ATTO Technical Manual が コレ int! Poin 化学発光(ケミルミ)検出のコツ ウエスタンブロッティング編 ATTO Corporation ATTO Corporation (OSAKA) 1-25-23 Hongo Bunkyo-ku Tokyo 〒113-8425 2-1-7 Minamimorimachi Kita-ku Osaka-city 〒530-0054 TEL 03-3814-4861 FAX 03-3814-4868 URL http://www.atto.co.jp/ TEL 06-6365-7121 FAX 06-6365-7125 page 1 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD 目次 目次 page 3 はじめに 電気泳動 page 4∼7 ウエスタンブロッティング page 8∼9 ブロッキング page10∼11 抗原抗体反応 page12∼13 発光基質添加と発光検出 page14∼15 発光パターンの撮影 page16∼17 トラブルシューティング page18∼19 Tips for Westeern blotting page20∼23 この資料の読み方 この資料の読み方 本資料は、 左ペ ー ジに基本的な 「実験方法の手順」 を記し、 右ペ ー ジに関連の特記事項、 注意事項などの 「実験上のポイント」 を記載しています。 左右のページを参照しながならお読みください。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD 実験手順 ポイント page 2 「ウエスタンブロッティング法」は、タンパク質試料を電気泳動後、メンブレンにブロッティン グ(転写)し、特異的な抗体を用いて目的のタンパク質を特異的に検出する方法です。ブロッティン グ後、目的タンパク質に特異的な 1 次抗体を反応、続いて酵素で標識した 2 次抗体を反応させ、発 色、または発光にて検出します。ウエスタンブロッティング法は抗体による特異的検出と発光検出 法を組み合わせて、目的のバンドだけ ※注1 を高感度に検出できるため広く利用されています。 ウエスタンブロッティングは、全ての実験(電気泳動・転写・ブロッキング・抗原抗体反応・発 光検出)がうまくいって初めて良い結果が得られます。しかし、実際にはさまざまなトラブルが原 因で、綺麗なパターンデータが出ず悩んでいる方も多いと思います。これらの実験データを見てみ ると、以下のようなことが言えます。 はじめに はじめに ■バンドの検出状態として ●目的のバンドが薄く、 確認ができない。 ●バックグラウンドが高かったり、 ムラなどにより目的バンドの確認ができない。 ●綺麗なバンドパターンが得られない。 ■発光パターンの取り込み方法の問題として ●X線フィルムでは露光具合の調整が難しい。 ●X線フィルムはデータの読み込みや解析が難しい。 ■その他の状況として ●特異性の低い抗体を使用しているので、 バンドの分子量を推定したい。 ●バンドの濃淡の定量がうまく出来ない。 上記のような問題点を克服していくには、細かいテクニックや工夫が必要となります。また、今 までと違う実験・検出方法を行うことで解決できる場合もあります。ここでは、検出にケミルミ ネッセンス撮影装置「AE-6971/2 型 ライトキャプチャー」を使用することとし、泳動∼抗体検出 などの実験方法における細かい注意点などをまとめています。これらの記載内容は、X線フィルム での検出、他社ケミルミ撮影装置にも応用できる内容となりますのでご参考になれば幸いです。 1 . 電気泳動(SDS-PAGE) 2 . ウエスタンブロッティング (Western Blotting) 3 . ブロッキング (Blocking) 4 . 抗原抗体反応 5 . 発光基質添加と発光検出 (Chemiluminescence Detection) 6 . 発光パターンの撮影 7 . トラブルシューティング ※注 1:モノクローナル抗体を用いた場合。ポリクローナル 抗体では複数のバンドが検出されることがあります。 page 3 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■1. SDS-PAGE 実験手順 1. ①サンプルの調製 ●電気泳動したいサンプルを抽出し精製します。 ●泳動用サンプルは脱塩をしっかりしておきます。 ●SDS処理で、 タンパク質を分子量による分離が可能になるよう変性させます。 (③泳動用サンプルの調製 /AE-1430 型 Ez Apply の利用など) SDS-PAGE ②ゲル ・ バッファーの調製 □SDS−PAGE用のバッファー調製 品あ 市販 り! 下記の組成を参考に調製してください。組成を間違えないようご注意ください。 種類 組成 保存 SDS-PAGE 泳動用バッファー 25mM トリス、192mM グリシン、0.1%(w/v)SDS 室温 ⇒便利な AE-1410 Ez Run (SDS-PAGE 用泳動バッファー : ¥4,800)もご利用ください。 □電気泳動用ゲルの作製 自作ゲルは、ゲル作製保存液を準備します(下表ゲル作製保存液A∼D) 。保存液A∼Cは4℃で 約1ヶ月保存可能です。ゲル溶液組成表を参考に、ビーカーなどに保存液を分注してください。組 上げたゲルプレートにゲル溶液を注ぎ作製します。ゲルは分離ゲル(固化)→濃縮ゲル(固化)の順に 作製します。作製したゲルは2,3日中に使用してください。 種類 組成 ゲル作製保存液 A 30%アクリルアミド溶液 ゲル作製保存液 B ゲル作製保存液 C ゲル作製保存液 D 29.2%(w/v)アクリルアミド、0.8%(w/v)ビスアクリルアミド 冷蔵 保存 1.5M Tris-HCl(pH8.8)、0.4%(w/v)SDS 0.5M Tris-HCl(pH6.8)、0.4%(w/v)SDS 10%ペルオキソ二硫酸アンモニウム 冷蔵 冷蔵 要時調製 コウム ゲル溶液組成(1mm厚プレート2枚分) ゲルの種類・濃度 A 溶液(ml) B 溶液(ml) C 溶液(ml) D 溶液(ml) TEMED(ml) 蒸留水(ml) 濃縮ゲル 分離ゲル 5% 3 4.5 0 0.07 0.01 10.5 7.5% 4.5 4.5 0 0.07 0.01 9 10% 6 4.5 0 0.07 0.01 7.5 12.5% 7.5 4.5 0 0.07 0.01 6 15% 9 4.5 0 0.07 0.01 4.5 20% 12 4.5 0 0.07 0.01 1.5 4.5% 0.9 0 1.5 0.018 0.01 3.6 ミニゲル2枚作製時の各溶液使用量 濃縮ゲル スペーサー 分離ゲル シー ル ガス ケ ット プレート ⇒便利なプレキャストゲル (e-PAGEL : ¥13,800/c-PAGEL:¥17,000 ∼ ¥19,000)もご利用ください。 ■スマイリングの防止について スマイリン グはゲル の出来に 関係しま す。特に、プレー トとスペ ーサーの 間に薄い ゲルの膜 が出来る と、泳動中 に電気が 横方向に リークし 、末広がり のパター ンになる こと が あ り ま す。 自作でゲ ルを作製 した場合 、スペーサ ーの下端 にもゲル が出来ま す。泳動先端 がここま で到達す ると、電気は扇 状に広が って流れ ているの で泳動パ ターン下 端がスマ イ リン グ を 起こ し ま す。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 4 注意!!プレートとスペーサーの間 に薄いゲルの膜ができると泳動パ ターンが末広がりになります。 ク リップでしっかり抑えましょう。 注意!!泳動時間が長いと、 先端が ゲルの端から扇状に広がります。 品あ 市販 り! ■1. SDS-PAGE のポイント point →凍結融解 ・ 温度 ・ 抽出条件 ・ 精製など タン パ ク質 の 分 解や 糖 鎖 の分 解 は バン ド の 分離 を 低 下さ せ る 形で 電 気 泳動 パ タ ーン に 影 響し ま す 。また そ の結 果 、検 出後 の 計測 が 困 難と な り ます 。サン プ ルの 抽 出 方法 、保存 方 法な ど に より タ ン パク 質 の 分解 、変性 が 起こ る こ とが あ る為 、これ ら を最 小 限 に留 め る 事を 考 慮 した 実 験 方法 を ご 検討 く だ さい 。抽出 サ ンプ ル の 脱塩 や 精 製が 不 十 分な 場 合 もパ タ ー ンが 汚 く なる 原 因 とな り ま す 。遠心 ろ 過 など に よ る不 純 物 の除 去 な ど もご 検 討 くだ さ い 。 ②ゲル ・ バッファーの調製 ■ポリアクリルアミドゲルの濃度について 基本 的 に、ゲル の 濃度 が 高 いほ う が バン ド が シャ ー プ にな り ま す。実際 に 電気 泳 動 を行 い 、目的 の バン ド 近 辺が 十 分 に分 離さ れるゲ ル 濃 度 と 泳 動 条 件 にす るこ とが 重 要で す。まず は予 備実 験 で、綺麗 なパ ター ン が出 るゲ ル濃 度 を選 択 する こ と を お勧 め し ま す。 グラデ ィエン トゲル は、再現性 の良い プレキ ャスト ゲル( A TT O 「e -P A G EL 」など) のご使 用をお 勧め します 。(プレ キャ スト ゲ ル を使 用 す る場 合 、プレ ス テ イン 分 子 量マ ー カ ーは パ タ ーン が 乱 れる こ と が あり ま す 。) 再現性のある実験を行うために(製品紹介) 市販 り! 品あ ⇒ AE-1430 Ez Apply(イージーアプライ)¥6,800 SDS-PAGE のサンプル調製(SDS 処理)を確実に行うた めに。タンパク 質のジスルフィド結合 を効果的に還元する事 のできる DTT(ジチオス レイ トー ル) を使 用す る サン プ ル調 整 用バ ッ ファ ー です 。 ⇒ AE-1410 Ez Run(イージーラン)10L 用 ¥4,800 SD S-P AG E 用の電 気泳動 バッフ ァー。蒸留水 に溶解 して 1 0L にす れ ば、25mM トリス、190mM グリシン、0.1%SDS の SDS-PAGE 用の電気泳 動陽 バ ッ ファ ー に なり ま す 。 ⇒AE-1440/-2 Ez Standard(イージースタンダード) ¥9,800/¥19,000 SDS-PAGE 用の分子量 マーカー。 ⇒プレキャストゲル 「e-PAGEL(R)」 ¥13,800/10枚 アト ーミ ニ スラ ブ ( R ) 用プ レ キャ ス トゲ ル 。ゲル サ イズ 90 × 80m m、1m m 厚のポリアク リルアミド ゲル。 < 対応製品 型式 AE-6530/6531/6500(6400/6450/6520)> ⇒プレキャストゲル 「c-PAGEL(R)」 均一ゲル¥17,000/10枚 濃度勾配ゲル ¥19,000/10 枚 アト ー コン パ ク トス ラ ブ 用プ レ キ ャス ト ゲ ル。ゲル サ イズ 60 × 60mm、0.75mm 厚のポリア クリルア ミドゲル。 < 対応製品型式 AE-7300/7341/7340> 1.電気泳動における注意点 ①サンプル調製 左から「Ez Standard」「Ez Apply」「Ez Run」 ※ e-PAGEL/c-PAGEL には 2 次元電気 泳動用もあります。 ゲルには SDS を含みませんが、泳動 バッファーに S DS を 0. 1% 加えれば Laemmli 法として使用可能です。 ゲル濃度 7.5 10 12.5 15 5∼20 10∼20 ミニスラブ コンパクト 18検体用 14検体用 12検体用 E-R7.5L E-R10L E-R12.5L E-R15L E-R520L E-R1020L E-T7.5L E-T10L E-T12.5L E-T15L E-T520L E-T1020L C7.5L C10L C12.5L C15L C520L - 分画分子量範囲 40∼500kDa 25∼300kDa 14∼200kDa 6∼150kDa 12∼500kDa 10∼500kDa ⇒ AE-6530 ラピダス ・ ミニスラブ(R)電気泳動槽 ¥42,000 アトー の代表 的な電 気泳動 装置で す。上記「e- PAGE L」 のほ か 、自作 ゲ ルで も ご使 用 いた だ け ます 。自作 ゲ ル には AE-6401 ミニスラブゲル作製キット(¥14,000)をご 使用 く だ さ い。 (左)AE-6530 ラピダス・ミニスラブ電気泳動槽 (右)AE-6401 ミニスラブゲル作製キット ⇒ AE-7350 コンパクト PAGE ¥68,000 ⇒ AE-7341 コンパクト PAGE ・ ツイン ¥98,000 電源を搭載したコンパクトスラブ電気泳動装置です。上 記「c-PAGEL」のほか、自作ゲルでもご使用いただけます。 c-PAGEL とセットの AE-7341A-H(10 枚付)などもあります。 (左)AE-7350 コンパクト PAGE page 5 (右)AE-7341 コンパクト PAGE・ツイン ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■1. SDS-PAGE 実験手順 1. ③泳動用サンプルの調製・泳動準備 ●SDS処理により、 サンプルを泳動用に調製します。 ●処理液は出来るだけ新しいものを使用してください。 品あ 市販 り! ⇒便利なAE-1430 Ez Apply(SDS-PAGE用サンプル調製バッファー:¥6,800) もご利用ください。 種類 組成 SDS処理液 SDS-PAGE 0.5M トリス-HCl(pH6.8)、1%(w/v)SDS 20%(v/v)グリセリン、1%(v/v)2-メルカプトエタノール ●泳動槽に泳動バッファーを注ぎ、 作製したゲルまたは既製ゲルを泳動槽にセットします。 ●上部バッファーを注ぎます。 (写真はAE-6530型ミニスラブ電気泳動槽) ●AE-6400/6530などは、 下部槽を傾けて上部槽を入れると、 ゲルの下部に気泡が入りにくくなります。 ④サンプルアプライ ●ウエルの気泡はピペットを使いバッファーで取り除きます。 ●サンプル溶液を、 ゲルのウエルに静かにアプライします。 ●サンプル容量は均一にします(ウエル毎の電流量を揃える)。 ⑤電気泳動 ●泳動槽の蓋を閉めます。 ●電極リード線を装着し、 電源装置に接続します。 ●泳動槽に適した時間/電流/電圧を設定し電気泳動を行います。 (通常ゲル 1 枚 /20-30mA 定電流の条件でスタート時の電圧は 80-120V 程度:AE-6530 型) ●電気泳動を開始したら、 ブロッティング、 ブロッキング、 抗体反応などの準備を行います。 ← ← ← 泳動中の BPBの位置。左から開始直後、約 20分後、終了直前。 ⑥電気泳動終了 ●電気泳動終了後、 ゲルをプレートから外しブロッティングB溶液に浸しておきます。 ゲルは15分以上ブロッティングB溶液に浸さないでください(ゲルの大きさが変わる事がある為)。 ↓ ウエスタンブロッティングへ ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 6 ■1. SDS-PAGE のポイント 品あ 市販 ●有 色 マ ーカ ー は 、既製 ゲ ル では 泳 動 パタ ー ン が乱 れ る こと が あ るた め 、ご注 意 く ださ い 。 り! ⇒便利な AE-1450 EzStandatd PrestainBlue (有色分子量マーカー : ¥14,000) もご利用ください。 ●発 光 検 出で 分 子 量マ ー カ ーを 一 緒 に光 ら せ る場 合 は 、ビオ チ ン 標識 分 子 量マ ー カ ーな ど を 使用 し ま す。 販売元 名称 宝酒造㈱ 東洋紡㈱ Perfect Protein HRP Cruz Marker Western Blot Kit アマシャムバイオサイエンス㈱ ECL protein molecular weight markers with HRP-streptavidin 日本バイオラッドラボラトリーズ㈱ ビオチン標識SDS-PAGEスタン ダードHRPキット(Low/High/Broad) コード 梱包 価格 NV467 25blots 21,000円 RPN2280 25回用 18,000円 分子量 150/100/75/50/35/ 132/90/55/43/34/23k 97.4/68/46/31/20.1/14.4kDa 25/15kDa Da 161-0307/0312/0321 アビジン-HRP 2ml 22,000円(Low/High) 33,000円(Broad) Low97.4/66/45/31/21.5/14.5kDa High200/116/97.4/66/45kDa Broad200/116/97.4/66/45/31/21. 5/14.5/6.5kDa アビジン-HRP 2次抗体 S-Protein HRP conjugate SASC-2035 50回用 17,000円 Cruz Marker対応2次抗 HRP-streptavidin 体 詳細は各メーカーまで お問い合わせください。 ●ライ ト キ ャプ チ ャ ーを 使 用 すれ ば 有 色マ ー カ ーの バ ン ドを 使 っ た分 子 量 計測 が 可 能で す 。 (pa ge1 3 を参照くださ い。) ④サンプルアプライ ●サン プ ル をピ ペ ッ トで 注 入 する と き は 静か に ゆ っく り 行 いま す。 ●検 出時 のバ ンド の濃 さは 、サン プル 溶液 の濃 度が 同じ 場 合で 比較 する と、濃縮 率(サ ンプ ルウ エル 中の 試料 溶 液 の 深 さと 、泳動・分離 し たと き の バン ド の 厚み の 比 )が大 き いほ ど 高 くな り ま す。(下 図 参照 く だ さい ) ウエ ル幅 5mm ウエ ル幅 3mm 1.5mm 5mm 3mm 1.5mm アプライ量が同じ場合 ウエル幅が狭いほうがバンド が濃く検出されます。 サンプル溶液の深さが同じ場合 ウエル幅が違っても、バンドの 1.電気泳動における注意点 ■サンプルの準備 濃さは同じくらいになります。 ■電気泳動条件にについて ●一般的なミニゲ ルの SDS-PAGE では、ゲル 1 枚に 30-20mA 定電流で 60-90 分泳動します。 ●分 離 パ ター ン は 泳動 時 の 電 流・電圧・温度 な ど によ っ て 変化 し ま す 。 ●泳 動 用 バッ フ ァ ーや ゲ ル の作 製 ロ ット が 異 なる と 微 妙に 変 化 する こ と があ り ま す。 ●各 サン プル に適 正な 泳動 条 件は 、ゲル の濃 度も 含め てそ れぞ れ の実 験系 で異 なる ので 、予備 実験 で確 立す るこ と が 重 要 で す。 ●大 電流・高電 圧、長時 間泳 動な どに より 、バッ ファ ーの 加熱 、部分 的な バッ ファ ーの 電気 分 解な どが 原因 とな っ て 泳動 パタ ーン が乱 れる こ とが あり ます 。バッ ファ ーを 恒温 循環 する こ とで 、発熱 や分 解に よる 影響 を緩 和 する こと が可能 です 。(→参 考:アトー A E- 6 5 10 型レゾ ルマッ クス 2 連ミニ スラブ 電気泳 動槽) ●試 料 溶 液中 に 含 まれ る 目 的タ ン パ ク 質の 量 が 少な い 場 合、サン プ ル 添加 量 が 同じ な ら 、 ①ウエ ル幅( レー ン幅) を細く する ②ゆっ くり 泳動 する(ミニゲ ルは 2 0 mA / 枚) 等の 方法で 、泳動後 のバン ドシャ ープに 濃く検 出でき るよ うにな ります(バン ド中の タンパ ク質の 密度が 上がり 、 単位 体積あ たりの タンパ ク質量 が増え る為 )。バンド は細く 狭くな ります が、検出感 度を上 げやす くなり ます。ス ラブゲ ルなら ミニスラ ブへ、ミニスラ ブなら コンパク ト PA GE へとゲル サイズを 小さくし て泳動 槽を変え ることで も 効 果 があ り ま す。 ⇒ AE-6531 パジェラン(R) ¥78,000 電源を搭載し たミニスラブ 電気泳動装 置です。プレキャスト ゲル 「e- PAGE L」のほか、自作ゲル でもご使 用いただ けます。自作ゲル に は AE-6401 ミニスラブゲル 作製キット(¥16,000)をご使用くだ さい。 AE-6531 パジェラン ⇒ AE-8135 マイパワーⅡ 300 ¥79,000 電気泳動 用の電源 装置です 。これ一台 で、SDS-P AGE、セミドラ イブ ロッテ ィング などが 可能で す。A E- 65 30 ラピダ ス・ミニス ラブ電 気 泳動槽や A E- 66 87 ホライズ ブロッ トなどに 最適で す。 AE-8135 マイパワーⅡ 300 page 7 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■2. ウエスタンブロッティング実験手順 2.ウエスタンブロッティング ①電気泳 動中に ブロッ ティン グの準 備 ■ブロッ ティン グ試薬 の調製 下表を参考にセミドライブロッティング溶液を3種類を調製します。p H 調整は必要はありません。 ※メタノール濃度はセミドライブロッティングに合わせて5%の濃度にしています。(タンク式では 2 0 % 程度) ミニゲル2枚をブロッティングするのにA∼C溶液をそれぞれ 1 00 mL 調製します。 種類 組成 保存 ブロッティング溶液 A ブロッティング溶液 B ブロッティング溶液 C 300mM トリス、5%(v/v)メタノール pH調製不要 25mM トリス、5%(v/v)メタノール pH調製不要 25mM トリス、5%(v/v)メタノール、 40mM 6-アミノカプロン酸(6-アミノヘキサン酸) pH調製不要 室温 室温 室温 試薬を秤り、 蒸留水に溶解しメタノールを 5%になるよう加えます。 (A, B, C溶液) 市販 品あ り! 試薬調製が楽な AE-1460 EzBlot(イージーブ ロット ¥12,000) もご利用ください。 ■ブロッ ティン グメン ブレン 等の準 備 メンブレンとろ紙はゲルと同じ大きさのものを用意する※注か、ゲルと同じ大きさに切ります(許容サイズ± 5 mm 以 下)。メンブレン(PVDF 膜)は 100 % メタノールに浸漬後、ブロッティングB液に振とうしながら 1 時間インキュベー ションします。ろ紙は、A 溶液:2 枚、B 溶液:1 枚、C 溶液:3 枚浸しておきます。 ※注 : アトーのスラブ/ ミニスラブ/ コンパクト PAGE には、 ゲルと同じサイズのメンブレン、 ろ紙が用意されています。 ろ紙6枚 ゲル PVDF膜 サイズピッタリ 大きいサイズ ろ紙が大きいと端のレーンが流れてしまうことがあり ます。 ろ紙、 PVDF 膜はゲルと同じ大きさに! ②電気泳動終了→ゲルの取り出し 泳動 終了 した ゲル をプ レー トか ら外 し、B 溶液 を入 れた バッ トに 浸漬 しま す。ゲル の大 きさ が変 わる 事が ある た め、1 5 分未満 にしてく ださ い。 ③ろ紙、メンブレン、ゲルの積層 右図のよ うにろ 紙、メンブレ ン、ゲルを重 ねます 。全て重ね たら、グ ローブを はめた 手で全 体を押 しつぶ すよう に均等 に抑え ます。気泡が 抜け 、密着 度 が 上が り ま す。 2枚 を 一 度 に ブ ロ ッ テ ィ ン グ す る に は 同 じ セ ッ ト を 並 べ て 通 電 しま す。電極 板 が 小さ い 場 合は 余 分 な部 分 を 切り 取 り ます 。 陰極板 ろ紙3枚 B溶液 ゲル、 膜、 ろ紙 A溶液 ④ブロッティング 陽極板 ●条件:ゲル 1cm 2 あたり 2mA で 30 ∼ 60 分通電します。 ●通 常、3液系 のセ ミド ライ ブロ ッテ ィング 溶液 を使 用し て 1 5 ∼ 3 0 V の電圧 がか かり ます。 ⑤ブロッティング終了→メンブレン取り出し ↓ ブロッキングへ ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD C溶液 page 8 ろ紙2枚 ■2. ウエスタンブロッティングのポイント ●ブ ロッ ティ ング 方法 には タ ンク(ウ エッ ト)式、セミ ドラ イ式 の2 種類 があ り 、最適 なバ ッフ ァー 組成 が異 な り ます 。熱発 生量 が少 なく 、実験 時間 が短 い、バッ ファ ー量 が少 ない セミ ド ライ 式が 主流 にな りつ つあ り ます 。分子 量の 大き い タン パク 質 や塩 基 性の タン パ ク質 に はタ ンク( ウエ ット) 式が 使用 され ます 。 ■メンブレンの選択 ●メ ン ブ レン の 材 質に は ニ トロ セ ル ロー ス 、PV D Fが一 般 的 に使 用 さ れま す 。 ●PV DF メン ブレ ンは タン パク 質の 吸着 能が 高く、高感 度検 出に 向い てい ます 。適正 なブ ロッ キ ング 、抗体 反応 を 行 え ば高 感 度 発光 基 質 を使 用 し て もバ ッ ク グラ ウ ン ドを 低 く 抑 える こ と が可 能 で す。 ●ア ト ー「ク リ ア ブロ ッ ト・P膜 」は材 質 に PV D F を使 用 し てい ま す 。 ■ブロッティング効率を上げる方法 ●ブ ロ ッ ティ ン グ 効率 を 上 げる こ と で検 出 感 度を 向 上 でき ま す 。 ●タン パ ク 質の 保 持 能力 の 大 きい P V D Fメ ン ブ レン を 使 用しま す 。 ●セミ ドラ イ式 ブロ ッテ ィン グで は 、ブロ ッテ ィン グ溶 液の メタ ノー ル 濃度 を5 %程 度に しま す。セミ ドラ イ式 で メタ ノ ール 濃 度を 高 くす る と転 写 効 率が 悪 くな り ます( 脱水 作 用で ゲ ルが 縮 む為 と 考え ら れま す )。 ●セミド ライ式 では 、3種類 のブロ ッテ ィング 溶液 を使用( 8 ページ 参照)をお勧 めしま す。トリス/ グリシ ン系の ブロ ッ テ ィン グ 溶 液よ り 転 写 効率 が よ くな り ま す。 り! 品あ 市販 ⇒おすすめ AE-1460 「EzBlot(イージーブロット)」 ¥12,000 (参考:トリス系の ブロッテ ィング溶 液 100 mM トリス ,192 mM グリシン ,5 % メタノール) ●な る べ く小 さ い ゲル を 使 用し ま す 。転写 面 積 が小 さ い ほう が 均 一に 転 写 され ム ラ にな り く く なり ま す 。 ⇒おすすめ AE-7300、 AE-7341 「コンパクト PAGE シリーズ」 レが ! tt! Po in ●メ ン ブ レン の 密 着度 を 上 げま す 。以下 は セ ミド ラ イ ブロ ッ テ ィン グ の コツ で す 。 コ セミ ド ライ の 場合 、ろ紙 、メン ブ レン 、ゲル を 積層 し 終わ っ た ら、 グロ ー ブを 着 用 した 手 の ひら で 全 体を 押 しつ ぶす よ う に圧 着 し ます。気泡 が 抜 け、密着 度 が 上が り 転 写 効率 が 向 上し ま す 。 がP コレ t! o in 3 2 1 5 4 押さえる位置は5箇所が基本です。 番号順に手のひらで押してください。 ピペットでころころすると、ムラに なりやすいのでお勧めできません。 押しつぶしあり 押しつぶしあり なし (転写ムラ) ●メ ン ブ レン を ピ ンセ ッ ト で 取り 扱 う 場合 に は 先端 が 平 ら なも の を 使用 し ま す。 メン ブレ ンに 傷が つく と、そこ に抗 体が 非特 異的 に吸 着し 、部分 的に 強く 光る こ とが あ り ま す。 ●メ ンブ レン を取 り扱 うと きは ピン セッ トま たは グロ ーブ をは めた 手で 行っ てく ださ い 。検出 時 に メン ブ レ ンに 汚 れ と して 出 て しま う こ と があ り ま す。 2.ウエスタンブロッティングにおける注意点 ■2種類のブロッティング方法 なし (気泡) 素手( 指) で触ってしまった跡 ■転写したら ●転 写 終 了し た メ ンブ レ ン は直 ち に 検出 バ ッ ファ ー な どに 浸 し 、絶対 に 乾 燥さ せ な いでく だ さ い。 ●ブロ ッティ ング したメ ンブ レンを 保存す る場 合 T B S (界面 活性剤 なし )にメン ブレン を浸 し、乾燥さ せない よう に 静置し ます。一般的 には、一晩程 度は保 存で きると されて いま す。なるべ く翌日 には ブロッ キング 以降 の実 験を 行っ てく だ さ い。保存 期 間 が長 く な ると 検 出 感 度が 低 下 しま す 。 page 9 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■3. ブロッキング実験手順 3.ブロッキング ①ブロッキング準備:試薬調製 ■ブロッキング∼抗体反応の試薬調製 ●TBS−Tの調製 TBS-T ※ : 25mM トリス-HClpH7.4、 0.15M NaCl、 0.1%(v/v)Tween-20 T BS -T は全て の反応 溶液の 元に なりま す。組成を 間違え ないこ と、p H を正確 に測る こと等 基本的 なこ とが重 要に なり ま す。室温 で 保 存で き ま すが 、なる べ く 新し い も のを 使 用 して く だ さ い。 り! ※:AE-1480 EzWash(イージーウォッシュ)¥6,800 調製済みTBS溶液(10倍濃縮液)。Tween-20を加えて使用ください。 品あ 市販 ●ブロッキング溶液の調製 コレ Block soln.:0.3%スキムミルク/TBS-T ! o in t がP スキムミ ルク 0.3 g を 10 0m l の TB S- T で完全に 溶解しま す。電子レン ジや湯 せんで 暖める と完全 に溶解で きます 。 スキムミ ルクは 文献等 では 3 ∼ 5% の濃度 で記載 されて いるこ とがほ とんど ですが 、検出感 度を低 下させ たり、バッ クの ムラ の原 因と なる こと があ りま す。特に タン パク 質量 の少 な いバ ンド はブ ロッ キン グ 用の タン パク 質が 多い と 検出 でき な くな る こと があ り ます( 右ペ ージ オ ーバ ー ブロ ッ キン グ 参照 )。 種類 組成 保存 TBS-T 25mM トリス-HCl(pH7.4)、0.15M NaCl、0.1%(v/v)Tween-20 室温 TBS 25mM トリス-HCl(pH7.4)、0.15M NaCl、 室温 ブロッキング溶液 0.3%スキムミルク、25mM トリス-HCl(pH7.4)、0.15M NaCl、0.1%(v/v)Tween-20 室温 ⇒AE-1480 EzWash(イージーウォッシュ)¥6,800 調製済みTBS溶液(10倍濃縮液)。Tween-20を加えて使用ください。 ⇒AE-1470 EzBlock(イージーブロック)¥5,800 非タンパク質系ブロッキング剤非特異検出を抑えます。 市販 品あ り! ●ブロッティング終了→メンブレンの取り出し ↓ ! oiinnt ※注 !:以下 の 行 程で 、振と う 機 はシ ー ソ ー 型、 また は 水 平振 と う 型を 使 用 しま す。 がP コレ ②メンブレンの洗浄 ●TBS-Tを入れたバットにメンブレンを浸し、 2分間洗浄します。 ③ブロッキング溶液への浸漬 が コレ int! Poin シーソーシェーカー 価格 ¥98,000 ●TBS-Tとブロッキング溶液(0.3%スキムミルク/TBS-T) を液交換します。 ④ブロッキング ●ブロッキング溶液(0.3%スキムミルク/TBS-T) で室温にて60分間インキュベーションします。 ゆっくり振とうします。 (オーバーナイトでブロッキングを行う場合は4℃で行います。 ) ⑤ 60 分経過、ブロッキング終了 ↓ 抗原抗体反応へ進む(page12へ) (すぐに検出しないメンブレンは、 Tween-20の入っていないTBSに浸漬し、 4℃で保存します。 ) ※保存時間が長くなると、その分感度が低下します。目的タンパク質が低濃度であると予想される場 合は間をおかず、 すぐに検出してください。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 10 ■3. ブロッキングのポイント ●ブロ ッキン グとは 、メンブ レン上 のバン ド以 外の余 白部分 に抗体 が付 着しな いよ う、抗体と 反応し ないタ ンパク 質で膜 の余白 部分を 埋め 尽くす ことを言い ます 。ブ ロッキ ングが うまく いかな いと 、発光検 出時に 余白部 分バッ クが 高くな ったり 、ま たは 検 出 感度 が 悪 くな っ た りし ま す 。 ■ブロッキングに用いるタンパク質 ●使 用す る抗 体(1 次、2 次と もに )と結 合し ない タ ンパ ク質 を 選択 しま す 。一般 的に はス キ ムミ ルク(脂 質を 取 り除 い た乳 性 タ ンパ ク 質 )、カゼ イ ン、BS A 、ゼラ チ ンな ど が 用い ら れ ます 。 り! 品あ ⇒ AE-1470 EzBlock(イージーブロック)¥5,800 非タンパク質系ブロッキング剤 非特異検出を抑えます。 市 販 ■感度に影響を与えるオーバーブロッキング が コレ ! tt! Po in ●薄いバ ンドが 検出さ れない 場合、ブロッキ ング溶 液のタ ンパク 質濃度 が高く(スキム ミルク で 3 ∼ 5% )、過剰なブ ロッキングタンパク 質が 、 薄いバンドを覆ってしまうことが原因と考え られ ます 。(下図 オー バー ブロ ッキ ング の状 態)。スキ ムミ ルク の濃 度を 0 . 3 %に して オー バー ブロ ック を防 ぎま す。 ●スキムミルクを使用する場合、 ブロッキング溶液に 0.1% 程度の Tween-20 を混ぜておけば、 スキムミルクの濃度は 0.3%で十分な ブロッキング効果が得ら れます。 ■通常のブロッキング 緑のサンプル以外の余白をブロッキン グタンパク質が埋め尽くします。 目的 のタンパク質を検出できます。 ■オーバーブロッキング 緑のサンプルまでもブロッキングタン パク質が覆い尽くしています。 目的の タンパク質を検出できません。 3.ブロッキングにおける注意点 ■ブロッキングの意味 ■メンブレンの違いによるブロッキング操作の注意点 ●ウエ スタ ンブ ロッ ティ ング で使 用され るメ ンブ レン は大 きく 分け てニ トロセ ルロ ース メン ブレ ンと P VD Fメン ブレン の 2 つです 。タンパ ク質 の吸 着能 の違 いから 、PVD Fの 方が 検出 感度 とバッ クグ ラウ ンド の両 方が高 くな る 傾向 が あ り ま す。 検出感度 タンパク質の吸着能 バックグラウンド ニトロセルロース △ △ ◎低い PVDF ◎ ◎ △高い ■発色法(DABなど)から発光検出へ移行する場合 ●ニトロセルロースメンブレンを使用する場合 ブロッ キン グや抗 体反 応の条 件は そのま まに 、発光基 質を アマシ ャム バイオ サイ エンス ㈱の E C L( R ) を使用す ること で発 光 検 出に 移 行 でき ま す 。 ●PVDFメンブレンを使用する場合 発色法 と同 じ条件 で発 光基 質を添 加す ると 全てに おい てバ ックグ ラウ ンド が高く なる ため 、ブロッキング溶液、 抗体反 応溶液 (ブロッキング溶液に抗体を混合)、 Wash 溶液の全てに 0.1% の Tween-20 を添加します。また、ブロッキングにはスキム ミルク 0. 3%の濃度で十分 なブロ ッキン グ効 果を得 られま す。スキム ミルク と抗体 が交 叉する 場合に は他 のブロ ッキン グ剤を 使用 してく ださ い( 例:B SA 、ゼラチ ンな ど) 。 ■ブロッキングの条件 が コレ ! tt! Po in ●ブ ロッ キ ング は通 常 室温 で 1 時間 、振と うし な がら 行 いま す 。振と うは 大 きい 振 り幅 の 水平 振 幅式 か 、ゆっ くり としたシーソー式 が適しています。水平回転式では中心部と周辺部でブロッキングや抗体反応のムラが生ずることがあります。 こ れは高感度の検出になるほど問題になります。 page 11 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■4. 抗原抗体反応実験手順 4.抗原抗体反応 ●ブロッキング終了 ↓ ① TBS-T でメンブレンを軽く洗浄 ② 1 次抗体溶液の調製 (要時調製) ③メンブレンに 1 次抗体溶液を添加、 インキュベーション 室温で 1 時間 (水平振幅またはシーソー振とう、 液量多目がポイント!!) ④ TBS-T でメンブレンをすすぐ (3 回) す すぎ がP コレ ! oiinnt ×3回 ⑤ TBS-T でメンブレンを洗浄 (5 分× 3 回) シーソーシェーカー 価格 ¥98,000 ⑥ 2 次抗体溶液を調製 (要時調整) ⑦メンブレンに 2 次抗体溶液を添加、 インキュベーション 室温で 1 時間 (水平振幅またはシーソー振とう、 液量多目がポイント!!) ⑧ TBS-T でメンブレンをすすぐ (3 回) すすぎ が コレ int! Poin ×3回 ⑨ TBS-T でメンブレンを洗浄 (5 分× 3 回) ⑩ライトキャプチャー起動、15分以上ウォーミング アップしておく。 ↓ 発光検出へ→すぐ検出しない場合はバッファーを TBS へ置換 種類 組成 保存 TBS 25mM トリス-HCl(pH7.4)、0.15M NaCl、 室温 ※保存期間が長くなるほど感度が低下します。目的タンパク質が低濃度であると予想される場合は、 なるべく間をあけず、 すぐに検出してください。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 12 ■4. 抗原抗体反応のポイント 4.抗原抗体反応における注意点 ■抗原抗体反応について ●抗原 抗体 反応を 行う こと で、ブロッ ティ ングし たタ ンパ ク質を メン ブレン 上で 特異 的 に検 出す る こと が 可能 で す。図の よう に 1 次抗 体が 目 的タ ン パク 質に 特 異的 に 結合 し、 続いて 酵素標 識され た 2 次抗体 が 1 次抗体 に結合 しま す。ここに 標識酵 素に 応じた 発光 基質 を 添 加す る と 発 光に よ り バン ド が 検 出で き ま す。 (右 図 は反 応 の イメ ー ジ) ● 1 次抗体 には ポリク ロー ナル抗 体と モノク ロー ナル抗 体が あり、後者の 方が より特 異 性が高 くな ります 。前者の 抗体 を使用 する 場合 には、目的の サン プルの 分子 量が 分かれ ば、分子 量 マ ーカ ー か ら分 子 量 推定 を 行 い 同定 す る こと が 可 能で す 。 (AE-6971/2 ライトキャプチャー : 画像合成機能 / 分子量計測機能) Light POD 反応イメージ図 t! oint! がP コレ ■ウエスタンブロットの撮影と画像合成 発光基質ECL-プラス使用の発光パターンと、 メンブレン(MWマーカー)のイメージを撮影後合成しました。 AE -697 2 型ライト キャプ チャー で 10 分間露光 合成画像:分子量計測が可能 AE-6972 型ライトキャプチャーで Live 撮影(1/30 秒) → ■抗原抗体反応 ●抗体 溶 液は 、室温 に 戻し 、軽く 遠 心し て から 分 注し ま す。メン ブ レン 上 の斑点を防止でき ま す 。 が コレ ! tt! Po in ● 1 次抗体溶液(1 次抗体をブロッキン グ溶液で 100 ∼ 1000 倍程度希釈して調 製)と 2 次抗体溶液(2 次抗体をブ ロッ キング 溶液 で 1 0 0 ∼数千 倍程度 希釈 して調 製)は濃度 が低め の方 がバッ クグ ラウン ドが 低くな りま す。抗 体 濃 度 はバ ッ ク グラ ウ ン ドに 影 響 する た め 、慎重 に 検 討し ま す 。 ●ブロ ッキ ン グが 不 十分 だ と、2 次抗 体濃 度 が高 い 場合 バ ック グ ラウ ン ドが 高 くな り ます。 コレ t! oint! がP ● P V D F メン ブレ ンを 使用 する 場合 は、バッ クグ ラウ ンド を低 減さ せる ため 、ブロ ッキ ング 溶液 、抗体 溶液 、洗 浄溶液全てに Tween-20(0.05 ∼ 0.1% 程度)を添加します。 ●(抗体 が高 価な ため )抗体溶 液量 が少 ないと、メンブ レン 全体 に均 等に 行き 渡り にく くな り、バッ クグ ラウ ン ドが不均 一( ムラ) になりま す。ミニゲル サイズ のメン ブレン は溶液 が 2 0m l 程度あれ ば、ムラを防 止でき ます。 この場 合検出感 度が不足 する可能 性があり ますので 、発光基質 を Sup erSign al シリーズ のような 高感度タ イプ にす ること を お 勧め し ま す。 がP コレ ! o in tt! ●抗体反応後は必ず洗浄溶液で数回すすいで下さい。その後 5 分∼ 10 分×数回 の洗浄 ステッ プを行 います 。 ●洗浄はなるべく多量の洗浄溶液を使用し、強く振 とう しま す。 ●ブロ ッキン グ、抗体濃 度、洗浄手 順、T w e e n 濃度、発光基 質の 組み合 わせ バラン スが 悪いと 、検出感 度不 足や 高 バ ッ クグ ラ ウ ンド 、不均 一 な バッ ク グ ラウ ン ド など の 原 因と な り ます 。 ●抗 体 反応 に は水平 振 幅 また は シ ーソ ー 型 の振 と う 機を 使 用して く だ さい 。(振 と う ムラ の 防 止) コレ t! oint! がP 振とう方法により、 抗体溶液が均等に混ざらずに部分的に液 交換が悪い場合のムラ (対処法は一番下に記載) 抗体のダマによる非特異的スポット。 抗体溶液のチューブを 遠心して防止可能です。 抗体溶液量が少ない(ムラ)、抗体溶液濃度(高バック)、ブ ロッキング条件(高バック) などが原因のバックグラウンド。 振幅の大きい水平またはシーソー型の振とう器で、 多目の抗 体溶液を使い、 ゆっくり抗体反応を行います。 page 13 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ■5. 発光基質添加と発光検出の実験手順 5.発光基質添加と発光検出 ●撮影装 置(ライト キャプ チャー)のウォー ミング アップ終 了 ● 2 次抗体反応後の洗浄終了 ↓ ①発光基 質を調 製(要時調 整) ②メンブレンを TB S- T または TB S から引き上げる ③メンブレンに発光基質を添加(発光開始) ④発光基質添加後、一定時間インキュベーション ⑤余分な発 光基質 をろ紙 に吸わ せます 。 がP コレ ⑥メンブ レンをクリアポ ケットでシー リング t! o in int! oin がP コレ ⑦発光検出開始!! ↓ すぐにライトキャプチャー、X線フィルム、インスタントフィルムなど で発光パターンを撮影 が コレ nt! Poiin ●クリアポケットについて メン ブ レ ンの シ ー リン グ に は、 ①透明である ②適度に張りがあり、 しわが寄らないこと ③安価で入手性が良いこと ④サイズが豊富なこと など の 条 件が 要 求 され ま す 。 その点、文具店などで手軽に購入できる 「クリア ポケット」 は全ての条件を満たし、非常に便利に 使用 で き ます 。是非 お 試 しく だ さ い。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 14 ■5. 発光基質添加と発光検出のポイント ●発光検 出試薬 はペル オキシ ダーゼ(P OD /H RP )用とアル カリフ ォスフ ァター ゼ( AL P) 用の 2 種類が一 般的で す。 ●ウエ スタン ブロッ ティン グの 検出に は P OD / H RP 用の発 光基質 が最も 多く使 われ、その代 表的な ものが アマシ ャム バイオ サイエ ンス㈱ の EC L(R )です。その他に も各種 発光基 質が発 売され ており 、おおまか な性能 は以下 の比較 表 を 参 照 くだ さ い(感 度 値 は参 考 で す)。 ●発 光基 質は 検出 感度 限界 と 発光 持続 時間 が製 品ご とに 異 なり ます 。全て の発 光基 質は ルミ ノー ル と過 酸化 水素 と の発 光反応 ですが 組み合 わされ るエン ハン サー(増強 剤)により 発光強 度や光 の波長 域、持続時 間が異 なりま す。 ●弊社のラボ では PIERCE 社の SuperSignalWestDura で良好な結 果が得られ ています。 製造元 アマシャムバイオサイエンス㈱ アマシャムバイオサイエンス㈱ PIERCE PIERCE PIERCE ロシュダイアノグティクス㈱ ロシュダイアノグティクス㈱ ロシュダイアノグティクス㈱ 名称 ECLウエスタンブロッティング検出試薬 ECL plusウエスタンブロッティング検出試薬 Super Signal West Pico Super Signal West Dura Super Signal West Femto BM Chemiluminescence Blotting Substrate Lumi-Lightウエスタンブロッティング基質 PLUS Lumi-Light ウエスタンブロッティング基 参考感度 発光持続時間(50%以上) 50 約15分∼30分 10∼20 約60分 10 約120分 1∼2 約180分 0.1 約120分 10 約15分∼30分 10∼50 約60分 1∼2 約120分 ※ : 表中の参考感度は、 検出限界を保障するものではありません。 ■バックグラウンドが高くなる原因(★)とその対処方法(⇒) ★検出感度が高い発光基質は、その分バックグラウンドが高くなる可能性があります。 ⇒ブロ ッキン グ溶液、抗体反応 溶液、洗浄液全 てに 0. 1% Twe en -2 0 を添加す る。 ⇒メ ンブ レン を P V D F からニ トロ セル ロース へ切 り替 える 。 ⇒ 1 次、2 次抗体 濃度を 低く する。 ⇒ 発 光 強度 が 高 い(検 出 感 度が 高 い )発光 基 質 を使 用 し ない 。 ★2次抗体が非特異的にメンブレン上に結合して、バックグラウンドが光っている。 ⇒ 2 次抗 体濃 度を 低く する 。 ⇒抗体 反応溶液 に 0.1 % の Twe en-2 0 を添加し 、抗体反応 後の洗浄 を十分 行う。 ⇒ロ ーリン グタイ プの振 とう機 では中 心部 分が十 分に液 交換さ れずバ ックグ ラウ ンドが 高くな ること があり ます。 水平 振 と うま た は シー ソ ー 型の 振 と う機 を 使 用し て く ださ い。 ★発光基質が過剰な場合、溶液が残っている場所で光が乱反射してバックグラウンドが高くなります。 ⇒ メ ン ブレ ン を ピン セ ッ トで つ ま み上 げ 、端か ら 垂 れる余分 な 基 質を キ ム タオ ル な どに 吸 わ せま す。 コレ t! oint! がP ★メンブレンをシーリングするラップのしわや気泡が見える。 ⇒ し わ を取 ろ う とす る あ まり ラ ッ プを し ご き過 ぎ て 伸 びた 為 、手を 離 す と縮 ん で しわ に な って い ま す。 ラッ プの 変わ りにクリ アポケットを使用するとし わが 寄ら ず、気泡 が入 りに くく なり ます 。 コレ t! oint! がP ★メンブレンをシーリングするハイブリバッグのしわや気泡が見える。 5.発光基質添加と発光検出における注意点 ■発光検出試薬の種類 ⇒ ハイ ブリ バッ クは 厚み が ある ため 、折癖 など がつ くと 取れ ない 他 、熱を かけ てシ ーリ ング する こ とで プリ ーツ 状 のし わ が 寄っ て し まう こ と があ り ま す。ハイ ブ リ バッ グ よ り薄 い ク リア ポ ケ ッ トの 使 用 をお 勧 め しま す。 ■高感度検出を行うために ★オーバーブロックを防止します。 ブロッキングタンパク質が過剰な場合、 濃度の低いサンプル (量の少ないバンド・ドット) はオーバーブロッ クされてしまうことがあり、 一定以下のサンプル濃度で急に検出できなくなることがあります。 →ブロッキングタンパク質の濃度は低くします。 スキムミルクであれば0.3%程度で十分ブロッキング効果が得 られます。この場合0.05∼0.1%のTween-20を含むTBS-Tを使用してください(page10-11)。 ★PVDFメンブレンを使用します。 →これまで記述してきたバックグラウンドを下げるためのポイントを踏襲した上で、 PVDFメンブレンを使用す ることで高感度検出が可能です (page8-13) 。 ★高感度タイプの発光基質を使用します。 →これまで記述してきたバックグラウンドを下げるためのポイントを踏襲した上で、 通常のECL(R)よりも発光 強度が高いECL(R)plusやSuperSignalなどの高感度タイプの発光基質を使用してください (page14-15) 。 page 15 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD がP コレ ●撮影装置 (ライトキャプチャー) のウォーミングアップ終了 ! oiinnt ライトキャプチャーは、 冷却CCDカメラを搭載したケミルミネッセンス撮影装置です。 冷却CCDカメラは、 安定 して冷却されている状態で高感度、低ノイズを実現しています。電源投入後30分間のウォーミングアップを必ず 行ってください。 撮影するメンブレンサイズに合わせてステージ位置を決め、 1 . 2 9 .5 2 3 12 2 5 1 5 ∞ 20 ピントを調節します。 1 6.発光パターンの撮影 ■6. 発光パターンの撮影の実験手順 ①メンブレンをキャビネット内に入れ、 位置、 を確 認し、 扉を閉めます。 ②感度を High にして、 Single モード、 30 秒または 1 分試し撮りします。 がP コレ ! oiinnt ③試し撮りを参考に、 感度を Normal にして、 1 分∼ 10 分撮影します。 ※注 : 撮影時間の設定は右ページを参考にしてください。 操作パネル ④ビデオプリンターでイメージの印刷をします。 ⑤画像は本体のCF(コンパクトフラッシュ) へ保存、 またはパソコンに接続してある場合はパソ コンに保存します。 ライトキャプチャーシステム 写真:AE-6972FCP(Win) ●ライトキャプチャー 冷却CCDカメラシステム。操作部を 一体化したデザイン。 ●パソコンシステム ●モノクロビデオプリンター ライトキャプチャーとUSB で接続可能です。 ライトキャプチャーのコ ントロール、 画像データの転送などが行えます。 Windows2000/XP に対応しています。 撮影した画像を数秒で、 高画質印刷 します。 反転機能、 コントラスト調整 機能なども装備します。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 16 ■6. 発光パターンの撮影のポイント ■重要な機器のセットアップ 発光撮影装置ライトキャプチャーは、 長時間撮影に備え各種の低ノイズ化技術が採用されています。 これらは機器のセットアップが適正 に行われて初めて正しく機能します。 このため、 設置時の初期セットアップ、 使用時のカメラのウォーミングアップを必ず行ってください。 ■HighモードとNormalモードの違い 両モードの感度差はおよそHigh : Normal=3 : 1です。 ビニング (画素結合による感度アップ) は行わないため、 解像度は変化しま せん。 Highモードではノイズ (画像上の星状の点) は増加するので、 解析や印刷用にはNormalモードでの撮影を推奨します。 Nor malモードはHighモードより低濃度のバンド が見やすくなります (バックが低くなるため)。 ■感度3 倍 ・High モードを利用した撮影方法 (本体制御) ライトキャプチャーで発光検出サンプルの撮影時、 露光時間をどのくらいにするか迷う場合があります。 この場合、 感度 3 倍の High モー ドで 「試し撮り」 をすると、 本撮影の時間を推定できます。 短時間に本撮影の時間を決められるため、 発光時間の短い発光基質 (例 : ECL) でも確実に撮影が可能となります。 この高い ” 操作性” こそライ トキャプチャーの特長です。 case ① 試し撮り High : 1 分 ■シグナ ルが弱い場合 →Normal モードでは 10-20 分の露光 時間で撮影を行います。 case ② 試し撮り High : 1 分 ■適度な シグ ナルが見られた場合 →Normalモードでは 3-5分の露光時間 で撮影を行います。 case ③ 試し撮り High : 1 分 ■かな り強いシグナルが見られた場合 →Normalモードでは 30 秒 -1分の露光 時間で撮影を行います。 6.発光パターンの撮影 6.発光パターンの撮影 ■自動的に適正露出時間を設定・・・AutoExposure 機能 (PC制御) ライトキャプチャーを CS Analyzer 3 を使って PC から制御する場合、 AutoExposure 機能を利用すれば数秒のプレ撮影を経て自動的に露 出時間を決めて撮影を行います。 (バックが高い場合や、 非特異的に強く発光するスポットがある場合は適した露出時間とならない場合 があります) プレ撮影時間 自動露出時間 ■発光基質による感度の違い ●POD (HRP) の発光基質としては、 アマシャムバイオサイエンス㈱のECL(R)が標準的に使用されています。 ●PIERCE社のSuperSignal(R)は基質の変更で高感度化が可能になります。 ●ルミノール+過酸化水素で自作しても発光検出は可能ですが、 冷却CCDカメラの波長特性と相性が悪く、良い結果が得にくくなります。 ■ノーザンブロットについて タンパク質の研究ではノーザンブロットを経こうして行うこともあると思います。 ライトキャプチャーはノーザンブロットの non-RI 検出で用い られる ALP(アルカリフォスファターゼ)の発光基質 CDP-star や CSPD に対しても高い感度を有します。 是非お試しください。 page 17 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD 7.トラブルシューティング 検出感度に関するトラブルシューティング トラブルの状態 考えられる原因 トラブル内容と対処方法 対応ページ 濃度の低いバンドが ブロッキングタンパ スキムミルクの濃度が3-5%の場合、濃度 の低いバンドはスキムミルクで覆われて 検出されない ク質濃度が高い 10∼11 しまいます。この場合、スキムミルクの 濃度を0.3-0.5%に下げます。 1次・2次抗体濃度が低く、十分に結合し ていない。抗体濃度を上げます。緩衝液 中の塩濃度を上げることでも抗体の結合 能が向上します(0.15M→0.3M程度) 発光基質の種類によって、検出感度を上 ↑ 発光基質 げることが可能です。アマシャムバイオ サイエンス社ECLプラスやPIERCE社の SuperSignalシリーズなどを使用します。 濃度の高いバンドが 発光基質およびサン 検出感度の高い発光基質を使用する場 合、濃度の高いバンド部分は短時間で基 検出されない プル濃度 質を消化してしまい、見かけ上バンドが 消えることがあります。発光基質をECLに 変更し、サンプル濃度も1/10以下に薄め ます。 ルミノール系の発光反応ではPODはど 発光基質を追加して 酵素の失活 んどん失活していきます。基本的にはP もあまり光らない OD系の発光基質は追加してもあまり光 りません。 複数回の撮影を行う場合はECLプラスや SuperSignalなどの発光時間の長い基質を使 用します。 保存しておいたメン 抗体の解離、酵素の 発光検出を前に長期間保存した場合、検 出感度が低下します。メンブレンは界面 ブレンの検出感度が 失活 活性剤の入っていないバッファー少量に 低い 浸して保存します。保存期間が長くなる と感度が低下します。 ↑ 抗体濃度 12∼13 14∼15 − 14∼15 12 発光撮影に関するトラブルシューティング トラブルの状態 考えられる原因 適正露出時間がわか 撮影方法 らない (X線フィルム) トラブル内容と対処方法 対応ページ フィルムの場合、同じメンブレンを露 出時間を変えて何回かフィルムに露光 し、全て現像してから適正な露出のも − のを選択します。 ↑ 感度Highで1分間試し撮りをしてから そのイメージで本撮影の撮影時間を決 めます。フィルムより飽和に関しては 余裕があるので、撮影時間を細かく試 す必要はありません。 撮影方法 (ライトキャプチャー) メンブレンがうまく ラップを使用してい メンブレンをラップでシーリングする シールできない る と、しわや気泡が入ったり、シーリン グする時間が長く発光検出時間が短く なったりします。クリアポケットを使 用すると短時間で綺麗にシーリングが 可能です。 ↑ ハイブリバッグを使 ハイブリバッグを使用すると、しわは 用している 入らないものの、樹脂に厚みがありメ ンブレン全体が平らになりにくくなり ます。クリアポケットを使用すると短 時間で綺麗にシーリングが可能です。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 18 16∼17 14∼15 14∼15 トラブルの状態 考えられる原因 バックグラウンドが ブロッキング条件 高く、バンドが見え ない トラブル内容と対処方法 ブロッキングが不十分で、抗体がバック グラウンドに非特異的に結合していま す。Tween-20の濃度を0.1%、スキムミル ク濃度を0.3-0.5%でブロッキングを行って ください。ブロッキング溶液が均一に循 環できるよう、シーソー型、水平振とう 型のシェーカーを使用してください。 抗体反応後の洗浄が不十分な場合、バッ ↑ 抗体洗浄 クグラウンドが上昇します。洗浄ステッ プの前に2,3回洗浄バッファーですす ぐことで洗浄効果を上げられます。 抗体濃度が高い(高感度化の方法ではある) ↑ 抗体濃度 ことでバックグラウンドが高くなりま す。十分なブロッキングが出来た上で適 正な濃度の検討をしてください。 ブロッキングや抗体濃度などの問題で ↑ 発光基質 バックが高い状態で、ECLプラスや SuperSignalなどの検出感度の高い発光基質 を使用するとバックが高くなります。E CLを使用をお勧めします。 水平回転式のシェーカーや振幅の小さい バックグラウンドが 振とう方法の問題 シェーカーでは、メンブレン全体が均一 不均一でムラがある に液交換がされません。このことが原因 でメンブレンが部分的にバックが高く なっています。シーソー型の振とう機を 使用して下さい。 ↑ 抗体反応溶液が少な 抗体溶液量が少ないと、振とうによる抗 体反応が出来ないため、バックがムラに い場合 なりやすくなります。バッファーを増量 して十分に振とうできる容量とします。 抗体濃度は薄くなりますが、感度低下は 発光基質の感度を上げることで対応でき ます。 対応ページ 10∼11 12∼13 14∼15 10∼15 10∼13 12∼15 パターンの乱れに関するトラブルシューティング トラブルの状態 考えられる原因 部分的に薄いバンド ブロッティング がある 気泡が入っている ブロッティング 7.トラブルシューティング バックグラウンドに関するトラブルシューティング トラブル内容と対処方法 対応ページ セミドライブロッティングの場合、メ ンブレン、ろ紙等を積層後、全体を圧 8∼9 着します。均一にブロッティングされ ます。 セミドライブロッティングの場合、メ ンブレン、ろ紙等を積層後、全体を圧 8∼9 着します。気泡が抜けます。 パターンが流れてい ブロッティング る ろ紙の大きさがゲルやメンブレンより 大きいと、電流の流路が乱れます。ろ 紙はゲルと同じ大きさにします。 泳動が曲がっている 電気泳動 スマイリングなどが原因でパターンが 曲がっています。ゲル作製方法や電気 泳動槽などで対策します。 page 19 8∼9 4∼7 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ウエスタンブロッティングのコツ Tips for Western Blotting 1 . はじめに ウエスタンブロッティングは、電気泳動、ブロッ ティング、ブロッキング、抗原抗体反応を経て目的 のタンパク質を特異的に検出する実験方法です。し かし、この実験にはたくさんのステップがあり、そ のうちのひとつでもうまくいかないと結果がでない 非常に面倒な実験でもあります。 ウエスタンブロッティングの実験がうまくいく 「バンドが見えにくい」というのは、基本的に目 的のバンドは見えているが、バックグラウンドが不 均一に高い、バンドのシグナルが弱く確認しにく い、膜全体に斑点状のスポットが検出されている、 バンド自体に抜けや濃さのムラがあるなどの状態を 指します。 と、目的のタンパク質のバンドが検出され、それ以 外のバンドやバックグラウンドのシグナルが抑えら れます。このような結果が得られないときは、検出 までの多くの実験ステップのうち、どこかがうまく いかなかったことが考えられます。 「ウエスタンブロッティングのコツ」とは、色々 な失敗から得られた実験成功のための秘訣をまとめ たものです。本セミナーでは特にブロッティング (セミドライ)、ブロッキング、抗原抗体反応、発光 検出における実験操作で“ここを注意すれば成功す る”と考えられる部分をクローズアップしてご紹介 します。 図1 原因特定のための実験結果分析 「分析できない」というのは、前出の2種類のほか 2 . トラブルの原因を推理する 「ウエスタンブロッティングがうまくいかない」 場合のトラブルシューティングには、まず原因追究 が必要です。そのために、 「失敗した実験結果」を 分析し、実験ステップを遡ってなにが原因だったの かを推 理しま す。 実験結 果は、「バン ドが見 えな い」、 「バンドが見えにくい」、 「分析できない」など と分類して分析すると原因を推理しやすくなりま す。(図 1 参照) にバンドの一部が消失していたり、定量性が低くダ イナミックレンジが狭かったり、検出バンドがたく さん出てしまう特異性の問題などがあります。 ウエスタンブロッティングには、大きく分けて6 つのステップがあります。トラブルの解決にはこの ステップのどこで問題が生じているのかを探る必要 があります。 (図2) 「バンドが見えない」というのは、バックグラウ ンドが高く、膜全体が発光(発色)してバンドが確 認できないことや、検出してもバックグラウンドも 含め何も光らない(何も見えない)様な状態を指し ます。 図2 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 20 ウエスタンブロッティングのステップ 3 . トラブルの解決方法 3−2 「バンドが見えにくい」 「バンドが見えにくい」トラブルは、膜上の汚れが 原因となります。これは、多くの場合抗体反応とブ 3−1 「バンドが見えない」 「バンドが見えない」 トラブルは図3のような実験 結果になることがあります。一つは膜全体が発光 (発色) してしまうことでバンドが確認できない状態 です。図3に示したように、これは発光検出、抗体 ロッティングのステップに原因があります。 (図4参 照)バックグラウンドが模様のように汚れている場 合は、抗体溶液量が少ないこと、振とうが十分でな いことなどが原因となります。 これを防止するには、 反応、ブロッキングのステップが原因となるトラブ ルです。状態としては、酵素標識2次抗体が膜全体 に付着して、全体が光っています。特に、抗体反応 のあとの洗浄ステップが不十分なときに発生しやす 抗体量は同じで、溶媒(ブロッキング溶液)の量を 増やし抗体溶液量を増加させ、シーソー式や水平式 の振とう器を使って膜全体に溶液を均一に動かすよ うに振とうします。合わせて洗浄ステップのすすぎ くなります。洗浄ステップ(例:10分×3回)の 前に、洗浄バッファー(TBS-T や PBS-T)で2 , 3回 すすぎをすると、残留抗体量が減り、洗浄効果が向 上します。さらに、2次抗体の希釈率を上げる(濃 をよく行うことでバックグラウンドが抑えられます。 膜全体に斑点状のスポットが検出される場合は、 抗体溶液の保存中に抗体同士が凝集してしまったも のが膜に付くことが原因です。抗体溶液のチューブ 度を低くする)ことも効果的です。また、ブロッキ ングが不十分だと、1次抗体が非特異的に結合する ため、結果として膜全体が検出されてしまいます。 なにも検出されない場合は、目的蛋白質の量が検 を軽く遠心してから溶液を分注することでこの斑点 状のスポットを防ぐことができます。 出限界よりも少ない場合が考えられます。この場合 はサンプル調製、ゲルへの添加量などを再度チェッ クする必要があります。また、1次抗体の性能や ロットの出来によっては検出できない場合がありま す。抗体をチェックするために予め、ドットブロッ ト等で目的蛋白質の検出ができることを確認してお きます。 ブロッティングは転写効率が低いと検出感度が上 らないため、ゲル、膜、ろ紙の密着度を上げること と、転写溶液を作り直すことをお勧めします。また、 転写後のゲルを CBB染色し、ブロッティングが成功 していることを確認しておきます。 図4 抗体反応が原因の汚れ (左)適正な検出例 (右) バックのムラや斑点状の汚れが付いた例 バンドのムラやスポット状の抜け、流れた様にに じんでいる場合は、ブロッティングのステップが原 因と考えられます。 (図5参照) これらは、ゲル、膜、 ろ紙の密着度が十分ではないときに起こります。セ ミドライブロッティングでは、ゲル、膜、ろ紙を重 ねたら、グローブをはめた手で全体を圧着して(図 6 参照)密着度を向上させることでムラや抜けなど を防ぐことができます。 図3 バンドが見えない例 (左)バックが高くバンドが見えないパターンと関連の深いス テップ。 (右)バックを含め何も見えないパターンと関連の深い ステップ。 page 21 図5 ブロッティングが原因の汚れ ブロッティングのゲル、 膜、 ろ紙の密着度が十分でない場合 に発生するバンドの異常 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD のに、検出したときにはバンドが消えてしまってい る場合や、濃度差がほとんど出ない場合、検出され たバンドが多すぎて目的のバンドが特定できない場 合などがあります。 濃度の高いバンドは、多くの1次抗体が結合しま す。その結果2次抗体もたくさん結合するため、部 分的に酵素濃度の高い状態になります。 そうすると、 発光基質をかけた後、非常に短い時間でバンド周辺 の基質を消化してしまいます。膜のシーリングなど に手間取っていると図8のようにバンドの一部が消 失してしまうことがあります。これを防ぐには、ゲ ルにアプライするサンプル濃度を低くする、または 図6 ゲル、膜、ろ紙の圧着方法 アプライする量を少なくして、結果として酵素標識 2次抗体の量を減らすことで解決します。 「バンドが見えにくい」トラブルでは、バックグラ ウンドが十分低いにもかかわらず目的の蛋白質のバ ンドの検出感度が低い場合があります。 (図7参照) これは、抗体反応、ブロッキングのステップに原因 があると考えられます。特に、ブロッキング蛋白質 にスキムミルクの濃度を 3 ∼ 5%にしてブロッキン グを行うと、濃度の低い目的蛋白質のバンドはブ ロッキング蛋白質でオーバーコートされてしまい (オーバーブロッキングの状態)、検出感度が低下し ます。これを防ぐには、スキムミルクの濃度を 0.3∼ 0.5%まで落とし、界面活性剤Tween-20を0.1%とし た TBS-Tを使用します。抗体反応後のすすぎを十分 に行うことと合わせてバックグラウンドが抑えられ、 適正な検出が可能となります。 図8 消えた高い濃度のバンド ウエスタンブロッティングの結果、相対的な目的 蛋白質の量を測定する場合には、発光検出(ケミル ミ)を利用します。発行検出の場合は、X線フィル ムに露光する方法が多く利用されていますが、発光 基質などの改良も進んだ現在では、発光撮影装置 (冷却CCDカメラシステム) を利用することでデー タ解析を容易にすることが可能となります。 しかし、 いままでに述べてきたような点に注意してサンプル を作っても、実際に発光量を計測してみると、思っ たような結果が得られない場合があります。 図7 オーバーブロッキングによる感度低下 ブロッキング蛋白質の濃度が高いと、 オーバーブロッキング によって濃度の低いバンドが検出されにくくなります。 ブ ロッキング蛋白質の濃度を低くしてオーバーブロッキングを 防止します。 この問題では、発光試薬の特性や撮影までの所要 時間などに原因があります。ウエスタンブロッティ ングでよく利用される発光試薬は、POD(HRP)用 のもので、ルミノールと過酸化水素とエンハンサー 3−3 「分析できない」 で構成されています。製造メーカーにより、発光継 続時間、発光強度などが異なりそれぞれに特徴があ ります。しかし、どの発光試薬であっても、膜へ添 加後の数分間が最も濃度に依存した相対的な発光量 「分析できない」トラブルは、主に定量解析を行お うとしたときに起きます。十分な濃度があるはずな が得られ、この時間帯の発光を撮影すると、直線性 の高いデータが得られやすくなります。 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 22 そのため、発光は試薬添加直後に撮影することが 重要です。ここで問題となるのは試薬添加後の膜の シーリングで、ここに時間が掛かってしまうと発光 量と濃度との直線性が低下した状態の発光を撮影す 4. まとめ ることになってしまいます。発光時間の短い発光試 薬では感度自体も下がってしまいます。そこでシー リングにクリアポケット(図 9)を使用します。ク リアポケットは発光試薬を添加した膜を挟むだけで ましたが、それでもすべてが上手くいくわけではな いと思います。アトー株式会社ではいろいろなトラ ブルについてサポートできるよう資料を作成・配布 しています。これらの情報が多くの研究者のかかえ 膜をシーリングすることができ、シーリングに掛か る時間の問題を解決できます。クリアポケットは文 房具店で購入できる、写真などを入れるポリプロピ レン製のビニールバッグです。ハイブリバッグより る実験に関するトラブルシューティングの一助にな れば幸いです。 以上のようにウエスタンブロッティングにおける いろいろなトラブルシューティングをご紹介してき も安価(A6 版 30 枚:300 円程度)で、張りがあるた め非常に使いやすいのが特徴です。 図10 Western Blotting 発光検出を成功させる方法 セミナーで紹介した実験方法そのほかを記載した資料です。 作製アトー株式会社 製品戦略グループ 図9 クリアポケットに膜をシーリング ポリプロピレン製のクリアポケットはA6サイズで30枚300 円程度と非常に安価。 検出すると、バンドがたくさん現れる場合は抗体 の特異性が低いことが原因と考えられます。このと きは特異性の高い 1 次抗体に変更することをお勧め します。しかし、目的蛋白質の分子量が分かってい る場合はビオチン標識分子量マーカーを用いること で、サンプルの検出と同時に分子量マーカーの検出 を行うことが可能です。分子量マーカーが検出でき ればそれを基に分子量推定を行い、目的蛋白質のバ ンドを特定すればよいのです。目的蛋白質のバンド 近傍にほかのバンドが多い場合は電気泳動条件の変 更で分離を良くして対応します。 page 23 ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD ケミルミのコツ 20081202MAS_YUSHIMA ADD page 24
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