※※2005年4月改訂(第8版) ※2004年10月改訂 日本標準商品分類番号 876139 β -ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤 指定医薬品 ※※処方せん医薬品: 注意−医師等の処方せん により使用すること 0. 75g 1. 5g 承 認 番 号 20600AMZ01105000 20600AMZ01106000 注射用スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム 貯 法:室温保存 有効期間:3年 使用期限:ラベル、外箱に記載 【禁忌】(次の患者には投与しないこと) 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者 伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に 薬価収載 1994年8月 販売開始 1994年11月 再審査結果 2003年6月 ※ 再評価結果 2004年9月 国際誕生 1986年6月 [膀胱炎の場合] 通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウ ムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点 滴静注する。 発現したとの報告がある。 ] 【原則禁忌】(次の患者には投与しないことを原則とする が、特に必要とする場合には慎重に投与すること) 本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往 歴のある患者 【組成・性状】 販 売 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、βラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、 疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。 成 分 ・ 分 量 [1バイアル中] 名 ユナシン-S静注用 0. 7 5g 通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウ ムとして、1日6 0∼1 5 0mg(力価) /kgを3∼4回に分けて静脈 内注射又は点滴静注する。 静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日 局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。 なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用いる。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 スルバクタムナトリウム 0. 2 5g (力価) アンピシリンナトリウム 0. 5g (力価) スルバクタムナトリウム 0. 5g (力価) アンピシリンナトリウム 1g (力価) 【使用上の注意】 ユナシン-S静注用 1. 5g 本剤は白色∼帯黄白色の粉末で、用時溶解して用いるバイア ル入りの静注用製剤である。本剤はわずかに特異なにおいが あり、味はわずかに苦く、水又は生理食塩液に溶けやすい。 pH:8. 0∼1 0. 0〔1. 5g(力価) /1 0mL、水溶液〕 本剤を下記溶解液に溶解したときの浸透圧比は次のとおりで ある。 溶 解 液 セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレ ルギー反応を起こしやすい体質を有する患者 高度の腎障害のある患者 [「薬物動態」3.の項参照] 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の 悪い患者[ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあるの で観察を十分に行うこと。 ] 高齢者 [「高齢者への投与」の項参照] 1歳以下の小児 [「小児等への投与」の項参照] 溶解濃度 試料pH 浸透圧比* 1. 5g(力価)/ 1 0mL 9. 3 約2. 8 2. 重要な基本的注意 1. 5g(力価)/1 0 0mL 9. 1 約0. 3 ※本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確 1. 5g(力価)/ 1 0mL 9. 3 約4. 4 1. 5g(力価)/1 0 0mL 9. 0 約1. 4 1. 5g(力価)/ 1 0mL 9. 2 約4. 6 9. 0 約1. 5 日局 注射用水 日局 生理食塩液 日局 ブドウ糖注射液 5% 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 1. 5g(力価)/1 0 0mL *生理食塩液に対する比 【効能・効果】 ※ 〈適応菌種〉 本剤に感性のブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフル エンザ菌 〈適応症〉 肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎 【用法・用量】 ※ [肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合] 通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウ ムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点 滴静注する。 −1− 実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。 1) 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、 抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。 2) 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のと れる準備をしておくこと。 3) 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保た せ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意 深く観察すること。 本剤の投与に際しては、定期的に肝機能、腎機能、血液等 の検査を行うことが望ましい。 1歳以下の小児に投与する場合には、下痢・軟便の発生に 注意し、慎重に投与すること [「小児等への投与」の項参照]。 3. 相互作用 4) 急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全(0. 1%未満) 、間 質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認め られた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う こと(間質性腎炎は自発報告のため頻度不明) 。 5) 偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸 炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があ らわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置 を行うこと(自発報告のため頻度不明) 。 6) 肝機能障害:肝機能障害(0. 1 0%)があらわれることが あるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、 異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な 処置を行うこと。 7) 間質性肺炎、好酸球性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸 部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(0. 1%未 満) 、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このよ うな症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質 ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと(好酸球性 肺炎は自発報告のため頻度不明) 。 その他の副作用 次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減 量、投与中止等の適切な処置を行うこと。 併用注意(併用に注意すること) 薬 剤 名 等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 アロプリノール アンピシリンとの併用に より、発疹の発現が増加 するとの報告がある1)。 機序不明だが薬剤性 の発疹がアロプリノー ルとアンピシリンを 併用していた6 7例の 入院患者のうち2 2. 4 %に認められ、アン ピシリン単独服用例 の1, 2 5 7例 で は7. 5% に認められた。また アンピシリンを併用 しないアロプリノー ル 服 用 患 者2 8 3例 の う ち2. 1% が 薬 剤 性 発疹を経験したとい う報告がある。 抗凝血薬 ペニシリン注射液が血小 板の凝集・凝固に影響を 与え、出血傾向を増強す るおそれがある。 抗凝血作用とペニシ リン注射液の血小板 凝集抑制作用により 相加的に出血傾向が 増強される可能性が ある。 経口避妊薬 アンピシリンとの併用に より避妊効果が減弱した との報告がある。 本剤は腸内細菌叢を 変化させる可能性が あり、それにより経 口避妊薬の腸肝循環 による再吸収を抑制 すると考えられてい る。 頻度 メトトレキサート プロベネシド ペニシリンとの併用によ り、メトトレキサートの クリアランスが減少する おそれがある。 併用により、本剤の血中 濃度上昇、血中濃度半減 期の延長、本剤の持つ毒 性リスクの上昇のおそれ がある。 種類 過 敏 症*2 多形紅斑*1 メトトレキサートの 尿細管分泌が阻害さ れ、体内からの消失 が遅延し、メトトレ キサートの毒性が増 強する可能性がある。 プロベネシドの尿細 管分泌抑制作用によ り本剤の排泄が遅延 するおそれがある。 0. 1∼1%未満 発疹、痒感 血 液*3 肝 臓 AST(GOT)上昇、 Al-P上昇、LAP上 ALT(GPT)上昇、 昇、ビリルビン値 黄疸*1 上昇 消 化 器 下 痢・軟 便、悪 心・嘔吐 0. 1%未満 蕁麻疹 白血球減少 中枢神経 痙攣等の神経症状*1 菌 交 代 口内炎*1、 カンジダ症*1 ビタミンK欠乏症 状(低プロトロン ビン血症、出血傾 *1、ビ タ ミ 向 等) そ の 他 ンB群 欠 乏 症 状 (舌 炎、口 内 炎、 食欲不振、神経炎 *1 等) 4. 副作用 承認時における一般臨床試験及び比較臨床試験合計1, 5 9 3 例中2 6 5例(1 6. 6 4%)に副作用又は臨床検査値異常が認めら れた。このうち、副作用は6 6例(4. 1 4%)で、主なものは 下痢(1. 5 1%) 、発疹(1. 3 8%) 、発熱(0. 5 0%)等であっ た。臨 床 検 査 値 異 常 は2 1 7例(1 3. 6 2%)で、主 な も の は ALT(GPT)上昇(6. 4 8%) 、AST(GOT)上昇(6. 0 2%)Al-P 上昇(1. 6 2%)等であった2,3)。 市販後における使用成績調査では3, 5 6 6例中2 6 9例(7. 5 4%) に副作用又は臨床検査値異常が認められ、主なものは肝機 能異常(2. 8 9%) 、ALT(GPT)上昇(0. 8 4%) 、AST(GOT) 上昇(0. 8 1%) 、発疹(0. 6 7%) 、下痢(0. 5 9%)等であった。 重大な副作用 1) ショック、 アナフィラキシー様症状:ショック、 アナフィ ラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に 行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な 処置を行うこと(自発報告のため頻度不明) 。 2) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 、中毒性 表皮壊死症(Lyell症候群) :皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症 候 群) 、中 毒 性 表 皮 壊 死 症(Lyell症 候 群)が あらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が 認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこ と(自発報告のため頻度不明) 。 3) 血液障害:無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む) (0. 3 9 %) 、血小板減少(0. 1 9%)等の重篤な血液障害があらわ れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十 分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな ど適切な処置を行うこと(無顆粒球症は自発報告のため 頻度不明) 。 1%以上 又は頻度不明*1 胃不快感 発熱 *1:自発報告のため頻度不明。 *2:発現した場合には投与を中止すること。 *3:定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認めら れた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 5. 高齢者への投与 高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意 するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。 ①高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多く 副作用が発現しやすい。 ②高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれる ことがある。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 アンピシリンの大量(3, 0 0 0mg/kg/日)投与でラットに催 奇形性が報告されているので、妊婦または妊娠している可 能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると 判断される場合にのみ投与すること。 母乳中へ移行することが報告されているので4)、授乳中の 婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与す る場合には授乳を中止させること。 7. 小児等への投与 低出生体重児に対する安全性は確立していない(使用経験 が少ない) 。 新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少な い) 。 1歳以下の小児では下痢・軟便の発現頻度が高いので、慎 重に投与すること。 −2− 3. 腎機能障害患者8,9) 8. 臨床検査結果に及ぼす影響 本剤の投与により、クリニテスト、ベネディクト試薬、あ るいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈す ることがあるので注意すること5)。 妊婦へのアンピシリン投与により、総結合型エストリオー ル、エストリオール-グルクロニド、結合型エストロン、 エストラジオールの一時的な血清中濃度の減少を呈するこ とがあるので注意すること。 9. 過量投与 海外の報告によれば、中等度ないし高度腎機能が低下して いる患者(1 0例)ではスルバクタム及びアンピシリンの血 中濃度半減期が延長するので、このような患者に投与する 場合には投与量・投与間隔に留意すること(参考) 。また、 ナトリウム摂取制限患者へ投与する場合には、ユナシン-S 静注用1. 5gにナトリウムが1 1 5mg (5mEq) 含まれているこ とに留意すること。 4. 組織内移行 β-ラクタム系抗生物質製剤の脳脊髄液中濃度が高くなる と、痙攣等を含む神経系の副作用を引き起こすことが考え られるので、腎障害患者に過量投与された場合は血液透析 を用いて体内から除去すること。 1 0. 適用上の注意 調製時:溶解後は速やかに使用すること(特にグルコース、 フルクトース、キシリトール、マルトース等の糖質含有溶 解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するの で、速やかに使用し、保存しないこと) 。 投与時:静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起 こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、 注射速度をできるだけ遅くすること。 配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物 質製剤(硫酸ジベカシン、硫酸アルベカシン等)を混合す ると力価が低下したとの報告がある。 併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔 をあけるなど投与方法に注意すること。 成人患者に本剤1. 5g(力価)を静注した時のスルバクタム 及びアンピシリンの胆汁中濃度は、静注後1時間でそれぞ れ平均3. 6 μg/mL、1 9. 8 μg/mLであった10)。 成人患者の喀痰11)、腹腔内滲出液12)、子宮・付属器組織13)、 骨盤死腔滲出液13)、並びに小児患者の髄液14)、膿汁15)など への移行は下表のとおりスルバクタム及びアンピシリンと も良好であることが認められた。 体液・組織への移行 体液・組織 喀 投与量(力価) 薬物濃度(μg/mL・g) スルバクタム アンピシリン 1. 5 0 痰 3g 2. 4 0 腹腔内滲出液 1. 5g 1. 8 2 2. 7 1 子宮・付属器 1. 5g 7. 0 6∼1 5. 4 6. 6 0∼2 7 骨盤死腔滲出液 1. 5g 1 1. 6∼1 6. 4 1 9. 1∼2 1. 6 髄 液(小 児) 1 0 0mg/kg 1 7. 2 1 6. 0 膿 汁(小 児) 6 6. 7mg/kg 【薬 物 動 態】 1. 3 4 2. 6 6 【臨 床 成 績】 1. 血清中濃度 1. 臨床効果2,3) 成人6) 健常成人6名に本剤0. 7 5g(力価)又は1. 5g(力価)をク ロスオーバー法により静注した時のスルバクタム(SBT) 及びアンピシリン(ABPC)の血清中濃度の推移(平均値) は下図のとおりであり、静注後5分で、0. 7 5g(力価)投 与時SBT1 8. 7 μg/mL、ABPC3 9. 2 μg/mL、1. 5g(力価)投 与時SBT4 0. 0 μg/mL、ABPC7 8. 8 μg/mL であった。 SBTとABPCの血清中濃度半減期はいずれも約1時間であ り、両薬物の血中動態は良く近似していた。 小児2) 小児患者1 6例に本剤3 0mg(力価) /kgを静注した時の血清中 濃度推移は下図のとおりであり、SBT及びABPCの血清中 濃度半減期は約1時間と、小児の場合の血中動態も成人の 場合とほぼ同様であった。 一般臨床試験及び比較臨床試験が実施され、疾患別臨床効 果は下記のとおりである。 これらの症例のうち有効菌種(ブドウ球菌属、大腸菌、プ ロテウス属、インフルエンザ菌)によるβ- ラクタマーゼ 高度産生菌検出症例における臨床効果は、肺炎・肺化膿症 9 6. 7%(2 9/3 0) 、腹膜炎8 8. 9%(8/9) 、膀胱炎8 9. 2%(3 3/ 3 7)であった。 疾患別臨床効果 疾 患 名 成 3g/日 人 4. 5∼6g/日 小 児 6 0∼1 5 0mg/kg/日 肺炎・肺化膿症 1 6 2/1 9 6 (8 2. 7%) 7 1/8 4 (8 4. 5%) 2 1 2/2 1 5 (9 8. 6%) 膀 胱 炎 1 4 1/2 0 0 (7 0. 5%) 腹 膜 炎 3 0/ 3 6 (8 3. 3%) 2/2 (1 0 0%) − − − − 2/2(1 0 0%) ( − − − − ) :有効率〔有効以上〕 2. 細菌学的効果2,3) 細菌学的検討が行われた1, 2 8 9株の菌消失率は8 4. 1% (1, 0 8 4/ 1, 2 8 9)でこれを有効菌種に限ると8 6. 9%(4 2 3/4 8 7)の菌 消失率、さらにβ-ラクタマーゼ高度産生株に限ると8 4. 2 %(1 2 3/1 4 6)とほぼ同じ消失率であった。すなわち、βラクタマーゼ高度産生株に対しても低度産生株や非産生株 に対するのと同程度の効果を発揮することが示された。 【薬 効 薬 理】 1. 抗菌作用 2. 尿中排泄及び代謝 健常成人6名に本剤0. 7 5g(力価)又は1. 5g(力価)を静 注した時の投与後0∼1時間の尿中濃度(平均値)は、 0. 7 5g投与でスルバクタム約2, 0 0 0 μg/mL及びアンピシリン 約4, 0 0 0 μg/mL、1. 5g投与でスルバクタム約4, 0 0 0 μg/mL 及 びアンピシリン約1 0, 0 0 0 μg/mLと、高い値を示した。投与後 2 4時間までのスルバクタム、アンピシリンの累積尿中排泄 率は0. 7 5g投与、1. 5g投与ともスルバクタム、アンピシ リンいずれも約8 0%であった6)。スルバクタム、アンピシ リンともほとんど代謝されず未変化体として主に尿中に排 泄される7)。 −3− 本剤は、ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフル エンザ菌のβ- ラクタマーゼ産生・アンピシリン耐性菌に 対し、強い抗菌力を示す16,17,18)。 本剤は、β-ラクタマーゼ高度産生のブドウ球菌属、大腸 菌、又はプロテウス属によるマウス単一感染モデルにおい て、アンピシリンより強い治療効果を示す17)。 また、β-ラクタマーゼ高度産生のアンピシリン耐性イン フルエンザ菌とアンピシリン感受性肺炎球菌のマウス混合 感染モデルにおいてアンピシリンよリ強い治療効果を示す18)。 【主 要 文 献】 2. 作用機序 本剤は、スルバクタムがβ-ラクタマーゼのⅠc、Ⅱ、Ⅲ及 びⅣ型を強く、Ⅰa及びⅤ型を軽度に不可逆的に不活化す るため19)、アンピシリンがこれらの酵素により加水分解さ れることを防ぎ、アンピシリン耐性菌にも抗菌力を示す。 アンピシリンは、細菌のペプチドグリカン架橋形成を強く 阻害して細胞壁合成を妨げ、殺菌的に作用する20)。 【有効成分に関する理化学的知見】 一般名:スルバクタムナトリウム(Sulbactam Sodium) 略 号:SBT 化学名:Monosodium (2S, 5R) -3, 3-dimethyl-7-oxo-4-thia1-azabicyclo [3. 2. 0] heptane-2-carboxylate 4, 4dioxide 分子式:C8H10NNaO5S 分子量:2 5 5. 2 2 融 点:2 6 0∼2 7 0℃(分解) 構造式: 力 価:スルバクタムナトリウムの力価はスルバクタム (C8H11NO5S)としての量を重量(力価)で示す。 標準スルバクタム(C8H11NO5S)の1mgは、1mg (力価)を含有する。 性 状:スルバクタムナトリウムは、白色∼帯黄白色の結 晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノール にやや溶けにくく、エタノール (9 9. 5) に極めて溶 けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。 一般名:アンピシリンナトリウム(Ampicillin Sodium) 略 号:ABPC 化学名:Monosodium (2S, 5R, 6R) -6 [ (2R) -2-amino-2phenylacetylamido] -3, 3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1azabicyclo[3. 2. 0]heptane-2-carboxylate 分子式:C16H18N3NaO4S 分子量:3 7 1. 3 9 融 点:約2 0 5℃(分解) 構造式: 力 性 1)Boston Collaborative Drug Surveillance Program: N.Engl.J.Med. 2 8 6 (1 0):5 0 5, 1 9 7 2 2)Jpn.J.Antibiotics 4 2 (3) ,1 9 8 9:Sulbactam/Ampicillin 特集Ⅰを中心に集計 3)Chemotherapy 3 6 (S-8) ,1 9 8 8:Sulbactam・Ampicillin 論文特集号を集計 4)Matsuda,S.et al.:Biological Research in Pregnancy 5 (2) :5 7,1 9 8 4 5)Mary,E.MacCara et al.:Am.J.Hosp.Pharm. 3 8:1 3 4 0,1 9 8 1 6)柴 孝也ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):1 4 9,1 9 8 8 7)下岡釿雄ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8): 6 6,1 9 8 8 8)Blum,R.A.et al. :Antimicrob.Agents Chemother. :3 3 (9) :1 4 7 0,1 9 8 9 9)Wright,N.et al. :J.Antimicrob.Chemother. 1 1 (6) :5 8 3,1 9 8 3 1 0)由良二郎ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):3 2 4,1 9 8 8 1 1)林 泉ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):1 2 0,1 9 8 8 1 2)菊山成博ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):3 1 7,1 9 8 8 1 3)張 南薫ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):4 6 6,1 9 8 8 1 4)関口隆憲ほか:Jpn. J. Antibiotics 4 2 (3):7 3 3,1 9 8 9 1 5)佐藤吉壮ほか:Jpn. J. Antibiotics 4 2 (3):5 7 9,1 9 8 9 1 6)横田 健ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):1,1 9 8 8 1 7)五島瑳智子ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):1 3,1 9 8 8 1 8)川崎賢二ほか:Chemotherapy 3 6 (S-8):3 4,1 9 8 8 1 9)横田 健ほか:Chemotherapy 3 2 (S-4):1 1,1 9 8 4 2 0)横田 健ほか:Chemotherapy 3 3 (S-2):1 0,1 9 8 5 【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】 ファイザー株式会社 お客様相談室 〒1 5 1-8 5 8 9 東京都渋谷区代々木3-2 2-7 フリーダイヤル 0 1 2 0-6 6 4-4 6 7 FAX 0 3 (3 3 7 9) 3 0 5 3 価:アンピシリンナトリウムの力価は、アンピシリン (C16H19N3O4S)としての量を重量(力価)で示す。 3H2O)の1. 1 5 5mg 標準アンピシリン(C16H19N3O4S・ は、1mg(力価)を含有する。 状:アンピシリンナトリウムは、白色∼淡黄白色の結 晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやす く、エタノール(9 5)に溶けやすく、ジエチルエー テルに溶けにくい。 【包 装】 ユナシン-S静注用0. 7 5g:1 0バイアル ユナシン-S静注用1. 5g :1 0バイアル 【製造販売】 登録商標 004 80034 −4−
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