2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 日本の商用車メーカー:日野が、中国で大型トラック生産を開始 いすゞは新興国向けトラックを開発、三菱ふそうはロシアで合弁事業を開始 2009.11.13 No.827 いすゞ自動車:2009年度上半期の販売は半減、新興国向けに低価格トラックを開発 日野自動車:コロンビアとメキシコで中型/小型トラック、中国で大型トラックを生産開始 三菱ふそう:事業体制再編により車型数半減、海外事業ではロシア市場に参入 日産ディーゼル:Volvo Group との機能統合を完了、バス事業は三菱ふそうと統合へ 要 約 以下は、日本の商用車メーカー 4社、いすゞ自動車, 日野自動車, 三菱ふそうトラック・バス, 日産ディーゼル工業 の概況である。 いすゞ自動車の2008年度販売台数は 21.3%減。09年 4~9月販売もほぼ半減した。中長期的には、海外事業を原 動力に成長を目指すとしており、新興国向けに低価格小型トラックの開発を開始することを明らかにしている。 日野自動車の2008年度販売台数は 11.8%減、09年 4~9月も 38.6%減少した。海外事業を拡大中で、中南米のコ ロンビアとメキシコでは新工場での現地生産を開始、中国では広州汽車との合弁生産を開始した (中国生産は、部 品の現地調達率が 40%超で、日野として初の本格的海外生産)。 三菱ふそうトラック・バスの2008年販売台数は07年比 4.8%増で、過去最高。しかし、09年 4~9月は 53.2%減少し た。09年 5月に発表した中期経営計画に基づいて事業再編中で、車型数を半減、部品点数を 30%削減するなど で、2011年に EBIT の 1,000億円改善を目指している。海外事業では、ロシアで現地トラックメーカーの Kamaz と 合弁事業を開始する。また、カザフスタン, アゼルバイジャン, グルジアで、トルコで生産した小型トラックを販売する 計画。 日産ディーゼル工業の2009年 4~9月販売は、58.8%減少して 1.0万台 (日産向け車両を含む)。09年初には、 Volvo Group との機能統合を完了しており、シナジー効果を拡大する計画。 いすゞ/日野/日産ディーゼル/三菱ふそうの販売台数 (台) いすゞ 日野 三菱ふそう 日産ディーゼル 合計 2004年度 339,162 95,486 118,100 77,703 630,451 2005年度 446,284 102,250 178,900 76,514 803,948 2006年度 468,301 102,335 187,638 67,253 825,527 2007年度 (注3) 508,958 111,677 188,719 38,184 847,538 2008年度 400,667 98,533 197,724 49,363 746,287 2008年 4-9月 242,667 56,590 98,800 25,081 423,138 2009年 4-9月 109,665 34,772 46,100 10,326 200,863 資料:4社の決算短信, 会社概要等 (注) 1.いすゞと日野は会計年度ベース (4月~翌年 3月)。三菱ふそうは暦年ベース。 2.日野には、トヨタ受託車売上台数を含まない。 3.日産ディーゼルには日産自動車向け車両を含み、 2007年度欄は 4~12月、08年度欄は 1~12月実績。 日本の大型/中型貨物車の新車登録台数 (台) いすゞ http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 日野 三菱ふそう 日産ディーゼル 合計 1/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 2004年 27,393 32,746 25,449 18,284 103,872 2005年 30,050 33,993 21,986 19,982 106,011 2006年 32,165 33,263 25,442 18,342 109,212 2007年 27,102 28,907 19,083 13,937 89,029 2008年 22,628 24,763 15,718 11,462 74,571 2008年 1-9月 18,420 20,024 11,945 9,001 59,390 2009年 1-9月 9,187 9,841 5,385 4,372 28,785 資料:自販連 "大中型貨物車登録台数" いすゞ自動車:2009年度上半期の販売は半減、新興国向けに低価格トラックを開発 いすゞ自動車の2008年度販売は、国内で 22.0%減、海外で 21.2%減少し、21.3%減の 40.1万台。売上高は 26.0% 減の 1兆 4,000億円、営業利益は 80.2%減の 216億円 (前年度が ASEAN地域の連結子会社については 15ヶ月 決算だった影響を含む)。 2009年 4~9月の販売は、ほぼ半減の 11.0万台。売上高は 48.5%減少し、営業損失は 200億円 (前年は 392億 円の利益)。2009年度通期でも、売上高 28.4%減、営業損失 180億円を見込んでいる。 いすゞは、商用車の世界需要は大きく減退したが、海外事業を原動力に成長するという基本方針は不変で、目標 とする経営指標として、売上高 2兆円、営業利益 1,500億円も変えていない。 海外事業では、北米事業の統括会社を設立して業務の効率化を図るほか、ペルーでは、これまで Chevrolet バッ ジを採用していたいすゞ車両を、いすゞバッジに切り替えた。新興国向けには、従来より 2割程度安い低価格トラック を開発し、2011年にも投入する計画。 いすゞ自動車:製品別連結販売台数 (台) 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2008年 2009年 4-9月 4-9月 大型車/中型車 29,475 33,617 32,929 29,256 21,250 12,162 6,609 小型車 60,265 64,557 63,872 44,799 36,498 20,433 12,028 合計 89,740 98,174 96,801 74,055 57,748 32,595 18,637 大型車/中型車 21,098 19,848 23,645 31,446 31,379 18,578 9,493 小型車 228,324 328,262 347,855 403,457 311,540 191,494 81,535 合計 249,422 348,110 371,500 434,903 342,919 210,072 91,028 大型車/中型車 50,573 53,465 56,574 60,702 52,629 30,740 16,102 小型車 288,589 392,819 411,727 448,256 348,038 211,927 93,563 合計 339,162 446,284 468,301 508,958 400,667 242,667 109,665 国内 海外 合計 資料:いすゞ決算短信 (注) 大型車/中型車はトラックとバス、小型車はトラックと RV。 ■いすゞ自動車:地域別出荷台数 (完成車+KDセット)(台) CV (商用車) 2009 LCV (Pickup Truck とその派生車) 年度 年度 日本 73,000 55,000 46,000 北米 17,000 6,000 5,000 3,000 中南米 30,000 33,000 14,000 23,000 5,000 39,000 26,000 13,000 18,000 5,000 欧州 27,000 25,000 4,000 18,000 1,000 18,000 11,000 3,000 8,000 2,000 57,000 64,000 37,000 35,000 11,000 78,000 67,000 53,000 42,000 18,000 中近東/アフリ http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 計画 4-9月 年 4-9月 2007 2008 年度 年度 2009 2008 年度 2008年 2009 2007 34,000 19,000 1,000 年度 2008年 2009年 4-9月 4-9月 計画 2/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル カ オセアニア 12,000 9,000 8,000 アジア 33,000 31,000 中国 26,000 25,000 合計 6,000 3,000 19,000 18,000 12,000 9,000 23,000 19,000 11,000 201,000 165,000 146,000 103,000 60,000 27,000 10,000 12,000 10,000 18,000 16,000 12,000 10,000 6,000 275,378 248,423 163,000 147,587 63,013 364,240 305,801 244,500 192,081 100,376 資料:いすゞの決算説明資料 いすゞ自動車:連結業績 (100万円) 2009年度 2008年 2009年 計画 4-9月 4-9月 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 国内 625,749 684,993 694,631 654,721 533,833 470,000 303,650 187,778 海外 867,818 896,864 968,294 1,270,112 890,875 550,000 556,065 255,070 北米 213,901 183,143 175,379 141,998 84,076 45,987 アジア 374,172 442,181 456,408 643,907 369,279 279,744 271,539 336,506 484,206 437,518 29,197 売上 高 その他地 域 合計 n.a. 235,763 132,788 274,314 93,084 1,493,567 1,581,857 1,662,925 1,924,833 1,424,708 1,020,000 859,715 442,848 営業利益 87,214 90,661 106,980 109,573 21,651 (18,000) 39,202 (20,017) 経常利益 91,555 93,843 114,697 122,322 15,236 (23,000) 40,075 (23,580) 当期利益 60,037 58,956 92,394 76,021 (26,858) (20,000) 30,077 (27,768) 設備投資額 46,071 38,695 47,876 50,592 66,667 32,000 237,000 119,000 減価償却費 27,225 25,057 28,173 41,537 39,597 40,000 198,000 197,000 研究開発費 46,816 55,101 58,533 60,256 67,725 58,000 353,000 262,000 資料:いすゞ決算短信, 決算説明/参考資料, 広報資料 (ファクトブック) (注) 2009年度計画は、いすゞ発表 (09.11.9)。09年 5月発表の当初計画より、売上高を 600億円下方修正 (当初計 1. 画は 1兆 800億円)、経常損失を 30億円上方修正した (同 260億円)。 2.2007年度は、ASEAN 地域の連結子会社 8社の決算期を12月から 3月に変更した 15ヶ月決算の影響を含む。 3.2008年度の当期利益の赤字には、繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額を 245億円計上した影響を 含む。 いすゞ:中長期的な経営戦略と対処すべき課題 (2009年 5月発表) いすゞは、2008年度決算発表時に、中長期的な経営戦略を明らかにした。2008~2010年度の中期経営計画 (07年 8月発表) で前提条件としていた商用車の世界需要が大きく減退したが、長期的に、海外事業を原動力に 飛躍的な成長の実現を目指すという基本方針は不変。 当面は、(1) 基本機能の再編・強化、(2) プロジェクトの優先順位の見直し、(3) いすゞが強い市場へのリソースの シフト、(4) 品質の管理・向上、(5) コンプライアンス体制の強化、に取り組むとしている。 2008~2010年度中期経営計画の2010年度目標も (売上高 2兆円, 営業利益 1,500億円, 営業利益率 7.5% 以 上、ROE 17% 以上)、長期的に目標とする経営指標としている。 資料:いすゞ 2008年度決算短信 いすゞ:新興国市場に、低価格小型トラック投入を計画 いすゞは、新興国向けに、従来車より 2割程度安い低価格トラックを開発し、2011年にも投入する (2009年 4~9 月決算発表で表明)。積載量 2~3t の小型トラックで、中国等の地場メーカーから部品を調達して、原価を低減す る。部品をモジュール化し、各国のニーズに適した品質・価格として供給するとしている。近く試作車を完成させ、 先ず、東南アジア等で試験販売することを検討中。 資料:日刊工業新聞 09.9.16, その他 http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 3/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル いすゞ:海外事業の展開 いすゞは2008年11月、北米事業体制再構築の一環として、北米事業を統括する持株会社 Isuzu North 北 米 America Corporation (INAC) を設立した。これまで北米事業は、いすゞが直接出資する子会社 3社が、それ ぞれ SUV と産業エンジン事業、CV事業、商用車とディーゼルエンジンの開発業務を展開していた。INAC は 3社を傘下に置いて統括し、共通する間接業務を 3社に提供する。 3社はそれぞれの専門分野に特化し、業 務の効率化を図る。 ペ ル ー いすゞは2009年10月、ペルーで、いすゞバッジの車両販売を開始した。ペルーではこれまで、いすゞ車両に Chevrolet バッジを採用して販売してきたが、新型トラック 700P のペルー市場投入を機にいすゞバッジに切り 替え、現地販売業者である GM Peru を通じて販売する。ペルー市場におけるいすゞ商用車の 2008年販売実 績は 622台、2013年目標は 1,000台。 資料:いすゞ Press Release 08.11.5/09.10.21 日野自動車:コロンビアとメキシコで中型/小型トラック、中国で大型トラックを生産開始 日野自動車の2008年度売上台数は、国内で 24.2%減、海外で 3.2%減少し、11.8%減の 9.9万台。トヨタからの受 託生産車も、40.1%減の 12万台。売上高は 21.9%減の 1兆 695億円。営業損失は 194億円 (07年度は 459億円の 利益)、純損失は 618億円 (同 222億円の利益)。 2009年 4~9月も、アジア地域への輸出が持ち直しつつあるが、38.6%減の 3.5万台。トヨタからの受託生産車も 55.1%減の 3.8万台。売上高は 39.2%減の 3,925億円。営業損失は 220億円、純損失は 290億円。2009年度通期 でも、営業損失 120億円、純損失 245億円を見込んでいる。 日野は、今後の商品力の強化策として、各市場に適した的確な商品を、モジュールを利用して開発・生産するとし ている。また、ハイブリッド車の商品力を高めるため、ディーゼル車との価格差を半分に縮めたハイブリッドトラック や、非接触給電ハイブリッドバスの開発を進めている。 グローバル戦略では、2008年末にコロンビア、09年にメキシコで、新工場での中型/小型トラック生産を開始した。 中国でも、広州汽車との合弁工場で、大型トラック生産を09年に開始した。 日野自動車:連結売上台数とトヨタ受託車売上台数 (台) 2009年度 2008年 2009年 計画 4-9月 4-9月 34,737 28,600 19,827 10,927 65,871 63,796 54,600 36,763 23,845 102,335 111,677 98,533 79,200 56,590 34,772 44.90% 49.70% 59.00% 64.75% 63.13% 64.96% 68.58% 188,779 203,066 200,929 120,271 113,000 85,305 38,308 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 国内トラック・バス 50,668 56,356 51,434 45,806 海外トラック・バス 44,818 45,894 50,901 トラック・バス合計 95,486 102,250 海外比率 46.90% トヨタ受託車両 248,000 資料:日野自動車決算短信, 決算参考資料 09.4.27 (注) 2009年度計画は、日野発表 (09.10.28)。09年 4月発表の当初計画より、国内売上台数を下方修正 (当初計画 1. は 29,000台)、海外売上台数を上方修正 (同 50,000台)、トヨタ受託車両台数を上方修正した (同 111,000 台)。 2.日野は、2004~07年度中期経営計画で 2010年度販売目標を 15万台に設定。2008年には、2015年度を目処 とする目標として、国内販売 5万台、海外販売 15万台超、合計 20万台超を掲げ、現在もこの目標は変わらない としている。 3.トヨタからの受託車両は完成車+CKD。 ■日野自動車:地域別連結売上台数 (海外) (台) 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2008年 2009年 計画 4-9月 4-9月 アジア 28,300 24,100 22,800 31,678 35,262 33,830 20,393 16,418 中南米 3,800 4,500 6,200 10,230 9,642 7,000 3,430 2,612 オセアニア 5,700 5,800 6,200 7,536 5,464 5,290 5,816 2,499 http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 4/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 北米 中近東 4,300 6,500 9,300 2,700 5,000 6,400 欧州/アフリカ 海外販売合計 44,800 45,900 50,900 5,680 4,991 3,900 2,320 1,389 5,518 4,710 2,650 2,220 520 5,229 3,727 1,930 2,584 407 65,871 63,796 54,600 36,763 23,845 資料:日野自動車決算概要、決算詳細説明 09.4.27, 決算説明会資料 09.10.28 日野自動車:連結業績概要 (100万円) 2009年度 2008年 2009年 計画 4-9月 4-9月 374,000 251,100 160,000 285,100 248,000 171,400 117,800 522,600 331,700 328,000 222,800 114,700 84,700 128,500 90,000 n.a. n.a. n.a. 1,196,972 1,287,668 1,368,633 1,069,500 950,000 645,300 392,500 38,336 40,522 36,701 45,889 (19,448) (12,000) 8,300 (22,000) 経常利益 39,751 42,131 36,841 41,035 (30,446) (19,000) 7,100 (25,700) 純利益 17,672 28,704 20,059 22,178 (61,839) (24,500) 3,000 (29,000) 設備投資 53,500 62,700 48,300 43,700 58,400 320,000 28,900 15,800 (海外) 15,900 21,600 13,600 7,200 6,100 6,000 2,300 2,000 減価償却費 32,400 35,200 38,300 44,200 47,500 49,000 22,600 22,600 研究開発費 34,900 34,800 34,400 39,500 40,900 37,700 21,100 18,300 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 国内 540,200 598,900 579,400 530,500 452,700 海外 181,700 198,500 233,600 315,500 トヨタ 408,200 399,500 474,600 (海外) 26,900 73,600 1,130,100 営業利益 売上高 合計 2008年度 資料:日野自動車決算短信, 決算詳細説明 09.4.27 (注) 1. トヨタへの売上高と設備投資の (海外) は、ともに内数。 2.2009年度計画は、日野発表 (09.10.28)。09年 4月発表の当初計画より、売上高、営業損失、経常損失を上方 修正し (当初計画は、売上高 9,000億円、営業損失 150億円、経常損失 220億円)、純損失を下方修正した(当 初計画は 240億円)。 日野自動車:商品力の強化策 (2009年 4月発表) 市場適格商 品 品質, 耐久性, 信頼性で、各国毎・地域毎に求められる的確な商品を提供する。 モジュール 発想に ・顧客のニーズに迅速に対応。 よる開発・生 ・効率的開発、生産によるトータルコストの削減。 産 現在、大型観光バス, 大型路線バス, 中型トラック, 小型トラックにハイブリッド車を設定。2009年 3月末までの累積販売は 6,384台。 ■ハイブリッド車の普及拡大策 ハイブリッド 車 ・講習・試乗を通じてハイブリッドバスの燃費向上を訴求し、拡販を図る。 ・革新型小型ハイブリッドトラックを開発 (ディーゼル車との価格差を半分に縮めて、 燃費向上をディーゼル車比で、現行の 1.2倍 から、1.5倍に高める)。 ・非接触給電ハイブリッドバスの研究開発 (国土交通省の "次世代低公害車開発・ 実用化促進プロジェクト" として開発を推進中)。 資料:日野自動車 決算説明会資料 09.4.27 日野自動車のグローバル戦略:コロンビア, メキシコ, 中国で生産を開始 コ 2008年12月、コロンビアの新工場で中小型トラック生産を開始。中南米地域では初の現地生産。Hino http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 5/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル ロ Motors Manufacturing Colombia, S.A. (日野が 70%、三井物産が 15%、日野の現地販売代理店が 15%出 ン 資) が、コロンビアとエクアドル向けに HINO 500/300 Series (日本名 Ranger/Dutro) を生産する。年産能力 ビ は 3,500台 (1直)。物流費の低減とアンデス共同体域内での関税優遇メリットを活かして、価格競争力の強化 ア を図る。 2009年 9月、メキシコの Hino Motors Manufacturing Mexico, S.A. DE C.V. (日野が 80%、三井物産が メ 20%出資) の新工場で、中型トラック HINO 500 Series 生産を開始した。中南米地域では、コロンビアに続く 2 キ 番目の生産拠点。年産能力は 1,200台 (1直)。 シ メキシコ市場には、2007年に小型トラック HINO 300 Series の販売で新規参入した。09年度は、小型 860 コ 台、中型 140台を販売する見込み。 2009年 9月、日野と広州汽車集団が折半出資で設立した広汽日野自動車 (GAC Hino Motors Co., Ltd.) が、広東省広州市従化 (Conghua) の新工場で、大型トラック HINO 700 Series (日本名Profia) 生産を開始 した。 中 中国部品の調達率は 40% 以上で、日野としては初の本格的な海外生産となる。年産能力は 3,000台 (1直) 国 だが、09年度の販売計画は 600台。将来目標は年販 2万台。 広汽日野の従化工場は、広汽日野の傘下に組み入れた広州羊城汽車の小型トラックも生産する。年産能力 は 5,000台 (1直)。 資料:日野自動車Press Release 08.12.4/09.9.21/ 09.10.15, 日刊工業新聞 09.10.16 三菱ふそう:事業体制再編により車型数半減、海外事業ではロシア市場に参入 三菱ふそうトラック・バスは、2004年 3月、Daimler の連結子会社となった。Daimler は、2003年 3月に三菱ふそう 株式の 43%を取得、04年 3月に出資比率を 65%に高め、05年 3月には 85%に引き上げている。 三菱ふそうの2008年世界販売は07年比 4.8%増の 19.8万台で、過去最高。第 3四半期までの世界市場拡大と、 中欧 7ヶ国 (ハンガリー, ブルガリア, スロベニア, クロアチア, ボスニア, セルビア, モンテネグロ) への新規参入で、 海外販売は 15.6%増加した。 しかし、国内・海外ともに市場が大幅縮小した2009年 1~9月の世界販売は、51%減の 7.1万台にとどまった。 三菱ふそうは2009年 5月、Daimler トラック部門の利益目標達成のための Global Excellence 戦略に基づき、事 業体制の再編を行う中期経営計画を発表した。2010年までに、トラックとバスの車型数を 50%削減、部品点数を 30% 削減、固定費を 25%削減するなどして、2011年には EBIT の 1,000億円改善を目指す。 海外事業では、2008年に、中欧 7ヶ国とアフリカのアンゴラ共和国での販売を開始した。09年には、ロシアで現地 商用車メーカー Kamaz とトラックの合弁事業を開始する他、カザフスタン, アゼルバイジャン, グルジア, プエルトリ コに新規参入する。 三菱ふそうの新車販売台数 (台) 2004年 国内 n.a. 海外 世界合計 118,100 2005年 2006年 2007年 2008年 59,000 71,056 53,974 42,026 119,900 116,582 134,745 155,698 178,900 187,638 188,719 197,724 2008年 2009年 1-9月 1-9月 n.a. n.a. 145,300 71,200 資料:三菱ふそう Press Release 08.2.8/09.2.25, Daimler Q3 2009 Interim Report (注) 2004年は 8ヶ月間の販売台数。Daimlerは 04年 3月、三菱ふそうへの出資比率を 65% に高めて連結子会社と し、05年 3月には 85% に引き上げた。 三菱ふそう:事業体制の再編を行う中期経営計画を発表 (2009年 5月) 4つ 三菱ふそうの中期経営計画は、Daimler トラック部門の短期・中長期的な利益目標達成のための Global の Excellence 戦略に基づき、(1) 需要周期変動への対応、(2) 効率化とプロセス改善、(3) 海外成長と市場開 柱 拓、(4) 製品および技術開発を 4つの柱とする。 費 http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 6/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 用 事業体制再編の費用見込みは 350億円 (既に、09年 9月までに、再編費用として 217百万Euro を支出し と た)。2011年には年間で EBIT 1,000億円の利益改善を目指す。 効 果 ■中期経営計画の主な内容 製品構 成の合 トラックとバスを、小型から大型までフルラインアップで提供する方針は継続するが、2010年までに車 種/型式数を半減し、部品点数を 30% 削減する。 (進捗状況) 販売台数への寄与が低い車型を中心に削減し、2009年 9月時点でトラック車型の半減を 理化 達成した。 生産体 制の最 適化 販売体 制の最 適化 バス生産を富山市の工場 1ヶ所に集約。タイの大・中・小型トラック工場の生産を2009年末までに終了 し、インドネシアとフィリピン拠点に移管する。ポルトガル工場の稼働率も引き上げる。 日本の販売網をハブ&スポーク型に再編する。ハブ拠点は販売やアフターセールス等の全サービスを 提供する。スポーク拠点はアフターセールスに特化し、重複していた業務を簡素化する。コストを中心に 25% の効率性改善を目指す。 海外事業のアフターセールス分野の部品事業体制を強化し、部品販売を拡大する。 原材料 費の最 Daimler のグローバルな調達ネットワークの活用と共同調達、部品調達のグローバル化を推進する。 適化 固定費 固定費を 25% 削減する。従業員数は、定年退職や新規採用抑制等により、2010年末までに全世界で の削減 約 2,300人削減する (間接員 2,000人, 直接員 300人)。 資料:Daimler Q2/Q3 2009 Interim Report, 三菱ふそう Press Release 09.5.13, 日刊自動車新聞 09.9.10 三菱ふそうの海外事業強化:ロシアと CIS 諸国, アンゴラ, プエルトリコ等に、新規参入 アン 新規参入。アンゴラ共和国で M-Benz の乗用車と商用車を販売している COMAUTO s.a. と販売契約を ゴラ 締結。2008年10月から、小型・中型・大型トラックおよび小型バスの完成車を、日本から輸出している。 カザ フス タン アゼ 新規参入。トルコの生産・販売拠点 TEMSA Global Sanayi ve Ticaret A.S.で、小型トラック Canter ルバ (GVW 3.5~7.5t) を KD 組立して、同社の販売ネットワークを活用して、この 3ヶ国で販売する。(09年 2月 イジ 発表) ャン グル ジア 新規参入。ロシア商用車最大手の Kamaz と、三菱ふそうブランドのトラックをロシアで生産・販売する合弁 事業を開始する。2009年内に、ロシアのタタルスタン共和国にある KAMAZ の工場で、小型トラック Canter の KD 組立を開始し、部品・コンポーネント類の現地調達化も進める予定。 ロシ ア 生産/販売は、Daimler と Kamaz が折半出資している持株会社が、100% 出資で設立する新会社の FUSO KAMAZ Trucks Rus が行う。年販 2,000~3,000台の見込み。 Daimler は2008年 12月、Kamaz, ロシア技術公社, Troika Dialogue 投資銀行と戦略的提携契約を締 結し、Kamaz の株式を 10% 取得している。 プエ ルトリ コ 新規参入。現地のトラック販売会社を通じて、中・小型トラック販売を2009年 9月に開始した。日本から完 成車を輸出する。年販 100台程度の見込み。 ポル トガ 欧州向け Canter の次期型生産をポルトガル工場で継続するため、生産体制整備として、総額 2,000万 http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 7/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル ル Euro の設備投資を行う (08年10月発表)。 2010年末までにカナダの販売店を 30店前後に増やし (08年末では 17店)、Daimler Group で手薄だっ 北米 た中・小型トラック販売を強化するため、小型の Canter と中型の Fighter を日本から輸出する。米国でも 同様に販売店を増やす計画。 資料:三菱ふそう Press Release 08.9.24/ 08.10.24/ 09.2.25/09.10.1, 日経産業新聞 09.10.27, その他 日産ディーゼル:Volvo Group との機能統合を完了、バス事業は三菱ふそうと統合へ 日産ディーゼル工業は、2007年 4月、Volvo Group の完全子会社となった。Volvo Group は06年 3月に日産自 動車保有の日産ディーゼル株式を取得して以来、日産ディーゼルとの関係を拡大し、07年 3月、TOB (株式公開買 付) により株式の 100%を取得した。 日産ディーゼルは、Volvo Group とのシナジー効果を更に拡大するため、Volvo Group 各社に部品やサービスを 提供するビジネスユニットとの機能統合を2009年初に完了した。日本における、日産ディーゼルと日本ボルボの販 売機能の統合も進めている。 バス事業では、2009年 8月、三菱ふそうと合弁会社設立に関する覚書を締結した。今後、日産ディーゼルと三菱 ふそうは、それぞれのバス事業を分離し、合弁会社として統合する計画。 日産ディーゼルの新車販売台数 (台) 2004年 2005年 2007年 2006年 (注2) 国内 19,578 22,047 17,650 輸出 21,024 20,338 23,014 日産向け車両 37,101 34,129 世界合計 77,703 76,514 2008年 2008年 2009年 1-9月 1-9月 n.a. n.a. n.a. n.a. 26,589 10,317 11,182 n.a. n.a. 67,253 38,184 49,363 38,570 14,628 資料:日産ディーゼル工業会社概要, Volvo Group Annual Report 2008, Interim Report Q3 2009 (注) 1.2004~06年は日産ディーゼル発表で、会計年度ベース(4月~翌年 3月)。 2007年以降は Volvo Group 発表で暦年ベース。 2.日産ディーゼルは 2007年第 2四半期から Volvo Group の連結会社となった。 Volvo 発表の2007年実績は 4~12月の 9ヶ月実績。 3.2007/08年の日産自動車向車両は、販売台数ではなく受託生産台数。 ■日産ディーゼル:地域別販売台数 (台) 東欧 北米 南米 アジア その他 合計 2007年 4-12月 20 2,479 808 26,455 8,422 38,184 2008年 9 1,608 933 39,089 7,724 49,363 2008年 1-9月 7 1367 717 30,480 5,999 38,570 2009年 1-9月 2 668 326 11,124 2,507 14,628 資料:Volvo Group Annual Report 2008, Interim Report Q3 2009 (注) 日産向け車両販売を含む。2007年は、Volvo の連結会社となった 4月以降の実績。 日産ディーゼル工業:Volvo Group との統合 ビ ジ ネス ユ 日産ディーゼルは、Volvo Group とのシナジー効果を更に拡大するため、2009年初に、Volvo Group の ビジネスユニットと同様の機能を持つ、日産ディーゼルと関連会社の組織の、Volvo Group への統合を完了 ニッ した。新たに統合したのは、アフターマーケットの機能を集約した Volvo Parts, 輸入部品と製品の物流機能 トへ を集約した Volvo Logistics, 自動車用品以外の調達機能を集約した Volvo Group NAP。 の 機 http://www.marklines.com/ja/report/rep827_200912 8/9 2016/4/5 日本の商用車メーカ ー:日野が、中国で大型トラ ック生産を 開始 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 能/ 組 織 の 統 合 を Volvo Group は、Mack Trucks, Renault Trucks など 9つのビジネスエリアで構成されるが、部品や各種 サービス等を提供するビジネスユニットは、グループ全体をサポートしている。日産ディーゼルは、2008年 に、Powertrain の開発・調達・生産を担当する Volvo Powertrain、車両の開発・調達・生産を担当する Volvo 3P、IT を担当する Volvo IT への機能統合を完了していた。 完 了 販 売 機 能 の 統 日産ディーゼルは、2009年 5月、国内販売会社の日産ディーゼルトラックスと、国内営業部門の一部を、新 事務所 (東京都江東区) に移転した。新事務所には Volvo Truck Japan 等を擁する日本ボルボの本社組 織も移転した。事務所統合により、効率化と一体運営を進め、Volvo Group とのシナジー効果を拡大する計 画。 合 資料:日産ディーゼル Press Release 08.11.26/08.12.25/09.5.13 (注) 日産ディーゼルトラックスは、直系販売会社 10社と中古車販売会社 1社を統合して2009年 1月に設立した、国 内唯一の直系販売会社。 日産ディーゼルと三菱ふそう:バス事業に関する合弁会社の設立協議を開始 日産ディーゼルと三菱ふそうは、2009年 8月、バス事業に関する合弁会社の設立協議を開始する覚書を締結し た。両社は、バスの企画/研究開発から、生産/販売までの事業を分離し、合弁会社として統合する計画。合弁会 社を設立するまでは、両社それぞれ、バス事業を継続する。 両社は2006年 7月にバスの相互 OEM 供給に合意、07年 6月に相互供給を開始した。三菱ふそうは日産ディー ゼルに大型観光バスと大型路線バス (ワンステップ・ツーステップ型) を供給、日産ディーゼルは三菱ふそうに中型 路線バスと大型路線バス (ノンステップ型) を供給している。 資料:日産ディーゼルと三菱ふそうの共同 Press Release 09.8.31 出典:マークラインズ Copyright(C)MarkLines Co., Ltd. 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