教員用ツールダウンロード - 第3回 全国小学校ラジオ体操コンクール

オ体 操 で 、運 動 効 果 を
ジ
ラ
アッ
い
し
プ
正
楽しく上 達
!
正しい ラジオ体操
が
私たち す
しま
お教え
多胡 肇
先生
岡本 美佳
先生
ラジオ体操は、いつでも、どこでもできる身近な体操で、体力アップや筋力が付くだけでなく、姿勢や
リズム感も良くなる効果もあります。しかし、1つひとつの体操を見てみると正しくできていないこと
が多くあります。
本ツールは、児童用ツールを使用する際の指導のポイントや効果的な練習方法などを、体操ごとに分か
りやすく解説しています。正しく体を動かすと、運動効果がますます高くなりますので、ぜひとも子ども
たちにラジオ体操を教える際の参考にしていただければと思います。
伸びの運動
全身の筋肉を伸ばし、ラジオ体操の各運動を行いやすくする最初の運動。
伸びの運動をすることで、体と脳の働きを活性化します。
狙 い
基礎編
児童用教材の指導ポイント
うん どう
「のび」の運動
うえ
した
伸びをした時に「天と地から
ひ
上と下から、
たがいに引っぱられているように、
ぜんしん
身を伸ばす」
ことがポイント。
イメージで指導して
ちから
かる
手は軽くにぎり、うでの力はぬいて、
ください。
と
こきゅうを止めないようにすると、
うま
上手くできるよ。
ゆびさき
指先がのびたり、
かかとが上がると
ここが
ポイント
あ
どうして
の?
ダメな
×
みみ
よこ
うでは、かたはばのまま、耳の横まで
あ
あ
まっすぐ上げ、かかとは上げないように。
応用
編
効果的な練習方法
指先を伸ばすと、どうしてダメ?
指先を伸ばすと力みが入り、筋肉が伸びにくく
なってしまいます。手を軽く握り、腕を前から上
に引き上げましょう。
子どもの“やる気”を引き出すために
ペアになって
向かい合って練習を!
「まねっこ遊び」
で、
子どもたちが楽しく
できるように!
一人ひとり練習させるのではなく、ペア
になって練習することも効果的です。
向かい あってペアで練 習する
自分ではできているつもりでも、
できて
ことは、子どもたちにとっては
ない子どももいます。ペアで練習させ
「まねっこ遊び」
と同じ。いろいろ
ることで友達がちゃんとできているの
なポ ーズを真 似させることで
かをチェックさせましょう。
楽しませ、ラジオ体操の動きに
つなげてみましょう。
後ろから友達の頭に手を置いて、
体全体がしっかり伸びていることを
実感させましょう!
この体操がうまくできると、
背が伸びる手助けになることを
伝えましょう。
練習している子どもの後ろに、もう一
人を立たせ、頭に手を置かせます。
ラジオ体操を行うことで、ふだん縮みやすい
ことで、
しっかりと伸びができるように
この運動が上手くできるようになると背が
この時、かかとは付けたまま、地面を強
伝え、
やる気を喚起しましょう。
筋肉が伸びるため、姿勢が良くなります。
その手を押し上げるように練習する
伸びる手助けになることを子どもたちに
なります。
く踏んで、
さらに上へ伸びさせましょう。
1
!
Check
緩んだゴムを伸ばすような
おお
全身を大きくのばしましょう。
て
互いに引っ張られるように全
腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
腕と脚を曲げ伸ばして全身の血行を良くする運動です。
ふくらはぎを中心に脚の筋肉を鍛えます。
狙 い
基礎編
児童用教材の指導ポイント
うでをふって
あしを曲げのばす運動
ま
この運動を正しく行うためのポイントは「かかと」
うん どう
よこ
の使い方。始めのポーズで、
かかとを上げておくの
がポイント。ついつい腕の振りを意識しすぎてか
ま
うでを横にふりながら、あしを曲げたり、
かとを上げることを忘れる子どもがいますので、
最初のポーズをしっかりとチェックしてください。
のばしたりします。
とお
うでは、遠くまでのばすようなイメージで、
!
Check
おお
大きくふりましょう。
ここが
ポイント
かかとが
下についたままでは
した
ま
×
り
しっか う!
よ
つけ
とき
あしを曲げたり、
のばしたりする時に、
あ
お
かかとの上げ下ろしをしましょう。
応用
編
動作中は、かかとの上下運動を続けることで、
効果的な運動となります。
効果的な練習方法
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
脚の運動だけを練習
腕を振り上げた時に、
さらに先のモノを
つかむイメージで!
腕を振ることと、脚の曲げ伸ばしを
同時に練習するとうまくできない
子どももいます。
腕を振った時に、
しっかり伸びて
こんな時は、両手を腰に、かかとを
いないとNG。腕を遠くへ伸ばす
付けてつま先立ちにさせて、脚の
ように練習させてください。
運動だけを練習させてください。
体の前で腕を交差させる時は、
なるべく深く!
ペアになって、
腕の上がりすぎを
チェック!
腕の交差が浅く、
こぶしが内側をむいてい
ると、腕の振りが小さくなり、筋肉が正しく
使われません。
ペアの子どもが肩の高さより、
子どもの“やる気”を引き出すために
少し上に手を伸ばして、練習し
ている子どもの横に立ちます。
その腕に当たらないように、
この運動は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるので、
手 が 上 がりす ぎ な い ように
しっかりマスターすると、かけっこが速くなる
地面を蹴る力が強くなります。
腕の振りを練習させることで、
ことを子どもたちに伝えることも効果的です。
チェックすることができます。
2
腕を回す運動
腕、肩の筋肉を伸ばし、肩関節の柔軟性を高める運動です。
肩がスムーズに動くようになります。
狙 い
基礎編
まわ
児童用教材の指導ポイント
うん どう
うでを回す運動
て
あたま
うえ
大きく円を描くように、肩を中心に腕を回すこと
が、
この運動のポイント。正しい姿勢で、腕をしっ
かり伸ばすように指導しましょう。
こう
手を頭の上で交ささせて、
おお
体が前かがみになって、腕のひじが曲がってしま
まわ
うでを大きく回しましょう!
ちゅうしん
おお
うと、腕の動きも小さくなり効果的な運動になり
えん
ません。背筋とひじをしっかりと伸ばして、肩を中
かたを中心にして、大きく円をかくように、
心に大きく回すように指導することで、肩の関節
まわ
うでを回すといいよ。
からだ
や筋肉が十分に使われます。
まえ
体が前に
曲がってしまうと
ま
まえ
からだ
まえ
×
どうして
の?
ダメな
ここが
ポイント
前かがみだと、体の前で
まわ
腕を回す時にかかとを上げると力みが入り、
動きが小さくなって姿勢が崩れます。腕と肩の
運動ですので、
かかとをつけて運動しましょう。
うでを回すため、
おお
まわ
大きく回すことができないよ。
応用
編
かかとを上げて腕を回すと、
どうしてダメ?
効果的な練習方法
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
ペアになった友達の腕の間を
通るように腕を回します。
つねに力を入れるのではなく、
入れるところと抜くところの
メリハリを!
ペ アになり、練 習して いる子ども の 隣に立って 、子どもに向
かって前へ倣えの姿勢をさせます。
腕を大きく回すために、
ずっと力を
正しくできる子どもは、その腕にぶつかることなく回せます。
入れてしまう子どももいますが、
腕がぶつかってしまう
力の入れ方にメリハリをつける
子どもは、正しい軌道
ことが大切なポイント。
を通っていません。横
を見ながら腕の間を通
!
Check
すように意識して練習
させましょう。
子どもの“やる気”を引き出すために
ボールがうまく
投げられるようになる。
腕を振り上 げるときには、力を
しっかり入れて、大きく、力強く!
この体操は、肩の可動域が大きくなるため、
腕を下ろすときには、
力を抜いて、
ボールをうまく投げられるようになることを
腕の重さで下りてくるイメージで
子どもたちにアピールしましょう。
行うように指導してください。
3
胸を反らす運動
狙 い
胸を大きく広げ、呼吸器官の働きを高める運動です。
胸まわりの筋肉を伸ばすことで、正しい姿勢を作ります。
基礎編
児童用教材の指導ポイント
そ
うん どう
腕を斜め上に振り上げた時がポイント。
むねを反らす運動
うえ
この時、腕をしっかり伸ばして、胸を
突き出すようにするのが正しい運動です。
あ
うでをななめ上までふり上げて、
そ
指先が伸び、手の平を上に向
うんどう
むねを反らせる運動です。
とき すこ
うえ
けて 、やや後ろに引いている
み
この時、少しだけ上を見ましょう。
か、
チェックしてください。
顔が上を向きすぎたり、腰を突
だ
むねをつき出すように!
うえ
む
上を向きすぎたり、
おなかが前に出てしまうと
まえ
で
ゆびさき
×
うでは指先までしっかりとのばして、
おお
そ
むねを大きく反らせましょう。
応用
編
き出したりしていてはNGです。
ここが
ポイント
効果的な練習方法
どうして
の?
ダメな
上を向いて胸を反らすと、
どうしてダメ?
胸を反らす時に顔が上を向いてしまうと、伸ば
せる筋肉も伸びなくなります。上を向くほど首
を後ろに曲げないようにしましょう。
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
肩甲骨の動きをチェックして、
正しくできるように!
胸の筋肉がしっかり伸びているかで、
手の正しい位置を実感。
ペアになっている子どもを練習している子どもの後ろに立た
せ、両方の手で肩甲骨を触らせます。
この状態で胸を反らして息
を吸い込むと、肩甲骨がキュッと内側に寄るのが分かります。
片 方 の 腕 を 振り上 げ た 状 態
で、もう片方の手で自分の胸
の筋肉を触ります。
手の平を上に向けると、筋肉
が伸びていることが実感でき
ます。
この状態が正しい腕の位置で
あることを、子どもたちに教え
てください。
!
Check
子どもの“やる気”を引き出すために
長い時間でも正しい姿勢で
いられるようになる。
胸の筋肉を鍛えることができるため、長時間
座っていても、
ずっと正しい姿勢を保つこと
これが正しい運動になりますので、肩甲骨の動きを意識しなら、
胸を反らせるように指導してください。
ができるようになります。
4
!
Check
体を横に曲げる運動
背骨の可動域を広げ、姿勢を良くする運動です。
ふだんあまり使わない脇腹の筋肉を伸ばします。
狙 い
基礎編
よこ
からだ
ま
児童用教材の指導ポイント
うん どう
体を横に曲げる運動
体が先に曲がり、あとから腕が
!
Check
ついてくる子どももいます。
からだ
よこ
ま
よこ
腕 を 素 早く振り上 げ 、頭 を
にく
体を横に曲げて、むねの横のきん肉を
一緒に曲げるように指導して
うんどう
よくのばす運動です。
いき
ください。
ま
息をはきながら、やわらかく曲げましょう。
ふか
ま
深く曲げすぎて、
こしが横に動くと
よこ
ふか
うご
ま
ここが
ポイント
×
どうして
の?
ダメな
深く曲げすぎると、
よこ
こしが横にずれてしまいます。
うご
こしを動かさないように
応用
編
腰が横に動くと、どうしてダメ?
しましょう。
体全体で横に深く曲げようとすると、脇腹の筋
肉を伸ばすことができません。腰から下を固定
し、胸の横から曲げるようにしましょう。
効果的な練習方法
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
3人チームとなって、
体が真横に曲がっているかをチェック。
脇腹の筋肉が
しっかり伸びていることを
意識させながら運動を。
体が真横に曲がっているかを
チェックする練習方法です。
!
Check
脇腹の筋肉は、普段の生活では最も使わない
練習する子どもの横に、一人
筋肉の1つです。
ずつ立ちます。それぞれが練
それだけに、脇の筋肉がしっかり伸びているこ
習する子どもに向かって前へ
とを意識しながら練習させると、
さらに効果的
倣えを。彼らの腕に手が当たら
になり、姿勢も良くなります。
ないように体を横に曲げます。
「曲げる」と「倒す」は違います。
腰を後ろから
押さえてもらい、
横に動かないよう
にして練習を!
体を横に曲げた時に、写真のように体を
「倒す」子どももいます。
「曲げる」
と
「倒す」が違うことを、子どもたちにしっかりと教えてく
ださい。
曲げる
体を曲げた時に、腰が横に動
かないようにするために、練
習している子どもの後ろに立
ち、腰をしっかりと押さえて
固定します。
5
倒す
体を前後に曲げる運動
腹筋や背筋を伸ばし、腰への負担を軽減する運動です。
体の柔軟性を高めて、身のこなしを良くします。
狙 い
基礎編
児童用教材の指導ポイント
からだ
ぜん
ご
体を前後に曲げる運動
りょうて
からだ
て
ひら
Check
体を後ろに反らす時、両
手は腰の横ではなく、腰
の後ろに当てて、押し出
うし
両手をこしにあてて、ゆっくりと体を後ろに
そ
!
うん どう
ま
だ
反らせます。手の平で、こしをおし出すよう
にく
すように 体 を 反ら せ ま
す。
この時、
ひざを曲げな
いように注意しましょう。
にして、おなかからむねのきん肉を
のばしましょう。
ここが
ポイント
て
手がこしの
横にあっては
よこ
て
うし
どうして
の?
ダメな
×
からだ
そ
とき
手はこしの後ろに。体を反らす時に、
両手で腰の後ろを押すことで、お腹の筋肉が
よく伸びます。腰の横では伸ばすことができ
ません。
ま
ひざを曲げないようにしてね。
応用
編
効果的な練習方法
両手が腰の横では、
どうしてダメ?
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
ペアで背中合わせに立って、
股の間から目と目が合うように練習!
体を前に曲げる時、
力まずに、上半身の
力を抜いて!
前に体を曲げる時に、
しっかり
曲がっているかを確認する練
体を曲げる時、一生懸命曲げようと、
習方法です。
ついつい力んでしまう子どももいま
ペアで背中合わせに立って、
す。
の時股の間から目を合わせる
をつけるように。
同時に体を前に曲げます。こ
上半身の力を抜き、体の重みで弾み
ようにします。
背中や腰の筋肉が気持ちよく伸びる
体を前に曲げる時、
「曲げる」と「倒す」は違います。
さらにできる子どもは、背中を反らせる
時にも目を合わせましょう。
体を前に曲げる時も、
「 曲げる」の
少し間を空けて立ち、背中合
ではなく、写真のように「倒す」子
わせのまま、体を反らせてみ
ましょう。
どももいます。
が合うまで反るように練習さ
ないので注意してください。
倒すだけでは、正しい運動になら
この 状 態でお互 い の 目と目
せてください。
6
!
Check
体をねじる運動
背骨の動きを柔軟にして、姿勢を良くする運動です。
胴体の筋肉を動かして、内臓を刺激し働きを良くします。
狙 い
基礎編
からだ
児童用教材の指導ポイント
うん どう
体をねじる運動
うえ
大きくねじる時に、体が後ろに倒れてしまうと、正
しく体をねじることができません。
おお
体の軸を安定させ、腕の振りを利用してお腹から
ななめ上に、うでを大きくふりながら、
からだ
ねじるようなイメージで運動するように指導して
うんどう
体をねじる運動です。
て
さき
み
うご
手の先をしっかり見て、あしは動かさない
どうして
の?
ダメな
たいじゅう
片方のあしに体重が
かかっていると
×
ここが
ポイント
からだ
体をまっすぐにして、
あ
かかとは上げないでね。
応用
編
なく、両脚に均等にかかるのが正しい
姿勢です。
ようにしましょう。
かたほう
ください。体重が片脚にかかるのでは
効果的な練習方法
!
Check
片方の脚に体重が
かかっていると、
どうしてダメ?
重 心 が 片 方 の 脚にかかると姿 勢
が崩れて、正しくねじることができ
ません。
重心は両脚に均等にかけましょう。
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
ペアで背中合わせに立って、
体をねじった時に目と目が合うように。
「でんでん太鼓」のように、
両腕が体に巻き付くイメージで!
少し離れて背中合わせで立ち
腕を軽く振る時は、力を入れるのでは
ます。
この状態で同時に体をね
なく、
「でんでん太鼓」のように、自然に
じって、お互いの目と目が合う
両腕が体に巻き付くようなイメージで。
ように練習させてください。
顔もしっかりと後ろを向くよう
この時に、下半身は
しっかりと固定。
に指導してください。
子どもの“やる気”を引き出すために
体をねじる時に脚や腰が動いてしまう
と正しい運動になりません。下半身は
体をねじるたびに、指でグー・チョキ・
パーを出して楽しく練習。
しっかりと固定して、動かさないように
体をねじる時に下を向いてしま
う子どももいます。
こんな時は
!
Check
練習する子どもの後ろに立ち、
体をねじるたびに、指でグー・
チョキ・パーのいずれかを出し、
当てさせるクイズ形式にするこ
とで、楽しく練習できます。
7
固定
指導してください。
腕を上下に伸ばす運動
狙 い
体を緊張させながら、腕を上下に曲げ伸ばしすることで、
瞬発力をつけたり、全身の筋肉を強化します。
基礎編
児童用教材の指導ポイント
じょうげ
うん どう
うでを上下にのばす運動
をしっかり伸ばし、かかと
は高く上げます。一呼間ず
うえ
うでを上にのばして、
ことがポイントです。
ゆびさき
この時、指先はしっかりとのばします。
げんき
うご
すばやく元気に動きましょう。
うでが 開いて
しまうと
幅が広がりすぎないよう
に注意してください。
×
うえ
腕に力が入らなかったり、
逆に力を入れすぎて腕の
ここが
ポイント
ひら
とき
うでを上にのばす時は、
ちから
い
しっかりと力を入れましょう。
応用
編
効果的な練習方法
子どもの“やる気”を引き出すために
脇を締めて、手が体の近くを
通るように素早い動きを
身につける!
スピードを競うゲームにすれば、
楽しく練習できます。
素早い動きができるか、
スピード
始めのポーズから、腕を素早く肩に持っ
を競うゲームにすると、子どもた
この時には、脇を締めて、手が体の近く
楽しく練習することができます。
ちのやる気を引き出しながら、
てくる、
素早い動きがポイントです。
を通るように練習してください。
脇が大きく開いてしまったり、脇を締めすぎて手の動きが悪くな
らないように注意してください。
!
Check
!
Check
すばやく動けるようになり、
とっさの時にも、さっと手が出ます。
体を素早く動かす運動ですから、転んだ時などにも、
さっと手が出せるようになります。
危険回避能力が高まることを
子どもたちにアピールしてください。
脇が大きく開いている
脇を締めすぎている
8
!
Check
つ力強くきびきびと動く
あ
かかとをしっかりと上げましょう。
とき
両腕を伸ばす時は、指先
体を斜め下に曲げ、胸を反らす運動
狙 い
胴体全体の筋肉を総合的に動かしたり、脚の裏側を伸ばす運動。
腰や背骨を柔軟にするとともに、呼吸器官の働きを高めます。
基礎編
からだ
した
ま
体をななめ下に曲げ、
むねを反らす運動
そ
うん どう
うし
ひ
ななめを向いて、
むねを反らせては
そ
からだ
した
ま
!
Check
の時に、膝が曲がっていると、
ここが
ポイント
×
胸や腰、脚の裏側などを十分
に伸ばすことができません。
どうして
の?
ダメな
あと
体をななめ下に曲げた後、
しょうめん
斜めを向いて胸を
反らせては、どうしてダメ?
正面を向いて背中の肩甲骨を内側に寄せるこ
とで胸郭を正しく押し広げることができます。
斜めを向くと姿勢が崩れるので注意しましょう。
正面でかっこよくむねを
そ
反らせましょう。
応用
編
いで、そのまま斜めを向いた
るように指導してください。
こ
いき
この時、大きく息をすいましょう。
む
曲げた後、正面に体を向けな
りと正面を向いて胸を反らせ
そ
むねを反らせます。
おお
一番多いNGは、体を斜め下に
まま胸を反らせること。
しっか
うでをななめ後ろに引いて、
とき
児童用教材の指導ポイント
効果的な練習方法
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
正面を向いて胸を反らせるために、
ペアで向かい合って練習を!
体を斜め下に曲げる時には、
上半身に力が入らないように!
胸を反らす時に、ちゃんと正面を向いているかをチェックする
体を斜め下に曲げる時は、力を入れるのでは
練習方法です。
なく、上半身の重みで弾みをつけます。
を反った時に、お互いの正面で腕を開いているかを確認させ
ください。
ペアになって、向かい合わせで立たせ、同時に運動させて、胸
体の重みで自然に曲げるように指導して
てください。
この時、膝が曲がらないように注意して
ください。
体を曲げる時に
「口から吐いて」、
胸を反らす時に
「鼻から吸う」。
胸をしっかり開くためには、
呼吸がポイントです。
体を曲げる時には息を吐いて、
胸を反らす時には息を大きく
吸うように指導してください。
息を止めてしまうと筋肉に力が入り、
うまく反らせることができません。
9
!
Check
体を回す運動
胴体の総合的な運動です。
腰周辺の筋肉をほぐして伸ばし、柔軟性を高めます。
狙 い
基礎編
からだ
まわ
児童用教材の指導ポイント
うん どう
体を回す運動
体を後ろに回したときに、腕が広がったり、ひじや
ひざが曲がってしまうと、腹部がしっかりと伸びま
おお
せん。つねに、腕は肩幅をキープして、特に横から
うでを大きくふりながら、
からだ
まわ
後ろへ大きく回すように意識させると上手くでき
うんどう
体を回す運動です。
うご
ひざをのばして、あしが動かないように
することがポイントだよ。
ひろ
からだ
まわ
どうして
の?
ダメな
×
とき
体を回す時に、
腕が曲がり
広がってしまうと、
どうしてダメ?
無理に大きく回そうとすると
腕が曲がり、腕の幅も広がって
姿勢を崩します。腰の周りがよ
く伸びるように動かしましょう。
ま
うでが曲がったり、
ひろ
広がったりしないように。
応用
編
!
Check
ここが
ポイント
ま
うでが曲がって、
広がってしまうと
ます。
「腕だけ」⇒「体を回す」⇒「腰から回す」
の3ステップで練習を!
効果的な練習方法
肩幅でタオルを持って
練習すれば、
自然と正しい姿勢に!
上手く体を回せない場合は、
まずは腕だけで回します。できるよ
うになったら「体を回す」
「 腰から回す」
とステップアップさせて
ください。
STEP1
肩幅をキープしながら腕を回すた
腕だけ
で回す
めに、両手で肩幅の長さでタオル
を持たせて練習するのが効果的
です。
この時に、手に持ったタオル
STEP2
を見ながら体を回すと、正しい運
体を
回す
動が身に付きます。
STEP3
腰から
回す
タオルがないときは、
大きめのボールや
紅白帽子でもOK!
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
タオルがない時は、大きめのボールや
体を回す時は、両腕の間を見るように!
紅白帽子などを持ちながらの練習で
もOKです。
体を回す時、腕の動きと目線がバラバラだと、体が大きく回りま
せん。なるべく腕と腕の間を見続けるのがポイントです。
10
両脚で跳ぶ運動
全身の血行を促すとともに、リズム感を良くする運動です。
跳ぶタイミングを合わせて、軽く→大きくとリズミカルに跳びます。
狙 い
基礎編
児童用教材の指導ポイント
うん どう
りょう
両あしでとぶ運動
よこ
だらしなく跳ばないで、きびきびとした動きで
ジャンプすることがポイントです。
腕が肩より上に上がりすぎたり、着地の時に膝が
ひら
曲がったりしやすいので、
ここにも注意してくだ
うでを横に、あしを開いて、
さい。
おお
大きくとびましょう。
つよ
ほねが強く、じょうぶになるよ。
!
ここが
ポイント
どうして
の?
ダメな
だらしなく、
とんでは
あ
×
い
ように、力を入れて
げんき
元気にとびましょう。
応用
編
だらしなく
跳んでは、
どうしてダメ?
腕を素 早く横に上 げて跳ぶ
ことで、大きく跳ぶ助けをし
ています。力が抜けては大き
く跳ぶことができません。
うでが上がりすぎない
ちから
Check
効果的な練習方法
ここにも注意すると、もっと効果的な運動に
膝の間に、帽子や
紙などを挟んで
落とさないように
跳ぶ練習を!
最初の4回は軽く、
その後の2回は、
力を入れて大きく跳びます。
最 初 の 4 回 の 軽く跳 ぶ 時に多 い
ぎや跳びすぎはNG。体の力を
最初のジャンプは体をほぐすこ
とが目的ですので、力の入れす
軽く
抜き、軽く弾ませましょう。
NGは、両膝が離れてしまうこと。
そこで、膝の間に、帽子や紙などを
挟み、これらを落とさないように
跳ぶ練習をすると、正しい姿勢に
軽く弾む⇒
大きく跳ぶ。
メリハリをつけて
跳びます。
なります。
!
Check
跳ぶ時に強弱をつけることがポ
イントです。
まずは軽く弾み、その後の2回
は両手を広げて大きく跳ぶこと
で脚力を高めます。
11
大きく
腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
これまでの体操で使った筋肉をやわらげることを目的とした
整理運動です。
狙 い
基礎編
児童用教材の指導ポイント
2番目と同じ運動ですが、ここではこれまで
使った体への刺激をやわらげ、呼吸を整える
よう指導してください。
運動をゆったりと丁寧に行うことで、体を少
しずつリラックスさせていきます。
うでをふってあしを
曲げのばす運動
ま
ラジオ体操を正しく行うと相当な運動量に
なります。
うん どう
おな
たいそう
日頃使っていない部位もよく動かしている
②と同じ体操です。
ので、呼吸とともに平常時の状態に戻せるよ
つぎ
ここでは次の
しん
うに整理運動をしっかりと行いましょう。
む
深こきゅうに向けて、
ととの
こきゅうを整える
のがポイントだよ。
深呼吸の運動
狙 い
深い呼吸を行うことで心拍数を元に戻したり、
疲労を残さないようにする運動です。
基礎編
児童用教材の指導ポイント
しん
深こきゅう
の運動
うん どう
うご
うでを動かす
だけでなく、
いき
おお
息を大きくすって、
はきましょう。
ここが
ポイント
いきおいよく
手の平をかえすと
て
ひら
し
よこ
×
うでは、
自ぜんに横から、
お
単 に 呼 吸 を 整 えるだ け で なく、
リラックス効果があり、正しい姿
勢づくりに役立つのが、深呼吸の
運動です。
腕の動きにとらわれ呼吸運動が
おろそかになりがちです。
腕を自然に動かし、ゆっくりと呼
吸することに意識を向けましょう。
腕を上げた時、一番上で急に手の
平を外側に向ける必要はありま
せん。
あくまでも自然に下ろしましょう。
ゆっくりと下ろします。
12
!
Check
上達するコツの指導方法
狙 い
コツ
1
ラジオ体操が楽しくできて、しかもうまくなるコツを紹介。
子どもたち同士や家族と一緒に楽しく練習させることがポイントです。
笑顔で、
楽しく!
コツ
まず、真っすぐ立つ
2
力が入りすぎないように
するために「笑顔」で練習を!
真っすぐに立ってから体操を始めないと
上手くできない。
子どもたちは一生懸命やろうと、つい力んでしまいます。
力が入りすぎないようにするためには「笑顔」で体操する
ことを指導してください。
しかも、笑顔で楽しく運動すれば、
ラジオ体操がもっと好きになるはずです。
はじめのポーズは、背筋を伸ばし、かかとをつけて立ち、
つま先を60度くらいに広げます。
体操を始める前に、
この立ち方ができているかを
必ずチェックしてください。
毎日、
3 続ける
コツ
休み時間、
家 や 公 園 など、
毎日続けて、
どこで も 練 習 を!
上手くなる一番のコツは、毎日
続けること。休み時間などほん
の少しの時間でもいいので、続
け て 練 習 するように 指 導しま
しょう。
学校だけでなく、家や公園で遊
んでいるときにも練習すれば、
短時間でうまくなります。
う ま
だい こう かい
上手くなる4つのコツ、
大公開!
う
がお
はじ
「え顔」
でやると、
う
まえ
始める前に、
ま
た
上手くなる。
まっすぐ立っているかを
楽しくなる。
チェック
たの
がお たの
た
え顔で楽しくやると、
たい
さき
かかとをつけたまま、つま先を
上手くできるよ。
ひら
た
開いて立ちましょう。
みじか
短くてもいいので、
よくばらずに、
たいそう
まいにち
「毎日」
つづけると
う
1つの 体操を
れんしゅう
ま
上手くなる!
すこ
練習してみよう。
じかん
ほんの少しの時間でも、
まいにち
う ま
ぜっ対に上手くできないよ。
う ま
たいそう
1つの体操だけを、できるように
う ま
毎日つづけると、上手く
なんかい
なるまで、何回もやってみよう!
なるよ。
う
ま
れんしゅう
とき
これで、きっと上手くなる!練習する時は、ここがポイント。
そこ、
よ!
ちがう
Point
Point
れんしゅう
いえ れんしゅう
ペアで練習。
ちゃんとできているか
れんしゅう
とき
とも
む
あ
かぞく
家で練習するなら、家族に、
とも
お友だちにチェックしてもらおう!
ビデオやスマホでとってもらおう!
れんしゅう
練習する時は、お友だちと向かい合って!
練習しているところを、ビデオカメラやスマホ
ちゃんとできているかチェックしてもらうと、
きっと上手くなるよ。
1つずつ
4 確実に
コツ
1つずつ確実にクリア。
テキストのチェック欄
をうまく活用。
たいそう
まっすぐ立って、体操しないと、
ちから はい
ムダな力が入らないので、
う ま
ポイント
ま
ちょっとしたコツで、グングン上手くなる!
練習するときは、すべての体操
を通しで練習するのではなく、
1つの体操をできるようになる
まで、繰り返し練習することも
大切です。
1つの体操が正しくできるよう
になったら、テキスト右上にあ
るチェック欄にチェックさせま
しょう。
じぶん
でとってもらうと、
ちゃんとできているか自分で
チェックできるよ!
友達とペアで!
ポイント
撮影して
チェック
友達とペアになって練習すれば、
上手くなる、楽しく練習できる!
ビデオやスマホで撮影してもらって
チェック。家族の絆も深まります。
すべての児童がちゃんとできているのかを、先生一人で
チェックするのは大変です。友達どうしでペアになり、お互
いにチェックさせることで、楽しく練習できるだけでなく、
確実に上手くできるようになります。
家で練習するときには、ご家族にビデオカメラやスマホで
練習しているところを撮影してもらうように指導してください。
ラジオ体操は両親はもちろん、祖父母も知っているため、
家族共通の話題になります。
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※体操の効果には個人差があります。
より多くの小学生に、元気よく、楽しく
「正しいラジオ体操」をしていただくために…
∼ラジオ体操は、姿勢の教育∼
∼丈夫な体づくりと神経系の発達のために∼
姿勢を支えるには筋力が必要となるた
め、育ち盛りの子どもたちにとって、運動
は極めて重要です。
なかでも体幹を中心
に効果的に鍛えられるのが「ラジオ体
操」
です。
全身をバランスよく動かすラジオ体操を
継続すると、筋肉の強さややわらかさの
バランスが取れ、良い姿勢が維持できた
り、内臓の働きを良くすることで食欲も
まし、丈夫な体を作ることができます。
また小学生の時期は神経系が発達しま
す。前後・左右と様々な動きにより、巧み
さが高められ、いろいろなスポーツの技
術習得にもつながります。
正しい姿勢が維持できると児童の発育・
発達の面だけでなく、学力や体力の向上
にも起因します。
「継続は力なり」という言葉があるよう
に、ラジオ体操を反復して練習し、習慣
にすることで、学力・体力向上の基礎基盤をつくることができます。
まず は 、音 楽に合 わ せ てリズ ムよく、
楽しく体を動かしましょう。
リズムよく体
を動かせたら、少しずつ効果のある正しい体操に導いてください。
楽しく効果的に体を動かすことができるポイントを本ツールでご紹介
しています。ぜひ参考にしていただきながら、
ラジオ体操を通じた子ども
たちの姿勢教育にご理解とご尽力を、
よろしくお願い申し上げます。
ラジオ体操は昭和3年、現在のラジオ体操は昭和26年から続く、いつ
でもどこでも誰でもできる、魅力的な体操です。親子2世代・3世代、
またご近所の方も一緒に、笑顔で体を動かしましょう。
多胡 肇先生 プロフィール
岡本 美佳先生 プロフィール
1989年 日本体育大学体育学部 卒業
同年 西武鉄道株式会社 入社
ビックボックス西武アスレティッククラブ 勤務
1994年 西武ライオンズ出向 トレーニングコーチ就任
1997年 西武鉄道株式会社 退社
1998年 日本工業大学 非常勤講師
同年∼ NHKテレビ・ラジオ体操 指導者
1996年 日本女子体育大学体育学部 卒業
同年∼ NHKテレビ・ラジオ体操 アシスタント
2003年∼ NHKテレビ・ラジオ体操 指導者
いつでも、どこでも、誰でもできるラジオ体操!
ラジオ体操は座った状態でもできます。座った状態
で行っても、全身への運動刺激で血液の流れを良く
し、内臓の働きも活発にします。
また柔軟性や調整力が高まり、
日々の生活での動作
を楽に安全にしてくれます。
右のことに注意して、無理のない範囲でラジオ体操
を続けてください。
●ひじ掛けのある椅子や車椅子で行う場合、腕や体がぶつからないように工夫して
行いましょう。
●椅子の脚や背もたれが固定された椅子を使いましょう。
●周りの机等に腕や体がぶつからない場所を選びましょう。
●1つ1つの運動の狙いを理解して、のびのびと気持ちよく体を動かしましょう。
●目まい、動悸、息切れ、顔色が良くない等、体調が悪い時はやめましょう。
子どもたちのやる気を高め、続ける目標として
「全国小学校ラジオ体操コンクール」を!
かんぽ生命では、多くの小学生の皆さまに、元気にラジオ体操をしていただく機会を増やし、
健康増進にお役立ていただくことを目的として、全国小学校ラジオ体操コンクールを毎年
開催しています。子どもたちがラジオ体操を続けて練習する1つの目標としてご活用ください。
全国小学校ラジオ体操コンクールの詳細は「http://radi-con.jp/」まで
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ラジオ体操は、かんぽ生命の起源である逓信省簡易保険局が1928年(昭和3年)
に
「国民保健体操」
として
制定し、
日本放送協会のラジオ放送で広く普及しました。体操の内容も1951∼1952年(昭和26∼27年)
に
「ラジオ体操第一・第二」
として再構成され、誰でも気軽に実践できる運動として現在も多くの方に親しまれ
ています。 かんぽ生命では、
これからもみなさまの健康作りにお役立ていただけるよう、NHK、NPO法人全国ラジオ
体操連盟と共同でラジオ体操・みんなの体操の普及推進に努めてまいります。
監 修
青 山 敏 彦( 全 国 ラ ジ オ 体 操 連 盟 理 事 長 ) / 長 野 信 一( 全 国 ラ ジ オ 体 操 連 盟 副 理 事 長 ) /
多 胡 肇( N H K ラ ジ オ 体 操 指 導 ) / 岡 本 美 佳( N H K ラ ジ オ 体 操 指 導 )
2016年4月制作