５０ 周年記念誌 宗谷 網走 （オホーツク） 留萌 上川 根室 空知 後志 石狩 釧路 十勝 胆振 檜山 日高 渡島 北海道高等学校教育研究会 目 次 発刊の辞 ……………………………… 北海道高等学校教育研究会会長 守 屋 開 …… １ 祝 辞 ……………………………………… 北海道教育委員会教育長 髙 橋 教 一 …… ２ ……………………………………… 札幌市教育委員会教育長 北 原 敬 文 …… ３ …………………………………… 北海道高等学校長協会会長 山 本 伸 弘 …… ４ 高教研 50 周年に寄せて ……………………………… 第 14 代会長 島 隆 …… ５ 第 15 代会長 青 塚 健 一 …… ６ 第 16 代会長 金 間 正 克 …… ７ 第 17 代会長 宮 浦 俊 明 …… ８ 全体講演この 10 年（講演要旨） …………………………………………………………………… ９ 地区支部～この 10 年の歩みと今後の展望～ ………………………………………………… 17 教科部会～この 10 年の歩みと今後の展望～ ………………………………………………… 35 分科会研究成果一覧 ……………………………………………………………………………………… 53 研究紀要一覧 ………………………………………………………………………………………………… 72 年表 高教研 50 年の歩み ……………………………………………………………………………… 79 高教研登録会員数及び研究大会参加者の推移 ………………………………………………… 89 本部事務局の歩み ………………………………………………………………………………………… 90 ◆ 50 周年記念事業◆ 特別展示「はやぶさ」「高教研」 …………………………………………………………………… 94 功労者表彰 …………………………………………………………………………………………………… 102 ◆教育統計資料◆ 編集後記 ……………………………………………………………………………………………………… 107 50 周年記念誌発刊に寄せて 北海道高等学校教育研究会 会 長 守 屋 開 北海道高等学校教育研究会が発足してから半世紀、50 周年を迎えることができました。本研究会は、昭 和 38 年５月 25 日に札幌南高校で設立総会が開かれ、翌昭和 39 年２月１日に札幌旭丘高校を会場として第 １回研究大会が開催されました。各教科における研究や発信が自由になされ、本道高校教育を前進させたい という発足当時の先生方の熱い想いを実現させるべく奔走された諸先輩に敬意を表します。この間、ご支援 いただきました北海道教育委員会、札幌市教育委員会、北海道高等学校長協会をはじめ、全体集会や教科部 会でご講演いただきました講師の皆様に深く感謝申し上げます。このように、50 周年を迎えることができ ましたことは、会員の皆様と多くの先輩諸氏が本研究会をつくりあげてきた努力の賜物と感じております。 さて、近年の生徒数減少に伴う影響などにより、本研究会の会員数が徐々に減っておりますが、北海道教 育に果たしてきた役割は大きく、全国的にも注目されてまいりました。本研究会は、会員相互の資質を高め あう研修のみならず、各支部・教科部会の振興を図るために、万全の運営に努めているところです。また、 各高等学校におきましては、未来を担う生徒を育むために、平成 21 年に告示された学習指導要領の改訂に 伴い、平成 24 年度入学生から数学・理科の指導が先行実施されました。平成 25 年度入学生から年次進行の 実施に向けて、あらたな教育課程編成の中で、高等学校教育の質の保証も含め、本格的な対応を真剣に進め ているところと思います。 本研究会の 50 周年を記念いたしまして、１月の研究大会では、開会式並びに全体講演で『「はやぶさ」が 挑んだ人類初の往復の宇宙飛行、その７年間の歩み』と題した川口淳一郎氏のご講演で多くのご示唆をいた だき、盛会のうちに終了することができました。また、特別展示では、「はやぶさ」や小惑星イトカワの模 型等の展示とともに、「高教研」展も同時に行い、50 年にわたる北海道高等学校教育研究会の教育研究活動 を広報しました。なお、14 の教科部会では、それぞれの分野において、新しい知見の紹介や日々実践して いる教育活動について、意欲的な研究発表や協議が成されております。また、本研究会が長く続いておりま すのも、携わって頂きました本部役員、各支部・教科部会役員、本部事務局、そして、いつも積極的にご参 加いただきました先生方のご協力の賜物と感謝申し上げます。本研究会の発展に、ご尽力を賜りました皆様 のご功労を讃え、この記念誌に功労表彰者として記載し敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。 今回、これらをまとめました 50 周年記念誌を発刊することになり、高教研のこれまでの各支部・教科部会 の活動について、研究実績を含めまして検証していただけるものと思います。 「高教研」は、北海道教育の発展という使命を担い、「未来を担う心豊かな生徒の育成」を目指して、今後 とも、教員相互の「研鑚」と「修養」に大きく寄与していく所存であります。なお、本誌の編集にご尽力く ださいました関係各位に心から感謝申し上げ、発刊のことばといたします。 ―― 祝 辞 北海道教育委員会 教育長 髙 橋 教 一 北海道高等学校教育研究会が、このたび、創立 50 周年の節目を迎えられ、『創立 50 周年記念誌』が発刊 されますことに、心からお祝い申し上げます。 本研究会は、 昭和 38 年５月、 「本道の高校教育を前進させたい」という先生方の熱い思いのもとに設立され、 翌、昭和 39 年２月、札幌旭丘高等学校を会場に 350 名の会員が参加し、第１回研究大会が開催されました。 以降、日ごろの授業実践や研究成果などの交流を通して、北海道の高等学校教育の充実・発展に大きく貢献 されており、現在は約 2,500 名の会員数を誇る、全国でも類を見ない教科研究会となっております。 本研究会がこのように隆盛発展されましたのは、設立に当たり奔走された先輩諸氏はもとより、その意志 をしっかりと受け継ぎ、本会の運営に御尽力された歴代会長をはじめとする役員の方々の御努力、さらには 本会を自らの研鑽を深める場として教科指導の一層の充実を目指す会員各位の熱意によるものであり、ここ に、深甚なる敬意を表する次第であります。 また、各学校における質の高い実践研究の発表の場として活用されてきました「研究紀要」は、この度、 日記念すべき 50 号を数え、それぞれの時代における教育課題の解決を目指そうとする会員各位の御努力の 結晶として、本道高等学校教育の大きな指針になるものであります。 さて、今日、経済を中心とするグローバル化、少子高齢化や情報化が進展し、社会が急速に変化する中、 将来を担う子どもたちには、高度化・複雑化する諸課題に対応していく資質・能力を身に付けることが求め られております。 このため、学校教育においては、基礎的・基本的な知識・技能の習得はもとより、これらを活用して課題 を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、豊かな人間関係を築くコミュニケーション能力などを育 むことが重要であります。 特に、高等学校においては、義務教育を修了した生徒の自立に向けて、最低限必要な能力を身に付けさせ るとともに、生徒の適性や進路希望等に応じて必要とされる能力を身に付けさせることが必要であります。 このようなことから、高等学校には、中学校との緊密な連携の下、生徒の情報や学校の指導内容等を共有 し指導の充実を図ることに加え、高校間をはじめ、特別支援学校、大学との連携を学校の実情に合わせて推 進し、教育活動の一層の充実を図ることが大切であります。 こうした中、本研究会が「未来を担う人を育む北海道高等学校教育の創造」を主題として、確かな学力の 育成や新学習指導要領の実施など当面する課題解決をも含め、各教科の立場から本道の高等学校教育を前進 させようと願う使命は極めて大きく、会員各位の研究に寄せられる期待は大変大きいものがあると思ってお ります。 結びに、会員の皆様には、記念すべきこの節目を契機に、本研究会がこれまで果たしてこられた役割を改 めて思い起こし、本道の高等学校教育の発展のために、今後一層の研鑽を重ねられますようお願い申し上げ ますとともに、 本研究会が、ますます御発展されますことを心から祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。 ―― 祝 辞 札幌市教育委員会 教育長 北 原 敬 文 このたび、北海道高等学校教育研究会が創立 50 周年を迎えるに当たり記念誌を発行されますことは、誠 に意義深く、お喜び申し上げます。 本研究会は、昭和 38 年に発足以来、今日に至るまで、日常の教育実践を基盤としながら着実に研究実績 を積み重ねられ、本道の高等学校教育の充実・発展に多大な貢献をしてこられました。50 年の長年にわた る会員の皆様の熱意と真摯な努力に対しまして、深く敬意と感謝の意を表します。 さて、高等学校教育の多様化の進展に伴い、これまで様々な教育改革が進められてきております。高等学 校への進学希望者については、本研究会が発足した昭和 38 年はいわゆる「適格者主義」の考え方を採って おりましたが、その後の見直しを経て、特別支援学校高等部も含めた後期中等教育機関全体で受け入れられ るよう適切な受検機会の提供などの条件整備が進められました。平成 22 年度からは公立高等学校の授業料 無償化及び就学支援金制度が創設されるなど、家庭の経済状況に関わらず、全ての意志ある生徒が後期中等 教育段階での学びの場が保障されるよう支援の輪が広がっています。また、単位制高等学校や総合学科など の新学科の創設、中高一貫教育制度の導入、学校間連携や学校外の学修による単位認定の拡充など、生徒の 興味・関心、能力・適性、進路等の多様化に応じて、学びの場の多様化と選択幅の拡大が進められてきまし た。さらには、不登校・中途退学経験のある生徒に対する重点的な支援や基礎・基本の定着のための取組を 始めとして、多様な生徒の実情に応じた特色ある学校づくりが進められております。 このような中、札幌市では、「教育推進目標」として「未来を切り拓く人間性豊かで創造性あふれる自立 した札幌人」を掲げ、ふるさと札幌に根ざしながら国際的な視野を持ち、未来を志向する創造的で心豊かな 自立した社会人を生涯にわたって育成する取組を市民ぐるみで進めております。その中で、中央教育審議会 初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議にもあった「社会・職業への円滑な移行に必要な力」の育成を 図るとともに、そうした力を自ら求める意欲の醸成を図る「進路探究学習」を「高大連携」の取組を含め、 市立高等学校教育改革の施策の一つとして取り組んでいるところであります。札幌市としては、中央教育審 議会の審議等の動向も注視しつつ、これまでの取組の成果と課題を明らかにしながら、今後の高等学校教育 の一層の充実に向けて、改革と創造の取組を進めていくことが必要であると考えております。 本研究会は、このような高等学校教育の改革が進展する中、「未来を担う人を育む北海道高等学校教育の 創造」という研究主題の下、時代の先を見据えた研究を続けられ、教育現場での実践にしっかりと根ざした 優れた研究を発表されております。これは、本研究会がまさに本道の高等学校教育の研究の中枢を担ってい ることの証であり、今後とも本道の高等学校の実践的な研究の先導的役割を担っていただくことを期待して おります。 このたびの本研究会の創立 50 周年を契機とし、会員の皆様の一層の研鑚と、本道の高等学校教育の充実・ 発展のためのお力添えをお願い申し上げましてお祝いの言葉といたします。 ―― 祝 辞 北海道高等学校長協会 会 長 山 本 伸 弘 この度、北海道高等学校教育研究会が創立 50 周年を迎えられましたことは、誠に喜ばしく、心からお祝 い申し上げます。この 50 年間、本研究会は北海道の高校教育を担う教員の研修の場として、研究成果の発 表や授業実践等の交流を行い、北海道の学校教育の充実・発展に寄与してまいりました。これまで、本研究 会の充実・発展にご尽力された歴代会長はじめ、役員及び会の運営にご努力いただいた先生方、並びに会員 として研究会に参加された先生方に深く敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。 昭和 38 年５月、本研究会は「高等学校の各教科などに関する事項を研究し、会員相互の研修と識見の向 上につとめ、高等学校教育の振興を図る」ことを目的として創立され、以来、毎年１月上旬に全体集会及び 教科部会が開催されてきました。本研究会の会員数の規模や研究大会・研究紀要の内容は全国に誇るもので あり、本道高校教育の研究の中核を担ってきた役割は極めて大きなものがあります。 本研究会の発足当時 60％台であった高校進学率は年々上昇し、そのため中学校から進学してくる生徒の 学力の実態に応じた教育課程を編成する必要性が生じ、1970 年以降、履修単位数・必履修単位数の削減や、 主要教科の生徒の学力に応じた設定、選択性の拡大など、学習指導要領の改訂が行われてきました。現在、 高校進学率は 98％という状況になり、高校で学ぶ生徒は、高等教育への準備教育を求める生徒や、就職に 必要な専門教育を求める生徒、義務教育段階の学習内容の定着を必要とする生徒など、様々であります。こ れまで大学入試の選抜機能が生徒の学習意欲を導き、受験勉強により高校教育の質の保証を保ってきた側面 がありました。しかし、選抜制の高い一部の大学を除き、全体的に大学の選抜機能が低下している現状にお いて、高校教育の質の保証は、「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度の 普通教育及び専門教育を施す」という高校教育の目的を踏まえ、高校が主体的に取り組むべき課題となって きています。 このような中、第６期中央教育審議会における初等中等教育分科会高等学校教育部会では、高校教育の多 様化の中で共通性をどのように捉え、生徒の学習進度や理解に応じた主体的な学びの仕組みをどのように構 築していくかについて議論され、その内容は、第７期中教審に引き継がれることになりました。高校を中心 とした審議会は、総合学科や単位制という制度を誕生させた平成３年以来であり、踏み込んだ提言が予想さ れます。 高校では、平成 25 年度入学生から新学習指導要領による教育課程が学年進行で本格実施となり、教育基 本法の理念を踏まえた「生きる力」を育成することが求められています。これからの変化の激しい社会を生 きていく子どもたちには、自分で考え、判断し、行動する力が必要となります。そして、それを支えるのは、 学校で身に付けた知識 ･ 技能、思考力 ･ 判断力 ･ 表現力といった学力であり、その根底にあるのは主体的な 学びへの意欲です。子どもたちが、未来に向かって自らの人生を自らの手で、切り拓いていこうとする意欲 を育てていくことが主体的な学びへつながるものと考えています。 創立 50 周年を迎えられた本研究会が、このような高校教育の課題や教育改革の方向性を踏まえ、会員の 一層の研鑽の場となり、これからも全国に冠たる「北海道高等学校教育研究会」として力強く歩まれますこ とを祈念し、お祝いの言葉といたします。 ―― ●高教研 50 周年に寄せて● 50 周年を迎えた高教研と共に 第 14 代会長 島 隆 高教研が 50 周年を迎えました。私の高教研会員・事務局員・事務局長・会長、そして顧問としての 47 年 間を改めて振り返ってみますと、そのほとんどが高教研の 50 年の歴史と重なります。その関わりは昭和 42 年第４回高教研から始まります。苫小牧東高校１年目の新米教員だった私に能勢元彦教頭 ( 後、札幌西高 校長 ) から「イデオロギーの対立が激しい中だが、 『教師が専門職である以上、教職についての専門的知識、 技能が必要であることは言うまでもない。加えて、教え上手は必ずしも良い教師ではない。子どもの心に食 い込む人間性を持った教師が本当の教師ではないか』。そのために今勉強し、視野を広げなさい」と指導い ただき、静修高校で開催された全体集会に参加、教師としての未熟さが目立つ私は視野を広げる大切さを学 びました。この思いは第５回大会での細谷俊夫氏の講演「わが国の中等教育」でも強くしたことを今も記憶 しています。 第８回から 11 回大会は旭川北高校からの参加、地方からの参加は自費参加がほとんどでしたが、自分の 狭い視野を広げるきっかけを得て、日々の教育実践を見直し、改善へのヒントを得ることができました。 昭和 49 年度に札幌藻岩高校へ転勤、８年間の大会参加を通して、多くの人との出会いから等身大の自分 を知り、欠落した部分に気づき、「授業はあいまいを上手に教えるより、真実を下手に教える方がよい。感 動が人を育てる」という改善の手がかりを掴むことができたように思います。 昭和 57 年度から 10 年間、札幌旭丘高校で高教研事務局員の一員として会員６千人超を有する会の運営を お手伝いをすることになりました。この期間で特に印象に残っているのは第 20 回記念大会の黒川紀章氏の 講演 「共生の時代」でした。生徒にどう対するかという教師の姿勢の在り方に大きな影響を与えてくれました。 その後、３年間旭丘高校を離れましたが、平成７年度に再び旭丘高校勤務、綾井健二校長の下で高教研事 務局長として３年間会の運営にあたりました。会員数の減少による高教研の財政面の問題点が表面化し、事 務局員の協力を受けながら本部事務局や全体集会の在り方など立て直しに着手しました。その結果、第 36 回 大会の午後はシンポジュウム開催、第 37 回大会からは午後の開催となり、現在に至っています。その３年間 の中で忘れられない大会は、平成８年の第 33 回大会でしょう。全体集会前日９日、準備のこの日は記録的な 大雪でほとんどの交通機関はストップ状態でした。そんな中、講師の河合雅雄氏が名古屋から長靴姿で無事 到着された時には本当に安堵の胸をなでおろしました。そのような天候状況にあっても３千名を超える参加者 があったことに感激しました。素晴らしい会員の皆さんに支えられた高教研であることを実感しました。 第 35 回大会を終えて旭丘高校を離れましたが、３年後に三度の旭丘高校勤務となり、第 39 回、第 40 回 大会を会長として携わることになりました。その第 40 回記念大会は思い出多い大会でした。その一つは、 全体集会の講師として五木寛之氏をお迎えし、「日本人のこころ」と題する講演をいただいたことです。五 木氏のある基調講演で「乾ききった社会に何かの清冽な水、水分、湿度というものを注がなければいけない。 水にあたるものは、例えば情という言葉ではないか。…感情、情念、情動といったもの」という言葉に接し、 是非お話を聞きたいという思いが強くなり実現させることができました。もう一つは、完全学校週五日制の 下で、学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し、全ての生徒に基礎・基本の教育内容を確実に身に付けさ せ、自ら学び、自ら考えるなどの「生きる力を育むこと」を基本的なねらいとする新学習指導要領が施行さ れることを受けて、大会３日目に道庁赤レンガ庁舎で沢山の参加者を得て新部会「情報部会」が開催された ことです。この部会創設は当時の札幌拓北高校五十嵐勝彦校長の多大なご尽力と設立発起人となられた先進 的な 17 名の先生方の協力により開催されました。設立の関係者に敬意を表すると共に感謝申し上げます。 北海道の高校教育の充実のために主体的で自由な研究や研修を行う組織として高教研は発足、関係者の理 解と努力により全公立・私立高校 14 教科 24 科目の教員が一堂に会して研究会が行われるようになりました。 「教育は人なり」と言います。教師は教育者としての使命感、生徒に対する深い愛情、教科に対する専門的知識、 広く豊かな教養を基盤とした実践的指導力がより求められています。高教研は、50 年の伝統と実績を力と してこれからも実践的指導力を培う場としての役割を果たし続けることを願っています。 文末になりますが、高教研の 50 周年を祝し、全ての高教研関係者のご発展をお祈りします。 ―― ●高教研 50 周年に寄せて● 高教研 50 周年に寄せて 第 15 代会長 青 塚 健 一 いま縁あって教員を目指す大学生相手に、魅力ある講義を模索しながら日々奮闘しています。厳しい躾を 無理強いしているので煙たがられているのは承知で、プロ教師の卵を育てています。本当に子どもが好きで、 「研究と修養」を普段着で受け入れ行動できる教師を育てるため、工夫をこらしたプログラムを創造し実践 しています。 さて、私は札幌新川高校を最後に退職して３年が経過しました。在職中は道校長協会主催の「北海道高等 学校教育研究会」の会長を３年間勤め、教員生活最後の貴重な経験をさせてもらいました。北海道内の公私 立高等学校教職員の「研修と識見の向上につとめ、高校教育の振興を図る」研究会となるように役員一丸と なって推進してきたことが大きな思い出になっています。そこから 10 年経過し、今年 50 周年という大きな 節目を迎えたことに対して、感慨深いものが脳裏に浮かびます。 ふり返ってみると、旭丘高校の教職員は「厚生年金会館（今はニトリ文化ホール）」で、年始の挨拶を交 わしていたことになります。年明けの最大行事として、高教研事務局校として手際の良い業務さばきに感謝 していました。事務局校の話題もありますが、変更することは高教研そのものと大きく関わってくるもので すから不可能です。事務局校旭丘は、会員の皆様に対して奉仕的に業務をこなしていることはご理解下さい。 一日目の全体会では、開会式後に「全体講演」があり、参加される先生方の期待を裏切らないようにビッ グで最前線に活躍する先生を招聘することが至難の課題でした。Ｈ 13 ～ 14 年の２年間は、島会長さんの下 で事務局長を務めていたのですが、ちょうど " 高教研 40 周年 " にあたり記念講演として「五木寛之（作家）」 先生を招聘しました。このとき全道高等学校の図書館に、五木寛之先生の本を配布したことを思い出します。 島会長さんの後任として、私が３年間高教研会長の大役を務めることになり、身の引き締まる思いで事務局 校職員の協力、高教研役員の皆様の協力を得て、「高教研」の更なる発展を目指して一路邁進しました。在 任３年間も少子化、統廃合問題が迫っていて、会員数の維持確保に全力を注ぎました。また、新教科「情報 部会」が一人前となったり、会員登録もインターネットで集約、さらに本部役員として私立高校からの副会 長さんを一人増員となり今日に至っています。私の３年在任中の全体講師の先生についても思い出がありま す。それは、①第 41 回（H15 年）毛利衛〈宇宙飛行士〉、②第 42 回（H16 年）寺島実郎〈三井物産戦略研 究所長〉 、 ③第 43 回（H17 年）吉村作治〈早稲田大学国際教養部教授〉と３人のビッグな先生方をお招きして、 全道各校の先生方の士気を鼓舞してきました。 最後になりますが、時代の趨勢とはいえ毎年学校が消えていくことに対して寂しさを感じます。特に、札 幌においても「あすかぜ高校」の誕生、４月から新設の「英藍高校」が誕生しますが、その陰には大規模校 であった４校が消えているのです。そのような中で「三笠高校」は市立高校 " 調理コース " で大人気を博し ていたり、 「別海高校」はコミュニティスクールとして学校運営が注目されています。いま、教師に求めら れている「教員の資質と能力の向上」を推進していくためには、50 年という伝統・歴史に物語る " 北海道 高等学校教育研究会 " を会員相互の協力を得て、益々信頼ある研修の場として築き上げていかれることを期 待しています。 ―― ●高教研 50 周年に寄せて● 50 周年記念誌によせて 第 16 代会長 金 間 正 克 本研究会は、昭和 38 年（1963 年）に設立され開校５年目の札幌旭丘高校を会場として開かれた。第１回 の参加者は 350 名、現在の７分の１の規模であった。以来今日 50 周年を迎え、よく成長してきたものと思う。 その背景には、会員各位の高教研に対する強い熱意があり、さらにこの間事務局を営々と続けてきた旭丘高 校の努力によるものと言える。私も旭丘にきた以上という半ば開き直った気持ちはあるものの、やはり使命 感が先にたち継続できたものと思う。 短い在任期間であったが幾つかの思い出を紹介させていただく。 一つは平成 18 年秋から 19 年にかけて嵐のように高校教育界を席巻した「未履修問題」であった。全国で 663 校、10 万４千人（文科省発表）の生徒が学習指導要領で定められている履修すべき科目を履修していな かったと厳しい調査の結果結論づけられた。その結果放課後の補修授業や大学受験間近の冬休み中の特別授 業、レポート提出等がなされた。確かに高校側によるルール違反や虚位の報告は改めなければならない。同 じことを決して繰り返してはならない。同時に混乱によって多大な迷惑をかけてしまった生徒の皆さんに対 し、心よりお詫びしなければならない。だが、この問題は根本的には解決されていないのではないか。なぜ なら今日の高校とりわけ普通高校が大学受験のためにあるという切ない現実の前に有効な手段をもっていな いからである。道内で指摘された学校の多くは、いわゆる進学校で彼らの学力は前へ前へと進むことができ る生徒だ。本来高校で教えるべき内容を単一化するのではなく柔軟に弾力的におこなうべきであろう。 二つ目は、エピソードのような話である。在任中高教研のホームページを見たと言ってよく他県から電話 が入った。また全国高等学校校長会の総会でも同じ趣旨の質問を受けた。趣旨とは他の都府県では信じられ ない組織でありなぜこのような研究会が成立し得るのかと言うものであった。それこそ私たちが目指してき た全道一本の組織と研究内容の実態を問うものであった。「どうだ。凄いだろう。」と胸中に秘めながら電話 口であるいは総会の檀上で淡々と答えたものだった。もう一つさらに個人的な思いであるが、全体講演の講 師の招聘、これが最も大変であった。重要であるから大変なのだ。文系、理系、流行、知名度、日程、テーマ、 費用そしてなにより話のおもしろさを重視し決めなくてはならない。これまで 75 名を超す講師陣のなかに は「はずれ」がなかったわけではないことを考えると、この重圧は結構なものであった。でも楽しかった。 終わりに高教研の 50 周年に際して「今一度初心に帰る」ことについて記したい。そのタイミングなのか もしれないと思っている。高教研の使命について、会則の第３条に「本会は高等学校の各教科などに関する 事項を研究し、会員相互の研修と見識の向上につとめ、高等学校教育の振興を図ること」とある。さらに高 教研初代会長、梶浦善次先生は「よき教育者は常に自らを教育する者でなければならない。」と述べている。 この言葉は不易である。過去に身に着けたものを吐き出しているだけでは悪しき意味における教師、教育技 術者にすぎない。私たちは新しい知識に謙虚に感動し、勇気をもって工夫してみる気概が必要だ。 今年度の会員数は約２千５百人、ここ５年で５百人減である。正直に言うならば組織としての危機感を感 じているのは私だけではないだろう。研究会が正しく成長するためには二つの条件が必要だ。一つは「学問 の自由」が保障されることであり、他の一つは「財政的基盤」の確保だ。その意味で会員数の維持、拡大は 重要な課題であるがそのためにはより魅力的な研究会となるよう会員一同、鋭意努力していきたいものだ。 ―― ●高教研 50 周年に寄せて● 高教研とともに 第 17 代会長 宮 浦 俊 明 北海道高等学校教育研究会が今年度 50 周年を迎えたことを心よりお祝いを申し上げます。半世紀の間、 多くの北海道の高校教員は高教研でさまざまな知的な刺激を受け、各自の教科指導力を向上させてきました。 私が教員になって初めて参加した研究会も高教研でした。厚生年金ホールでの講演が午前と午後の２回あ る時代です。最初の赴任校は道北の美深高校でしたので、二日目の教科別集会の午後、天候が荒れてくると 落ち着かなくなる先生方の気持ちがよくわかります。 20 代の終わりごろ、高教研で発表する機会を得ました。資料も十分そろえることができず、印刷も不鮮 明なところが多く、参加者を戸惑わせてしまいましたが、高教研の研発は教員としての大きな自信になりま した。その後 10 年にわたって、教科部会の運営を仰せつかることになりました。 運営委員はテーマの選定、講演者の選定・依頼、また当日の研発者や司会・記録の依頼など、６月頃から １月まで間断なく仕事が続くものでした。講演者の思い出は多くありますが、私は何といっても樺山紘一氏 （西洋史）で、話のスケールが大きく、お酒が強く、教科指導に大いなる力をもらいました。高教研は１月 の第２週の開催ですので、この時期は何よりも天候が心配で、講師を千歳空港に迎えに出て、雪で遅れた飛 行機を夜遅くまで待っていたこともありました。そんな私がやがて旭丘高校へ転勤となり、高教研事務局を 担当することになりました。その最初の仕事が高教研 40 周年の記念大会でした。全体講演の講師は五木寛 之氏でした。五木寛之氏は北海道の高校の先生が三千名も会員となる大会の意義を理解し講演を引き受けて くれました。その後、46，47，48 回大会は会長として運営に携わることになりました。会長としては全体 講師の依頼が重要な仕事でした。高教研の会員数が減少し、すべての教科を網羅する北海道独自の研究会の 意義もなかなか理解され難くなる状況下で引き受けてくれた講師の皆さんに感謝する３年間でした。 高教研は社会の変化とともにその姿を変えてきていますが、今も発足時の初代会長梶浦善次氏の「高校教 育を前進させようという意欲を持つ人々によって結成されたものである。」（昭和 39 年研究紀要第１号）と いう思いに支えられています。第１回大会から 50 年に渡って高教研を支えてきた事務局校の旭丘高校の教 職員の皆さんの思いも同様であり、頭下がる思いです。また、全道の支部校の皆さん、教科部会の皆さんの 手弁当の力が、50 年のゆるぎない歴史を持つ研究会を支え育ててきました。感謝、感謝です。 高教研は北海道の高校教育の誇りです。戦後の混乱した社会が落ち着きを見せ日本が新たな道を模索し始 めたとき、高教研は産声をあげたのです。51 年目からの高教研の研究活動は革命的ともいえる今日の社会 の変化の中で、次の世代のための新たな指針を生み出す力となるでしょう。 ―― 全体講演この 10 年 （講演要旨） 第 41 回研究大会 第 42 回研究大会 宇宙の視点からの教育 世界潮流と日本および北海道の進路 宇宙飛行士 / 日本科学未来館館長 毛利 衛 氏 三井物産戦略研究所所長 / 日本総合研究所所長 寺島 実郎 氏 南極に行き「日蝕」を見て、41 年前に網走でみた日蝕を思い出し た。その一瞬が今の自分の起点と なった。自分の役割は経験を繋ぐこ とで、宇宙を実際に見て、教育への 考えを述べたい。 宇宙と地球の違いは何か？まず空気がない。重さ がない。全く違う環境では、それまでの常識が通じ なくなり、違う視点で物事を見るようになる。 宇宙で見た太陽は、無機質なエネルギーそのもの。 宇宙は真っ暗ですべてが吸い込まれそう。スペース シャトルから地球を見ると、人の存在が見えてこな い。陸地の森林と海の珊瑚礁しか見えない。太陽の 光がなくなると街がネットワーク状に繋がり、人間 の存在が見えてくる。 昔は「国」単位で色々なことが起こっていた。今 は携帯電話で「個人」が世界中から情報を受信し、 発信できる。この大きな流れに沿って世の中は変 わっている。その大きな力が科学技術である。 地球は大気によって守られていることは、生命維 持装置を持って初めて実感した。それは大変微妙な バランスで保たれている。昨年、火星が６万年ぶり に地球に大接近し、米国がロボットを着地させた。 薄い空気の層があり、生物がいるかもしれないが、 教育を考える生命は地球以外には存在しない。 教育を普遍的に見ても良いのではないか。ゲノム が昨年解読された。すべての生命はたった４つの塩 基の組み合わせ方が違うだけである。地球全体のこ とを、教育を含めて考える社会への視点が大切では ないか。 学校の役割は、まず、「社会に適応するための基 礎能力を与える」ために義務教育が、次に「個の優 れた能力を引き出す」ために高等教育がある。中高 では２番が大切。 イチローの活躍にみんな触発されて頑張るように なった。新しい環境に挑んだ者は多くのリスクを被 るが、次に続いていく。個が挑戦し成功するとそれ が全体に広がり、全体のレベルが向上していく。教 育もそれと同じ。 高教研は全教科にまたがり幅広く、大きな意味を 持つ。個をどのように伸ばすか、そしてその情報を 全体にシステムとしていかにひろめるていくのかが 大切である。 道産子で、多感な時代を札幌 で過ごした。時代を考えるヒン トになる話がしたい。 世界経済の中で日本はどこに おかれているか。２１世紀に なって発展途上国も含めた実質ＧＤＰが異様な右肩 上がりに成長している。これは世界のバランスを考 えると高すぎる。日本経済が成長力を取り戻しつつ ある要素は２つある。１つは大企業のリストラ要素。 利益が上がる体質をつくり、そぎ落とした部分を中 小企業が抱えている。もう１つが、「アジアに依存 する日本」、とりわけ中国に依存し業績を回復して いる。中国経済を「生産と消費」の視点から触れた い。生産だが、例えば粗鋼生産の増産。それでも足 りず鋼材輸入している。尋常ならざる建設開発ブー ムの中を走っている。日本の４倍の高速道路を持つ 国。異様な熱気の中にある中国。消費だが、理屈に 合わない勢いでモータリゼーションが進んでいる。 これを考えるヒントとして、「人口パワーと富裕層 の台頭」に行き当たる。５千万人の購買層。「巨大 な消費社会」の扉が開き始めた。国民経済の拡大の 異様なスピードによって内包する矛盾、問題点を覆 い隠して走り抜ける瞬間が見える。 中国を考えるキーワードに「大中華圏」がある。 中国、香港、台湾、そして人口の６割以上が華僑で 占めるシンガポールを加えて４つの国と地域の有機 的な連携体。海と陸がシンクロナイズしはじめた。 わが国の貿易、生活、産業基盤が、アメリカ依存か ら、この数年間で「大中華圏」依存に様変わりした。 21 世紀はアジアダイナミズムとその中核にある「大 中華圏」が裏と表を反転させる。 自信を取り戻したロシア。存在感を高めつつある ロシアに対して日本はどう向き合うのか。そして「急 速に疲弊するアメリカ」を目撃しなければいけない。 イラク戦争後、ドルは下落し、アメリカの信任の揺 らぎもすごい。世界の投資家はアメリカだけでなく なった。アメリカをよみがえらせる産業論的、技術 論的要素は何なのか？全くはてなだ。少なくとも、 アメリカだけにお金が流れ込む構図から転換したこ とは間違いない。 ― 11 ― 第 43 回研究大会 第 44 回研究大会 夢の実現の仕方 サウンド オブ サイエンス ジョン・ネイピア ～ 対数誕生物語 早稲田大学国際教養学部教授 吉村 作治 氏 昨日札幌に入り、久しぶりに雪 を見た。イスラム教の巡礼月。こ の間何人もの人がそこで死んで ゆく。みな幸せそうな顔をして死 に、 「よかった、よかった。神に 感謝しなければいけない」と言う。人間の死を一概に 悲しいことだと思うのは間違いだという気がしてくる。 エジプトに憧れたのは 10 歳の時。50 年以上もエ ジプト一筋に生きてきた。エジプトの神と私は赤い 糸で結ばれている気がする。 子供の頃、運動神経が鈍く、私を仲間に入れると試 合に負けるという評判になり、仕方なく図書室に行った。 司書の先生に伝記を薦められた。 「伝記には人生が書 いてある。これはいいなと思う人生を真似するといい。 伝記になる人は絶対成功している。うまくいかなかっ た時の乗り越え方が書いてある」と言ってくださった。 「神話は真実だ。でも事実とは違う。だから神話を しっかりと読めば真実から事実を復元できる」と思う。 シュリーマンは、その「神話」を信じた人だった。 ハワード・カーターの伝記、 『ツタンカーメン王の 秘密』という本に出会った。 「ツタンカーメン王など ない」と言われていた時代に、カーターは、ツタン カーメン王の墓を発見した。読み終えた私はこれだ と思い、 担任の先生に 「エジプト考古学者になります」 と言ったら、 「バカ、まともに勉強しろ」と叱られた。 「やってやろうじゃないか」と逆に思った。 小学校では一生懸命勉強して、中学校はしかるべ き進学校に入った。しかし、私はそこでつい有頂天に なって、三浪までして、やっと早稲田大学に入学した。 私の三浪は、 ある意味ラッキーであった。 この年から、 観光目的の海外旅行が自由化された。航空会社に交渉 したが、断られた。最後の望みは石油を運ぶタンカー に、ただで乗せてもらうことだった。その社長は快諾 してくれた。この年社長のお嬢さんが早稲田に入学し たからだった。夢を実現するには、 まず人に頼ることだ。 若者を力強く社会に送り出すには、夢を持たせる こと。自分で何かを探した奴は強い。何があっても そちらに向かう。荒っぽく言うと、夢の実現の仕方 などは教えようがないが、夢を持てる環境を作って やることが大切だ。 私は学生に生き方を教えている。具体的には失敗 談という自慢話を語っている。失敗談には普遍性が ある。失敗談を自慢できるには、その後何かを実現 するしかない。若い人が夢を実現するには、年長者 からたくさん失敗談を聞くことだ。 河合塾、早稲田塾、数学講師 /sakurAi Science Factory 主催 桜井 進 氏 今日の講演は、400 年前と現 代とがネイピアという男の努力に よってつながっている話だ。 ｢指数｣ は、現在、あらゆる電 子機器に係わるが、私も回路計 算から興味を持ち、｢数学｣ や ｢ 物理｣ の世界にのめりこんだ。高校で「指数」から「対 数」の書き換えを習ったが、その意義や目的がわから なかった。しかし、日本評論社の『百人の数学者』を 読み、ネイピアが ｢指数」のない時代に「対数」を考 え出していたことを知り、それ以来頭から離れず、大 学も数学科へ進んだ。 ネイピアは、 1550 年、 ｢大航海時代｣ の真只中にスコッ トランドで生まれた。当時、航海は、経度を算出する 正確な時計も暦も、また、天文学的計算法もなく、海 難事故が絶えず、多くの船乗りが犠牲になった。その 膨大な計算は ｢天文学者の寿命を縮めた｣ といわれた。 ネイピアは、44 歳のとき、その克服に着手し 20 年の歳 月をかけ『Description』を作り上げた。計算法は、 「掛 け算」を「足し算」にするもので、｢指数｣ も ｢少数点 ｣ もない時代に考えついた。この ｢対数｣ は、 ケプラー、 ニュートンへとつながり、産業革命を経て、現在につ ながっている。 この 20 年の研究のラストは 「対数表」 の完成だ。彼は、 ８桁の「対数表」を作り上げたが、そのために 13 桁、 14 桁の計算を 10 年以上かけて行った。学者でも、宗 教関係者でもない者が、 『Description』を発表したこ とで、 バッシングの嵐だった。しかし、 ブリッグスだけは、 その重要性に気づき、運命的な出会いを果たす。実は、 ネイピアの ｢対数｣ には問題点があり、新しい ｢対数｣ が考案された。それが「常用対数」だ。 ブリッグスは、対数の計算に対する利便性に気をと られ、本当のすごさについてはわかっていなかった。 その ｢対数｣ の本質、 「無限多価性」を明らかにしたのは、 オイラーだった。 私には、富士山の稜線に指数関数「y =ex」 、その逆 さ富士に対数関数「y =loge x」が、 重なって見える。 「知 覚」や ｢音律｣ の中にも「対数」を見ることができる。 現在、｢対数｣ は、計算機としての役割は終わったが、 ネイピアの ｢対数｣ は、ブリッグス、オイラーと引き継 がれ、現在では携帯電話の中に引き継がれている。ネ イピアの「数のトンネル」は 400 年の時を越えて、私 たちにつながり、私たちを支えてくれている。 ― 12 ― 第 45 回研究大会 第 46 回研究大会 ニュースの嘘と教育 アイデアの発見 慶應義塾大学経済学部教授 金子 勝 氏 メディアの情報操作は今もたくさん あるが、政治側は、メディアが流すや り方を熟知して操作をする「メディア 政治」が出てきた。人が共感できる手 段は「単純化する」 「ずらす」 「たたく」 「繰り返す」の４つである。映像メディ アは、見ている側は受動になるが、活字メディアは、 読者側に主導権がある。映像メディアは、インパク トはあるが、情報が単純化されて、夥しい数の人に 伝える能力がある。しかし活字メディアは、論理的 な情報は伝えるが、深い情報ほど範囲が狭くなる。 メディアが横行する時代では、嘘を見抜く力を求 められる。今、 世界は「軍事」「エネルギー」「通貨・ 金融」を基軸に大きな転換期にある。我々は、これ から始まる大きなバブル崩壊により、今まで進めて きたグローバルスタンダードが脆くも崩れていくの を目の当たりにする。 世界の市場では、 「ある原理に従って追求していく と、その原理とは正反対に行き着く」という事態が進 んでいる。時代の変わり目というのはそういうもので ある。目先しか見えない人間は、尚も昔の原理で説明 しようとするが、昔の残像では今の時代に合わない。 イラク戦争から世界の構図は大きく変わり、世界 の流れは急激に変化し、多極化と不安定の時代に入っ てきている。我々は、どこに新しい社会を構成する 基軸があるのかを積極的に語らなければならない。 今の世の中、現状維持では、若者には何の未来も ない。私たちは、社会の新しい価値の創造者でなけ ればいけない。古いものを守る説教者では、教師は 自らの命を縮める。言葉を抽象的に議論する前に、 行ったことも見たこともない人たちが立てた政策の 滅茶苦茶ぶりに「やっていけるのか」という言葉の 強さを、私たちは現実によって取り戻さなければな らない。私たちは、現にある問題を解決するために 学問をし、教育をし、教育を受ける。 最後に、私たちは一からやり直すとしたら、大地 から再出発するしかない。北海道経済は苦しいけれ ども、その中で苦闘しながらも、新しい価値を実現 しようと努力している人たちが数多くいる。その人 たちこそが、次の時代を担うことができ、多くの若 者にそういう精神を持ってもらうことが私たちの役 割である。そう考えると、生きるモデルとは、最後 尾にいる人がやがて先頭になるという夢見ている人 たちの姿を見せることではないか。 私たちは、教育に未来を持たせるために、私たち 自身の夢というものを見いだしていくことが必要で ある。 『人生努力すれば必ず報われる…こともあれ ば、報われないこともある』 作 家 阿刀田 高 朗読家 阿刀田 慶子 子どもの頃、獲物をくわえる猫 を見て、虎と同じ獰猛な動物とい う感じがした。小説家として短編 小説を書いているが、ほとんどア イデアを軸に書いている。 『干魚と 漏電』のヒントは、マンションのベランダにあるコン クリートを割ったら、中から死体が出てきたという新 聞記事である。家の中には、秘密が隠れている。冷 蔵庫も小柄な女性は隠せると知り、冷蔵庫に死体を 隠す作品を書いた。コンクリートに人を詰め、川の中 に投げてもしばらく経つと割れて死体が出てくる。そ れを知ると橋も新幹線も心配になるが、コンクリート 協会の講演で、それはやる人が下手だからだと笑わ れた。鍵も不思議で、かけると安心だが、泥棒は簡 単に開ける。この矛盾が面白い。男女の愛、夫婦の 愛もかなり怪しい。鍵はスペアキーが作れる。夫が 亡くなるとすぐにスペアをお連れになる奥様もいる。 私はアイデアを必死に求めてきたが、それは小 説を書くためで、普通に生きていく上で関係ない と思っていたが、ある時から共通の面が多いと感じ るようになった。聖徳太子が和を持って尊しとなす と言った。素晴らしいことだが、和を保つことが目 的となり、はっきり意見させないのは良いことでは ない。日本人は特異なアイデア、一つの社会が持つ 考え方とは別な考え方を表明することがためらわれ る。グローバル化で、変化していく社会に生き残っ ていくために、アイデアが必要で、今までと同じよ うなことをやっていては生き残れない。私が小説に ついて考えてきたアイデアも結構利用価値があると 思う。その基本は、別の角度でものを見ることであ る。小説家は今までと同じ見方でものを見ていたの では新しい小説にはなりにくい。向田邦子さんの小 説に、奇想天外なことは何もないが、独特の視点で、 人間関係が鮮やかに浮かび上がってくる。別な角度 からものを見ることはとても大切だ。 白川英樹さんも田中耕一さんもノーベル賞の記者 会見でセレンデピティと言っていた。偶然の発見と 言ったら良いのか。生徒の中に大変優秀でありなが ら 100 点を取れないという人がいる。私はそういう 子のほうが可能性があると思う。才能の育成として は理屈がわかることはもちろん大切だが、別な好奇 心が色々あった方がいい。私はやはり国語力を培う ということはとても大切だと思う。私はかなり強固 な小学校英語教育反対論者である。 セレンデピティに恵まれるためには、私の小説をお読 みになるのがよい。特殊なものの考え方があるのだとい うことを垣間見るには少しは役に立つかもしれない。 ― 13 ― 第 47 回研究大会 第 48 回研究大会 科学のおもしろさをどう伝えるか 現代社会はどこに向かうか 青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授 福岡 伸一 氏 「動的平衡」は生命のあり方、 環境のあり方、社会のあり方を解 くキーワードになる。ロサンゼル スとヴェネツィアの２つの絵に は、それぞれに解釈があったが、 その２つが１つの絵だと判明すると解釈が変わっ た。ものを見たり考えたりするとき、ある部分だけ を切り取ると、 全体を正しく捉えることができない。 人の認識の落とし穴である。 1600 年代、レーウェンフックは、顕微鏡を作り、 ミクロの世界を観察し、還元論の先駆者となった。 今日、生命現象は、「機械論」的な考え方が主流で ある。私は昆虫少年で、新種を発見し図鑑に載せる のが夢だった。大学では、分子生物学を学び、遺伝 子の森で、沢山の新種の遺伝子を捕まえた。その一 つにＧＰ２遺伝子があり、その役割を突き止めるた め、ノックアウトマウスを作った。しかし、異常が 発現せず、その理由を考え始めた。 シェーンハイマーは、生物は「生きる」ために、なぜ 食べ続けるかを研究し、 「生きている」とは、 「分子が 絶え間なく合成と分解し、循環している状態」である ことを明らかにした。この構成要素が絶え間なく入れ替 わり、 全体のバランスを保つ状態を「動的平衡」と呼ぶ。 細胞や分子は可変性や柔軟性を持っており、ＧＰ ２遺伝子が無ければ、周りの遺伝子がその欠落を 補って全体のバランスを保とうとする。身体の各器 官も互いに連携しており、鼻という機能だけを切り 取ることができない。 人の死とは、人を構成する全ての細胞が動的平衡 状態を失った時である。しかし、現在は、脳死が人の 死と見なされており、人が人として認められるのは脳 波が生じる 27 週目ぐらいとする議論がある。つまり 最先端医療は、両側から寿命を縮めているともいえる。 生命現象を動的平衡とみるか、機械論的にみるか は、身の回りのことを見直すきっかけになる。花粉 症に効く抗ヒスタミン剤にも当てはまる。 最近、ＧＰ２が、 「細菌受容体」の役割を果たしてい ることがわかり、動的平衡は、柔軟性や可変性の陰に、 脆弱さが潜んでいることがわかった。狂牛病は、生命 現象・生態系が動的平衡にあることを見失い、絵を切 り取るように、 効率や経済的な合理性だけを考えた結果、 地球上に蔓延した「人が牛を狂わせた病気」といえる。 科学の面白さは、どこにあるのだろうか。 １つは、 「アンサングヒーロー」を見つけることが、 科学の面白さにつながっていくのではないか。世の 中は動的平衡状態にあり、その「つながりに気がつ く」ということも科学の面白さを伝えることになる のではないか。 東京大学名誉教授 見田 宗介 氏 序論『現代青年の精神状況』、 本論『「現代とは」どういう時代 か』、結論『新しい時代のシステ ムと思想の基底』という順で話を 進め「現代社会はどこに向かうか」 を考えていきたい。 2008 年は歴史の転換点である。サブプライム問題に 端を発する経済システムの破綻、ＧＭの破綻、秋葉原 の無差別殺傷事件から、日本の精神状況が見えてくる。 永山青年の連続射殺事件と加藤青年の無差別殺傷 事件は、ともに青森県の貧しい青年が東京で起こし た事件で、青年のアイデンティティーに関わる。相 違点は、永山青年は希望を持って東京に来たのに対 し、加藤青年は初めから憧れは持っていなかったこ とで、空気の濃い時代か薄い時代かに関わる。70 年代の学生は夢を持ち世界が変わると考えていた が、80 年代になると軽くなり、90 年代になると未 来が小さくなった。80 年代に始まる少女のストカッ トは生に対するリアリティーの確認にあり、その感 覚と加藤青年の感覚とは似ている。 現代日本における価値観は、年々、世代間の違い が縮まっている。歴史が加速度的に進展してきたこ とはエネルギー消費の変化からも分かるが、人間が 生き延びるためには、スローダウンが必要である。 資本主義の「転換」は、成長に必要な需要を獲得 したことによる。古典的な資本主義の矛盾は「恐慌」 として顕在化するが、需要の自己創出で解決し乗り 越えるのが、 《消費化社会》である。 「ＧＭの破綻」は、 無限に見えたものが、有限であった結果である。自動 車の資産は、すでに破綻していたが、金融資産によ り維持されてきた。それが地球全体に波及したことで 起きた。資源の有限性は、この恐慌で明らかにり、情 報化社会が見出した市場の無限性は、この資源の有 限性から、生産と消費に限界を強いる結果を生んだ。 生物の個体数はロジスティック曲線を描くが、人間 もこれを免れない。軸の時代Ⅰは、現代に至る精神の 機軸が創出された時代であった。軸の時代Ⅱは、世 界の「有限性」を引き受け、社会のシステムを構築し ていく時代である。現代社会は、曲線Ⅱから曲線Ⅲへ の過渡期であり、どこかで減速し、安定平衡値に入る 必要があり、経済も人口も成長のカーブを超えて、安 定に向かうか、衰退するかの局面に差し掛かっている。 人間界では、第Ⅱ期は、弱肉強食のイデオロギー の時代であった。これからの第Ⅲ局面を向かえるに あたっては、共生系の「個体」の存在が必要である。 大進化の王道は、共存関係である。他の生物と共存 して調和していくこと。これが未来への指針になる のではないか。 ― 14 ― 第 49 回研究大会 第 50 回研究大会 転換期の教育 －グローバリズムに抗して－ 神戸女学院大学名誉教授 内田 樹 氏 「はやぶさ」が挑んだ人類初の 往復の宇宙飛行、その７年間の歩み 我々は転換期にいる。グローバ リズムは終わり、ポストグローバ リズムに入りつつあるが、それを 説明する社会理論も語彙もない。 転換期の象徴はアメリカの没落に あり、キーワードは「統合と離散」 である。アメリカは移民が新大陸に移住し、統合さ れて発展してきた。しかし、二度の世界大戦で知ら しめたスーパーパワーも翳りが見え、急速に普通の 国になりつつある。ソ連が無くなり、その後に出来た 国は普通の国である。中国、ＥＵも同様。フランス大 統領選で、ルペン候補は移民排斥、ＥＵ脱退を掲げ ており、このように世界の風向きが変わってきている。 20 世紀に語られた全ての美しい言葉が輝きを失 い、むき出しの本音が語られるようになった。これ が転換期であり、グローバリゼーションの帰結であ る。グローバリゼーションとは、人間の価値を年収 で査定することである。この過程で、国民国家が解 体され、国境を越えて自己利益を追求する個人集団 が出来上がった。これを踏まえ、転換期をどう迎え、 生き延び、どう教育するかだ。 教育界はグローバル人材の育成と言うが、グロー バル人材とは、国際競争の中で勝ち残るのに必要な 人間的資源のことで、英語力・体力・コンピュータ 活用力・コミュニケーション能力が高く、どこでも 根付き、すぐに仕事ができる人材である。しかも、 安い賃金で働けばなお歓迎。その人材である子供達 の幸福や市民的成熟への配慮も無い。財界の要望に 文科省も中教審も便乗している。 近代以降、成功したビジネスマンは、若い世代の 育成を義務としていたが、今は、自社の株主に対し てのみ責任を負う。行き過ぎたグローバリゼーショ ンに対し、行き過ぎたローカリゼーションが現れて おり、これらの間でバランスして安定期に入る。こ れが、転換期の構図だ。 私はグローバリゼーションに反対してきた。格付 けはフェアという発想自体が間違っている。そうし た資質は、人間の一部にしかすぎない。学校教育の 使命は、格付けできない人間的資質を見出し開花さ せ、次世代の担い手、公民としての責務を自覚する 大人を作ることにある。これが学校教育に託された 社会的使命だ。生きる力が強い子供達とは、他者に 開かれた心身を持った子供達である。今の子供達に 欠けているのは学ぶ力である。学ぶ力とは、自分に とってその価値がまだ分からない・有用性が理解で きないものに対して、何だか分からないがこれを学 びたい・知りたい・身に付けたいと感じる能力であ る。これを開花させることが教員の責務である。何 のために教師はいるのか、何のために学校があるの かを考えて、もう一度子供達に向き合ってほしい。 宇宙航空研究開発機構教授 川口 淳一郎 氏 「 は や ぶ さ 」 が 帰 還 し た の が 2010 年６月 13 日の事で、もう２ 年半が経過している。菅総理が就 任した時で、私に電話を掛けて下 さり、「はやぶさの成功は何がよ かったのか」と聞かれた。私はこ う答えた。「技術より根性だ」と。 根性は精神力だ。「意地と忍耐だ」と。意地は意気 込みだ。忍耐は諦めない心か。私達のプロジェクト・ チームを支えたのは根性だ、と皆さんにそうお話し して日本の発展を紐解く手がかりにしたい。 でも諦めない心が実を結ん だのか、というと、そうでは ない。大切なのは諦めない事 ではなく、明るい展望ができ る事だ。誰もしていない事に 挑む、常に新しいものを探す事だ。粘り強く耐えれ ばよい、というものではない。本日の一貫したテー マは「やれる理由を探せ」である。そして「自分達 の力を信じる」、「臆せず挑戦する」、この２つも一 貫してお伝えしたい言葉だ。 「はやぶさ」のプロジェク トは前人未到の挑戦だった。 政府に提案する時にお願いを した。「加点法で評価してほ しい。イオン・エンジンが動 いたらまず合格点をほしい。その先は出来高に従っ て加点法にしてくれないか」と。これを認めてもらっ たからこそ、今「はやぶさ」の評価がある。 「はやぶさ」は当初、MUSES － C 計画と呼ばれ、 小惑星ランデブー計画として検討された。ランデ ブーとは片道飛行。到着する所までだ。最初から往 復飛行を企んだわけではない。米・ソから 25 年以 上も遅れて惑星探査を始めた駆け出しとして手堅く 行こう、と私達は思っていた。 でも何とかオリジナリティーを発揮したい。米・ ソは月や金星・火星という、重力が大きく形が丸い 天体に探査機を打ち上げた。重力が大きい天体は重 いものが全部下に沈み込み、どんな材料でできてい た か、 の 手 掛 か り は表面には残って いない。 そ の 当 時、 世 界 で私達だけが小惑 星に探査機を送る 計 画、 小 惑 星 ラ ン デブー計画を持っ ― 15 ― ていた。オリジナリティーの発揮に拘わった。行き ついた結論がイトカワだった。NASA ですら、た めらうような計画にチャレンジしなければ、私達の オリジナリティーは発揮できない。そう思ってこの 計画に辿りついた。 私達は最後には野望 を抱いていた。1986 年、 その当時すでに小惑星サ ンプル・リターン計画を 構想していた。しかしこ の時代、まだイオン・エ ンジンの準備がなかった ために、この段階ではプロジェクトがスタートする 事はなかったが、最後にやるのはサンプル・リター ンだ、ランデブーではない、と私達は信じていた。 それでは、どうして「はやぶさ」は最後の目的ま で粘れたか。 苦杯をバネにした意地があったからだ。 「はやぶさ」に通じたのも幾つかの失敗の経験だっ た。私はいろんなプロジェクトに参加してきたが、 全て成功しているわけではない。失敗もあった。今 一つだ、と反省する事もあった。それが溜まって、 次こそは、今度こそは、と思う。捲土重来というの か、もう一度してみる、それが高まって、なし遂げ られたのではないかと感じている。 「はやぶさ」は、2010 年６月 13 日、地球に帰っ てきた。その身を挺してカプセルを守り、自ら故郷 の地球の空に輝いて散っていった。帰ってきたカプ セルは「はやぶさ」の形見だ。その成果は、必ずや 未来に、次のプロジェクトの立ち上げに、つながる であろうと、 確信している。 誰もが学びから脱皮する 時がくる、というお話をす る。学校で習う事は HOW だけだ。学校に何十年通っ ても、次にあなたがやる事 はこれだ、と教えてくれな い。HOW の追及をライフワークだ、と誤解してい る人が大勢いる。ある講演に行って、女子高生から 質問があった。 「私は宇宙開発に携わりたい。でも 私は文系だ」と。何をしたいのかよりも、今置かれ ている HOW の延長から将来を考えている事に驚い た。大事なのは、何をしたいのか、に気づく事だ。 私はこう答えた。「いつの時 代 で も、 こ れ を す れ ばイノ ベーションになる、と予め約 束され用意されている事はな い。過去を蓄積して準備する のは誤りだ。学びのプロになるには教材を学習すれ ばよい。しかしそこからは新しい事は生まれない。 学びからの転化が必要だ。 「はやぶさ」は前人未到の挑戦だった。他のどの 国の誰も考えていない事を私達の独創から出発さ せた。それがどう実現できたか。それは私達を育 ててくれた宇宙開発研究所に素地があった。「見え るものはみな過去の もの」。亡くなられ た長友教授が言って おられた。「君、こ れまで教育で受けて きたものはみんな練 習問題にすぎないの だよ。予め正解が用 意されていた狭い世 界を覗いてきただけ だ」。私の向かいにいた塚本さんが教えてくれた。 糸川英夫由来の、私達の文化の血は、模範や手本 が存在しなくても、自分達に自信を持つことができ ればよかった。やれる理由を見つけて挑戦しなけれ ば成果は得られない。こうすればやれるという理由 を探す文化だった。本来の目的を忘れて後退し、一 生懸命できない、しない理由を探す日本の文化の中 では、簡単そうだが難しい事だ。 ディベートとプレゼンテーションのトレーニング が必要だ。日本が新しいイノベーションを発信する ために、相手への説明性が必要だ。そのためにはト レーニングが大事だ。 創造性を促す教育が必要だ。海水の塩分濃度は何％ かよりも、なぜ、海水にナトリウムが含まれているか。 タイタンにも地球にもある石は、どのようにしてできた か。これに答える事は宇宙や太陽系、地球の創造を解 き、その起源を語る事になる。こんな疑問が身の周り には溢れている。これに気付かせる教育が必要だ。 人類はやがて活動範囲を広げて太陽系の中を自在 に航海する時代が来る。私達はイトカワにターゲット・ マーカーという、タイム・カプセルを置いてきた。人 類がもう一度イトカワを訪 れて、ぜひ拾い上げてほし い。子供達や若い人達には 未来を見続けてほしい。常 に動いて、新しいもの、未 知のものを探してほしい。 高い塔を建ててみなけれ ば新たな水平線は見えない。一歩でもよい、無茶で もよい。高い所から見れば水平線は確実に広がって 見える。今まで見えなかったものが見えてくる。未 来は「未だ来ぬ」と書く。それが見えてくる。若い 人は、挑戦を忘れずに、挑戦を続けて、日本の復興・ 復活に貢献して頂きたい。そう期待している。 ― 16 ― 地 区 支 部 石 狩 15 支部 １ 地区の概要 石狩支部は、札幌、江別、千歳、恵庭、北広島、 石狩、当別の７市町を抱える支部で、平成 24 年度 の学校状況は、道立高等学校 40 校、札幌市立高等 学校 8 校、私立高等学校 11 校、特別支援学校 2 校、 行政機関５機関である。 研発 紀要 16 研発 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局 10 年間の会員数の推移をみると、年度により若干 の増減があるものの、1100 名から 1200 名ほどで推移 しているが、特に 23 年度・24 年度と減少しており、 会員登録数の増加を図るための検討が必要である。 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 1,135 1,147 1,133 1,179 1,176 1,200 1,177 1,156 1,111 1,019 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 武村 宗彦 坪田 裕 坪田 裕 小田 章雄 蓑嶋 和央 山岡 正司 山岡 正司 新沼 明 津田 雄二 竹内 敏治 額田 実 森塚 勝敏 森塚 勝敏 日下 哉 日下 哉 井口 郁将 井口 郁将 鈴木 龍昭 武田 英俊 浅野 敏 事務局校 札幌稲西 札幌稲北 札幌稲北 札幌稲雲 札幌稲雲 札幌東陵 札幌東陵 札幌南陵 札幌南陵 札幌拓北 紀要 17 研発 ３ 支部活動 本支部には、昭和 50 年から施行された規約に則り、 申し合わせ事項で支部主催の事業に対して助成が行 われており、平成 24 年度は、申請のあった英語部会、 家庭科部会、養護部会の３部会に助成を行っている。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 本支部は、 会員数千名以上を擁し、毎年多くの方々 が研究発表、研究紀要への論文掲載に積極的に協力 いただき、本研究会の発展に寄与している。 紀要 18 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 学校名 札幌東 札幌開成 札幌厚別 浜益 札幌南 札幌北陵 札幌西 札幌琴似工業 氏 名 遠藤 忍 山田 大隆 松田 素寛 大畑 真人 石井 信幸 高野 龍彦 村田ひろ美 川村広幸・矢倉賢二 分野 世界史 理科総合 物理 化学 英語 英語 家庭 工業 ― 19 ― 研発 紀要 19 研発 札幌稲西 札幌稲北 札幌新川 札幌北 立命館慶祥 札幌稲北 札幌開成 札幌南 札幌稲雲 大麻 有朋 札幌開成 札幌南陵 札幌山の手 札幌北陵 札幌国際情報 札幌南陵 札幌白陵 石狩翔陽 江別 札幌東商業 札幌市立発寒中学 札幌市立厚別南中学 札幌平岡 札幌稲北 札幌平岸 札幌北 札幌北 立命館慶祥 札幌国際情報 札幌啓北商業 札幌稲北 千歳 当別 有朋 札幌工業 札幌旭丘 札幌開成 当別 札幌旭丘 札幌北陵 札幌藻岩 札幌藻岩 札幌北 札幌稲北 札幌丘珠 札幌真栄 札幌開成 恵庭南 北嶺 札幌稲雲 大麻 札幌西 立命館慶祥 札幌真栄 札幌東 札幌月寒 札幌創成 札幌新川 札幌第一 札幌開成 札幌西陵 長尾 嘉雄 加藤 誠 早苗 雅史 奥村 稔 齋藤 忠和 岩田 昭夫 山田 大隆 石井 信幸 山谷 浩光 小山内 墾 吉井優紀彦 山田 大隆 佐藤 和宏 齋藤 美佳 高野 龍彦 船本 龍一 俵谷 俊彦 中川 順一 石川 幸孝 井上 明子 石井 照之 荒島 晋 梅津 由一 石谷 正 加藤 誠 杉本 式史 日比 誠 奥村 稔 齋藤 忠和 奥田 智紀 稲津 正已 加藤 誠 加納 敏隆 田辺 孝規 横山 茂 古川 敬子 奥井 則行 梅原 宏之 室伏 諭 高瀬 敏樹 今野 篤志 高木 昭信 三関 直樹 奥村 稔 加藤 誠 川西 裕二 永幡 豊 山田 大隆 重成 敏史 石山 昌周 北明 基史 菊池 洋好 木川田敏晴 齋藤 忠和 佐紺 摂子 相庭 達也 鈴木 良伸 渡辺 祥介 清水 貞人 荻原 法子 堀 輝一郎 藤田啓太郎 情報 情報 情報 情報 地歴・公民 地歴・公民 理科 英語 国語 日本史 地理 理科総合 物理 美術 英語 英語 英語 英語 家庭 家庭 商業 情報 情報 情報 情報 情報 情報 情報 地歴・公民 数学 商業 情報 国語 地理 倫理 政治経済 生物 地学 農業 情報 情報 情報 情報 情報 情報 情報 地理 理科 保健体育 国語 生物 生物 地学 地歴 家庭 日本史 地理 倫理 数学 理科総合 物理 化学 19 研発 紀要 20 研発 紀要 21 研発 紀要 22 研発 札幌旭丘 札幌南 札幌清田 札幌稲北 札幌旭丘 札幌拓北 札幌白陵 札幌大谷 札幌拓北 札幌旭丘 札幌琴似工業 北嶺 立命館慶祥 千歳 札幌稲雲 札幌真栄 札幌稲雲 石狩南 札幌清田 恵庭南 札幌大通 札幌南 札幌聖心 札幌琴似工業 札幌国際情報 札幌東豊 札幌北 千歳 札幌東 札幌北 札幌稲雲 千歳北陽 札幌工業 札幌工業 札幌北陵 札幌新川 札幌南 北広島 千歳北陽 札幌創成 札幌東陵 札幌真栄 有朋 札幌篠路 札幌平岸 札幌東陵 札幌北陵 有朋 札幌国際情報 札幌北 札幌篠路 札幌旭丘 札幌平岸 札幌東陵 札幌丘珠 札幌拓北 札幌西 札幌稲西 札幌啓成 札幌稲雲 庄末 剛 手塚 茂也 熊谷 修司 川村 雅人 高瀬 敏樹 梅田 充 高木裕・鈴木崇令・ 竹中直人 今井 豊章 枡谷 隆男 庄末 剛 松田 圭右 長峰 博之 中村 素木 菅原 晃 山本 大輔 中俣 明泰 伊藤 友彦 浦巧・渡部恵太 鶴岡 森昭 伊藤新太郎 宮崎 洋司 中條 伸義 古矢治子・市川暁子 平間 信一 長谷 哲生 室木 茂良 奥村 稔 菅原 晃 干場 敏博 大村 道子 佐藤 朱美 佐藤 恵子 関 澄恵 宮武 宏行 浅川 敬 佐久間直樹 溝上 忠彦 高井 学司 清水 大策 板倉 雄司 小笠原 輝 本杉 聡 中川 弘子 鶴間 伸一 杉本 式史 高田 和典 大平 育代 小林 雅澄 髙堰みちほ 奥村 稔 鶴間 伸一 髙瀨 敏樹 杉本 武史 高田 和典 川西 裕二 久米 隆 正田 隆之 宮古 昌 三浦 治彦 佐藤 朱美 英語 英語 英語 情報 情報 情報 情報 22 情報 芸術 英語 工業 世界史 地理 政治経済 数学 化学 地学 理科総合 理科総合 保健体育 書道 英語 英語 工業 工業 情報 情報 地歴 理科 養護 養護 養護 養護 工業 国語 地理 物理 保健体育 保健体育 音楽 書道 英語 英語 情報 情報 情報 情報 芸術 英語 情報 情報 情報 情報 情報 情報 地理 数学 地学 地学 養護 研発 紀要 23 研発 24 紀要 研発 紀要 札幌東陵 札幌北陵 千歳北陽 札幌東 千歳 札幌篠路 札幌平岸 北嶺中・高 札幌北 札幌篠路 札幌平岸 札幌藻岩 札幌藻岩 札幌東陵 札幌北 札幌月寒 札幌厚別 札幌清田 石狩南 札幌第一 札幌あすかぜ 札幌厚別 札幌北陵 札幌手稲 札幌工業 札幌篠路 札幌拓北 札幌平岸 札幌琴似工業 札幌大通 札幌大通 札幌南 千歳 札幌厚別 北海道教育庁 札幌北 札幌東 札幌南陵 札幌手稲 北嶺中・高 北広島西 札幌篠路 札幌拓北 札幌啓成 菅原 綾子 菊地 大 長野 健二 清水まゆみ 落合雄一郎 鶴間 伸一 杉本 式史 菅原 利晃 奥村 稔 鶴間 伸一 杉本 式史 高木 昭信 日比 誠 高田 和典 有田 幸史 出口 敬智 矢田 龍介 鶴岡 森昭 大澤 達郎 高橋 芳枝 松田 義章 畑野 好美 佐藤 敦 東 昌江 有泉 睦夫 鶴間 伸一 梅田 充 杉本 式史 三本木 豊 榊原 康文 蒲生 崇之 溝上 忠彦 飯嶋めぐみ 河端 将史 渡邉祐美子 黒田 信彦 大村 道子 島田美紀子 宮田 敦生 菅原 利晃 徳橋 孝之 鎌田 亮樹 梅田 充 村中 幸一 養護 美術 英語 英語 商業 情報 情報 国語 情報 情報 情報 情報 情報 情報 情報 世界史 数学 理科総合 生物 生物 地学 英語 英語 家庭 工業 情報 情報 情報 工業 世界史 日本史 物理 化学 理科総合 養護 養護 養護 書道 美術 国語 英語 情報 情報 情報 ５ 今後の展望 石狩支部の今後は、本部事務局との連携を深めな がら、他の支部より設置校数の多い私学高等学校や 特別支援各学校の本会への参加を促す等、会員数の 増加に努め、また、研究助成の申請がある教科部会 が固定化されていることから、より多くの教科が研 究事業に取り組むよう働きかける等、更なる研究実 践を積み重ねて本研究会の発展・充実を支え、会員 の教師力向上と本研究会の飛躍をともに期待した い。 （記載者 札幌拓北高等学校教頭 浅野 敏） ― 20 ― 渡 島 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 支部 年度 15 １ 地区の概要 渡島地区は道南の要として、行政、経済、文化な どあらゆる分野で函館市を中心に栄えてきた歴史の ある地区である。しかし、人口減の問題には歯止めが きかず、市町の統合を行っているがなかなか解決に は至らない。この問題に関連して、少子化も進んでお り、中学校卒業者が激減している。公立 19 校、私立 ８校、合計 27 校があり、北海道の中では私立高等学 校が多いことも特徴の一つである。これらの 27 校に おける学級数は、全定合わせて 330 級であるが、少 子化の影響を受け、間口減の問題にさらされている。 紀要 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 少子化、間口減の問題に関連して、教員数も減少し、 会員数を確保することが大きな課題となっている。 15 16 17 18 19 20 21 22 23 16 研発 17 研発 紀要 〔会員数の推移〕 年 度 項目 研発 18 19 紀要 研発 20 紀要 研発 21 研発 22 研発 24 会員数 270 257 255 237 204 198 189 184 181 174 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 山岡 正司 山岡 正司 森 武 森 武 森 武 竹内 和男 竹内 和男 山本 貴司 小林 雄司 小林 雄司 佐藤 裕寛 菊 正敏 井上 俊一 伊藤 一正 小松 将人 浅野 敏 浅野 敏 牧野 敏 井上 俊一 谷川 敬一 事務局校 函館北 函館北 函館東 函館東 市立函館 函館稜北 函館稜北 函館稜北 函館中部 函館中部 紀要 23 ３ 支部活動 どの教科も活発に活動を行っており、授業公開や 研究発表など時期を決め毎年行っている教科も多い。 また、大学と連携して、研究を進めたり、助言をいた だきながら研鑽に励んでいる教科もある。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 一般教科の研究発表・研究紀要掲載はもちろんの こと、渡島地区高等学校 27 校の中には職業教育の拠 点校が含まれており、水産・農業・工業などでも盛 んに行われている。また、函館市内ばかりではなく、 他町の比較的小規模校でも研修への積極的な取組を 行い、毎年のように発表をしている元気な学校もある。 研発 紀要 24 研発 学校名 函館西 戸井 南茅部 八雲 函館中部 木古内 函館中部 木古内 八雲 南茅部 函館中部 函館商業 函館水産 函館水産 戸井 木古内 函館白百合学園 函館工業 長万部 函館商業 函館水産 函館東 函館水産 福島商業 南茅部 函館中部 函館水産 函館稜北 松前 木古内 函館工業 八雲 函館水産 長万部 上磯 檜山北 函館中部 函館水産 函館水産 函館工業 函館西 長万部 大野 函館水産 長万部 函館中部 市立函館 長万部 函館水産 函館中部 松前 森 八雲 松前 大野農業 函館水産 函館水産 氏 名 松岡 篤志 木村 昌志 西村 昇 岩澤 利守 厚谷 智 田嶋 公一 外山 聖武 石黒 勝 神山 義茂 堀 輝一郎 松島 美穂 加賀美砂百合 長谷 昇 我妻 雅夫 大谷 真澄 稲子 寛信 中村 信雄 金沢 久子 橋本 晃子 前田 貴世 西川 正一 佐藤臨太郎 我妻 雅夫 浜本 秀樹 江尻 巧 岩田 哲 石尾 敏文 福士公一朗 吉田 正和 稲子 寛行 盛田 典男 柿崎 哲平 長谷 昇 鎌田 俊彦 倉部英利子 佐々木 龍 荻津 賢 宮崎 和貴 和野 博樹 森 智希 多田 茂男 土井 泰志 山本 雅史 菅沼 俊介 石井 亮 荻津 賢 五十嵐直樹 土田 麻帆 中野 紀彦 大塚 徹 西川 竜矢 飯岡 寛治 吉田 奏介 輿水 飛鳥 服部 良太 大山 知幸 星澤 克幸 分野 書道 水産 情報 数学 英語 日本史 現代社会 数学 物理 物理 化学 家庭 水産 水産 地理 物理 生物 家庭 家庭 商業 水産 英語 水産 商業 国語 英語 水産 情報 数学 物理 工業 商業 水産 国語 倫理 美術 英語 水産 水産 地理 生物 音楽 農業 水産 理科 英語 化学 英語 水産 英語 書道 政経 数学 英語 農業 水産 水産 ５ 今後の展望 今後も、より一層の研鑽に努め、新学習指導要領 に対応した研修活動の実践に努めていきたい。また、 歴史と文化があるという利点を生かし、これまでの 経験を生かしつつも新たな視点を取り入れた研究実 践に結びつけていきたい。こうした中から生まれる 成果を、渡島部ばかりではなく、北海道の教育の発 展につなげていきたい。 （記載者 函館中部高等学校 定時制教頭 谷川 敬一） ― 21 ― 檜 山 支部 １ 地区の概要 檜山支部が発足したのは昭和 58 年であり、それ までは道南支部に含まれていた。道南支部が再編成 され、渡島支部と檜山支部が誕生した。他の支部に 比べて、 独自の活動の歴史が浅い支部である。近年、 学校数、会員数等の減少が進んでいる。 ところで、この 10 年の中で全国的に市町村合併が 進み、檜山支部においても檜山管内熊石町と渡島管内 八雲町が平成 17 年 10 月１日に新設合併を行い、 新「八 雲町（渡島管内） 」が誕生した。このことに伴い熊石 高校は檜山支部から渡島支部に移ることとなった。 なお、平成 24 年度の檜山支部の学校状況は、高 等学校５校、高等養護学校１校である。高等学校の 学級数の状況は、９学級が２校（江差、檜山北）、 ３学級が２校（上ノ国、奥尻）、１学級が１校（瀬 棚商業）である。また、瀬棚商業高校は今年度末に 閉校を迎えることになる。 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 檜山管内は、 もともと小規模校が多い地域である。 近年の過疎化、少子化、市町村合併等の進行により、 学校数や学級数の減少が教員定数の減少となり、そ れが会員数の減少の要因となっている。また、高教 研の研究大会への参加は、檜山支部の教員にとって 貴重な研修の場、資質能力向上の機会であるが、旅 費、交通の便等の制約もあり、会員数とともに研究 大会への参加数も減少傾向にある。 今後も教員の研修の促進と学校の活性化のため に、各学校の協力を得て高教研の会員数の増加と研 究大会への参加者の増加を図る必要がある。 管内の研究会の一本化が進められた。このことによ り各研究会への参加校数・参加者数が増加し、多く の情報交換や活発な研究活動が可能となった。その ため、ここでは平成 24 年度の道南支部研の事業概 要を記して活動の報告とする。 〔平成 24 年度道南支部高等学校教育研究会〕 名 称 高等学校教育研究会 進路指導協議会 学習指導研究会 生徒指導研究会 教育相談研究会 教護連盟 図書館研究会 定時制教育研究会 情報教育研究会 環境教育研究会 16 82 17 88 18 65 19 60 20 53 21 47 22 43 23 35 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 24 34 〔歴代支部長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 支部長 井上 晴雄 近田 勝信 近田 勝信 石井 関夫 加藤 和美 佐々木淳一 阿部 正行 阿部 正行 石戸谷 亮 湯田 恭丈 事務担当者 日向 稔 日向 稔 村端 悟 千葉 憲一 高本 和明 小林 茂広 小林 茂広 野村 俊夫 野村 俊夫 渡邉 周一 当番校 大野農 熊石 有斗 市函館 函館工 函館商 函館西 函中部 函館工 函館商 南茅部 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 この 10 年の研究発表は 20 件、その内訳は国語２、 地歴５、数学２、理科４、保体１、芸術１、英語２、 情報１、工業１、商業１である。また、研究紀要は １件、数学１である。今後も研究の成果を研究発表 や研究紀要として、檜山支部はもとより全道の教員 の資質能力の向上に資することが重要である。 〔会員数の推移〕 年 度 15 会員数 86 当番校 名 称 函中部 国語教育研究会 江差 地理歴史科・公民科研究会 函館西 数学研究会 知内 理科教育研究会 七飯 保健体育研究会 長万部 英語教育研究会 遺愛 音楽教育研究会 市函館 美術教育研究会 函工（定） 高等学校家庭科部会 柏稜 商業教育研究会 知内 養護教員研究会 事務局校 熊石 熊石 熊石 上ノ国 檜山北 奥尻 奥尻 奥尻 奥尻 江差 年度 15 項目 研発 16 研発 17 研発 18 研発 19 紀要 研発 20 研発 21 研発 22 23 24 研発 研発 研発 紀要 学校名 大成 奥尻 上ノ国 瀬棚商業 江差 江差南 瀬棚商業 江差南 大成 上ノ国 江差 上ノ国 上ノ国 檜山北 上ノ国 檜山北 檜山北 檜山北 瀬棚商業 江差 江差 江差 氏 名 荒木 直也 塩見 浩二 千田 隆史 今北 敦子 畠澤 貴幸 堀内 信哉 高野 智史 田中 聖志 花海 直人 庄司 健浩 上野 昌生 紀伊國 薫 栗山 亮 村中譜佐朗 髙堰みちほ 倉本 能行 佐々木 龍 本間真理・柴田朝幸 川村周・稲見好恵 岩間 洋之 梶谷 拓人 福光 亮 分野 国語 生物 数学 英語 情報 理科総合 保健体育 工業 日本史 政治経済 数学 日本史 理科総合 地理 英語 地学 美術 国語 商業 日本史 数学 情報 ５ 今後の展望 平成 24 年度に校長協会檜山ブロックの指導により 「檜山管内公立高等学校学力向上推進会議」が設立さ れた。これは学力向上に特化して公開授業、中高連 携、授業力向上等の取組などについて情報交換を行 ３ 支部活動 い、自校及び地域の学力向上を図ることを目的とした 檜山管内では、高教研の地区支部発足の 10 数年 前に「檜山管内高等学校教育研究会」 （略称：管内研） 会議であり、各校の教頭及び教務部長が参加して開 催された。このように喫緊の重要課題に特化して、そ が発足し、全体集会及び教科部会を開催して活発な の課題解決のための会議、研究会等を設立、開催し、 研究活動と情報の交換を積み重ね、成果をあげてき 研究活動等を充実・推進していくことが重要である。 た。特に教科の面では、この管内研が檜山管内の高 今後の支部活動として、会員数の増加に努めるこ 校の研究活動の中心を担ってきたため、高教研檜山 支部として、 独自の研究活動は行われてこなかった。 とはもとより、檜山管内や道南支部の研究会に積極 的に協力していくこと、独自の研修の機会を設ける なお、この管内研は、現在「道南支部高等学校研 ことを検討していきたい。 究会」 （略称：道南支部研）として渡島・檜山の両 （江差高等学校教頭 渡邉 周一） ― 22 ― 後 志 支部 １ 後志地区の概況 後志地区は、積丹半島を囲む北海道の南西部に位置 し、１市 13 町６村で構成されている。中央部には羊蹄 山（支鋳洞爺国立公園 )、ニセコ連峰。海岸線は、ニ セコ積丹小樽海岸国定公園に指定され、自然美豊かな 地である。産業は、小樽市の商業、北後志の果樹、羊 蹄山ろくの畑作（一部水稲 )、さらに沿岸部の水産業 と多様な産業がみられ、その歴史も古い。人口の減少 は年を追うごとに激しく、平成 14 年度には２千５百人 を超えていた中学校卒業者数は、22 年度には１千９百 人を割り、今後その傾向はさらに厳しさを増し地域経 済にも深刻な影響を及ぼすものと考えられる。 も生徒数の減少に伴い間口の縮小が予想されるが、 各学校の理解と協力を得て、会員数の増加に繋がる よう努めていきたい。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 ２ 会員数の推移 歴代支部長・事務担当者〔少子化の傾向に伴って、 管内の高等学校 ( 道立 12 校、町村立３校、私立４校） では間口減、教員数の減少という状況にあり、当支 部も会員数の減少が続いてきている。今後各学校の 理解と協力を得て、会員数の増加を図っていきたい。 年度 15 項目 研発 16 17 紀要 研発 研発 18 19 紀要 紀要 研発 紀要 20 研発 21 紀要 研発 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 266 224 202 188 196 184 175 151 159 131 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 松下 榮顯 中保 力 中保 力 岡田 正裕 佐々木誠治 斉藤 信寛 若林 利行 河村 英二 河村 英二 板東 眞一 髙橋 渡 岡戸 康浩 岡戸 康浩 西嶋 潤一 西嶋 潤一 田村 弘樹 田村 弘樹 宮川 明子 青木 祐治 大坂 道明 事務局校 蘭越 寿都 寿都 ニセコ ニセコ 真狩 真狩 留寿都 留寿都 ニセコ 紀要 ３ 支部活動 地区支部として、会員相互の研修活動を実施すべ く、毎年度の支部長が努力をしているが、支部全体 としての取り組みまでにはならず、本教育研究会への 参加を促すことにとどまっているのが現状である。 しかし、当地区には各教科の研究会、各分掌等の 部会、教育相談研究会、養謹教諭部会等があり各研 究会・部会は活発に活動を行っているところであり、 当地区での実践を踏まえ本教育研究会に臨むこと で、さらに会員の研錨が深められてきた。会員の減 少とともに本教育研究会への出席者も減少傾向にあ る、ここ数年出席率の向上のため、毎年度の支部長 が機会あるごとに出席の呼びかけをしている。今後 22 研発 23 紀要 研発 24 研発 学校名 岩内 小樽水産 小樽商業 倶知安 小樽水産 倶知安 ニセコ 真狩 真狩 小樽商業 寿都 小樽工業 小樽水産 小樽水産 蘭越 蘭越 小樽水産 倶知安 小樽工業 岩内 小樽水産 倶知安 余市 岩内 倶知安 小樽工業 真狩 小樽水産 寿都 岩内 倶知安 蘭越 共和 小樽水産 小樽水産 倶知安 岩内 寿都 倶知安 小樽潮陵 小樽水産 岩内 小樽水産 小樽工業 小樽商業 小樽商業 小樽水産 氏 名 中川 暁 宮下 直之 岡田 賢一 津端 公彦 菊地 功 津端 公彦 橋口 友和 中西 聖 高 雅彦 武田 伸彦 乙川 望美 平井 柳太 大町 善成 我妻 雅教 田端 修 成田 多江 小坂 実顕 保格 秀規 菅原 陽 本間 順 山本 十三 信田 匡哉 大地 豪 土井みのり 保格 秀規 菅原 陽 田村 弘樹 柴田耕一郎 菊池 康 本間 順 津端 公彦 田端 修 吉村佳名子 小林 実顕 伊藤 健太 津端 公彦 真鍋かおり 八太 敦志 稲垣 佳恵 西原 樹理 藤本 崇人 高橋さおり 今村 和彦 高橋 孝児 長澤 裕泰 北出 英俊 木村 剛 分野 保体 水産 商業 情報 水産 情報 農業 農業 世界史 理科総合 養護 工業 水産 水産 理科 家庭 水産 物理 物理 化学 水産 数学 政治経済 数学 物理 物理 農業 水産 数学 理科 情報 理科総合 家庭 水産 水産 情報 国語 保健体育 音楽 書道 水産 化学 保健体育 工業 商業 商業 水産 ※研究紀要の詳細は 87 ～ 88 ページをご参照ください。 ５ 今後の展望 今後の支部活動としては、会員数並びに参加者の 増加に努めるとともに、会員各位が日頃積み重ねた 教育実践を、本教育研究会の発展に結びつけていく ように働きかけていきたい。 （ニセコ高等学校教頭 大坂 道明） ― 23 ― 空 知 支部（平成 18 年以前は南・北空知） １ 地区の概要 空知支部は、平成 18 年度より南空知支部と北空 知支部が統合され空知支部となり、支部活動を行っ ている。 今年度、当地区の学校状況は、高等学校 24 校、 高等養護学校３校、養護学校２校である。今後も統 廃合や間口削減などの状況が考えられる。 16 研発 17 研発 紀要 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 過去 10 年間の会員数の推移をみると減少傾向に あり、近年は 170 名前後とほぼ横ばいである。各学 校の協力を得て会員登録数の増加を図るための努力 が必要である。 18 研発 19 研発 20 研発 21 紀要 研発 22 紀要 研発 23 紀要 研発 24 紀要 研発 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 250 236 223 200 183 182 166 161 172 181 近年の支部長、事務局校は南空知と北空知で交代 で事務局を担当し支部の運営にあたり会員の啓発に 努めている。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 畑 満 廣田 邦生 畑 満 二瓶 元旦 高橋 文明 菅原 秀治 望月 憲夫 戸出 秀那 戸出 秀那 蓬田 恒春 蓬田 恒春 須藤 均 須藤 均 阿部 広美 松井 則之 森塚 勝敏 尾形 雅史 髙本 和明 尾形 雅史 髙本 和明 尾形 雅史 宮原 淑彰 宮原 淑彰 杉本 祐子 中野 潔明 石見 清孝 石見 清孝 吉澤 恒男 16 17 18 19 20 21 22 23 24 事務局校 南幌 歌志内 南幌 深川農業 南幌 深川農業 南幌 芦別 芦別 南幌 南幌 深川西 深川西 南幌 ３ 支部活動 管内の校長会が組織する研究会には、各教科以外 に分掌に関する教務部や生徒指導部、教育相談など の研修を実施している。そのため、支部高教研とし ては特別な取組は行っていない。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 紀要 学校名 岩見沢緑陵 美唄 新十津川農業 妹背牛商業 岩見沢東 美唄工業 氏 名 河本 由生 中島 康晴 豊岡 裕康 小松 裕美 高木 昭信 原野 勉 分野 日本史 政経 英語 家庭 情報 工業 紀要 由仁商業 砂川北 滝川工業 芦別 妹背牛商業 岩見沢農業 三笠 美唄 岩見沢東 滝川工業 滝川 沼田 妹背牛商業 岩見沢緑陵 岩見沢農業 沼田 滝川 砂川 美唄 岩見沢緑陵 三笠 滝川西 岩見沢農業 妹背牛商業 栗山 砂川 岩見沢東定時 由仁商業 月形 岩見沢東全日 岩見沢東定時 岩見沢西 岩見沢農業 美唄工業 深川東 岩見沢緑陵 芦別 砂川 砂川 滝川西 岩見沢農業 岩見沢農業 滝川工業 由仁商業 岩見沢緑陵 砂川 砂川 岩見沢緑陵 美唄尚栄 滝川高校 岩見沢東 夕張 南幌 美唄尚栄 奈井江商業 岩見沢緑陵 沖田 晃子 坂本 喜久 桝本 哲史 澤田 真泰 石尾みどり 福本 直人 山口 由人 宇城 隆司 松本 陸郎 梶 邦明 志田 淳哉 大沢 裕史 坂本 朋嗣 大屋 泰宏 傳法 寿紀 山岡 景寛 武蔵 恒一 城地 英典 深戸 紀明 坂口 勝幸 越後 暁子 近本学・中川修司 山川 直樹 和田和儀・朝日佑佳 瀬尾 敦子 高橋 理恵 土岐 剛史 安達 妙己 石塚 忍 橋本 宏美 木田美佐子 髙橋 誠 大坂 道明 小野 博道 山内 康司 川崎 知文 岩渕 啓介 三浦 信一 星野 壮志 中川 修司 伊與部 明 近江 勉 三浦 嘉之 神戸 裕普 川崎 知文 山中 勇人 畑恵成・高橋賢司 大屋 泰宏 渡部 哲哉 本間 順 藤澤 善美 土井 泰志 佐藤 寿成 坂口真奈美 酒井 友彰 川崎 知文 現代社会 養護 工業 商業 国語 現代社会 理科総合 化学 数学 工業 現代社会 数学 理科総合 物理 生物 生物 美術 英語 商業 商業 生物 英語 農業 商業 家庭 化学 生物 理科総合 理科総合 養護 養護 家庭 農業 工業 商業 情報 政治経済 数学 書道 英語 農業 農業 工業 商業 情報 日本史 理科総合 物理 農業 理科 地理 音楽 英語 家庭 商業 情報 ５ 今後の展望 今後については、会員数の減少理由を検討し、本 部事務局との連携を深め会員数の増加に努め、会員 各位が更なる研究実践を積み重ね本研究会の発展を 図っていく必要がある。 今一度「高教研」の果たす役割を考え、色々な場面 で多くの人たちへ加入の呼びかけに努めていきたい。 （南幌高等学校教頭 吉澤 恒男） ― 24 ― 上 川 支部 １ 地区の概要 本支部は、昭和 47 年の高校校長会の地区割りの変 更に伴い、旭川支部と名寄支部の一部を合わせ、上 川支部とした。現在の加盟校は、道立高校３１校、市 町村立高校５校、私立高校５校の合計４１校である。 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 本支部創立時の昭和 37 年度には 223 名、10 周年 の昭和 47 年度は支部改変により 774 名、昭和 48 年 度は 789 名で会員数がピークであった。20 周年の 昭和 57 年度は 643 名、30 周年の平成４年度は 488 名、 40 周年の平成 14 年度は 288 名。50 周年を迎える今 年平成 24 年度は 172 名と減少した。 15 研発 16 研発 17 紀要 研発 18 19 紀要 研発 20 研発 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 297 293 276 250 237 242 202 191 189 174 〔歴代支部長・事務局〕 年度 15 16 支部長 毛利 奉信 岡田 義明 17 18 19 20 21 22 23 24 岡田 義明 千葉 敏春 千葉 敏春 岡田 正裕 小川 龍幸 板宮 克芳 板宮 克芳 石原 卓典 事務担当者 和田 明 外川 藤博 吉森 光敏 吉森 光敏 菅原 修治 花松 正彦 岸田 隆志 大関 俊郎 我妻 公裕 舟山 栄治 沼田 靖生 事務局校 旭川西 旭川北 旭川北 旭川北 旭川工業 旭川工業 旭川農業 旭川農業 旭川商業 旭川商業 旭川南 紀要 ３ 支部活動 支部役員会は例年６月に開催し、前年度事業報告 及び決算報告、当該年度会委員登録状況の確認、支 部役員の確認、当年度事業計画及び本部からの連絡 等を行っている。 また、支部創立当初から各教科研究会等を支援し ており、毎年２～３の各研究会にそれぞれ１万円ずつ 助成している。助成の支出基準は次のとおりである。 〈教科研究会等助成金の支出基準について〉 （１）北海道高等学校教育研究会上川支部が主催ま たは共催により開催される大会・研究会につい て補助する。 （２）その他、北海道高等学校教育研究会と関わり が深いものと支部長が判断した場合、関係役員 の同意を得て補助することができる。 本支部には、教科を含めて 13 の研究（協議）会 があり、それぞれ活発に活動している。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 学校名 旭川商業 上川 旭川東栄 氏 名 岸 美千代 佐藤 淳 木村 浩 分野 国語 地理 倫理 21 研発 22 紀要 研発 紀要 23 研発 24 研発 紀要 東川 上川 上川 上川 旭川商業 風連 和寒 旭川北 旭川北都商業 旭川北 富良野緑峰 剣淵 旭川工業 旭川藤女子 風連 中川商業 富良野緑峰 旭川農業 名寄光凌 旭川北 剣淵 美瑛 旭川東 旭川西 下川商業 旭川凌雲 旭川東 上川 富良野 おといねっぷ美術工芸 中川商業 下川商業 下川商業 旭川北 富良野緑峰 剣淵 旭川東定時 旭川東 上川 富良野緑峰 富良野緑峰 旭川藤女子 道立旭川美術館 旭川東定時 旭川農業 旭川工業 士別東 中川商業 旭川藤女子 おといねっぷ美術工芸 中川商業 上川 旭川商業 旭川農業 名寄産業 士別翔雲 旭川西 旭川工業 富良野緑峰 富良野緑峰 旭川農業 旭川藤女子 上津 隆路 印部 陽一 印部 陽一 斉藤和彦・尾形一彦 帰山 悟 室田 恵二 宮腰 幸樹 柳本 高秀 斎藤 肇 松井 徹朗 田村 弘樹 村井 一幸 諸橋 宏明 鎌田 亮樹 沖本 正憲 田原 史子 森 伸一 赤穂 悦生 中嶋 孝之 松井 徹朗 本間 靖章 浪岡 知朗 萬木 貢 今野 康典 藤井亜希子 渡部 真紀 佐野 祐子 川崎 尚子 美土路 建 前田 健浩 松山淳一郎 藤井亜希子 佐藤 公敏 石川 竹博 小林 洋介 吉田 拓 平松 和彦 富田 一茂 都筑 宏海 森本 鈴奈 佐藤 淳爾 鎌田 亮樹 井内佳津恵 平松 和彦 菊地 誠 下村 幸広 山本 史江 増山 淳一 鎌田 亮樹 岩本 清海 前田 寛 岡崎 知之 盛本 尚美 菊地 誠 和田 博之 藤本 純一 藤野 忠 宮崎 一範 迫中 学 竹内 栄二 菊池 誠 鎌田 亮樹 数学 理科総合 化学 保体 商業 世界史 理科総合 地学 書道 英語 農業 農業 工業 情報 英語 世界史 理科総合 農業 工業 英語 世界史 数学 物理 書道 英語 家庭 世界史 倫理 物理 美術 商業 英語 商業 世界史 地理 現代社会 物理 理科総合 英語 家庭 工業 情報 世界史 地学 農業 工業 家庭 商業 情報 地理 倫理 数学 英語 農業 工業 国語 物理 地学 商業 商業 農業 情報 ５ 今後の展望 今後の支部の活動としては、「未来を担う心豊か な生徒の育成」を目指し、支部教員相互がより一層 の研鑽と修養に努め、日々新たな知見の下、意欲的 かつ実践的な教育活動の推進を支援し事業の活性化 と支部の充実・発展を図っていくとともに会員数の 確保に努める。 （記載者 北海道旭川南高等学校教頭 沼田 靖生） ― 25 ― 留 萌 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 支部 １ 地区の概要 留萌管内は北海道の北西部に位置し、自然に恵ま れた地域である。南北約 130㎞、東西約 60㎞と南北 に長く、西は日本海、北は宗谷、南は石狩、東は上 川・空知に接し、南北 178㎞に及ぶ海岸線は「日本 海オロロンライン」として親しまれている。 管内には全日制普通科単置校３校、全日制農業科 単置校１校、全日制工業科・商業科併置校１校、全 日制商業科１校、町立定時制普通科１校、高等養護 学校１校の計７校が設置されている。 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 この 10 年間で留萌千望高校流通経済科閉科、留 萌高校定時制課程閉課、増毛高校閉校、留萌千望高 校電気システム科募集停止などにより、会員数は大 きく減少している。今後も少子化による再編統合、 間口減などにより、会員数の減少が懸念されるが、 各学校の理解と協力を得ながら、会員数を確保して いかなければならない。 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 77 82 76 79 76 64 53 60 51 43 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 野瀬 政裕 原田 正光 原田 正光 原田 正光 高村 直克 高村 直克 松永 務 松永 務 猪瀨 徹 猪股 康行 中田 伸次 中田 伸次 岩瀬張幸子 岩瀬張幸子 岩瀬張幸子 吉田 聡 吉田 聡 吉田 聡 太田 倫夫 太田 倫夫 事務局校 年度 15 項目 研発 16 17 研発 研発 18 19 研発 研発 20 22 研発 研発 23 研発 24 紀要 研発 学校名 天塩 留萌千望 遠別農業 天売 留萌 苫前商業 遠別農業 遠別農業 苫前商業 留萌 羽幌 留萌千望 苫前商業 留萌 留萌千望 留萌 苫前商業 留萌 苫前商業 留萌千望 留萌千望 氏 名 水口 直樹 朝地 信介 三上真道・佐藤麻美 沓澤 里美 市橋 洋幸 藤曲 健司 久恒 亮 樋口かおり 江尻 憲昭 木村 尚士 岸本 泰輔 富永 薫 佐藤 誠 神山 義茂 千葉 智寛 菊田 茜 佐藤 誠 柴田美有紀 伊東久見子 秋本 直人 朝田 累 分野 数学 美術 農業 情報 化学 商業 地理 国語 政治経済 数学 保健体育 商業 地学 物理 工業 数学 地学 養護 養護 商業 生物 ５ 今後の展望 「高教研」は自己の指導力や資質を向上させる貴 重な研修の場である。今後も教科研究協議会を中心 に、研修の場としての機能を十分に果たせる環境作 りに取り組みたい。また、支部の更なる充実、発展、 活発化に向け、多くの人達への加入の呼びかけを行 い、会員数の確保・維持・増加を図りたい。 （記載者 留萌千望高等学校教頭 太田 倫夫） 増毛 増毛 増毛 増毛 増毛 増毛 増毛 増毛 留萌千望 留萌千望 10 周年記念誌（留萌地区支部）より S48.1 月発行 将来への展望 ３ 支部活動 教科研究協議会を当番校持ち回りで開催している。 広い地域ではあるが、各学校の理解と協力により、多 くの先生が参加しており、研究協議を通し、資質の向 上に努めている。また、教科の他にも養護、教務、生 徒指導、進路指導、教育相談の各研究協議会も開催 されている。内容も、授業公開、講演、講話、実習、 協議など様々な工夫を凝らしながら充実を図っている。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 小さな地域ではあるが、生徒や地域の実態に即し た様々な教育実践を重ね、毎年、研究発表を行って いる。 ― 26 ― いろいろ困難点はあるが、当地の特殊性から 先づ学校間の親睦を図ることが是非必要であ る。小規模校では教科担当者が１名という学校 が全体の約半分ある現状から、今後教科別研究 会を企画し学習指導法の研究に重点を置いた支 部活動をしたいと思考している。その研究会で は各校の実践成果をもちより、意見交換をする という方法で効果的な運営をしたい。それによ り会員相互の親睦を深め横の連携が密になり、 一層の教育効果が期待されるだろうし、本会の 趣旨にも沿い、創意工夫を重ね魅力あるものに すれば、会員の加入率も増し、実質的な実のあ るものえと発展するものと信ずる。 （苫前商教頭 工藤哲一記） 宗 谷 学校数が少ないことや参加旅費等の関係で隔年開催 となっている。） 校長会が各学校事情等も配慮して当番校のロー テーションを定め、計画的に開催してきている。 今後とも会員相互の研修の場としてより一層の充 実が期待される。 支部 １ 地区の概要 宗谷支部は、当初上川北部及び宗谷地区を含む名 寄支部として発足し､ その後昭和 57 年に改編・独立 して今日にいたっている。 当支部の高等学校は地域の特性を反映し、現在は ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 普通科以外にも商業・衛生看護・看護専攻・機械の 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 各科が設置されており、各校が地域に根ざした特色 年度 項目 学校名 氏 名 ある教育を展開してきている。 15 研発 稚内 桶谷 真平 紀要 稚内商工 榊原しほじ 当支部においてはこの 10 年間で中頓別農業高校 16 研発 枝幸 藤井 秀樹 が閉校となり、来春平成 25 年 3 月には稚内商工高校 浜頓別 下川 欣哉 が閉校となるので、養護学校を含め道立高校が７校、 稚内 鶴丸 慎也 私立高校が１校の計８校となる。生徒数の推移とし 浜頓別 木幡 和由 稚内商工 梶 猛 て平成 15 年度との比較では男子▼ 418 人・女子▼ 17 研発 枝幸 十川 光穂 416 人の計▼ 834 人の減少となっている。教員数もそ 19 研発 豊富 山﨑 辰也 れにともない約▼ 70 人の減少となっている。平成 25 礼文 小山内義輝 年度以降もさらに少子化による間口減等の厳しい状 利尻 山﨑 努 利尻 高橋 伸元 況が予想されている。 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 当支部の会員数は､ この 10 年間で高等学校の間口 減に伴う教員数の減少により大幅に減少している。 10 年前には 100 名を超えていた会員数は 50 名台ま で落ち込んだ年度もあり、今後もこの傾向が続くこと が予想されるため、各高等学校の一層の理解と協力 を得ながら会員数を確保していく必要がある。 〔会員数の推移〕 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 99 年 度 98 98 90 84 70 66 59 52 61 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 対馬 敏幸 対馬 敏幸 対馬 敏幸 大西 進 大西 進 大西 進 山本 文朗 橋本 達也 橋本 達也 政野 仁 政野 仁 井林 昌喜 井林 昌喜 伊藤 博史 伊藤 博史 宮上 秀仁 宮上 秀仁 元村 治郎 元村 治郎 藤井 浩之 研発 研発 研発 23 研発 24 紀要 研発 枝幸 稚内 利尻 稚内 利尻 浜頓別 浜頓別 豊富 枝幸 稚内 枝幸 枝幸 枝幸 杉本 修 古川 博之 鈴木香代子 青山 佳弘 新居 潤哉 飯田恵利子 小西 真一 袴田 純 丸子 恵未 武藤 禎弘 楠本 学 土田 泰裕 佐藤 革馬 研究紀要掲載者は残念ながら少ないため、今後に期 待したい。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 20 21 22 分野 数学 家庭 世界史 政治経済 保健体育 音楽 工業 養護 現代社会 数学 化学 地学 物理 日本史 世界史 化学 保健体育 日本史 政治経済 数学 家庭 現代社会 地理 数学 理科総合 事務局校 豊富 豊富 豊富 豊富 豊富 豊富 豊富 利尻 利尻 枝幸 ３ 支部活動 当地区では、社会の変化に対応した三分掌・教育 相談・養護教諭・各教科の１３部会に於いて宗谷管 内教員の資質向上を目的に高教研支部として、各部 会毎に諸問題について研究を深め、活発に活動を 行っているところである。 （ただし生徒指導部会と各教科部会は、当支部の ５ 今後の展望 当支部の教員は初任者および期限付き教員が圧倒的 に多い地域であり、また、学校規模が限られている ことから、自校内での教科研修をより広い視点で深 める機会に恵まれていない。このような中で、学校 間の枠を越えた教科研修を行い情報交換や評価・指 導方法、教材について互いに刺激し合うことは、教 育の変革期にある現在、大変意義深いことである。 今後は、当支部の会員数の減少に歯止めを掛け、 当支部の研究協議会の一層の充実と研究大会への参 加を呼び掛けることで、宗谷管内における教員の資 質向上と当支部組織の活性化を同時に進めていきた い。 （記載者 枝幸高等学校教頭 藤井 浩之） ― 27 ― 網 走 15 研発 紋別南 遠軽郁凌 １ 地区の概要 オホーツク海に面して雄武から知床まで続く広大 な地域を擁するオホーツク支部は、学区から網走、 北見、紋別を中心に３つの地域に分けられる。 この地域の産業基盤は、オホーツク海とサロマ湖の 恵みによる安定した漁業、畑作と乳製品・肉製品を中 心とした農業、酪農業及び２つの国立公園及び世界遺 産を有しての観光を主としており、近年の産業構造の 変化に伴い、中国やロシアなど海外との流通、交易が 深まるなど地域の生活状況も様変わりしつつある。ま た、人口減少と生徒・児童数の減少に伴い、小中学校 及び高校の統廃合が増え、他の地域と同様、就学人口 にの変化により学校は大きな変革を求められている。 本支部は定時制単置高１校を含む 25 校 70 間口か らなり、４間口以上が 10 校、３間口が１校、２間 口以下が 14 校である。 16 紀要 研発 17 研発 18 紀要 研発 19 研発 20 研発 21 研発 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 平成 14 年に 32 校あった学校が平成 24 年度には 25 校となり、間口数も 減少していることから、登録教 員数も当時の 263 名から 156 名と大幅に減少している。 22 研発 23 研発 24 紀要 研発 紋別南 女満別 津別 北見仁頃 置戸 津別 遠軽 紋別北 北見北斗 留辺蘂 北見商業 置戸 北見北斗 小清水 雄武 清里 斜里 清里 小清水 網走南ヶ丘 網走南ヶ丘 北見北斗 津別 斜里 美幌農業 北見北斗 網走南ヶ丘 紋別 北見商業 湧別 遠軽 津別 清里 紋別 美幌 北見工業 紋別 興部 支部（オホーツク支部） 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 250 238 227 216 230 229 165 174 167 15６ 支部長校は、３つの地域で持ち回りして、２年交替 で支部の運営に当たっている。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 支部長 菊池 隆夫 服部 隆廣 成田 雅昭 喜多 清彦 柏木 秀雄 稗貫 隆樹 前川 洋 後藤 寿樹 後藤 寿樹 後藤 哲 事務担当者 花髙 了三 中野 潔明 中野 潔明 田端 秀行 田端 秀行 松永 務 上野 直幸 小松 将人 小松 将人 岩田 一郎 紀要 事務局校 網走南ヶ丘 留辺蘂 留辺蘂 紋別北 紋別北 網走南ヶ丘 網走南ヶ丘 北見柏陽 北見柏陽 遠軽 ３ 支部活動 当支部では、校長会が主催する管内高等学校教育 推進委員会を中心に分掌、教科、課程（定時制）の ３つに別れてそれぞれ事務局校と当番校を置き、研 究協議会と研究成果記録（研究紀要）を毎年事務局 が集約し、冊子としてまとめている。研究紀要は平 成 24 年度で第 10 号となる。 研究協議会の参加者は、管内ほぼ全校が出席する 大規模なもので、参加者の関心も高く、公開授業、 研究協議、外部講師による講演等が展開され発展し てきたが、高教研発表等へステップとなるよう喫緊の 課題を踏まえた更なる内容の充実が求められている。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 学校名 湧別 氏 名 那須 郁夫 分野 音楽 石岡 亜季 奥原祥・皆口美香・ 迫中学 狩野千賀子 秋口 裕 炭屋 正人 太田 稔 木村 哲也 金田 和実 山崎 恒輝 中西竜太郎 神田 陽子 籬 宏行 敦賀 和芳 松田 卓也 新濱 学 白石 芳光 宮﨑啓一郎 藤野 忠 植木玲一・細井久美子 上田 智史 川口 修平 川島 秀夫 稲場 琴美 布施 達治 炭屋 正人 植木 玲一 漆原 剛 吉谷川史恵 菊池 貴広 加藤 洋平 高原 修 齊藤 文那 齋藤 利一 三浦 徹 大崎 敦子 春木 崇志 輿水 隆宏 菊地 智 木村 一貴 鈴木 健之 家庭 商業 家庭 国語 英語 世界史 政治経済 数学 物理 物理 美術 書道 商業 世界史 世界史 倫理 政治経済 物理 理科総合 保健体育 国語 地学 数学 生物 英語 理科総合 農業 化学 生物 英語 商業 家庭 国語 世界史 政治経済 生物 農業 工業 工業 情報 ５ 今後の展望 管内高等学校教育推進委員会が組織的、統括的な 研究活動を行っているが、分掌においては、喫緊の 問題行動等情報交換的な連絡協議会の傾向が強く、 教科の研究協議会においても継続的に研究協議会が 開催されているものの、２年サイクルで事務局校と当 番校が入れ替わり、担当校のみの課題設定であるた め、協議会の目的が系統性と計画性に欠けるところが ある。また、教員も石狩管内等都市部の経験がある 教員が少なく、若い教員だけでなくベテラン教員もこ の管内以外の経験がないケースが多いため、研究会 等においては日常の問題解決のみ求める傾向が強い。 委員会を取りまとめる全体の事務局と分掌、各教科 と課程（定時制）における事務局校が連携を密にして、 新たな学習指導要領が完全施行される来年度に向け て、分掌、教科そして課程の課題を踏まえた中長期を 見通した計画を立てると同時に、北海道の高校教育全 体さらには、日本全体の高校教育の動向にしっかり目を 向けられるよう全教員の関心意欲を高める必要がある。 地域性もあり、札幌の高教研に気軽にアクセスで きる環境ではないことから、毎年の高教研参加者は どうしても石狩周辺に比べて少ない傾向にある。そ れ故、北海道教育委員会や義務教育に係る地元教育 委員会及び小中学校との連携を強めて、各学校での 研修等を通じて管内における課題意識の向上と教員 の資質向上を図っていく必要がある。 （記載者 岩田 一郎） ― 28 ― 釧 路 支部 １ 地区の概要 （１）支部の現状 釧路地区は、釧路市・釧路町・厚岸町・浜中町・標茶町・ 弟子屈町・鶴居村・白糠町の広大な地域におよんでい る。産業は、海岸地域は漁業、内陸は農業・畜産・酪農、 観光を中心としている。中心都市釧路市の三大基幹産 業であった漁業・製紙・炭砿の衰退による経済状態の 悪化と少子化により、地域の人口減が深刻である。 この 10 年で、管内の中卒者は 3096 名から 2244 名 に減少し、公立高校の間口も 71 から 50 へと削減され ている。現在の学校数は、 公立高校 13 校 （定時制２校） 、 私立高校１校、工業高等専門学校１校である。 （２）支部の教育研究会 支部の教育研究活動は非常に活発であり、各教科 のみならず教務・進路指導・生徒指導・教育相談・ 養護教育・環境教育など、教育活動全域にわたる研 究活動が各学校間の連携のもと実践されてきた。 さらに今年度より、その全ての研究活動を今まで以 上に組織的・機能的に実践させるために、釧路管内 高等学校教育研究会という統一された研究組織とし て発足した。北海道釧路工業高等学校を事務局校と し、組織・会計・規約を一元化、校務分掌等に関す る部会６、 教科に関する部会 11 の全 17 部会となり、 これからの支部の教育研究を担っていく。 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 研発 16 紀要 研発 17 研発 18 研発 19 紀要 研発 20 研発 21 研発 紀要 〔会員数の推移〕 年 度 15 22 研発 23 紀要 研発 24 紀要 研発 24 会員数 165 162 146 154 142 139 115 126 107 124 〔歴代支部長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 支部長 七五三木正已 久野 政人 森 徳男 細川 静雄 細川 静雄 杉澤 投吉 杉澤 投吉 田川 芳紀 田川 芳紀 山形 恒則 事務担当者 山田 清典 井上 政史 井上 政史 山口 聰史 山口 聰史 山﨑 俊一 山﨑 俊一 田尻 勝敏 勝木 祐一 吉田 光利 事務局校 釧路緑ヶ岡 釧路北 釧路北 釧路東 釧路東 釧路工業 釧路工業 釧路湖陵 釧路湖陵 釧路江南 紀要 ３ 支部活動 全道的に会員数が減少する中、今年度は 15 名の 増となり、支部としては大変喜ばしい状況である。 各学校、各教科等での取り組みの成果であると関係 各者に感謝申し上げたい。50 周年を一つの節目と し来年度以降も、会員数を伸ばしていき、さらに活 発な支部活動に繋げていきたいと思う。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 学校名 釧路工業 氏 名 佐野比呂己 分野 国語 厚岸潮見 釧路江南 標茶 厚岸水産 釧路商業 釧路湖陵 阿寒 厚岸水産 釧路北 阿寒 標茶 釧路工業 標茶 弟子屈 弟子屈 釧路江南 釧路工業 弟子屈 釧路湖陵 釧路湖陵 霧多布 厚岸水産 釧路江南 釧路北陽 釧路商業 厚岸翔洋 釧路江南 釧路江南 標茶 釧路江南 厚岸翔洋 厚岸翔洋 厚岸翔洋 弟子屈 弟子屈 弟子屈 弟子屈 釧路東 阿寒 霧多布 高木 優 渡辺 真 中西 聖 松川 道義 高橋 昌宏 氏家 正規 竹田 安宏 高橋 篤 村上 肇 大和 智也 石井 亮 岩岡 勝人 内藤智芳・佐藤圭子 岡田 則之 阿部 保志 早津 茂行 佐藤 貴雄 岡田 則之 冨田 一茂 金本 吉泰 吉田 武史 佐々木正吾 須田 和幸 野田 貴洋 多賀友秋・辰山功一 植井 真 成田 雅昭 加藤 渉 林 雅也 成田 雅昭 澤向 亮賢 鈴木 一幸 大倉 誠 林 正大 宮嶋 衛次 堀口 人士 阿波 克典 竹本 万亀 澤田 大輝 小笠原清陽 地理 政経 農業 水産 政治経済 物理 保健体育 水産 情報 数学 地学 保健体育 国語 地理 教職一般 生物 工業 現代社会 化学 生物 保健体育 水産 数学 英語 商業 水産 情報 英語 農業 情報 世界史 水産 水産 理科総合 理科総合 理科総合 理科総合 美術 英語 情報 ５ 今後の展望 昨年度道教委の教育行政執行方針において掲げら れた「平成 26 年度までに、北海道の子どもたちの学 力を全国平均以上にする」という大きな目標のもと、 各支部・各教科部会では学力向上に向け、今まで以 上の各種取り組みが実践されているところだと思う。 釧路市では、全国的にも珍しい学力向上を目的と した「基礎学力保障条例案」が市議会へ提出される 予定だ（11 月現在）。 「生きる力」を基盤とした「確かな学力」「健やか な体」「豊かな心」の育成が我々教育に携わるもの の使命である。今後ますます、真の生きる力とは、 生きるために本当に必要な学力とは何かを追求し、 地域の将来を担う子どもたちのために、日々研究・ 研修していくことが重要になっていくと思われる。 そのためにも、一人一人の教員が地域・教科は勿 論のこと、学校の枠を越えて連携・研鑽し、視野を 広げ日々の教育に還元させるため、一人でも多くの 仲間が本研究会に参加することを期待したい。 （釧路江南高等学校教頭 吉田 光利） ― 29 ― 根 室 現在、教務・生徒指導・進路・教育相談・養護の 各分掌部会及び、国語・地歴公民・数学・理科・保体・ 外国語・情報・商業の各教科部会が活発に活動して おり、毎年度冊子にまとめられ、全会員に配布して いる「研究成果のまとめ」も、今年で第 16 集となる。 また、家庭科と芸術科に関しては隣接する釧路地区 と合同の活動により、大きな成果をあげている 支部 １ 地区の概要 根室地区は、北海道の最東端に位置し、北部は知床 半島、南部は根室半島が東に向かって伸び、根室海峡、 太平洋に接した地域で、１市４町で構成されている。 沿岸部の漁業、内陸部の酪農といった基幹産業は、 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 それぞれが現代的な構造上の課題を抱えており、ま た、過疎化の進行や人口の減少傾向は管内全域に広 当地区は、地理的に札幌に遠いという条件にあっ がっている。特に子どもの数の減少は著しく、小中学 ても、各教科並びに分掌において研鑽に努め、その 校の児童生徒数は 20 年前に比べ半減しており、それ 成果をたずさえ、毎年１月に札幌で開催される研究 に伴い当地区の学校状況も大きく変化している。 大会には、多くの会員が参加している。特に教科部 今年度、当地区の学校数は、高等学校７校、高等 会の研究発表、記録、司会等に積極的に加わり、研 養護学校１校で、10 年前に比べると学校数は変わっ 究大会の充実、発展に貢献してきている。 ていないが、高等学校の間口数は 12 減、生徒数に 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 項目 学校名 氏 名 分野 して約 600 名が減少している。 15 研発 根室 溝上 忠彦 物理 こうした中、地区各校は中高一貫教教育の導入や 16 研発 中標津 市村 由子 化学 コミュニティ・スクール、学校再編の検討等、積極 中標津 浦 巧 生物 的に特色ある教育環境づくりに取り組んでいる。 根室 加藤理恵子 英語 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 高等学校の間口数減に伴い教員数が減少している 現状もあり、 平成当初 100 名以上であった会員数は、 ここ数年 50 名前後で推移してきている。あらため て本研究会の内容充実に努め、会員登録率の向上を 図る必要がある。 〔会員数の推移〕 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 71 年 度 59 42 40 46 53 58 59 51 48 支部長校は昭和 57 年４月校長協会の釧根支部が釧 路支部と根室支部に分離独立することになり、昭和 58 年に高教研支部も根室支部として独立した。事務局は 羅臼高校におかれ、歴代羅臼高校長が支部長を務めて きたが、平成 21 年より標津高校と羅臼高校が２年おき に事務局を担当することとなり、現在に至っている。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 岡崎 孝男 吉田 廣 吉田 廣 澁谷 寿継 澁谷 寿継 澁谷 寿継 飯島 範雄 宮崎 真彰 丸山 年民 丸山 年民 西 博道 西 博道 納谷 泰文 納谷 泰文 千葉 浩次 千葉 浩次 飯田 知男 飯田 知男 鎌田 到 小川 政博 事務局校 羅臼 羅臼 羅臼 羅臼 羅臼 羅臼 標津 標津 羅臼 羅臼 ３ 支部活動 各分掌や教科ごとに実施されていた管内の各種教育 研究会は平成９年度から本研究会として再編された。 20 紀要 研発 紀要 研発 紀要 研発 21 研発 22 研発 23 研発 17 18 19 標津 根室 根室 別海 中標津農業 標津 別海 別海 中標津農業 中標津 別海 標津 中標津農業 石垣志保子 熊谷 英則 西島 博樹 漆原 剛 尾崎 仁 干場 大輔 林 よし子 佐藤 一昭 山口 由人 井上結香子 松原 直紀 小川 将 中野 俊光 家庭 数学 理科 農業 農業 日本史 養護 数学 生物 政治経済 生物 保健体育 現代社会 ５ 今後の展望 根室地区では、豊かな自然風土や北方文化の歴史 遺産等を積極的に活用した教育が展開され、地域に 根ざし、子どもの視点に立った創意ある教育が進め られてきた。 今年度は「学校・家庭・地域が一体となった未来 の根室を拓く子どもの育成」を管内教育推進の重点 とし、学校・家庭・地域社会それぞれが主体的に子 どもたちにかかわり、三者が互いに高め合うことで それぞれの教育力の向上を目指している。 学校の教育力向上は、直接の担い手である教員の 資質能力に負うところが極めて大きい。教職員の平 均年齢が若く、初任者の配置傾向が強いといった地 域的な特性をもつ当地区においては、特に研修は大 きな意義をもつ。 今後も支部の活動として、会員数並びに研究会へ の参加者の増加に努めるとともに、会員各位が積み 重ねた研鑽を、地区教育の充実に結びつけていくよ うに働きかけていきたい。 （北海道羅臼高等学校教頭 小川 政博） ― 30 ― 十 勝 17 研発 １ 地区の概要 十勝地区は、北海道の南東部に位置し、北は大雪 山系と十勝岳、西は日高山脈、東は北見山系と三方 が山に囲まれ、南には太平洋を望む広大な十勝平野 が広がっている。地区は１市 16 町２村から構成され、 道内の総合振興局・振興局で最大の面積を有し、新 潟県、秋田県と同程度の面積である。 十勝支部には、高等学校 24 校（道立 18、市町村 立２、私立４）と特別支援学校４校（うち高等部を有 する学校２） 、さらに農業大学校１校がある。 18 紀要 研発 19 研発 20 研発 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 21 22 紀要 研発 研発 23 紀要 研発 24 紀要 研発 支部 紀要 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 218 220 211 210 183 175 136 132 119 123 〔歴代支部長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 支部長 東條 幸男 形部 幸雄 河合 慎二 佐々木誠治 平 富夫 山口 佳子 藤本 勝芳 藤本 勝芳 佐藤 伸一 菅野 誠 事務担当者 伊藤 宗武 井口 郁將 朝野 良美 竹村 優二 佐藤 和英 佐藤 和英 西 博道 島 芳一 菅原 和良 菅原 和良 事務局校 帯広緑陽 帯広緑陽 音更 音更 芽室 芽室 清水 清水 帯広緑陽 帯広緑陽 紀要 ３ 支部活動 支部内には各教科等に係る研究団体が 18 あり、 それぞれに活発な研究活動を行っている。 十勝支部の教育は、次の４点を重点に推進されて いる。 （１）学力の向上 授業改善を図り、学びの質を高める。 （２）豊かな心と健やかな体の育成 豊かな人間性と社会性をはぐくみ、健康でた くましい体をつくる。 （３）信頼される学校づくり 魅力ある揺るぎない学校を構築する。 （４）十勝らしい一人一人の学びの実現 新しい時代を切り拓く力を身に付けさせると ともに家庭や地域の教育力を一層高め、十勝の よさを取り入れた生涯学習活動を推進する。 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 年度 15 項目 研発 16 研発 紀要 学校名 士幌 上士幌 足寄 鹿追 帯広南商業 本別 帯広三条 帯広農業 氏 名 福田 敏憲 辻 英明 木川田敏晴 及川 佳勝 武井 純子 末信里佳子 千葉 和代 大関 俊郎 分野 世界史 生物 地学 英語 商業 数学 家庭 農業 清水 本別 鹿追 帯広柏葉 新得 清水 帯広工業 帯広柏葉 音更 帯広南 帯広三条 帯広三条 帯広三条 帯広農業 帯広農業 士幌 帯広八千代中 上士幌 帯広農業 清水 芽室 大樹 更別農業 池田 足寄 帯広緑陽 帯広農業 足寄 上士幌 池田 士幌 上士幌 更別農業 帯広緑陽 帯広緑陽 太田 幸夫 蓑口 一哲 蜂谷 晶子 篠田 昌宏 小林 真里 髙井 隆行 飯塚 浩二 岩田 勝美 小湊 秀子 藤村一宏・國村光二・ 有塚修 矢ノ目慎也 新明 匠 千葉 和代 重堂 法人 廣瀬 之彦 芳賀 雄太 能戸 貴英 上村 剛 飛谷 淳一 浪岡 利光 石森由香利 岩松 親正 中川 智 園田 陽子 徳橋 孝之 前田健太朗 飛谷 淳一 小林 央 泉 円人 川口 陽 佐藤 大 古川 泰弘 大和田恭平 山本ひろみ 前田健太朗 国語 日本史 音楽 数学 理科総合 化学 工業 情報 情報 商業 数学 英語 家庭 農業 農業 農業 情報 国語 農業 教育一般 国語 地理 物理 美術 英語 情報 農業 倫理 数学 物理 化学 保健体育 農業 家庭 情報 ５ 今後の展望 十勝支部には文部科学省や道教委の研究指定を受 けている学校が多数ある。 ○教育研究開発事業（鹿追「地球学」） ○スクールカウンセラー活用事業（帯広柏葉、帯 広農業） ○人権教育研究推進事業（大樹） ○サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト 事業（帯広農業） ○地 域とともに学ぶ高等学校環境教育推進事業 「環境教育実践校」（足寄） ○地 域医療を支える人づくりプロジェクト事業 （帯広柏葉） ○確かな学力を育む高校教育推進事業（帯広柏葉） ○スポーツエキスパート活用事業（足寄、帯広三条） ○高校生ステップ・アッププログラム（本別） ○高１クライシス未然防止事業（幕別） ○高等学校における発達障がい支援連携モデル事 業（モデル校：更別農業、協力校：中札内高等 養護学校） ○キャリア教育・職業教育推進事業（池田） ○北海道環境マネジメントシステムスタンダード （清水） 今後は支部内各学校との協力体制を一層深め、こ うした研究事業の成果を広く普及・発信し、高教研で の研修活動を活性化していくことが求められている。 （帯広緑陽高等学校教頭 菅原 和良） ― 31 ― 胆 振 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 本研究大会における研究発表及び本会の研究紀要 への論文掲載には、当地区から積極的に実践発表を 行っているところであり、今後、本道教育の発展に 貢献するものと確信している。さらに多くの会員か らの発表を望みたい。 支部 １ 地区の概要 胆振地区は、東西に広く苫小牧を中心とする東部 地区と室蘭を中心とする西部地区とに分かれる。こ の 10 年間、産業の不況等による人口の減少、少子 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 化による中学卒業生の減少という条件が重なり、当 年度 項目 学校名 氏 名 15 研発 豊浦 石川 広美 地区の学校状況は大きく変わった。 室蘭工業 志田 泰範 今年度、胆振地区の学校状況は、高等学校 26 校、 16 研発 鵡川 木元 亮仁 中等教育学校１校、高等養護学校１校で、10 年前の平 苫小牧東 渡邉 昭博 苫小牧総合経済 板野 成人 成15 年度と今年度を比較すると、 間口数で全日制21減、 紀要 苫小牧工業 新山 雄士 定時制２減であり、学級数で全日制 64 減、定時制８ 17 研発 洞爺 佐藤 豊記 減である。今後も減少傾向にあることは否めない。 室蘭工業 高野 隆広 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 高等学校の間口減に伴って、教員数が減少してい る現状に加え、本研究会に対する関心の低下というこ ともあり、研究会発足当初の勢いが感じられないとい うのも事実である。当地区支部の会員数が 20 年前と 比較して半分以下にまで減少している現状がそれを 端的に表している。このような状況等をふまえて、各 学校の協力を得ながら、本研究会の重要性を訴えつ つ、 更なる会員数増加のための努力が必要と思われる。 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 18 紀要 研発 19 研発 20 研発 21 研発 22 紀要 研発 23 研発 24 研発 24 会員数 209 184 184 167 174 179 165 153 133 144 支部長校は、この 10 年の間、2 年で交代しながら 地区支部の運営にあたり、特に会員数の増加のための 啓発活動に努力してきたところです。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 髙野 正昭 渡辺 省司 渡辺 省司 髙橋 誠 髙橋 誠 見方 益夫 見方 益夫 高橋 廣一 高橋 廣一 小松 芳幸 部田 則行 前田 豊 田中俊一郎 朝野 良美 朝野 良美 坂東 眞一 谷 昭憲 岩瀬張幸子 岩瀬張幸子 小形 和律 事務局校 厚真 伊達緑丘 伊達緑丘 室蘭東翔 室蘭東翔 鵡川 鵡川 虻田 虻田 穂別 紀要 ３ 支部活動 会員相互の資質向上を目指して、地区として研修 活動の確立のための努力が歴代の支部長にあった。 当地区には支部高等学校長協会のもとに、教務部会、 生徒指導部会、進路指導部会、養護部会、各教科研 等があり、それぞれの研究会は活発に活動している ところであるが、高教研としての活動を行うことは なかった。 苫小牧工業 苫小牧総合経済 苫小牧東 室蘭商業 鵡川 苫小牧総合経済 白老東 厚真 室蘭栄 北海道栄 白老東 厚真 室蘭栄 室蘭栄 登別青嶺 苫小牧南 室蘭工業 虻田 登別明日 室蘭工業 苫小牧総合経済 鵡川 室蘭工業 穂別 伊達緑丘 苫小牧西 登別明日 苫小牧工業 登別明日 室蘭栄 白老東 西後 勝美 濱下 昌也 矢嶋 裕之 林 雅代 藤原 隆 米根洋一郎 酒井 誠至 金川 和人 芳澤 文明 山田 高嗣 奈良 尚久 金川 和人 續木 辰也 加藤 孝志 高野 聖三 塚西 圭 佐藤 満 濱野 葉月 坂本 朋嗣 板坂 浩毅 小笠原 聡 稲川 幹雄 黒津 豊輝 伊藤 雄大 林 昭宏 伊藤 崇由 高石 健一 木村 浩二 酒井 誠至 石田 暁 河内 健治 分野 生物 工業 国語 倫理 商業 工業 現代社会 生物 工業 商業 情報 家庭 数学 理科総合 化学 地学 地理 物理 生物 地学 音楽 国語 化学 生物 理科総合 国語 化学 工業 商業 日本史 倫理 数学 物理 化学 保健体育 工業 生物 地学 理科 ５ 今後の展望 「高教研」の最大の魅力は何といっても全道規模 の交流にある。教員の研修は、自校内の分掌・教科 における研修をはじめ管内における研究会等におい ても活発にされているところであるが、本会のよう な規模での研究会は大変貴重である。 特に若手や中堅の教員が、自校のみならず全道の 教育に視野を広げ、教師間・学校間の連携を深め、 互いに刺激し合いながら研鑽を深めていくことは北 海道全体の教育にとって不可欠といえる。 50 周年を機に、設立当初の趣旨・目的を再確認 したうえで、会員数の増加や啓発活動に努めるとと もに、会員の資質向上や日々の教育実践に生かせる 本研究会としたい。 （穂別高等学校教頭 小形 和律） ― 32 ― 日 高 支部 １ 地区の概要 日高地区は日高山脈と平行に走る海岸線に挟まれ た長方形上の地形で、日勝峠麓の日高高校から太平 洋に突き出す所に位置するえりも高校の町立２校の間 に道立高校６校がほぼ海岸線に沿って点在する小さ な地区支部である。 少子化の影響で年々中学卒業生の減少が続き、高 校入学者が減っているなかで毎年３クラス分以上も の中学生が流出しており、管外の公私立高校への流 出が止まらず、地元高校にとっては大きな課題となっ ている。流出する生徒の教育ニーズを的確に把握し 各学校が一層特色ある教育や個別化を進めて地元高 校へ呼び戻せるよう努めることが求められている。 平成 ２４ 年度日高管内高等学校教育研究会開催一覧 部 会 当 番 校 開催日 様似高等学校 10 月 29 日 ① 教 務 静内高等学校 11 月 20 日 ② 生徒指導 様似高等学校 11 月 28 日 ③ 進路指導 富川高等学校 12 月 3 日 ④ 教育相談 えりも高等学校 11 月 22 日 ⑤ 国 語 静内高等学校 11 月 8 日 ⑥ 地歴公民 富川高等学校 11 月 16 日 ⑦ 数 学 平取高等学校 10 月 23 日 ⑧ 理 科 静内農業高等学校 10 月 23 日 ⑨ 保健体育 日高高等学校 10 月 22 日 ⑩ 英 語 静内農業高等学校 11 月 9 日 ⑪ 家 庭 隔年実施開催せず ⑫ 情 報 浦河高等学校 11 月 7 日 ⑬ 芸 術 隔年実施開催せず ⑭ 養 護 ４ 研究発表者及び研究紀要掲載者 〔研究発表者・研究紀要掲載者〕 ２ 会員数の推移、歴代支部長・事務局担当者 高等学校の募集停止や間口減による教員数の減少 に伴い、平成 20 年度をピークに会員数も年々減少の 傾向にあるが、各学校の協力を得て、会員数の増加 を図っていく必要がある。 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 73 80 71 67 72 81 71 72 65 61 わずか８校という小さな支部のため支部長校は、 平取高校が担当し、支部の運営および会員数の啓発 に努めている。 〔歴代支部長・事務局〕 年度 支部長 事務担当者 15 16 17 18 19 髙橋 誠 髙橋 誠 髙橋 誠 佐藤 博明 佐藤 博明 池田 成徳 池田 成徳 池田 成徳 池田 成徳 杉本 祐子 杉本 祐子 沼澤 博美 田村 二郎 田村 二郎 境 治雄 境 治雄 平取 平取 平取 平取 平取 境 治雄 長田 淳 長田 淳 長田 淳 前川 幸啓 平取 平取 平取 平取 平取 20 21 22 23 24 事務局校 年度 15 16 項目 研発 研発 17 18 20 紀要 研発 研発 21 22 研発 研発 紀要 学校名 静内農業 浦河 静内農業 富川 平取 平取 浦河 静内 富川 浦河 様似 静内 浦河 氏 名 塩村 亮 清水 義徳 山田 顕 小笠原 節 坂本さおり 須田 道春 増田 功 泉田 悦宏 櫻井 智 石橋 哲哉 藤田 尚樹 大塚 徹 小林 成人 分野 英語 地理 生物 情報 家庭 数学 音楽 英語 商業 数学 英語 英語 数学 ５ 今後の展望 管内高教研を中心に支部全体の研究意欲を高め、 会員数の増加に努めるとともに、多くの会委員が日 頃の教育実践を本研究会へと結びつけていけるよう に働きかけていきたい。 （平取高等学校教頭 前川 幸啓） 30 周年記念誌（日高地区支部）より H5.1 発行 ３ 支部活動 当管内には管内高等学校教育の振興を図ることを 目的に平成６年までの「日高管内高等学校連盟」を 発展的に改組し、平成７年「日高管内高等学校教育 研究会」と名称を改め、下記のとおり各高等学校が 当番校となって１４部会が開催され、管内高等学校 教育の充実・発展のために活発な活動を行っている。 今後は管内高教研と連携し、地区支部として部会 講師招聘や講演講師への謝礼補助などを検討してい く必要がある。 ― 33 ― 日高地区支部は８校による「日高地区高等学 校連盟」 （昭和 52 年発足）を組織し 15 年が経過 している。途中定時制課程の閉課等があって部 会の開催についても幾多の変遷を経ながら、① 教務、②生徒指導、③進路指導、④教育相談の ４部会と、⑤教科部会；国語、社会、数学、理科、 英語、体育、家庭、商業（８教科）について当 番校を定め研究協議会を計画的に行っている。 ・・・・ 折角の研究成果の記録を保存し、系統だて普 及を図り発展させていくために是非集録にまと めて軌跡を明らかにしておきたいという気運が高 まり、昭和 63 年度から実現を見ることとなった。 （平取高等学校長 佐藤 重喜） 教 科 部 会 国 語 20 部会 １ この 10 年を振り返り 国語部会のこの 10 年間の軌跡をたどってみますと、 講演、研究発表、研究討議等、毎年充実した内容で 発展してきたものと思います。特に本道は大都市の 大規模校から郡部の小規模校まで、さまざまな規模 の学校が混在する自治体であり、各学校で生徒の実 態に合った教育活動が展開されていることが研究発 表を通してうかがい知ることができました。また、評 論文読解・韻文鑑賞・国語表現・古文理解・漢文解 釈など高等学校国語科各分野からまんべんなく研究 発表が出された 10 年間でもありました。 一方で少子高齢化の波は押し寄せており、小規模 校の統廃合、また大規模校でも入学定員の減少が進 んだ 10 年間であったともいえます。激動する社会情 勢に対応して教育活動も変化が求められてきた 10 年 間であったと考えております。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務担当者 生徒数の減少に伴い、教員数も減り、あわせて会 員数も右肩下がりで減少し続けています。 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 383 353 329 321 312 305 277 278 252 266 〔歴代部会長・事務局〕 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 柏倉 正明（札幌稲雲） 武田 克伸（札幌平岸） 本間 芳樹（札幌手稲） 武田 克伸（札幌平岸） 武田 克伸（札幌清田） 秋田 松年（大麻） 喜多 清彦（大麻） 喜多 清彦（大麻） 田端 明雄（札幌東） 大鐘 秀峰（札幌真栄） 遠藤 彰（札幌稲雲） 遠藤 彰（札幌平岸） 吉田 政司（札幌手稲） 遠藤 彰（札幌平岸） 遠藤 彰（札幌平岸） 遠藤 彰（札幌平岸） 遠藤 彰（札幌平岸） 遠藤 彰（札幌新川） 遠藤 彰（札幌新川） 遠藤 彰（札幌新川） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「科学とことば」 国際基督教大学大学院教授 村上陽一郎 氏 16 「21 世紀に読みなおす『こころ』」 東京大学大学院教授 小森 陽一 氏 17 「『こころ』を読むこと、『こころ』を教えること」 早稲田大学教授 石原 千秋 氏 18 「『わかったつもり』をのりこえる」 宮城教育大学教授 西林 克彦 氏 19 「『古典』をつくる」 作家 橋本 治 氏 21 22 23 24 「ことばの世界をひろげる古典教育 ～古典教育は生き残れるか～」 國學院大學名誉教授 中村 幸広 氏 「 『生きる力』を育てるための小論文・作文指導」 鶏鳴学園学長 中井 浩一 氏 「これからの日本に必要な言葉の教育 ～『言語技術』の有効性～」 つくば言語技術教育研究所所長 三森 ゆりか 氏 「対話の方法としての文学」 作家 奥泉 光 氏 「世界の不幸を見つめるドストエフスキー」 東京外国語大学 学長 亀山 郁夫氏 ４ 部会の現況 左記にあるとおり、当部会の会員数は毎年減り続 けておりますが、数的減少が研究活動の停滞や意欲 の低下を表しているわけではありません。ほとんど の管内で「国語研究会」は開催され、一定の参加者 を集めて充実した内容の研究発表が行われ、盛会で あるという報告も受けております。 また、平成 24 年８月には「北海道高等学校国語 研究会」の第１回セミナーが開催され、高教研国語 部会に匹敵する参加者を集めました。冬の「高教研 国語部会」、夏の「高国研」、そして各管内で継続的 に開催されている「国語研究会」という研究会３本 柱を通じて、全道の国語科教員のネットワークを広 げ、研修・研鑽を図っているところでございます。 ５ 今後の展望 明年から新学習指導要領に基づいた教育課程が、 学年進行で実施され、国語科は、科目名としては国語 総合（４） 、 国語表現（３） ・現代文Ａ（２） ・現代文Ｂ（４） ・ 古典Ａ（２） ・古典Ｂ（４）の６科目に改編されます。 また、現行の学習指導要領でも示されている言語活 動については、さらなる充実が求められています。具 体的には「話すこと・聞くこと」 ・ 「書くこと」 ・ 「詠む こと」 ・ 「言語事項」の３領域１事項を維持しつつ、新 たに「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」 を設け、我が国の言語文化に親しむ態度を育てたり、 国語の役割や特質についての理解を深めたり、豊か な言語感覚を養ったりするための内容が盛り込まれて います。言語活動の充実とあわせて、読書活動の充 実にも触れられています。学校図書館や地域図書館 などと連携し、読書の幅を広げ、読書の習慣を養うな ど、生涯にわたって読書に親しむ態度を育成すること や、情報を使いこなす能力を育成することを重視いて 改善を図るよう示されております。 今後はさらに各学校の実態に合った多種多様な教 育課程が編制されつことと思われます。国語科の教 員としてもますます創意工夫が求められ、教え込む 授業から学び取る授業への転換が進んでいくことで しょう。国語科教員間で情報を共有し、研修・研鑽 を積んでいきましょう。 （記載者 札幌新川高等学校 遠藤 彰） ― 37 ― 地歴・公民 16 部会 １ この 10 年を振り返り この 10 年、各部会とも講演内容の充実に努め、 道内外から様々な講師を迎えて、視野を広げるとと もに新しい知識や考えの獲得に努めてきました。ま た、研究発表に関しても、教科の専門性を踏まえな がら日々の実践を内容としており、生徒の主体性を 引き出し学習意欲を高めるための創意工夫に富んだ 授業や学習指導の様子がうかがえます。 17 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 418 420 414 388 382 395 358 335 322 302 〔歴代部会長・事務局〕 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 武村 宗彦（札幌稲西） 佐藤 静也（札幌真栄） 佐藤 静也（札幌真栄） 濱本 武司（札幌西） 濱本 武司（札幌西） 古林 由則（札幌東） 古林 由則（札幌東） 岡元 賢（札幌白石） 岡元 賢（札幌白石） 荘司 信一（札幌平岡） 亀山 範行（札幌稲西） 前田 豊（札幌真栄） 前田 豊（札幌真栄） 湯田 恭丈（札幌西） 湯田 恭丈（札幌西） 西嶋 潤一（札幌東） 西嶋 潤一（札幌東） 片桐 清実（札幌白石） 久保 真理（札幌白石） 林 正憲（札幌平岡） 18 ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 15 16 演題・講師 世界史「始皇帝とその時代 ～新発見の考古資料から～」 学習院大学教授 鶴間 和幸 氏 日本史「考古学からみた北海道の歴史」 二風谷沙流川歴史館学芸員 森岡 健治 氏 地 理「食からみた北海道の地理」 ホテルクラビーサッポロ料理長 貫田 桂一 氏 現代社会「食の安全性と地産・地消」 拓殖大学北海道短期大学環境農学科長 相馬 暁 氏 倫 理「ただよう高校生の心」 臨床心理士 市川 啓子 氏 政治経済「北海道経済社会の構造問題と将来像」 北海道大学大学院教授 宮脇 淳 氏 世界史「神聖ローマ帝国」 北海道大学助教授 山本 文彦 氏 日本史「中世十三湊と北方世界」 市浦教育委員会安藤の里賑興室係長 榊原 滋高 氏 地 理「北海道の観光と食」 （株）リクルート北海道じゃらん 取締役編集長 ヒロ 中田 氏 現代社会「『北海道の経済活性化』に必要なもの」 北海道ベンチャーキャピタル（株） 代表取締役社長 松田 一敬 氏 ― 38 ― 19 20 倫 理「精神分析から見た現代社会の『倫理』 ―フロイト、ラカンの父性原理と自己の起源―」 北海学園大学教授 小島 康次 氏 政治経済「ヨン様は日本人の韓国観を変えたか？」 東京都立大学教授 鄭 大均 氏 世界史「現代西欧における社会史方法論 ～フランス土木業組合の組織史を事例に～」 北海道大学大学院助教授 高井 哲彦 氏 日本史「日本近代史研究と教育」 北海道大学大学院助教授 川口 暁弘 氏 地 理「武四郎が愛した温泉」 北海道いい旅研究室編集長 舘浦 海豹 氏 現代社会「 『戦後 60 年』以後 マスコミの現状と これからの課題―日本のメディアは市民の期待に 応えられるか―」 立正大学教授 桂 敬一 氏 倫 理「最近の青少年と保護者の意識についてー 札幌市子どもアシストセンターから見える高校生 と保護者の姿ー」 札幌市少年育成指導員 児玉 恭昌 氏 政治経済「間違いだらけの憲法学習 ―戦後社会科教育言説を点検する―」 北海道教育大学教授 安藤 豊 氏 世界史「イスラームの拡大と西アジア社会 ～ズィンマの民という視点から～」 北海道大学大学院教授 太田 敬子 氏 日本史「学校教育におけるアイヌ史」 札幌大学助教授 本田 優子 氏 地 理「白神山地の自然と人～伝統と未来～」 弘前大学名誉教授 牧田 肇 氏 現代社会「2030 年の北海道」 社団法人 北海道未来総合研究所理事長 原 勲 氏 倫 理「パラダイム・シフト ～教育現場に活かせるコオーチング～」 ビー・クリエイト 土井 英里圭 氏 政治経済「法教育入門 ～何故、今『法教育』が求められているのか～」 弁護士 岸田 洋輔 氏 世界史「北魏胡族体制論」 北海道大学大学院助教 松下 憲一 氏 日本史「国民国家と古都奈良・京都」 京都大学准教授 高木 博志 氏 地 理「世界遺産知床の生態とその保全」 斜里町知床博物館館長 中川 元 氏 現代社会「証券取引と金融市場の役割」 日本証券協会 NPO エイプロシス 増井 利光 氏 倫 理「病むこと、回復すること～精神障害を持 つ若者の支援から見えてくるもの～」 北海道医療大学教授 向谷地 生良 氏 政治経済「企業社会で求められる能力 ～マネジメントの基礎理論と実務への応用～」 北海学園大学准教授 田中 史人 氏 世界史「インド独立をめぐるいくつかの問題」 函館工業高等専門学校教授 四宮 宏貴 氏 日本史「近世アイヌ社会史研究の論点」 北海道大学大学院準教授 谷本 晃久 氏 地 理「北海道の鉄道が創る ～交通インフラ・イノベーション～」 北海道旅客鉄道株式会社副社長 柿沼 博彦 氏 現代社会「ごみと循環型社会」 北海道大学大学院教授 吉田 文和 氏 倫 理「環境倫理と高校教育」 京都大学名誉教授 加藤 尚武 氏 20 21 22 23 24 24 政治経済「現代日本の労働と生活」 北海学園大学準教授 川村 雅則 氏 世界史「日本へのマニ教絵画の伝来とその世界史的背景」 大阪大学大学院教授 森安 孝夫 氏 日本史「女真海賊の侵攻（刀伊の入寇）と日本・高 麗関係～日韓歴史教科書シンポジウムの成果から」 北海道教育大学准教授 鈴木 哲雄 氏 地 理「現代社会における地域づくりの課題と農 業・食料問題～地理教育の課題を視野に入れて」 北海道大学名誉教授 山田 定市 氏 現代社会「政権交代と生活保障～日本社会の転換」 北海道大学大学院教授 宮本 太郎 氏 倫 理「近年の中学・高校生の現状と課題 ～スクールカウンセリングを通じて」 北海道教育大学 教職員大学院院長 扇子 幸一 氏 政治経済「新時代の民主主義と公民教育の課題 ～ポスト政権交代の民主政治と若者の政治」 北海道大学大学院教授 山口 二郎 氏 世界史「中国の生活文化を探る旅～中国西南地方 の歴史と民俗をめぐって～」 琉球大学教授 辻 雄二 氏 日本史「歴史の読み方学び方 ～地貎を知る営みから～」 筑波大学名誉教授 大瀧 徹也 氏 地 理「『近世蝦夷地図の変遷』 ～江戸期の地図にみる北海道の姿～」 北海道史研究協議会会員 高木 崇世芝 氏 現代社会「情報化社会と人権問題について」 北海道情報大学 准教授 有道 出人 氏 倫 理「情報倫理と情報モラル教育」 北海道教育大学旭川校准教授 村田 育也 氏 政治経済「高校社会科の知識で外交問題をどう読み解くか」 作家・元外交官 佐藤 優 氏 世界史「イギリス史の現場からーケルト論争を中心に」 北海学園大学人文学部教授 常見 信代 氏 日本史「考古学成果と文献資料をつなぐアイヌ文 化の歴史～厚真町の遺跡発掘成果～」 厚真町教育委員会学芸員 乾 哲也 氏 地 理「北海道の地名を歩く」 ノンフィクション作家 合田 一道 氏 現代社会「社会を変える教育 - シティズンシップ 教育と社会的課題解決の教育モデル -」 シティズンシップ教育推進ネット代表 大久保正弘 氏 倫 理「高校科目『倫理』をどう考えるか～哲学・ 倫理学を『教育倫理』にどう結び付けるか～」 北海道大学大学院文学研究科教授 蔵田 伸雄 氏 政治・経済「『北海道じゃらん』の事例に見る地 域活性化のポイント」 株式会社リクルート北海道じゃらん編集長 中西 基王 氏 世界史「宋代中国の政治と社会」 北海道大学大学院文学研究科東洋史研究室 専門研究員 宮崎 聖明 氏 日本史「受験日本史の指導」 学校法人河合塾 日本史講師 坂本 勝義 氏 地理「元気が出る地理教育を考える」 （財）日本デジタル道路地図協会 理事長 泉 堅二郎 氏 現代社会「教室で学ぶワークルール」 NPO 法人 職場の権利教育ネットワーク 代表理事 道幸 哲也 氏 倫理「命をつなぐ医療とは」 旭川医科大学外科学講座 消化器病態外科学分野教授 古川 博之 氏 24 政治経済「移行期における『政治・経済』教育の 課題と展望」 北海商科大学商学部教授 堂徳 将人 氏 ４ 部会の現況 この 10 年間で登録数は約 100 名減じ、会の運営 に若干の影響が出ています。しかしながら、各部会 の運営委員などが中心となってネットワークをつく り、講演や研究発表の充実を図り、地歴・公民の教 科目標実現に資するよう努力を続けています。また、 各科目の研究会が夏季休業中に研究大会を行い、高 教研と併せて、地歴・公民の教員の資質能力の向上 に貢献しているところです。 ５ 今後の展望 平成 25 年度より新学習指導要領が完全実施とな ります。それに先立ち、教育基本法が約 60 年振り に改正され、21 世紀を切り拓く心豊かでたくまし い日本人の育成を目指すという観点から、新しい理 念や教育の目標が明らかにされたところです。 人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社 会の形成者を育むという目的は不変ですが、新たに公 共の精神の尊重、環境保全への寄与、伝統と文化の 尊重、国際社会の平和と発展に寄与することなどが 強調されています。そもそも地歴科及び公民科は、歴 史的・地理的事象や先哲の考え方、政治・経済を学 びながら、社会的事象についての見方や考え方を深 め、人間としての在り方生き方についての自覚を一層 深めることをねらいとしています。また、知識基盤社 会化やグローバル化が進み、変化の激しい社会を子 どもたちは生き抜いていかなければなりません。従っ て、地歴・公民科が高校教育において果たすべき役 割はさらに大きなものになっていると思われます。 さらに、教育課程編成・実施の配慮事項として、道 徳教育やキャリア教育の推進、言語活動の充実が重視 されています。これらとの関連も地歴・公民科は積極 的に考え研究し、外部へ発信していく必要があります。 以上のことから、高教研地歴・公民部会が取り組 むべきことは山積していると言えます。当然のこと ながら、研究のための研究、机上の空論とならない ように、学習指導要領の理念を現実の子どもたちに いかに具現化するか、どのように授業を組み立て、 学習指導を行うか、そうした実践を報告し、また実 践につながる講演や研究発表が必要です。また、都 市部の学校も郡部の学校も、大学進学者が多い学校 も少ない学校も、様々な課題や困難を抱えています。 研究会に集った会員が日常の悩みなどを語り、支え 合い、励まし合うようなつながりをつくっていくこ とがますます求められていると考えます。 今後とも当部会への皆様のご指導ご支援をよろし くお願い申し上げます。 （記載者 札幌平岡高等学校 林 正憲） ― 39 ― 数 学 ３ 部会講演講師 部会 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「数学と社会や生徒が軸となる数学教育」 国立教育政策研究所総合研究官 長崎 榮三 氏 16 「新しい時代に向けてー高等学校から大学へ、数 学の教育」 東京大学大学院教授 岡本 和夫 氏 17 「みんなで考えよう学力低下問題」 慶応義塾大学教授 戸瀬 信之 氏 18 「小・中・高・大のつながりをもった数学教育を」 東京理科大学教授 芳沢 光雄 氏 19 「これからの数学教育について」 東京理科大学数学研究所所長 澤田 利夫 氏 20 「数学の問題解決力における読解分析力について」 千葉大学名誉教授 佐藤 恒雄 氏 21 「大学入試と数学教育」 早稲田大学教授 鈴木 晋一 氏 22 「数学科の学習指導における言語活動の充実」 筑波大学大学院教授 清水 美憲 氏 23 「数学活動を促す教材づくり～構造としての数学 を具体から抽出するために～」 早稲田大学教育学部教授 渡邊 公夫 氏 24 「超入門・リーマン予想」 東京工業大学世界文明センターフェロー 桜井 進 氏 １ この 10 年を振り返り 50 周年を迎えるにあたり、過去 10 年間の研究主 題を記録として残し考察する。 〔会員数の推移〕 年度 研究主題 Ｈ 15 「学ぶ力」と「考える力」を育成する数学教育 Ｈ 16 自ら考え、解決する力を育む数学教育 Ｈ 17 〃 Ｈ 18 生きる力と確かな学力を育成する数学教育 Ｈ 19 学びとる力と学習意欲を育てる数学教育 Ｈ 20 〃 Ｈ 21 数学の良さを認識し、それを活用する数学教育 Ｈ 22 思考力・表現力を育て学ぶ意欲を高める数学教育 Ｈ 23 〃 数学的な見方や考え方を活用し、確かな学力の確 Ｈ 24 立を目指す数学教育 この 10 年は、いわゆる「ゆとり教育」の理念を残 しつつも、自ら考え、自ら学び、課題解決していく力 を身に着けさせようという動きに、合わせて主題が立 てられ教育実践を行ってきた。さらに、新しい学習指 導要領の下で文科省から通知された学習評価を行う にあたっての配慮事項に関しても、協議・研修を重 ねている。Ｈ２２年度以降は、知識・技能の習得のみ ならず、思考力・判断力・表現力をバランスよく身に つけさせ、学ぶ意欲を高め、確かな学力の確立を目 指した数学教育を研究の中心として実践している。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 390 362 367 347 351 351 311 301 281 284 〔歴代部会長・事務局〕 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 宮﨑 英彰（札幌篠路） 吉田 正勝（札幌西） 吉田 正勝（札幌西） 小田 章雄（札幌稲雲） 蓑嶋 和央（札幌稲雲） 蓑嶋 和央（札幌稲雲） 細野 敏（北広島） 中村 均（札幌手稲） 中村 均（札幌手稲） 佐々木高至（札幌平岸） 岡崎 肇（札幌篠路） 本庄 聡（札幌西） 本庄 聡（札幌西） 宮本 幸紀（札幌稲雲） 渡邉 幸輝（札幌稲雲） 濱野 壽樹（札幌稲雲） 白川 淳一（北広島） 上西 亮（札幌手稲） 上西 亮（札幌手稲） 角 智幸（札幌平岸） ４ 部会の現況 数学部会は、午前の部で総会および講演会、午後 の部で研究協議という日程で行われている。研究発 表者を地区支部ごとのローテーションで割り当てら れているため、発表内容は教材研究から指導法まで 多岐にわたる。年に一度の貴重な研修の機会であり 会員相互の交流の場でありたいと願っているが、貴 重な研究発表を３～４地区から出して頂いているこ とから、質疑応答に十分な時間がとれていないのが 現状で、今後の課題である。 ５ 今後の展望 少子化が進み全国的に大がかりな統廃合が進んで いる。北海道は、その中でも顕著である。郡部の学 校においては、各教科の専門教員を配置できない状 況である。反面、質の保証が強く叫ばれている中で、 道教委は、指導力向上も視野に入れた教員相互派遣 を実施した。このように、我々も知恵を出し合い逆 境を追い風にするような手立てを講じ、現状の打開 を図らなければならない。 当部会では、すべての高校生に「質の保証」を提 供することを念頭に、そのような各校の実践を紹介 していただき研修を重ねている。会員の減少は、否 めないが各会員の今後の資質向上に向けて、この会 がさらに発展することを願っている。 （札幌平岸高等学校 角 智幸） ― 40 ― 理 科 15 部会 １ この 10 年を振り返り 中 ･ 高生の「理科ばなれ」や「理数系の学力不足」 が社会的な問題となり、研究発表では地域の特長を 生かした教材や生徒の興味 ･ 関心を高める授業実践 に関する報告が多くなった。 平成 21 年３月に告示された新学習指導要領では 理科の科目名や学習内容が大きく変更され、旧学習 指導要領の「理科総合」という科目がなくなったが、 理科部会の科目名については、これからも物理、化 学、生物、地学、理科総合の５つの分野で構成し運 営していくことを決めた。 全体講演や分科会講演では「理科教育」、 「原子力」、 「地震」 、 「エネルギー」に関する話題が多く見られ るようになった。 平成 23 年度には新学習指導要領の先行実施に向 けて、 「全体協議」を実施した。理科センターから 講師を招き、 新学習指導要領に対する理解を深めた。 また、平成 24 年度は新学習指導要領が既に実施さ れている小中学校の事例について情報交換を行った。 16 17 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 18 会員数 387 374 353 367 379 360 348 326 306 289 〔歴代部会長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 佐藤 俊治（石狩翔陽） 村中 淑秀（有朋） 松崎 祥一（北広島西） 村中 淑秀（有朋） 清末 定子（札幌稲雲） 山田 大隆（札幌開成） 松下 榮顯（当別） 山田 大隆（札幌開成） 松下 榮顯（当別） 大久保政俊（札幌南） 青塚 健一（札幌新川） 大久保政俊（札幌南） 青塚 健一（札幌新川） 三浦 治彦（札幌啓成） 守屋 開（札幌大通） 三浦 治彦（札幌啓成） 古屋 睦雄（札幌あすかぜ）佐藤 大樹（札幌篠路） 佐々木淳一（札幌西陵） 佐藤 大樹（札幌篠路） 19 ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 15 演題・講師 全体「わが国の科学教育政策はこれでよいのか ～諸外国との比較～」 お茶の水女子大学名誉教授 細谷 治夫 氏 理科総合「エントロピーから見た循環・共生思想 の本質」 酪農学園大学 矢吹 哲夫 氏 物理「モノサイクル光パルスの発生とその計測」 北海道大学大学院助教授 森田 隆ニ 氏 化学「宇宙の中の化学 ～スペースシャトルからサッカーボールまで～」 お茶の水女子大学名誉教授 細矢 治夫 氏 20 ― 41 ― 生物「SARS 対策とウィルスの性質」 国立感染症研究所主任研究官 水谷 哲也 氏 地学「海洋から大気への影響を宇宙から見る」 北海道大学大学院助教授 谷本 陽一 氏 全体「南極オゾンホールの発見とその意義」 気象研究所 主任研究官 忠鉢 繁 氏 理科総合「原子力問題と環境問題」 北海道大学大学院教授 加藤 幾芳 氏 化学「最前線の天然物化学」 北海道大学大学院教授 宮下 正昭 氏 生物「湿原における植生成立機構の解析とその保 全に関する研究―北海道の低地に分布する泥炭地 湿原を対象として―」 札幌市立高等専門学校助教授 矢部 和夫 氏 地学「地球表層圏を記録するメディア―地質体」 北海道大学大学院助教授 川村 信人 氏 全体「惑星探査の最新成果」 国立天文台 天文情報公開センター助教授 渡部 潤一 氏 理科総合「北海道衛星プロジェクトとハイパース ペクトル技術の展望」 北海道工業大学助教授 佐鳥 新 氏 物理「水素エネルギー・燃料電池を活用する北の 街作り」 北海道大学触媒化学研究センター教授 市川 勝 氏 化学「大気中 CO₂ からカーボンナノファイバー をつくるプロセスと触媒の役割」 北見工業大学教授 多田 旭男 氏 生物「ダニの生物学」 北海道教育大学助教授 高久 元 氏 地学「岩石の見方」 北海道立理科教育センター研究員 岡本 研 氏 全体「アレルギー病はなぜ増えたか～きれい好き の功罪検証～」 東京医科歯科大学名誉教授 藤田 紘一郎 氏 理科総合「北海道のバイオガスプラント」 北海道大学大学院教授 松田 從三 氏 物理「電気接点現象の物理と科学～現代社会を支 える基盤技術～」 千歳科学技術大学助教授 長谷川 誠 氏 化学「ナノテクノロジーと化学」 北海道大学大学院教授 魚崎 浩平 氏 生物「藤田紘一郎先生との懇話会」 地学「中学校理科（地学分野）の高校への移行統 合内容における問題点」 札幌市立伏見中学校教頭 前田 寿嗣 氏 全体「ハンガリー出身の天才科学者たち」 東京工業大学大学院准教授 中島 秀人 氏 物理「光子の不思議と量子情報通信処理」 北海道大学教授 竹内 繁樹 氏 化学「有機電子材料の発展」 北海道大学教授 高橋 保 氏 生物「葉緑体進化のダイナミズム」 北海道大学教授 堀口 健雄 氏 地学「自然災害の軽減を求めて…有珠山噴火から のメッセージ」 北海度大学名誉教授 岡田 弘 氏 全体「理科教育と『環境科学』 」 「環境」は理科教 育になじまない 東京大学教授 渡辺 正 氏 理科総合「はじめよう！科学技術コミュニケー ション」 北海道大学博士研究員 佐藤 祐介 氏 20 21 22 23 24 物理「超小型人工衛星『HIT-SAT』の開発」 北海道大学大学院準教授 戸谷 剛 氏 生物「ヒメマイマイー地理的変異の謎－」 北海道網走水産試験場栽培技術科長 桑原 康裕 氏 地学「北海道における活断層と直下型地震について」 北海道立地質研究所表層地質科長 大津 直 氏 全体「ニセ科学と科学リテラシー」 大阪大学教授 菊池 誠 氏 理科総合「雪は白ダイヤ、利雪の普及に向けて」 国際雪倶楽部代表 森本 幸江 氏 化学「溶解と結晶化過程の理解と結晶設計」 北海道大学大学院教授 稲辺 保 氏 生物「植食性テントウムシと新しい種の誕生」 北海道大学大学院 片倉 春雄 氏 地学「デスモスチルスの出現とクジラの変革 ―漸新世の北太平洋で起きたことー」 足寄動物化石博物館館長 澤村 寛 氏 全体「地球を知る、地震の巣を掘る」 東京大学大学院教授 木村 学 氏 理科総合「先端技術の模擬演示実験の試みと実践 ～光通信、偏光技術などの実験デモ～」 千歳科学技術大学教授 長谷川 誠 氏 物理「人工心臓の現況と先端医療研究者育成の理 系教育」 東海大学教授 岡本 英治 氏 化学「ノーベル化学賞のこぼれ話」 北海道大学大学院教授 覚知 豊次 氏 生物「小さな木工蜂にみる進化の足跡～ツヤハナバ チの仲間にみられる営巣習性の変化と種の分化～」 日本生物教育会参与 塩川 信 氏 地学「地球を知る・地震の巣を掘る」 東京大学大学院教授 木村 学 氏 全体「真性粘菌～たかが単細胞されど単細胞変形 体がつくるネットワークの妙技の秘密～」 公立はこだて未来大学教授 中垣 俊之 氏 理科総合「福島第一事故を踏まえた原子力・放射 線・エネルギー教育について」 北海道大学大学院特任教授 杉山憲一郎 氏 物理「第２の地球は存在するか」 北海道大学大学院教授 倉本 圭 氏 化学「光化学に立脚した吸光および蛍光化学セン サー」 北海道大学大学院教授 中村 博 氏 生物「理科教材としての粘菌」 公立はこだて未来大学教授 中垣 俊之 氏 地学「はやぶさが明らかにした小惑星の正体」 北海道大学大学院教授 圦本 尚義 氏 全体「サボり上手な動物たち－海の世界で新発見 東京大学大気海洋研究所国際 沿岸海洋研究センター准教授 佐藤 克文 氏 物理「どうする？福島後のエネルギー！」 北海道大学教授 藤井 義明 氏 生物「脳の性差形成とアポトーシス（細胞死） ～♂と♀の行動の違いをつくり出すしくみ～ 北海道教育大学教授 木村 賢一 氏 地学「宇宙のはじまりと進化、そして未来について」 北海道大学教授 羽部 朝男 氏 ４ 部会の現況 午前の全体講演、午後の分科会講演と研究発表 ･ 研究協議というスタイルは 10 年以上前から継続し て受け継がれている。 全体講演の講師は５科目の幹事によるローテー ションによって選考されている。最新の研究から長 年蓄積されてきた研究成果まで、さまざまな分野に おける報告を聞くとともに理科教育のあり方を考え る機会となっている。 ５つの分科会については各科目幹事が運営し、そ れぞれの科目の専門性を生かした講演と研究発表 ･ 研究協議を実施している。研究発表では道内の各学 校における授業実践を報告してもらい、 協議している。 ５ 今後の展望 新学習指導要領の実施により、理科教育のありか たが大きく変化すると思われる。指導法の研究や観 察 ･ 実験の開発は今まで以上に必要性を増すだろう。 冬季休業中の研修の場として本大会が気軽に参加 でき、参加者にとって得られるものが多いものにし ていくには講演や研究発表を充実させることが求め られるので、北理研など他団体との連携も考えなく てはならないだろう。 この 10 年で登録会員数は減少した。しかし、参加 者数は減少せずに 170 名から 250 名の間を維持てい る。一定数の参加者がいるということは高教研理科部 会に期待し、信頼しているところがあるからだと思う。 本研究会の一層の発展を願っている。 （札幌篠路高等学校 佐藤 大樹） ― 42 ― 20 周年記念誌（理科部会）より S58.1 発行 本部会は長年、北大のご好意により工学部を 会場にお借りし、研究会を実施して参りました が、諸般の事情から会場変更を余儀なくされ、 第 16 回札幌女子高校、 第 17 回札幌教育文化会館、 第 18 回札幌西高校、第 19 回札幌平岸高校と転々 といたしましたが、会場校の特段のご配慮と献 身的なご協力で、 力強く歩みを進めて参りました。 また、教育課程の改訂を控え、基礎理科分科 会に代わって第 18 回から理科Ⅰ分科会が誕生 し、現在の５分科会、会員数約 900 名と進展を 遂げました。 ・・・・ ・・・ 本部会を通じ会員相互の研究交流を深め、 連帯感を増強し、また巾広い研修を重ねること で、本道理科教育の振興に貢献されることを信 じています。 （札幌啓成高等学校長 飯田 保穂） 保健体育 部会 １ この 10 年を振り返り ～保健体育分科会講演・研究発表の記録 第 41 回（平成 15 年度） ☆世界の TOP10 を目指して―サッカー界の取り組み― 筑波大学助教授 田嶋 幸三 氏 ○生徒が積極的に取り組む授業を目指して 中川 暁 （岩内） ○連携型中高一環教育における保健体育の取り組み 斉藤和彦・尾形一彦（上川） 第 42 回（平成 16 年度） ☆成長期のスポーツ外傷・障害 ―その特徴と対策について― 医療法人松田整形外科病院 院長 菅原 誠 氏 ○定時制における授業の充実と可能性について 鶴丸 慎也（稚内） ○阿寒高校健康教育プラン ―ライフスキルを中心とした保健授業― 竹田 安宏（阿寒） 第 43 回（平成 17 年度） ☆体力・気力・学力向上のアクティブライフづくり ―体力低下問題の解決とよい授業づくり― 北海道教育大学教育学部釧路校教授 医学博士 小澤 治夫 氏 ○「地域と連携した海洋スポーツ学習への取り組み ～本校の実践報告と今後の展望～ 高野 智史（瀬棚商業） ○ＩＣＴを活用した保健授業 ―薬物乱用にＮＯと言える逞しい生徒を育てるために― 岩岡 勝人（釧路工業） 第 44 回（平成 18 年度） ☆スポーツによる外傷・傷害予防 札幌医科大学保健医療学部臨床理学療法学講座 助教授 片寄 正樹 氏 ○地域と協働した教育活動で生徒を育てる 堀 智博（常呂） ○自ら学び、考えることのできる保健・体育の授業 を目指して 尾形 友秀（稚内） 第 45 回（平成 19 年度） ☆身体トレーニングの効果を高めるスポーツ栄養学 北海道大学大学院教育学研究院人間発達科学分野 教授 水野 眞佐夫 氏 ○確かな学力の向上をめざして 岸本 泰輔（羽幌） ○清里高校における授業評価を通しての健康科学の 授業実践 上田 智史（清里） 第 46 回（平成 20 年度） ☆学校体育に求められている体力の向上 北海道教育大学旭川校 教授 古川 善夫 氏 ○学ぶ意欲を高める学習指導と学習状況を的確に捉 える評価のあり方について 伊藤 新太郎（恵庭南） ○地域と関わる生涯スポーツ授業について 吉田 武史（霧多布） 第 47 回（平成 21 年度） ☆高等学校学習指導要領改訂による教科保健体育の あり方 北海道教育大学札幌校 準教授 渡辺 基氏 ○北広島高校体育科の特色ある取り組み 高井 学司（北広島） ○学習指導と評価の改善・充実 清水 大策（千歳北陽） 第 48 回（平成 22 年度） ☆「学校体育やスポーツ現場で頻発するケガからの 予防すべき外傷・障害について」 北翔大学 準教授 吉田 真 氏 ○生徒が主体的に取り組む体育授業の工夫について 新居 潤哉（利尻） 第 49 回（平成 23 年度） ☆｢新学習指導要領とこれからの体育授業のあり方」 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 友添 秀則 氏 ○観点別評価を取り入れた授業実践例について 高石 健一（登別明日） ○未来（あす）につなげる保健授業の実践 八太 敦志（寿都） 第 50 回（平成 24 年度） ☆ ｢障害予防とパフォーマンスアップのトレーニング」 国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部 先任研究員 松田 直樹 氏 ○共に学び共に生きる力をつける体育授業 古川 泰弘（上士幌） ○ＷＹＳＨ（ウイッシュ）式指導の取り組みについて 今村 和彦（小樽水産） ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 374 353 343 313 293 309 276 260 267 243 〔歴代部会長・事務局〕 ― 43 ― 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 波佐 光洋（札幌東豊） 数馬田 敏（札幌月寒） 鶴丸 英昭（札幌厚別） 鶴丸 英昭（札幌厚別） 酒井 周文（札幌篠路） 酒井 周文（札幌篠路） 上杉 正三（札幌東豊） 松井 則之（札幌東豊） 加藤 和美（江別） 加藤 和美（江別） 内浦 亨（札幌東豊） 木田 道子（札幌月寒） 木田 道子（札幌月寒） 木田 道子（札幌月寒） 田中俊一郎（札幌篠路） 田中俊一郎（札幌篠路） 小松 泰宏（札幌東豊） 佐藤 和英（札幌東豊） 田中 俊明（江別） 窪田 徳明（江別） （記載者 江別高等学校 窪田 徳明） 養 護 21 部会 22 １ この 10 年を振り返り 養護部会は昭和 61 年度に部会の仲間入りをし、 今年度 27 回目の開催となりました。平成４年度よ り歴代の札幌北高等学校長に部会長をお引き受けい ただき、現在に至っております。 この間、子どもを取り巻く社会の変化や心身の健 康問題の多様化、深刻化等により養護教諭の複数配 置が促進され、平成 17 年の発達障害者支援法施行後、 各学校においては特別支援教育に関する校内体制整 備やスクールカウンセラーの配置等がなされました。 その後、平成 21 年に学校保健安全法が施行され、 平成 22 年度より部会の主題を「現代的な健康課題 の解決と学校保健活動の推進をめざして」と改め、 部会内容を設定して参りました。 養護部会の運営は、発足時より母体となった北海 道高等学校養護教諭研究会が担っておりますが、平 成 19 年より高教研石狩地区支部会員の若干名と協 働で運営委員会を組織し、石狩地区支部養護部会研 修会も毎年開催しております。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 103 112 93 97 86 89 80 83 75 64 〔歴代部会長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 沖野 隼夫（札幌北） 中村 隆信（札幌北） 中村 隆信（札幌北） 中村 隆信（札幌北） 角張 裕信（札幌北） 角張 裕信（札幌北） 角張 裕信（札幌北） 黒田 信彦（札幌北） 黒田 信彦（札幌北） 黒田 信彦（札幌北） 事務担当者 （ 所属 ） 佐藤 菜子（札幌西） 大村 道子（札幌北） 大村 道子（札幌北） 大村 道子（札幌北） 大村 道子（札幌北） 大村 道子（札幌北） 関 澄恵（札幌工業） 関 澄恵（札幌工業） 関 澄恵（札幌北） 関 澄恵（札幌北） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「現代的健康課題とライフスキル」 兵庫教育大学助教授 西岡 伸紀 氏 16 「平成教育改革と学校保健」 北海道教育大学教授 荒島 真一郎 氏 17 「エビデンスに基づく養護教諭の『職』を究め、 養護学の確立－養護教諭の実践にとってのエビデ ンスとはー」 女子栄養大学教授 鎌田 尚子 氏 18 「クライシス・カウンセリング」 日本赤十字九州国際看護大学副学長 坂本 洋子 氏 19 「カウンセリングの基本技法」 鎌倉女子大学准教授 冨田 久枝 氏 20 「養護教諭の仕事のこれまでとこれから～“養護” と“専門性”をどう捉え、発展させるか～」 宮城教育大学教授 数見 隆生 氏 23 24 「相談活動の考え方と実際～自尊感情を育む共有 体験」 東海大学教授 近藤 卓 氏 「対応が難しい保護者・教員への対応－養護教諭 （学校）が陥りやすい問題点と対処方法」 慶応義塾大学文学部講師 生田 倫子 氏 「高校生期の子どもを中心として、発達障がいの 子どもの理解と支援・自立をどう援助していくか」 NPO 法人えじそんくらぶ代表 高山 恵子 氏 「専門職としての養護教諭に期待する」 岡山大学大学院教育学研究科教授 高橋 香代 氏 ４ 部会の現況 部会内容は、養護教諭の資質向上や生徒の健康課 題解決へ貢献するものなど、会員の希望も考慮しな がら講演講師を依頼し、学校保健に関する最新情報 等についても道教委他より情報提供をお願いしており ます。研究発表は、総会で決定する各地区支部毎の 輪番制を用いて地域の偏りがないように配慮し、全道 各地での研究・実践発表と協議、助言により、各学 校での課題解決の一助となるように努めております。 今年度は 50 周年記念大会ということで、例年の研 究発表をシンポジウムに変更し、 「社会の変化の中で 養護をつかさどるということ～学校保健活動推進の中 核的役割とは～」というテーマのもとに、養護教諭の 今後について会員と共に議論し考える場を設けました。 また、平成 24 年度に道立学校に導入された「北海道 公立学校校務支援システム」保健情報機能の解説及び 今後の改善点について、デモンストレーションを交えた 情報提供を取り入れる等、新しい試みを施しました。 しかし、高教研全体の会員数と同様に、養護部会の 会員数は徐々に減少し、今年度はこの 10 年間の最多会 員数の半数程度にまで落ち込むという厳しい現状です。 ５ 今後の展望 今後の課題としては、これ以上の会員減少をくい止 め、充実した部会運営を行うことです。部会としても、 この事態を少しでも打開すべく、平成 22 年度より会員 登録時期に、養護部会長より各地区支部長に文書で会 員登録を依頼するなど、独自の努力を重ねております。 しかし、大多数の学校で養護教諭が一人配置であ ること、また非会員でも会員と同じく高教研大会・ 部会への参加が可能なことなどから、ここ数年は非 会員の参加者が約 30 名にものぼり、なかなか会員 増加につながりません。今後、本部のお知恵も拝借 しながら対策に取組みたいと思います。 そして、50 周年記念事業の一環として一新され た高教研のホームページには、各部会のページも新 設されました。これを活用して情報発信をすること も会員増加への有効な手段となるのではないかと期 待をしているところです。 これからも全道の高等学校養護教諭の皆様ととも に高校生の生涯にわたる心身の健康と、学校保健活 動における中核的役割を果たす養護教諭の資質向上 に貢献したいと考えております。 運営する側としても、より一層魅力ある部会を目 指して努力をして参ります。今後とも皆様のご理解 とご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。 （記載者 札幌北高等学校 関 澄恵） ― 44 ― 芸 術 23 部会 24 「演奏者から教育者になった理由」 札幌大谷大学音楽部音楽科専任講師 倉橋 健 氏 「中国出土文物と盗掘事情」 跡見学園女子大学教授 横田 恭三 氏 １ この 10 年を振り返り 近年、分科会のテーマを「豊かな感性を拓く芸術 ４ 部会の現況 教育」と位置づけ、高校教育の中での芸術教育がい 平成 24 年度の会員数は 108 名となっている。平 かに人間形成に必要な教科であるかを模索してきた。 成 15 年度の会員数 158 名と比べると、ほぼ３分の 本研究会は、普段は別々に活動をしている３つの教 ２に減少している状況である。学校数の減少など 科〔音楽・美術・書道〕が一同に集まることによって、 様々な要因が考えられるが、その中にあっても、音 芸術教育全般にわたる課題と改善点を話し合う場で 楽、美術、書道の３教科が唯一、一同に集まっての あるだけでなく、普段あまり接点のない、他の芸術科 研究大会であり、毎年有意義な大会となっている。 目への関心と理解を深める有意義な会となっている。 新指導要領においての芸術の必修単位の縮減や、 ５ 今後の展望 それに伴う専任の教師の減少など、芸術教科の現状 〔音楽〕 はけしてよいわけではないが、それだけに各参加者 芸術部会音楽科では全道の先生が研鑚を積めるよ は、大変な教育に対する情熱と決意をもって熱心に うに各地持ち回りで研究発表を担当、研究協議で内 研究を重ねている。 容を深め、参加者全員が研究内容を共有できるよう にしている。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 最近では、 新学習指導要領を見据えて「生涯にわたっ て音楽を愛好する心」 「中学校音楽科との関連」 「音楽 〔会員数の推移〕 を形づくっている諸要素（の融合） 」等に着目した研究 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 発表、研究協議がおこなわれ、 生徒が豊かな情操を持っ 会員数 158 158 137 142 127 125 128 117 111 108 て社会に出ていけるように、授業の構築を考えている。 今後とも音楽的知覚と感受を通して多面的価値観、 〔歴代部会長・事務局〕 考え方、そして社会にでて逞しい生き方のできる生徒 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） の育成を目指してさらに研鑚を深めて行きたい。 15 蓬田 秀泰（旭川南） 小林 雅澄（札幌南） （札幌丘珠高等学校 三木 豊道） 16 蓬田 秀泰（旭川南） 小林 雅澄（札幌南） 〔美術〕 17 中田 千年（網走向陽） 小林 雅澄（札幌南） 「芸術はその国のアイデンティティーであり、誇 18 大村 義美（上磯） 曲木須麻子（札幌東） りである」 武石 英孝（札幌東） 水上夕規子（有朋） 高等学校新学習指導要領における「美術、工芸の 19 齋藤 幸雄（倶知安） 森 義弘（札幌厚別） 取り組むべき課題」一の一節である。 20 齋藤 幸雄（旭川凌雲） 森 義弘（札幌厚別） いかなる時代にも私たち芸術科の教師が、誇りと 21 齋藤 幸雄（旭川凌雲） 水上夕規子（有朋） 責任を持ち、教科の指導に取り組むべきか、この一 22 齋藤 幸雄（旭川凌雲） 水上夕規子（有朋） 節に託されているのであろう。 23 石塚 耕一（釧路明輝） 大野 太郎（札幌白陵） 生きる力の育成、自己の価値を求め続け、生活を 24 石塚 耕一（釧路明輝） 大野 太郎（札幌白陵） 心豊かに創造していく能力・態度を養うこと。その 実現に向け創造的実践が我々に求められている。 ３ 部会講演講師 高教研の長い歴史のなかで美術、工芸として多く 〔講演演題・講師〕 の諸先生方が講演、研究発表を通して様々な観点で 年度 演題・講師 訴えてきたことでもある。 15 「北海道に生きて」 また、この場に参加された多くの先生方が、多くの 作家 小檜山 博 氏 糧を得て現場で実践されている。 本会は、 今後とも我々 16 「彫刻と私」 の大きな財産として受け継がれるものと期待している。 札幌市立高等専門学校教授 國松 明日香 氏 （北海道岩見沢東高等学校 小林 智彦） 17 「オペラ『蝶々夫人』に見る東洋と西洋の出会い」 長崎総合科学大学教授 ブライアン・バークガフニ 氏 〔書道〕 18 「芸術教科の課題と展望」 今後の展望の課題は、文化の継承であり、それを成 文部科学省初等中等教育局教育課程教科調査官 し遂げるための人材の育成、 環境の整備である。 そして、 東京学芸大学教授 長野 秀章 氏 先人がこれまでに行って来られた蓄積を大切にしなが 19 「私が考える芸術」 らも、世間の実態や教育現場を踏まえ、それに即した 画家 野田 弘志 氏 進歩的な実践を積み重ねてゆくことだと思う。これは 20 「音と気」 いつの時代でも変わるまい。近年、この部会に若い顔 ヴァイオリニスト 大平 まゆみ 氏 がちらほら見える。頼もしく思う。是非彼らと一緒に仕 21 「育つこと、育てること」 北海道教育大学教授 矢野 敏文 氏 事をしてゆく中で、文化を継承しようではないか。 22 「美術が街と人をむすぶ」 （記載者 北海道札幌開成高等学校 柏 聡） 札幌大谷大学短期大学部教授 岡部 昌生 氏 ― 45 ― 英 語 19 部会 20 １ この 10 年を振り返り 平成 14 年から 20 年にかけて SELHi の指定、平 成 20 年からは小学校における「外国語活動」の開始、 さらに平成 21 年に公示された高等学校新学習指導 要領においては「授業を英語で行うことを基本とす る」事等が謳われるなど、日本の英語教育はコミュ ニケーション能力の育成により重点が置かれてきて いる。その中で本道高等学校英語教育は高等学校英 語教育研究会が新しい形で再出発を遂げている。 このように北海道の英語教育環境はこの 10 年で 大きな転換期となった。その中で高教研にあっては 常にタイムリーな話題提供と課題解決のため、「21 世紀に生きる地球市民を育む英語教育」を目標に掲 げ示唆に富んだ方策を発信し続けてきている。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 433 411 403 438 413 419 382 387 385 334 〔歴代部会長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 樋口 暉純（札幌東陵） 村井 太和（札幌東陵） 佐々木美喜雄（野幌） 村井 太和（札幌東陵） 深澤 宗明（札幌国際情報） 河合 宣孝（札幌国際情報） 岡田 義明（札幌国際情報）河合 宣孝（札幌国際情報） 佐々木茂文（札幌丘珠） 土岐 均（札幌丘珠） 佐々木茂文（札幌丘珠） 毛内 顕史（札幌丘珠） 瀬戸 正（石狩南） 松ヶ瀬 章（石狩南） 佐藤 嘉典（石狩南） 松ヶ瀬 章（石狩南） 佐藤 嘉典（石狩南） 武田 久（石狩南） 釣 晴彦（千歳） 名平 裕（千歳） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「高校の英語教育はなぜ変わらないのか～問題・ 原因・処方箋～」 東海大学教育研究所教授 松本 茂 氏 16 「Expectations for School English Education —English Trainings for English Teachers―」 （株）アイ・シー・シー 代表取締役 千田 潤一 氏 17 「今の授業を少しだけ前進！ ―アクション・リサーチを活用した授業改善」 帝京大学教授 佐野 正之 氏 「コーパスと英語教育―高校現場での活用」 明海大学教授 投野由紀夫 氏 「英文和訳を超えたリーディングの指導―スキーマ修 正能力を身につけるプロセス型の指導を目指して」 筑波大学助教授 卯城 祐司 氏 18 「リーディング・ストラテジーの指導 ―英文和訳を超えた深い読みを目指して」 筑波大学大学院助教授 卯城 祐司 氏 18 「コーパスを高校英語指導に活かす具体的ノウハウ」 明海大学教授 投野由紀夫 氏 「今の授業を少しだけ前進！ ～アクション・リサーチを活用した授業改善」 帝京大学教授 佐野 正之 氏 21 22 23 24 「新感覚☆わかる身いつく英文法」 慶応義塾大学教授 田中 茂範 氏 「これからの外国語教育、これからの外国語教師」 国立教育政策研究所教育課程調査官 太田 光春 氏 「英語教育改善のためのマクロ的発想と方策」 立教大学教授 松本 茂 氏 「英語嫌いを無くし、真に英語力を向上させるた めの秘策」 大阪樟蔭女子大学教授 菅 正隆 氏 「英語教員！乗り遅れないための情報共有と授業 改善秘策」 大阪樟蔭女子大学教授 菅 正隆 氏 「国際共通語としての英語力向上を図る ～ Can-Do リストの学習到達目標～」 上智大学言語教育研究センター教授・センター長 吉田 研作 氏 ４ 部会の現況 平成 24 年度からは千歳高等学校が事務局校として の役割を担っている。一方で、千歳高等学校は「北 海道グローバル人材育成プログラム」指定校としても 充実した活動を展開し、本道英語教育の充実に向け、 高英研、高文連、中高英研、英語科・国際科設置校 協議会の協力をいただきながら活動を展開している。 ５ 今後の展望 縁あって、高教研 50 周年の大きな節目に吉田研作 教授を 40 周年記念大会以来、再度お迎えすることに なりました。平成 24 年８月末に設置された文部科学省 の「外国語教育における『CAN-DO リスト』の形での 学習到達目標設定に関する検討会議」で座長を務めま した吉田研作教授は、国際共通語としての英語力向上 のための５つの提言と具体的施策をまとめられました。 CAN-DO リストは、各学校が生徒の実態を考慮 しながら独自の項目を設定して、学習到達度の明文 化と共有を図り生徒の成長に反映させていく手法で す。これからの英語教育は、小学校、中学校、高校、 大学、社会人教育までの各ステージを担う先生方が、 バラバラの目標を持つのではなく、「共通の絵」を 描くことが大切です。 しかし英語教育が抱える課題は、まだまだ問題を 多く抱えています。日本の若者は内向き志向が顕著で あり、国外に出て、勉強しようとする意欲が薄れてい ると言われます。グローバル化世界の中でますます必 要とされる多国間交渉や話し合い、新しいルールの 形成に、日本人が有効に関与できないことへの懸念も 高まっています。英語は欧米、アジア、中東地域など で圧倒的に重要な国際共通語となっています。 また「グローバル人材」という言葉が今日キーワー ドになっています。 「日本人としてのアイデンティ ティーを持ちながら、教養と専門性、異なる文化を乗 り越えてのコミュニケーション能力や協調性、創造性 や社会貢献の意識を持った人材」と産学連携による グローバル人材育成推進会議で定義しています。 教育の成果は一朝一夕で得られるものではありませ ん。能力の向上を目指すためには、妥当な施策が打ち 出され、それに基づく条件整備と地道で継続的な教 育現場の取り組みが必要です。今後高教研や高英研 を通して、さらに闊達な意見や情報の交換があらゆる レベルで行われていくことを強く願っています。 （記載者 千歳高等学校長 釣 晴彦） ― 46 ― 家 庭 16 部会 １ この 10 年を振り返り 家庭部会は、 平成 13 年度から平成 21 年度までは「自 立した生活者を育てる家庭科教育」 、平成 22 年度以降 は「生涯を見通して生活を創造する力を育む家庭科教 育」を研究主題に掲げ、取組んでまいりました。平成 15 年度には教育課程の改訂により、普通教科「家庭」 では必履修科目として「家庭総合」 「家庭基礎」 「生活 技術」という新しい科目がスタートし、３科目から選 択して履修させることになりました。特に「家庭基礎」 は２単位であり試行錯誤しながら授業を展開していた 学校が多かったと思いますが、研究発表では、平成 16 年度には展開例の作成や全道のアンケート調査結果 の分析、専門教科「家庭」の実施状況などから、教育 課程編成や実施上の課題を明確にした上でその改善方 策が提示されました。また、平成 18 年度には「フード デザイン」や「発達と保育」の２年間にわたる研究成 果として創意工夫あるシラバスと実践事例などが提示 され、新しい科目を指導するにあたり大変参考になり ました。その後は具体的実践例として、地域に根ざし た実践や普通高校における選択科目の取組、教科通信 を活用した授業実践、大規模進学校における保育体験 や調理実習の取組、職業学科や総合学科における取 組など、体験学習や問題解決学習を重視した創意工夫 された授業実践が発表され、学校規模や生徒の実情 は異なりますが、私たちの明日の授業につながる大き な力をいただきました。講演は、道内外から講師を招 き、学習指導要領、食生活、衣生活、福祉、環境、労 働問題など多岐にわたる領域で、家庭科教育を広い視 野でみつめることができる貴重な内容でした。 この 10 年間を振り返ってみると、家庭科教育の 意義をあらためて実感するとともに、明日の授業に 活かすことができる充実した研修の機会であったの ではないでしょうか。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 122 123 114 107 92 96 86 89 91 84 〔歴代部会長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 大久保克洋（札幌開成） 佐藤真理子（札幌開成） 髙 悦夫（大麻） 髙 悦夫（大麻） 廣田 邦生（北広島西） 田中 政昭（北広島西） 新沼 明（札幌南陵） 新沼 明（札幌南陵） 成田 雅昭（札幌東陵） 成田 雅昭（札幌東陵） 事務担当者 （ 所属 ） 鈴木里津子（札幌開成） 柿澤小百合（札幌開成） 小野寺泰子（大麻） 小野寺泰子（大麻） 遠嶋 美里（北広島西） 遠嶋 美里（北広島西） 髙橋 理緒（札幌南陵） 髙橋 理緒（札幌南陵） 佐藤 弘子（札幌東陵） 佐藤 弘子（札幌東陵） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「障がい者とつきあって人のつながりを考える」 北海道医療大学教授 阿部 哲美 氏 17 18 19 20 21 22 23 24 「食育教育」 札幌グランドホテル 副総支配人 総料理長 小針 一夫 氏 「北海道の働く女性の実情 ～仕事と家庭の両立をめぐる問題～」 厚生労働省北海道労働局雇用均等室地方女性労働 者福祉専門官 田原 咲世 氏 「少子高齢化時代の家庭科教育 ～子どもと創る魅力ある家庭科の授業～」 聖心女子大学教授 鶴田 敦子 氏 「次期学習指導要領の改訂に向けて」 文部省初等中等局参事官付教科調査官 望月 昌代 氏 「大豆の変身～豆乳とおから作りから考える食と 環境問題～」 「フルーツ探検～糖度調べ実験から 考える食生活の諸問題～」 お茶の水大学特任アソシェイトフェロー 佐藤 典子 氏 「自立と孤立と共生と ～家庭科から学校教育の希望を語る～」 大阪府立成城高等学校教諭 南野 忠晴 氏 「食は生命（いのち）の第一歩～食環境を整えよう～」 トータルフード・コーディネーター 髙井 瑞枝 氏 「ジャパンテキスタイルの可能性」 テキスタイルデザイナー 梶原加奈子 氏 「これからの生活と環境・生命・カガク・ＩＣＴ」 新潟県立大学准教授 本間 善夫 氏 ４ 部会の現況 家庭部会は、石狩地区の学校がブロックごとのロー テーションで担当しておりますが、事務局校だけでは なくブロック校の先生方のご協力のもと運営しており ます。午前に総会・講演、午後に研究発表・研究協 議を行うスタイルが数年続いており、ここ３年間は新 教育課程の実施に向けて行政サイドからの説明もし ていただいております。会員数は平成 15 年度は 122 名でしたが、 平成 24 年度には 82 名と減少傾向にあり、 参加者数は 70 ～ 90 名ほどです。家庭科教員が１校 １名という学校も多く、研究会を通して横のつながり を持つことも大切であり、多くの先生方に参加してい ただくためにも一層有意義な研修の機会になるよう工 夫し、運営していきたいと考えております。 ５ 今後の展望 平成 25 年度から新教育課程が実施されます。高 等学校家庭科の目標は、「人間の生涯にわたる発達 と生活の営みを総合的にとらえ、家族・家庭の意義、 家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させる とともに、生活に必要な知識と技術を習得させ、男 女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する 能力と実践的な態度を育てる」ことです。限られた 授業時数を有効に使うためにテーマを設定していく つかの学習内容を組み合わせての指導、地域性を活 かし地域と連携しながらの授業、選択科目や学校設 定科目により発展応用させながらの授業、学科の特 性を活かした授業展開など、多くの学校が創意工夫 しながら取組んでいると伺っております。 家庭科は、思考力・判断力・表現力を高めること ができる教科であり、生徒の生きる力につながる教 科です。家庭科の単位数が減少したり、専任の教員 が減っているという状況ですが、ネットワークを広 げながら取組むことが大切ではないでしょうか。こ の家庭部会が、全道の先生方との実践交流を深める 場となり、魅力的な家庭科の授業につながるよう、 有意義な研修の機会になることを願っています。 （記載者 札幌東陵高等学校教諭 佐藤 弘子） ― 47 ― 農 業 部会 １ この 10 年を振り返り この度、高教研 50 周年を迎えるにあたり、過去 10 年間の足跡をたどってみたいと思います。 農業部会は、その時々の農業情勢と表裏一体とな り、 講演、 研究発表、研究協議を重ねてまいりました。 特にこの十年は、平成 11 年に成立した、 「食料・農 業・農村基本法」から、食料の安定供給、農村の振興、 環境への配慮、伝統文化の継承等が重要視されました。 それに伴い、農業教育は、農業や地域産業の方向性 を見極め、生産から販売までを含むフードシステム系 と環境系の分野で深化充実が進みました。特に、販売 に取り組むことで、消費者が求める安全・安心な農産 物の提供を意識した生産に変わり、売る教育によって、 つくる教育の質的な転換が図られました。食彩フェアも こういう狙いで生まれ、多くの試みがなされております。 このような観点から主題を設定し、多彩な講師に よる貴重な講演、それぞれの学校における特色ある 実践による研究発表・研究協議へと結集しており、 有意義で充実した内容でありました。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 193 194 199 184 174 164 130 134 119 123 〔歴代部会長・事務局〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 小原 忠雄（倶知安農業）八木 啓充（倶知安農業） 岡田 正裕（ニセコ） 湯浅 純人（ニセコ） 岡田 正裕（ニセコ） 湯浅 純人（ニセコ） 大西 千郷（真狩） 中川 尚之（真狩） 齊藤 信寛（真狩） 中川 尚之（真狩） 河村 英二（留寿都） 長田 淳（留寿都） 河村 英二（留寿都） 宮川 明子（留寿都） 畠山 佳幸（壮瞥） 林 正憲（壮瞥） 畠山 佳幸（壮瞥） 上田 徹（壮瞥） 北澤 住人（岩見沢農業）野村 博之（岩見沢農業） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「共生農業と豊かな大地」 雁音農産開発有限会社 代表取締役社長 小野寺實彦 氏 16 「自治の課題とこれから」 ニセコ町 町長 逢坂 誠二 氏 17 「村の元気をつくる地元学のすすめ」 地元学ネットワーク主宰 吉本 哲郎 氏 18 「食と農の美味しい関係」 クッキングキャスター 星澤 幸子 氏 19 「農業の国際化（WTO 等）に対応した北海道農業」 北海道農政部農業経営局長 渡邉 毅 氏 20 「農業を志す青年たちに就農の道を拓くには」 北海道農業担い手育成センター長 青山 俊夫 氏 21 「国際化と農業～東アジア諸国を中心として」 拓殖大学副学長 篠塚 徹 氏 22 「 『風土』は食をつくり、 『フード』が人をつくる」 作家 森 久美子 氏 23 「北海道経済とこれからの農業教育に期待すること」 札幌商工会議所会頭 高向 巌 氏 24 「北海道の未来を拓く有機農業」 学校法人 酪農学園理事長 麻田 信二 氏 ４ 部会の現況 学校の閉校、閉科、学科の改編等により部会会員 の減少がつづいていおります。また、年齢の不均衡 がみられ、50 代の会員が極端にすくなくなってお ります。また、40 代以下でも会員に加入しない傾 向があり、このことは、実学を基礎とする農業教育 にとってゆゆしきことであります。 今後、会員数の増加に向けて、教職員の部会に対 するニーズを把握し、内容の充実により一層努めて いく必要があります。 ５ 今後の展望 農業教育は今、知識基盤社会を裏付けるかのよう に、国際化や情報化が進み、農業経営も生産・加工・ 流通など経営の多様化、技術の高度化・精密化、安 全・安心な食料の安定供給、地球規模での環境保全、 動植物や地域資源を活用したヒューマンサービスの 拡大などが求められています。さらに国際的な視野 をもって、TPP 問題や国際市場開拓など高い資質 を持った行動できる農業のスペシャリストが求めら れる時代です。こうした現状を踏まえると農業教育 は大きな転換が迫られています。 道内の農業や関連産業については、北海道は日本 の食糧基地ともいわれ、農業生産や食品加工、流通 の仕事が多い地域です。農業にかかわる仕事は、時 代が変わっても決して無くなることはありません。 こうした仕事に就くために必要な知識や技量を確実 に定着しいく必要があります。 世界の人口は、増加傾向にあります。このままでは、 輸入に頼る日本全体の食糧が危機的な状況になります。 食糧生産は、国や国民生活を支える最も大切な仕事で す。そういう意欲を持った生徒を育てなければいけま せん。何より自分たちの食べ物を扱う仕事に就くという ことにプライドを持った生徒を育てる事が大切です。 そのためには、国際化に対応した農業経営者の育 成が必要と考えています。少なくとも英語は話せな ければいけません。農業教科だけでなく、基礎とな る普通教科の充実が、さらに農業教育の質を高めま す。アジアの大消費地でビジネスができるよう、中 国語も必要な時代が来ます。世界に羽ばたく農業経 営者の育成が求められています。こうした対応が、 産業としての農業を発展させる基本にもなります。 その教育基盤となるのは、普通教科の基礎・基本 の定着にあると考えています。その上に立ち、専門 教科の基礎・基本的な知識・技術・技能を定着させ ると共に体験的（実験実習）学習を通して実践力を 育成することができると考えています。そして、高 い職業意識や職業観・規範意識・コミュニケーショ ン能力等の育成に努めていかなければなりません。 そのためにも教師は、教えることに対する情熱と使命 感をもって、一歩先んずる知恵（考え抜く力） ・前に踏 み出す勇気（行動力） ・チームで働く力（組織力）を機 能させ、情報を共有し、お互いに信頼し合い、助け合い、 学び合い、 高め合う、 そういう部会でありたいと思います。 高度情報化、先端技術化、ＩＴ化等と進展するな か、農業教育もそれらと無縁ではいられず、今後と も時機にあった研究テーマのもとで頑張らねばなら ぬと思っております。 （岩見沢農業高等学校長 北澤 住人） ― 48 ― 工 業 〔歴代部会長・事務局〕 部会 １ この 10 年を振り返り 平成 11 年 3 月に学習指導要領が改訂され、これ に基づく教育課程が平成 15 年度から年次進行で実 施された。教科「工業」においては、従前の目標の 精神を基本的には受け継ぎながらも「いかに作るか」 から「どのようなものをいかに作るか」という能力 を重視し、 「社会における工業の意義や役割を理解 させるとともに環境に配慮する」ことや「工業技術 の諸問題を主体的、合理的に解決し社会の発展を図 る創造的な能力と実践的な態度を育成する」ことな どが目標として示された。また、この目標の改訂に 伴い、 「実験実習を重視し、将来のスペシャリスト として必要な専門性の基礎・基本を重視した科目の 改善」や「工業倫理及び環境やエネルギー問題に対 応した科目の改善」等が行われた。 本研究会工業部会においては、これらの改訂の趣 旨を踏まえるとともに、従前から重視してきている 工業高校と地域や産業界との間のパートナーシップ の確立や資格取得指導の充実等について研究協議を 行い、本道工業教育の活性化を図ってきた。 研究発表の記録（H15 年度～ H24 年度） H15 ｢出張授業の取り組み｣ 志田泰範（室工） ｢産学官による協同研究の取り組み｣ 川村広幸（琴工） H16 ｢専門高校等における日本版ﾃﾞｭｱﾙｼｽﾃﾑの導入のための調査研究 について ( 中間報告 )｣ 諸橋宏明（旭工） ｢ﾃﾞｨｼﾞﾀﾙｺﾝﾃﾝﾂを活用した効果的な授業の展開｣ 桝本哲史（滝工） ｢資格取得の取り組みと問題点｣ 梶 猛（稚商工） H17 ｢起業家教育実践研究事業の取り組み｣ 西後勝美（苫工） ｢工業教育活性化のためにどのように取り組んだらよいか～合同 課題研究発表会～｣ 中嶋孝之（名光凌） ｢江差南高校としての最後の年間の取り組みについて｣ 田中聖志 （江差南） H18 ｢指定研究事業を通した工業教育活性化の取り組み｣ 西田猛志 （札工） ｢本校におけるログハウス製作の取り組み｣ 佐藤靖尚（北工） ｢板金琴から板金ギターへの挑戦｣ 原山 聡（紋南） H19 ｢社会人入学生受け入れのための取組～公開講座と PowerPoint 授業の展開～｣ 平井柳太（樽工） ｢高校生ものづくりｺﾝﾃｽﾄ電子回路組立部門｣ 飯塚浩二（帯工） ｢釧路川水防公開演習の参加と成長｣ 佐藤貴雄（釧工） H20 ｢高大連携の取り組み～遠隔授業 ･ 訪問授業～｣ 平間信一（琴工） ｢教育課程の変遷と進路指導について｣ 長谷哲生（国情） ｢輝く生徒 輝く定時制～資格取得、部活動での取り組み～｣ 盛田典男（函工） H21 ｢基礎 ･ 基本の定着に向けた取り組みについて｣ 佐藤淳彌（緑峰） ｢北の匠ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄの取り組み｣ 板坂浩毅（室工） ｢地域社会と連携した実践的ものづくり教育｣ 小野博道（美工） H22 ｢本校土木科での教育実践｣ 三浦嘉之（滝工） ｢旭工式資格指導法～合格率を上げるための工夫～」下村幸広 （旭工） ｢社会で活きる実践的な力の育成｣ 千葉智寛（千望） H23 ｢本校の三修制について｣ 有泉睦夫（札工） ｢担い手育成事業を終えて｣ 木村浩二（苫工） ｢学科集合型高校の地域社会に貢献できるものづくり教育｣ 和田博之（名産） H24 ｢北工におけるキャリア教育と知的財産教育の融合と体系化｣ 菊地 智（北工） ｢三大学科（普・工・商）の特色を活かした工業教育の実践｣ 木村一貴（紋別） ｢専門知識を生かし、企業と連携した地域貢献事業 ｢樽工建ﾌﾟﾛｼﾞｪｸ ﾄ｣ の取り組み｣ 高橋孝児（樽工） ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 101 103 98 90 84 84 84 86 75 77 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 四宮 知之（札幌琴似工業）南山 幸雄（札幌琴似工業） 四宮 知之（札幌琴似工業）松浦 雅章（札幌琴似工業） 海老名 優（札幌琴似工業）中谷 秀夫（札幌琴似工業） 海老名 優（札幌琴似工業）本間 健彦（札幌琴似工業） 淺野 吉保（札幌琴似工業）小川 経一（札幌琴似工業） 淺野 吉保（札幌琴似工業）松田 圭右（札幌琴似工業） 木田 清一（札幌琴似工業）中谷 真樹（札幌琴似工業） 木田 清一（札幌琴似工業）荒當 聖吾（札幌琴似工業） 野村 洋幹（札幌琴似工業） 木田 清一（札幌琴似工業）鎌田 聡（札幌琴似工業） 廣瀬 覚（札幌琴似工業）塚本 慶一（札幌琴似工業） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 演題・講師 「日本の製造業について」 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギ 部長 藤田 昌弘 氏 「これからの工業高校及び教員に期待するもの」 文部科学省初等中等教育局教科調査官 池守 滋 氏 「砲丸と私の人生」 有限会社 辻谷工業代表取締役 辻谷 政久 氏 「トヨタの『ものづくり』と『人材育成』 」 トヨタ自動車北海道株式会社取締役 佐々木 健太郎 氏 「鉄鋼業における『ものづくり』の実際 ―世界最大の 600ton 鋼塊製造―」 （株）日本製作所室蘭製作所製鋼部長 柴田 尚 氏 「勇気を出してまず一歩！道はそこから拓けます ～世界初鋳鉄製スピーカー誕生の裏話～」 臼井鋳鉄工業株式会社代表取締役 臼井 憲之 氏 「燃やせない時代の森林・木材の利活用について ～環境先進国ドイツでの取り組みから学ぶ～」 飯田ウッドワークシステム株式会社代表取締役 飯田 信男 氏 「大学生による超小型衛星の開発」 北海道工業大学教授 佐鳥 新 氏 「高校生から社会人基礎力 ～気づきと習慣化をめぐる支援策～」 法政大学大学院教授 諏訪 康雄 氏 「今後の「ものづくり」のあり方について」 明星大学教授 関 満博 氏 ４ 部会の現況と今後の展望 近年、本研究会の会員数は減少の一途を辿る。工業 部会においても同様の状況にあり、喫緊の課題となって いる。課題解決に向けて、部会の在り方について検討 を重ね「部会協議の活性化に向けた工夫・改善」はも とより、 「専門分野に限らない今日的な教育課題に即し た講演会のテーマ設定」や「利便性を考慮した会場の 変更」等に取り組んできた。しかし、残念ながら、どれ も決定打には至らず、今のところ改善の兆しは見られな い。何よりも肝要なことは、生徒に最良の教育を提供す るため、我々教員が日々研鑽に励み資質・能力を向上さ せようとする意欲と情熱を持つことである。 『一人でも多 くの先生の心に火をつける！』そんな研究会でありたい。 本研究会の 40 周年から 10 年が経過した。学習指 導要領もまた改訂され、来年度から新習指導要領に 基づく教育課程が年次進行で実施される。『新たな 時代のものづくり産業を支える人材を育成する』と いう観点に立ち、これまで以上に本道の工業教育が 力強く推進されるよう、本研究会工業部会の役割を しっかりと果たして参りたい。 （記載者 札幌琴似工業高校 太田 潤一） ― 49 ― 商 業 20 部会 21 「企業の取り組む国際貢献～メガネを通じて海外貢献」 株式会社 富士メガネ 代表取締役会長兼社長 金井 昭雄 氏 「北海道の活性化を担う企業として」 株式会社ラルズ代表取締役会長 横山 清 氏 「大いなる生き方 ～明日の北海道を支える人材の育成を目指して～」 （株）土屋ホールディングス 代表取締役会長 土屋 公三 氏 「変化を実現する人財教育」 （株）セイコーマート 運営支援本部本部長 執行役員 伊藤 朋之 氏 「立場も違う、仕事も違う。多種多様な人とコミュ ニケーションすることについて （株）リクルート北海道じゃらん 地域振興統合プロデューサー 原田 亜紀 氏 １ この 10 年を振り返り 北海道高等学校研究会が発足して 50 周年を迎え 22 ましたことを心よりお祝い申し上げますとともに、 これまでの歩みがつづられた記念誌が発刊されます ことを心よりお慶び申し上げます。 23 さて、顧みますと、この 10 年間の商業部会は、変 化の激しい社会環境に適応できる人材の育成を目標 に、商業教育のあるべき姿を求め、この高教研での研 24 究を中心に各種研究協議会で各校の実践に学ぶとと もに活発な情報交流を図ってきたところです。その間、 高等学校の専門教育に対する社会の評価も厳しさを 増し、私たちの課題も、これまでにない視点が求めら ４ 今後の展望 れるようになりました。特に、若年者の高い失業率や 平成 21 年３月に告示された新学習指導要領が平 早期離職、若年無業者の存在、そして生徒個人の問 成 25 年度４月から完全実施となります。私たち商 題ではない産業構造や就業構造の変化等社会全体を 業部会にとって、今後の指針や拠り所となるのは、 通じた構造的な問題を商業教育にどう捉え返すかとい 『高等学校学習指導要領解説 ・商業編』です。さらに、 う難問に直面しました。この 10 年間の研究成果を今 現在も協議が続けられている中央教育審議会高等学 後に生かすとともに継続させなければなりません。 校教育部会の提言も重要な手がかりとなります。 特に、平成 23 年１月の答申における「学校にお ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 けるキャリア教育と職業教育の在り方」については、 〔会員数の推移〕 今後のわが国の教育の基本的な方向性を示すものと 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 して位置付けられており、幼児期の教育から高等教 会員数 286 258 221 212 225 205 178 175 156 158 育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進をはじ め、実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再 〔歴代部会長・事務局〕 評価、生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援等 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） は、正に私たち商業教育に携わる者が主体的・積極 15 金間 正克（札幌啓北商業）大川 徹（札幌啓北商業） 的に取り組まなければならない重要課題です。 16 金間 正克（札幌啓北商業）滝本 茂（札幌啓北商業） これまで標榜してきた基礎的・基本的な知識・技 17 金間 正克（札幌啓北商業）滝本 茂（札幌啓北商業） 18 横尾 栄二（札幌啓北商業）滝本 茂（札幌啓北商業） 能の定着と問題解決能力等の育成はもちろんのこ 19 横尾 栄二（札幌啓北商業）飯野 修一（札幌啓北商業） と、実践的な教育活動の実施と充実、地域や産業界 20 横尾 栄二（札幌啓北商業）飯野 修一（札幌啓北商業） との密接な連携、適切な教育課程の編成、学科の在 21 横尾 栄二（札幌啓北商業）飯野 修一（札幌啓北商業） り方、高等教育機関との接続等についても、より踏 22 横尾 栄二（札幌啓北商業）久保田法順（札幌啓北商業） み込んだ取り組みが求められています。 23 滝本 茂（札幌啓北商業）久保田法順（札幌啓北商業） 基本的な方向性として、 「キャリア教育」と「ビジ 24 滝本 茂（札幌啓北商業）鈴木 恵一（札幌啓北商業） ネス教育」について、一人ひとりの社会的・職業的自 立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てること ３ 部会講演講師 を通して、人が生涯のなかでさまざまな役割を果たす 〔講演演題・講師〕 過程で、自らの役割の価値や自分の役割との関係を 年度 演題・講師 見出していく連なりや積み重ねを促す教育と捉え、当 15 「日本一のケーキづくりと人づくり」 研究会を通じてより研究を深めていきたいと考えてお きのとや社長 長沼 昭夫 氏 ります。推進のポイントは以下の４点です。 16 「多様化する社会と時代のニーズに対応できる教 （１）基礎的・基本的な知識の定着と問題解決能力 師をめざして」 の育成 札幌大学助教授 菱村 壽夫 氏 （２）長期実習等、実践的な教育活動の実施、実務 17 「まず、考えてみよう」 作家 小檜山 博 氏 経験の登用 18 「新時代に求められる企業経営と社員教育」 （３）地域や産業界との密接な連携による学科整備・ キャリアバンク株式会社 教育課程編成 代表取締役 佐藤 良雄 氏 （４）専攻科の在り方と高等教育機関との接続 19 「地域に根ざした企業経営」 今後も北海道における高等学校の商業教育が益々 株式会社北海道日本ハムファイターズ 充実・発展するよう、商業部会の結束を強めて参り 取締役会長 今村 純二 氏 たいと思います。 （記載者 札幌啓北商業高等学校教頭 鈴木 恵一） ― 50 ― 水 産 17 部会 18 １ この 10 年を振り返り この 10 年間に道内水産系高校では、平成 16 年に 函館水産高校の水産食品科 2 学級のうち１学級が、 全国で唯一の「品質管理流通科」への学科転換、平 成 17 年に戸井高校情報通信科の閉科、平成 21 年に 厚岸水産高校の閉校、そして厚岸水産高校と厚岸潮 見高校とが統合した厚岸翔洋高校の開校など、様々 な変化が起こっている。高教研水産部会においても 平成 13 年度から継続されていた主題「新世紀のふ るさとをきり拓く水産教育はいかにあるべきか」が、 平成 22 年度から「変化の激しい時代をきり拓く水 産・海洋教育はいかにあるべきか」に変更となった。 この期間、研究集会では日本のみならず世界経済や 社会状況の変化など水産業の現状や課題などを、政 策実行の先頭に立って活躍されている講師の方々にご 講演いただいたり、自然や野生生物を記録・観察し、 情報を発信し続けている方々や、大学などの研究機 関の先生方による先進的な海洋に関する研究など、多 岐にわたる講演を聞く機会に恵まれた。さらに、平成 19 年度には世界的に著名な海洋冒険家白石康次郎氏 に大変夢にあふれ、水産教育を応援していただける講 演をしていただいた。また、各会員の先生方には学校 全体や進路に関する課題、先進的な授業・実習内容 についてや、新設校・新設学科の課題や取り組みに ついて紹介したものなど、数多くの研究発表をいただ き、会員相互のよりよい情報交換の場となっている。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 84 83 82 76 89 86 85 82 85 84 〔歴代部会長・事務局〕 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 成田 安孝（小樽水産） 成田 安孝（小樽水産） 谷口潤一郎（小樽水産） 谷口潤一郎（小樽水産） 谷口潤一郎（小樽水産） 谷口潤一郎（小樽水産） 齋藤 隆（小樽水産） 齋藤 隆（小樽水産） 齋藤 隆（小樽水産） 村松 裕史（小樽水産） 大山 知幸（小樽水産） 大山 知幸（小樽水産） 大山 知幸（小樽水産） 大山 知幸（小樽水産） 堀井 亜希（小樽水産） 堀井 亜希（小樽水産） 堀井 亜希（小樽水産） 古賀 英裕（小樽水産） 梅﨑 真大（小樽水産） 梅﨑 真大（小樽水産） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「北海道水産業の現状と課題」 北海道水産林務部主幹 藤島 浩晃 氏 16 「北海道における漁業協同組合の現状と課題 ～漁業協同組合の合併等について～」 北海道漁業協同組合連合会 指導教育部長 大久保 法幸 氏 19 20 21 22 23 24 「水産資源管理の基本理念について」 水産庁資源管理部資源管理室長 長谷 成人 氏 「海からの素晴らしい贈りものー流氷ー」 北海道立オホーツク流氷センター所長 青田 昌秋 氏 「夢、挑戦、そして人とのつながり」 海洋冒険家 白石 康次郎 氏 「流氷の来る海 知床」 知床ダイビング企画 代表取締役 関 勝則 氏 「日本海の深層水から地球温暖化を見る」 北海道大学大学院準教授 磯田 豊 氏 「北太平洋の生物多様」 自然写真家 寺沢 孝毅 氏 「オホーツク海の流氷が生み出す豊かな水産資源」 北海道大学低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター准教授 西岡 純 氏 「時代の変化、魚食振興等に対応した水産・海洋 教育の担うべき役割と課題」 元文部科学省視学官 中谷 三男 氏 ４ 部会の現況 小樽水産高校、函館水産高校、厚岸翔洋高校の水 産科教員の先生方を主な会員とし、近年は 80 名程 度加入している。この会員数は道内の水産科教員の ９割に近い加入率であり、小さいながらも大変まと まりがあり、本会の活動が会員相互の研鑽と親睦に 寄与しているものと考えている。 ５ 今後の展望 全国の水産・海洋系高校での研究会では「次時代 を捉えて、水産・海洋系教育におけるキャリア教育 をいかに進めるべきか」、 「新学習指導要領を踏まえ、 地域の発展に寄与する人材をいかに育てるべきか」 という主題で研究協議がなされている。これらの趣 旨として、キャリア教育について、インターシップ や長期就業実習などを含めて実践的な職業教育の進 め方や、企業等との関係構築などの調査・研究を課 題とし、さらに水産業の６次産業化など現在重要視 されている事柄に対して水産・海洋系高等学校が果 たすべき役割は何かを踏まえ、新学習指導要領など、 政府および各自治体等からの答申に基づいた効果的 な人材育成はいかにあるべきかを研究することを課 題としている。 本会においても「変化の激しい時代をきり拓く水 産・海洋教育はいかにあるべきか」の主題に基づき、 時代の変化に対応し、各学校で取り組まれている実 践事例などを研究発表していただくことより、会員 の先生方のよりよい研修の場を提供していきたいと 考えている。また、これまで同様、様々な講師の先 生方にご講演いただくことにより、先進的な研究や、 これからの水産業を取り巻く課題について会員の先 生方に紹介していく。 このような本会の取り組みを通して、水産教育の 振興を図り、全国シェア一位の水産業を誇る北海道 において、地域の求める漁業後継者や各企業で働く 技術者等の育成につなげていきたい。 （記載者 小樽水産高校 梅﨑 真大） ― 51 ― 情 報 部会 １ この 10 年を振り返り 新しい教科として誕生した「情報」も、授業開始 から今年がちょうど 10 年目である。情報部会では、 メーリングリストによる情報交換や、Web を活用 しての情報共有をいち早く取り入れた。今でこそス マートフォンの普及が進み、SNS 利用率も飛躍的 に高まったが、当時からこうしたインターネットを 活用した交流が情報部会を支え続けてきた。 平成 18 年には道内各地を巡る「キャラバン研究会」 もスタートし、なかなか研究集会に参加できない方々 とも情報交換や交流を行う取り組みが続いている。 ２ 会員数の推移、歴代部会長・事務局担当者 〔会員数の推移〕 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 会員数 34 年 度 58 79 60 56 61 62 68 67 57 〔歴代部会長・事務局〕 年度 部会長 （ 所属 ） 事務担当者 （ 所属 ） 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 吉田 正勝（札幌西） 友成 充（札幌東陵） 友成 充（札幌東陵） 成田 雅昭（留辺蘂） 成田 雅昭（留辺蘂） 成田 雅昭（釧路江南） 成田 雅昭（釧路江南） 成田 雅昭（釧路江南） 小山 茂樹（遠軽） 宮嶋 衛次（弟子屈） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 奥村 稔（札幌北） 杉本 式史（札幌平岸） ３ 部会講演講師 〔講演演題・講師〕 年度 演題・講師 15 「勇気と元気が出る情報の授業」 岩手県立大学 鈴木 克明 氏 16 「情報手段の新たな活用方法と情報教育のありかた」 早稲田大学ＩＴ教育研究所助教授 宮澤 賀津雄 氏 17 「授業支援環境としての e-learning ～フリーソフ トでもここまでできる、授業支援のあれこれ～」 稚内北星学園大学教授 金山 典世 氏 18 「カリキュラムと評価 ～思うような学習活動をデザインするために～」 関西大学教授 黒上 晴夫 氏 19 「ICT 教育がめざす本当の学ぶ力」 青山学院大学教授 佐伯 胖 氏 20 「今、求められている学力とは」 株式会社内田洋行専務執行役 大久保 昇 氏 21 「新学習指導要領と教科『情報』」 文部科学省初等中等教育局視学官 永井 克昇 氏 22 「学習目標と評価の一体化、その考え方と方法」 玉川大学准教授 ダグラス・トレルファ 氏 23 「新科目の性格と特徴の研究」 滋賀大学教授 松原 伸一 氏 24 ワークショップ形式の研修会を開催 ４ 部会の現況 高教研情報部会への登録数、教科別研究集会への 参加数ともに研究集会が３日日程だった頃と比較し て思うように数字を伸ばせていない。情報と他教科 とを掛け持ちして授業を担当している先生が多いと いう実態が情報部会によるアンケートによって見え てきた。北海道の地域性を考えると仕方のない部分 もあるが、教科の専門性を考えるならば、情報の専 任教員が少ないというのが現状ではないだろうか。 部会の取り組みについては全国的にも評価されて おり、キャラバン研究会等を通じて、多くの方々と 情報を共有できるよう活動を行っている。 ５ 今後の展望 他教科と比較して歴史の浅い情報部会ではあるが、 10 年という年月を経て授業の担当者もずいぶん入れ 替わりがあった。教科「情報」が誕生した当時を知 らない先生も増えてきた。しかしながら、部会の中に 蓄積されてきた様々な実践が、教科別研究集会やキャ ラバン研究会を通じて広まって、道内各地の学校で いろいろな形で活かされているのではないだろうか。 平成 25 年度からは新学習指導要領に基づいた共 通教科「情報」がスタートする。今までの「情報」 で培ってきたノウハウを活かしながら、 新しい「情報」 をどう授業で扱っていくのかは情報部会の中で繰り 返し議論されてきた。キャラバン研究会の中でも、 新学習指導要領でどのような授業を行えば良いのか、 という話題は毎回大変盛り上がる。参加された方々 が情報部会に対して期待していると感じられる。 情報部会としては、今まで蓄積してきたノウハウ を提供するだけでなく、今後はそれぞれの学校で取 り組んだことを発信してもらえるような取り組みを 行いたいと考えている。授業の実践を集めて共有す ることで、新たな実践が生まれる可能性がある。ま た、共有された実践を掘り起こすことで、授業がう まくいかなかった箇所へのヒントが見つかるかもし れない。他の先生がやった授業を比較することで、 自分の授業を客観的に捉えるチャンスにもなるだろ う。情報部会では、今まで以上に授業担当者の繋が りを重視して、北海道の情報科の更なるレベルアッ プをはかりたいと考えている。 また北海道以外の動向にも注目し、他の都府県で 活躍されている先生方の実践を見るために全国大会 へ参加者を派遣することを平成 24 年度より始めた。 情報ではまだ教科の取り組みを行う全国組織ができ ていないが、道外の研究大会へ参加することで、よ り多くの実践に触れることが可能となる。 情報科を取り巻く周囲に目を向けると、情報科の 授業づくりに関わる大きな動きも見られるように なってきた。ここ数年来「情報」を大学入試センター 試験に入れるか入れないかという議論が起こってい る。現時点ではまだ組み入れられる予定はないが、 私立大学を中心に「情報」を受験教科に採用する大 学も現れ、今後増えるのではないかという予測も出 てきた。今後の動向を見守るばかりである。 （記載者 札幌平岸高等学校 杉本 式史） ― 52 ― 教科別集会研究成果一覧 㩷 ᢎ⑼㓸ળ⻠Ṷ㩷 ᐕ ࿁㩷 ᢎ⑼䋨ಽ⑼ળ䋩㩷 ᐲ㩷 ࿖⺆㩷 ⇇ผ㩷 ᣣᧄผ㩷 ℂ㩷 ᱧ ઍ␠ળ㩷 ᳃㩷 ୶㩷 ℂ㩷 ᴦ⚻ᷣ㩷 ᢙቇ㩷 㪈㪋㩷 㪋㪇㩷 䇸ઍ␠ળ䈏ᄬ䈦䈢䉅䈱䌾䇺ੱᮭ␠ળ䇻䈱⪭䈫䈚ⓣ䇹㩷 ㄘᬺ㩷 䇸↢ㄘᬺ䈫⼾䈎䈭ᄢ䇹㩷 Ꮏᬺ㩷 䇸ᣣᧄ䈱ㅧᬺ䈮䈧䈇䈩䇹㩷 ᬺ㩷 ᳓↥㩷 ᖱႎ㩷 䇸ᣣᧄ৻䈱䉬䊷䉨䈨䈒䉍䈫ੱ䈨䈒䉍䇹㩷 䇸ർᶏ᳓↥ᬺ䈱⁁䈫⺖㗴䇹㩷 䇸ാ᳇䈫ర᳇䈏䉎ᖱႎ䈱ᬺ䇹㩷 ቇ㩷 ஜ⢒㩷 㙃⼔㩷 ⧓ⴚ㩷 ⧷⺆㩷 ኅᐸ㩷 ㄘᬺ㩷 Ꮏᬺ㩷 ᬺ㩷 ᳓↥㩷 ᖱႎ㩷 ࿖⺆㩷 㩷 ⇇ผ㩷 ᣣᧄผ㩷 ℂ㩷 ᱧ ઍ␠ળ㩷 ᳃㩷 ୶㩷 ℂ㩷 ᴦ⚻ᷣ㩷 ᢙቇ㩷 ో㩷 ℂ⑼✚ว㩷 ‛ℂ㩷 ℂ ⑼㩷 ൻቇ㩷 㪈㪌㩷 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43 年度には市民会館、そして、昭和 47 年度、10 周年記念大会からは、厚生年金会館 第 10 回大会要項 （現ニトリ文化ホール）を会場に開催を続けている。ピークの昭和 53 年度には、会員 が６千５百名を超え、道内の高校教員の２人に１人以上（52.3％）が会員となり、昭和 55 年度には研究大会に４千百名を超える参加があった。 その後、会員数は徐々に減少を始めるが、昭和 57 年度に は 20 周年記念大会を開催し、昭和 60 年度、6,231 名の会員 数を誇り、参加者の高止まりが、平成４年度の 30 回大会の 前頃まで続く。しかし、その後も会員数 の減少が続き、高止まりしていた参加者 数も減少の一途をたどり、平成５年度、 第 20 回大会要項 会員数が５千名を切り、 平成 10 年度には、 4,167 名となる。 平成 11 年度、会員数は、４千名を切り、平成 14 年度、40 周年を迎え、平成 22 年度には、３千名を切る。平成 24 年度、会員数は 2,473 名となり、50 周年記 念大会を迎えるに至る。 本部事務局には、全体を統括する「総務」の下に、「企画」、「運営」、「会計」 第 30 回大会要項 の３部門が設けられており、企画は、さらに「編集・記録」、「会員登録」、「発送・印刷」、「研究紀要」の４ グループに、また、運営は、「会場設営」、「受付」、「接待・救護」の３グループに分かれている。また、会 計は、 「会計」の他に日常的な「庶務」全般の業務を行っている。 会の運営にあたっては、地区支部の業務の軽減化、会費の見直し、旅費規程の緩和、 さらには、道私立中高協会、道校長協会との連携など、改革を進めてきたが、今日 の国際化、情報化、少子高齢化といった時代を迎え、価値の多様化、あるいは、イ ンターネットや携帯電話、スマホ、タブレット PC といった様々なツールから情報 が溢れる中にあって、会員数の減少も参加者数の減少も止むを得ない面がある。し かし、研究大会の参加率を見ると、いまなお増加の 一途をたどっていることは、本研究会の今後を考え るうえで注目に値する。 今後とも、組織・機構の見直しも含め、教育研究 の在り方など、この 50 周年記念大会を通じ、新たな 展望が拓かれていくことを願っている。 ― 90 ― 研究紀要第１号 ◆ 50 周年記念事業◆ １ 基本方針 （１）魅力ある、より充実した研究会を目指す。 （２）教科部会の予算を増額して、裁量を広げる。 通常予算以外に積立金の半分程度を各教科部会へ。 （３）今後のあるべき姿を模索する。 ２ 記念事業 （１）教科研究事業への増額補助 各教科 18 万円の増額補助を行いました。 （２） 「記念講演」及び特別展示「はやぶさ」・「高教研」展 川口氏の記念講演に合わせて特別展示を地下歩行空間「憩いの空間」で 1 月 6 日（日） ～ 10 日（木）の期間に開催し、50 年に及ぶ高教研の活動を道民に広報しました。 「はやぶさ」展：本体・帰還カプセルレプリカ・小惑星イトカワ・M- Ⅴロケット模型、 パネル展示（３枚） 「高教研」展：パネル展示（４枚）・資料展示（50 年の歴史・部会の概要など） （３）記念講演の「地方配信実験」 株式会社 KDDI のご協力により、全体講演を Ustream で配信 しました。 閲覧方法等（→パスワードなし、HP 上で）は、大会参加証発 送に合わせて、別途、ご案内しました。 （４）HP の全面改定 レンタルサーバーを借用し、CMS を基本とする新規 HP を１１月より公開しました。 電子化を終えた過去の資料は、自由に閲覧できるようになっています。今後も追加を予定しています。 また、高教研の新メールアドレスは、次年度の総会・第１回研究協議会から利用を開始し、それまでは、 従来のアドレス（[email protected]）を用います。 （５）50 周年記念誌 ３月に発行しました。 記念誌は各学校に１～２冊配布し、会員は HP 上で閲覧できるようにしました。 （６） 「功労表彰」 この 10 年間（平成 15 年度～平成 24 年度）の大会役員、地区支部長、 教科部会長及び事務担当者を紙面上で表彰しました。 ― 93 ― 特別展示「はやぶさ」・「高教研」展 北海道高等学校教育研究会 創立 50 周年記念特別展示「はやぶさ」・「高教研」 北海道民の皆様へ 新年あけましておめでとうございます。 北海道高等学校教育研究会（略称「高教研」）は、昭和 38 年５月、札幌南高等学校を会場に、 札幌旭丘高等学校長梶浦善次氏を初代会長として設立された、北海道の高等学校の教員や教育 委員会の職員を中心とした教育研究団体です。 この度は、その創立 50 周年にあたり、道民の皆様からのご支援ご協力に感謝を込めて、１ 月９日、ニトリ文化ホール（旧厚生年金会館）を会場に、宇宙航空研究開発機構（JAXA）教 授川口淳一郎氏の全体講演会を開催するのに合わせて、この地下歩行空間を利用した特別展示 「はやぶさ」・「高教研」を企画いたしました。 ここ 10 年間を振り返ると、「はやぶさ」が、７年の歳月をかけて、あらゆる苦難を乗り越え て、人類初の往復の宇宙飛行という使命を果たしたことに、歓喜の声を上げ、誰もが感動を覚 えたことは記憶に新しいところです。北海道教育の発展という使命を担い、「未来を担う心豊 かな生徒の育成」を研究主題に掲げ、道内各地から集まった教職員の「研鑚」・「修養」に寄与 するとともに、その成果をそれぞれの学校に持ち帰り、情熱を持って教育活動に取り組むこと で、そこで学ぶ生徒のみなさんが、未来に向かって力強く健やかに育まれていくことを、私た ち「高教研」に携わる者たちは、心より願っております。 今後とも道民の皆様からのご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。 北海道高等学校教育研究会 会長 守 屋 開 （札幌旭丘高等学校長） ― 94 ― 特別展示「はやぶさ」・「高教研」展 はやぶさのパネル ― 95 ― 特別展示「はやぶさ」 ・「高教研」展 ཎКޒᅆžƸǍƿƞſ ȷž᭗ᄂſޒ ͵ ᜒųࠖᲢᆅဦᲣ ׅ ųų᫆ ࠰ࡇ ƜƷᲯᲪ࠰Ʒμ˳ᜒųᲧƦƷˊǛਰǓᡉǔᲧ ଯ ᭗ఄᏋƷբ᫆ໜ ଯ ଐஜᏋƷᛢ᫆ ଯ ౕৎųᠼဏ ȆȸȞ ˟ᧈ ˟Ճૠ ɶځᏋݙᜭ˟˟ ᧈ එဋųঅ᠒ ிʮܖٻ ࢸɶሁᏋƷᜂբ᫆ƴƭƍƯ شųႩࣈ ᇌᏋᄂᆮᧈ ٻᏯဃྸܖƱችᅕᘓဃƴƭƍƯ ɶ߷ųᅵɤ ࠤҔᅹܖٻ ǘƕƷɶሁᏋ ኬų̢ پிʮܖٻ ͵ ࠰ࡇ ᲦӸ ాИ ිˊ ծ˟ ഏᧈ ᭗קųദ᫋ ிʮᑸᘐᧈܖٻ ᎋƑǔщǛNjƬƨʴ᧓ǛᏋƯǔ Ꮛ ׅ ᲦӸ о ᚨ ᡶែਦݰƴƭƍƯ ᠃੭ƴƓƚǔଐஜƷᜂբ᫆ ਏႊ࠰Ʊ҅ෙᢊƷྎ ᭗קųദ ݻʮᣃܖٻя ҅ෙᢊܖٻӸᛎ ཚųՋ پ σӷᡫ̮ᅈᛯᛟۀ Ճᅹܖᚸᛯܼ ܬܢႆƱ٭᪃Ʒˊ ެஜųࡍ Ꮛો᪃ƱࢸɶሁᏋƷᜂբ᫆ ᜂٳƷܱऴƱ᧙ᡲƠƯ Ⴉʟų پᄂᆮᢿᧈ ଐஜƱɶ ᘓᕲųᕴӴ ऴ҄إᅈ˟ƴƓƚǔᏋƷǷǹȆ Ƞ ެဋųኝʂя ᚸᛯܼ ൟɼɼ፯ǛᎋƑǔ ųͤٽᢹ ᇌᏋᄂᆮᇹ ிʮܖٻܖᢿ 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年 12 月３日 ( 月 )15:00 ～ ニトリホールにて 留 意 点 ・講演講師よりインターネット配信についての許諾を得て実施。 ・株式会社 KDDI の協力により実施。 ― 100 ― 配信のお知らせ 簡単な機器構成 単焦点プロジェクターとタブレットＰＣのデモ 全体講演の配信画像 通常のビデオカメラで撮影 LAN ケーブルの箱の上に WiFi ルーター 会場内の通路の床に LAN ケーブルを固定。 音源はホールのマイクから 三脚脇の小さな LiveShell が カメラ画像を USTREAM へ ― 101 ― カメラは固定のままで 功労表彰 ご氏名は五十音順にさせていただきました。 読み違い等がありましたらお許しください。 本部役員 地区支部長・教科部会長 相 澤 英 樹 青 塚 健 一 木 田 清 一 田 川 芳 紀 古 屋 睦 雄 青 塚 健 一 秋 田 松 年 北 澤 住 人 滝 本 茂 細 川 静 雄 淺 野 吉 保 淺 野 吉 保 清 末 定 子 竹 内 和 男 細 野 敏 井 戸 尚 貴 阿 部 広 美 久 野 政 人 竹 内 敏 治 本 間 芳 樹 井 上 俊 一 阿 部 正 行 黒 田 信 彦 武 田 克 伸 前 川 洋 岩 本 隆 飯 島 範 雄 後 藤 哲 武 村 宗 彦 政 野 仁 海老名 優 池 田 成 徳 後 藤 寿 樹 田 中 政 昭 松 井 則 之 大久保 雅 俊 石 井 関 夫 小 林 雄 司 谷 口 潤一郎 松 崎 祥 一 大 庭 隆 石 塚 耕 一 小 松 芳 幸 田 端 明 雄 松 下 榮 顯 緒 方 壽 人 石戸谷 亮 小 山 茂 樹 千 葉 敏 春 松 永 務 小 原 伸 彦 石 原 卓 典 近 田 勝 信 対 馬 敏 幸 丸 山 年 民 金 間 正 克 板 宮 克 芳 齋 藤 隆 津 田 雄 二 見 方 益 夫 河 村 英 二 井 上 晴 雄 斉 藤 信 寛 坪 田 裕 蓑 嶋 和 央 木 田 清 一 猪 瀨 徹 齋 藤 幸 雄 釣 晴 彦 宮 﨑 英 彰 佐 藤 真理子 猪 股 康 行 酒 井 周 文 鶴 丸 英 昭 宮 崎 真 彰 四 宮 知 之 上 杉 正 三 佐々木 茂 文 戸 出 秀 邦 宮 嶋 衛 次 滝 田 進 海老名 優 佐々木 淳 一 東 條 幸 男 村 松 裕 史 館 山 昭 大 鐘 秀 峰 佐々木 誠 治 友 成 充 毛 利 奉 信 土 井 博 之 大久保 克 洋 佐々木 高 至 中 田 千 年 望 月 憲 夫 中 鉢 秀 敏 大 西 進 佐々木 美喜雄 中 村 隆 信 森 武 中 村 雅 之 大 西 千 郷 佐 藤 静 也 中 村 均 森 徳 男 西 岡 憲 廣 大 村 義 美 佐 藤 伸 一 中 保 力 守 屋 開 廣 瀬 覚 岡 崎 孝 男 佐 藤 俊 治 成 田 雅 昭 山 岡 正 司 古 江 憲 次 岡 田 正 裕 佐 藤 博 明 成 田 安 孝 山 形 恒 則 古 屋 睦 雄 岡 田 義 明 佐 藤 真理子 新 沼 明 山 口 佳 子 牧 野 篤 岡 元 賢 佐 藤 嘉 典 二 瓶 元 旦 山 本 貴 司 増 田 雅 彦 小 川 龍 幸 四 宮 知 之 野 瀬 政 裕 山 本 文 朗 丸 木 克 朗 沖 野 隼 夫 澁 谷 寿 継 波 佐 光 洋 湯 田 恭 丈 宮 浦 俊 明 小 田 章 雄 七五三木 正已 橋 本 達 也 横 尾 栄 二 村 山 昭 二 小 原 忠 雄 荘 司 信 一 畑 満 吉 田 廣 守 屋 開 角 張 裕 信 菅 原 秀 治 畠 山 佳 幸 吉 田 正 勝 柏 木 秀 雄 杉 澤 投 吉 服 部 隆 廣 蓬 田 恒 春 柏 倉 正 明 杉 本 祐 子 濱 本 武 司 蓬 田 秀 泰 数馬田 敏 須 藤 均 原 田 正 光 若 林 利 行 形 部 幸 雄 瀬 戸 正 板 東 眞 一 渡 辺 省 司 加 藤 和 美 平 富 夫 稗 貫 隆 樹 金 間 正 克 髙 悦 夫 樋 口 暉 純 河 合 慎 二 髙 野 正 昭 廣 瀬 覚 河 村 英 二 高 橋 廣 一 廣 田 邦 生 菅 野 誠 高 橋 文 明 深 澤 宗 明 菊 池 隆 夫 髙 橋 誠 藤 本 勝 芳 喜 多 清 彦 高 村 直 克 古 林 由 則 ― 102 ― 事務担当 青 木 祐 治 柿 澤 小百合 鈴 木 里津子 野 村 俊 夫 山 口 聰 史 浅 野 敏 片 桐 清 実 関 澄 恵 野 村 洋 幹 山 﨑 俊 一 朝 野 良 美 勝 木 祐 一 外 川 藤 博 野 村 博 之 山 田 清 典 荒 當 聖 吾 角 智 幸 髙 橋 理 緒 花 髙 了 三 山 田 大 隆 飯 田 知 男 鎌 田 聡 髙 橋 渡 花 松 正 彦 湯 浅 純 人 飯 野 修 一 鎌 田 到 高 本 和 明 濱 野 壽 樹 湯 田 恭 丈 井 口 郁 将 亀 山 範 行 滝 本 茂 林 正 憲 吉 澤 恒 男 伊 藤 一 正 河 合 宣 孝 武 石 英 孝 坂 東 眞 一 吉 田 聡 伊 藤 博 史 菊 正 敏 武 田 久 日 向 稔 吉 田 政 司 伊 藤 宗 武 岸 田 隆 志 武 田 英 俊 藤 井 浩 之 吉 田 光 利 井 上 俊 一 木 田 道 子 竹 村 優 二 舟 山 栄 治 吉 森 光 敏 井 上 政 史 日 下 哉 田 尻 勝 敏 堀 井 亜 希 我 妻 公 裕 井 林 昌 喜 久 保 真 理 田 中 俊一郎 本 庄 聡 和 田 明 岩瀬張 幸 子 久保田 法 順 田 中 俊 明 本 間 健 彦 渡 邉 周 一 岩 田 一 郎 窪 田 徳 明 谷 昭 憲 前 田 豊 渡 邉 幸 輝 石 見 清 孝 毛 内 顕 史 谷 川 敬 一 曲 木 須麻子 上 田 徹 古 賀 英 裕 田 端 秀 行 牧 野 敏 上 野 直 幸 小 形 和 律 田 村 二 郎 政 野 仁 内 浦 亨 小 林 茂 広 田 村 弘 樹 松 井 則 之 梅 﨑 真 大 小 林 雅 澄 千 葉 憲 一 松 浦 雅 章 遠 藤 彰 小 松 将 人 千 葉 浩 次 松ヶ瀬 章 大 川 徹 小 松 泰 宏 塚 本 慶 一 松 田 圭 右 大久保 政 俊 境 治 雄 遠 嶋 美 里 松 永 務 大 坂 道 明 佐 藤 和 英 土 岐 均 三 浦 治 彦 大 関 俊 郎 佐 藤 菜 子 部 田 則 行 水 上 夕規子 太 田 倫 夫 佐 藤 大 樹 中 川 尚 之 南 山 幸 雄 大 野 太 郎 佐 藤 裕 寛 中 田 伸 次 宮 上 秀 仁 大 村 道 子 佐 藤 弘 子 中 谷 秀 夫 宮 川 明 子 大 山 知 幸 島 芳 一 中 野 潔 明 宮 原 淑 彰 岡 崎 肇 上 西 亮 中 谷 真 樹 宮 本 幸 紀 尾 形 雅 史 白 川 淳 一 名 平 裕 村 井 太 和 岡 戸 康 浩 菅 原 和 良 納 谷 泰 文 村 中 淑 秀 小 川 経 一 菅 原 修 治 西 博 道 村 端 悟 小 川 政 博 杉 本 式 史 西 嶋 潤 一 元 村 治 郎 奥 村 稔 杉 本 祐 子 額 田 実 森 義 弘 長 田 淳 鈴 木 恵 一 沼 澤 博 美 森 塚 勝 敏 小野寺 泰 子 鈴 木 龍 昭 沼 田 靖 生 八 木 啓 充 本研究会の発展にご尽力を賜りました皆様のご功労を讃え、ここに敬意を表しますとともに この場を借りて心より感謝申し上げます。 北海道高等学校教育研究会 会 長 守 屋 開 ― 103 ― ― 104 ― 4500 4500 4000 4500 4500 4000 3500 4000 4000 3500 3000 3500 3500 3000 2500 3000 3000 2500 2000 2500 2500 2000 1500 2000 2000 1500 1000 1500 1500 1000 500 1000 1000 500 0 500 500 0 0 0 平24 平24 平24 平24 平24 平24 平24 平24 平21 平21 平21 平21 平18 平18 平18 平18 ᢊϋӏƼμƷ᭗ఄҡಅࢸƷܖٻሁᡶྙܖȷݼᎰྙ ᢊϋӏƼμƷ᭗ఄҡಅࢸƷܖٻሁᡶྙܖȷݼᎰྙ ᢊϋӏƼμƷ᭗ఄҡಅࢸƷܖٻሁᡶྙܖȷݼᎰྙ ᢊϋӏƼμƷ᭗ఄҡಅࢸƷܖٻሁᡶྙܖȷݼᎰྙ 平21 平21 平21 平21 平18 平18 平18 平18 平15 平15 平15 平15 平12 平12 平12 平12 平12 平12 平12 平12 平9 平9 平9平9 平6 平6 平6平6 平9 平9 平9平9 平6 平6 平6平6 平3 平3 平3平3 特別支援 特別支援 特別支援 特別支援 ᡶྙܖ ᡶྙܖ ᡶྙܖ ᡶྙܖ ᡶྙܖ ݼᎰྙ ᡶྙܖ ᡶྙܖ ݼᎰྙ ݼᎰྙ ݼᎰྙ ݼᎰྙ ݼᎰྙ ݼᎰྙ 平3 平3 平3平3 昭60 昭60 昭60 昭60 昭57 昭57 昭57 昭57 昭54 昭54 昭54 昭54 昭51 昭51 昭51 昭51 昭48 昭48 昭48 昭48 昭63 昭63 昭63 昭63 昭63 昭63 昭63 昭63 μᢊ μᢊ μ μᢊ μᢊ μ μᢊ μ μ μᢊ μ μᢊ μᢊ μ μ μ 昭60 昭60 昭60 昭60 昭57 昭57 昭57 昭57 昭54 昭54 昭54 昭54 昭51 昭51 昭51 昭51 昭45 昭45 昭45 昭45 昭42 昭42 昭42 昭42 昭39 昭39 昭39 昭39 昭36 昭36 昭36 昭36 ᢊϋƷՃૠƷਖ਼ᆆ ᢊϋƷՃૠƷਖ਼ᆆ 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道内単位制 全国単位制 800 600 400 200 0 ܖఄӸ ฌ൦ ካᚘ ౕ သᡀᕻŴᒧ ჽᨗ ೮҅ޛ ൷ဋ ܴᖅி ᤎែଢ᠗ ଖ߷ҤŴгฅ ˷ࠊኗ࣓ ፦Տݵ ිඕ ҥˮС 1200 1000 ࠰ࡇ 960 952 931 903 860 810 754 689 593 514 424 378 343 270 237 171 129 56 88 ࠰ࡇ ܖఄӸ ஊ ǯȩȸǯ ฌ൦ ౕŴಫ သᡀᕻŴᒧ ჽᨗ ೮҅ޛ ൷ဋ 38 4345 04 08 016 123 236 238 2 2 2 3 3 5 7 8 9 10 1618 22 25 27 33 Ŵ൶ࠀŴჿ߷ŴࠤଖɯŴ൷ɥ ܖᨈŴЉٻ ࠤᆖŴᤎែ൶Ҥ ܴᖅிŴଖ߷҅Ŵܴᖅฌ൦ɯŴ҅ ෙᢊᑸᘐ=ఇ? ᤎែଢ᠗Ŵ࠘࠼ɤவŴࠊᇌЉ ዡឥҤȶɯŴࠤٻᡫ ଖ߷ҤŴгฅŴࠤႉჽŴ҅ᙸᨗŴ ᩺ϋŴࠤᐯဌƕɯ=ఇ? ˷ࠊኗ࣓Ŵ͕ჷܤŴᙸޥඑᙱŴᒌݱཊ ҤŴƱǘƷౕɤग़ ፦ՏݵŴࠤႉᨒŴ҅࠼Ŵݱೖఞ ᨗŴᢒ᠉ ٻŴිඕ ― 106 ― ካᚘ 編 集 後 記 高教研 50 周年にあたり、これまでの資料に目を通そうとして、扉に手をかけると、一 つ一つ丁寧な文字で綴られた冊子が次々と出てきた。 その色あせた紙面に並ぶ活字やその時代を記録した数々の資料を手にしていると、急に、 何かが通り過ぎて行くようなめまいを覚え、タイムスリップしたのか、チャイムの音で我 に返り、遠く廊下に響く生徒のざわめきで、急に現実に引き戻される。腕時計を見て、随 分と時間がたっていたことを知る。 この 50 年をどうのように総括し、また、ここ 10 年をどのように意義づ けるのかは、大切な仕事が残っているが、まだまだ力不足を感じてしまう。 この思いをどうにか伝えたく、研究紀要第１号（昭和 39 年３月発行） に掲載された初代会長梶浦善次氏の巻頭言を再掲することにする。（た だし、波線は、編集委員が付した。） 巻 頭 言 会 長 梶 浦 善 次 このたびわたくしたちの研究会の研究論文集第１号を会員の皆さまにお届けできる運びになったことは、 まことに喜ばしいことであり、また同時にいろいろな感懐をもたざるを得ないのである。 今さらいうまでもないが、この研究会は、昨年５月に発足したものであり、会費収入、国の助成金などが 決定して、厳密な事業計画をたてることができたのは、秋も晩くなってからであった。全道的な研究大会の 開催と研究論文集の刊行の二つを柱としてその運営に入ったのであった。大会は２月の初めに実施され、こ の論文集の刊行をもって、第１年度の事業は一応終了することとなる。この研究会の歩みが一つの形を得た という感じである。熱心な会員の皆さまのご参加とご鞭撻によって、予定された事業を遂行できたことは、 まことに感謝にたえない。とくに日常生徒の指導に多忙な日を送りつつ、研究をつづけられ、論文集の第１ 号に寄稿された会員に対しては、心からなるお礼を申しあげたい。 ところでわたくしたちは、この程度の実績に満足しているのではない。研究論文集にしても、当初は文科 系と、理数系及び実業科関係の二分冊としようという計画であった。しかしそれが具体化したのは忙しい三 学期に入ってからのことであり、各教科平均した寄稿が得られなかったため二分冊とすることができなかっ た。この研究会は、高校における各教科の研究を主目的とするのであり、将来各教科において、それぞれ独 立した論文集の刊行ができるほどに成長して欲しいと願うのである。この論文集を出すにあたり、複雑な感 慨を禁じることを得ないというゆえんである。 率直に言って、高校の先生方は、高い教育的背景と深い専門の研究領域をもっている。しかし特別の場合 を除いては、その研究の成果を発表して相互に交流する場と機会に恵まれていなかったのではないか。本会 は、そうした実態を検討し、反省して自主的な研究をし、高校教育を前進させようという意欲をもつ人びと によって結成されたのである。これ以外には裏も表もないということを、ここでも改めて確認したいと思う。 わたくしたちの研究会が、正しく成長するためには、二つの条件が必要であると思う。一つはいかなる研究も、 自由に発表され、討究されるという「学問の自由」が確保されることであり、他は研究がなされる財政的な基盤 である。会の運営に当るわたくしたちは、この二つの条件を明確に区別しながら、しかも その二つを確保することに努めなければならない。研究論文集を出すに当り、会の運営 に対する所信をのべ、会員の皆さまのご自愛を祈って巻頭言とする次第である。 これまでの成果が、次の世代に引き継がれていくこと とともに、今後ともあらたな教育が創造され続けていく ことを祈念して、50 周年記念誌のまとめとしたい。 平成 25 年２月 12 日（編集委員） ― 107 ― 平成 24 年度 北海道高等学校教育研究会 本 部 事 務 局 会 長 守屋 開 事務局長 梅原 宏之 事務局次長 尾崎 寿春 編 集 ◎ 坂口 上家 浩幸 横関 直幸 春木 孝之 企 画 運 営 会計 庶務 横関 直幸 春木 孝之 上家 浩幸 毅 ○ 関 孝志 （表彰） 3 瓜田 純子 4 能勢 裕 （記念誌） 5 石田富美子 6 7 佐々木光憲 9 11 会場設営 ◎ 河崎 淳 ○ 浅沼 奨 3 大橋 昌郎 4 酒井 信田 篤 5 村山 嘉啓 6 川口 浩史 8 横山 朋美 7 菅原 満 8 三浦 裕司 飯島 晶子 10 小森 勝 9 坂口 公志 10 村上 知二 齋藤 12 高山 朗 11 庄末 12 鳴海 隆之 周 （配信実験） 剛 真 （当日協力・会員登録） 会員登録 （HP更新） ◎ 中島 和夫 ○ 今野 篤志 受付 ◎ 菅原 善之 ○ 長谷川詩織 3 中村 文則 4 近藤 肇 3 細田 季男 4 小泉 泰之 5 長澤 美香 6 大木 秀一 5 鈴木 綾 6 反橋 7 船本 8 髙瀨 敏樹 7 加藤 勉 8 桑島 宏明 9 布施 喜明 10 芦田 朋美 11 千葉 順世 12 山口 13 清水 りか 14 武田 考介 15 森 16 山根 康裕 治 政蔵 徹 繁 （当日協力・発送･印刷） 発送・印刷 ◎ 川内 瑞歩 ○ 成田 英行 （表彰） 研究紀要 （記念誌） 接待救護 ◎ 神尾 知佳 ○ 有田 みゆき 3 松井 均 4 佐々木英俊 3 新谷 めぐみ 4 櫻田 暁子 5 菊池 一樹 6 芳賀 雪枝 5 植田 珠代 6 伊藤 幸子 7 綿路 昌史 8 西田 清人 7 下段 華代 8 佐藤美智子 9 齊 昌己 10 上田 隆 11 林 清隆 12 坂間 卓朗 ◎ 宮田五輪夫 ○ 皆上 （当日協力・研究紀要作成） 誠 3 佐藤 直人 4 河西 博之 5 吉野龍太郎 6 丸岡 ひとみ ― 108 ― ◎ 密山 潤子 50 周 年 記 念 誌 発 行 日 2013 年３月 21 日 発 行 北海道高等学校教育研究会 〒 064－8535 札幌市中央区旭ヶ丘６丁目５－18 （北海道札幌旭丘高等学校内） TEL（011）513 － 2238 FAX（011）513 － 2244 発 行 者 守 屋 開（会長） 印刷・製本 旭プリント株式会社 芸術 情報 英語 保体 国語 商業 家庭 工業 数学 農業 理科 養護 水産 地歴・公民
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