アパートメント ゲストインタビュー17

Vol.19
第 19 号 2014. 4.18 発刊
Entrance
アパートメント ゲストインタビュー 17
[ 妄想娘、東大をめざす ]
3
大石
蘭
「 わたし、自信があるようにみられるんです 」
連載
ひとえき。
いろはゑ
WALL
佐々木 康晴, アパートメント編集部
13
鈴木 さや香
14
河野 裕麻
15
こころのパンチフォロン
てまきのたばこ
16
岩瀬ジロウ
Below talk ( 最終話 )
みなとや通信
按田 優子
17
薹野 花路
18
おのでら はるみ
20
Apartment residents
21
編集後記
Cover Work
-
大山
美鈴
STAFF
Art Direction & Edditor : Rin Hirano
Title Logo : Kiyoshi Takami
Official Site Saport : Apartment
2012-2014 Published by Hiranorin Office. http://www.hiranorin.com
2
アパートメント
ゲストインタビュー 17
インタビュー & テキスト: Rin
撮影:Yasuharu
Hirano
Sasaki
『妄想娘、東大をめざす』著者
大石 蘭
「 わたし、自信あるようにみられるんです... 」
自身の東大受験をコミックエッセイにした『妄想娘、東大をめざす』を初の自著として出版した
ばかりの大石 蘭さん。怒濤のエピソードとそこに注がれた妄想エネルギーの源。大好きな街だと
いう原宿でのストリートスナップ。学校、ファッション、雑誌、仕事、興味ある事。これから抱く
妄想と現実の自分について語ってもらいました。
| 妄想日和
Hirano (以下 : H ) : 出版おめでとうございます、ごくろうさまです(笑)
大石 蘭 (以下 : 蘭 ) : ありがとうございます。
H : 今の時期は特に色んな人から同じ質問も訊かれるだろうからね。
蘭 : そうですね。
H : だから、同じ様な事を聞いても蘭ちゃんもつまらないだろうなって
仕方だとか、モチベーションの挙げ方だとか、実はビジネス書的だって
いうことがわかって面白かったです。
H : へえ、それは意外だなあ。コミックエッセイという形で出版してみて
どうでしたか?
蘭 : やっぱり初めて出したっていう事もふくめて色々反省点もあって。だ
からこそコミックエッセイっていう形には可能性を感じたので、反省点
思ってるけど、この前の (cakesの)能町みね子さんとの対談の企画も、 もいかしてまたやりたいなって。
面白かったね。どうでしたか?
蘭 : なんか、能町さんが意外とのって頂いて、いろいろ話してもらって
面白かったですね。裏話というか。
H : じゃあ、話はずんだんだね。自分と近い雰囲気とかは感じました?
蘭 : 一見ちがうのかもしれないけど、なんか感じました。
H : そうかあ。他の企画でもで興味深い対話はあったりした?
蘭 : 別のメディアで取材をうけて、ビジネスマン向けなので私の勉強の
ー 今回の「妄想娘、東大をめざす」出版のいきさつは?
蘭 : 私、2012年の末くらいから「Spoon.」という雑誌でエッセイを書い
たりしてるんですけど、
「ロリータと装甲」というテーマで自分の事を書
いたら面白いんじゃないかって編集長が言ってくださって、それにあわ
せて10,000字くらいのモノを書いたんですよ。エミリーテンプルキュー
トを着て受験勉強をしたっていう事で。
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それと同時期にフリー編集者の石黒謙吾さんにあって、本にしよう
よって話になって。本当は小説で書きたいって言ってたんですけど、もと
もとのファッションの観点だけじゃなくて色んな人間関係とかドラマも
組み込んで膨らませたストーリーにして一冊にしたいって。元が文章と
イラストだったから、そういう形にはするつもりだったんですけど、たま
たま幻冬舎に企画をもっていった時に編集者の方が、コミックエッセイ
にしたら良いんじゃないかって言ってくれて。
H : そのころも、イラストを描く活動もしてたの?
そうではなくて言葉にならないものを言葉にしてくれたというか、、。
H : 男子を分類したりっていうのはないの?
蘭 : それねえ、、よくいわれるんですけどね。女子だと90年代うまれって
結構サンプルケースがあるんですけど、やりやすいんですけど、男子だ
と広くないですか?同世代だと、逆に東大だけになっちゃうかも。
H : 東大だけでもいいんじゃない!?東大だけでもこんなに色々いま
す、、みたいな。
「東大多様性図鑑」とか(笑)
蘭 : あっはは(笑)
蘭 : イラストは描いてましたけど、仕事のメインになるとかは思ってな
かったんです。もともと趣味のつもりだったんですよ。
H「
: Spoon.」で書いた女子分類の文章とか、基準はあった?
蘭 : あれはけっこう思いつきでやってるんです。
H : 日本人て、意外とカテゴライズするの好きだと思うしね、そういう意
味合いもあるのかな?
蘭 : あれって石黒さんと出会う前なんです。
「6次元」で石黒さんの本を
貸してもらって、ちょっとおもしろいなって読んでて。わたし自身はカテ
ゴライズされるのが、基本的には嫌いで。
H : はっはは、僕もあんまり好きではないけど(笑)
蘭 : 、、けど、カテゴライズされて自分が居心地よくなるものもあるじゃ
ないですか?能町さんの「雑誌の人格」もそうですけど、揶揄したりでな
くて、愛があるというか...。安っぽいですけど。
H : 分類したものにそれぞれの価値をあたえて見せてあげるって感じ?
蘭 : 能町さんも仰ってましたけど、
「毒舌なら誰でもできる」っていうか。
ー 出版まではどれくらいかかったの?
蘭 : 企画が通ったのは(2013年)5月末だったんですよ。通ったのも奇
跡だったんですけど、そこからネームを三回かきなおしてOKかなとなっ
たのが10月で、さあ本番って入ったのが11月で、下書きしてペン入れ
してできたのが今年の2月頭でしたね。だから、構想から本がでるまで
だったら約1年ですね。
H : こうしたら良かったなとかってある?いまさらだけど、、(笑)
蘭 : いや大事です。今ならもっと上手く絵が描けるとかもありますけど
H : あっははww
蘭 : 内容的な事をいえば、サブキャラをもっと感情移入できるように描
けば良かったなって。けっこう今回主人公中心で、主人公の目線で突っ
走っているので、もちろんそれがズレたらぐちゃぐちゃになってしまう
んですけど、他のキャラの立て方が深みを出せたらよかったなあって。
4
「先生たち」とかのキャラだよね。そっかあ、、広がりはでてくるだろう
H : まあそういう意味では、このインタビューも蘭ちゃんを知らない人
ねえ。そうなると今度はドラマ(ストーリー)的な展開だねえ。
達向けかなっておもうよ。たぶんターゲットも年齢層もかなり違うし。
蘭 : そうですね。
蘭 : 今回の本に関しては、書店で手にとってくれるのは若い女性がおお
うん、テクニックみたいな話もあるだろうからね。
いんです。やっぱり。
蘭 : そうだと思います。
H : 表紙のイラストは自分で描いたんでしょう?(笑)
蘭 : もちろん!今回の本は可愛くしたかったんですよ。デザイナーさんも
可愛くしてくれて、気にいってるんですけど、やっぱり男性受けは考えて
ー 次に出版するとしたら、どういうものを考えてます?
ないんです。けど、内容を読めばそんなに女々しくないと思うんで、手に
蘭 : ちょっと今、石黒さんていう編集者さんと考えているんですけど、ひ
とって貰えればなあって。趣味の近い女子にまずは観てもらいたいん
とつはコミックエッセイみたいなマンガ形式の路線と、
「文章とイラス
ですけど、男性にも読んで貰いたいなって。
ト」のような形と両方でやっていうこうとは考えてます。フィクション書
H : なるほどねえ。まあ、入り口って大事だとおもう。
いてみたいですね。
H : 蘭ちゃんが昔のブログで書いてた「私小説」が、個人的には意外と良
かったけど、、。
蘭 : ああ、昔のアメブロですよね?!あれ読んだんですか?、、たしか途
中で終わったやつですよね (笑)
H : そう、断片的だけどね。面白いと思ったなあ。
蘭 : ありがとうございます。アレは「 Spoon. 」で上坂すみれちゃんって
いう声優の女の子の評伝をかく事になって、文章力つけるために先ず
自分のことを他人を書くつもりで書こうと思って書いたんです。
H : やっぱり自分のことなんだ?
蘭 : そうです、自分自身のことです。
はい、私小説を三人称で客観的に他人を書くようにと思って、、、書く練
習しようと思って。突っ走ってましたよね (笑)
H : うん、でもおもしろかったよ。彼氏の事とかも。
蘭 : ええ、彼氏のことかいてたっけ??
H : そこは普通のブログのネタだったかなあ、、うる覚えだけど (笑)
蘭 : 私小説は小さい時のことだけだと思ったけど、それかフィクション
としてかいたかもしれないな、、でも書いたかな…。
H : そうか。ただ 蘭ちゃんの文章を読んでいくと、典型的な [M] なの
かなあって思って。(笑)
蘭 : ははっww [M] かもしれない (笑)
H : まあ、文字で読むかぎりだけど。今回の「 妄想娘、〜 」みたいな本
は面白いけど、色々と世代もあるからね、、。自由に書くエッセイみたい
な方も面白いかな。
蘭 : 結果としてこれで良かったと思ってます。読みやすいと思うんです。
H : そうだね。
蘭 : この本 「妄想娘、
(
〜 」)は、140頁が文章だけじゃないほうが読み
やすいですよね。
H : そうだね。読んでもらう文章を企画をするの、難しいよね。どうやっ
たら全部みて読んでもらえるかって、色々考えるもんね。
蘭 : 最近やっぱり、エッセイとかを書くにしてもプロモーションの一環
というか、私に興味をもって貰ってる前提だからいいけれど、やっぱり
私に興味ない人がいかに読んでくれるかっていう文章を書けないとダ
メだなって。
H : 全然しらない人達が、手にとってっていうね。
蘭 : そうですね。
5
| 妄想エクスタシー
H : 最初に 蘭ちゃんに会った時、話にきいたときの印象とちがって..。
蘭 : あ、ほんとうですか!?どういう風にですか?
H : うん。存在感はあったけど、すごい気をつかう人だなあって、、思っ
たんですw
蘭 : ああ〜、うん。わたし結構人見知りとかもないし、裏表とかはない
ので、気をつかってないと思われるんですけど、もしかしたらそうかも
知れないです。
H : ほら、
「本」の内容でも表面的には気をつかってるようなイメージが
湧きにくいじゃない?! けど意外と色々気をつかう人かなあって。だか
らギャップはあったなあ。
蘭 : うーん、あんまり言われたことないかも、、、。
「イメージよりもハキ
ハキしてるね 」とは言われるけど。
H : ハキハキしたイメージ?、、、あるけどね (笑)
「 妄想娘、東大をめざす 」( 幻冬舎 )
http://www.amazon.co.jp/dp/4344025512
H : 今回の著書の中にで、
「 何者でもないひとが好きな事をやると叩
かれる... 」っていうエピソードがでてくる箇所があって、個人的にはそ
こがすごく共感したんです。
蘭 : うん。それは今でも思います。
やっぱり、今だって東大には入ったけれど、企業に就職してるわけでも
ないし、多数とは違う事してるし。そこで結果出せなかったらたぶん
「東大」っていう事だけ使ってエキセントリックな事やってると言われる
だろうし。どこ行ってもそうですよね。
H : そうだね。たぶん、育った環境も影響してるのかなあって。幼少の海
外での生活の記憶とかも。自主性が強い部分っていうか、、。
です。だからちょっと人と逢っても色んな事を全部記憶しちゃって、すぐ
蘭 : うん、自主性もつよいですし、周りとの温度差かな、、、ギャップ?
メモリーオーバーがくるんですよね。
H : そこで温度差があっても自分のアイデンティティーを大事にしてゆ
H : やっぱり、記憶力はいいんだね。
く方が重要でしょ?
蘭 : 記憶力はいいと思います。数字とか事務的な事はけっこう忘れるん
蘭 : うん、大事だっていうか、そうじゃなきゃやってらんない (笑)
ですけど。思い出のある事とかは。
H : やってらんないかw(笑)
H : そっかあ。短期的な事より長期的な記憶脳の部分が働くんだろう
蘭 : うん、やってらんないていうより、体質的に。(笑)
ね。事務的な直前のこととかよりも昔の想い出とか、、。
H : それって、ご両親も意外とそういう感じなの?
蘭 : うん。いつ誰にメール返信しなきゃいけないとか、そういうのは強く
蘭 : なんかそうみたいですね。私も知らなかったんですけど、最近話し
ないんですけど。
たらそうだったみたいで。
H : へえ、昔からそうなの?
H : へえ、そうなんだ。
蘭 : 昔からそうで。
蘭 : ただ本にも書いてますけど、普通の両親なので。仕事とかも芸術家
H : なるほど。じゃあ、それをリセットする時間とかも必要?
とかインテリとかでもないですし。やってることは普通だけど体質はそ
蘭 : たぶん。そうですね、、だから「旅」ですね!旅したいです。ひとつ何か
ういう部分があったみたいですね。
をしたら3日くらい旅するっていうか、ひとり旅は好きなんです。
H : そうか、じゃあある意味それを受け継いでるんだね。
H : あまり知ってる人に会わないでいられるような場所とか?
蘭 : うん、、そうなのかなあって。でも思います最近。私、人間関係にお
蘭 : そうですね。そういう生活がしたいです(笑)
いて、なんでも記憶しちゃうんです。さっきの幼少期の話とかもそうだ
H : そっかあ、、でもそういう部分があるから受験ものりきれたのかも。
けど、なんだろう思い出っていうか、そういうものすごい記憶しちゃうん
蘭 : そうだとおもいます。
6
ー こどもの頃とかはどういう遊びが多かった?
「 ん〜、絵を描いてましたね。私2歳から4歳
までタイにすんでたんでたんですよ、実は。父
の仕事で。けれど外で遊びすぎるとバテちゃう
んですよね、だからどっちかというと内で遊ぶ
ようになって。」
ー むこにいた子供達は外で遊んでいたでしょ?
「 どんな子達ともあそびましたけど、ベースが
違いましたね。隣がジャングルとかだったりし
たから。けっこうワイルドな感じで遊んだりは
してたんですよ。」
ー ( 小さい時期だけど ) 面白い環境だね ( 笑 )
「2歳から4歳とかなんて憶えてないって言われ
るんですけど、けっこう私おぼえてて、、。それ
でタイの自由な空気が染みついてるんですよ。」
ー なるほど、意外だなあ。けれど実際、蘭ちゃ
んはロックだよね! ? 今までの言動をみてると。
自分でもロックな気質だって思わない!?
「 そうですね ( 笑 ) 」
7
| 東大モラトリアム
H : 本でも触れてるけど、どうしてまた「 東京大学 」を志望して、その
中でも比較日本文化ってところでしょう?
蘭 : そうです。いまは再編成されてるんですけど、私の頃は教養学部の
中の「比較日本文化論」っていうところで、比較芸術っていう。ロバート
キャンベル氏がいるところで。
H : ああ、なるほど。そこは面白い??
蘭 : 面白いですね。フリーダム、なんか。研究対象とかも何でもあり。
H : 初めからそういった学部にいこうと思ってたの?
蘭 : なんか文学部とかだと保守的すぎてオモシロくないなと思って。
H : やる内容が決まっちゃってるからって事で、、?
蘭 : 研究対象にするならこの辺だろうっていうのが出来ちゃってるか
ら、国文学とかだと。
H : 新しく挑める事は狭いかもしれないのかもね、、。
蘭 : 亡くなった人についての研究しか基本的にできないですから。あま
り魅力を感じなくて。美術史とかの美学か、今の学部にしようと思って
いたら今のところが一番自由そうだったんです。ポップカルチャーとか
もできるし。
H : 最近できた出来た学部なの?
蘭 : 結構、古いらしいんです。
そういう事が全然追いついてなくて。それが出来なかったっていうか、、。
H : 比較文化自体は東大じゃなくても他の学校にもけっこうあるね、、。
不十分だったんです。
蘭 : ありますね。学問自体はけっこう古くて。
H : なるほどね。
H : そっか、じゃあ日本文化が多いっていう内容なの?
蘭 : 今、自分がかかわってるメディアも雑誌が多いから、雑誌の力という
蘭 :「日本文化論」ってついてるんですけど、研究対象は日本じゃなくて
か可能性というか。雑誌って何なんだろうって。
もよくって。なんでもあり。エリアも自由だし、ジャンルも自由。
H : そっかあ。けど、蘭ちゃんの世代が未だに「雑誌」メディアの影響で自
H : あ、そうなんだ。そこはユルいんだ。けどどうでした?その学部でずっ
分の感性とかセンスとかに影響うけたっていうのを聞くと実はちょっと
とやってきて?
意外だったりして。僕らの世代は完全に雑誌の世代で。女子でいったら、
蘭 : 目の前のことが大変で、それでバタバタと修論かいて、卒論かいて
それこそ20年位前に「オリーブ」みたいなのがあって、同世代の女の子は
終わっちゃったけど、先生達と話して学んでいったことを外に生かして
本当にお手本にして盛上がった時代があって、蘭ちゃんの世代が今も
いって欲しいって言われたんですね。それがすごい良かったなって思っ 「雑誌」から影響をうけたっていうことが、逆に少し驚きでもあって、、。
たんです。自分が存在するメディアや場所の事を、同時に客観的にも研
蘭 : 私たちはデフォルトでもネットがあった世代なんですけど、たぶん時
究してるっていうことをやっていて。ただ、、わたし「雑誌研究」もしてい
代はギリギリ境目なんだと思うんですよ。
るんですけど、卒論ではその雑誌研究がすごく甘くて。エッセイみたい
H : 最後の( 雑誌 )世代になるっていうこと?
になっちゃったので、、反省というか。
蘭 : 今後どうなるかは判らないんですけど、ネットで何でも情報を得られ
H : それは自分で感じたの?
て、誰でも発信できるとなって、紙のメディアとの境目かなとは思います。
蘭 : 先生にもいわれたんです。だから院ではそこをしっかりやろうか
だけど、ネットからの影響は受けてるから。
「ネット時代に紙の雑誌は力
なって思って。もう一年もないんで。
をもちうるのか?」っていうのがテーマですね。
H 「雑誌研究」
:
か、、。そこまとめようと思ったのはどういうキッカケ?
H : なるほど、そうか。それも研究のひとつ?
蘭 : 卒論段階では竹久夢二のすこしあとの人で、
「 蕗谷虹児」っていう
蘭 : それは自分の問題意識です。それ専門にする訳じゃないんですけど。
挿絵画家がいて、、その人の事をどういう切り口で研究しようって思っ
H : 実際、その問題はどう思ってるの??
た時、ひとつの雑誌にテーマを絞って、そこにおける蕗谷虹児の仕事っ
蘭 : なんか、わたしはネットにないモノはあると思うんですけど。編集さ
ていうことで始めたんです。
れた(紙の)雑誌っていうものに、、。
H : へえ、なるほど。
H : 、、そこは色々な人が考えてるところだろうね。やっぱり昔って「ネッ
蘭 : ただ、それがスゴいやることがあって、広がりがあるんです。全総目
ト」そのものがない時代があって、極端にいうと雑誌に依存してた時代
次を作って、広告から何から全部みて、関わった人も見なきゃいけない
があったから。今みたら威力が圧倒的にちがうしね。
し、同時代の他の雑誌をみたりもしなくちゃいけないし。
蘭 : そうですね。
8
蘭 : そうそう、、なんかろくに本も読まず、好きな事しかやらずに、そん
なんでやれると思うのか、、、って。
H : うーん、、まあ嫉妬もあるんだろうけど (笑)
「 Spoon.」にはじめて出たのが大学4年の末で、忘年会
蘭 : それで、
シーズンだったんです。追い出しコンパかな、、?
H : なにそれ? 追い出しコンパ、、? (笑)
蘭 : 4年生が追い出されるコンパです。まあ、卒業おめでとうのコン
パなんですけど。サークルから出てく「追いコン」っていうのがあって。
「 追いコン」か w
H : へええ〜、
蘭 : それで私そういう飲み会もあんまり好きじゃなかったんですけど、
4年だし、追い出される側だから行かないとと思って。そこって同人誌
を年に2回刊行してるサークルで、わたしも小説を毎回出してたんで
すけど、半年ほどサークルに行かずに(文章の)仕事をしてたら、後輩か
ら「大石さん、また寄稿してくださいよ」って頼まれたんです。けど書く
気ないかなあ、、って断ったら、同輩が「大石さんはお仕事が忙しいか
ら金はらわないと書いてくれないんだよ、、」って、卑屈な嫌みを散々
H : 今後は文章書いていきたいっていうことだけど、どういう形の文章
いわれて (笑)
とかは考える?
H : ギャラ払わないとあの人は書いてくれないって、、(笑)
蘭 : 私、大学の4年間は小説書いてたんです。
蘭 : そうです。なんかつき合いきれないと思って… 。
H : あ、そうなの?!
H : 人それぞれ見方も違うからねえ。東大だからって、精神的にも成熟
蘭 : 小説家になりたくて、賞に応募したりもしてて。
してるかっていうと、そんな事もないだろうしね、、そこは。
H : へえ〜、純文学系とか?
「 太宰治賞」に一次は通ったんですけど、二次で落ち
蘭 : そうですね。
「 実力がないのにあんな自信が
蘭 : なんかその頃フェイスブックには、
ちゃって。
ある人はじめてだ... 」みたいに書かれてて。
H : へえ〜、読みたいね。
H : へえ、、。どういう理由で実力がないって、、?
蘭 : ただそれが合わなかったとは思います。サークルも純文学のサー
蘭 : 仕事ができないからでしょうかね。というよりは、企業的な仕事の
クルで、すごいdisられまくってたし、、。
仕方ができないと見えたと思うんです。私はそういうことが出来ない
H : そうなの?! どんなdisられ方?
のに、なんか自信だけが過剰にみえたらしくて、、。
蘭 : ええと、、文学サークルではしょっちゅうですけど。
H : 根拠のない自信を持つなってこと?
H : ええ?! ちゃんと行ってた?
「そういうヤツに会ったの初めてだ」みたいな。それ直接言
蘭 : そう。
蘭 : 学部のときは結構あつまりも緩いというか、けど伝統的なサーク
えよっ、みたいな感じで。
ルなんです。大江健三郎とか、立花隆とかがはいってたっていう。今は
H : あはっ(笑)
そんなことなくて小規模でゆるくやってたんです。
蘭 : 私、自信あるように見られるんだと思うんですよね。好きなもので
H : ああ、なるほど。
固めてはいるから。
蘭 : 他が、ライトノベルとか萌え系ばかりで、ちゃんとやってるのがそ
H : うんー、、パッと見そう見えるかもね。世間にでてるオフィシャルの
こしかなかったから入ったんです。
イメージとしては。
H : そうか。そういう処で活字勢力ってやっぱ弱いんだろうねえ、、。
蘭 : そう、けどオフィシャルイメージで自信がなさげだったら、仕事も
「 ライ
蘭 : 今でこそエンターテイメントを書きたいって思うんですけど、
こないですもん。後ろ向きだったりしたら。
トノベル」とかって違うかなって。ちゃんとした小説を書きたかったか
H : そうだねえ、それぞれオフィシャルに作ってる形はあるだろうね。
ら、そこに入ったんですけど。同輩が男子4人と私とかで。その男子が
ただ結局は、
「 世間」ってそこしか見ないからなあ。でも、そういう状
すごく保守的だったんですよね。
況って今後も変らないし、ずっとそうだと思うよ。
H : 話も合わなかった?
蘭 : そうそう、そうなんですよね。
蘭 : う〜ん、合わないし...なんかねえ。私自身、色々な事やってて。わた
H : うん、この先何年たってもずっとそう。本当の意味で理解していっ
しの人間関 係とか、私ちょっとした新しい世界に感 動するんですけ
てくれる人って、意外と年月が経てばたつほど、少なくなっていくん
ど、そういうのがフラフラしてるように見えたらしいんです…。
じゃないかなあ。
H : チャラチャラして見えたって事かな、、浮ついてるように?
蘭 : あ〜、、、。
9
H : 、、そこで蘭ちゃん自身がポリシー守って続けていけるかっていう
のを試してゆく処でもあるのかなと思う。
蘭 : それって自分だけの力でやるものなんですかね?
H : 自分だけの力じゃなくてもいいと思うけど。そういう時にサポート
してくれる周りの人や友達がいるかどうかっていうのは、大事になって
くると思うけど。
蘭 : わたし今までは、典型的な「M」って云われたように、自分を追いつ
めて追いつめて頑張らないと進まないって、今まで来たんですよ。
H : 今までは若さもあるしね、なんか自分から溢れる勢いのエネル
ギーで追い込めた部分もあるんだと思うんだ。作家めざす人とかも目
的をきめて、
「 この賞を絶対とるまで!」とか、目的あるだろうけど、そ
れがポンと達成しちゃうと、その先の目的を見失う場合もあるから。
そこで失速しないように!ていうのはあるかも。
蘭 : うん、今はまだやりたい事も出てきてるし、実力つけたい事もある
んですけど、自分のバランスとるのは今回限界を感じましたね、、(笑)
じゃないかなあって、、。
蘭 : 「肩書き」とかじゃなくてですよね。私、肩書きが分んないんです
よ、、、。
H : 日本の社会ってとにかく「肩書き」いるでしょ?
蘭 : そうですねえ。
H : だから、そういう事のスタートとしては、良いなあと思ったんです。
役割とかも何でもいいと思うけどね。けど、そうやって名乗って活動し
てると、学校とか周りでは何ていわれたりするの?
「学
蘭 : というか、わたし学校は苦手で、昔から。今もなんですけど。
校」ってだけで苦手なんです。だけど、論文出さなきゃいけないし、別
にイヤな人とかはいないし、何とかやろうとは思ってるんです。だから
あんまり自分のことを言わないっていうか、オープンではないんです
けど、滲みでてるし漏れてるから、、、
H : あっはは(笑)
蘭 : けど、先輩とかから「応援してるよ」っていってくれたりとか。新学
期のオリエンテーションでも教授が「東大新聞読んだよって、本買う
ね」とかいってくれて。なんか恐れ多いな、、みたいな。あんまり「こうい
H : プロフィールで使ってる「エンジェルライター」って名乗るの、おも
しろいなって思ったんですよ。自分で考えたんでしょう?
蘭 : はい。ゴーストじゃないっていう意味です。
H : 自分で考えて、新しい役割を自分で見つけ出そうっていう事ってす
ごく大事な気がする。今までの既存の役割に自分からはまっていくん
じゃなく、自分でその役割を見つけ出そうっていう姿勢とか、形をみ
せるのが大事な気がするんだよね。
蘭 : そうしたいですね。
H : もっと、極 端なこといってしまえば・・・これは以前 ( 谷川 )夢 佳
ちゃんとの話(Vol.13- interview) にもでたけど・・・「大石 蘭」という
名前だけで何をしているかって通用する事が、これからは理想的なん
う仕事してます。」みたいな感じではなくて。こういう仕事してて、学校
の論文おろそかになったら合わせる顔もないから、そのバランスがと
れるかビクビクしてるので、けっこう肩身せまくて(笑)
H : 東大の人たちの中にも変ってる人って、結構多い気がするけど?
蘭 : 多いし結構自由です。わたしみたいに個人主義の人多いから。
H : それに、ある種ズバ抜けてる人も多いでしょ?
蘭 : 多いと思うんですけど、やっぱり安定志向だから。矛盾するようで
すけど。
H : なるほど。保守的な志向は多いんだ。
蘭 : 私、やることちゃんとやれよっていう感じだから、やっぱり。当たり
前だけど、今ちょっと不安なんです。
10
| キラーチューンズ
蘭 : はい。ただ江國香織さんとかみたいなディテールが繊細で美しい
感じでもないし、、。
H : うん、違うねえ。まあ好みも分かれるんだろうね。
ー「エミリーテンプルキュート」の服を着るようになったのは?
蘭 : あのひと、すこしスピリチュアルな雰囲気あるじゃないですか?!
蘭 : 中2くらいかな。こどもの時はシャーリーテンプルっていう服をき
だからこそちょっとした「気」の違いというか。機微というか、空気とい
てたので、それを考えればもう赤ちゃんの頃から。
うか、ちょっとした違いを拾って文にしていけると思うんです。そこに
H : 勉強する時もその服を着ていこう!っていう思いのキッカケとか?
すごく救われるというか。
蘭 : やっぱり、自分を保っていられるというか。
H : 自分も同じ様な雰囲気があったりするって思う?
H : 制服ではないけど、自分の中での決まった格好??
蘭 : 自分が感じてるけど、見落としてる様なものを書いてくれてるとい
蘭 : そうですね。
うところで。同じ経験をしたとか同じ事を知ってる訳ではないけど、
H : それって、なんでだろうね?
「アレはああだったのか!」って。
蘭 : うーん、、小さい頃のおもいでがあるんでしょうね。ただ、母がそう
H : なるほど。吉本隆明さんの本も読んだ事ある?
いう格好するわけではないんです。
蘭 : 簡単なヤツしかないです、子供むけのような (笑)
H : 他の似たブランドも着る事ある?
H : そっかあ、いや文学部とかだから一応読みこむのかなって、、(笑)
蘭 : 着ますよ、< MILK>とか。ただ、
「 ロリータ」っていわれる事が多
蘭 : なんか読めないですよねw w 苦手なんですよ。アタマごちゃご
いんですけど、私自身その言葉にあまり執着はなくって。自分がカワイ
ちゃになる (笑)
イとおもうファッションを好きだから着てるっていう。
H : あっははw そっかあ。じゃあ、マンガとかは?
H : そっか、まあファッションについては固まってる気がするよね、、。
蘭 : マンガはもともとそんなに読まなかったんです。
蘭 : 固まってないですよw けっこう何でも着るし。なんでも着たいと
H : 少女マンガとかも?
思いますし。
蘭 : 少女マンガとかこそあんまり読まなくて。大学入ってからはそれこ
H : そう? なにか 他に似あうモノあるかな〜、、イケイケの格好とか
そ、安野モヨコさんとか、矢沢あいさんの「ご近所物語」とか。
は?! (笑)
H : へええ、それは意外かなあ。今の若い世代って結構マンガ、アニメ
蘭 : 結構「バブリー」なものとか好きですよ、着てみたいです。なんか
から入るの多いでしょ?
30代になったらそういうセクシーな格好とかしてみたいですね(笑)
蘭 : それはよく云われますね。
H : 日本のサブカルを支えてるのって、今やマンガ・アニメ・ゲーム、ア
ー ファション以外にも過去、現在かぎらずで影響うけたものは?
イドル、、だったりするでしょう?
蘭 : 本(「妄想娘、〜 」) 書いてるときに、一番影響受けたのは、園子温
蘭 : ゲームもしてないです、テレビもあんまみないし。
監督の「地獄でなぜ悪い」っていう映画です。観ました??
H : うーんそうなんだよね。そういう影が見えないよね。でもネットは
H : まだみてない。
やってたんだよね?
蘭 : わたし劇場に4回観にいって、あれがすごく好きで。園子温監督
蘭 : ネットは父が仕事の関係でつかってた事もあって、小さい頃から
のエッセイもかなり影響うけて。
使ってました。
H : そうなんだ。園監督の他の作品はだいたいみてると思うけど、エッ
セイは読んでないな。どういう部分が響いた?
蘭 : 根性というか、、。仕事の売れる前の段階で、どうアピールするじゃ
ないけど、、。対外的にも自分にもどういう風にモノを生かすかという
か、例えば宣伝の仕方とかも、、たとえば人間関係だとかの心構えだ
とか、
「 作品が出来上ったらもう死んでもいい」とかじゃなく、次のス
テップに捉えるっていう事とかが面白くて、、。
H : おお、、具体的だねえ。
蘭 : 映画だと、女の子が成りたい自分に忠実なモノが好きで。たとえ
ば『 CHICAGO 』とか、媚びないていうか、むき出しな感じで。あとは
ダコタ・ファニングがでてる『 ランナウェイズ 』。
ーそういう意味で「文学」で影響受けたものは? 文章書くだろうし。
蘭 : 吉本ばななさんは全部よんでて、エッセイまでは読んでないんで
すけど。中3くらいから好きなんです。
H : どういうとこだろう?ばななさんって女性への文章が多いよね。
11
ー「椎名林檎」はいつ頃から聴き始めたの?
ー じゃあ、今後の自分の理想像はありますか?
蘭 : きちんと聴き始めたのは中2くらいでしたけど、、小学生の頃は
蘭 : さっき話したように、
「 肩書き」っていうよりは名前だけでやって
なんかヤバそうな人がいる!っておもってて (笑)
る事が分るように定着していたいですね。
H : ヤバそうって、、(笑)
H : たとえば具体的に何をやっていたい?
蘭 : だからはじめは深入りしなかったんですよ。けど私、福岡だった
蘭 : ストーリーものでマンガをひとつ着々と続けたいんですよ。あと
から、けっこう椎名林檎をフューチャーするんですよ。
は絵と文とかエッセイで本をいっぱい出したいなって。
H : 椎名林檎って福岡だよね。歌詞に共感する部分も多いのかな、
H : じゃあ、、あとは本(『妄想娘、〜」) にも描いてある妄想も、そのひ
「東京事変」始めてからすこし変った気がするけど。
とつになるのかな、、(笑)
蘭 : うーん。
「 東京事変」になってから広くなったのかなあって。子供
蘭 : あっ!「映画化」ですよね、映画化もしたいんです。それは本当に
うまれてから、普遍的な感じになった。けど、当時は共感するってい
妄想ですけど、それも伏線を張っておいたんですっ、、(笑)
うよりカッコいいと思ってたんです。けど、大学にはいってからソロ
H : なるほど、じゃあ実現して映画の舞台挨拶のときは応援いかせて
時代の歌詞を聞き直すと、ああこういう事かなあとか、、。
貰わないと (笑)
蘭 : はい、そうですね! でも、そこまでいわれると現実になるかもっ
H : 自分で音楽つくろうとかは思わない?
て思います。
蘭 : それは才能ないと思ってるんで。一回バンドはやってみたいん
H : そうだね。そこは実現するまで、誇大妄想しまくってもらって。
ですけどね、でも私なにも出来ないから。
蘭 : そうします!(笑)
H : 唄だけでもいいんじゃないw
( 2014.4月 某日 . 神宮前「 CAFE Luckand 」にて )
大石
蘭
「妄想娘、東大をめざす」( 幻冬舎 )
1990年 福岡県生まれ。
東京大学教養学部卒業、東京大学院修士課程在学中。
少女文化と原宿好き。雑誌「Spoon.」に連載された短編
「そんなお洋服ばっかり着てるとバカにみえるよ」が、
同年代の女子、クリエーターの注目を集める。
「Spoon.」
「PHPspecial」
「mille」等でエッセイ、イラス
ト、コラム、レビューを執筆。ウェブマガジン「.fatale」
でブロガーとして参加。
大石 蘭 オフィシャルサイト- oishiran.com
インタビュー後記
話を訊きながら、
原宿の裏通りを歩いてると、
蘭ちゃんがかためて見せている存在感の
「素」
が垣間見えた気がした。 誰もがも
つ大きな不安や葛藤をもちながら、
よしとせずにロックなまでに率直に目の前の事へ向合う。そこは今回出版した本にも通じる
部分です。アンバランスもバランスも合わせ持つ。表と裏を見つめながら表現する人なのかも知れない。
今後の妄想実現をた
のしみにしようかなと、
、
。 そして今回のインタビューで、
急遽取材協力しくれた神宮前「Luckand」
の有賀さん、
スタッフの皆さ
ん、
本当にアリガトウございます!! むちゃ旨でした☆ ( hirano )
* インタビュー文の内容のご質問等につきましてはアパートメント編集部へ問い合わせください。
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KANAMACHI 2
<常磐線>
Photographer : Yasuharu Sasaki
Project Design : アパートメント編集部
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Suzuki Sayaka
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文 と 画像 / 按田 優子
9 ブータンに行きたい
先 日までとある百 貨 店の催 事のために︑
ブ ー タ ン の 料 理 に つ い て 色 々 と 調 べて い た の
で す が ︑ブ ー タ ン は 魅 力 的 な 話 題 満 載 で す ︒
ジ ェニッ ク な 風 景 ︑綺 麗 な 民 族 衣 装 に 伝 統 的
日 本 人 と 顔 が 良 く 似 て い て ︑郷 愁 漂 う フ ォ ト
な 建 築 様 式 の 寺 院 や ホ テ ル ︒日 本 人 が 失 い か
けた本当の豊かさとは何か?もしかしたら
唐辛子を野菜のようにふんだんに使うから
ヒマラ ヤ 南 麓 か らアッサム・雲 南の山 地 を 経
とつに︽ 南 か らの 道 ︾とい うの が あ り ま して ︑
わ た し が 思 うの は ︑日 本 文 化 のル ーツのひ
辛 い こ と と ︑チ ー ズ や バ タ ー な ど の 乳 製 品 を
わ ゆ る﹁ 照 葉 樹 林 文 化 ﹂と し て ︑ブ ー タ ン と
て揚子 江の南の地 帯から西日本に達 するい
な ん て 思 っ て み た り ︒料 理 の 特 徴 で い く と
ここに 行 け ば 答 え が 見つか るので は ない か !
書かれています ︒
多くとることなどが特徴と多くの出版物に
似 て い て 当 た り 前 な の で は な い か ? とい
日 本 は 文 化 を 共 有 し て い る ︑と 言 え る か ら
﹁幸せの国の料理は︑
世界一辛い料理﹂
なんて︑
ブータンの 食の 特 徴 とい うのは ︑も は や 日 本
うことです︒
それを前提に話をするとですよ︑
非 常 に 根 源 的 な 発 酵 や 調 理 が 今 な お 残って
で は 食 べ ら れ な く な っ た ︑磨 き を か け な い
じ る 紹 介 で す ね ! そ こ で ︑ご 存 知・按 田 の
口癖︑
﹁ そ う い う こ と じ ゃ な い ん だ よ な ﹂が 出
とって も キ ャ ッ チ ー で ミ ス テ リ ア ス な 国 に 感
て く る わ け で す ︒ブ ー タ ン 料 理 を 知 ろ う と し
ちゃちゃっと作ったどぶろくを飲むのが日常
を 極 めていく け れ ど ︑ブータンでは 各 家 庭で
例 え ばお 酒 ︑日 本 酒 は 杜 氏 が 米 を 磨いて 味
いることなのではないかと思 う わ けです ︒
それは言ってみたらシャツの柄が水玉模様か
なことじゃないと思うのです︒
てい る 人 が 欲 しいス ト ー リ ー は ぜ ん ぜ ん そ ん
ギンガムチェックか?みたいな表層的な話で︑
解 では ない け れ ど ︑ブ ー タン 料 理 に 唐 辛 子 や
が 出 来 る 国 なので す ︒唐 辛 子 と チ ー ズ も 不 正
乳 製 品 は マ ス ト で は な い で す ︒日 本 だ っ て
で す ︒そ うい うこと を 現 在 進 行 形 で 見 ること
段 階に引用 されるのはし ばし ば表 層の模 倣 ︑
それはもっとこう︑構造的なことを知ってから
や は り そ う だったか ﹂︵ や はり そ う だったか も
されたら何だか変な気分になりませんか?
ワ サ ビ と 昆 布 ば っ か り 食 べ て い る ︑と 紹 介
の面 白みなのです ︒﹁異 文 化 が受 容 される初 期
頻 繁 に 登 場 す る 口 癖 で す ︶と 思 う わ け で す ︒
ピ ッ ク ア ッ プ し て く れ た な ら ︑そ れ は そ れ
あ る 意 味ではそ う だか ら ︑外 国の人 がそこを
ど こ と な く 日 本 人 と 似 て い る し ︑な ぜ か 懐 か
し い 気 持 ち に な る ︒な ん て い う の は ち っ と も
で・・・・みたいな気持ちになります︒
ミ ス テ リ ア ス で は な い ︒な ら ば 青 森 県 に キ リ
リアス︒
ストの墓があることの方 が100倍ミステ
ところで ︑ブータンには ブータン人 が 自 ら
自 国の 料 理 を 語 り ︑紹 介 している 料 理 本 がい
まのところ ないので す ︒外 国 人 の フ ィ ー ル ド
ワークをまとめた料理本 が 冊
2 ︑たっ た 冊
2︒
し か し ︑今一人 の ブ ー タン 人 女 性 が ブ ー タン
楽 し み で す ︒自 分 達 の 文 化 を ど う 俯 瞰 し て
の 食 について 執 筆 中 だ と か ︒こ れ は とって も
編 集 す る か ︑これ は ブータンにとってす ごく
す ご く 良 い 機 会 ︒そ し て ︑情 報 が 飽 和 な 日 本
す る 能 力 なのでは ないかと 思いま す ︒正 し さ
で 問 わ れている ものま た ︑もの ごとを 再 編 集
とか 正 確 な 情 報でな く ︑時 に ︑いや ︑し ば し ば
喚起されるもの︒
語 る そ の 人 の 眼 差 し が とって も ユニ ー ク で
編 集 の お 仕 事 っ て 大 変 だ な ︑ち ょ っ と し た
世 直 しのできる け ど 肩 書 は 編 集 者 ︒逆 しるし
ハラ ス メ ン ト 的 だ ね ︒
これは、ブータンの名物モモ。
形に意味はある何のモチーフ? と聞いたら「別に無い」と言っ
ていた。あると思うけどな。こうやって他国から伝わった食
べ物の意味がはぎとられ、表層だけが日常となり、「モモとい
うブータンの名物」という意味にとって代わる。だから私は
こういう食べ物を名物として取り上げたくない。( 按 )
16
岩瀬ジロウ
8.
いや、なんせ映画好きなものですから、
、
、
もうすぐ販売終了するシャグ「マニトウ」。久しぶりに購入し
1 時間 10 分位して邪悪なインディアン祈祷師のおっさんが、
早速喫ってみたのだけれど、あれ?こんな味だったっけ?と
背中のコブを破って誕生するのだが、それからは怒濤の展開。
少々残念な感想。こんなはずではないので早速加湿を行う。
舞 台 は あ くま で 病 院 内 限 定 な の だ が 、地 震 を 起 こ し た り 、
ハイドロストーンをしっかり湿らし表面の水分を拭いて「マ
寒波を起こしたり、トカゲだかワニだかのマニトウを呼び出
ニトウ」のパウチに投入。24 時間後パウチを開くと、、、、、
して人を襲わしたり。ラストは病室が宇宙空間に!何故?解り
湿らし過ぎたなこりゃ。思ってた以上にタバコ葉が湿ってし
ません!しかしこの時、今までぐったりしていた主人公女性
まった。でもしょうがない。出来るだけ優しくほぐし、ふわっ
がむっくり起き上がった!病院内のコピュータから放電が起
と巻いて玄関 bar で喫煙。
こる!すると女性の手からレーザー光線が!邪悪な奴もなん
だ か 光 の固まりみ たいになって火 球を放って 来る!しかし
いやあーーー美味いねえ。
コンピュータからの放電パワーを溜めに溜めたレーザー光線
の一 撃 で 邪 悪 な 奴 は 木っ端 微 塵になったのであった 、、、。
なんかさ、もう、ザ・シャグって感じで実にうまい。特別な
クセがある分けじゃないが、鼻に抜けるそのスパイシーでし
監督はウィリアム・ガードラーといって、実はこの映画の
かも甘さを感じる煙の裏切らない感は異常だ。そのせいで普段
後の映画のロケハン中にヘリの墜落事故で亡くなってしまっ
はスリムサイズで巻いていたのをレギュラーサイズに巻き直
たのだけど、スティーブン・スピルバーグの「ジョーズ」の
したよ。たまにはたっぷり葉っぱを巻いて、ドバドバ煙りを
代表パクリ映画「グリズリー」や、ヒッチコックの「鳥」の
楽しみたいじゃないか、ねえ。
概ねパクリ映画「アニマル大戦争」などどいう C 級マインド
あ ふ れ る 作 品 を 監 督 し た 人 。今 生 き て い た ら 、や っ ぱ
シャグ を 楽しむ 様 になって 、「 マ ニトウ」といえば まさに
り「珍作」ばかり撮っているんだろうな、なんて想像しか出
このベストセラー銘柄のことなのだが、本来、私にとって「マ
来 ないくらい 大した 事 ない 監 督 なんだけど 、それ でも映 画
ニトウ」といえば、というか昭和生まれの映画好きに「マニ
少 年 の 心に 物 凄 い 爪 痕を残しているのである。
トウ」って知ってる?と聴けば、99.9999%位の確立で映画
「マニトウ」の事?と言うでしょう。映画「マニトウ」とは、
で、なんで「マニトウ」つながりでこんなにこの映画を語
るかというと、凄く好きなシーンがあって。邪悪なインディアン
1978 年制作のアメリカ映画で、当時はそこそこヒットした
の霊に対抗するために、現インディアン祈祷師に対決しても
オカルト映画。
「エクソシスト」から 5 年。あの「スターウォー
らうのだが、主人公女性の彼がその仕事を依頼する時に「お
ズ」とほぼ同期、
「13 日の金曜日」の 2 年前というすごくどう
礼はどうしたらいい?」と祈祷師に聞くと「煙草でも貰おう
でもいい時期に作られた、今見ると、いや当時見ていてもか
か」と適当な返事。そしてラスト。仕事を終え二人が別れる
なりの珍作だった映画。
時に「あ、
これ煙草」といって手巻き煙草を 2 パウチ渡す、、、。
お話は、主人公女性の背中(首の付根あたり)に動くコブ
命がけの仕事をして、ギャラが煙草だけなんて粋じゃあねえ
が出来て、色々調べるとそれは 400 年前の邪悪なインディアン
かい。こんな些細なことでもやっぱり少年の心に何かしら残
祈祷師の霊で、まさにそのコブごと成長して現代に生れ出よ
るんだよな。
うとしているのだった!マニトウとはインディアン用語(な
んだそれ)で精霊とか言う意味らしく、世の中のすべてのも
のには、そのもののマニトウが宿っているという。上映開始
17
10. 花に嵐のたとえもあるさ - 1
東 京は新 宿の片隅にある小さな会 社で 桜 子さんはデジカメを 構えていた。
「もうちょっと寄ってください。そう、はい、じゃあチ ーズ 」
ボスを中心に十人程の社員の集合写真を撮りながらこの写真を見た人がこの会社に入る頃自分はここに
いないのだとしみじみ思いながら桜子さんはシャッターを押した。
ひと月前、月に一度の面談日に桜子さんは社長に呼び出され契約終了の知らせを受けた。
五 十 を 過 ぎ た 今 でも十 分 綺 麗だ が 、昔は 女 優 をしていたというボスは眉を 寄 せて、桜 子さんに問 題 があ
る わ け で は な い け れ ど 社 風 に 合 わ な い と 言 い 、で も 貴 女 の こ と は 大 好 き な の よ っ て 続 け だ し た の で 、
や っ ぱ り 演 技 が 下 手 で 辞 め た っ て い うの は 嘘 じ ゃ な か っ た な と 桜 子 さ ん は 思 っ た 。そ れ 以 上 話 す こと
も な い の で 、頭 を 下 げ デ スクに 戻ると不 安 そうに 見 つ めるゆとりちゃんと入 れ 替 わり、ゆとりちゃん は
な か な か 戻ってこなかった 。戻ってきたゆとりちゃんは明らかに泣いたであろう顔で、
「 私 も 今 月で 終 わりで す 」
と言うとまた泣 いた。
手 元 で 確 認し 特 に問 題 が なかったのでカメラを 部 長 に 手 渡し 桜 子 さん はデ スクに 戻った 。
隣 の席のゆとりちゃんは頬 杖 をつきながらパソコンを眺 めている。
「どうな ん で す か ね 、あ あ ゆう写 真 桜 子 さん に 撮らせ るの 」
画 面 を見 つめたままのゆとりちゃんの呟きに桜 子さんも前を向きながら小 声で 答えた。
「 求 人 誌で 社 員が 楽しそうに写っている会 社は大 体ブラックだっていうよね 」
ふと顔 を 上げると、ボスがいつものように少し離 れた先 輩たちのデ スクの傍で、
「 沢 山 応 募くると い い わ ね え 。イ ケ メンくるか もよ 」
と言っていて、ボスのああゆうとこ嫌 いだったなと桜 子さんは苦 笑した。
け れども 適 当な 志 望 動 機と経 歴 で 潜り込 ん だ 割 には 良くもったもん だと給 湯 室 で 一 人 で 弁 当 を 食 べ て
いるとボ ス が やってきた 。
ボ ス は 一 緒 の テ ー ブ ル に 座りまた い つもの 下 手くそ な 演 技 で 悲し そうな 顔 を 作り、本 当 に 良くや って
く れ た と か 他 の 誰 か が 褒 め て た と か そ ん な こ と を つ ら つ ら 始 め た の で 、弁 当 も 食 べ 終 わ っ た し 他 の
社員もやってきたので、
「もうそうゆうのはどうでもい い ん で 」
と笑顔で言うとボスがフリーズし、吹き出してしまいそうだったのでそのまま一礼し給湯室を後にした。
→
18
10. 花に嵐のたとえもあるさ - 2
そ の 夜 桜 子 さん はちぃちゃんと目 黒 川 沿 い で ささや か に 花 見 をした 。
「 ユ ウ イ チ 君 、ま だ セ ック ス す る 前 に 、私 の 姿 勢 が い い ところ が す ご くい い で す ね っ て 言 っ て 、私 そ れ
に 参 っ ち ゃった ん だ よ ね 。そ ん な 風 に 言 う人 初 め て だ った か ら 」
桜 が 咲 く 少 し 前 、そ の 池 尻 の 男 に 彼 女 が 出 来 て 突 然 フ ラ れ て し ま っ た ち ぃ ち ゃ ん は 、三 日 三 晩 何 も 食
べ ず 一 睡 も せ ず ひ た す ら 泣 くと い う 偉 業 を 成 し 遂 げ て 大 分 痩 せ た 。そ れ か ら も 二 週 間 程 落 ち 込 ん で
いたがこうして外に出てきたから元 気が出たのだろうと桜 子さんは少し安 心しながら煙 草に火を
付けた。
「 私 昨日男とも別 れた。渋 谷のマンション出て部 屋 探さなきゃ。この辺 住もうかな、桜 綺 麗だし」
「 意 外 。ちぃちゃんあの生 活 辞 めないかと思った」
「 考えたら私 金 持ちの愛 人 がいてプラプラしてたでしょ。私がいくらユウイチ 君のこと好きだって言っ
てもそんなことしてたら所 詮 遊 びの域を出られるわけないじゃん 」
ちぃちゃんは新しいビールを開けた。
「 とりあ え ず あ の 部 屋 出 て 仕 事 し て 真 っ当 に な って み ようか なと 。ず っと 泣 い て たら 逆 に 元 気 出 たし 。
多 分 次 好 き に な る 人 は す ご い 素 敵 な 人 だと 思 うん だ よ ね 。だ って ユ ウ イ チ 君 す ご い 素 敵 だ った から そ
れ より素 敵 な わ け でしょ?そう考 えるとめ ちゃくちゃ 楽 し み 」
桜 子 さ ん は ち ぃ ち ゃ ん の ピ ン と 伸 び た 背 筋 を 眺 め な が ら 、ち ぃ ち ゃ ん の 将 来 と 愛 人 か ら 貰 っ た 手 切
れ金の額に乾杯をした。
最 終日 、桜 子 さんとゆとりちゃん は 昼 で 帰 って い いことになった 。会 社 の 近くで 昼ご 飯 を 食 べ 今 後 の
ことを 話した 。
駅 の 改 札 で ゆ とりち ゃ ん は 少 し 涙 ぐ ん で い た 。そ ん な 顔 で 握 手 を 求 め ら れ て 少 し 恥 ず か し か っ た が
仕 方 が な く桜 子 さ ん も ゆ とりち ゃ ん の 少 し 湿 っ た 手 を 握 っ た 。
東 京 は 新 宿 駅 の 片 隅 で そ ん な 言 葉 に 意 味 は な いと知 って い たけ れど 桜 子とゆとりちゃん は 何 度もまた
ねと言 い 合 い 手 を 離した 。
(終)
作者メッセージ
みなさんこんにちは、お便器ですか? 間違えました、お元気ですか? ひょんなご縁で連載へ参加し一年
と少し。当初もっとビロウな話を書くつもりでした。巷ではとかく男女間の下ネタはセックス前の駆け引
き程度に盛り上がるものだという風潮があり、そんなんじゃなくて私の好きな誰も勃たない濡れないそん
な猥談を朝までズボッと生絞り、真剣しゃぶり場!な話を。でもなぜか結局センチでメランコリックな
ものになりました。ひっそりと続けていましたが、第 10 話で 一旦締めくくりです。読んで頂ききありが
とうございました。いつかどこ かでまたお会いしましょう。お便器で、ご機嫌尿。 ( 薹 )
「Below
talk 」の感想 お待ちしてます。
19
4
20
Apartment residents
鈴木 さや香 / Sayaka Suzuki
按田 優子 / Yuko Anda
イラストレーター
料理家
1978 生 静岡県出身 多摩美術大 卒
1976 年 東京出身 東洋大学卒業
株式会社ドラフトを経てフリーのイラストレーター
料理 , 菓子制作、料理講座講師などの活動をへて、
として広告雑誌などで 活動中。 http://suu-suu.petit.cc/
餃子専門店「按田餃子」
(代々木上原 } をオープン活動中
http://www.andayuko.com/
河野 裕麻 / Yuma Kawano
岩瀬 ジロウ / Jiro Iwase
1987 年生 京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業
東京都出身
第 5 回グラフィック「1̲WALL」ファイナリスト
手巻き煙草を愛する 映画好き。
絵画やイラストレーションなどで作家活動中
デジタル銀塩プリントマイスター。絶滅危惧職種。
Twitter:@torinikuo
佐々木 康晴 / Yasuharu Sasaki
薹野 花路 / Hanamichi Tono
フォトグラファー
198X 年 春生まれ
1979 年生まれ , 東京出身
好きな食べ物 : お寿司と納豆
2009 年 渡英。
尺八は吹けますが楽器は出来ません。
ライブ・ファッションやアーティスト等のポートレートを中心に撮影。
2013 より東京にて活動開始。
http://yasuharu-sasaki.com/
おのでら はるみ / Harumi Onodera
高見 清史 / Kiyoshi Takami
イラストレーター
グラフィックデザイナー
1987 年生まれ 宮城県塩竈市出身
ロンドン留学後、数社デザイン事務所を経て中島英樹氏師事
好きな食べ物はスイカとアイス。牡牛座の AB 型、会社員。
東日本大震災をきっかけに東京から地元塩竈に帰りひっそりと暮らす。
作品 :「おむすびウメちゃん」キャラクターデザイン、本の挿絵等
http://onoderaharumi.blogspot.jp/
2006 年 独立
現在ベルリン在住
「アパートメント」タイトルデザイン担当
http://www.viewfromabove.jp/
平野 倫 / Rin Hirano
Visual Designer, CG Creator
2008 年「HIRANORN OFFICE. 」を設立しビジュアル制作のシーンで
広告や雑誌 , 映画等で活動。
2012 年 新しい創作の場として「アパートメント」magazine を創刊。
http://www.hiranorin.com/
Vol.19 Cover Work
Illustration : 大 山 美 鈴
1982 年東京生まれ。
本のストーリーや日常の出来事を組み合わせ物語を書き、その展開を
一枚の水彩画に綿密に配置する手法で、独自のメルヘン世界を描く。
個展を中心に、CD、洋服・雑貨のプロダクトのデザイン提供等 多岐
に活動中。
『STUDIO VOICE』Web 連載
著書に絵本『よるまちめいろ』(2009 年 米・PublishingWorks )。
http://www.misuzu-oyama.com
21
編集後記
今号の「アパートメント」はいかがでしたか?
前号 UP 後にちょうど「アパートメント」magazine が2周年を迎えま
した。お花見からはじまって、連載メンバーの展示なども相次いで開催
されて、盛況だったようで、色々イベント月間の時期だった編集部です。
そして、お知らせは、5月から編集部がお引っ越しします。
今までの連絡先や住所など変更になりますんで、関係者の方はまたご報
告しますが、詳細については 次号または フェイスブック等でもおしら
せしたいと思います。 今回の移動で、ほーんのちょっとだけ場所が広く
なって、新しい企画も始動する予定でいますので、相変わらずではあり
ますが、編集部のサポートスタッフ ( もしくは忙しい時少しバイトして
くれる方)を募集してます。少しリフレッシュした場所で手伝って貰え
るようにしたいなあと思っております、、。
*
今回インタビューした「妄想娘、東大をめざす」を刊行した、大石蘭ちゃ
んの取材では、実はかなりストリート撮影の時間に労を費やしてもらっ
ていて、カメラマンの佐々木くんはデジタル撮影以外にもモノクロや
4x5 フィルムも一緒に色々なバリエーションで撮影しています。すべて
がみせれないのが残念なんですが、そのうちどこかで発表してゆける機
会があればと思ます。
そして、カバーワークを担当してくれた大山美鈴さん。大石蘭ちゃんと
も縁があったようで ( 偶然! ) とてもピッタリの世界感を創作してくれ
ました。これも細かい描写など WEB だけでは勿体ない作品だあとおも
いながら、いつか原画を観てもらえる機会をつくれたらと思います。
*
次号は 20 号です。
予定ではデザイン、内容ともにすこしリニューアルする予定です。今後
も新しい企画やリクエストも色々挑戦しながら、新編集部から無事発信
してゆける事を見守ってくださいませ!
次号もどうぞよろしくお願いします。
( 編集代表 Hirano )
新連載のおしらせ、配刊の予定などは >>
・募集
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・広告掲載 ・記事掲載
アパートメント Twitter : @Apartmentweb
・ご意見、ご要望、ご質問等
・デザイン、撮影、WEB、文章ライティング等、お仕事のご相談
・ 編集部員 お手伝いスタッフ
> 編集部まで
アパートメント Official HP
http://hiranorin.com/apartment/
アパートメント編集部
Mail : [email protected]
アパートメント Vol. 19 2014 . 4. 19 発刊