packazine 2014年号 製薬編 Serum Institute | 高品質のワクチンをすべての人々へ Novartis | カスタマイズシステムで最高のフレキシビリティを実現 2 | packazine Table of contents | Editorial 目 次 10 16 ニュース 最新情報 04 糖尿病 世界的大流行とのたたかい お客様紹介と市場傾向 製薬 07 Laboratorios Normon 新規流動層システムの導入でバッチサイズを3倍に 10 Siemens & Co. Emserトローチ包装用ブリスターラインの改造 13 Serum Institute 安価な高品質ワクチンをすべての人々へ 16 Excelvision 点眼薬ラインの自動化 18 Novartis エジプトに導入されたボッシュ製充填・包装ライン 21 Allergy Labs 性能が試されるペリスタルティックポンプ 24 Cipla 複雑な製剤に対応するフレキシブルソリューション イベント 26 2014年製薬関連イベント 表紙 ボッシュ製全自動包装ラインとサポートの導入 により生産ラインを高速化したExcelvision社 www.boschpackaging.com [email protected] packazine | 3 18 はじめに 21 読者の皆様へ 今年、ボッシュパッケージングテクノロジーでは、世界最大の包装技術展示会であるインターパック 2014 に全 力で取り組んでいます。インターパックの第 1 回開催は 1958 年にさかのぼります。食品および製菓分野から旧 Hamac Packmaschinen 社と Hansella-Maschinen 社(後の Hamac-Hansella 社)、Hesser 社、Höller 社、 Magrolo-Maschinen 社(後の Makat 社)、Sapal 社および SIG 社の包装 部門(後の SIG pack 社)、製薬関連の包装機械メーカーとしては Höfliger & Karg 社、Strunck 社などが機械を展示しました。これらの企業は現在、ボッシュ ファミリーの一員です。すなわち、150 年を超えて培われた包装技術のノウハ ウがボッシュパッケージングテクノロジーという一つの傘のもとに結集してい Friedbert Klefenz ると言えます。今年も私たちはインターパック参加の伝統を引き継ぎ、3,000 ロバート・ボッシュGmbH パッケージング・テクノロジー社長 平米近いブースでボッシュの最先端の革新技術と実績ある製品ラインナップを 展示致します。 包装機械業界全体が変化の時を迎えていますが、その変化も、ますます厳格化 する製品衛生に関する規制、常に変化する消費者の要求、コスト削減に対する絶対的要求といった、従来と同様のトレン ドに規定されています。私たちボッシュパッケージングテクノロジーは、このような変化に単に反応するのではなく、積 極的にその流れを形づくる役割を果たしていく所存です。 私たちは革新技術を開発する際、生産者としての皆様のニーズを常に念頭に置いています。ぜひインターパックにお越 しいただき、市場の変化に迅速に対応するフレキシビリティを有し、衛生規制への対応をサポートするボッシュの機器を ご覧ください。当社の機器は、 すばやい製品替えをサポートし、 短時間で徹底した清掃を可能にし、 シンプルなオペレーショ ンを実現するよう設計されています。これらはすべて、 お客様の製造工程の効率化につながります。さらにボッシュは、 個々 のお客様の特殊な要求に応じたベストソリューションを見出すべくアドバイスさせていただきます。このようなソリュー ションとして、既存機のアップグレードや生産ラインの部分的な自動化も考えられます。また、生産のみならず、一次包装、 二次包装およびラインでの最終包装にも対応する、完全に統合された一貫ラインをご提案することもあるでしょう。納入 後の機器の稼働に際しても、メンテナンスからトレーニングに至るまで、様々なサービスを提供させていただきます。 2013 年の当社の業績は、私たちの戦略が軌道に乗ったことを示しています。このような良好な結果を得られたこ とについて、この機会にお客様に感謝申し上げます。 私たちはお客様から信頼をいただくと同時に、日々ともに仕事をすることにより生まれるアイディアをいただいて います。それが私たちの原動力となり、常に革新へ向かう刺激となっています。 Packazine 2014 年号では、トローチ剤、ワクチンなど、多様な製品分野でのお客様とボッシュのコラボレーショ ンによる成功例をご紹介致します。 Packaged as promised ― ボッシュによる「約束通りの包装」の一例をご 覧ください。 新しい Packazine をお楽しみください。 Friedbert Klefenz 4 | packazine News Facts & Trends 糖尿病治療 世界的大流行とのたたかい 糖尿病は、非感染症として「パンデミック」の規模に達した最初の疾患です。 糖尿病の罹患人口は、3億8,200万人から2035年までに5億9,200万人に増加すると 推定されています。 一方、糖尿病研究も近年大きな進歩をとげています。 かつては生命にかかわる病でしたが、現在では慢性疾患と位置づけられる糖尿病。 新規の標的療法とインスリン投与技術は患者さんの日常生活にフレキシビリティをもたらしました。 1 型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島でイン スリンを産生する β 細胞を自らの免疫細胞が攻 撃する疾患であり、多くは小児期の段階で発症し ます。その結果、患者さんはインスリン欠乏に陥 り、常にインスリン療法を必要とします。現在で は、患者全体の約 90% を 2 型糖尿病が占めてい ます。肥満や運動不足によってインスリンホルモ ンに対する抵抗性が生じ、細胞膜に対する正常な 作用が阻害され、細胞内への糖の取り込みができ なくなります。その結果血糖値が上昇しますが、 この過程は長年にわたって無自覚のうちに進行す ることが多くみられます。 糖尿病治療の変化 糖尿病の治療法は常に、血糖値を管理し、大幅 な低下(低血糖)や上昇(高血糖)を防止する ことを目的としていました。今日では、バイオ テクノロジーを用いて細菌からインスリンが製 造され、ヒトインスリンとして市販されていま す。1980 年代、家庭で血糖値の自己管理が可 packazine | 5 能となったことは極めて大きな進歩でした。さら であること。インスリンメーカーでは、製造工 する複合充填ステーションを備えたものもありま なる画期的な出来事として、インスリンアナログ 程における人の介入を可能な限り排除することに す。 と呼ばれる速効型または持効型インスリン製剤 より、生産コストの低減、無菌充填、使用する原 や、1 型糖尿病患者さんに持続的かつ柔軟に短時 材料の完全性に対して特に注意が払われます。最 カートジッリの丁寧なハンドリング 間作用型インスリンを投与するインスリンポンプ 新のバリア技術は、製品、工程、機器およびオペ すべての工程段階で、カートリッジは異なる温 の承認などが挙げられます。また、より容易に投 レーターを互いに完全に封じ込めます。さらにイ 度、圧力、動きにさらされます。充填・シール機 与できるインスリンのペン型注入器も開発されて ンスリンメーカーでは、従来のクリーンルーム技 の速度が速いほど、ガラスは物理的圧力に曝露さ います。これらはインスリンのプレフィルドカー 術よりも低コストでより高い品質を保証するアイ れます。これにより、ガラスにヒビ、欠け、折れ トリッジとともに提供され、繰り返し使用できる ソレーターへの依存度が高まっています。 といった損傷が生じることがあります。これらの システムです。現在では、糖尿病患者さんによる 一般的なコスト要因に加えて、新興経済圏、特 不良は、製薬企業にとって製品ロスやコスト上昇 インスリンの自己投与が非常に容易になっていま に Pharmerging 市場と呼ばれる地域で糖尿 につながるため、機器メーカーはより丁寧なプロ す。その形状から、ペン型注入器は携帯性に優れ 病患者数が増加し、ペン型インスリン注入器用プ セスを実現する新たなソリューションによって、 ている上、外出先でも目立つことなく投与するこ レフィルドカートリッジのプロセス機器の使用が これらの課題に対応しようとしています。その主 とができます。患者さんは、自分の生活のリズム 増加しています。メーカーが機械を選択する際の な目的は、ガラス容器との接触を最小限にとどめ に合わせた治療を行うことが可能です。 基準は、インスリン製造における高い能力、高い ることです。 稼働率および優れた再現精度です。カートリッジ 例えば、洗浄機への供給時には、ガラスが互い 安全性と能力がポイント の充填・シール機では、生産能力が最大 600 本 に接触しないよう、カートリッジは一列で搬送 ペン型注入器は、現在最も広く使用されている / 分の機種が最先端と思われます。最新の工場や パックと呼ばれるトレーで搬送されます。滅菌工 インスリン投与システムです。糖尿病患者さんに ラインは、あらゆる最新の充填技術と適合する 程では、ガラスは膨大な熱の影響にさらされて膨 とって最も重要な基準は、取扱いが容易で安全 仕様であり、異なる種類の製剤や包装形態に対応 張します。これは、コンベアベルトの側面に、ト 6 | packazine News Facts & Trends ンネルの入り口を通過後直ちに広がるよう設計さ られる静止物を判別して検出することが可能で れたフレキシブルなサポートシステムを採用する す。また、カメラを用いた自動システムにより、 ことによって対応することができます。また、転 異物と外観異常の両者を検出します。 倒による損傷を防ぐため、カートリッジは充填機 インスリン製剤では、開発段階のごく初期にお 入口までバルク状態で搬送され、入口部でスター いても、マニュアルあるいは半自動のテスト機で ホイールによって再度個別化されます。ロボット 安全に充填を行うことが重視されます。これらの による供給・搬出システムを採用することによ 機械では、異なる充填技術の搭載が可能であるこ り、さらに物理的ストレスを軽減することも可能 と、スケールアップによる充填パラメータの実生 です。 産システムへの移行が容易であることが特に重要 です。検査も同じく重要です。充填前後のガラス 高精度充填と検査 容器に対し、液中異物検査や外観異常検査を迅速 充填時の泡立ちを防ぎつつ全量を充填するた かつ正確に行います。 め、まず最大量の 80% をカートリッジに充填し、 その後、カートリッジの首部分をレーザースキャ QOL が大幅に向上 ンしながら基準点まで残りを充填します。液面が インスリン投与に代わる方法の普及がいつにな レーザービームに到達した時点で、レーザーセン るかは分かりません。しかし、近い将来、新たな サーが充填を停止します。 インスリン製剤と改善された新しいペン型インス また、カートリッジの正確なシーリングのた リン注入器が登場することは確実です。糖尿病の め、全数検査は重要な役割を果たします。 Static 予防と長期的な障害の防止が最優先ですが、治療 Division (SD)技術では、薬液を通して光学 法の進歩は糖尿病に罹患した人々にさらなる希望 センサーに光を当てることにより、動いている異 をもたらし、生活の質(QOL)を大きく改善し 物と、容器ガラスが不均質であった場合などにみ ています。 インスリンポンプやペン型注入 器などの投与技術の登場は、糖 尿病治療において画期的でし た。 packazine | 7 Normon社 高速システムの導入 Hüttlin社の新しい流動層システムHDGC 600型。 Laboratorios Normon社では、大幅なコスト削減を実現すると同時に、 バッチサイズが3倍になりました。 ス ペ イ ン 市 場 で 75 年 を 超 え る 実 績 を も つ 中で販売されています。 Laboratorios Normon(ラボラトリオス・ノ 同じくボッシュブランドである Manesty(マネ スティ)と Hüttlin 社によって、ボッシュの製 ルモン)社は、同国の製薬産業におけるトップメー 確かな経験 薬向けプロセス技術の製品ラインナップは一貫し カーの一つです。1937 年に小規模なファミリー 同社はコスト削減のため、一部の製品について たものとして完成されています。開発用から生産 ビジネスとして事業を開始した Normon 社。現 バッチサイズの大幅な拡大を計画。品質と安全 用機械まで、Hüttlin 社のシステムはすべて顧客 在では従業員約 1,400 名、生産施設面積 8 万平 に関する高い基準を維持しつつ経済的な側面を改 と市場の要求を満たすべく設計されています。製 米の企業に成長しました。生産量の 90% 以上を 善し、生産量と生産時間を柔軟に設定する必要が 品ラインナップとして、混合、造粒、乾燥、コーティ ジェネリック薬が占めています。製造施設には、 ありました。そのため、フレキシブルで信頼性あ ング用機器のほか、総合的なコンテインメント設 液剤バイアル、凍結乾燥製剤バイアル、歯科用 る技術が必要となり、長年のパートナーである 備や試験室設備を提供しています。Normon 社 カートリッジ、アンプル、輸液バッグのほか、顆 Hüttlin GmbH(ヒュットリン社;ドイツ・ショッ はすでに 2004 年に流動層システム HDG 200 粒剤、カプセル剤および錠剤の製造機械を有して プハイム)と新たな協力関係を結ぶこととなりま 型を 2 基、2008 年にさらに 2 基を導入してい います。同社では抗生剤、高生理活性物質、麻酔 した。Hüttlin 社は 2011 年以来ボッシュパッ ます。「Hüttlin 社は長年にわたって優れた品質 薬、鎮痛薬および抗炎症薬などが生産され、世界 ケージングテクノロジーの一員となっています。 の機械を提供してくれました。その確かな経験 8 | packazine Customers & Markets Pharma をもとに、Hüttlin 社の流動層システムをさらに 1 基購入することを決めました。」と Normon 社 技 術 オ ペ レ ー シ ョ ン・ 産 業 プ ロ セ ス 責 任 者 Gonzalo Fernández Govantes 氏。「HDGC 600 型により、当社が必要としていた堅牢な技 術に裏付けられた、ライフサイエンスに必要な機 能性が実現できることがすぐに分かりました。ま た、当社は、工程の変更を迅速に行うことができ るフレキシビリティが得られると同時に、可能な 限り最高の性能、信頼性および機能性を有するシ ステムを必要としていました。 」さらに、 「当社を 技術競争の先頭に立たせてくれるような設備を生 産に導入したかったのです。」と Govantes 氏は 述べています。 Hüttlin HDGC 600 型で 配プレート Hüttlin Diskjet と 12 本の 3 部 器内壁への製品の付着や目詰まりも防ぐ本機は、 バッチサイズを 3 倍に 構成スプレーノズルを用いた HDGC 600 型の Normon 社にさらなるメリットを提供していま Hüttlin 社の流動層システムは、モジュラー設 ボトムスプレー技術により、高速で均一の混合を す。 計に基づいており、乾燥機(HD 型)乾燥・造粒 行い、噴霧率の向上、乾燥時間の短縮、噴霧剤の 機(HDG 型)あるいは乾燥・造粒・コーティン ロスの最小化を実現しています。 「バッチサイズ グ機(HDGC 型)のいずれの用途に対しても構 を 3 倍にしたことにより、ドキュメンテーション、 プロジェクトのキックオフから HDGC 600 成することができます。したがって、微粒子、粉 品質管理検査の回数、作業時間、エネルギー消費 型 で の 生 産 開 始 ま で、12 カ 月 未 満 で し た。 末およびペレットの乾燥、造粒、コーティングを 量が低減され、最終的には工程の所要時間が最大 Normon 社 Govantes 氏 に よ れ ば、「Hüttlin 1 基で、単一の製品容器内で行うことが可能です。 30% 短縮できました。」と Govantes 氏。 のサービスチームが常に現場に待機しており、 マドリッドの生産施設に Hüttlin HDGC 600 HDGC 600 型 は、 Normon 社 の 重 要 な 要 据付けはスムーズに進行しました。」最初の現 型を導入する以前は、複数の Hüttlin 社製小型流 求事項をすべて満たしています。単一のプロセ 地 テ ス ト 実 施 後、 ボ ッ シ ュ チ ー ム は 現 場 に 残 動層システムで造粒工程を行っていました。これ ス用容器で、異なる密度の製品を混合すること り、最初の生産バッチの生産に立ち会いました。 らの機械はよりバッチサイズの小さい製品に使用 が可能となりました。また、オペレーターは、 Normon 社は新規流動層システムで 10 種類以 していますが、より大きいバッチの生産は、今回 シンプルな操作でコーティング工程などの新た 上の製品を生産しており、すでにいくつかの新製 導入した生産能力の高い機械で行うことにより、 な機能を選択できます。さらに、ラボ用機器で 品がスペイン医薬品医療機器庁(AEMPS)によっ 効率性が大幅に改善されました。現在 Normon の全レシピを容易に HDG 200 型および新規 て承認されています。Normon 社は新たなジェ 社では、従来の半分の時間で同じ量の製品を製造 HDGC 600 型にスケールアップすることがで ネリック薬の市販に向けて準備しており、開発 することが可能となりました。HDG 200 型で 「当社スタッフ きます。Govantes 氏によれば、 チームは Hüttlin 社製ラボ用機器でこれらの製 は、3 バッチの生産にドキュメンテーション時間 は Hüttlin 社のプロセス用機械で 10 年間作業 品のほとんどを調製しています。本機は製品開発 を含めて 20 時間を要しましたが、新規 HDGC した経験があり、機器に関するトレーニングも受 過程を記録・コントロールし、実生産バッチの早 600 型ではバッチサイズが 3 倍となったため、 けています。そのため、追加コストなしに変更 期承認に貢献しています。「今後数年間で、新た 1 バッチのみの生産で時間とコストを大幅に節約 することができました。」均一な乾燥を実現し、 に経口薬の生産エリアの建設を計画しています。 することが可能となりました。さらに、エアー分 さらに製品容器内のデッドゾーンを排除し、容 また、細胞毒性薬、病院や歯科医院向け製品など スムーズな生産開始 packazine | 9 の生産エリアもすべて拡張を計画しています。当 社の新しいジェネリック薬の開発と生産において も、プロセスをサポートしてくれる信頼性のある 長期的なパートナーが必要です。」と Gonzalo Fernández Govantes 氏は強調しています。 「Hüttlin HDGC 600 型でジェネリック薬の生 産が高速化されたことにより、スペインにおける トップメーカーのひとつとしての地位を守ること ができます。」 10 | packazine Customers & Markets Pharma packazine | 11 包装ラインの改造 ボッシュパッケージングサービスは Emserトローチの包装を行うブリスターライン改造プロジェクトを 成功させました。 最も耐久性のある包装機でも、いずれはスペア 発させることによって高濃度の微量元素を含むミ は折り畳み式カートンに包装され、計量されま パーツが必要となります。しかし、必要な電子部 ネラルが得られます。同社の製品は、慢性の感染 す。このラインの最重要部はブリスターマシン 品が入手できなくなってしまった場合、どうすれ 症や粘膜の乾燥を緩和するために開発された鼻洗 TLT 1400 型であり、フレキシビリティ、使用 ば良いのでしょうか。機械の停止や生産ロスを防 浄用食塩液、点鼻スプレー、点鼻液など様々な剤 性、安全性と高い OEE(Overall Equipment ぐため、機器メーカーは、提供できる技術と改造 型で提供されています。Emser トローチは薬局 Effectiveness; 設 備 総 合 効 率 ) が 特 徴 で す。 の可能性について適切な時期に顧客に情報提供す でのみ販売され、5 種類のフレーバーがあります。 機械操作はカラーのタッチスクリーンで行い、 る必要があります。このことは有名な Emser 咳や嗄声で傷んだ咽頭粘膜の水分補給や汚れの除 様々な包装サイズのフォーマット部品の交換をほ ト ロ ー チ を 生 産 す る ド イ ツ・ バ ー ト エ ム ス の 去に使用されます。 ぼツールレスで迅速に行うことができます。 Siemens & Co.(ジーメンス・アンド・コー; 以下、Siemens 社)にも当てはまります。ボッ TLT 1400 型で当初使用していたサーボモー 「生産中止のサイズパーツ」 ターはより古いシリーズで、現在では生産されて シュパッケージングサービスは、同社のブリス 何世代にもわたって、Siemens 社は塩製品の いません。これがいわゆる「サイズパーツの生産 ターマシン TLT 1400 型を極めて短い期間で改 包装にボッシュパッケージングテクノロジーの機 中止」―外部から購入した部品やユニットが古く 造し、新しいサーボモーター、サーボコントロー 器を使用してきました。例えば、粉末洗鼻剤の充 なる、または入手不能になるという問題です。「多 ラーおよびコントロールシステムを搭載しまし 填は、1000 本 / 分の高性能スティックパックラ くのお客様は、機械のための新しい部品を短納期 た。 インで行っています。Emser トローチについて で必要としています。お客様は、その時まで一部 ドイツ・バートエムスに本社を置く Siemens は、同社はブリスターマシン TLT 1400 型、カー のスペアパーツが古くなっていることや在庫がな 社の設立は 1958 年。1998 年以降、家族経営 トナー CUT 120 型、重量選別機 KWE 3000 いことに気付いていないことが多いのです。です 企業として活動してきました。同社は上気道、特 型で構成されるボッシュ製包装ラインを使用し から、お客様に対して、あらかじめ積極的に部品 に鼻や喉の治療に用いられる塩製品を生産してい て い ま す。 TLT 1400 型 の 生 産 能 力 は 最 大 で の入手状況を連絡し、適切な解決策を提案するこ ます。バートエムスの熱鉱泉で採取される水を蒸 ブ リ ス タ ー 250 個 / 分。 そ の 後、 ブ リ ス タ ー とが非常に重要です。技術開発のペースが速く 12 | packazine Customers & Markets Pharma なっているため、不幸にも電子部品の製品寿命は を可能な限り低減し、改造が完了するまでの空白 微調整が完了し、スムーズな運転が確認される 短いことが多く、数年後には生産されなくなるこ 時間を短縮することができました。この改造は予 と、Siemens 社は直ちに TLT 1400 型機での ともあります。 」とボッシュパッケージングサー 想よりも大幅に速く進行しました。 」改造期間は トローチの生産を再開しました。 「他の機械の改 ビスのサービスセールスマネージャー Andreas 当初 8 週間と予想されていましたが、経験豊富 造もいずれボッシュパッケージングサービスにお Herrmann 氏は言います。スペアパーツ発注用 なボッシュの技術者は約半分の期間で改造プロ 願いすることになります。技術者は機器を熟知し オンラインシステムである E ポータルで、カス ジェクトをすべて完了しました。わずか 4 週間後、 ています。当社ブリスターラインの改造計画は的 タマーレターやいわゆるアップグレードレターを TLT 1400 型には新しいモーター、コントロー 確で、速やかに実行されました。」と Keller 博士。 発行することにより、ボッシュパッケージングシ ルおよびオペレーション技術が搭載され、詳細な 外観もほとんど変わらず、バートエムスの TLT ステムは顧客に対して定期的に部品の入手可能状 ドキュメンテーションおよびバリデーションが行 1400 型は以前と同様、確実に稼働しています。 況を連絡し、対策として予防的な改造や保守を提 われました。さらに、本機には新たなソフトウェ 「極めて短い期間で、Emser トローチの包装を 案しています。 アを搭載した高性能コンピュータも加えられまし 再開することができました。アップグレード後の た。算出されたコストが 30% 減額された点にも TLT 1400 型機も末永く稼働してほしいと願っ Siemens 社は満足しています。 ています。」と Keller 博士は述べています。 改造期間を半分に短縮 「当社は 10 年間、ボッシュ製機器でトローチ のブリスター包装を確実に行ってきました。 」と 短期間で生産再開 Siemens 社のオペレーティング・マネージャー 性能検査、機械のクオリフィケーションおよび Andreas Keller 博士。「自由に使用できる 2 台 バリデーションによって一連のアップグレード 目のブリスターマシンはなく、この 1 台のみで が完了しました。ボッシュパッケージングサービ すべての生産を行うことが必要です。ですから、 スのサービスエンジニア Hans-Jürgen Meisel サーボモーターが故障した際は、大きな問題に直 氏によれば、 「最新の駆動技術とコントロール技 面しました。」 術を搭載した機械をお客様の工場に据え付けるこ サ ー ボ モ ー タ ー の み な ら ず、 す べ て の モ ー とができました。スムーズに稼働し、以前と変わ ターコントロールユニットの交換が必要となっ らず確実に運転できるかを確認しました。 」バリ た た め、 迅 速 な サ ポ ー ト が 求 め ら れ ま し た。 デーションプロトコルに基づき、同氏は顧客と Andreas Keller 博士によれば、「ボッシュパッ 共に改造後の TLT 1400 型のモーターやコント ケージングサービスのサポートにより、生産ロス ロール技術の詳細な試験を行いました。最後の packazine | 13 安価な高品質ワクチンを すべての人々へ インドのSerum Institute社がボッシュ製充填ラインで製造している ワクチンが人々の命を救っています。 Ravetkar 博士は述べています。 インドのワクチンメーカー Serum Institute も重要な功績はインド Serum 社の設立です。同 (シーラム・インスティテュート;以下 Serum 社は 1966 年、すべての国民のため、安価で提 社)には展望があります―安価な高品質のワク 供できる命を救うワクチンを製造することを目的 人道的な力の結集 チンを継続的に増産することです。同社の創設者 に設立されました。インドではホースブリーダー 現在、Serum 社はバイオテクノロジーのトッ 兼オーナーである Cyrus S. Poonawalla 博士 としても有名な Poonawalla 博士は大学卒業後、 プメーカーであり、世界最大のワクチンメーカー は、世界のすべての子どもたちに安価な細菌/ウ 品質を一切損なうことなく、低価格な抗毒素の生 のひとつです。その生産力は高く、様々なワクチ イルスワクチンの接種を可能とするべきだと考え 産を始めました。当時、インド人口の大半にとっ ンを年間数十億回分生産しています。その製品は ています。多くの人道組織と世界的な著名人たち て、これらの生命を守る予防薬はほとんど入手で 140 カ国以上で使用され、ワクチン接種を受け が Poonawalla 博士とその賛同者の慈善事業に きず、非常に高価なものでした。そのため、救え る子どもの 2 人に 1 人は、同社製ワクチンを少 参加しています。日々の製造事業では、ボッシュ るはずの多くの子どもたちが死亡する悲惨な状況 なくとも 1 回接種されていることになります。5 パッケージングテクノロジーの高性能機がその生 が生じていました。Poonawalla 博士はこの問 種混合の 5 価ワクチン(Penta)や狂犬病ワク 産を支えています。Poonawalla 博士はインド 題に挑み、常に情熱、献身、完璧さをもって取り チンなどのより新しいワクチンも世界中の子ども の国境を越えて、多くの意味で模範とされていま 組んできました。 「彼は強い博愛主義をもった人 たちに安価で提供可能となりました。Serum 社 す。同氏は多くの賞を受賞しており、インド・プ 物で、みずから努力することで範を示し、会社 は毎年、より多くの国に製品を提供することを目 ネには彼の名を冠した学校もありますが、彼の最 を引っ張っています。」と Serum 社専務 S. D. 標にしています。 14 | packazine Customers & Markets Pharma 同社はアジアで初めて世界保健機関(WHO)に プロジェクトと協力し、Serum 社はアフリカ市 認証され、国連児童基金(ユニセフ)や全米保 場に向けて新たな髄膜炎ワクチン MenAfriVac 健機関(PAHO)に製品を提供しています。ま を 1 回の接種につきわずか 50 セントで製造し た、Serum 社はビル・ゲイツ氏やチャールズ ました。Poonawalla 博士の慈善事業は業界の プネの Serum バイオファーマパークは、同 皇太子といった著名人や慈善活動家との関係を 他の主な活動家にも影響を与え、彼らは同氏を 国 で 最 初 の バ イ オ 特 別 経 済 区 で あ り、cGMP 誇りとしています。WHO と国際的非営利団体 模範として後に続いています。世界のすべての (current Good Manufacturing Practice) PATH とのパートナーシップである、ビル & メ 人々にすべてのワクチンが購入可能になるまで、 基準に適合するよう設計されています。本地区は リンダ・ゲイツ財団の基金による髄膜炎ワクチン Poonawalla 博士の活動が終わることはありま Serum 社の研究、開発および生産の拠点となり ボッシュ製バイアル、アンプルおよびシリ ンジ用充填・シール機がPoonawalla博士 のビジョン ―世界中のすべての子どもたち に安価なワクチンを提供すること― の実現 をサポートします。 せん。 信頼性、品質、耐久性 packazine | 15 ます。「言うまでもなく、このような最新の施設 「ボッシュスタッフは全員、全力を尽くして取り には、信頼性の高い最新の機械を導入しなければ 組んでくれます。 」と同氏は強調します。 「インド なりません。 」と Ravetkar 博士は説明していま とドイツの担当者は定期的に Serum 社を訪問し す。「ボッシュは高品質で世界的に有名です。長 ています。当社のニーズについて話し合うための 年このビジネスにたずさわってきましたが、当社 経営者会議も頻繁に開かれます。」 の施設にボッシュ製ラインを導入することをいつ 機械の能力を最大限発揮させるため、Serum も夢見ていました。」10 年前の最初の共同プロ 社とボッシュは継続的にラインの調整を行って ジェクト以来、この長い信頼関係は続いていま います。 「ボッシュは当社からのフィードバック す。Serum 社とボッシュの関係は常にオープン に感謝し、当社の経験から学ぼうとしています。 」 で個人的なものです。Ravetkar 博士とボッシュ 「小さなことが大きな違いに と Ravetkar 博士。 パ ッ ケ ー ジ ン グ テ ク ノ ロ ジ ー 社 長 Friedbert 結びつくことも多く、例えばドキュメンテーショ Klefenz は、ビジネスでの協力関係が始まるか ンおよびバリデーションのプロセスが容易にな なり前からの知人です。Serum 社は、革新的な ることや、その他の小さな工夫によって、当社 メーカーの全面的な協力と、高品質の機器の使用 の機械オペレータの仕事がやりやすくなります。 を必要としています。このことは、命を救うワク あらゆるプロジェクトで、当社の要求によりよ チンの安全な充填・シールの実現において最も重 く対応するよう各ラインが調整されます。 」ボッ 要です。現在までに、Serum 社は 5 つのボッシュ シュ製充填・シールラインは、世界中のすべて 製ラインをプネに設置しています。具体的には、 の子どもたちへの安価なワクチンの提供という、 FLC 型、FLP 型および FLM 型を採用した充填 Poonawalla 博士の使命の完遂に一歩近づくた ラインでバイアル製品を生産しています。また、 めのサポートを提供しています。 「ボッシュは製 ALF 型兼用ラインでアンプル・バイアルの充填 造設備全般をカバーするサプライヤーとして実際 およびシーリングを行い、スタンドアロンのバイ に活動することができる数少ない企業のひとつで アル巻締め機 VRK 型で凍結乾燥製剤バイアルの す。あらゆる企業が、ボッシュの開発したライン 巻締めを行っています。これらはすべて、ドイ ツ・クライルスハイムのボッシュパッケージング テクノロジーで製造された機器です。また、FXS 2020 型を採用した滅菌済みネストシリンジ用充 填・シーリングラインが中国のボッシュから導入 されています。 小さな努力の積み重ね 最近のプロジェクトとして、クライルスハイム で製造された新規 FLC 型バイアルラインが今後 数カ月の間に据付けされる予定です。ボッシュ製 ラインは、MMR ワクチンや Penta ワクチンな ど、様々な種類のワクチンの生産に用いられてい ます。品質の高さの他に Ravetkar 博士が挙げ たメリットは、高い耐久性、信頼性、そして 24 時間体制のプロフェッショナルなサービスなど。 Serum社の創設者 Cyrus S. Poonawalla博士 を持つべきでしょう。 」と Ravetkar 博士は述べ ています。 16 | packazine Customers & Markets Pharma 点眼薬ラインの自動化 ボッシュのサポートにより生産の加速化に成功した点眼薬メーカー フランス・アノネに本社を置く Excelvision (エクセルビジョン)社は無菌製造を専門とし、 レーですべての製品に対応できるようになりまし できるフレキシビリティが得られました。 」と た。 Excelvision 社エンジニアリングおよび環境・ 労働安全衛生部門長 Philippe Pensuet 氏は述 多くの顧客企業からプラスチックバイアル入り べています。 点眼液の製造を受託しています。生産増を実現 信頼ある関係 し、さらなる受託製造事業に投資するため、同社 か つ て 単 体 の 機 械 を 使 用 し た 経 験 か ら、 はボッシュパッケージングシステムズ AG(スイ Excelvision 社 の プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ー ジ ャ ー ス・ベリンゲン)に全自動包装ラインの据付を発 Pierre Laissy 氏は、「ボッシュは当社が必要と バルク状態のカード状バイアルは、まずマニュ 注。生産能力は大幅に向上し、Excelvision 社 していたコンサルティングを行い、当社初の自動 アルで高性能供給ユニットに投入され、分離され は 5 倍近い生産増を見込んでいます。同社では、 一貫ラインのアップグレードを成功に導いてくれ て等間隔に配置されます。その後、カード状バイ ブロー・フィル・シールの単回使用バイアルが 5 ました。」と述べています。Excelvision 社の顧 アルは Sigpack LDF 型フィードプレーサーまで 本セットになったカードをバルクで製造していま 客企業も、新規包装設備が市場のニーズと規制に 搬送されます。ここでは、デルタロボットが個々 す。各顧客のために様々な形状・構成の製品を製 適合することを確認する必要があったため、プロ のカードをピック & プレースし、インフィード 造しているため、多様な製品の高速包装を行うに ジェクトではこれら委託企業の承認を得ることも ラッパーチェーンに投入します。本モジュールに あたり、ロジスティック上の問題に直面しました。 必要でした。この調査過程で、ボッシュは様々な は画像検知システムが搭載され、製品の品質管理 ボッシュ設備導入前、同社の旧設備は新市場拡大 包装形態や包装材料について定期的に同社と協議 を確実に行います。また、ロボットピッカーと通 計画は言うまでもなく、現状の要求にも対応でき しました。 信を行い、製品を正確に配置します。その後製品 なくなっていました。また、各製品形態に対して 多様な顧客要求を満たすため、Excelvision はボッシュ製横型ピロー包装機 Sigpack HSL 型 専用の収納トレーを購入していたため、コスト高 社は特殊な要求に対して容易に適合できる機器 まで搬送されます。本機の特徴は、長いシーリン となっていました。しかし、ボッシュの一貫ライ を求めました。 「単回使用包装への需要が高まる グ時間を確保する長時間シーリングユニット。こ ンソリューションの導入により、1 種類の収納ト 中、この新規ラインによって今後の生産に対応 れにより、ブロー・フィル・シール製品を水分蒸 フレキシブルな一次∼二次包装 発や光の影響から保護するために重要なアルミラ ミネートフィルム包装の気密性が保証されます。 また、ボッシュは包装済みのバイアルカードに 対して真空下や水中など様々な条件下で試験を行 い、包装の気密性を確認しています。箱詰め工程 では、Excelvision 社はボッシュ製トップロード 式カートナー Sigpack TTM 型が導入されまし た。本機はピロー包装済みの製品をグルーピング チェーンからピックアップし、カートンに挿入し ます。Sigpack TTM 型の主なメリットは、4 種 類の異なるカートン形状に対して、迅速かつツー ルレスで段取り替えができることです。これによ り、Excelvision 社が多様な顧客要求に対応する ためのフレキシビリティを実現しています。 packazine | 17 Sigpack TTM 型は回転式能書供給装置を備 い、当該設備が品質にかかわる全工程段階を実現 え、カートンの封函前に添付文書を挿入します。 できることを立証しました。 さらに、カートンには不正開封防止仕様を採用し、 開封された場合は小売業者や消費者が容易に見つ けることができます。 ボッシュは性能検査およびフィルム検査を行 カード状バイアルはアルミラミネートフィルム で気密包装され、光の影響や水分蒸発から保護 されます。 18 | packazine Customers & Markets Pharma 西洋医学発祥の地で医薬品を生産する ボッシュは、エジプトのNovartis社にフレキシブルな医薬品用充填・ 包装ラインを提供します。 古代エジプトの薬は、記録された最も古い医薬 治療薬ディオバン、眼疾患治療薬ルセンティスな 1 ラインで 3 品種 品のひとつであり、今日の医療にも大きな影響を どがあります。 し か し、 Otrivin Saline Baby 及ぼしています。以来、薬は大幅な進化を遂げて エジプト・カイロの Novartis 社工場は、エジ (15mL プラスチックボトル)、 Otrivin 点鼻 いますが、スイスの製薬大手 Novartis(ノバル プト国内の市場ニーズの 7% に当たる医薬品を スプレー(10mL プラスチックボトル)、Catafly ティス)社は、50 年以上にわたり、エジプトで 生産し、処方せん薬および一般用医薬品(OTC 懸濁液 咳止めシロップ(100mL ガラスボトル) 幅広い医薬品の生産・充填を行ってきました。 薬)の製造及びサプライチェーンの拠点となって の充填・包装を計画した際、Novartis 社は問題 います。カイロ工場は最高水準の労働衛生・安 に直面しました。油性の点鼻スプレー・点鼻液か スイスからエジプト、そしてその先へ 全・環境( HSE )基準を満たし、 ISO 14001 ら、粘性の高い咳止めシロップまで、粘度が大き スイス・バーゼルに本部をおく Novartis 社 および OHSAS 18001 に適合するとともに、 く異なることが問題のひとつでした。包装形態が は世界最大の製薬メーカーのひとつです。同社は Novartis 社内部の HSE 賞を 12 年連続で受賞 多様であること、特に異なるキャップが必要とな 1996 年、Ciba-Geigy 社と Sandoz 社の合併 しています。 ることも課題でした。咳止めシロップではスク 点鼻液 によって誕生。売上の多い製品として、特定の白 リューキャップと計量カップが必要ですが、点鼻 血病の治療薬グリベック、高血圧および心不全の 液ではインサートとスクリューキャップ、点鼻ス packazine | 19 Novartis社 プレーではスプレーポンプとスクリューキャップ スリムでクリーンな構造 品内の酸素が低減され、キャッピング後の酸化を が必要です。 ボッシュは Novartis 社の基準を満たすよう 防ぎます。製品形態間のフレキシビリティを実現 高いフレキシビリティを有し、製品間の段取り ラインをカスタマイズし、ボトルアンスクランブ するため、本ラインでは、3 台の異なるロータリー 替えの間に容易に清掃できる設備を求めていた ラーに続いて、3 種類のボトルすべてをクリーニ 型巻締め機を組み入れ、製品に応じて使用するこ Novartis 社。同社は、製薬分野におけるトップ ングし、異物混入を防ぐエアブロワーを設置しま ととしました。1 台目は点鼻スプレー用ボトルに メーカーであるボッシュパッケージングテクノロ した。プラスチックボトルのクリーニングでは、 ポンプを取り付けるよう設計され、2 台目は点鼻 ジーを選択しました。 「私たちはボッシュ製機器 各ブローノズルがエアーをイオン化し、ボトル表 液用ボトルに栓を挿入し、3 台目はすべての製品 のフレキシビリティに感銘を受け、ボッシュなら、 面の静電気を中和することにより、異物が容易に 形態に使用できるもの(3 種類のキャップを各ボ これら 3 種類の製品を 1 ラインで生産できるソ 除去されます。この機能はガラスボトルでは不要 トルに巻締めし、100mL ガラスボトルには計量 リューションを提供してくれると確信していまし であるため、生産中に容易にオフにすることが カップを挿入するもの)でした。 た。」とエジプト Novartis 社のプロジェクトマ できます。その後ボトルは、窒素前置換用ノズル ラ イ ン の 重 要 な 機 能 と し て 定 置 洗 浄(CIP) ネージャー Mohamed Galal 氏は述べていま 10 本と充填用ノズル 10 本を備えたリニアピス Plus システムがあり、これによって洗浄結果の す。 トン充填機に送られます。窒素置換により、医薬 再現性が保証されます。洗浄は各製品の生産後に 20 | packazine Customers & Markets Pharma 必ず実施されます。充填からキャッピングまで、 たカートンを立体の箱として起函し、起函できな ラインは完全にラミナーフローフードに覆われ、 かったカートンは取り除きます。これにより、重 あらゆる異物混入を防ぐため陽圧環境下に置かれ 要なカートンを安全に取り扱い、包材や製品のロ ています。 スを防ぎ、生産停止時間を低減します。また、す キャッピング後、プリント済みの点鼻スプレー べての能書は機械的なグリッパーによって搬送さ ボトル以外のボトルは、ラベリングシステムに れ、確実にカートンに挿入されます。機械停止を 搬送されます。二次包装のため、ボトルは連続 最小限にとどめ、より長い稼働時間を確保するた 動作のボッシュ製カートナー CUK 型に供給され めに様々な機能が搭載されており、上記はその一 ます。本機は、製品形態に対するフレキシビリ 部に過ぎません。 ティ、迅速な段取り替え、省メンテナンスといっ た Novartis 社の要求を満たす理想的なソリュー フレキシビリティ、スピード、エネルギー効率が ション。Novartis 社では製品、カートン、能書 結果を生む サイズについて合計 15 種類のオプションがあり カスタマイズされたボッシュ製システムは、 ますが、ボッシュ製 CUK 型はこれらを短時間で Novartis 社において包装形態が異なる 3 種類 容易に設定することが可能です。本機の「スイン の製品の充填・包装ラインの効率化をサポートす グオープン」式能書供給装置により、作業者は能 るにとどまらず、生産速度の向上にも貢献しまし 書が正しく挿入されていることをすばやく確認で た。10mL および 15mL ボトルで 100 本 / 分 き、2 人目の作業者が機械背面から補助する必要 から 140 本 / 分へと加速。100mL ボトルでは、 はありません。能書および空カートンの供給位置 120 本 / 分まで高速化されました。また、ボト が互いに接近しているため、作業者の動きはさ ルのクリーニング工程の進歩により、年間 6 万 らにシンプルになりました。「カウンター」吸引 ドル相当の省エネルギーにも成功しました。 ヘッドがすべてのカートンを開き、折りたたまれ packazine | 21 性能が試される ペリスタルティックポンプ 過去数年の間、液剤の充填においてペリスタルティックポンプが普及しています。 主に開発用途に使用されてきましたが、現在では、従来の充填システムに代わる安全で清潔かつ フレキシブルな選択肢となっています。 Allergy Laboratories, Inc.はこの技術を採用。2年間にわたって使用し、成果を上げています。 同社のユーザーとしての貴重な経験をうかがいました。 Allergy Laboratories, Inc.(アレルギー・ に注力しています。このような取り組みのもと、 使用可能となるスペース内に正確に設置できるこ ラボラトリーズ・インク;以下 Allergy Labs 社) Allergy Labs 社は無菌の脱パイロジェンバイア とでした。「別のラインではピストンポンプを使 は 1929 年、設立者 Raymond Balyeat 博士 ル製品、無菌希釈用液、注射剤などの製造を行っ 用していましたが、清掃や保守が困難になってい の免疫療法の普及に必要なアレルゲン性抽出物の ています。 ました。」と Allergy Labs 社の製造部門長 Lee Beaver 氏。「そこで、ペリスタルティックポン メーカーとして、オクラホマシティーで設立され ました。同社の知名度は上昇し、FDA に認証さ コンパクトでクリーン プ技術を採用した充填・シール機を探し始めまし れた医薬品メーカーとなっています。診断薬やア Allergy Labs 社は 2010 年、ボッシュから た。市場調査を行ったところ、この種の技術では レルギーの治療に使用される 500 種類を超える バイアルおよび輸液ボトル用新規充填・シール機 ボッシュの評判が良く、担当者も優れたコミュニ 生物抽出物を生産しています。近年、非経口薬の を購入。同社のニーズにこたえるには、2 つの主 ケーション能力や専門知識をもっていました。こ 受託生産用施設など、新たな製造・供給能力を確 な要求事項を満たす必要がありました。第 1 に、 れらのことから、ボッシュに決定しました。 」「当 立しました。同社は、高品質、製造方法の厳格な ラインにはペリスタルティックポンプ技術を使用 社からの質問や要求に対して、ボッシュは常に迅 管理、安価な製品、優れた顧客サービスの実現 すること、第 2 に、新規機械は旧機械の廃止で 速に対応してくれたため、プロジェクトがスムー 22 | packazine Customers & Markets Pharma ズに進みました。」機器はミネアポリスのボッシュ クポンプはかつて小規模な医薬品バッチの開発に あらゆる充填オペレーションに適した技術となり パッケージングテクノロジーで製造され、ボッ 使用されていましたが、現在では実生産において ました。ローラーのオフセット整列により配管の シュの専門エンジニアチームにより据付けされま 従来の充填システムに代わる選択肢となっていま 機械的な歪みが軽減され、より長期の使用が可能 した。 す。ボッシュのペリスタルティックポンプは、最 となりました。製品やバッチの変更はより容易、 適化された充填精度を実現する従来のペリスタル 高速かつ安全になりました。このポンプはシンプ 伝統的なコンセプトの見直し ティックコンセプトと、極めてフレキシブルな運 ルな 2 段階の動作で開閉が可能で、部品の取り ボッシュは 6 年前、顧客の製薬企業からのニー 転コンセプトを組み合わせたものです。ボッシュ 外しは不要です。オペレーターは片手でポンプを ズの高まりにこたえるため、独自のペリスタル のペリスタルティックポンプの新たな配管コンセ 開き、配管を交換し、再度ポンプを閉じることが ティックポンプの開発を開始。ペリスタルティッ プトにより、開発から実生産スケールの充填まで、 できます。これにより時間が節約され、特にアイ packazine | 23 ソレーターの場合に安全性が向上しています。こ Labs 社は主にボッシュの充填・シール機を使用 氏は説明しています。ボッシュは最近、同社を のシステムでは配管以外に薬液接触部はなく、交 して、注射剤や無菌ジェネリック薬など、水性の 訪問して機械の予防的保守作業を実施しました。 叉汚染のリスクを低減することによって製品品質 易溶性製品の充填・シールを行っています。この を保証し、製品替えに伴って生じ得る機械停止時 ボッシュのペリスタルティックポンプは、0.1 ∼ た。現時点で、ラインは 2 年間稼働していますが、 間を最小化しています。 30mL の充填量に適していますが、各顧客メー 重要なメリットは導入後すぐに分かりました。安 システムのさらなるメリットは、低振動の容積 カーの要求に柔軟に対応し、ポンプを改造してさ 全で信頼性のあるバイアルのハンドリング、ペリ 流量制御により高精度の充填が保証されることで らに少量の充填量の取扱いも可能となります。 「当 スタルティックポンプ技術の充填精度、工程全体 す。Lee Beaver 氏によれば、「充填精度はこの 社は充填量 2mL で運転しているため、充填精度 の清浄度などです。」 技術の大きなメリットのひとつです。 」Allergy は大きな懸念事項でしたが、ボッシュは当社の要 求仕様をすべて満たしてくれました。 」と Beaver 氏は説明しています。 「充填オペレーションではド 現在、ペリスタルティックポンプは従 来の充填システムに代わる有効な選択 肢となっています。 リップが生じず、単回使用部品の採用により、清 潔な取扱いが可能でした。 」 徹底したメンテナンスフリー仕様 ペリスタルティックポンプとともに、Allergy Labs 社は FLC シリーズから新規充填・シール ラインを選択。充填・シール機 FLC 3080 型は、 連続動作でバイアルの充填、抜き取り計量、打栓 を行います。FLC 3080 型では、真空スターホ イールを用いて各バイアルを正確に位置決めし、 打栓を行います。その他の特徴として、部品交換 を行わずにサイズの異なるバイアルを搬送可能な 利便性の高い V 型クリート コンベアシステム などがあります。直線コンベアシステムは水平に 連続動作で運転されます。容器はラミナーフロー 下で直立状態で自由に搬送されます。「FLC ライ ンは当社が求めた充填オペレーションに必要な清 浄度を満たすと同時に、極めて丁寧なバイアルの ハンドリングも実現しています。」と Beaver 氏。 Allergy Labs 社の FLC 型機、ペリスタルティッ クポンプおよびディスポーザブルな配管システム は、機械の制御システム、ドライブおよびコント ローラーに完全に組み入れられています。また、 タッチスクリーンが設置され、自動運転を確実 かつ容易に行うことができます。「当初は、FLC 型機の自動化のレベルについて懐疑的でしたが、 セットアップは容易でした。当社のオペレーショ ンはすぐに機械と適合しました。また、メンテナ ンスフリーが徹底しています。」と Lee Beaver 「サービスを要する部分はあまりありませんでし 24 | packazine Customers & Markets Pharma 複雑な製剤に対応する フレキシブルなソリューション Cipla社がボッシュ製カプセル充填機GKF 2500 ASB 100%を導入 インド最大の製薬企業のひとつ、Cipla社。需要の急増に対応するため、充填能力の増強を計画した同社は ボッシュパッケージングテクノロジーの新規カプセル充填機の導入を決定しました。 1935 年に設立された Cipla(シプラ)社は、 います。 世界有数のジェネリック薬メーカーのひとつであ り、170 カ国以上に進出しています。同社はイ ベストマッチ ンドにおける医療の自給自足を目指して事業を開 先進市場での需要に対応するため、多くの企業 始。現在では、65 の治療分野で、錠剤、カプセル、 がより複雑な要求事項を満たす高性能の機械に投 プレフィルドシリンジ、その他の原薬など 40 を 資しています。「規制は非常に厳しく、現地メー 超える剤型で 2,000 種類を超える製品を製造し カーと競争するためには高品質に焦点を当てる必 ています。Cipla 社は治療分野全体を通じて患者 要があります。」と Sudhir Gule 氏は説明しま のニーズにこたえる、安価で高品質の医薬品を製 す。Cipla 社はその需要への対応において、国内 造するメーカーとして世界中で知られています。 的にも、世界的にも有利な位置にあります。過去 Cipla 社クルクンブ工場長 Sudhir Gule 氏 数年間、同社は継続的に工場への高性能機器の導 によれば、 「インドは過去 15 年間にパラダイム 入を進めてきました。 シフトを経験しました。インド製薬産業は、現在 10 年以上にわたって、Cipla 社はインドにお では世界で最も優れた製薬産業のひとつとなって けるボッシュの主要顧客のひとつであり、インド います。これにより、多くの変化がもたらされ、 全土の生産拠点において、様々な世代・型の充 当社の製剤や輸出品はより高度なものとなりまし 填機 GKF 型、複数の計量器 KKE 型を使用して た。国内での需要が継続的な成長を示している一 います。近年成功したプロジェクトのひとつは、 方、医薬品輸出も成長を遂げています。」 Cipla 社クルクンブ工場における新規カプセル インドはすでにジェネリック薬市場におけるグ 充填機の据付です。 「当社のすべての機械と同様、 ローバルリーダーであり、国内企業は米国や欧州 厳格な選定プロセスを踏み、市場の様々な機械の 以外にも他の新興経済圏での売り上げを伸ばして データを比較しました。 」と Sudhir Gule 氏は packazine | 25 強調します。「GKF 2500 ASB 100% 型が当 オンライン型重量制御システムを搭載。個々のカ 社の要求にベストマッチした機械でした。また、 プセルの重量をコントロールしています。計量器 当社の経験から、その選択が正しいことが証明さ と充填ステーションの間での通信に基づき、分析 れています。」 ソフトウェアが平均重量を算出し、理論上の充填 重量と比較。重量があらかじめ設定された許容範 最高の安全性と精度 囲内のカプセルのみが良品とされ、その他はすべ カプセル充填機 GKF 2500 ASB 100% 型の て自動で不良品排出されます。 最重要ポイントは、使い勝手が良く、清潔で確実 なハンドリングです。本機の生産能力は最大 15 市場要求への対応 万カプセル / 時。大量生産に適しています。その Sudhir Gule 氏は次のように述べています。 モジュラー設計により、製品の段取り替えを迅速 「当社のチームは新規カプセル充填機に非常に満 に行うことができ、生産性の向上に貢献します。 足しています。特に使用性に優れているのみなら cGMP 適合の生産チャンバーは、アクセスが容 ず、市場のニーズに対応するフレキシビリティが 易で、運転や清掃における使用性に優れています。 得られ、製品の切り替えもすばやく、長時間の段 自動トラブルシューティング仕様により、製薬に 取り替えは不要です。さらに、設計がコンパクト 求められる最高の安全性が保証されています。変 で、作業スペースも有効に使用することができま 形または損傷したカプセルは、充填ステーション す。また、オンラインの計量器によって正確な充 に到着する前に不良排出されます。カプセルの閉 填重量が保証されています。これは、当社と当社 塞では、カプセル胴部スキャナーにより、閉塞不 のお客様にとって非常に重要な要求事項です。」 良カプセルを検出します。 同社の GKF 2500 ASB 100% 型は高精度の 26 | packazine Branche Bereich 2014年 製薬関連イベント 日程 2014 年 イベント名 開催地 分野 5 月 8 ∼ 14 日 Interpack デュッセルドルフ 一般 5 月 12 ∼ 14 日 FCE Pharma サンパウロ 製薬 5 月 20 ∼ 22 日 P-Mec South East Asia ジャカルタ 製薬 6月3∼5日 Vision Pharma シュツットガルト 製薬 6 月 26 ∼ 28 日 P-Mec China 上海 製薬 7月2∼4日 Interphex Japan 東京 製薬 9月1∼3日 Pharmex Asia バンコク 製薬 9 月 29 ∼ 10 月 3 日 Expoquimia バルセロナ 製薬 9 月 30 ∼ 10 月 2 日 Technopharm/Powtech ニュルンベルク 製薬 10 月 6 ∼ 10 日 Supplyside West ラスベガス 製薬 10 月 7 ∼ 9 日 P-Mec Worldwide パリ 製薬 10 月 7 ∼ 10 日 Tokyo Pack 東京 一般 10 月 12 ∼ 15 日 ISPE Annual Meeting ラスベガス 製薬 10 月 14 ∼ 16 日 A3P Congress ビアリッツ 製薬 10 月 21 ∼ 22 日 PDA Visual Inspection ベルリン 製薬 10 月 21 ∼ 23 日 ProPak Cape ケープタウン 製薬 10 月 21 ∼ 24 日 Allpack Indonesia ジャカルタ 製薬 10 月 28 ∼ 31 日 China Pharm 深圳 製薬 11 月 2 ∼ 5 日 Pharma Expo シカゴ 製薬 11 月 2 ∼ 6 日 AAPS Annual Meeting サンディエゴ 製薬 11 月 17 ∼ 20 日 Salon International d Emballage パリ 一般 11 月 25 ∼ 28 日 PharmTech モスクワ 製薬 12 月 2 ∼ 4 日 P-Mec India ムンバイ 製薬 Processed and packaged as promised. Bosch. Processing equipment and packaging machinery from Bosch achieve the agreed performance. Day after day. Year after year. GMP-compliant systems ensure the required pharmaceutical product quality. Simple validation, cleaning and sterilization processes and low maintenance requirements increase production efficiency. Experienced employees with extensive know-how guarantee professional service worldwide. Learn more at www.boschpackaging.com TEL: 03(5466)2550(代) FAX: 03(5466)2551 本 社 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 3-12-22 渋谷プレステージ 7F 関西営業所 〒532-0004 大阪市淀川区西宮原 2-1-3 SORA 新大阪 21 18F TEL: 06 (6391)4641 (代) FAX: 06(6391)4640 船橋工場 〒273-0017 千葉県船橋市西浦 2-2-2 ビジョンテクノロジー CoC 〒355-0813 埼玉県比企郡滑川町月輪 1464 番地 4 ホームページアドレス http://www.bosch.co.jp/jp/pajp TEL: 047(435)2571(代) FAX: 047(432)8181 TEL: 0493(81)5068(代) FAX: 0493(81)5094 E-mail [email protected] 2014.6
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