芸術の分野はどれもみな交差し ています。私の中では描くことも書くことも一つのルーツなのです。現にゴッホもそれと意識 はしませんでしたが、彼の右に出る作家はいないほどの素晴らしい手紙文学を残したではあり ませんか。でもどうしても一つだけと問われるなら『それは間違いなく画業です』 」と答えま す。 吉屋 敬 の制作作品は、彼女の仕事そのもののように多様多彩で、かつ微妙に変化し続けてい きます。紙にペンや色鉛筆、水彩やグワッシュなどを併用したグラフィックで抽象的な作品、 キャンバスに油彩、アクリル絵の具を使用して描いた現代的でありながらヨーロッパの中世や ルネサンスを彷彿とさせる半具象のタブロー作品群、さらに石版画も、かつては石や印刷機を 自分で持ち、扱っていて、研磨から印刷までを全てこなしていたプロ中のプロです。今はその 余りにも激しい重労働に体力が追いつかず、スイスの石版画印刷工房に通って制作することに しています。吉屋 敬 の作品はいずれもモデルなしの幻想から生まれる世界です。一時期のシ ュールレアリズム的な作風も含め、彼女の描く世界は夢か現実か、はたまた現実か夢か、双方 が複雑微妙に入り組んで独特の雰囲気と美的効果を生みだしています。しかし構図、色調、表 現技法などは、時とともに絶えず変化し続けて、他に類を見ない作風を創り出しています。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 年代略歴 : 1945 1963-65 1965-66 1966-70 1973 1974~ 1984-87 1989 1989 1989 1989 横浜市生まれ 文化学院でグラフィック・デザインを専攻 オランダ・ハーグ市の『王立美術アカデミー』に留学 オランダ・ハーグ市の『フリー・アカデミー』に移籍して勉学 故ユリアナ前女王の戴冠 25 周年記念特別肖像画展に唯一の日本人画家として招 待され、同女王の肖像画を二点制作、出展 オランダ各地で個展、グループ展、招待展参加等、数多くの展覧会活動を積極的 に行う 東京・銀座 『フジヰ画廊アートサロン』で毎年個展を開催 オランダ南部のアルセン城での「日蘭現代美術展」に招待、出展 東京の『西武デパート画廊』 、 『宮坂画廊』 、 『川上画廊』 、そして岡山の『天満屋 デパート画廊』で夫々個展を開催 佐倉市立市民音楽ホールで『吉屋 敬の夢現(むげん)世界特別展』を開催 (佐倉市 及び佐倉日蘭協会の主催) 処女作エッセイ集『楡の木の下で』の出版記念挿絵展 (銀座 『ラ・ポーラ画廊』) 1 吉屋 敬 プロフィール 1993 1998 2000 2001 2001 2004 2004 2005 2005 2006 2007 2007 2008 2008 2009 2009 2009 東京・銀座、 『和光ホール画廊』で個展(第一回目) 東京・銀座、 『和光ホール画廊』で個展 (第二回目) アムステルフェーン市と在蘭日本大使館共催による「アートの源泉=詩」特別展 開催(日蘭交流 400 周年記念行事で、詩人大岡信の英訳詩を絵画にイメージ化し た作品展 1880 年代からの歴史を誇る在アムステルダム・オランダ芸術家協会『Arti et Amicitiae(アルティ・エ・アミシティエ) 』の正会員に、日本人芸術家として初 めて推挙。新会員展に出品 神戸の『神戸ネザーランズ・センター』で「アートの源泉 = 詩 展」開催 スイスのハンケ・リト印刷工房で二十年ぶりにリトグラフ制作を再開 オランダ北東部にあって、ゴッホとも所縁のあるニゥ・アムステルダムの『ファ ン・ストリーン画廊』で個展 デルフト市『バブス・フォスカイル画廊』の「現代版画家展」に招待出品 東京・銀座『和光ホール画廊』で個展(第三回目) デルフト市『バブス・フォスカイル画廊』で個展 ドイツ系保険会社「Alliantz」社社屋での「具象画家グループ展」に招待出品 ゴッホと縁の深いニュネン市の『ボナール画廊』主催三人展に招待され、出品 デルフト郊外の『バブス・フォスカイル自邸画廊』で開催された「アート・マニ フェステーション」に招待され、出品 ニュネン市『ボナール画廊』主催の特別グループ展に招待され、出品 『ボナール画廊』の主宰する、オランダ南部で開かれたアートフェア―に出品 デルフト郊外の『バブス・フォスカイル自邸画廊』で開催された「アート・マニ フェステーション」に招待され、出品 アムステルダム旧市街中心地の『ヘールフィンク・ヒンローペン・ハイス美術館』 で 9 月 6 日より 10 月半ばまで特別個展開催 吉屋 敬 の絵画作品コレクション: * * * * * * * ハーグ市立美術館 佐倉市立美術館 佐倉市立音楽ホール 在蘭アムステルダム日本人学校 在蘭ロッテルダム日本人学校 鎌倉市立吉屋信子記念館 その他個人コレクター多数 著書並びに著作活動: * * * * * 「楡の木の下でーオランダで思うこと」 「母の秘蔵の絵」 「みずうみの家」 「ネーデルラント絵画を読む」 「青空の憂鬱 = ゴッホの全足跡を辿る旅」 (1990 年、未来社) (1992 年、未来社) (1994 年、毎日新聞社) (1997 年、未来社) (2005 年、評論社) 2 吉屋 敬 プロフィール * その他、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞、神奈川新聞などの新聞や各種雑誌、 ウェブ・マガジン『スパツィオ』への寄稿記事、そしてエッセイ記事など多数 日蘭文化交流ボランティア―活動: * 毎年オランダの学生一名乃至は二名を過去約 20 年にわたり受け入れている島根県斐川町 の文化交流留学制度のイニシエーター。『ライデン大学』、『エラスムス大学』と協力しなが らのオランダ側コーディネーター役を果たす (このプログラムは斐川町の都合で、2010 年 現在中断中) * オランダの国際的に有名な靴のデザイナー、ヤン・ヤンセンは、2005 年に毎日新聞社主催 で巡回展覧会を日本で開催したが、その実現のための重要な橋渡しを行った * 日蘭通商 400 周年記念行事の最後のイベントとして、京都・桜間流能楽の 2009 年末公演実 現を目指し、蘭日協会の「通商 400 周年記念行事実行委員会」委員としてコーディネート した 以上 制作中の 吉屋 敬 (荒牧万佐行氏撮影) 3
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