第662号 - 山形県医師会

平成18年10月10日発行
昭和27年8月21日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕
第662号
表
紙
写
真
「錦秋の船形山」
第21回山形県医師会医家美術展出展
山形市 鈴
木
清
夫
街では残暑が過ぎやっと秋を感じる頃、鍋越峠を経由して宮城県の色摩コースから船形山
を目指した。橅の原生林を緑の木漏れ日を浴びながら高度を上げると徐々に紅葉が進み思い
がけない錦秋の山頂が現れた。
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
取得単位
「肺結核診療の最近の動向」
11月2日(木)
福島県立会津総合病院内科科長 斎藤美和子
18:30~20:30
日医生涯教育
国立病院機構 山形病院
☎0236845566 藤田
「動脈硬化の最近の考え方」
11月2日(木)
京都大学、日本動脈硬化学会理事長 北
19:00~21:05
日医生涯教育
徹
11月6日(月)
18:00~19:00
山形市
山形県立中央病院
11月8日(水)
19:00~20:30
山形市
市立病院済生館
山形メタボリックシンドロームセミナー
3単位
山形市
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テ
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タ
ン
山形
山形市
霞城公民館
平成18年度山形県結核臨床研修会
3単位
山形市
遊学館
11月5日(日)
14:00~16:00
会の名称及び主催者又は連絡先
帝人ファーマ叙
☎0236265450 中道
あなたは「かくれ糖尿病」ではありませんか?
山形大学医学部器官病態統御学講座
液性病態診断医学分野教授 富永 尊琴
「糖尿病にならない食事」
三友堂病院栄養管理室長 二宮久美子
「糖尿病にならない楽しい運動のすすめ」
寒河江市立病院運動療法士 村山
直
第一部「初診で診る貧血と治りにくい貧血」
第二部「造血幹細胞から見えるもの」
秋田大学第3内科教授
内科系疾患症例検討会
日医生涯教育
山形県医師会「糖尿病フォーラム」
5単位
山形県医師会
☎0236314350 川口
日医生涯教育
山形県立中央病院教育講演会
3単位
澤田
賢一
山形県立中央病院教育研修部
☎0236852626 石川
日医生涯教育
第115回済生館内科系疾患症例検討会
3単位
山形市立病院済生館
☎0236255555 野村
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
取得単位
「救急医療と統合失調症」
11月10日(金)
~自殺・身体合併症・向精神薬における副作用に関して~
18:30~20:00
山形市
ホテルキャッスル
【参加費 5百円】
北里大学病院救命救急センター講師
上條
(社団法人日本心身医学会
三菱ウェルファーマ叙
☎0236276580 上田
日医生涯教育
山形大学医学部精神科医局
☎0236285322 渋谷
日医生涯教育
3単位
山形市
山形県立中央病院
【参加費 1千円】
教授
田林
日医生涯教育
部長
粟田
第17回山形血管疾患研究会
3単位
晄一
「高齢者のうつ病と軽度認知障害併存例の診断と治療」
11月11日(土)
18:30~20:00
仙台市立病院神経精神科兼認知症疾患センター
山形市
ホ
テ
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山形
【参加費 1千円】
第10回 山 形 県 炎 症 性 腸 疾 患
(I
BD)研究会
田辺製薬叙
☎0236247911 前島
「QOLを考慮した胸部大動脈瘤の外科治療」
11月11日(土)
東北大学大学院医学系研究科心臓血管外科分野
15:30~18:00
山形市
山形国際ホテル
【参加費 1千円】
第35回山形心身医学研究会
3単位
理事長)
「炎症性腸疾患と粘膜免疫」
11月11日(土)
滋賀医科大学医学部内科学講座教授 藤山 佳秀
16:00~18:00
第3回山形救急医療研究会
3単位
吉人
「プライマリーケアにおける全人的医療の実際」
11月11日(土)
16:00~18:00
関西医科大学医学部心療内科教授 中井 吉英
山形市
山形国際ホテル
【参加費 1千円】
日医生涯教育
会の名称及び主催者又は連絡先
三菱ウェルファーマ
☎0236276580 上田
日医生涯教育
3単位
主一
第13回山形リエゾン懇話会
グウクソ・スミスクライン叙
☎0120561007 須玉
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
取得単位
「副腎腫瘍をどう診るか」
11月15日(水)
18:45~21:00
山形県立中央病院
山形市
ホテルキャッスル
日医生涯教育
3単位
救命救急センター副所長兼教育研修部長
後藤
敏和
「基礎知識」
篠原医院院長
篠原 守信
11月16日(木)
17:30~20:30 「診断編・治療とケア」 二本松会山形病院院長 横川 弘明
新庄市
「連携編」
新庄駅「ゆめりあ」
11月16日(木)
18:30~
天童市
天童ホテル
竹内医院院長
竹内
日医生涯教育
―X線・内視鏡画像の逆追跡例からみて―」
社会保険中央総合病院消化器内科部長
浜田
5単位
勉
「慢性膵炎の病態と治療」~最近の知見から~
11月16日(木)
18:30~20:10
九州大学大学院医学研究院病態制御内科学
講師
伊藤
日医生涯教育
3単位
鉄英
「当院における在宅医療の現状」
11月18日(土)
14:00~16:30
~脳血管疾患から難病・癌末期まで~
山形市
国立病院機構
山形病院附属看護学校
5単位
輝博
「胃癌の発育からみた検診の問題点
山形市
ホ
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メ
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ロ
ホ
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タ
ン
山形
日医生涯教育
岡田内科循環器科クリニック院長
日医生涯教育
3単位
岡田
恒弘
会の名称及び主催者又は連絡先
第168回山形循環器懇話会
ノバルティスファーマ叙
☎0236312014 杉本
かかりつけ医認知症対応力向上研修会
山形県医師会
☎0236314350 伊藤
三郡市医師会合同学術講演会
寒河江市西村山郡医師会
☎0237864291 加藤
山形膵炎フォーラム2006
小野薬品工業叙
☎0236244591 村岡
平成18年度山形県難病専門研修会
国立病院機構 山形病院
☎0236845566 藤田
「これからの在宅医療−チーム医療をどう展開するか−」
11月21日(火)
18:00~19:30
厚生労働省医政局看護課在宅看護専門官 山田 雅子
第13回生涯教育セミナー
山形市
山形大学医学部大講義室
山形大学医学部学務課
☎0236285046 宮島
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
取得単位
「健康寿命の延伸に向けた保健医療」
11月23日(木)
東北大学大学院医学系研究科
13:00~15:00
山形市
オーヌマホテル
11月25日(土)
14:00~
山形市
山形イン
【参加費 1千円】
日医生涯教育
社会医学講座公衆衛生学分野教授 辻
一郎
「最近話題の耳の病気とその治療」
東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座
耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野教授 小林 俊光
「内視鏡のリスクマネージメント
−抗血栓療法患者の取り扱いを含め−」
県立がんセンター新潟病院参与 小越
東北大学艮陵同窓会山形県支部
☎0236848077 土田
第27回山形県消化器治療内視鏡研究会
3単位
和栄
エーザイ叙
☎0236320116 田中
日医生涯教育
第6回山形アレルギー研究会
3単位
田辺製薬叙
☎0236247911 前島
山形市
オーヌマホテル
【参加費 1千円】
山形市
山形ク
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ラ
ン
ト
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ホ
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ル
山形艮陵公開講演会
3単位
日医生涯教育
「花粉症にならないために」
11月25日(土)
福井大学医学部耳鼻咽喉科学講座教授 藤枝 重治
16:45~19:00
11月25日(土)
15:00~18:00
会の名称及び主催者又は連絡先
テーマ:
「勤務医過重労働への対策を考える」
シンポジスト
山形県医師会常任理事
山形県健康福祉部長
鶴岡市立荘内病院副院長
山形県立新庄病院救急部長
山形大学大学院医学系研究科医療政策学教授
山形県医師会常任理事
コメンテーター
日本医師会常任理事
日医生涯教育
医師会活動を考えるシンポジウム
5単位
佐藤
遠藤
三科
熱海
清水
武田
泰司
克二
武
裕之
博
憲夫
内田
健夫
山形県医師会
☎0236314350 鈴木
生涯教育のお知らせ
開催日時及び場所
主な演題及び講師
取得単位
「心房細動のアブレーション治療」
11月30日(木)
19:00~21:00
東北大学大学院循環器病態学助手 熊谷 浩司
日医生涯教育
会の名称及び主催者又は連絡先
第3回山形最先端医学研究会
3単位
ノバルティスファーマ叙
☎0236312014 鈴木
山形市
ホ
テ
ル
メ
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ロ
ホ
゚
リ
タ
ン
山形
「内視鏡検査におけるリスクマネジメント」
11月30日(木)
新潟県立がんセンター新潟病院参与 小越 和栄
18:30~20:30
日医生涯教育
3単位
酒田市
ホテルリッチ&ガーデン酒田
山形県臨床内科医会学術講演会並
びに診療報酬審査に関する懇談会
山形県臨床内科医会
☎0236314350 鈴木
がんネットTVカンファレンス
開催日時及びテーマ(担当)
会
場
取得単位
会の名称及び申込先
11月2日(木) 16:30~18:00
子宮頸癌の若年化と妊娠(山形)
11月9日(木) 16:30~18:00
転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療の現状と問題点
(埼玉)
11月16日(木) 16:30~18:00
地域で考えるがん診療の現状と問題点(岩手)
11月30日(木) 16:30~18:00
乳がんにおけるFI
メチル化(呉、中国)
SH,
山形県立中央病院
第4会議室
(3階)
日医生涯教育
3単位
多地点合同
メディカルカンファレンス
県立がん・生活習慣病センター
☎0236852626 内線3328 3329
産業医研修会一覧表
開催日時及び場所
研修会名及び内容
実施主体者
申込先(TEL)
基礎研修単位数
生涯研修単位数
11月6日(月)
18:00~
「ビデオ上映」
「日常診療でよく診る高脂血症の治療と盲点」
山形県立中央病院 中央検査
酒田市
副部長 松本 光生
十全堂社
「自殺予防の立場からみたうつ病の診療」
酒田地区医師会館
山形産業保健推進センター
会費1千円]
[
産業保健相談員 東谷 慶昭
山形県医師会
山形県医師会
(
0236314350)
基礎後期3単位
生涯更新1単位
生涯専門2単位
11月15日(水)
18:00~
「ビデオ上映」
「労働安全衛生法改正の概要及び
過重労働による健康障害防止対策」
上山市
山形労働基準監督署長 古角
豊 上山市医師会
シ
ョ
ツ
ヒ
゚
ン
ク
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フ
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ラ
サ
゙
「労働安全衛生法改正における面接指導に関して」
「カミン」
山形産業保健推進センタ-産業保健相談員
川越医院副医院長 神村 裕子
11月21日(火)
18:00~
山形市
山形産業保健
推進センター
「アスベストの環境リスク」
山形産業保健推進センター
産業保健相談員 河合
「過重労働・メンタルヘルス対策」
山形産業保健推進センター
産業保健相談員 藤井
直樹
産業保健推進
センター
上山市医師会
(
0236726758)
山形市医師会
(
0236413650)
基礎後期3単位
基礎後期2単位
生涯更新2単位
生涯専門1単位
生涯専門2単位
聡
11月24日(金)
18:00~
「ビデオ上映」
「日常診療でよく診る高脂血症の治療と盲点」
山形県立中央病院 中央検査
長井市
副部長 松本 光生
長井市西置賜郡
「自殺予防の立場からみたうつ病の診療」
医師会館
山形産業保健推進センター
会費1千円]
[
産業保健相談員 東谷 慶昭
山形県医師会
山形県医師会
(
0236314350)
基礎後期3単位
生涯更新1単位
生涯専門2単位
山形県医師会会報
目
平成18年10月
第662号
1
次
生涯教育のお知らせ
がんネットTVカンファレンス
産業医研修会一覧表
お知らせ
日本医師会年金脱退一時金の適用利率について
YBCラジオ番組「朝だ!元気だ!6時半!!」放送中
山形県医師会会員専用ホームページのアカウント及び
メールによる周知文書の自動配信・メーリングリストについて
山形県ドクターバンク事業について
健康保険及び船員保険における一部負担金等の徴収猶予及び減免の取扱いについて
表 彰
厚生労働大臣表彰
外田
陽先生
勤務医のページ
「寒河江市立病院の概要と糖尿病診療」
寒河江市立病院長 間中 英夫
郡市地区医師会コーナー
一病理医の閑談・雑話 1.楽人と医人
山形市医師会 笠島
武
寄 稿
外国人看護師
山形市 武田 和夫
新医師臨床研修制度における地域保健(保健所)研修2年目を迎えて
〜山形県村山保健所のプログラムから〜
山形県村山保健所 山田 敬子 他
医師不足は日本だけでない-先進国の医師情勢-
上山市 渡辺 好博
同じ運命
鶴岡市 小野寺俊直
学 術
眼窩吹き抜骨折の臨床的検討
山形大学医学部情報構造統御学講座耳鼻咽喉頭頚部外科学分野 太田 伸男 他
筆 硯
代代医
山形県医師会理事 藤山 忠信
県医師会だより
第5回常任理事会
第7回全理事会
山形県医師会と山形県病院協議会との懇談会
地域保健医療委員会
県医日誌
会員異動
医師国保だより
厚生年金基金だより
編集後記
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平成18年10月
山形県医師会会報
第662号
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日本医師会年金
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一時
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利率に
会年金 脱退一時金の適用利率につい
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この度、第39年度(平成18年10月1日~平
で積み立ててきた掛金に一定の利息を付して
成19年9月30日)の脱退一時金の適用利率は、
支払うことになっております。その際に適用
下記のとおり決定された旨、日本医師会より
される利率は、年金規程施行細則第6条の2
連絡がありましたのでお知らせいたします。
により、毎年9月1日時点の市中の預金金利
医師会年金の加入者が全部または一部脱退
を参考に年金委員会にて決定することとされ
ております。
するときに支払われる脱退一時金は、それま
記
1.適用利率:0.
22%
2.適用期間:平成18年10月1日~平成19年9月30日
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YBCラジオ番
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気だ
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元気
送中
6時半
朝だ
だ!元
半!
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!」放送中
」放
放送
オ番
番組
Cラジオ
組「朝だ!元気だ!6時
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山形県医師会では、月曜日から金曜日まで
毎日朝6時30分から15分間、県民向けにYBC
ラジオで健康情報番組「朝だ!元気だ!6時
健康に役立つ楽しい番組ですので、患者さ
んに聴取をお勧め下さい。
11月の放送予定は下記のとおりです。
半錘」放送中です。
【放送時間:月曜日から金曜日の毎朝6時30分~6時45分】
放送日
テーマ
出演者
医療機関名
11月6日~10日
禁煙のコツを教えます
結城
秀樹
米
11月13日~17日
C型肝炎について
石橋
正道
内科消化器科石橋医院
11月20日~24日
病後児保育について(働くお母さんへ)
笠島
和子
笠島耳鼻咽喉科医院
11月27日~12月1日
咳エチケット
藤井
俊司
国立病院機構山形病院
沢
市
立
病
院
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
3
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メールによる周知文書の自動配信・メーリングリストについ
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山形県医師会では、会員専用ホームページ
を開設しております。このホームページでは
会員および医療機関の情報、県医師会および
各地区医師会の行事などを公開しております。
会員の先生方の専用ページとなっており、ア
クセスするためにはアカウントが必要となり
ます。
会員専用ホームページのアカウント
◆ユーザ名:
y+日医会員番号(日医刊行物送付番号)
◆パスワード:
生年月日西暦下2桁+月2桁+日2桁
(例):1950年1月2日の方:500102
※準会員の方は、本会までお申し込みくだ
さい。
周知文書の自動配信
花笠メーリングリスト
会員専用のメーリングリスト「花笠ML」
(hanagas
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上げております。
花笠MLは、県医師会会員どうしが情報・意見
交換を行う場を提供します。また、この趣旨
を通じて地域医療の発展、更には医療全体の
向上に寄与することを願うものです。
未加入の会員は、これを機会に是非ご参加
ください。
申し込み先
周知文書の自動配信、メーリングリスト「花
笠ML」への参加を希望される先生は、本会宛
メール(ke
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p)にて
お申し込みください。
山形県医師会ホームページ:
周知文書あるいは県医師会からのお知らせ
をメールを利用して行っております。希望さ
れた会員には、県医師会会員用ホームページ
の「医師会ニュース」をメールにて配信いた
します。ご希望の会員は、是非お申し込みく
ださい。
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会員専用ホームページ:
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メールアドレス:
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花笠MLアドレス:
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a.
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◇花笠メーリングリストでは、現在、下記のようなことについて、意見交換をしております◇
斬医学部定員増員について
斬「適切診断怠った」手術受け死亡の遺族
斬在院日数短縮で「病床の25%は不要」 斬テレビ放映
斬暇なので外来風景
ジアップへテレビCM
斬善管注意義務
斬休日加算
病院側も争う姿勢
斬三郡医師会勉強会清聴感謝します
斬医師の数「増やすべき」過半数
斬MRワクチンの接種率
斬医師会イメー
斬喫煙対策アンケート
4
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
山形県ドクターバンク事業につい
山形
ドク
クターバ
バンク事業
につ
ついて
形県
県ド
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業に
救
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揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
-
平成18年11月から運用を開始します。御協力をお願いいたします
山形県健康福祉部健康福祉企画課長
Ⅰ
事業の必要性
本県の医師数は、関係者の御尽力により、
着実に増加し、県全体の医師数としては、人
口10万人あたりの全国平均値との格差は縮
小してきております。
しかしながら、地域による偏在が拡大しつ
つあるとともに、小児科、産科など特定の診
療科目における偏在、さらには、病院勤務医
師の労働が過重になっているという指摘もあ
るところです。
こうした中、本県における医療資源等を最
大限に活用して本県医療提供体制を確保して
いくことは、県民がいつ、どこでも、適切な
医療サービスを享受できるうえで最も重要な
課題であるといえます。
Ⅱ
本県における取り組み
本県においては、このような課題に対応し
た医師確保対策を推進するため、従来から
行っている自治医科大学卒業医師の派遣によ
る地域医療体制の確保に加え、平成16年度に
山形県地域医療支援機構を創設するとともに、
平成17年度には、同機構内に調整を行う地域
医療サポート医師を1名配置し、長期及び短
期の派遣の調整等を行っております。
また、同じく平成17年度には、大学の医学
部に在学する学生に対して大学卒業後一定期
間県内の病院等に勤務することなどを免除要
件とした山形県医師修学資金貸与制度を創設
しております。
さらに、県内の臨床研修病院における研修
医の確保を図るため、平成16年度から山形県
臨床研修病院ガイダンスを開催しており、県
内臨床研修病院とともに本県における臨床研
修医の確保に取り組んでいるところです。
Ⅲ
山形県ドクターバンク事業
こうした、本県の医師数の増加を図る取組
を実施するととともに、限りある医師数の中
仁科
-
義英
での医師不足への効果的な対策として、11月
から「山形県ドクターバンク事業」の運用を
開始することとしております。
このドクターバンク事業は、インターネッ
トを利用して、県内の病院、診療所で勤務を
希望する医師の登録を受け付け、医師の求人
登録を行っている医療機関に紹介・斡旋を行
う事業であり、事業の実施を山形県医師会に
委託して運用を開始するものです。
Ⅳ
対象者(求職医師)
この事業は、県内の医療機関(病院、診療
所)で常勤又は非常勤で勤務を希望する医師
を対象とするものであり、どなたでも登録す
ることができます。
例えば、出産、子育て等の時期にフルタイ
ム以外で勤務を希望する女性医師の方や、病
院等を退職した後に可能な範囲で診療等に協
力してくださる医師、山形県へのUターンを
希望する医師、さらには、現に県内で開業さ
れている医師で病院の外来診療や検査に可能
な範囲で協力したい、また準夜帯や休日に病
院医師と一緒に救急患者の診療に協力しても
よいという医師の方の登録も募集いたします。
Ⅴ
対象医療機関(求人医療機関)
県内の病院、診療所で医師の紹介を希望す
る医療機関を対象とします。
Ⅵ
紹介・斡旋
本事業の委託を受ける山形県医師会におい
て選任された職業紹介責任者が、求職医師の
希望内容を確認したうえで、求人医療機関の
中から適当と思われる医療機関を紹介・斡旋
いたします。
山形県医師会会報
Ⅶ
○
具体的な登録・紹介の流れ
求人・求職情報の登録
敢 求 職
① 登 録
県内の医療機関で勤務を希望する医師
(求職医師)は、
山形県ドクターバンクホームページ
(ht
)上で自
t
p:
/
/
dr
bank.
pr
ef
.
yamagat
a.
j
p/
身のプロフィール及び希望勤務形態(常
勤・非常勤)、就業地、給与等の希望条
件を登録します。
② 公 開
職業紹介責任者が、電話等で本人対し、
登録した内容を確認のうえ、個人が特定
されない範囲で公開します。ただし、求
職医師本人が公開を希望しない場合には
公開されません。
柑 求 人
① 登 録
医師の紹介を希望する医療機関(求人
医療機関)は、施設の概要、募集人数及
び給与等の雇用条件を登録します。
② 公 開
登録された内容は基本的にすべて公開
されます。ただし、公開を希望しない場
合には公開されません。
桓 インターネット以外による申し込み
郵送、ファックス等でも求人・求職の申
し込みを行うことができます。申し込み先
は、山形県ドクターバンク事業事務所です。
(Ⅲ参照)
○ 紹 介
① 意向確認
求職医師の登録に対して、登録されてい
る求人情報の中から求職医師の希望にあっ
た医療機関を探し、電話等で求職医師本人
の意向を確認します。
② 紹 介
紹介する医療機関が決定した場合は、求
職医師及び求人医療機関に対してそれぞれ
紹介状が送付されます。その後、日程調整
のうえ面接等を実施します。
③ 採 用
求人医療機関は採用・不採用を決定した
場合は、採否通知書により山形県ドクター
平成18年10月
第662号
5
バンク事業事務所に連絡します。
手数料
本事業において職業紹介を行った場合に手
数料をいただくことは、一切ありません。
○
Ⅷ
問合わせ先・申し込み先
敢 問合わせ
山形県健康福祉部健康福祉企画課
TEL:023-630-2110
FAX:023-625-4294
山形県医師会
TEL:023-631-4350
FAX:023-631-4352
MAI
L:keni
s
hi
@yamagat
a.
med.
or
.
j
p
柑 求人・求職申し込み
山形県ドクターバンクホームページ
(ht
)
t
p:
/
/
dr
bank.
pr
ef
.
yamagat
a.
j
p/
山形県ドクターバンク事業事務所
山形県医師会事務局内)
(
〒9902432 山形市荒楯町189
FAX:023-631-4352
※お願いしたい事項・留意事項
○ 医療機関の方へ
求人希望がある場合には、山形県ドクター
バンクへの積極的な登録をお願いいたします。
○ 医師の方へ
病院の外来診療や検査への可能な範囲での
協力、また準夜帯や休日における救急患者へ
の診療への協力などについても積極的な登録
をお願いいたします。
求人医療機関が求人情報を登録する際
には、ユーザーI
D、パスワードが必要とな
りますが、その初期設定は、それぞれ現在、
山形県が運用している「山形県医療機関情
報ネットワーク」と同じに設定されていま
す。(
ご不明な場合は、県健康福祉企画課に
お問い合わせください。)
パスワードについては、セキュリティー
上の観点から定期的に変更してください。
6
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
救
去
健康
健康保険及び船員保険におけ
員保
保険
険にお
ける
康保
保険
る
おけ
険及
及び船員
救
去
一
一部負担金等の徴収猶予及び減免の取扱いについ
救
去
扱い
いに
につ
一部
部負担金
て
予及び
の取扱
ついて
金等の徴
徴収猶
猶予
び減
減免
免の
揮寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄寄机
本年10月1日に施行された健康保険法及
予及び減免についての具体的な取扱いが示さ
び船員保険法の一部改正並びに健康保険法施
れた旨、日本医師会長から通知がありました
行規則等の一部改正に伴い、今般、健康保険
のでお知らせいたします。
及び船員保険における一部負担金等の徴収猶
記
健康保険及び船員保険における
一部負担金等の徴収猶予及び減免の取扱いについて
1
一部負担金等の徴収猶予
保険者は、被保険者が、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家
財又はその他の財産について著しい損害を受けたことにより、その生活が困難となった場合
において必要と認めるときは、当該被保険者の申請により、6か月以内の期間を限って、以
下の徴収を猶予することができる。
陰 一部負担金
隠 保険外併用療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に
相当する者は除く。)
韻 訪問看護療養費に係る自己負担額
吋 家族療養費に係る自己負担額(食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額に相当す
る者は除く。)
右 家族訪問看護療養費に係る自己負担額
この場合において、当該被保険者又はその被扶養者が、保険医療機関、保険薬局及び指定
訪問看護事業者に対して当該一部負担金等を支払うべきものであるときは、当該被保険者等
の当該保険医療機関等に対する支払に代えて、保険者が当該一部負担金等を当該被保険者か
ら直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができる。
2
一部負担金等の減免
保険者は、被保険者が、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家
財又はその他の財産について著しい損害を受けたことにより、その生活が困難となった場合
において必要と認めるときは、当該被保険者の申請により当該被保険者及びその被扶養者に
係る一部負担金等を減額し、又はその支払を免除することができる。
山形県医師会会報
表
平成18年10月
第662号
彰
外田
陽 先生
厚生労働大臣表彰に輝く
外田
陽先生(
長井市)
は、多年にわたり地域の救急
医療の確保、救急医療対策の推進に貢献されたご功績
が認められ、去る9月8日、厚生労働大臣より表彰さ
れました。
まことにおめでとうございます。
7
8
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
「寒河江市立病院の概要と糖尿病診療」
寒河江市立病院
2002年4月に山形大学医学部内科学第三講座
病院長(内科)
間
中
英
夫
下のとおりです。内科学会教育関連病院ではない
(現在は生命情報内科学)から寒河江市立病院に赴
が、糖尿病学会研修教育病院(県内7施設)と内
任して4年目半が経過したことになります。寒河
分泌学会教育病院(県内6施設)の認定をそれぞ
江市立病院は病床数160、標榜科は整形外科、内
れの学会から受けています。他の認定施設はいず
科および外科が常勤、眼科、皮膚科および放射線
れも当院よりも規模の大きな病院であり、内分泌
科が非常勤といった体制で現在も変わりません。
学会教育病院に関しては、全国でも小さな病院に
私の赴任時、常勤医は整形外科7名、内科6名、外
属します。寒河江市立病院における研修歴での受
科2名の計15名であり、整形外科の患者がとても
験資格を取得した専門医が誕生することを楽しみ
多い病院でした。前述の通り赴任してまだ4年半
にしています。他には神経内科学会教育関連施設、
しか経過していないのに医師数は常勤の3科とも
整形外科学会教育施設の認定を受けています。
変動が激しく、総数では15名から10名になってし
2004年4月から院長をしていますが、管理の仕
まいました。内科は6名から最大7名に増えました
事よりは診療に関わる時間がほとんどです。外来
が、
最近4名に減少、整形外科も7名から4名に減少、
は週3回が固定で、他に輪番での外来も担当して
外科は半年以上一人体制の時期がありました。医
います。外来では主に毎週百数十名の糖尿病患者
師 不 足 は よ く 聞 く こ と で す が、法 定 医 師 数 の
を診療していて、内分泌疾患も診ています。病棟
99.
8%まであった数字が今年度はどこまで低下す
では平均すれば5、6人の入院患者の主治医をして
るのか計算するのが恐ろしく、保健所の立ち入り
いますが、糖尿病患者が大半であり、クリニカル
調査の指摘事項になりそうで困っています。
関東・
パスに従って3週間前後の入院期間で血糖コント
関西などの人口の多い地区に行くと法定医師数を
ロールと糖尿病教育を行っています。また、糖尿
はるかに超えているのはごく普通のことであり、
病での入院患者だけでなく外来患者や他科入院中
何でこの病院にこんなに医師がいるの、と思わず
の患者も対象とした糖尿病教室は2回で完結する
言ってしまいそうになることが少なくありません。
内容で毎週実施しています。糖尿病教室は糖尿病
ただし、医師が確保できる病院は看護師の離職率
療養指導士が主に担当しています。現在は9名の
が高く(20%以上の病院も数多くあります)、毎
糖尿病療養指導士を中心に各部署の職員が連携し
年看護師確保には苦労しているようです。ちなみ
た入院・外来とも糖尿病チーム医療を行っていま
に当院の離職率は03%なので、医師の確保にはさ
す。糖尿病チームは年間計画を立て、月1回だが
ほど苦慮していないが看護師確保が大変と言って
勉強会や症例検討会を開催しています。そのなか
いた都会の某有名病院の看護担当副院長・某大病
から学会報告に相当すると思われるものは、糖尿
院の看護部長・元某大学病院長・某病院事務長と
病学会や糖尿病教育看護学会で発表しています。
いったメンバーで飲んでいた時には自慢できまし
糖尿病療養指導士は第1回の認定試験から看護師
た。しかしながら医師が少ないのは何とかならな
を中心に薬剤師や理学療法士(理学療法士では県
いかと、頭を抱えている日々が続いています。
内唯一)など、これまで12名が資格を取得してい
当院が受けている学会の認定施設としては、以
ます。
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
9
糖尿病患者が高血糖になった場合、インスリン
ており、学会の推奨するHbA1c
5.
8%未満とは程遠
治療を考慮しなければならないが、入院を必要と
く、けっしてほめられた数字ではありません。て
するか否か議論のあるところです。病院であれば
こずり例や治療困難例など重症者例が集まってい
入院をすすめるのが一般的ですが、インスリン注
るからだと言い訳めいたことをいわないで、網膜
射の手技だけを習得するならば外来でも十分可能
症や腎症を発症しないように、また脳血管疾患や
です。入院すれば病院食以外に摂取できないので
冠動脈疾患を発症しないように治療に当たりたい
食事療法の実践になり、自己流ではない運動療法
と考えています。また、山形県糖尿病対策推進会
の実行、さらに合併症の有無や程度が確認できま
議が山形県医師会の強い後押しで発足しているの
す。外来ではインスリン治療が必要と判断されて
で、医師会会員の皆様と共に糖尿病の早期対策や
も、入院して食事療法の厳守することにより、イ
ドロップアウト患者の防止に役立てればと願って
ンスリンを使用しないで済んでしまう患者が少な
います。
くありません。このような例を見ていると教育入
最後に寒河江の食べ物について。サクランボの
院の重要性が認識され、糖尿病と診断された直後
高級品種「佐藤錦」の一大産地であるのは県外で
の上昇傾向が続くような
あるいは血糖値・HbA1c
も有名で、関東から鹿児島まで広範囲に送り、好
場合には、
1~2週間の教育入院をすすめるのだが、
評を得ています。九州に送るなら常温で送っても
断られることが多い。もっとも外来通院中の患者
日持ちのいい「紅秀峰」をすすめられ、送ってみ
は入院の必要性を説いても、入院してくれる方は
ると好評でした。しかし紅秀峰は収穫が7月なの
少ないのも現実です。入院しないから合併症を発
で、6月には佐藤錦、7月には紅秀峰と両方食べた
症してしまうわけではないのですが、薬が多数あ
いといわれると困るので、しばらくは佐藤錦だけ
り、糖尿病を診る施設も増えているのに、例えば
にしようと考えています。今はブドウが時期です
糖尿病性腎症から透析になる患者の増加に歯止め
が、少し前は秘伝豆があり、弁当に秘伝豆御飯を
がかからないのはなぜか?糖尿病診療を行ってい
炊いていました。昼食は時々外食にしていますが、
る医師の力不足だろうか?元糖尿病学会理事長の
私の個人的な好みでは蕎麦では喬陶庵、弘庵、鈴
小坂樹徳先生が、
「糖尿病治療薬は昔に比べれば多
亭、竹の子等があり、ラーメンでは福屋、はちの
種の薬剤が使えるようになり、現在も新しい薬が
や、五一、めん蔵等があります。しかしながら最
次々と開発されているが、昔よりも合併症が増え
近は外に行けるのはポリクリ学生が実習に来た時
ているのはなぜか?」と学会理事や学術評議員が
に限られ、また弁当族になってしまい外食の機会
多数参加している会で質問しているのを聞いたこ
が減ってしまいました。夜の部では寒河江駅前近
とがあります。学会の重鎮の何人かが答えていま
辺に出没していますが、時には隣の朝日町にもス
したが、誰も小坂先生をはじめ聴衆が満足する答
ペイン料理(普通の住宅そのもののお店、国旗が
えはできなかった。糖尿病専門医が診ている患者
掲げてあるだけで看板もありませんが、アット
は約7%(当院も同じ数値)といわれ
の平均HbA1c
ホームで楽しいお宅)を食べに遠征しております。
10
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
一病理医の閑談・雑話
1.楽人と医人
山形市医師会
笠
島
武
モーツァルト生誕250年に当たるのが2006年で
を齎したゲルハルト・ファン・スウィーテンであ
あ る と い う。彼 の 誕 生 日 は1756年1月27日 で、
る。後にビルロートがウィーン大学の外科学を世
250年目の誕生日はとうに過ぎたが、世の中は年
に知らしめることの端緒をつくった。
を跨いで祝っている。あちこちで音楽会が開催さ
スウィーテン男爵はまたハイドンの熱烈な支援
れ、書籍、レコード、CD, DVD等、彼に関する
者でもあった。ハイドンはモーツァルトの天分を
多彩・多岐に亘る商品が売り出されている。今で
評価していたし、モーツァルトも私淑していた。
はモーツァルトの医学療法なる学説も流布して、
ハイドンは永らく鼻のポリープに悩まされ、たび
癒しの音楽、体に優しい曲などの言葉で彼は名医
たび治療を受けたが、その痛みに耐えかねて放置
の一人に烈せられている。モーツァルトは動物磁
していた。イギリスの演奏家で興行家でもあった
気説を唱えた医師で音楽愛好家のフランツ・アン
ザロモンの招きで何度かロンドンを訪れた。その
トン・メスメルと交流があり、彼の邸宅でしばし
折、イギリスの病理学者でもあり有能な外科医と
ば演奏会をした。メスメルは今でいう音楽療法の
して後世まで名を残したジョーン・ハンターに手
始祖の一人かもしれない(Me
s
umer
i
s
ums
;メスメ
術を勧められた。ハイドンは躊躇し、再度訪英の
ル学説)。
折に手術を受けることを約束したが、ハンターが
モーツアルトの作った作品は確かにひとの心に
診療中に急死した為治療を受けられなかった。ハ
感銘と豊かさを与え、何度繰り返し聴いても新鮮
イドンはモーツァルトより年上であったが、1809
さを失わない。晩年といっても、30代初めには体
年ナポレオンのウィーン進攻のさなか77才で逝
の不調を押して作曲、演奏に専心し、亡くなる年
去した。彼の死後、頭蓋骨が彼の信奉者の一人に
には、
“魔笛”、
“皇帝ティ-トゥスの慈悲”の二つ
よって持ち去られたが、その150年後にウィーン
、クラリ
の歌劇、最後のピアノ協奏曲 (第27番)
樂友協会に戻った。1909年、ウィーンの解剖学者
ネット協奏曲、アヴェ・ヴェルム・コルプス等の
タンドラーによって調べられたが、右上顎洞が拡
名曲を作った。そして、レクイエム(鎮魂ミサ曲)
大していたという。今はハイドンの墓地に戻って
を未完として残し世を去った。モーツァルトの治
遺骸としては五体が揃っている筈である。
療に当たったのは、当時ウィーンで有名であった
病理学との関わり思うと、やはり、ビルロート
医師で、トーマス・フランツ・クロセットとマティ
とブラームスの関係は興味深い。随分前になるが、
アス・フォン・ザラバで、リューマチ性熱病並び
ウィーンで国際病理会議がありその折、ビルロー
に炎症性熱病で倒れたと記録しているようである。
トとブラームスの手紙のやりとりのまとまったも
剖検がなかったのは当時の事情から当然とはいえ
のがある筈と思い、ウルバン・シュヴァルツェン
残念である。
ベルグ社の書店に行くと、年配の女性が対応して
モーツァルトを永く支援し、その死に立ち会っ
くれて、すぐに書架からそう厚くもない冊子を出
た一人にゴットフリート・ファン・スウィーテン
してくれた。これがそうだと見せてくれたが、非
男爵がいる。彼の父はウィーン大学の改革、就中、
売品であるという。しかし、遠い日本からである
外科学講座の創設に尽力し、医学のウィーン学派
からプレゼントすると言って手渡してくれた。今
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
11
では、邦訳されたものが在るはずだが、頂いたそ
疾患で1897年に死を迎えた。 彼の大先輩にあた
の冊子に時間をかけて読んでからほぼ20年を経た。
る楽聖ベートーヴェンは長年の耳疾患や肝障害な
ビルロートは初め病理学をベルリンで学び、俊
どがあって、ブラームスの死の丁度70年前の1827
英な病理学者として評価されウィルヒョウと伍し
年ウィーンで死去した。剖検がなされた。病理学
たという。ベルリンのシャリテ病院の病理学主任
の泰斗ロキタンスキーがウィーン大学の助手時代、
の選考でウィルヒョウに惜しくも敗れて、この時
主任のワーグナー教授と共に病理解剖をした。そ
点で外科の専攻を決めた。彼の出版した“一般外
の記録は残っている。肝硬変であったという。
科病理学及び治療法”は外科における病理の重要
2009年はハイドン没後200年、2020年はベートー
ヴェン生誕250年になるが、かなり待たねばと考
えこんでしまう。まして、ブラームス生誕200年
、250年(2085年)は待てない。(
(2033年)
060710)
性を説いたもので、外科病理学の始まりの萌芽を
・I
法の胃
示したとも言える。また、ビルロートI
I
手術法は今でも使われていることから分かるよう
に、彼は外科学の偉大な先達である。彼は若い時
からヴァイオリンを得意とし作曲もし、少年期か
ら青年期には音楽家を志した。ウィーンに移った
参考図書(主なもの)
;
時には既に臨床家として大家の地位を保ち、ブ
・Bi
l
l
r
ot
h一Br
ahmsi
nBr
i
ef
wechs
el
; Ur
ban-
ラームスとの互いの親交は蜜であった。ブラーム
スの二つの弦楽四重奏曲はビルロートに献呈され
た。
彼はベルリン大学に再三招聘されたが、
ブラー
Schwar
t
zenber
g,1935.
智;ミューズの病跡学―質, 音楽家篇、
・早川
診断と治療社、2002.
、1995。
ムスの居るウィーンを離れがたく断ったという。
・五島雄一郎;死因を辿る、 講談社
そういった頃、自分の作品をブラームスに示した
・ドン・キャンベル;モーツァルトで癒す(佐伯
が、ディレッタントとして扱われたのだろう。そ
のため仲違いをし、以後疎遠になった。ビルロー
トは1894年に逝去した。ブラームスは彼の曲に手
雄一訳)
、日本文芸社、1997.
・海老沢
敏;モーツァルトとルソー、音楽の友
社、 2000.
を加えその魂に報いたという。
ブラームスはベートーヴェン後の交響曲作曲家
写真;19世紀末から20世紀初めのウィーン大学前
としても名を残した。彼はビルロートの死後、黄
を走る路面馬車(左)とウィーン大学構内
疸や腹水貯留などの肝障害か胆道狭窄を思わせる
のビルロートの銅像(右)
。
12
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
外 国 人 看 護 師
山形市
武
田
和
夫
小児科医が足りない、お産を引き受けてくれる
望めないだろうと、独身やアパ−ト住まいの若い
病院がない、困った大変だ。それならと文部科学
看護師を 7:
1看護対策に、大都市の病院が勧誘す
省は医学部の学生数を、10大学で年間 100人増や
るかもしれない。家のロ−ンを抱え動けないよう
すことにした。しかし今困っている自治体にとっ
な、給料割高の中年は誘わない。もしそれを大都
ては、腹が減って死にそうだという人に、田圃の
市の自治体も後押ししたら何といわれるか。
作付け面積を増やし、もっとお米が取れるように
看護学校で講義をしても生徒全員が、教科書を
しましょうという提案と同じだ。そこでフィリピ
理解できているとは思えない、日本に生まれ、20
ンからの芸能ビザでの入国を何万人も制限した見
年近く日本語を使っていても医学用語は難しい。
返りなのか、厚生労働省は看護介護の助っ人に、
留学生を何人かホ−ムスティさせた経験から、半
看護師関係の人は千人位どうぞとなったらしい。
年日本語漬けにすれば日常会話は何とかなる。し
相手国に看護師が余っているなら気楽だが、少
かし漢字などに馴染みのない外国人が、3年で日
ない所からお金で引き抜いてくるのなら問題であ
本の看護師の国家試験に通るとは思えない。日本
る。かつて日本で米が不作の時、商社がタイで米
語の読み書きがそんなに楽に覚えられるなら、子
を買い漁り、現地で米の価格が2倍にもなった。
供を小学校に通わせている外国人母親の悩みは無
それで貧しい人達は米を買えなくなり、日本は貧
いだろう。外国の資格が有っても、不自由な言葉
乏人から米を取り上げる、酷い金持ち国だと現地
に習慣の違い、以心伝心は駄目、患者とのトラブ
人から非難された。現在フィリピンでは医学教育
ル、医療事故を心配しながら、看護師にもカウン
はアメリカ並であるが、自国で医師でいるより、
トされないのに、研修に雇ってくれる病院ははた
アメリカで看護師として働いたほうが、給与も待
して有るのだろうか。
遇も良いというので、医師の国外脱出が増え問題
もし私が病院事業管理者なら、地方から看護師
になっている。フィリピンは長くアメリカの支配
を集めても、外国人と雇用契約を結ぶ気にはなれ
下にあり、島ごとに言葉が違うので、英語が共通
ない。准看護師を目指して働きながら医師会の学
語になっている。医学部の教科書もほとんど英語
校で学ぶナ−ス卵に給料を幾らあげているか。研
である。言葉の壁が低ければ、待遇、収入が格段
修中だからと、外国の看護師がその給料で満足す
に良いとなると、医師のプライドよりアメリカで
るか、やはり正規の看護師と比較するだろう。
の看護師の収入を取るのも当然である。
日本の医師数は人口1万人に21人以上だが、
彼女らが言葉の壁に苦労し、国家試験に合格し
なければ、3年でご苦労さまと放り出すのか。我
フィリピンの医師は2万8千人に1人、看護師は
慢し苦労して永住ヴィザを貰うより、研修時間外
1万7千人に1人の希少価値。それが海外へ頭脳
に語学修行の口実で夜のアルバイトに励み、その
流出する。日本経済も東京はデフレ脱却というが、
うち適当な日本人男性を見つけて、永住権を得る
北海道は景気の回復も悪いし、夕張市は倒産自治
ほうが安易だと、彼女らが考えたとしても責める
体となった。財政再建団体では将来十分な昇給も
ことは出来ないだろう。
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
13
新医師臨床研修制度における地域保健(保健所)研修2年目を迎えて
~山形県村山保健所のプログラムから~
山形県村山保健所
Ⅰ はじめに
平成16年度から、臨床研修医制度が大きく変更
され、地域保健・医療が内科・外科・産婦人科・小
児科・精神科・救急医療・麻酔科と共に必修科目と
して定められた。研修の時期と場所については初期
研修2年間の2年目に、保健所・診療所・社会福祉
施設・介護老人保健施設・へき地離島診療所等で最
低1ヶ月経験することと定められている。
村山保健所では、山形大学医学部附属病院及び
山形県立中央病院との協定により毎回2名の研修
医を2週間ずつ、6月から2月まで計22名(昨年度
は20名)を受け入れている。なお、大学病院所属
の研修医が保健所を選択した場合、
血液センター・
結核成人病予防協会等の研修と、県立中央病院は
県内の町立病院での研修と組み合わせて計1ヶ月
となるスケジュールである。
最近、保健所での研修内容について会員の先生
方からお問い合わせをいただくことも多く、受け
入れ2年を過ぎた今、村山保健所での研修内容を
ご紹介してみたいと思う。
Ⅱ
研修のねらいと実施体制
たった2週間という短い時間であるため、いか
に集中的に研修していただくかを常に念頭に置き
指導している。プログラムについては、研修医の
選択科目からおおよその希望専攻科を想定し、そ
れぞれの将来の業務に関連するような内容を
「オーダーメイド」で作成した上、事前に送付して
いる(表1)。指導を担当するのは指導医の他、保
健師や獣医師、薬剤師、臨床検査技師など保健所
に勤務する専門職が、指導協力者として全員体制
でかかわっている。なお、「
オーダーメイド」につ
いてであるが、研修初日にその詳細を説明したう
え、当人が特に希望する事項があれば適宜追加し、
また感染症・食中毒などの緊急事態が発生した際
には、プログラムの入れ替えなどで対応している。
さらに今年度は、研修の大目標を「保健所等地
域医療機関の活動を理解し、臨床現場で連携する
ことができる」と定め、中目標を①危機管理対応
山田
敬子
山口
一郎
ができる(感染症・食中毒の原因究明と拡大防止、
精神疾患患者の緊急対応など)②保健指導ができ
る(感染症・食中毒の発生防止、禁煙指導、栄養
指導など)③対人・対物保健衛生行政を理解する
(監視指導業務、医療と福祉の連携、各種会議での
ネットワークづくりなど)の3点に絞り、研修医
側のみならず職員全員に示した。このことにより、
研修医が1年以上の臨床経験を経ている「医師」
であると改めて認識し、単なる見学や情報提供で
はなく「医師」との情報交換の機会が、保健所職
員にとってもメリットのある業務であると受け止
められるようになったと考えている。
Ⅲ
研修内容の特徴
保健所は「行政機関」であると同時に、医療法
上「医療機関−診療所」という2つの機能を有し
ている。
但し後者に関して、
医療体制が未整備だっ
た時代には業務上大きなウエイトを占めていた歴
史があるが、現在は検診団体や市町村、医療機関
が主体となっており、わずかに結核接触者検診や
エイズ相談、精神科医によるひきこもり相談など、
特殊な事項のみを担当している。
一方、行政機関としての仕事は、対物行政(医
療法・薬事法・公衆浴場法・旅館業法・食品衛生
法・狂犬病予防法など)と対人行政(母子保健法・
老人保健法・精神保健福祉法・健康増進法・感染
症予防法・結核予防法など)に大別されている。
その上で、事前に公衆衛生の向上をはかる予防的
な活動と、事件(感染症や食中毒等)発生後の原
因追求と被害拡大防止の活動に分けられるのが特
徴である。
村山保健所における実際の研修内容であるが、
オリエンテーション時には①保健所の業務概要と
山形県の地理的・医療的な特性②死亡診断書の書
き方とその活用(人口動態統計)③医療事故防止
とその判例④個人情報保護について解説し、必修
項目としては①エイズ相談②結核医療診査会にお
けるプレゼンテーション③ツベルクリン注射の実
施と判定④健康指導の事前研修として、医学関連
14
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
ションで保健所の概要を理解いただく所からのス
新聞記事から医療用語を探し、日常用語に置き換
タートとなる。
えるトレーニング⑤禁煙指導のロールプレイ⑥自
まず始めに、研修2年目の先生方にとって白衣
分の食事を記録し、栄養士と食事バランスガイド
を脱いで、一般の健康な住民(
に関する意見交換を行う⑦山形市の乳幼児健診事
子ども達)
に極力医
業での事故防止ミニレクチャー⑧診療所または病
学用語を使わず向き合っていただくことは、大変
院の立ち入り検査同行⑨食品衛生従事者等への手
なプレッシャーになっているようである。がしか
洗い指導⑩家庭訪問(小児科や精神科希望の研修
し、若さの賜物なのか、多くの先生方は2週間の
医には、未熟児や精神科患者の保健師家庭訪問に
うちに劇的に変身され、中には大変わかりやすい
同行)または往診同行(その他の科を希望されて
言葉で数々の講演をこなした上、嬉々として一般
いる場合には、管内の診療所の先生方からのご協
住民向けの資料を6種類も作成された方もいる。
力を得て、その往診に同行)⑪その他、各担当か
「医師の説明不足」が指摘されて久しい折、誰にで
ら医療機関と保健所との連携(各種届出に関する
も理解しやすい話ができる医師を養成することは、
こと)につき、研修開始直後から数日以内にレク
医師―患者間の溝を埋めることに少しでも貢献で
チャーを行い、いざ感染症や食中毒の事例が発生
きるのではと考える次第である。
した際には、主治医への疫学調査などに同行し、
なお、昨年の受け入れ開始時には、山形市の乳
保健所側の立場でかかわれるような体制とってい
幼児健診で市とは契約していない研修医がどうか
る。これらのカリキュラムにより、前述の危機管
かわってよいか分からず、担当の先生方にご迷惑
理・保健指導・対人対物行政を理解するという3
をおかけしたと聞いている。このことは、研修医
つの研修目標を達成していこうという試みである。 の「医師」としての位置づけが不明確であったた
めと反省し、
「乳幼児の事故防止のミニレクチャー
もう一つの試みは、2週間の間に必ず一般住民
を行う」という業務を設定することにより、改善
向けまたは医療従事者向け(医師以外も含む)の
をはかった。また、保健所の業務のうち行政権で
啓発資料を作成していただくことである。この業
行う行為(患者調査・病院や診療所立ち入りなど)
務により、一般住民の方々へわかりやすい説明が
は、厳密に言うとその際に「職員証」を提示して
できるよう、また、衛生法規や統計データーを活
行うものであるが、研修医は県職員としての扱い
用していただくことを目的としたものだが、内容
ではないので発行できない。従って、先生方のご
は、将来専攻予定の診療科に関係するテーマを中
理解とご協力のもと、研修させていただいている
心に、指導医と共に話し合って決めている。ちな
ので、今後ともよろしくお願いしたい。
みにこれまでのテーマは、
「口腔ケア~食べる喜び
最後に今後の課題であるが、先に記載した通り、
をあなたに~」「緑内障って何?」
「筋力アップの
平成9年の地域保健法施行とともに住民への直接
為に日ごろから運動しよう」
「子供の怪我にどう対
サービスは、保健所から市町村へ移行している。
処しますか」「熱中症からこどもを守ろう」
「児童
特に介護保険制度の導入後、市町村でも高齢者施
虐待防止法に関する研修医マニュアル」
「医者の不
策は地域の社会福祉協議会に委託しているのが大
養生にならないために~医師の胸部検診受診義務
勢であり、肝心の高齢者に向き合う機会を研修の
と結核感染~」「禁煙指導入門」
「山形県における
場で設定することが困難となっている。この点を
結核発症後の対応について」等々、大変ユニーク
な内容であり、早速、保健所や市町村の業務の他、 改善すべく、診療所の先生方のご協力のもと在宅
医療の実際を体験させていただいているが、医療
病院立ち入りの際にお渡しする参考資料として活
と福祉の連携は最優先の課題であるので、関係機
用させていただいている(
図1)
。
関にご協力を仰ぎつつ研修の機会を増やしていき
たいと考えている。
Ⅲ 研修の実際と課題
保健所における研修内容については、全国保健
Ⅳ おわりに
所長会で作成した「地域保健・医療」保健所研修
2週間という限られた時間の中、保健所での研
ノートがあり(
厚さ1㎝)
、村山保健所の業務案内
修が将来何らかの形で生かしていただけるよう、
パンフレットと研修プログラムとともに、事前に
今後も最大限の努力を続けて参りたい。また、地
目を通していただくよう配布している。ただし、
域保健・医療についての理解が深まることで、山
多忙な研修医の先生方でこれを履行されてきた
形県の医師確保に寄与することを期待している。
ケースは皆無である。従って、
初日のオリエンテー
(図1)
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
15
16
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
医師不足は日本だけでない−先進国の医師情勢−
上山市
渡
辺
好
博
最近のドイツの友人からの手紙によると、ドイ
足してくるのは必定である。その底には共通の原
ツ全医師のストライキが何週間も続き、ドイツの
因がある。早く対策を講じないと、英国やドイツ
医師がどんどん外国へ流出しているという。原因
のような更なる深刻な状況が現れてくるだろう。
は経済的理由だという。医師に課せられる医療保
第二次世界大戦以後、着々と積み重ねられてき
険費も高額で、仕事に見合うだけの収入が得られ
た世界一の保険医療制度が、いままさに崩れかね
なくなってきたためという。以前、日本医師会報
ない状況にあることを、もっともっと声高に訴え
に、英国の医師が待遇不満のためどんどん海外に
ていく必要があるように思われてならない。
移住しているという記事が載っていた。これと同
じような現象がドイツでも起こってきているので
ある。
アメリカのある州では、医師不足解消のため、
書き終わったのちに、医事新報で「ドイツ医師
のストライキ」という独協大学の寺野彰理事長の
文章が目に留まった。それによると、本年1−3
医師の給料の一部を州で負担して、医師を自分の
月に25の大学病院と14の州立病院で8週間にわ
州から出て行かないようにしているということで
たるストで、医師の低賃金と時間外診療の無報酬、
ある。
多すぎる事務処理などが改善要求項目だったとい
日本でも、医療事故賠償保険料が次第に高く
う。日本の大病院と状況は似たり寄ったりで、早
なってきて、その対応が種々とり沙汰されている。
晩大きなうねりがやってくるような予感がする。
現在は、小児科医と産科医の不足のみが大問題に
政府や与党はこのまま手をこまねいているのだろ
なっているが、次は大病院の勤務医や手術医が不
うか。
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
17
同 じ 運 命
鶴岡市
小野寺
俊
直
東京上野の国立博物館前の大きなユリノキが見
水道を完備したら枯れ出したようなので、診療所
事に花を咲かせ、それがこの上なく美しく神秘的
の古い下水管や周囲の水路から漏れ出た水が雨水
だったので、自分の診療所を開設した時に記念樹
以上にこの樹の命を支えていたらしい。
として庭の片隅にユリノキを植えた。花を下から
初夏、此れまでより数倍も多くの花が咲いて、
仰ぎ見るだけでは満足できず、
チューリップ・トゥ
地面にべとべとと蜜を滴らせて蟻が群がっていた
リーとも言われる所以の花の内側を覗き込み、匂
が、花が散ったと思う間もなく、早くも季節外れ
いも嗅いで見たい、つぶさに眺めてみたいと思っ
の紅葉が始まり、異常天候の所為か?などと思っ
た所為もある。
ていたら、上から枝が枯れ始めたので初めて事の
父は、巨木になって周囲に迷惑をかけるように
重大さに気付いた。うかつにも数多くの花が咲い
なるからと、植えることに反対したが、上野で見
た、とだけ喜んでいたが、それは哀れ、自然の摂
た美しい情景を私に吹き込まれた母が「私も見た
理と言うのか、自分の命が危うくなったので子孫
い」と言ってとりなしてくれた。
を残そうと精一杯頑張ったユリノキの姿だった。
高さ2メートル、直径3センチほどの若木は、
葉が落ちた枝には、大きさや形がオクラにそっく
植えてから思いのほか早く6年ほどで花を咲かせ、
りの実が累々という感じで残ったが、緑色のもの
初めて咲いた時、私は真っ先に母に枝付きの花を
は少なく殆どは既に茶色で、未熟のままに枯れて
持って行って見せたのだが、母はあまり喜ばな
しまったか、完熟した末なのかどうかは判らない。
かった。不審に思っていたら、それから何年も経
正直のところ、実はいつも生い茂った葉に隠れて
たずに母の命が絶えた。右の肺癌の手術をうけた
いたので、これまでその姿形を見たことが無かっ
後、10年ほど経ってから反対側の左へ再発し、母
たのである。厳しい冬を越してみると、春には何
は「何もしなくていいよ」と言い、終わり近くなっ
処へ飛び去ったか、その茶色の実は枝先にも地面
てからはモルヒネだけを使用していた。思うに、
にさえ残ってはいなかった。樹は秋から冬にかけ
ユリノキが成長し、花を咲かせるようになるまで
少しずつ枯れ進み、このまま一気に全部枯れるか
の年月を自分の命と重ねあわせ、花が咲くまでに
も知れないと思っていたら、翌春、根元の方から
時間が経てば経つ程それだけ長生き出来、見たら
多くの若い枝が伸び出てきた。だが、上半分には
終わり、と思っていたに違いない。
枯れ枝が無愛想に突き出ているし、太い幹も樹皮
ユリノキは花弁の外側が薄緑色をしているので、
は枯れてひび割れ、木質部が白く剥き出ている。
注意して見ていないと茂った葉に紛れて開花した
生き残った下半分といえば、直径30センチもの
かどうかの確認が難しく、
「咲いているよ」と患者
太さがあり、それを根元から出た細い枝が籔のよ
さんが教えてくれたり、職員と見つけるのを競っ
うに取り囲んでいるので、ひどく異様で、あたか
たりしながら毎年、薄緑色と内側の黄色の織り成
も何かを訴え、叫んでいるような感じがする。枯
す美しい花の色を楽しみ、母を思い出していたの
れた枝や幹を切り落とす筈だったが、私が急性胆
だが、数年前、突然枯れ始めた。どうも行政が下
のう炎・胆石症の手術で入院するはめになり、そ
18
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
のままにしてしまった。遅ればせに切り落とした
を始めたら、これも、楽しみの一つになった。そ
としてもこの異様さには変わりがないが、こんな
んな生活の中、運命共同体とも言うべきこの樹を
姿でも生き残ってくれたのが私にはとても嬉しく、
眺めていたら、私がこのユリノキと共に今までこ
私に助けを求めているような姿を見るのは辛いの
の場所で生きた、という証になる記念品を残そう
だが、出来れば、このままずっと生き残っていて
と思った。異様とはいえ、むしろ、それだからこ
欲しいと切に思っている。
そ樹に寄り添って写真を撮るのも良いが、半永久
入院中、偶然、前立腺にも異常が見つかり、何
的に残るものを、と考えると、枯れた枝や幹を焼
日か眠れぬ夜を過ごした。だがそれは、死への恐
いて灰にし、その灰から灰釉を作って釉とした自
怖の為ではなく、痛みに苛まれたり、QOLが低
作の陶器を作れば私とユリノキは何時までも残る
下した様を想像するやら、死後、残された家族や
ことになる。だが、生灰を丹念に水処理し、アル
職員、診療所の行く末、なかんずく子供たちが遠
カリ分を除いた本格的な灰釉を作るとなれば、こ
方に住んでいるので独りぼっちになってしまう家
の木を燃やした程度の生灰は水であらかた溶け
内のことなどをあれこれ考えた為だった。考えた
去ってしまい、無機物としての灰釉は殆ど手元に
末に出した結論は、
「考えても仕方が無い。自分が
残らないだろうから、本格的な灰釉を作るのは諦
いなくなったら後の事は残った者に任せるしかな
めなければならないが、出来上がりの色さえ問題
い。モルヒネの味を少し味わってみたい気もする
にしなければ、ユリノキの生灰も(ユリノキは桐
が、QOLの低下を自覚したら、出来れば自分の
と同じように燃えにくいと知ったが)
、
他の動植物
命の始末は自分でつけよう」というものである。
から得られるどんな生灰も釉にはなる筈だ。
大学に入ったばかりの頃、聖書を読んだことも
これまで迷惑を顧みず、不細工な陶器を作って
あったが、程なく60年安保を経験した私は、信仰
は誰かれと無く押し付けてきたが、これは私だけ
心とは無縁の人生を送ってしまった。自決も辞さ
の事ではなく、誰かが陶芸を始めると、周囲の人
ぬと決めてみると、そんな自由が許され、信仰と
は等しく警戒し、覚悟しなければならないことの
は無縁の人間として生きてきた事をむしろ喜ばね
ようでもある。とは言え、今にして思えば、私は
ば成るまい。
それがとても恥ずかしく、全てお返し願いたい気
私の主治医は2年程前「2年先か20年先のこと
持ちでいる。しかし、これから作ろうと考えてい
ですから」とおっしゃって下さったのだが、その
るのは、いわばユリノキと私のお墓のようなもの
時が来るまで、この樹のように最善を尽くす事は
で人様に差し上げるものではない。要は作ること
しても、病と力の限り戦うなどということはしな
に意義があるというもの、自分の銘を入れ、せめ
いで、戦っても必ず敗れる事なのだから、無理な
て割れ難い形を考えよう。土は手持ちの備前や信
く自分の思うままに生きようと思う。出来るだけ
楽に樹の根元の土をほんの少し記念として練り混
連休日には家内と一緒の旅行をし、少量?の酒も
ぜ、釉の色調が少しでも美しくなるように、土と
楽しみ、ゴルフもボギー・ペースならなんとかな
温度との組み合わせを色々試してみる事にしよう。
る。つい最近のことだが、喜多流の謡いのお稽古
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
19
眼窩吹き抜骨折の臨床的検討
山形大学医学部
太田
情報構造統御学講座
耳鼻咽喉頭頚部外科学分野
伸男、小瀬川優子、稲村
≪はじめに≫
博雄、小池
修治、青柳
優
年層で全体の半数以上の56.
6%を占めていた。
眼窩壁骨折では、外傷により眼窩底・内壁が骨
折した結果、骨折部位から眼窩内容物が鼻腔内に
脱出し諸症状を呈する疾患である。診断は、眼部
打撲の既往や、受傷後の眼球運動障害などの特徴
赤緑
的な症状に加え、X線検査、CT検査、He
s
s
試験などにより比較的容易である。しかし
、保存的治療で症状が自然寛解する症例がある一
2.主訴
方、手術が施行されても症状が改善されない場合
複視が全症例の83.
と最も多く、眼瞼
3% (
25例)
があるため、手術の適応、時期や方法などに関し
、結膜下出血16.
5例)
、眼痛
腫脹36.
6%(
11例)
6%(
ては、まだ十分確定されてない。今回われわれは、
、鼻出血10%(
3例)
、嘔気・
嘔吐6.
2
16.
6%(
5例)
6%(
1986年から2005年までの20年間に当科にて加療
された眼窩壁骨折30例について臨床的に検討す
例)
、視力低下6.
も認められた。
6%(
2例)
3.発生部位・罹患側・形態
るとともに、治療経過から考察される手術期と手
、眼窩
発生部位は、眼窩下壁のみが12例(
40% )
術適応についても検討したため、その結果につい
、下壁・内側壁の両方
内側壁のみが10例(
33.
3% )
て若干の文献的考察を加えて報告する。
が8例(
であった。罹患側は左右差が見ら
26.
6% )
れ、左:
右が3:
1という結果になり、全症例で片
≪対象≫
側性であった。ここで、発症部位と複視の出現方
1986年6月から2005年5月までに当科におい
て眼窩壁骨折と診断され、治療を行った30症例
を対象とした。この30症例に対して、年齢、罹
向について表1にまとめた。
患側、発生部位・形態、主訴、受傷原因、画像所
見(
、治療時期や方法、予後について検
CT・MRI
)
討を行った。
≪結果≫
1.性差・好発年齢
性別は、男性22例、女性8例とその比は、約3:
1
であった。年齢分布を図1に示す。10代20代の若
表1
発症部位と複視の出現方向
上
下
上下
内
下 壁 3
3
3
内 壁 1
1
下・内 2
1
1
外
3
全方向
2
3
2
20
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
4.受傷原因
図2に受傷原因の割合を示す。多い順にスポー
したためであった。
一方、手術適応となったのは21例でその術式
、対人27% (
、転倒20%(
、
ツ46% (
14例)
14例)
8例)
は経上顎洞法が13例、鼻内法が7例である。手
交通事故7% (
2例)
である。特に10代20代に限っ
術までの期間は、平均で18.
09日と二週間以上を示
ては、70%以上でスポーツ中に受傷していた。
すが、この例の中には他医院からの紹介によるも
のも何例か含まれるため、受傷後当院初診した例
5.画像診断
骨折形態は線状型、破砕型、打ち抜き型に分類
特
にされる。CT所見上、骨折による眼窩内組織(
のみでの手術までの期間の平均は、これより短縮
される。
表2
手術までの期間
に脂肪組織)
の篩骨洞や上顎洞への陥入が認めら
れたのは16例であった。4例では外眼筋を含む眼
〜一週 〜二週 〜三週 〜四週 〜五週 100日以上
症例数
4
7
7
1
1
1
窩内組織の副鼻腔への陥入が確認された。
6.He
赤緑試験のs
s
s
cor
e
8.予後(複視の回復)
複視の回復を治療成果の指標とした。そこで複
保存的治療法と手術療法の回復までの日数を図
視の程度を分かりやすくする為、He
試験をスコ
s
s
4に示した。保存的治療となった9例の中で複視
ア化したものを用いた。He
試験を受傷後から完
s
s
を認めた6例中、全例で自然軽快は見られた。そ
治に至るまで行っていた7例を、手術までの期間
の後完全に消失したのは半分の三例だけであるが、
が14日以内の早期群と、15日以上の非早期群と
残りの三例も生活に支障がないほどにまで改善が
に分けて、図3に示した。
みられた。手術療法では術後複視が完治しなかっ
たのは19例中5例であった。また、手術療法にお
いて、手術までの期間と複視消失までの期間を図
5に示した。
手術までの期間、用法、手術の有無)
7.治療(
30症例中、保存的治療となったのは9例で、そ
の中で複視を認めたのは6例であった。保存的治
療が選択された理由であるが、CTによる骨折の
程度が軽度であったことおよび複視が早期に軽快
山形県医師会会報
≪考察≫
平成18年10月
第662号
21
改善するも、最終的に完全治癒に至らないものが
まず、発症と性別・年齢との関係は一般に若年
6例中半数の3例であった。それに対し、手術治
男性に多いと言われているが、今検討でも同様の
療では21例中完治しなかったのは5例であり、単
結果がえられた。男女差は男性が女性の2.
75倍を
純に複視の完全完治率で比較すると予後としては
示した。図1の年齢分布からは、その山の大きさ
手術治療の方が良い。さらに手術適応となった21
は異なるが、若年層に加えて高齢者層にも発症し
例の中で予後を比較すると、早期手術群と非早期
ているのがわかる。受傷原因は約半分がスポーツ
手術群では、図5より、より早期に手術を行った
であり、若年者に限っては70%以上を占めている。
方が、より早く機能障害が改善し、He
試験のス
s
s
活発に運動し、また力の強い男性に好発するのは
コアも早く正常化することがわかった。ただ中に
当然の傾向と考えられ、一方で50歳以上に関して
は受傷後1日で手術を行ったが回復まで半年以上
はその原因の半分以上が転倒であることから、筋
かかった症例もあった。これは、骨折部位の固定
力低下・注意力の低下により高齢者で転倒が増加
をはずした後に骨が再び変形し、48日後に再手術
する事に伴った結果と考えられる。
された症例であった。つまり、結果として再手術
眼窩壁骨折の主訴は、複視、視力障害、眼瞼腫
脹、鼻出血、眼球陥凹など眼球の運動障害と顔面
をした時期は非早期手術群に含まれ、回復までに
時間がかかったと考えられる。
外傷・打撲に伴った症状があり、今検討において
も複視が83.
3%と高頻度に出現した。これは眼窩
≪まとめ≫
壁骨折により眼窩内組織が上顎洞や篩骨洞に陥入
当科において眼窩壁骨折と診断された30症例
した結果、外眼筋が変形し正常な運動が制限され
を対象とし、臨床的検討を行った。自然軽快を示
るために生じる。
すこの疾患ではその手術適応を決定するのが難し
罹患側は左が右の2.
75倍で左が多かったが、左
い所であるが、今回の結果をふまえると、眼窩壁
右による症状の違いや回復に大差は見られなかっ
骨折は、骨折が軽度な場合やその複視等の症状が
た。また発症部位の頻度にはそれほど差は見られ
受傷後すぐに軽減した場合を除き、受傷後早期に
ない。発症部位と複視の出現方向を比較すると、
手術した場合に最も予後が良いと考えられた。ま
下壁の骨折では下直筋が障害受けるため上下の複
た、複視の直接的な原因となる外眼筋の変形は時
視が、内側壁の骨折では内側直筋の障害により上
に繊維化などの不可逆的な変化を生じるため、そ
下+外側への複視が出現する。
の前に治療しなければならない。よって診断にお
手術用法については、経上顎法での複視完全消
失は84.
6%であるのに対し、鼻内法における複視
いて画像所見、複視等の症状の程度がこの疾患の
治療、予後に欠かせない情報源である。
の完全消失は57.
2%であるため経上顎法の方が予
後が良い結果となった。
≪参考文献≫
あるものは全例に早期手術適応すべきであるとい
Bl
owoutf
r
act
ur
eの骨折部位別検討 耳鼻36:
241246
うもの、②ある程度の観察期間をおいて複視の自
複視に対する予後の面からみた眼窩吹き抜け骨
手術適応・時期に関しては、以前より①複視の
然経過の有無を見極めてから手術を行うべきとい
折の手術療法の検討
耳喉57:2128
うもの、③保存的治療を原則として手術適応は全
眼窩吹き抜け骨折の治療成績と複視の回復経過
く不要とするものなど様々な見解がある。今回の
耳鼻臨床85:401409
報告においては、保存的治療でもある程度複視は
22
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
代 代 医
山形県医師会理事
藤
山
忠
信
川柳に「うりいえ(売家)と唐様で書く三代目」というのがある。初代が苦労して築いた家
屋敷や財産も三代目の若旦那の浪費で売家広告を、おんな文字で貼り紙する羽目になる。しっ
かり働かないと破産するぞの戒めではある。
先の衆議院選挙で、自民党をぶっこわすと云い、小泉チルドレン即ち二代目議員を83人誕生
させた。医療界はかなり壊されたところもあるが、自民党はまだ健在である。その二代目議員
は次回選挙で2−3人しか残れないとか、83人だからご破産会だと口の悪い評論家が言ってい
た。戦後歴代内閣で小泉総理は89代目だが、90代目総理には日本国を売家にだけは、出さない
で貰いたい。
徳川265年、15代続いたのは別格として61年で90代の総理とは、なんとも忙しい。山形県知
事は明治9年の三島通庸を除き昭和22年村山知事以来、現斉藤弘知事で5代目である。県医師
会長は昭和22年以来有海会長で9代目となる。
いま医療を取り巻く〝荒海〟を二期目として航海中だがよろしく操舵ねがいます。
平成15年9月酒類販売自由化により、人口基準や距離規制が撤廃され、三代目ぐらいの中小
零細酒店はコンビニ店などに転向した。酒の秤り売り時代から営々と受け継いできた子孫は、
転職せざるを得なくなり、街には仕事帰りの職人が立ち寄る酒屋はなくなった。時代の流れは、
個人の努力だけではどうしようもないことがある。戦後農家は耕運機の代金として出稼ぎをし
て、先祖代々の土地を守った。が、今あとを継ぐ二代目は三代目は稀れのようだ。農家で生計
を立てるのは生易しいことではない。政治家は改革の大旗を振って弱いもの、老いたものを切
り捨てようとしている。三代目の代議士せんせいもそう珍しいものではない。一説によると地
盤、看板、鞄が大切だと。開業医にとっても共通するところがある、地盤は地域医療というこ
とだが、診療場と医師の住所が別の地区にあり、受診患者の緊急時はどうにもならなく救急病
院のお世話になる。電話連絡でも患者さんは安心するのだが。かかりつけの家庭医とは、本来
はその地域で生活する医師で、患家の家族暦をあたまに入っていることだと思う。医者の看板
は、最近いろいろ解禁とやらで、やたらと目につくようになったが、目印か道案内程度でいい。三
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
23
番目のカバンは、そうそう金銭に余裕のある医師はいないと思うけど、政治家ほど大金は必要
ではない。
医師の跡継ぎ=二代目三代目は、開業、非開業医に限らず同じ道をのぞむ子が多いし、親も
その気であるが、最近奈良県内の高校生による一家三人放火殺人事件があった。親子にとって、
お互いに重圧となり、たいへん悲しい事件である。
医療雑誌に何代にも亘り開業してる医院の記事を見かけることがある。りっぱな庭園や家屋
敷があり堂々として威厳があり、なにか「医の極意」がありそうだ。所謂“老舗の大店”には
秘伝の○○というのがある。が俄か元祖の急展開した全国チェーン店も秘密の味とかこだわり
の何々とか、まことしやかに広告(テレビなどで)を出し、素人食通を誑かしている。
嘗て開業医も早朝順番取りの行列のでる医院があった。それなりの医療技術が優れていたか
らで、誰でもできたわけではない。幸いにして二代目、三代目の先生も同様であれば老舗の医
院と云うことになるのだが。
17年12月現在で日本医師会員数162,
000人、その中でA1会員=開業院長、84,
000人が後継
者を育ててるかも。子孫に美田を買わずの諺(西郷隆盛曰くと)があるように、先代医は末裔
に何を残してくれたかが問題である。一等市街地なら立ち木一本にまで税金が待っているし、
現在の診療単価で‘物’を残すのは到底ムリな話である。残して貰うなら「医の人徳」がいい。
医療の進歩は3年一昔、10年も開業すればどこか歯車がサビついてくる。二代目の医者も日々
の努力とべんきょう(生涯教育)が課せられている。
開業医はみんな初代医で二代目、三代目はないのである。患者さんからみれば、同じ診療録
を受け継いでくれる訳だから、本来の「かかりつけ医」であり、気軽に相談、受診できる事が、代々
開業医の良さである。
24
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
県医師会だより
第
出席者
会
長
副 会 長
常任理事
事 務 局
5
回
常
任
理
事
日
時、平成18年9月13日(水) 午後3時30分~
会
場、山形県医師会館役員室
有海 躬行
松下鈆三郎、栗谷 義樹
佐藤 泰司、三原 一郎、武田 憲夫
板坂 勝良、鈴木 明朗、中條 明夫
伊藤事務局長ほか事務局員
〔Ⅰ〕報告事項
1.本会と県知事との懇談会について
8月23日(水) ホテルメトロポリタン山形
有海会長ほか役員出席
有海会長より、勤務医の過重労働問題、療養病
床の削減問題など今日的な課題について話し合い
が行われた旨報告。
2.第50回社会保険指導者講習会について
8月23日(水)・24日(木) 日本医師会館
板坂常任理事、森野一真先生、
石原 良先生出席
板坂常任理事より、
「実践 救急医療」のテーマ
で開催された旨報告。
なお、後日例年どおり伝達講習会を開催するこ
ととした。
3.社会保険医療担当者の集団的個別指導について
8月29日(火) 響ホール
立会 栗谷副会長
9月12日(火) 県勤労者福祉センター
立会 板坂常任理事
立会い役員よりそれぞれ報告。
会
4.都道府県医師会健診・保健指導担当理事連絡
協議会について
8月31日(木) 日本医師会館
板坂・
鈴木常任理事、原田理事出席
鈴木常任理事より、平成20年度より医療保険者
に義務付けられる「標準的な健診・保健指導プロ
グラム(暫定版)
」の内容など、日医では協力する
こと、かかりつけ医の役割は大きいとの説明が
あった旨報告。
5.本会経理部担当理事会について
9月1日(金) 県医師会館
須藤・松下副会長、佐藤・中條常任理
事、山科理事出席
松下副会長より、収入・
支出の各項目について詳
しく検討したが結局は大幅に変えないで、B3、
B4敢会員の会費を年額5万円から4万5千円に
引き下げると会費収入が200万円くらい減収とな
るが、これを叩き台に会費検討委員会で検討して
もらうこととしたい旨報告があり、了承。
なお、県関係の委託料、補助金等について要望
することとした。
6.本会地域保健医療委員会について
9月6日(水) 県医師会館
有海会長ほか役員出席
中條常任理事より報告。
(詳細については、本誌
別掲)
7.第22回全国医師会共同利用施設総会について
9月9日(土)・10日(日) 長崎ブリックホールほか
有海会長、須藤副会長、板坂・
鈴木常任
理事出席
山形県医師会会報
有海会長より、
「医師会共同利用施設の新たなる
展開へ向けて」のメインテーマで開催され、第1
分科会(医師会病院関係)
、第2分科会(検査・健
診センター関係)が行われた旨報告。
8.会議・行事等について
敢 第1回日医定款・
諸規程検討委員会
8月24日(木) 日本医師会館
須藤副会長出席
有海会長より報告。
柑 山形県衛生団体連合会理事会並びに総会
8月25日(金) ホテルメトロポリタン山形
有海会長出席報告。
桓 山形医学交流会館竣工記念式典
8月30日(水) 同会館大ホール
有海会長出席報告。
棺 山形県産業保健協議会
8月30日(水) 県医師会館
有海会長ほか役員出席
平成18年10月
第662号
25
澗 山形県医師信用組合常務会
9月13日(水) 県医師会館
有海会長出席報告。
9.医師連盟関係について
敢 ’
06年だだちゃ豆の会
8月24日(木) 東京全日空ホテル
須藤副委員長出席報告。
柑 谷垣禎一財務大臣と職域支部代表者並びに
自民党友好団体との懇談会
8月28日(月) ホテルメトロポリタン山形
有海委員長出席報告。
〔Ⅱ〕通知事項
1.平成18年「老人の日・老人週間」の実施につ
いて
9月15日(金) ~21日(木)
有海会長より、日本医師会長から、平成18年
「老人の日・老人週間」の実施について通知がある
旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知する
ことと決定。
松下副会長より報告。
款 第15回地域がん登録全国協議会総会研究会
9月1日(金) 県庁
有海会長出席報告。
歓 山形県立病院事業分析評価調査業務報告
9月4日(月) 県医師会館
有海会長出席報告。
汗 第1回WMAアジア―大洋州地域会議
椿山荘
9月10日(日) 東京・
有海会長出席報告。
漢 川崎二郎厚生労働大臣との懇談会
9月11日(月) ホテルメトロポリタン山形
有海委員長、松下会計責任者出席
松下副会長より報告。
2.動物捕獲等を目的としたケタミンの使用者に
係る取扱いについて
有海会長より、県健康福祉部長から、麻薬施用者
及び麻薬研究者による動物捕獲等を目的としたケ
タミンの取扱いについて通知がある旨説明があり、
各郡市地区医師会長あて通知することと決定。(本
会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
3.石綿の全面禁止等に係る労働安全衛生法施行
令等の改正について
有海会長より、山形労働局長から、労働安全衛
生法施行令等が改正され、
平成18年9月1日以降、
石綿を含有するすべての物の製造、輸入、譲渡、
提供又は使用が全面禁止されるとの通知がある旨
説明があり、各郡市地区医師会長あて通知するこ
とと決定。
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山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
4.障害者自立支援法に基づく障害程度区分認定
のための医師意見書の記入方法及び医師意見書
記載事例について
佐藤常任理事より、日本医師会常任理事から、
障害者自立支援法に基づく障害程度区分認定のた
めの医師意見書の記入方法及び医師意見書記載事
例について通知がある旨説明があり、各郡市地区
医師会長あて通知することと決定。
(本会会員用
ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
5.医療機関に対するHIV-2感染症例の周知
について
佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理
対策室長から、医療機関に対するHIV-2感染
症例の周知依頼がある旨説明があり、各郡市地区
医師会長あて通知することと決定。
(本会会員用
ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
6.都道府県医師会糖尿病対策役員名簿等、及び
糖尿病対策推進事業の状況について
鈴木常任理事より、日本医師会常任理事から、
都道府県医師会糖尿病対策役員名簿等、及び糖尿
病対策推進事業の状況について通知がある旨、ま
た本県の糖尿病対策推進会議を設置すべく人選中
である旨説明があり、了承。
7.健康づくりのための運動基準2006及び運動指
針2006の送付について
中條常任理事より、日本医師会長から、健康づ
くりのための運動基準2006及び運動指針2006が
送付されている旨説明があり、各郡市地区医師会
長あて通知することと決定。
8.AEDの使用方法を含む、救急蘇生法の指針
(市民用)のとりまとめについて
中條常任理事より、県健康福祉部長から、一般市
民を対象とするAEDの使用方法を含む救急蘇生法
の指針がとりまとめられたとの通知がある旨説明が
あり、各郡市地区医師会長あて通知することと決定。
(本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
〔Ⅲ〕協議事項
1.第1回「日医総研地域セミナー」の開催につ
いて
10月21日(土) 日本医師会館
有海会長より、日本医師会長から、第1回「日
医総研地域セミナー」の開催案内がある旨説明。
2.山形県理学療法士会中間法人設立記念式典並
びに祝賀会のご案内について
9月23日(土) ホテルキャッスル
有海会長より、県理学療法士会長から、中間法
人設立記念式典並びに祝賀会への出席案内がある
旨説明があり、有海会長出席と決定。
3.高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する
支援等について
有海会長より、県健康福祉部長から、高齢者虐
待の防止、高齢者の養護者に対する支援等への協
力依頼がある旨説明があり、各郡市地区医師会長
あて通知することと決定。
(本会会員用ホームペー
ジ「医師会ニュース」に掲載)
4.東北ブロック選出日医代議員打合せ会開催に
ついて
10月6日(金) 東京 ホテルグランドパレス
有海会長より、東北医師会連合会長から、東北
ブロック選出日医代議員打合せ会への出席案内が
ある旨説明があり、有海会長、日医代議員出席と
決定。
5.東北各県医師会長会議の開催について
9月30日(土) 仙台ホテル
有海会長より、東北医師会連合会会長から、東
北各県医師会長会議への出席案内がある旨説明が
あり、有海会長出席と決定。
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
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6.第115回日本医師会臨時代議員会における代
表並びに個人質問について
10月7日(土) 日本医師会館
有海会長より、県社会福祉協議会会長から、
「第
56回山形県・県民福祉大会」の開催案内がある旨
説明があり、欠席と決定。
有海会長より、東北医師会連合会会長から、第
12.日本医師会認定産業医制度研修会指定申請届
115回日本医師会臨時代議員会における代表並び
に個人質問について通知がある旨説明があり、質
問事項があれば事務局まで連絡していただくこと
とした。
7.平成18年度文部科学大臣感謝状伝達式並びに
第31回山形大学医学部慰霊祭の挙行について
9月29日(金) 山形大学医学部
有海会長より、山形大学医学部長から、平成18
年度文部科学大臣感謝状伝達式並びに第31回山
形大学医学部慰霊祭への出席案内がある旨説明が
あり、松下副会長出席と決定。
8.
「平成18年度山形県暴力追放県民大会」開催
のご案内
10月11日(水) 山形国際交流プラザ
について
平成19年3月1日(木) 米沢市医師会館
有海会長より、米沢市医師会長から、日本医師
会認定産業医制度研修会の指定申請依頼がある旨
説明があり、日本医師会へ申請することと決定。
13.労災保険情報センターが行う「医療機関にお
ける過重労働・メンタルヘルス対策に係るヒヤ
リング調査」について
有海会長より、日本医師会常任理事から、労災
保険情報センターが行う「医療機関における過重
労働・メンタルヘルス対策に係るヒヤリング調査」
への協力依頼があるが、本県には該当医療機関が
ない旨説明。
14.日医生涯教育協力講座セミナー「精神・心身
有海会長より、県暴力追放運動推進センター会
長から、「平成18年度山形県暴力追放県民大会」
への出席案内がある旨説明があり、欠席と決定。
9.山形県温泉療法研究会平成18年度総会並びに
研修会開催について
9月14日(木) 天童温泉 花月楼
医学的疾患講座」実施について
武田常任理事より、日本医師会長から、日医生
涯教育協力講座セミナー「精神・心身医学的疾患
講座」の実施依頼がある旨説明があり、実施する
こととし、詳細については武田常任理事に一任と
決定。
有海会長より、県温泉療法研究会会長から、平
成18年度総会並びに研修会の開催案内がある旨
説明があり、欠席し、祝電を打電することと決定。
15.第3回山形県臨床工学セミナー人工呼吸器セ
10.山形県対脳卒中治療研究会顧問ご就任の依頼
武田常任理事より、県臨床工学技士会会長から、
第3回山形県臨床工学セミナー人工呼吸器セミ
ナーへの後援依頼がある旨説明があり、後援了承。
について
ミナーの開催について
12月3日(日) 山形国際交流プラザ
有海会長より、県対脳卒中治療研究会会長から、
私に対して顧問の就任依頼がある旨説明があり、
受諾することと決定。
16.平成18年度東北医学会賛助会費の納入について
11.「第56回山形県・県民福祉大会」の開催につ
松下副会長より、東北医学会会長から、平成18
年度賛助会費の納入依頼がある旨説明があり、支
出了承。
いて
10月25日(水) 長井市民文化会館
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山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
17.仙台市医師会ドクタークラブとの親善野球大
会について
10月1日(日) 米沢市八幡原球場
松下副会長より、米沢市医師会長から、仙台市
医師会ドクタークラブとの親善野球大会への出席
案内がある旨説明があり、欠席し、お祝い支出了
承。
18.平成18年度山形県学校保健研究大会の協賛に
22.前立腺がん検診に関するアンケート調査のお
願いについて
鈴木常任理事より、前立腺研究財団事務局から、
前立腺がん検診に関するアンケート調査依頼があ
る旨説明。
23.各種検診委員会委員の辞退・委嘱について
敢 鶴岡地区医師会
辞退 佐久間正昭
乳がん検診委員
ついて
11月15日(水) 飯豊町民総合センター
佐藤常任理事より、県学校保健連合会長から、
平成18年度山形県学校保健研究大会への広告協
賛依頼がある旨説明があり、協賛了承。
19.「母体保護法に係る諸問題」に対するご意見
柑 米沢市医師会
辞退 遠藤健次 呼吸器検診委員、
消化器検診委員(胃がん部会)
桓 山形市医師会
委嘱 佐藤信一郎
消化器検診委員
(胃がん部会)
について
佐藤常任理事より、宮城県医師会常任理事から、
「母体保護法に係る諸問題」に対する意見の聴取依
頼がある旨説明があり、婦人科部会に一任するこ
とと決定。
鈴木常任理事より、鶴岡地区医師会長、米
沢市医師会長、山形市医師会長から、各種検
診委員会委員の解職並びに委嘱依頼がある旨
説明があり、それぞれ了承。
24.書籍「健康食品のすべて―ナチュラル メディ
20.平成18年度山形県小児保健会総会並びに第41
回山形県小児保健会研修会の開催について
10月14日(土) 山形市保健センター
佐藤常任理事より、県小児保健会会長から、平
成18年度総会並びに第41回研修会の開催案内が
ある旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知
することと決定。
シン・データベース」について
中條常任理事より、日本医師会常任理事から、
書籍「健康食品のすべて―ナチュラル メディシ
ン・データベース」の刊行について通知がある旨
説明。
25.「禁煙のための基礎知識」〔改訂版〕(日本臨
床内科医会推薦)ご斡旋のお願いについて
21.平成18年度山形県生活習慣病等検診従事者指
導講習事業に係る委託契約について
鈴木常任理事より、県知事から、平成18年度山
形県生活習慣病等検診従事者指導講習事業に係る
委託契約依頼がある旨説明があり、委託契約する
ことと決定。
中條常任理事より、神奈川県内科医学会会長か
ら、
「禁煙のための基礎知識」の斡旋依頼がある旨
説明があり、各郡市地区医師会長あて通知するこ
とと決定。
山形県医師会会報
26.日本医師会初級パソコンセミナーへのご協力
追
加
平成18年10月
要
第662号
29
項
のお願い
〔Ⅰ〕通知事項
三原常任理事より、日本医師会長から、初級パ
ソコンセミナーへの協力依頼がある旨説明があり、
本県でのセミナー開催を希望することと決定。
27.「生命をみつめる」フォトコンテストの作品
募集について
三原常任理事より、日本医師会常任理事から、
「生命をみつめる」フォトコンテストの作品募集に
係る周知依頼がある旨説明。
(詳細については、本
誌前月号に掲載済)
(本会会員用ホームページ「医
師会ニュース」に掲載)
28.毎月勤労統計調査(第二種事業所)に対する
調査協力依頼について
三原常任理事より、日本医師会長から、毎月勤
労統計調査(第二種事業所)に対する調査への協
力依頼がある旨説明があり、協力了承。
29.毎月勤労統計調査全国調査及び地方調査第一種
事業所の抽出替えに伴う調査協力依頼について
三原常任理事より、日本医師会長から、毎月勤
労統計調査全国調査及び地方調査第一種事業所の
抽出替えに伴う調査への協力依頼がある旨説明が
あり、協力了承。
30.地域医療関連事業に関するアンケート調査に
ついて
有海会長より、日本医師会常任理事から、地域
医療関連事業に関する照会がある旨説明があり、
回答は勤務医部に一任と決定。
31.医師連盟関係について
敢 『今井えいき女性のつどい』ご案内
9月30日(土) パレスグランデール
有海委員長より、今井えいき新栄会会長か
ら、
『今井えいき女性のつどい』への出席案内
がある旨説明があり、欠席と決定。
1.医療連携体制推進事業の実施について
有海会長より、日本医師会常任理事から、医療
連携体制推進事業の実施について通知がある旨説
明があり、各郡市地区医師会長あて通知すること
と決定。
2.「災害拠点病院等連絡調整会議ワーキンググ
ループ」メンバーの選任について
中條常任理事より、県健康福祉部長から、
「災害
拠点病院等連絡調整会議ワーキンググループ」メ
ンバーの選任について通知があるが、私が情報関
係のメンバーに選任されたとの通知である旨説明
があり、了知することとした。
3.
「新医師確保総合対策」について
栗谷副会長より、日本医師会常任理事から、地
域医療対策協議会の活性化、女性医師バンク、無
過失補償制度やドクターヘリ等、
「新医師確保総合
対策」について通知がある旨説明があり、各郡市
地区医師会長あて通知することと決定。
4.飲酒運転の防止について
有海会長より、県交通安全対策協議会会長から、
飲酒運転防止への協力依頼がある旨説明があり、
各郡市地区医師会長あて通知することと決定。
5.
「女性のための健康づくりフェスタ -He
al
t
hy
Women2006-」の開催について
9月23日(土)
イオン山形南ショッピングセンター
イオン山形三川ショッピングセンター
鈴木常任理事より、県保健薬務課長から、「女性の
ための健康づくりフェスタ」の開催案内がある旨説明。
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山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
〔Ⅱ〕協議事項
1.平成18年度日本医師会認定産業医制度基礎研
修会の開催について
12月8日(金)、9日(土) 日本医師会館
有海会長より、日本医師会長から、平成18年度
日本医師会認定産業医制度基礎研修会の開催案内
がある旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通
知することと決定。
2.山形艮陵公開講演会への後援依頼について
11月23日(木) オーヌマホテル
武田常任理事より、東北大学艮陵同窓会山形県
支部長から、山形艮陵公開講演会への後援依頼が
ある旨説明があり、後援了承。
3.平成18年度山形県産業安全衛生大会分担金・
協賛金の納入について
松下副会長より、県産業安全衛生大会実行委員
長から、平成18年度大会協賛金の納入依頼がある
旨説明があり、支出了承。
4.厚生労働省並びに山形社会保険事務局及び山
形県による社会保険医療担当者の共同指導の実
施について
板坂常任理事より、山形社会保険事務局長から、
厚生労働省並びに山形社会保険事務局及び山形県
による社会保険医療担当者の共同指導の実施につ
いて通知がある旨説明があり、立会い役員につい
て協議の結果、次のとおり決定。
10月5日(木)病院 中里監事、三原常任理事
10月6日(金)病院 板坂常任理事、藤山理事
5.第41回山形県小児保健会研修会の後援につ
いて
6.
『スミセイさわやか介護セミナー』開催に伴う
ご後援のお願いについて
10月21日(土)、22日(日) 山形国際交流プラザ
佐藤常任理事より、山形新聞社広告局長から、
『スミセイさわやか介護セミナー』
への後援依頼が
ある旨説明があり、後援了承。
7.平成18年度健康増進普及月間の実施について
9月1日(金) ~30日(土)
鈴木常任理事より、日本医師会常任理事から、
平成18年度健康増進普及月間の実施について通
知がある旨説明。
8.平成18年度山形県地域・職域連携推進協議会
委員の委嘱について
鈴木常任理事より、県知事から、私に対して、
県地域・職域連携推進協議会委員の委嘱依頼があ
る旨説明があり、受諾することと決定。
9.平成18年度食生活改善普及運動に対する協力
依頼について
10月1日(日) ~31日(火)
鈴木常任理事より、日本医師会長から、平成18
年度食生活改善普及運動に対する協力依頼がある
旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知する
ことと決定。
10.山形県難病医療等連絡協議会委員の推薦につ
いて
有海会長より、県健康福祉部長から、難病医療
等連絡協議会委員の推薦依頼がある旨説明があり、
板坂常任理事を推薦することと決定。
11.患者に対する自動車運転上の注意事項のご指
導について
佐藤常任理事より、県小児保健会会長から、第
41回研修会への後援並びに助成依頼がある旨説
明があり、後援を了承し、支出了承。
有海会長より、県警察本部交通部長から、患者
に対する自動車運転上の注意事項の指導依頼があ
る旨説明。
(詳細については、
本誌前月号に掲載済)
山形県医師会会報
12.中学2年生の職場体験(キャリア・スター
ト・ウィーク)に係るご協力のお願い
有海会長より、山形市教育委員会教育長から、中
学2年生の職場体験に係る協力依頼がある旨説明。
平成18年10月
第662号
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14.平成18年度第1回運営協議会開催について
10月4日(水) 山形グランドホテル
有海会長より、山形産業保健推進センター運営
協議会会長から、第1回運営協議会への出席案内
がある旨説明があり、有海会長出席と決定。
13.公益法人制度改革に関する説明会の開催につ
15.広報活動に関するアンケートについて
いて
10月12日(木) 県庁
有海会長より、県健康福祉企画課から、公益法
人制度改革に関する説明会への出席案内がある旨
説明があり、事務局職員出席と決定。
三原常任理事より、静岡県医師会から、広報活
動に関する照会がある旨説明があり、回答は三原
常任理事に一任と決定。
32
山形県医師会会報
平成18年10月
第
出席者
会
長
副 会 長
常任理事
第662号
7
理
事
会
時、平成18年9月27日(水) 午後3時30分~
会
場、県医師会館、鶴岡地区医師会館(テレビ会議)
監
事
議
長
副 議 長
事 務 局
伊藤事務局長ほか事務局員
事
全
日
有海
須藤
佐藤
板坂
大沼
深尾
小林
本間
島津
理
回
躬行
俊亮、松下鈆三郎、栗谷
泰司、三原 一郎、武田
勝良、鈴木 明朗、中條
央、藤山 忠信、山科
彰、齋藤 忠明、原田
正義、中里
純、大泉
清和
博達
義樹
憲夫
明夫
昭雄
順二
晴史
に関する4件の活動事例報告、
「過重労働・メンタ
ルヘルス対策における産業保健活動について」を
テーマにシンポジウムが行われた旨報告。
4.東北各県医師会広報担当理事連絡協議会につ
いて
9月16日(土) ホテル仙台プラザ
有海会長、三原常任理事出席
三原常任理事より、中川日医常任理事から、広
報に関する日医の方針、日医と都道府県・郡市区
医師会における広報の役割の明確化について説明
があった旨報告。
〔Ⅰ〕報告事項
1.第5回常任理事会について
9月13日(水) 県医師会館
須藤副会長より、第5回常任理事会の報告は既
にメールで報告しているとおりである旨説明があ
り、それぞれ了承された。
2.診療に関する相談申込状況(8月分)について
板坂常任理事より、8月分の診療に関する相談
は、県医師会での受付7件、郡市地区医師会での
受付1件、合わせて8件の診療・病気に対する苦
情・相談であった旨報告。
3.第28回産業保健活動推進全国会議について
9月14日(木) 日本医師会館
松下副会長出席
松下副会長より、川崎二郎厚生労働大臣、唐澤
会長の挨拶につづいて、地域産業保健センター等
5.東北各県医師会医療保険担当理事連絡協議会
について
9月16日(土) ホテル仙台プラザ
松下副会長、板坂常任理事出席
板坂常任理事より、鈴木日医常任理事から、
「医
療保険-昨日、今日、明日-」についての講演、
各県からの協議題について意見交換したが、胃痩
交換、PTC-D交換時の点数設定については、
他の県では問題になっていなかった旨報告。
6.第60回東北医師会連合会総会並びに学術大会
について
9月16日(土) ~17日(日)
ホテル仙台プラザほか
有海会長ほか役員出席
有海会長より、唐澤会長、西島・
武見参議院議員
の挨拶、唐澤会長から、「
日本医師会の現況と課題
~国民医療の将来展望をめぐって~」と題する特
別講演、シンポジウムI
「地域医療~医師の地域偏
山形県医師会会報
在~」
、シンポジウムI
「災害時の医療連携」が行
I
われた旨報告。
7.第2回都道府県医師会長協議会について
9月19日(火) 日本医師会館
有海会長、松下副会長出席
松下副会長より、唐澤会長のあいさつにつづい
て協議に移り、各県医師会から提出のあった8題
の議題についての説明、日医からの議題「世界保
健機関(WHO)次期事務局長立候補支援」につ
いて、唐澤会長から都道府県医師会へ支援金の協
力依頼があり、各県で負担することになった旨報
告。
8.公立置賜総合病院勤務医との懇談会について
9月26日(火) 同病院
有海会長、松下副会長、武田常任理事
出席
武田常任理事より、救急、日当直、時間外労働
などについて意見交換した旨報告。
9.会議・行事等について
敢 第2回日医定款・
諸規程検討委員会
9月13日(水) 日本医師会館
須藤副会長出席報告。
柑 山形県医療機関厚生年金基金理事会・代議
員会
9月20日(水) ホテルメトロポリタン山形
原田理事出席報告。
桓 第2回日医広報委員会
9月21日(木) 日本医師会館
有海会長出席報告。
棺 第33回山形県公衆衛生学会第1回運営委
員会
9月22日(金) 県立保健医療大学
中條常任理事出席報告。
平成18年10月
第662号
33
款 山形県理学療法士会法人設立記念式典並び
に祝賀会
9月23日(土) ホテルキャッスル
有海会長出席報告。
歓 糖尿病対策打合せ会
9月26日(火) 県医師会館
鈴木常任理事出席報告。
汗 山形県医師信用組合理事会
9月27日(水) 県医師会館
有海会長ほか役員出席。
有海会長より報告。
〔Ⅱ〕通知事項
1.
「本県における医療提供体制の基本方向」につ
いて
須藤副会長より、県健康福祉部長から、
「本県に
おける医療提供体制の基本方向」が送付されてい
る旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知す
ることと決定。
2.
「特区、規制改革・民間開放集中受付月間」に
ついて
10月2日(月) ~31日(火)
須藤副会長より、日本医師会常任理事から、
「特
区、規制改革・民間開放集中受付月間」は10月2
日より1ヶ月行われ、地方公共団体等より多くの
医療に関する提案が出されることが予想されるの
で、管下の動きについて注視し素早く対応してい
ただきたいとの通知がある旨説明があり、各郡市
地区医師会長あて通知することと決定。
3.新医薬品の再審査期間の延長について
板坂常任理事より、日本医師会長から、マイス
リー錠5mg、マイスリー錠10mgについて新医
薬品の再審査期間が延長されたとの通知がある旨
説明。
34
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
4.平成18年における組合員証等の検認について
板坂常任理事より、日本医師会長から、平成18
年9月から10月までの間で、国家公務員共済組合
の組合員証等の検認を実施するとの通知がある旨
説明。
(本会会員用ホームページ
「医師会ニュース」
に掲載)
5.警察共済組合組合員証等の更新について
板坂常任理事より、日本医師会長から、警察共
済組合組合員証等が平成18年10月1日より更新
されカード化されるとの通知がある旨説明。
(本会
会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
6.組合員証等のカード化の実施について
板坂常任理事より、日本医師会長から、地方公
務員等共済組合組合員証等のカード化の実施につ
いて通知がある旨説明。
(本会会員用ホームページ
「医師会ニュース」に掲載)
7.共済組合員証カード化の実施について
板坂常任理事より、地方公務員共済組合県協議
会会長から、共済組合員証カード化の実施につい
て通知がある旨説明。
(本会会員用ホームページ
「医師会ニュース」に掲載)
8.患者一部負担金等関係のポスター作成について
板坂常任理事より、日本医師会常任理事から、
患者一部負担金等関係のポスターを作成し、各郡
市地区医師会へ送付するとの通知がある旨説明。
中條常任理事より、負担増が医療機関の収入増
にはならないので、その一文を追加してはどうか
との意見があり、対応については板坂常任理事に
一任と決定。
9.日本医師会市民公開講座「知って防ごう性感
染症 現状と対策」の開催について
10月22日(日) 日本医師会館
佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理
対策室長から、日本医師会市民公開講座「知って
防ごう性感染症 現状と対策」の開催案内がある
旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知する
ことと決定。
10.定期の予防接種における日本脳炎ワクチン接
種の取扱いについて
佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理
対策室長から、定期の予防接種における日本脳炎
ワクチン接種の取扱いについて通知があるが、日
本脳炎に感染する恐れが高いと認められる者等そ
の保護者が予防接種を受けさせることを特に希望
する場合は、市町村は、定期の予防接種を行わな
いことはできないとの通知である旨説明があり、
各郡市地区医師会長あて通知することと決定。
(本
会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載)
11.出産育児一時金及び家族出産育児一時金の受
取代理について
佐藤常任理事より、日本医師会長から、出産育
児一時金及び家族出産育児一時金の受取代理につ
いて通知があるが、被保険者等が医療機関の窓口
において出産費用を支払う負担を軽減する目的で、
被保険者が医療機関等を代理受取人として事前に
申請し、医療機関等が被保険者に代わって出産育
児一時金を受取ることができるとの通知である旨
説明があり、各郡市地区医師会長あて通知するこ
と と 決 定。
(本 会 会 員 用 ホ ー ム ペ ー ジ「医 師 会
ニュース」に掲載)
12.次世代育成支援対策交付金の国庫補助申請に
係る事前協議の実施について
佐藤常任理事より、日本医師会常任理事から、
次世代育成支援対策交付金の国庫補助申請に係る
事前協議の実施について通知があるが、その中で、
乳幼児健康支援一時預かり事業(病後時保育、病
児保育等)については、市区町村長は地域医師会
へ協力要請を行うことにしているとの通知である
旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知する
ことと決定。
山形県医師会会報
13.「療養病床アンケート調査」の実施について
佐藤常任理事より、県健康福祉企画課長から、
療養病床を有する医療機関に対して「療養病床ア
ンケート調査」を実施するとの通知がある旨説明
があり、各郡市地区医師会長あて通知することと
決定。
14.自動体外式除細動器(AED)の小児への使用
に係る「使用上の注意」の改訂指示等について
中條常任理事より、日本医師会常任理事から、
自動体外式除細動器(AED)の小児への使用に
係る「使用上の注意」の改訂指示等について通知
がある旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通
知することと決定。
(本会会員用ホームページ「医
師会ニュース」に掲載)
〔Ⅲ〕協議事項
1.
「第59回日本医師会設立記念医学大会」開催
のご案内
11月1日(水) 日本医師会館
須藤副会長より、日本医師会長から、
「第59回
日本医師会設立記念医学大会」への出席案内があ
る旨説明があり、有海会長出席と決定。
2.第9回山形県歯科保健大会の開催について
11月5日(日) 県歯科医師会館
須藤副会長より、県歯科医師会長から、第9回
山形県歯科保健大会への後援並びに出席案内があ
る旨説明があり、後援を承諾並びに欠席と決定。
3.山形県民主医療機関連合会創立40周年記念式
典・祝賀会について
11月3日(金) 天童ホテル
須藤副会長より、県民主医療機関連合会会長か
ら、創立40周年記念式典・祝賀会への出席案内が
ある旨説明があり、欠席と決定。
平成18年10月
第662号
35
4.犯罪被害者等の支援に携わる関係機関・団体
の連携に関する現状把握調査ご協力のお願い
須藤副会長より、内閣府から、犯罪被害者等の
支援に携わる関係機関・団体の連携に関する現状
把握調査への協力依頼がある旨説明があり、事務
的に回答することと決定。
5.第25回北方領土返還要求山形県民大会の開催
及び平成18年度山形県北方領土返還要求キャラ
バンの実施について
10月26日(木) 東京第一ホテル米沢
須藤副会長より、県北方領土返還促進協議会会
長から、第25回山形県民大会の開催及び平成18年
度キャラバンの実施について通知がある旨説明が
あり、欠席と決定。
6.政策・方針決定過程への女性の参画の拡大に
ついて
須藤副会長より、日本医師会長から、政策・方
針決定過程への女性の参画の拡大への協力依頼が
ある旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知
することと決定。
7.自殺予防対策推進会議出席者の推薦について
須藤副会長より、県精神保健福祉センター所長
から、自殺予防対策推進会議出席者の推薦依頼が
ある旨説明があり、須藤副会長を推薦することと
決定。
8.尾身茂氏の世界保健機関(WHO)次期事務
局長立候補支援金について
松下副会長より、日本医師会長から、尾身茂氏
の世界保健機関(WHO)次期事務局長立候補支
援金の寄付依頼がある旨説明があり、寄付するこ
とと決定。
36
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
9.機関紙「
青少年やまがた」
の送付並びに平成18
年度会費の納入について
松下副会長より、あすをきずく青少年県民会議
会長から、機関紙「
青少年やまがた」
の送付並びに
平成18年度会費の納入依頼がある旨説明があり、
会費を納入することと決定。
10.山形県社会保険委員大会の開催について
10月20日(金) ウェルサンピア山形
14.各種検診委員会委員の推薦について
敢 酒田地区医師会
委嘱 鈴木
晃 消化器検診委員
(胃がん部会・
大腸がん部会)
〃 坂井 庸祐
〃
(
〃
・
〃
)
鈴木常任理事より、酒田地区医師会長から、
消化器検診委員会委員(胃がん部会・
大腸がん
部会)の委嘱依頼がある旨説明があり、了承。
板坂常任理事より、山形社会保険事務所長から、
山形県社会保険委員大会への出席案内がある旨説
明があり、事務局職員出席と決定。
15.平成18年度都道府県医師会勤務医担当理事連
11.平成18年度山形県学校・地域保健連携推進事
栗谷副会長より、日本医師会長から、平成18年
度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会への
出席案内がある旨説明があり、勤務医部に一任と
決定。
業健康相談活動研修会の講師の推薦について
11月28日(火) 最上広域交流センター
佐藤常任理事より、県教育庁スポーツ保健課長か
ら、平成18年度山形県学校・地域保健連携推進事業
健康相談活動研修会の講師の推薦依頼がある旨説
明があり、三條典男先生を推薦することと決定。
12.平成18年度山形県学校保健研究大会の後援に
ついて
11月15日(水) 飯豊町町民総合センター
佐藤常任理事より、県学校保健研究大会実行委
員長から、平成18年度山形県学校保健研究大会へ
の後援依頼がある旨説明があり、後援了承。
絡協議会の開催について
11月13日(月) 日本医師会館
16.医師連盟関係について
敢 第6回公明党山形県本部大会のご案内
10月15日(日) ホテルメトロポリタン山形
須藤副会長より、公明党県本部代表から、
第6回公明党山形県本部大会への出席案内が
ある旨説明があり、欠席と決定。
追
加
要
項
〔Ⅰ〕通知事項
13.平成18年度山形県訪問看護推進事業在宅ホス
ピスケア研修の開催について
11月6日(月) ~12月7日(木) の内4日間
県看護協会館
佐藤常任理事より、県看護協会長から、平成18
年度山形県訪問看護推進事業在宅ホスピスケア研
修の開催案内がある旨説明。
1.海上保安庁への個人情報の提供について
須藤副会長より、日本医師会常任理事から、海
上保安庁への個人情報の提供に係る協力依頼があ
る旨説明があり、各郡市地区医師会長あて通知す
ることと決定。
2.療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の
負担の見直し(入院時生活療養費の創設)につ
いて
板坂常任理事より、日本医師会常任理事から、
山形県医師会会報
療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の負担
の見直しに関するパブリックコメント募集の時点
で、
「病状の程度」、「治療の内容」
、をしん酌して
標準負担額を軽減するものとして整理されたとの
通知がある旨説明。
平成18年10月
第662号
37
絡がある旨説明があり、立会い役員について協議
の結果、次のとおり決定。
10月24日(火) 13:
30~ 山形県勤労者福祉センター
板坂常任理事
10月26日(木) 13:
30~ 鶴岡市・勤労者会館
3.初級パソコンセミナー開催決定について
平成19年3月3日(土)、4日(日)
三原常任理事より、日本医師会常任理事から、
本県における初級パソコンセミナーの開催が決定
したとの通知がある旨説明があり、日医と連絡を
取りながら実施することと決定。
4.有床診療所に対する規制の見直しについて
須藤副会長より、県健康福祉部から、有床診療
所に対する規制の見直しについて連絡がある旨説
明があり、各郡市地区医師会長あて通知すること
と決定。
5.医師年金脱退一時金の適用利率について
松下副会長より、日本医師会長から、平成18年
10月1日~平成19年9月30日の医師年金脱退一
時金の適用利率は、0.
22%と決定されたとの通知
がある旨説明。(詳細については、本誌別掲)
〔Ⅱ〕協議事項
1.平成18年度臓器移植普及推進月間及び臓器移
植推進国民大会の実施について
10月1日(日) ~31日(火) 普及推進月間
10月22日(日) 福島テルサ
須藤副会長より、日本医師会長から、平成18年
度臓器移植普及推進月間及び臓器移植推進国民大
会の実施について通知がある旨説明があり、各郡
市地区医師会長あて通知することと決定。
2.社会保険医療担当者の個別指導について
板坂常任理事より、山形社会保険事務局から、
社会保険医療担当者の個別指導の実施について連
三原常任理事
11月7日(火) 13:
30~ 鶴岡市・勤労者会館
中里監事
11月9日(木) 13:
30~ 山形テルサ
板坂常任理事
11月14日(火) 13:
30~ 鶴岡市・勤労者会館
中里監事
11月16日(木) 13:
00~ 酒田市・希望ホール
栗谷副会長
11月21日(火)13:
00~ 新庄市・わくわく新庄
山科理事
3.
「山形県看護フェスティバル」のご案内
11月2日(木) 県看護協会会館
松下副会長より、県看護協会長から、
「山形県看
護フェスティバル」の開催案内がある旨説明があ
り、各郡市地区医師会長あて通知することと決定。
4.山形県介護予防推進大会に係る後援について
10月23日(月) 山形国際交流プラザ
佐藤常任理事より、県健康福祉部長から、山形
県介護予防推進大会に係る後援依頼がある旨説明
があり、後援了承。
5.平成18年事業所・企業統計調査について
三原常任理事より、総務省統計局から本会に対
して、平成18年事業所・企業統計調査依頼がある
旨説明があり、事務的に回答することと決定。
6.
「過重労働・メンタルヘルスによる健康障害防
止キャンペーン」の実施に伴う御後援依頼につ
いて
10月1日(日) ~11月30日(木)
須藤副会長より、山形産業保健推進センター所
38
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
長から、「過重労働・メンタルヘルスによる健康障
害防止キャンペーン」の実施に伴う後援依頼があ
る旨説明があり、後援了承。
7.叙YCC情報システム創業四十周年記念式典
について
11月1日(水) 山形グランドホテル
11.第20回内視鏡技師研究会のご援助ご協力のお
願いについて
松下副会長より、県消化器内視鏡技師会代表世
話人から、第20回内視鏡技師研究会への援助依
頼がある旨説明があり、助成することと決定。
12.各種検診委員会委員の辞任について
須藤副会長より、YCC情報システム代表取締
役社長から、創業四十周年記念式典への出席案内
がある旨説明があり、欠席と決定。
8.
「皮膚の健康セミナー」への後援依頼について
11月12日(日) 霞城セントラル
中條常任理事より、つばさ皮膚科院長から、
「皮
膚の健康セミナー」への後援依頼がある旨説明が
あり、後援了承。
9.緊急通行車両の事前届出に係る車両の確認に
ついて
中條常任理事より、県警察本部交通規制課長から、
緊急通行車両の事前届出に係る車両の確認依頼が
ある旨説明があり、事務的に回答することと決定。
10.日本医師会認定産業医制度研修会指定申請書
の提出について
12月7日(木) 山形市医師会健診センター
須藤副会長より、山形市医師会長から、日本医
師会認定産業医制度研修会の指定申請依頼がある
旨説明があり、日本医師会へ申請することと決定。
敢 米沢市医師会
辞任 斎藤
勝
乳がん検診委員
鈴木常任理事より、米沢市医師会長から、
乳がん検診委員会委員の解職依頼がある旨説
明があり、了承。
13.その他
敢 高齢者に対するインフルエンザ予防接種の
広域実施体制について
本会会員用ホームページ
「医師会ニュース」
に掲載することと決定。
柑 第114回定例代議員会、第93回定例総会の
開催日程について
平成19年3月17日(土) 理事会、郡市地区
医師会長会議、合同懇親会
3月18日(日) 代議員会、総会
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
39
平成18年度
山形県医師会と山形県病院協議会との懇談会
日
時、平成18年8月9日(水) 午後3時30分~
会
場、ホテルキャッスル
出 席 者 名 簿
【山形県医師会】
会
長 有海 躬行
副 会 長 須藤 俊亮
同
松下鈆三郎
同
栗谷 義樹
常任理事 佐藤 泰司
同
三原 一郎
同
武田 憲夫
同
板坂 勝良
同
鈴木 明朗
同
中條 明夫
事務局長 伊藤 正明
事務局次長 松本みつ子
経理係長 市村 朝裕
業務係長 鈴木日世志
【山形県病院協議会】
理 事 長 小田 隆晴
副 理 事 長 松原 要一
同
川 紘一
同
仁科 盛之
常 務 理 事 平川 秀紀
理
事 篠田 昭男
同
圓谷 建治
同
松本
修
同
中嶋 凱夫
監
事 窓橋 敬治
同
片桐
忠
事 務 局 長 佐々木隆仁
事務局次長 脇川 清道
事 務 局 安食 美好
同
一柳 郁夫
患者さんが果たして在宅でやっていけるか、誰が診
るのか、誰が看取るのかということです。
特に病院の運営等については、われわれが外か
らみても非常に大変な時代を迎えたという感じが
します。
やっと病診連携が進み、
お互い紹介し合っ
て、患者さんに有利ないい医療をやろうと思って
いたところが、突然紹介加算が途切れてしまう、
あるいは急性期入院加算も失う、急性期の特定加
算も無くなってしまい、一生懸命やってはしごを
外されたという感じすら持っています。
現在、地域の医療協議会が各都道府県に作られ
ることが義務づけられており、今後は財源も含め
て自治体に医療・福祉の主体の責任が移されてく
ることは間違いないことです。まさにわれわれが
知恵や力を出し、同じ医療人として互いに支え合
わなければなりません。
ところで、病院勤務の先生方の激務、過重労働
挨
拶
は大変なものです。ある意味では先生方の犠牲の
上に医療が行われているのであろうと感じており
○有海躬行山形県医師会長
ます。われわれはそれを看過するわけにはいかな
日ごろは私ども県医師会
い。まず、とにかく病院の先生方の率直なお話や
の事業につきましていろい
ご意見、現状はどうかということで、今年度から
ろとご尽力を賜っておりま
病院にお邪魔をさせていただきお話を伺っており
すことに厚く御礼申し上げ
ます。病院の先生がたは異口同音に過重労働、医
ます。
師不足、救急医療に問題があることを指摘されて
本日は県医師会の常任理
事をはじめ皆さまから、いろ
おります。
これらの資料は武田常任理事の中間的なまとめ
いろとご意見を拝聴して、今後の事業を進めてい
です。われわれは勤務医も開業医も一緒の範囲で、
きたいと思います。
同じ世代に同じ仕事に就いてやっている仲間とし
ご存じの通り小泉内閣が財政経済主導の政策を
て、お互いに支え合わなければならないという気
どんどん推し進め、6月14日に医療制度改革関連
持ちがあります。特にこれからは地域で医者同士
法案が通過いたしました。特に高齢者の負担の問題、
がよく話し合って、お互いに支え合うことはない
さらに療養病床の廃止、介護型の療養病床がなくな
かということをお考えになっていただければと思
ります。病院を出された、あるいは施設を追われた
います。病院の先生方はその中心におられるわけ
40
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
ですので、ご尽力を賜ればと思う次第です。
今日は率直なご意見を頂戴できますことを期待
しています。よろしくお願いいたします。
ンケート調査で、具体的にデータとしてピック
アップさせていただきました。それを踏まえ、有
海会長が是非勤務医の生の声を膝詰めで伺いなが
ら、実際にこれから医師会はどうしていったらい
○小田隆晴山形県病院協議会理事長
本年度から職責で病院協
いだろうか、皆で考えようと、6月から病院勤務
医との懇談会を持たせていただきました。
議会の理事長を拝命いたし
この懇談会までの話し合いのプロセスは、予め
ております県立中央病院院
勤務医の先生方からアンケートを取り、その上位
長の小田でございます。
3つを話し合おうと決めました。
「主題アンケート
日ごろから有海会長をは
トップ3」と書きましたが、全病院が救急医療を、
じめ医師会の先生には医療
殆どの病院が時間外労働と日当直の問題を挙げて
全般にわたるご指導などで
おります。
大変お世話になっております。特に最近は準会員
や救急体制、過重労働の問題等に関し、病院勤務
医についてご配慮いただきまして、誠にありがと
病院は、それぞれの地区の救急を含めた基幹病
院として11病院を選ばせていただきました。
病院懇談会の内容は多岐にわたりますので説明
しませんが、生の声が書かれております。
うございます。
最近の勤務医は優秀で人気があって仕事を真面
最後の12頁、13頁に地域の問題解決に向け懇談
目にする医者ほど負担が多くなっております。そ
会で早急に話し合いが必要と思われる内容につい
のため開業に走るドクターも多く、長く居着いて
て、私なりにまとめてみました。県医師会や病院
欲しい医者をキープしておくのは非常に難しい状
協議会として、また場合によってはいろいろなと
況になっております。
ころとお話し合いをしながら、出来るだけ早く解
本日の懇談会では、将来の病院と診療所の在り
決しなければいけない。また、この中の多くは県
方について検討し、医師会と病院協議会に共通す
医師会がある程度腹をくくれば出来ることではな
る課題について行政や大学に進言しまして、今の
いかと思っております。1番から9番まで全部の
医療界の冬の時代を乗り切り、春を引っ張ってく
病院で共通しているのは、一番は救急の問題の中
ることが重要であると思っております。本日はよ
で、一次救急の患者さんがあまりにも多いために
ろしくご協議のほどお願い申し上げます。
二次救急、三次救急が診れない、診る余裕もない。
あるいはその時間を取られることによって翌日の
協
診療にまで大きく響いてくるというところです。
議
一次救急をその基幹病院が全部診なければいけな
いのか、どうしたら基幹病院が診ないで済むよう
敢 県医師会提出議題
ア
病院勤務医との懇談会について
になるかが話し合いの中で大きく取り上げられた
ア
勤務医の諸問題について
(病院協議会)
一つではないかと思います。
○座
○武田常任理事
長(小田山形県病院協議会理事長)
私自身は県立中央病院の
の多くは翌日
補足いたしますが、当直明けのDr
脳神経外科医ですので、一応
休めないので、結果的には36時間ぶっ続けに働く
ばりばりの勤務医の過重労
わけです。それで安全な高度医療をしなさいとい
働 の 中 に い る1人 と 思 っ て
うわけです。もう疲れて医療の安全管理どころで
おります。現在医師会で本格
はないというのが実情です。勤務医の平均仕事時
的にこの過重労働を話し
間は1週間に63.
3時間で、これを適正な週48時間
合っております。昨年度はア
にするには全国の医師はまだ5万6千人足りない
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
41
というデータもあります。ところが医師不足の上、
これからは各々の組織・担当するところでまず出
医療費は削減し、給料もダウンし、勤務医として
来ることをやり、そしてやったことをほかが分か
不満が生じているわけです。この問題につきまし
るように情報を発信する必要があると考えます。
て病院協議会側から何かご意見ありますか。
救急医療については、基幹病院で一次救急をし
ないわけにはいきません。重症かどうかは医師が
○松原県病院協議会副理事長
診るから分かるので、心配になった患者が救急病
当院の勤務医の過重労働
院を受診するのは当然です。もちろん制度として
を何とか軽減したいと、現状
一次救急医療機関が機能すれば、二次・三次救急
分析と対策を行ってきまし
病院は助かります。現実は当院のような基幹病院
た。今回県医師会がまとめた
でも県内の救命救急センターでも一次救急患者数
病院勤務医の意見は大変参
の割合は約80%です。各病院がそれぞれなすべき
考になりました。他の病院の
対策が沢山あると思います。
状況が分かったことはもち
病院での過重労働の原因の大きなものは医師不
ろんですが、当院の医師の率直な意見が解ったの
足と、それに救急医療と外来診療だと思います。
も良かったと思います。過重労働の対策が難しい
今回の県医師会の調査結果を見ると、病院勤務医
ことはよく分かっています。その根本的な対策は
は10から20人以上の入院患者を受け持ち、週2~
行政すなわち国がすべきことが最重要ですが、わ
3回の外来診療で1日60人~70人の患者を診、さ
が国の医療制度および医療政策にかかわることな
らに救急診療を担当し、加えて様々な委員会や会
ので、現段階で直ぐには期待できないと思います。
議の出席や研修医の教育など多忙な日常業務に追
しかし、地域医療の問題ですから、県と市町村あ
われています。当院では救急医療はやめられませ
るいは各病院で出来ることはいろいろあると思い
ん。だから救急対応には頑張っています。当院で
ます。特に病院のそれはかなり効果があると思い
出来るとすれば、外来診療をいかに減らすかとい
ます。さらに地域の医師会と住民が出来ることも
うことです。これは地区医師会と連携して実行し
あると思います。それには各方面で地域の医療情
ています。
報が共有されることが必要だと思います。例えば、
医師不足には県の医師数を増やすことが最も重
今回の結果を見ると、いいところと悪いところが
要です。それには県内の基幹病院が県立病院や山
病院によって異なります。したがって、これらの
形大学を盛り立てて、いかにして医師を増やすか
情報が広く知らされれば、うちも良いことはやろ
を一緒に真剣に考えることだと思います。そして
う、悪いことはやめようとなると思います。お互
地区の診療所と基幹病院以外の病院がそこの基幹
いに知らないことがたくさんあるのではないかと
病院に協力することが必要だと思います。基幹病
思います。何かを解決するには情報の収集・分析
院と診療所がお互いに知ることが先ず必要です。
と対応、この3つがキーワードで、各地区・地域
勤務医がいなくなって基幹病院が機能しなく
でそれぞれやっていくことが大事だと思います。
なった場合を診療所やほかの病院や市民は考えな
これまで病院勤務医は長い歴史の中で、ほとんど
ければなりません。当院の医師の3分の2は山形
がボランティア精神と犠牲的精神でやってきたよ
大学および新潟大学からの出張医師です。大学に
うに思います。これが日本の医療制度をよくした
戻って当院には行きたくないと言えばどんどん切
かどうかと言えば、そうではなかったと思います。
られて来なくなります。これは当院だけでなく、
病院の勤務医は黙って我慢してダメになって開業
ほかの病院でもそうだと思います。そういうこと
するか、定年まであきらめて何もしなくなるかで、
を地区医師会や患者・市民に理解してもらわなけ
これは結局具合の悪いことを先送りしただけだと
ればなりません。しょっちゅう医師が代わって顔
思います。その結果、市民も医師会も病院のこと
が見えないと言われますが、そういう実態にある
がよく分からなかったのではないかと思います。
病院・地域医療をもう少し認識したほうが良いの
42
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
ではないでしょうか。
ボーンが必要になる。診療所の先生や病院の職員
が同じように働いたとしても診療報酬上、病院が
○座
長
5%のマイナスになっている。そこを解決してい
8月4日付けで、山形地区救急医療対策協議会
の市川山形市長から村山地区における病院輪番制
ただくのが大きな流れになると思います。
時間外に関しては、診療所は9時~5時の開業、
のアンケート調査が参っております。当地区でも
いわゆるオフィス開業が出て、夜の責任は持たな
行政が一次救急、二次救急、三次救急をどうする
いという先生方が増えてこられたところに問題が
か考え出したようです。
あると思います。山形市では、休日診療所や夜間
武田先生、過重労働問題のもう一つのポイント
診療所が出来て、病院も準夜帯の患者さんが10人
は、医師不足にあると思いますが、いかがでしょ
ぐらい減りました。病院が患者さんを選ぶのでは
うか。
なく患者さんが病院を選ぶ時代ですから、輪番制
は時代に逆行しているのかと思います。むしろ、
病院と診療所のお医者さんが夜間診療所や休日診
○武田常任理事
研修医制度が発足していますので、いかに研修
療所を充実することによって、一次を少しでも振
医を惹きつけるかが大事だと思います。それぞれ
り分けたら病院の方はよくなると思います。基本
が魅力ある病院をつくり、その病院が定員いっぱ
的には医師不足で労働基準法に違反してるわけで
い、場合によっては県の補助金をもらって研修医
すので、過重労働が無くなってきちんと労働基準
の定員を増やす。研修医の手当はそんなに高いわ
法に合致すれば、もっと病院の医師も増えると思
けでありませんから、例えば県立中央病院が20人
いますが、その一番基本的な問題は診療報酬と考
抱えてもいいかと思います。そうすると、彼らは
えています。
山形県に魅力を感じて場合によっては結婚したり、
彼女の実家で住もうかということになると思いま
○中嶋県病院協議会理事
す。そうすれば、20人獲得になるわけですので、
絶対的不足はどうしよう
基幹病院が研修医の人数を増やして獲得してしま
もないわけで、もう一つは質
うのが一番簡単かと思います。要するに、研修医
的不足、専門医の不足がある
を1回囲んでしまうとこっちが勝ちみたいな部分
と思います。患者さんの目と
があります。
いうか、開業の先生方も一次
医療としてプライドがあり
○平川県病院協議会常務理事
ますので、紹介するなら専門
医師不足の一番の原因は
医に紹介する。私の病院のように専門医が非常に
やはり過重労働です。
しかし、
少なく、応援医師でまかなっていた場合には、他
これは、そんなに簡単に解決
の先生方がその精神的負担を持たなければいけな
できません。厚労省のいろい
くなります。夜間にも専門医を求めて、新庄病院
ろな審議会の話を見ても、こ
の救急外来に来るという患者さんが増えています。
こ10年、20年は解決しないと
最近も研修2年目の医師が患者さんと少しトラブ
言われています。先ほど松原
ルを起こしまして、あんたは小児科医でない、研
先生もおっしゃいましたが、過重労働の問題は、
修医だろうと言われたことがありました。そうい
機能分担、役割分担ということで外来部分は診療
うことで質的なものも今は要求されており、その
所のお医者さんにお願いする。そうすると病院は
辺の教育を皆でしないといけないのではないかと
赤字になり、いつつぶれるか分からないという経
思います。
営状態になりますが、入院は病院で診させていた
もうひとつ開業の先生が開業する目的は何なの
だく。裏付けとして診療報酬という大きなバック
か、家庭医としての役割をするんだと開業する先
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
43
生にきちんと教育をしておく必要があるのではな
いう形で協力できるか分かりませんが、一つのポ
いかという気がします。当地区でも夜間救急診療
イントは人的なサポート体制を取ることだと思い
所をやろうという時に、小児は診れないから駄目
ますので、今後積極的に詰めていきたいと思いま
だ、あるいは私は外科の看板を出しているから参
す。リスク管理、身分の保障、そういった事務的
加できないというお医者さんが医師会の中にいて、
な問題が最後に残ると思いますが、なんとか出来
参加が少なく困っているから、県立でも参加して
そうです。時間外の患者さん自身は一次か二次か
くれないかときています。私の方は複数の当直制
はよく分からないので、どうしても中核病院に集
で二次救急を充実させようと思っている段階で、
中するのはやむを得ないことだと思います。そこ
参加出来ないという事で、今どちらも悩んでいる
に担当医を1人で置くことが大きなストレスの原
ところです。一次救急、家庭医としての役割、自
因だと思いますので、1人でない体制にすれば、
分たちがやっていない時間外の患者をどうするか、
かなりストレスが取り除けると思います。
そういう意識をもっと育てないといけないのでは
ないかという気がします。最上町のある開業の先
○松原県病院協議会副理事長
生は、夜間に自分の患者が町立病院に迷惑を掛け
地域によって状況は違うと思いますが、当院で
ているから、当直に行っているということを聞い
は7年前の救急患者は年間約1万7千人で平成
ております。そういう意識を開業する先生に是非
持っていただいて、一次救急をきちんとしてほし
17年は2万7千人に増えました。一次救急の割合
は約80%ですが、調べてみると内科と小児科の救
いということです。
急患者さんの6割近くが当院の患者でした。当院
もう一つ救急を多くしている原因に施設の患者
に責任のある一次救急の患者さんが診療科によっ
がおります。施設の担当の先生が、時間外には県
ては意外に多いのです。したがって、各病院では
立に行けと言っているという話を最近聞いており
患者の受診行動を検討する必要があります。例え
ます。施設からの紹介が救急で来るのが多いので、
ば、当院では一般外来の紹介率は決して低くなく、
もう少し担当する先生方が理解すれば大分救急も
内科や外科など診療科によっては病診連携が進ん
減らせるのではないかと思います。当直してて医
でいます。また、鶴岡地区の約30の医療機関によ
療事故や紛争に巻き込まれるのではないかという
る医師会医療情報システムであるNe
t4Uには約
ことで精神的に萎縮している。特にうちの場合は
9千人の患者さんが登録されています。その端末
一つの中核病院として医療判断が非常に高次なも
が院内の救急外来など30カ所にあり、救急診療や
のを求められ、日本海病院の例を見ても、われわ
外来診療で必要に応じて容易にその情報を共有で
れの病院だと当たり前で、これが医療事故ですか
きる工夫をするなどで病病・病診連携が進められ
と思わされます。
ています。
○鈴木常任理事
数の減少で病院の経営が難しくなることも考慮し
それから外来診療が減ると医業収入や入院患者
私は寒河江市西村山郡医
なければなりません。しかし、過重労働で医師が
師会の理事も兼ねておりま
いなくなり病院がなくなることを考えれば、外来
すが、先月の理事会で片桐先
患者を減らして入院医療を一生懸命やって経営を
生から、河北病院でも一次救
うまくいくようにすることが必要です。それには
急の症例が多いこと、最近の
地域の県・市が支援することや病院医療の診療報
若い医師は自分の分野は一
酬を見直すことが必要です。病院が赤字になるの
生懸命診たいという気持ち
は予算が間違っているわけで構造的ないし事務能
はあるけれども、それ以外の
力の問題であり、また現在の診療報酬でやってい
患者さんが来ると精神的に追い詰められるところ
く以上しようがない場合も多いと思われます。当
があると初めて伺いました。医師会としてはどう
院の場合、外来患者は以前より約10数万人減り外
44
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
来収入は減りましたが、それを超える入院収入の
しまうことがあります。ある程度の外来がないと
増加がありました。当院では外来患者を減らして
入院を保てないと思います。余程特色のある入院
入院医療に重点を置いても、経営的に問題はあり
の機能を持っていれば別でしょうが、普通の二次
ませんでした。これは病院の立場によって違うと
医療までだとそういうこともあると考えておりま
思いますが、多くの情報を出し合って各病院で医
す。だから単純に外来を減らして楽になるのはい
療機能を再検討する必要があるでしょう。
いですが、今度は入院がもたなくなり病院が潰れ
救急医療は大変ですが、もっと情報を分析して
てしまいます。
対応すべきだと思います。当院では、複数当直は
効率的ではないと考えて行っていません。要する
○仁科県病院協議会副理事長
に1人の当直医がトリアージを行い、オンコール
根本的に県民、市民が医療
体制で24診療科が必要に応じて診療しています。
に何を求めているかなんで
呼ばれた先生は夜中でも自分の専門領域のことな
す。病院に来るのは便利で、
ので何の問題もないのです。当院の救急センター
夜でも救急医療を断わらな
は救命救急センターでないのでそれが可能です。
いで診てくれるので安心な
研修医にはいろいろ経験できるため当院の救急体
んです。マスコミの影響もあ
制は評判が良いようです。確かに昼間は別の医療機
り、われわれ医療従事者を見
関で、夜になると当院を受診する患者さんが少なく
る目が厳しくなっています。
ありませんが、24時間診療可能ですし稼動してい
市民が医療の質を求めている時に、病院と開業医
るので、これはやむを得ないと言うか、当然のこと
で一次救急、二次救急と分けようとしても素人の
だと思います。それぞれの病院が嫌がってもしなけ
方々は分けられないわけですから、病院に集中す
ればいけないことがあるわけで、それをやり易くす
るのはある程度は仕方がないと思います。一つの
るように病院として対応すべきなのです。
方策としては基幹病院に開業の先生も、準夜帯の
夜の6時から8時まで手伝いに行くと少しは勤務
○片桐県病院協議会監事
医の負担が軽くなり、患者さんは病院で検査して
僕が院長になるまでは1
もらえば安心できることになります。マスコミも
日の外来が大体千人来てい
悪いんです。何も報酬とか担保をしないで経済的
ました。だから大体5百床、
にプレッシャーを与えてくる。われわれの安全管
6百床規模の病院の外来数
理や診療報酬に対して何の担保もしてくれないと
を診ていたわけです。うちの
いう矛盾が全国どこでも出ている。これは国が分
病院はいま 280床ですが、紹
かってくれなければどうしようもないですので、
介率を上げるために外来を
根本的に解決しなければならないと思います。
減らしたり、薬の長期投与でどんどん患者さんが
減って 750になりました。うちの病院は外来の比
○武田常任理事
重が収入の約2で入院が3でしたが、外来が4分
病院に手伝いに来るというのは一見いいように
の1減ったために何億という収入減で、病床利用
見えますが、われわれの病院でも医師はそれでい
率は大体百%、それがだんだん減って去年85にな
いかもしれませんけれども、看護師とかレントゲ
りました。何で減ったかというと、中央病院に流
ン技師とかの負担が全く解消されません。一次の
れたとか取られたとかいろいろな理由があると思
患者さんが来ると看護師がどうしても取られます
いますが、入院する母体の外来が減ると入院が
から、重症の患者さんに対する看護の人数が割か
減ってしまうという要素もあり、なかなか分析が
れてしまいます。いいように見えてもそちらの方
難しい。もちろん外来を減らして入院を増やした
の負担も問題があって、実はよくないと思います。
いが、あまり減らし過ぎると今度は入院が減って
一番いいのは定点化した救急、夜間休日の診療所
山形県医師会会報
をきちんとしたものを作ることだと思います。
平成18年10月
第662号
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料品を売ってくれないかぎりは、勤務が明けて買
い物して、食事をつくることはできない。きめ細
○仁科県病院協議会副理事長
人の効率が悪いからで、使い方をうまくすれば
かく考えを聞く必要がある。
マッチングの問題では、外来を手伝ってほしい
あるいは手術の助手、各種の臨床検査等の情報を
大丈夫です。
出す必要がある。最初に言ったように、女性医師
イ
女性医師に関わる問題について
が再就職しやすくなる事は、皆が働きやすい職場
に変わることですから、この問題を真剣に取り上
○佐藤常任理事
げることが勤務医の過重労働解決にもなる。女性
第2回 日 本 医 師 会 男 女 共
医師の再就職を考えなければ、現在、20代の医師
同参画フォーラムに出席し
が30代になった時、その医療機関は成り立ってい
て、全国ではどんなふうに考
かないだろうというところまで言われております。
えているか情報提供させて
現在、小児科の勤務医の28%は女性であり、小児
いただきます。根本的に考え
科女性医師の47%は休職したことがある。特に子
ておかなければいけないこ
育てを経験した小児科医はドクターとしてのキャ
とは、女性医師が勤めやすい
リアアップにつながっているはずですと。
と い う こ と は、職 場 が 人 に
いろいろな医療環境が整っている大都会でも、
とってやさしい職場になることです。女性医師の
女性医師の復職は非常に難しい。復職のための研
問題は、過重勤務なども全部含んだ問題であって、
修に乗り出しているのは東京女子医大だけです。
お産で辞めた女医さんをもう1回病院に呼び戻そ
山形県が今一生懸命この問題に取り組めば、全国
うという単純な話ではない。結局、日本の病院の
から若い医者を惹きつけることができるかも知れ
主治医制度のように、1人のドクターが1人の患
ない。女性医師はそこで子供も産みますし、夫婦
者さんを診るというスタイルに固執した場合には、
で定着するかも知れない。女性医師は殆ど自分の
余所からドクターが入ってくることは出来ない。
出身地に戻るそうです。山形大学を卒業した女性
チーム医療が必要になってくる。女性の医師が復
医師で山形に残るのは、山形出身者か山形の方と
職し易いことは、職場全体が変わることを意味し
結婚した人だけと聞いております。関係のないと
ている。女性だけがずるいとか、男性はどうだと
ころには女性医師は行かないそうですから、都会
か、あるいは結婚した女性ばかり優遇して、未婚
から女性医師を呼ぼうと思ったら生半可なことで
女性医師はどうなるとか、そういう問題ではない
は呼べません。
ということを根本に考える必要がある。
2は、そのフォー
今回、県医師会の提出資料 No.
○仁科県病院協議会副理事長
ラムの時に国立病院機構近畿ブロックが提出した
24時間の保育あります。県の土地を借りていた
資料です。この4つの課題は、いわゆる就労形態
ので、県で使うことになり返上するため今年いっ
の柔軟化、あるいは女性が再就職するためのサ
ぱいでやめますが、病院のボランティアでやりま
ポートは、研修医と一緒にもう1回研修すること
すので大赤字です。
はできない。研修医のように、一日中病院に居て
研修し直せでは復職できない。その人に合った
○松原県病院協議会副理事長
オーダーメイドの再就職支援、研修をしなければ
24時間保育など女性医師の対策はそれぞれの
いけない。育児支援に関しても、もちろん24時間
病院でこれから直ぐにも考えなくてはなりません。
の保育所が必要ですが、定時に帰宅できる体制を
女性医師だけでなく女性看護師もまた辞めること
作るほうがより大事です。山大病院の中にもコン
が多いようです。その理由はもちろん育児もあり
ビニを作ったと聞いておりますが、24時間生鮮食
ますが、休職のブランクが怖いというのがあるよ
46
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
うです。それに対する対策はチーム医療だと思い
に要望しようと思っております
ます。チーム医療はIT化することが一つの方法
であると考え、当院では3年前の新病院で実行し
○松本県病院協議会理事
ました。また、当院では最近辞め当地区で開業し
つ い2週 間 前 に 嘉 山 山 形
た4人の医師に辞令を出して毎年更新の参与に
大学医学部長は山形県とし
なってもらいました。当院がなくなったらここで
て独自に、一旦スペシャリス
開業しても困るでしょうと言って、週1回当院の
トとしてお辞めになった先
外来診療の担当をお願いしました。参与は院内で
生をある期間訓練して、ゼネ
は当院の医師としてI
Dもパスワードもあり診療
ラルフィジシャンとして雇
に加わります。今後このような形態は女性医師に
い入れるという事業を展開
対しても有用ではないかと考えています。
するそうです。女医さんも大学の中の研修セン
ターを使って、早い人だと2カ月、遅い人だと大
○芦川県病院協議会副理事長
体1年ぐらいの研修期間をおいて、スペシャリス
女性医師に関しては、医師
トではないが、ゼネラルフィジシャンとして再教
会の懇談会でお答えしました
育して、質を一定に保った上で希望する病院、あ
が、少なくとも24時間保育が
るいは病院からの要望があった事態に備えていく
ないとやっていけなくなるこ
という、一種のドクターバンク制度です。もう一
とは分かります。医師国家試
つは今のドクターバンクにもう少しお金をかけ、
験 合 格 者 の 大 体35% ぐ ら い
きちんと質を高めた上でやりたいという申し出が
は女性で、近い将来50%近く
ありました。実は文部科学省の方に概算要求して
なります。女性が50%近くなる時代が近い将来に
いるという話です。
来るということを意識してやらないと駄目だと思
います。お産されて休まなくてはならないとか、
ウ
病診連携について
当直を免除しろとか、男性医師との関係もありま
すので、勤務医に対するフレックスタイムも含め
て、常勤とは何だという、根本的なことから考え
○三原常任理事
医療連携が目指すものは、
直さないと難しいと思います。そのコストをどの
地域の施設がそれぞれの機
ように考えるのか、一つの病院では無理なのでき
能 に 応 じ て 役 割 を 分 担 し、
ちんと訴えていく必要が在ると思います。後藤山
チームとして患者を支える
形県副知事が、男女共同参画社会と言っておられ
ことにあると考えています
るので、医療協議会で県の医療を考える事になる。
が、施設、職種を超えて、患
例えば24時間保育所を作ってくださいと言われ
者を診ていくためには、患者
ても、コストをどう解決するのかを一緒に考えて
診療情報の共有とお互いのコミュニケーション
ほしい。それから復帰する場合ですが、普通の研
ツールが必要です。その目的、理念にたって開発
修をやっても研修医にも全然届かないくらい落ち
したのが医療連携ネットワークNe
t
4Uです。2001
ている。それぞれのオーダーメイドが必要になっ
年に運用を開始して以来、4年半以上にわたり、
てくると思いますが、非常にコストがかかるとい
継続して、実際の医療現場で日常的に利用されて
うことを最初から意識して協力していかないと無
いる全国でも極めて稀な実運用事例です。現在、
理だと思います。
もっとも活用されているのが、在宅患者における、
かかりつけ医、訪問看護ST、湯田川温泉リハ病
○座
長
この問題は、女性医師バンクも含めまして、県
院、老健施設、などとの連携です。
医療連携に関する鶴岡地区医師会のトピックと
山形県医師会会報
して、大腿骨頚部骨折連携パスがあります。荘内
平成18年10月
第662号
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全国的にみても、参加率、30%というのは非常
病院で手術を施行した患者を、一定期間(2週間)
に高い数字ですが、一方で、ある程度以上普及し
後に湯田川または協立リハ病へ転院させ、そこで
ないのはどうしてなのかという考察はいろいろと
リハビリテーションを行い退院後へ荘内病院へ戻
考えられます。そのなかでも、手間がかかる割に
すというプロセスを定型化するという試みです。
は、金銭的な見返りがないのはひとつの要因かと
それぞれの病院から、地域連携室、理学、作業療
思っています。それでも動いているのは、理念へ
法士、看護師、医師などが参加する研究会を立ち
の賛同とか、仲間意識なわけです。財政的な裏付
上げ、7月より運用を開始しました。施設、職種
けがあれば、今後発展する可能性はありますが、
を超えたチーム医療の実践という意味で、今後の
今のようなボランティアに支えられているシステ
病診連携推進の起爆剤になることを期待していま
ムで30%の加入率は立派だと私は思っています。
す。今後、さまざまな疾患において、連携パスが
運用されると、病診連携の推進が期待できる。連
柑 県病院協議会提出議題
携パスにはI
Tが極めて有用であり、連携パスの運
平成18年度診療報酬改定の影響と対応
イ
用→I
Tの普及→医療連携の推進という具合に発
について
展していくことを期待しています。
また、在宅医療に関してですが、療養病床の再
○座
長
編で、その受け皿として今後在宅医療が重要と
平成18年度診療報酬改定の影響について県立
なってくると思われます。在宅医療の担い手とし
中央病院のデータを少し紹介させていただきます。
て、在宅療養支援診療所という施設基準があり、
第一四半期が終わりまして、当院では昨年度に比
24時間、365日体制で在宅患者を診る体制作りが
べて収入がマイナス3%程度となっております。
求められています。鶴岡地区医師会では、会長の
病床利用率は昨年度とほぼ同じですが、入院単価
意向もあり、地域で在宅患者を支えるシステム
(と
が昨年度よりもダウンしております。平均在院日
くに、在宅で看取るシステム)を構築すべく活動
数も変わりなく、手術数は増えています。外来数
に入っています。今まで、在宅療養支援診療所の
は若干減っていますが、外来の単価はややアップ
説明会、看護師を主体とした在宅緩和ケア講習会
しています。収入減の主原因はAの201、Aの202
を行いました。今後も、医師の勉強会も含め、継
の急性加算が外されたためで、これを諸に被って
続していきたと考えています。また、そのときに
いる状態です。
必要となる患者診療情報データの共有や、お互い
の情報交換はNe
t
4Uで行いたいと考えています。
○仁科県病院協議会副理事長
それにしても、地域でNe
t
4Uのような連携シス
うちの本院も3%まではいかないですがダウン
テムを動かすのには、I
T以前の問題、すなわち人
しています。単価当たりはそんなには変わってい
と人の繋がり、より質の高い地域医療を目指そう
ないが在院日数が短くなりました。入院患者が総
という理念を共有する仲間との連帯が極めて大き
数でダウンして、救急加算は他の医療施設と同じ
なファクターになると実感しています。
です。私のところは療養型病床群の影響が非常に
強い。今まで1人当たり療養型病床群はリハビリ
○中嶋県病院協議会理事
も含めて一日当たり2万1千円でしたが、文句な
結局、在宅を進めるためには30%の診療所と連
く3千円から3千5百円、ダウンです。今後は療
携して完全にうまくいっているかというと、必ず
養型をやっているところで回復期か、特殊の神経
しもそうは言えないと思います。そこのところが
難病専門病棟しか生き残れないで、恐らくどんど
何で70%の人が共感を得られないのか、何が原因
ん医療の質は落ちると思います。それで鶴岡は理
でしょうか。
にかなっているのではないかという印象を持ちま
○三原常任理事
した。
48
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
○芦川県病院協議会副理事長
段から病院運営・経営を考え、民間企業の資本金
これはどこの病院でも紹介率の急性期の加算が
や運転資金のように病院であれば内部留保額(自
減って、それを補うのにどうするかです。看護の
治体病院の運転資金に相当)
を増やし、
それを使っ
2:1にすると、大体似たような格好、病院では
て凌ぐべきだと考えています。例えば年間1億円
救急は7日間加算できますので、救急を一生懸命
の実質赤字が2年続いても2億円で、それを内部
やれということで、現場が非常に大変になり、勤
留保から出して次の改定を待てば良いと思ってい
務医の過重労働問題につながっていくわけで、明
ます。しかし、それが4億、5億になったら潰れ
らかにマイナスになると思います。トータルでは
る病院が出るわけです。厚生労働省がそれを狙っ
1億数千万ぐらいのダウンになるかと見ています。
ているのであれば、自分の病院がほかより先に潰
れないよう粘るしかありません。でも、これが長
○平川県病院協議会常務理事
私のところは今年の1月から電子カルテを入れ
るために外来を減らしたり、いろいろなことをし
く続けば基幹病院でもその多くが存続できなくな
ると思われるので、その前に日本医師会の方で政
治的な対応をやって欲しいと思います。
て地震のところに大津波が来たという感じで、と
んでもない災害を被っております。実質的な比較
○仁科県病院協議会副理事長
は、システムが変わった為に難しい。また療養型
松原先生は、自治体病院だからいいんです。そ
病床という改変がありましたので、本来であれば
の税金は誰が補償するんですか。われわれはそん
決して移らない患者さんもどんどん引き取って頂
な悠長なことは言っていられないんです。だから
いたり、様々なことがあって病床利用率も少し落
私の持論は自治体病院が赤字になったら、その住
ちましたし、今回の医療費改定は大災害に匹敵す
民が住民税を上げて補填すればいいです。そうす
るという印象を持っています。
ると、われわれは常に自治体病院を支えているん
だという意識が出てきます。一般病院はそういう
○有海会長
補償がありません。そして自治体病院はプラスだ
日医としては具体的な数字ははっきりありませ
と言ってますが、繰入金がどのくらいあるか分か
んが、4月から6月の間、モデル事業として北海
りますか。1床当たり何百万です。われわれはな
道、石川、福岡、静岡の4県で影響を調査してお
いのでその中で一生懸命やってるんです。だから
り、その後秋に向けて全国的なアンケートをやろ
今回の診療報酬改定はさっきの救急は逆行します
うという試みがもう決まっております。感触とし
が、何とか常勤の先生にお願いして救急医療を取
てマイナスは間違いないですので大変な状況だと
るしかなく、急性期医療が生き残るためにはそれ
思います。
しかないんです。慢性期医療は先ほど言った通り
です。今銀行も厳しくなっておりそれしかないで
○松原県病院協議会副理事長
診療報酬改定が2年に1回あって政策医療が強
制的に行われています。平成18年度の診療報酬改
す。ボーナスも自治体はきちんと出てるでしょう。
それは税金です。本当にそんな悠長なことを言っ
ては困る。
定を平成16年度の医療内容で医業収益をシミュ
レーションすると約4%の減少となります。しか
○平川県病院協議会常務理事
し、若干の診療体制の変更で当院では今年度は
自治体病院ですが、繰入金も様々いただいてま
1%以下の減収に抑えられそうです。しかし多く
すから何も文句は言えません。儲かっても黒字だ
の病院では相当のダメージが予想されます。ただ、
からと言っても法人税も払っていません。そうい
だからと言って診療報酬改定の度に慌てて対応し
う病院ですが、ここで問題にしていただきたいの
てもしようがないし、実際に対応は容易でないで
は消費税の問題です。われわれは消費税を大体2
しょう。したがって、中・長期の展望を立てて普
億8千万弱ぐらい納めなければいけないことにな
平成18年10月
山形県医師会会報
第662号
49
ります。3%の時はいいんですが5%になって、
消
と、その方法が何も分からない。では病院が潰れ
費税がさらに上がっていく可能性もあります。医
るのかと言いますと、療養病棟を持っている開業
療に関しては病院が消費税を支払っていいのか、
の先生から、病棟を閉鎖するから患者を引き取っ
お客さまからきちっと消費税を付けていただくと
てほしいと言われ引き取りました。どうして閉鎖
か、是非消費税のことも医師会で議論していただ
するのかと聞いたら赤字だからだと。赤字部分も
きたいと思います。
われわれ引き取る結果になりました。金にはなら
ないけれども、手がかかり赤字の元になる患者さ
○有海会長
んを、人道上の問題ですから引き取らないとは言
これについては日本医師会も頑張っており自民
えず引き取りました。そこの職員も引き取ってく
党の税制調査会に消費税の問題も含めて要望書を
れということで面接いたしました。こんな人を
出しています。医療点数の改正時に最初0.
77%、
雇っておられたのかと言いたかったのですが、こ
次は0.
76%、併せて1.
53%の消費税が含まれてい
れも人道上の問題と思い引き取りました。こうい
ると言われております。しかし、これが先ほどの
う状態が続き、どこから先に潰れるかと言います
先生のご指摘のように10%、あるいは15%に、も
と、民間病院に決まっております。4月の改定前
しなった場合どのようにして補填するかが非常に
の3月ごろ、ある会合で阿部正俊と会う機会があ
難しい問題になってくる。これは私個人の考えで
りました。保険を使って保険を払わない病院と、
すが、この消費税は患者さんがかわいそうだから
保険を払って保険をいただいていない民間病院が
取らないでくれといった政策は間違いであったと
あるが、どっちが先に潰れるかと言えば、われわ
思います。外税にして、すべからくきっちりと国
れ民間病院の方が先です。公的病院は無くさない
に納めるものは皆さんご負担願いますと言うべき
んですかと聞いたら、絶対無くさないとおっしゃ
であったと考えております。ただ、いろいろな税
いました。だったら、どこが先に潰れるかと言っ
制の要望がありますので努力はしています。
たら、阿部正俊氏の言葉をそのまま信用しますと
それからもう一つは、勤務医の先生方のいわゆ
民間病院から先に潰れていくんだと。現に1つ潰
る学習に関する特別な免除も要望しておりますが、
れたところを赤字と一緒に引き取りました。こう
国は理屈があっても金だけは合わないと、非常に
いうことがだんだん続きますとうちの病院もやが
頑迷なところがあり、財務省が主導の今の政府で
て、皆さんに赤字のもとになる職員と患者さんも
は難しいところがありますが、いろいろ多岐にわ
ろとも引き取っていただかなければならない事態
たって要望書を出していることをご理解いただき
が生じると思います。
たいと思います。後ほどまた、何か必要であれば
いつでもお出しできると思います。
○圓谷県病院協議会理事
うちの病院は特殊で障害者
ウ
療養型病床の今後について
病棟があり障害者自立支援法
で措置費として1日1万ぐら
○篠田県病院協議会理事
いでやっていましたが、これ
療養病床を今後どうする
が来なくなって結局患者負担
かは、われわれが決めること
になりました。今までは障害
ではなくて政府が決めるこ
者年金などの殆どの年金は全
とです。僕のところでは協力
部患者家族に行っていたのですが、今後はそれを
して医療保険型と介護保険
殆ど措置費に代わる形で患者さん家族から病院が
型の2つの病棟を持ってお
取る形になる制度がこの10月からスタートしま
りますが、介護保険型は無く
す。今までは障害者を含めて慢性期の患者さんは
なるということです。どうしてくださるかという
医療費半分、あとは障害者自立支援法で、税金か
50
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
ら来るだろうと思います。実際は患者さんは年金
床に変更すると赤字幅は少し少なくなります。残
の範囲内でできる形ですがすべて変わっておりま
りの病棟につきましては、国や県から補助金を得
す。
ただ、
医療レベルを上げることで、
患者さん、
家
て療養病床に転換していますから、これを一般病
族の希望も高くなっています。すべて病院でやっ
棟に変えると、その補助金を返還しないといけな
て欲しいと要望されても今の体制ではやっていけ
い。これは大変なことで、そういうことがどんど
ません。重症心身障害児は10月から制度的にはス
ん日本で起きています。厚生労働省も医療機関が
タートするのに、実質は3年以内にしなさいという
国庫補助金で整備した療養病床を老人保健施設や
ことになっています。山形病院の障害者病棟、ある
一般病床に転換するなど、補助金の目的外使用に
いは重症心身障害児病棟は特殊ですが、今ものすご
当たる場合でも医療制度改革に伴う療養病床の再
く変化が起きていることは確かだと思います。
編に沿った転換であれば、例外的に補助金の返還
を求めないことを決めたと言っています。県も補
○髙橋県病院協議会監事
助金は出してあるが、こういう次第だから一般病
私 の 病 院 は260床 の う ち
140床 が 療 養 型 病 床 で す。
床に変えてもいいということは納得してくれまし
従って、今回の改定は厳しい
転換すると、医者が足りないという非常に大きな
状況になっています。こうい
問題が出てきます。それと日本の研修システムが
うことがどんどん起きてくる
本当によいシステムなのかに対しても私は非常に
背景に、日本の医療の中身を
不満を持っています。
た。うちも是非そうしたいのですが、一般病床に
本当に国民に正しく国が伝え
私は、前の病院にいた時に、研修管理委員会の
てきたか疑問に思います。今年の4月か5月初め
委員長をやっており、研修プログラムを全部作り
て日本の医療の内容が朝日新聞の特集になって
まして、随分たくさんの卒業生をその病院にとど
載ってる程度です。マスコミは実態を国民に広く
めたんです。日本の医療制度はWHOが世界で最
知らしめて、日本の医療費は高いのではないとい
もいい制度だと言ってるわけです。今さらアメリ
うことを、声を高くして訴えておかなければいけ
カの真似をする必要があるのかどうか。非常に医
なかったと思います。国はそういうことをすべて
者の不均等分布を増長するようなことをしてし
隠蔽しておいて、日本の医療は高いんだという印
まったということです。ですから日本における大
象を国民に植えつけ、だから削減が必要だと主張
学病院の医局制度は悪いという反面、地域の医療
するわけです。
を支えるような役割もしてきたと思います。今度
イギリスの現状を見ますと、きわめて悲惨な現
の研修医制度が本当に良い医療制度かどうかは、
状になっています。あれはサッチャー首相が医療
10年か20年後でないと評価できないと思います。
費をものすごく削減したからです。ところがGD
今の医療制度はそれまで持ちこたえられるのかど
Pに占める日本の医療費はイギリスの下になって
うか。その前に荒廃してしまうのではないかとい
しまっています。この先日本の医療はどんどん荒
う危機感さえあります。もう少し日本の医療の実
廃していくことは当然予想されることで、先ほど
態を国民に広く知らしめていかないと国はどんど
皆さんからたくさん出てきた勤務医とか医者の犠
ん改悪してしまう。日本にある9千病院の3分の
牲の上に初めてなっているのが今の日本の医療で
1まで減らすことを考えているという話を聞きま
す。ですからこういった実態をもっと国民に正し
した。ところが現実には、そうかなという気さえ
く知らしめていく必要がある。まずそこが本当に
する今の医療制度改悪なんです。これはなんとか
腹立たしく思っております。
阻止していかないといけないので国民の支持を得
うちの病院は療養病床が140床で、この状態で
黙っていくと年間1億5千万の赤字です。これを
何とかするため、一部を一般病床の障害者型の病
ていく方法を考えなければいけないと思います。
○有海会長
日本の医療が世界でGNP比17位になり、また
山形県医師会会報
平均余命は世界1位でなくなりました。日本の医
平成18年10月
第662号
51
○髙橋県病院協議会監事
療は非常に良質なものであると言われ、昔から対
うちの病院の実態を調べると、医療区分3の
外的にも広報はしていますが、それを取り上げる
言っていただくことです。これは一番効果がある
1,
740点から医療区分の一番低い764点と倍以上
の開きがあります。この低い患者さんが30%くら
いいます。その次に低いものを入れますと60%く
らいになります。本当に医療区分の高いのは25%
か30%です。しかもその医療区分の高いところも
のではないかと考えています。私は、今度日本医
非常に制約があり、毎日毎日チェックしないとい
師会の広報委員会に名を出され、いろいろと勉強
けないんです。例えば持続点滴をしてる人は医療
させられておりますが、非常に大事なことだと認
区分3に入りますが、1週間しか認めないと言っ
識しております。今度、東北医師会連合会の広報
ています。それから先は認めない。ものすごい矛
担当理事協議会がありますが、中川常任理事がい
盾だらけです。
マスコミ等がレセプターとしての歪みがあると感
じています。一番大事なことは地元や地域で各先
生方がそういうことを患者さんとの対応の中で
いアイデアをどんどん出して一生懸命やっておら
れます。とにかくマスコミがおかしいんです。医
○座
長
師が悪者にされてしまい、懸命にもがいているわ
まだまだ意見も尽きないと思いますが、予定の
けですが非常に困る。日々の診療でそうではない
時刻になりましたので、本日の協議はこの辺にさ
ということを理解していただくと同時に、信頼感
せていただきたいと思います。先生方には円滑な
をつなぎ味方につけていくことが大事なことでは
進行にご協力をいただきまして厚くお礼申し上げ
ないかと感じています。
ます。活発なご討論をどうもありがとうございま
した。
52
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
地域保健医療委員会
本会地域保健医療委員会は、去る9月6日(水)午
後3時30分より県医師会館大ホールにおいて開
催された。
初めに有海会長より、
「本委員会は地域において
様々な問題を取り上げて地域の方法で解決し、研
究するのが以前からの目的であり、各地区では問
題を発見することが大事で、如何に解決するかを
工夫して、評価をしながら自分達の研究を進める
ことである。
また、過去には減塩運動を実施し研究した経緯
があることから、これを忘れずに今後も努力して
いただきたい。最近の地域医療は各都道府県に委
ねられる傾向があることから地域での保健医療活
動が求められる。地域の医療体制においても開業
医と勤務医が一緒になって確立していくことを念
頭においていただきたい」との挨拶があり、続い
て鈴木委員長の司会で協議が進められた。
主な協議内容は次の通りである。
出席者
会
長
副 会 長
担当理事
委 員 長
副委員長
委
員
有海
栗谷
中條
鈴木
武田
冨田
佐藤
池田
躬行
義樹
明夫、鈴木
伸男
雅身
善彦、大内
紀嗣、小室
英之、佐野
○委員長、副委員長選出
委 員 長 鈴木
副委員長 武田
明朗
伸男
雅身
清則、鈴木
淳、佐藤
隆一
祐子
忠宏
委員
委員
○報
告
1.上山市小、中、高校、児童生徒に対する禁煙
推進教育(上山市医師会)
佐藤委員より、上山市医師会の禁煙推進教育事
業は今年度で3年目になり、昨年度は小・中・高
校の14校の内5校、公共機関では上山市役所、
上山警察署を上山市医師会が担当し、その他は山
形県医師会禁煙推進委員の方々にお願いして禁煙
推進教育を実施した。上山市内の学校禁煙状況は
敷地内全面禁煙8校、校舎内禁煙2校、分煙4校で
ある。全ての学校で禁煙推進教育を実施したいが、
受け入れてもらえない学校もある。今年度は市内
の全ての学校で禁煙推進教育実施を目標にして、
禁煙推進教育のDVDを学校に配布して禁煙推進
教育を指導することとし、公共機関、公共施設に
おいても更に禁煙を目指して活動する旨報告。
2.中学・高校生の脂質等検査 (米沢市医師会)
佐野委員より、米沢市医師会では生活習慣病関連
採血検査を3年継続の予定で実施して、今年が2年
目である。昨年が1年生(現在2年生)同一対象者
を採血した。昨年は同意を得て空腹時に採血だけ実
施したが、最近になり子供のメタボリックシンド
ロームなどと言われることから、今年から血圧とウ
エストの測定を加えている。採血状況では対象者は
280名で250名を目標としていたところ同意取得が
9%の260名で昨年と
96.
8%で、採血できたのが92.
同数の人から採血することが出来た。判定通知は①
特に問題ありません。②軽い異常があります。パン
フレットを参考に生活習慣を見直し、1年後再検査
をしてください。③医療機関を受診してください。
と指示をしている。判定結果では③医療機関を受診
してください。と指示されたのは6名で昨年と同じ
チェック率だった旨報告。
○協 議
1.新たな地域医療活動事業について意見交換を
行い、主な意見は次の通りであった。
・学校敷地禁煙は校長の考え方により左右さ
れる。
・禁煙推進が上手く機能していない。
・敷地内、外を境にして喫煙している。
・上山市での禁煙運動は今が過渡期で徐々に
浸透して行く。
・小児成人病、メタボリックシンドロームに
ついて。
山形県医師会会報
斬9月 1日
斬〃
第15回地域がん登録全国協議会
平成18年度本会会員名簿を各郡
6日
7日
症例の周知について、各郡市地区医師会長宛
通知。
度区分認定のための医師意見書の記入方法及
び医師意見書記載事例について、各郡市地区
斬〃 9・10日 第22回全国医師会共同利用施設
総会が長崎ブリックホールで開催され、有海
医師会長宛通知。
2006及び運動指針2006を各郡市地区医師会
11日
長宛送付。
第1回WMAアジア―大洋州地域
会議が東京・椿山荘で開催され、有海会長出席。
斬〃
松下会計責任者出席。
13日
者に対する支援等について、各郡市地区医師
会長宛通知。
区医師会長宛送付。
斬〃
第28回産業保健活動推進全国会議
喫煙対策に関するアンケートの実
15日
松下副会長、板坂常任理事出席。
斬〃 16・17日 第60回東北医師会連合会総会並
平成18年度「老人の日・老人週間」
びに学術大会がホテル仙台プラザで開催され、
の実施について、各郡市地区医師会長宛通知。
斬〃
斬〃
平成18年度食生活改善普及運動
東北各県医師会医療保険担当理事
連絡協議会がホテル仙台プラザで開催され、
高齢者に対するインフルエンザ予
防接種について、各郡市地区医師会長宛通知。
斬〃
東北各県医師会広報担当理事連絡
会長、三原常任理事出席。
斬〃
施について、各郡市地区医師会長宛通知。
斬〃
16日
協議会がホテル仙台プラザで開催され、有海
が日本医師会館で開催され、松下副会長出席。
斬〃
「新医師確保総合対策」
を各郡市地
斬〃
が日本医師会館で開催され、須藤副会長出席。
14日
飲酒運転の防止について、各郡市
地区医師会長宛通知。
第2回日医定款・諸規程検討委員会
斬〃
斬〃
斬〃
第5回常任理事会を県医師会館で
開催。
高齢者虐待の防止、高齢者の養護
斬〃
川崎二郎厚生労働大臣との懇談会
がホ
テ
ル
メ
ト
ロ
ホ
゚
リ
タ
ン
山形で開催され、有海委員長、
斬〃
健康づくりのための運動基準
斬〃
会長、須藤副会長、板坂・鈴木常任理事出席。
10日
障害者自立支援法に基づく障害程
斬〃
会報編集会議を県医師会館ほかで
開催。
斬〃
医療機関に対するHIV-2感染
斬〃
地域保険医療委員会を県医師会館
で開催。
斬〃
動物捕獲等を目的としたケタミン
医師会長宛通知。
市地区医師会長宛送付。
斬〃
53
の使用者に係る取扱いについて、各郡市地区
総会研究会が県庁で開催され、有海会長出席。
斬〃
第662号
いて、各郡市地区医師会長宛通知。
経理部担当理事会を県医師会館で
開催。
斬〃
平成18年10月
有海会長ほか役員出席。
斬〃
19日
第2回都道府県医師会長協議会が
に対する協力依頼について、各郡市地区医師
日本医師会館で開催され、有海会長、松下副
会長宛通知。
会長出席。
医療連携体制推進事業の実施につ
斬〃
石綿の全面禁止等に係る労働安全
54
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
ヒ
゙
ッ
ク
゙
ウ
イ
ン
ク
゙
で開催。
衛生法施行令等の改正について、各郡市地区
医師会長宛通知。
斬〃
斬〃
AEDの使用方法を含む救急蘇生
法の指針(市民用)のとりまとめについて、
20日
学部で開催され、松下副会長出席。
補助申請に係る事前協議の実施について、各
郡市地区医師会長宛通知。
「禁煙医療のための基礎知識」
〔改
訂版〕購入斡旋について、各郡市地区医師会
斬〃
21日
第2回日医広報委員会が日本医師
会館で開催され、有海会長出席。
斬〃
22日
医師会長宛通知。
斬〃
第33回山形県公衆衛生学会第1回
運営委員会が県立保健医療大学で開催され、
23日
山形県理学療法士会法人設立記念
斬〃
され、有海会長出席。
26日
本方向」について、各郡市地区医師会長宛通知。
画の拡大について、各郡市地区医師会長宛通知。
各郡市地区医師会長宛通知。
27日
について、各郡市地区医師会長宛通知。
一時金の受取代理について、各郡市地区医師
会長宛通知。
山形県医師信用組合理事会が県医
「山形総合発展計画」
概要版を各郡
市地区医師会長宛送付。
斬〃
28日
山形県産業保健セミナーを山形
患者一部負担金等関係ポスターの
斬〃
師会館で開催され、有海会長ほか役員出席。
斬〃
出産育児一時金及び家族出産育児
斬〃
第7回全理事会を県医師会館ほか
で開催。
斬〃
「療養病床アンケート調査」
の実施
斬〃
され、有海会長出席。
斬〃
間及び臓器移植推進国民大会の実施について、
第662回幹事会が支払基金で開催
斬〃
平成18年度臓器移植普及推進月
斬〃
糖尿病対策打合せ会を県医師会館
で開催。
政策・方針決定過程への女性の参
斬〃
松下副会長、武田常任理事出席。
斬〃
海上保安庁への個人情報の提供に
ついて、各郡市地区医師会長宛通知。
公立置賜総合病院勤務医との懇談
会が公立置賜総合病院で開催され、有海会長、
「本県における医療提供体制の基
斬〃
式典並びに祝賀会がホテルキャッスルで開催
斬〃
「特区、規制改革・民間開放集中受
付月間」について、各郡市地区医師会長宛通知。
中條常任理事出席。
斬〃
定期の予防接種における日本脳炎
ワクチン接種の取扱いについて、各郡市地区
長宛通知。
斬〃
次世代育成支援対策交付金の国庫
斬〃
原田理事出席。
斬〃
文部科学大臣感謝状伝達式並びに
第31回山形大学医学部慰霊祭が山形大学医
山形県医療機関厚生年金基金理事
会・代議員会がホ
テ
ル
メ
ト
ロ
ホ
゚
リ
タ
ン
山形で開催され、
第51回山形県国保地域医療学会
がオーヌマホテルで開催され、有海会長出席。
斬〃
各郡市地区医師会長宛通知。
斬〃
29日
配布について、各郡市地区医師会長宛通知。
斬〃
30日
東北各県医師会長会議が仙台ホテ
ルで開催され、有海会長出席。
山形県医師会会報
平成18年10月
第662号
55
会 員 異 動
9月30日現在会員数 1,
701名
A会員 729名
○ 入
月
日
9.1
〃
〃
〃
○ 異
月
日
9.1
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
9.9
○ 退
月
日
8.
31
9.
30
〃
〃
B会員 891名
C会員 2名
準会員 79名
会
郡市地区医師会
山
形
市
山
形
市
山
形
市
鶴 岡 地 区
会員区分
B
B
準
B
氏
盛
田
土
伊
名
田
中
原
藤
眞
靖
一
茂
樹
久
生
彦
旧勤務地
宮城県
宮城県
東京都
東京都
動
郡市地区医師会
山
形
市
山
形
市
寒河江市西村山郡
鶴 岡 地 区
鶴 岡 地 区
鶴 岡 地 区
米
沢
市
米
沢
市
山
形
市
会員区分
B→A
B
準
A→B
A
B
A→B
B→A
準
氏
名
渡 部
三 宅
豊 田
山 内
伊 藤
須 田
遠 藤
大道寺
荒 井
郁 夫
公 人
健太郎
頼 明
克 彦
克 幸
健 次
浩 一
崇 彦
会員区分
B
準
準
B
氏
名
宮
石
久
斎
備
考
新規開業
施設異動
医師会異動
会員区分変更
法人化
開業予定
会員区分変更
〃
医師会異動
会
郡市地区医師会
天童市東村山郡
寒河江市西村山郡
寒河江市西村山郡
米
沢
市
津
川
下
藤
有
淳
清
之
史
勝
備
考(移転先)
福島県
新潟県
鶴岡市
福島県
山形県医師会会報
編
集
後
平成18年10月
第662号
59
記
先日、日医のI
T化推進検討委員会に出席してき
ました。議題は「EHRについて」で、J
AHI
S特
別委員長谷川氏の講演を聴講し、その後意見交換
捉えた国家プロジェクトという視点でみれば、当
然のことなのかも知れません。
なお、日本でいわれる電子カルテは、海外では
(El
EMR
ect
r
oni
cMedi
calRecor
d)と呼ばれ、EHR
を行いました。
EHR(
El
ect
r
oni
cHeal
t
hRecor
d)、多くの会員
とは別概念です。EMRは、あくまで院内電子カル
にとって耳慣れない言葉かと思いますが、現在、
テなどとして医療機関内で患者の診療情報を細か
欧米を中心に30数カ国で、数千億~数兆円という
く共有するシステムですが、EHRでは、項目が決
莫大な予算をつぎ込んで進められている医療I
T
められた「サマリーデータ」を医療機関のみなら
化の国家的プロジェクトです。EHRは、ネット
ず多くの組織で共有することを前提としています。
ワークを介して患者の健康情報(ヘルス情報レ
委員会では、HERは医療費の抑制を目指したも
コード、診療サマリーとも呼ばれる)を医療機関、
の、管理医療につながる、産業の中の医療はあっ
検査機関、支払者(保険者)
、
官、
地域コミュニティ、
てはならない、などとして懐疑的な意見が多く聞
薬関連の企業などが、利害関係・価値観を超えて
かれました。一方で、このような方向性はどんな
共有し、患者のために有効に活用しようという構
に医療側が反対しようと、遅いか早いかは別とし
想です。すなわち、EHRは、日本で一般的に考え
て現実には流れは変わらない。したがって、われ
られているような電子カルテの普及といった医療
われがやるべきことはその流れを医療の現場の立
現場レベルのI
T化構想ではなく、医療に関連する
場から、どのように良い方向へ導くかである、と
多くの業界を巻き込んだ、医療を産業として捉え
の前向きな発言もありました。
た国家的プロジェクトであるという点を理解して
すでにわが国でも、水面下では日本版EHRを目
おく必要があります。そこには、患者のためとい
指して動いています。われわれは、EHRのもつ意
いつつ、システム開発業者、保険会社、保険者、
味について十分に理解し、わが国においてあるべ
医療費抑制を進めたい国や自治体などの思惑が見
きEHRについて考えておく必要があります。
(三原一郎)
え隠れしていますが、それも、医療を産業として
発
平成18年10月5日 印刷
平成18年10月10日 発行
山形県医師会会報
行
者
編集委員
〃
第662号
¥ 525
本会会誌の誌代525円は、山形県医師
〃
〃
発
有
栗
佐
三
中
行
海
谷
藤
原
條
所
社団法人
行
樹
司
郎
夫
山形県医師会
2432 山形市荒楯町一丁目8番9号
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泰
一
明
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山形市本町一丁目7番50号
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