2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 論点解説 文責:結城 栄一 今日の内容 ・議論をする上の注意点を確認する。 ・今会議における対立軸を確認する。 目次 1. 設定 2. 論点について 3. 注意事項 1. 設定 今回の会議は、国連総会第(1. 2 )委員会で行われるとする。 ↓国連総会組織図 ここ!! 第2委員会(C2)は、主に(2. 経済 )分野を取り扱う場である。 また、会議が行われるのは、2010 年 9 月第 3 火曜日~(第 65 会期)とする。 今年って 2011 年なのに、 おかしくない? 1 2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 以下、2010 年に設定した主な理由。 ・2011 年1月、アフリカ産油国である(3. スーダン )の南北分離決定。 ・2011 年初頭からの中東民主化デモによる、政情不安定。 ・2011 年3月、日本での東日本大震災。 よって、リサーチする場合は、「会議は 2010 年に行われる」ということに注意して、リサーチを進めてもらい たい。(リサーチソースは、その資料の日付が 2010 年 12 月 31 日までのものが有効!!) ★また、今回の会議は架空の会議であることにも注意してもらいたい。 それでは、どこで、「エネルギー安全保障」は話し合われているのだろうか?? ・(4. IEA )(国際エネルギー機関) 1 ・・・加盟国 の石油を中心としたエネルギー安全保障について。 ・(5. OPEC )(石油輸出国機構) ・・・中東をはじめとした産油国の利益を守るための組織 ・(6. G20 )(地域財務大臣、中央銀行総裁会議)2 ・・・金融と世界経済について会合を行う。国際エネルギー機関も参加。 ・(7. IEF )(国際エネルギーフォーラム) ・・・石油等のエネルギー資源の生産国と消費国が、自国のエネルギー政策について情報交換、意見交 換する場。 ・APEC(アジア太平洋経済協力会議)3 ・・・環太平洋地域における多国間経済協力の促進。 などなど・・・ リサーチするときに、こうした組織についても調べてみてください。(決議、声明などが見れます!) 1 加盟基準としては、①OECD 諸国であること、②備蓄基準をみたしていること、である。加盟国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、 カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルグ、オランダ、 ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ。 2 参加国は、日本、中国、韓国、インドネシア、インド、サウジアラビア、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、ロシア、トルコ、アメリカ、カナダ、 メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリア、欧州連合。 3 参加国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、アメリカ、 中国、台湾、メキシコ、パプアニューギニア、チリ、ペルー、ロシア、ベトナム。 2 2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 2. 論点について4 ● 資源ナショナリズム5 産油国・新興国 (イラン、ロシア、ベネズエ 資源ナショナリズムに基づいた政策から、どのようにしたら資源の安定 供給を達成できる? ラ、ボリビア、エクアドル、ナイ ジェリア、アルジェリア、カザフ ○ 資源の安定供給を目指して、外国が入り込める環境を作ろう! スタン、チャド、モーリタニア、 産油国 vs BRICs、消費国 クウェート・・・) ★(8. 産油国 )の経済的・政治的な問題に関して。 ・資源ナショナリズムは、効果的な経済政策なのか? →産油国は、総じて技術力・資金力が不足している!(消費国) ⇔海外からの介入は嫌だ!(産油国) ・(9. 中国 、 ロシア )等による、アフリカ諸国の資源開発・・・? (消費国) 国際石油会社を保有する国 ・そもそも新興国の資源ナショナリズムは、安定供給の阻害要因なのか? (アメリカ、イギリス、フランス、 BRICs vs 消費国 中国、マレーシア ・・・) ★(10. 市場経済 )への挑戦。 反米国家 vs 欧米諸国 消費国 ・反米感情による資源ナショナリズム。(Ex.市場経済の否定) ○ 中東・アフリカとは別のところから、資源を手に入れよう! ★(11. 中央アジア )における輸送ルート(パイプライン) の安全に関して。 ・中央アジアでは、民族紛争・テロが頻繁に発生しているが、石油・天然ガス 等のパイプラインをいかに守るか?(消費国) 4 論点解説に関しては、前期 BG 第1章参照。 5 近年の資源ナショナリズムを巡る各国の動向は、前期 BG 第 6 章、p.p 57~58 に記載。また、パイプラインの記載は、前期 BG 第 4 章。 3 2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 ● 化石燃料補助金 産油国、新興国 (37 か国が補助金制度導入) 資源収入を補助金に使うのは、本当に効果的? ★(12. 産油国 )における補助金を減らして、化石 燃料の需要を減らそう! ★資源収入の使い方をもっとよくしよう! 産油国+新興国 vs 先進国 ・補助金政策は、化石燃料に頼りきりにする! →もっと、有効な使い道があるだろ!(先進国) ⇔貧困層にとって、補助金は必要!(産油国+新興国) 先進国の中でも、G20、IEA ・補助金政策は、国民に人気!(産油国+新興国) 加盟国が中心 3. 注意事項 ● アウトオブアジェンダ アウトオブアジェンダとは、会議を円滑に行うために話し合われない事項のことを指す。 今会議のアウトオブアジェンダを以下に示す。 ・化石燃料(石油、石炭、天然ガス、オイルサンド、オイルシェール(※)など)以外のもの。 (レアメタル、ダイヤモンドなど。) ・今会議の議論に関わりのない、特定の地域への言及。 ・金融系(高度に経済的なこと。) ・核燃料に関わること。(IAEA:国際エネルギー機関、国連総会第 1 委員会など) ・CO2 の具体的な削減数値。(気候変動枠組条約締約国会議で話されています。) (※)オイルシェール、オイルサンド:極めて粘性の高い鉱物油分を含む砂岩。色は黒ずみ、 石油臭を放つことが特徴。母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェールと呼ばれる。 4 2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 アウトオブアジェンダに注意して、文言の作成などを行ってください。ただし、自国の見解として、これら のことをスピーチで発言するのは認めます。(Ex.原子力がエネルギーの中で一番有効だと考えま す!) まとめ ・今回の会議では、資源の安定供給に関わる問題へのアプローチを試みる。 ・他の会議で話し合うことのできる内容は、アウトオブアジェンダである。 ★参考文献 ・外務省 エネルギー安全保障 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/energy/index.html エネルギー安全保障に関わる情報が載ってます。 ・「World Energy Outlook」 http://www.worldenergyoutlook.org/ IEA(国際エネルギー機関)が出しているレポートです。日本語版もあるので便利です。 ・JOGMEC 石油・天然ガス資源情報 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/ 資源国のエネルギー政策に関するレポートがあります。資源ナショナリズムに関するレポートもあります。 担当国で検索すれば、担当国に関するレポートが出てきます。 ・JOGMEC(石油・天然ガス開発情報) 「その後の資源ナショナリズム」 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3701/201011_001a.pdf 最近の資源ナショナリズムについて書かれている。 ・JOGMEC 「資源ナショナリズムを斬る」 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/1/1586/0701_01_ishii_nationalism_r.pdf 現在の資源ナショナリズムの状況と、それに対する批判を載せている。 ・資源エネルギー庁「エネルギー白書」 http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm 資源エネルギー庁が毎年出しているレポートです。 5 2011/05/28 Model United Nations Kobe Branch 前期論点解説 ・「みずほレポート 資源価格高騰に伴う資源ナショナリズムと地政学的リスクの高まり」 http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/.../report08-0404.pdf 資源高騰と資源ナショナリズムの関連を説明している。 ・「エネルギー安全保障に向けた低炭素化社会に関する福井宣言」 http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/apec/about/.../declaration100619. pdf 2010 年に行われた APEC 福井会合での声明文。化石燃料補助金に関して言及。 前期会議がんばっていきましょー!!^^ 6
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