愛媛銀行 動物愛護推進連携協定 座談会 ∼映画「ひまわりと子犬の 7 日間」を観て∼ 開催日 平成 25 年 4 月 2 日(火) 出席者 水口 吉田 木村 高岸 田中 青山 木藤 渡邉 和寿 氏 亮一 氏 和代 氏 ちはり 氏 由美 氏 淳平 環 清一 (松山短期大学教授) (県立松山北高等学校教諭) (NPO 法人園でピース 代表理事) (NPO 法人えひめイヌ・ネコの会 代表) (県立松山商業高等学校非常勤講師) (愛媛銀行企画広報部参与) (愛媛銀行ふるさと振興部 部長) (愛媛銀行ふるさと振興部 獣医師) ほか 2 名 内容 木村氏 宮崎からこの問題が発信された。しかし、日本中どこでもこの問題をかかえている。 高岸氏 本当にあるがままの事実が描かれている。お年寄りご夫婦が犬を飼っており、どちらかが亡くなる、 または老人ホームに入る。残された家族は、大体が犬を保健所へ連れて行く。映画の内容は、そ っくりそのまま、本当に今起こっていることである。映画では、保健所職員が犬を引き取るが、 一職員だけでは続けられず、みんなが立ち上がらなければならない。また、ヨーロッパやアメリ カでは、動物が出演する映画は必ず動物愛護団体が 2 社以上つき、動物に負担がかからないよう にしている。 渡邉 平成 14 年愛護センターができた当時、 愛媛県では年間 8,800 頭余りの犬や猫が殺処分されていた。 職員は感傷に浸る間もなく殺処分を強いられる状況にある。センターで引き取る動物を減らすこ とが先決であり、ペットを飼ったら終生飼育することが最も重要である。 吉田氏 今まで動物愛護に関する映画など見てこなかった。こういった現実に起こっている問題を知るきっ かけとなるので、子どもたちにも見てほしい。 木藤 子犬を守るという母親の役目を全うする姿が印象に残った。収容されて 7 日間で殺処分されてしま うという現実を知るきっかけとなり、子どもたちにもいい影響を与える映画である。この問題は 行政、NPO 法人、地域社会が一体となって取り組まなければならない。小学生など早いうちから 「命を大切にすること」を教育現場の中で育んでいくことが重要である。 水口氏 主役は、犬の「ひまわり」を飼っていたおじいさんのようにも思える。映画のように昔は動物と共 存していた。老夫婦が犬をかわいがっている、農村の原風景がストーリーの出発点だ。また、職 員の小学生の娘が主役でもあり「ひまわり」の心に最も近かった。こういった子どもの道徳心は家 庭の中で育つものであり、大人の生き方が子どもに影響する。映画で描かれていたように、すべ ての動物には歴史がある。愛情を持って育てられた犬ほど、失った愛情を取り戻すのに時間がか かる。人間社会のあり方を考えさせる映画だ。 青山 人にも犬にも社会にも国家にも歴史がある。それぞれ理解することが大事である。理論はいくらで もある。どう行動するか、どう感じるかが重要である。 田中氏 映画で「ひまわり」は、子どもを守るためにどんな大きなものにも立ち向かう。母親の立場からこ の映画を見た。同じ命でありながら、人間の命の扱われ方、動物の命の扱われ方が違うという問 題提起があった。 提言 私たちの社会において、動物を取り巻く環境には様々な立場や問題がある。処分されるペットの命を救 うには、終生飼育に心がけ、安易に繁殖させない不妊・去勢処置を行い、不要な動物を増やさないことが 重要である。 モルモットを抱いて、「あたたかい」という子がいる。抱いたことがないし、人間と同様に血が通って いることさえ知らない。この様に、今の子どもたちは動物と触れ合う機会や動物を飼う環境が少ないため、 学校などでもっと動物を飼うべきである。また、ブリーダーやペットショップにおいて単に動物を品物の ごとく売買することに憤りを感じると共に、ペットショップの在り方について改善が必要と考えられる。 動物愛護の問題は私たちの社会のひずみの問題である。
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